JP2003292634A - エチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維との接着体の製造方法及び伝動ベルト - Google Patents

エチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維との接着体の製造方法及び伝動ベルト

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JP2003292634A
JP2003292634A JP2002096287A JP2002096287A JP2003292634A JP 2003292634 A JP2003292634 A JP 2003292634A JP 2002096287 A JP2002096287 A JP 2002096287A JP 2002096287 A JP2002096287 A JP 2002096287A JP 2003292634 A JP2003292634 A JP 2003292634A
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ethylene
rubber
olefin
rubber composition
fiber
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JP2002096287A
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Hitoshi Hanesaka
仁志 羽坂
Sumiko Takeuchi
寿美子 竹内
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温時においてもエチレン・α−オレフィン
ゴム組成物と伝動ベルトの心線となる繊維コードやカバ
ー帆布のような織物等とを良好に接着することができる
エチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維との接着体
の製造方法及び伝動ベルトを提供することを目的とす
る。 【解決手段】 繊維をエチレン・α−オレフィン−ジエ
ン共重合体ゴムラテックスからなるレゾルシン−ホルマ
リン−ゴムラテックス液で付着処理し、更にエチレン・
α−オレフィンゴム100質量部に対してイソシアネー
トを5〜35質量部含めたゴム組成物からなるゴム糊で
オーバーコート処理した後、エチレン・α−オレフィン
ゴムの未加硫ゴム組成物と密着加硫せしめたことを特徴
とするエチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維との
接着体の製造方法にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエチレン・α−オレ
フィンゴム組成物と繊維との接着体の製造方法及び伝動
ベルトに係り、詳しくは、特に高温時における接着力を
改善したエチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維と
の接着体の製造方法及び伝動ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギー化、コンパクト化の
社会的要請を背景に、自動車のエンジンルーム周辺の雰
囲気温度は従来に比べて上昇してきている。これにとも
ない伝動ベルトの使用環境温度が高くなり、ベルト寿命
が低下することが指摘されている。即ち、従来、伝動ベ
ルトには天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロ
プレンゴムなどのゴム材料が使用されてきたが、高温雰
囲気下では圧縮ゴム層が硬化し、早期にクラックを生じ
易いという問題が発生したるものである。
【0003】このようなベルトの早期破壊現象に対し、
従来からクロロプレンゴムの耐熱性の改善が検討されて
きたが、これに代わり最近ではエチレン−プロピレン系
ゴム(EPR)あるいはエチレン−プロピレン−ジエン
共重合体ゴム(EPDM)等のエチレン−α−オレフィ
ンエラストマーが優れた耐熱性、耐寒性を有し、比較的
に安価であるだけでなく、環境負荷物質の含有量が少な
いポリマーであるとして注目されている。このポリマー
は伝動ベルトへの使用も検討されつつあり、例えば特開
平6−345948号公報に開示されている。
【0004】しかしながら、エチレン−プロピレン系ゴ
ムは引き裂き力が低く、パーオキサイド架橋系を用いる
と、更に引き裂き力が低下して、走行時に心線がポップ
アウトしやすいという問題があった。一方、硫黄架橋系
を用いたものは、加硫度を十分に上げるのが困難である
ため、走行時に摩耗が多くなり、特にVリブドベルトで
は、摩耗紛がリブ部間の底部で蓄積され粘着摩耗を起こ
しやすく、これが発音を引き起こす大きな問題になって
いた。また、加硫度を上げるために、分子内の二重結合
量の極めて多いEPDMを用いると、粘着摩耗はある程
度改善できるが、耐熱性が低下するという不具合が発生
した。
【0005】更に、問題になる点は、エチレン・α−オ
レフィンエラストマーと繊維コードとの接着方法にあ
る。具体的には、繊維材料をレゾルシン−ホルマリン−
スチレン−ブタジエン−ビニルピリジンラテックスとを
含有するディップ液に浸漬処理した後、EPDMゴム組
成物と加硫接着する方法(特開平8−113657号公
報)、またレゾルシン−ホルマリン−ゴムラテックス接
着液で接着処理した繊維材料と、メチレン供与体、メチ
レン受容体及び珪酸化合物と配合したEPDMゴム組成
物と加硫接着する方法(特開平8−113656号公
報)などが試みられてきた。また、ハロゲン化ポリマー
を配合したエチレン・α−オレフィンエラストマー用接
着処理剤が上市されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、レゾルシン−
ホルマリン−スチレン−ブタジエン−ビニルピリジンラ
テックスを含有するディップ液で処理する場合には、接
着力が改善されるが、これを伝動ベルトの心線のような
繰り返し屈曲疲労をうける部位に使用した場合には、心
線と接着ゴム層とが早期に剥離することがあった。
【0007】また、メチレン供与体、メチレン受容体及
び珪酸化合物と配合したEPDMゴム組成物を使用した
場合でも、同様に繰り返し屈曲疲労をうける部位に使用
すると、心線と接着ゴム層とが早期に剥離することがあ
った。
【0008】更に、エチレン・α−オレフィンエラスト
マー用接着処理剤に含有されるハロゲン化ポリマーは環
境負荷物質として知られており、環境問題の重要性が増
す近年において好ましくない。
【0009】また、高温時においてはエチレン・α−オ
レフィンエラストマーと繊維の接着力が低下するといっ
た問題があり、改善が望まれている。
【0010】本発明は、これらの点を考慮し、高温時に
おいてもエチレン・α−オレフィンゴム組成物と伝動ベ
ルトの心線となる繊維コードやカバー帆布のような織物
等とを良好に接着することができるエチレン・α−オレ
フィンゴム組成物と繊維との接着体の製造方法及び伝動
ベルトを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本願請求項1記載
の発明は、エチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維
との接着物において、上記繊維をエチレン・α−オレフ
ィン−ジエン共重合体ゴムラテックスからなるレゾルシ
ン−ホルマリン−ゴムラテックス液で付着処理し、更に
エチレン・α−オレフィンゴム100質量部に対してイ
ソシアネートを5〜35質量部含めたゴム組成物からな
るゴム糊でオーバーコート処理した後、エチレン・α−
オレフィンゴムの未加硫ゴム組成物と密着加硫せしめた
エチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維との接着体
の製造方法にあり、オーバーコート処理液に特定量のイ
ソシアネートを含めたエチレン・α−オレフィンゴム組
成物を使用することによって、高温時においても繊維と
エチレン・α−オレフィンゴム組成物との加硫接着力を
高めることができる。またハロゲン化ポリマーを用いな
い為に、環境への負荷が少ないといった効果がある。
【0012】本願請求項2記載の発明は、オーバーコー
ト処理液に使用するゴム組成物中のエチレン・α−オレ
フィンゴムが60〜90質量%であるエチレン・α−オ
レフィンゴム組成物と繊維との接着体の製造方法にあ
る。
【0013】本願請求項3記載の発明は、ベルト長手方
向に沿って心線を埋設した接着ゴム層と、圧縮ゴム層を
含む弾性体層からなる動力伝動ベルトにおいて、心線と
してエチレン・α−オレフィン−ジエン共重合体ゴムラ
テックスからなるレゾルシン−ホルマリン−ゴムラテッ
クス液で付着処理し、更にエチレン・α−オレフィンゴ
ム100質量部に対してイソシアネートを5〜35質量
部含めたゴム組成物からなるゴム糊でオーバーコート処
理したコードを、エチレン・α−オレフィンゴム組成物
からなる接着ゴム層に埋設した動力伝動用ベルトであ
り、ベルト初期接着力、ベルト残存接着力が向上し、ベ
ルト走行寿命が長くなることが期待できる。
【0014】本願請求項4記載の発明は、伝動ベルトが
ベルト長さ方向に沿って繊維コードをエチレン・α−オ
レフィンゴム組成物中に埋設した接着ゴム層と、エチレ
ン・α−オレフィンゴム組成物で構成されたベルト長さ
方向に延びる複数のリブ部を有するVリブドベルトであ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明で使用するエチレン・α−
オレフィンゴムとしては、エチレンとα−オレフィン
(プロピレン、ブテン、ヘキセン、あるいはオクテン)
の共重合体、あるいは、エチレンと上記α−オレフィン
と非共役ジエンの共重合体であり、具体的にはエチレン
−プロピレンゴム(EPM)やエチレン−プロピレン−
ジエンターポリマー(EPDM)からなるゴムをいう。
上記ジエン成分としては、エチリデンノルボルネン、ジ
シクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオ
クタジエン、メチレンノルボルネンなどの炭素原子数5
〜15の非共役ジエンが挙げられる。
【0016】上記ゴムの架橋には、硫黄や有機過酸化物
が使用される。有機過酸化物としては、例えばジクミル
パーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−
ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイ
ド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−
2,5−(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−
ジメチル−2,5−モノ(t−ブチルパーオキシ)ヘキ
サン等を挙げることができる。この有機過酸化物は、単
独もしくは混合物として、通常エチレン−α−オレフィ
ンエラストマー100gに対して0.005〜0.02
モルgの範囲で使用される。
【0017】また、架橋助剤(co−agent)を配
合することによって、架橋度を上げて粘着摩耗等の問題
を防止することができる。架橋助剤として挙げられるも
のとしては、TIAC、TAC、1,2ポリブタジエ
ン、不飽和カルボン酸の金属塩、オキシム類、グアニジ
ン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、N−N‘−m−フェ
ニレンビスマレイミド、硫黄など通常パーオキサイド架
橋に用いるものである。
【0018】そして、それ以外に必要に応じてカーボン
ブラック、シリカのような増強剤、炭酸カルシウム、タ
ルクのような充填剤、可塑剤、安定剤、加工助剤、着色
剤のような通常のゴム配合物に使用されるものが使用さ
れる。
【0019】本発明で使用する繊維は、アラミド繊維、
ポリエチレンテレフタレート繊維(PET繊維)、ポリ
エチレンナフタレート繊維(PEN繊維)のようなポリ
エステル繊維であり、その形態としてのコード、織物が
使用される。
【0020】使用する繊維の場合には、下記2種の方法
によって処理される。 (イ)繊維をエチレン・α−オレフィン−ジエン共重合
体ゴムラテックスからなるRFL処理液で処理し、更に
エチレン・α−オレフィンゴムにイソシアネートを含め
たゴム組成物からなるゴム糊でオーバーコート処理した
後、エチレン・α−オレフィンゴムの未加硫ゴム組成物
と密着加硫する。
【0021】(ロ)繊維をイソシアネート化合物又は/
及びエポキシ化合物からなる前処理液で付着処理し、上
記RFL処理液で付着処理し、更にエチレン・α−オレ
フィンゴムにイソシアネートを含めたゴム組成物からな
るゴム糊でオーバーコート処理した後、エチレン・α−
オレフィンゴムの未加硫ゴム組成物と密着加硫すること
もできる。また前処理では、未処理の繊維をイソシアネ
ート化合物又は/及びエポキシ樹脂で室温に設定した処
理液に0.5〜30秒間浸漬した後、150〜190℃
に調節したオーブンに2〜5分間通して乾燥される。
【0022】RFL液はレゾルシンとホルマリンの初期
縮合物をエチレン・α−オレフィン−ジエン共重合体ゴ
ムラテックスと混合したものであり、この場合レゾルシ
ンとホルマリンのモル比は1:2〜2:1にすることが
接着力を高める上で好適である。モル比が1/2未満で
は、レゾルシン−ホルマリン樹脂の三次元化反応が進み
過ぎてゲル化し、一方2/1を超えると、逆にレゾルシ
ンとホルマリンの反応があまり進まないため、接着力が
低下する。そして、上記RFL液に加硫促進剤もしくは
加硫促進剤と加硫剤を添加してもよい。
【0023】エチレン・α−オレフィン−ジエン共重合
体ゴムラテックスとして、その代表的なものとしてエチ
レン−プロピレン−ジエンモノマーラテックスゴムがあ
り、ジエンモノマーの例としては、ジシクロペンタジエ
ン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、
1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエンなどがあげ
られる。
【0024】上記ゴムラテックスの製造方法としては以
下の2種類あり、一つは、固形ポリマーを溶剤に溶かし
た後、相変化させて水に乳化分散させ、ラテックスとす
る方法で、もう一つは、乳化させたモノマーを重合して
そのままラテックスとする方法である。後述の実施例で
は前者の方法で製造したエチレン−プロピレン−ジエン
モノマーラテックスを用いているが、いずれの方法で製
造したものでもよい。
【0025】また、レゾルシン−ホルマリンの初期縮合
物と上記ゴムラテックスの固形分質量比は1:2〜1:
8が好ましく、この範囲を維持すれば接着力を高める上
で好適である。上記の比が1/2未満の場合には、レゾ
ルシン−ホルマリンの樹脂分が多くなり、皮膜が固くな
り動的な接着が悪くなり、他方1/8を超えると、レゾ
ルシン−ホルマリンの樹脂分が少なくなるため、逆に皮
膜が柔らかくなり、接着力が低下する。
【0026】オーバーコート処理に用いるゴム組成物
は、エチレン・α−オレフィンゴムにイソシアネートを
配合することを必須成分とし、必要に応じてシリカ、カ
ーボンブラック、加硫促進剤等を含めることができる。
エチレン・α−オレフィンゴムは前述ものものと同じで
あり、エチレンとα−オレフィン(プロピレン、ブテ
ン、ヘキセン、あるいはオクテン)の共重合体、あるい
は、エチレンと上記α−オレフィンと非共役ジエンの共
重合体であり、具体的にはエチレン−プロピレンゴム
(EPM)やエチレン−プロピレン−ジエンターポリマ
ー(EPDM)からなるゴムをいう。上記ジエン成分と
しては、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエ
ン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチ
レンノルボルネンなどの炭素原子数5〜15の非共役ジ
エンが挙げられる。
【0027】イソシアネートとしては、例えば4,4’
−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレン2,4
−ジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリア
リールポリイソシアネート(例えば商品名としてPAP
Iがある)等がある。また、上記イソシアネートにフェ
ノール類、第3級アルコール類、第2級アルコール類等
のブロック化剤を反応させてポリイソシアネートのイソ
シアネート基をブロック化したブロック化ポリイソシア
ネートも使用可能である。その配合量はエチレン・α−
オレフィンゴム100質量部に対して5〜35質量部で
ある。5質量部未満では、高温時における未加硫ゴムと
の接着が不十分であり、一方35質量部を超えると、接
着力の低下を招く。
【0028】シリカとしては、含水シリカを含み、粒子
径、PH等は限定しない。その添加量はエチレン・α−
オレフィンゴム100質量部に対して、5〜40質量部
である。5質量部未満では、未加硫ゴムとの接着が不十
分であり、一方40質量部を超えると、ゴムの粘度が上
昇して繊維への浸透性が劣り、接着力が低下する。
【0029】カーボンブラックの種類としては、SA
F、ISAF、HAF、FF、FEF、GPF、SR
F、FT、MT等があり、特に規定しない。その添加量
はエチレン・α−オレフィンゴム100質量部に対し
て、5〜50質量部である。5質量部未満では、処理繊
維の経時接着力の低下が大きく、また50質量部を超え
ると、ゴムの粘度が上昇して繊維への浸透性が劣り、接
着力が低下する。
【0030】オーバーコート処理液に使用するゴム組成
物中のエチレン・α−オレフィンゴム分は60〜90質
量%である。60質量%未満では、繊維への浸透性が劣
り、接着力が低下し、他方90質量%を超えると、処理
繊維の経時接着力の低下が大きくなる。
【0031】前処理液で使用するイソシアネート化合物
としては、上記に例示したものがある。このイソシアネ
ート化合物はトルエン、メチルエチルケトン等の有機溶
剤に混合して使用される。
【0032】前処理液で使用するエポキシ化合物として
は、例えばエチレングリコール、グリセリン、ペンタエ
リスリトール等の多価アルコールや、ポリエチレングリ
コール等のポリアルキレングリコールとエピクロルヒド
リンのようなハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成
物や、レゾルシン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジ
メチルメタン、フェノール.ホルムアルデヒド樹脂、レ
ゾルシン.ホルムアルデヒド樹脂等の多価フェノール類
やハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物などであ
る。上記エポキシ化合物はトルエン、メチルエチルケト
ン等の有機溶剤に混合して使用される。
【0033】上記接着処理をした繊維の用途として、例
えば図1に示すVリブドベルトの心線に使用される。こ
のVリブドベルト1によると、接着ゴム層3中の撚糸コ
ードを素材とする高強度で低伸度のコードよりなる心線
2を接着ゴム層3中に埋設し、その下側に弾性体層であ
る圧縮ゴム層4を有している。この圧縮ゴム層4にはベ
ルト長手方向にのびる断面略三角形の複数のリブ7が設
けられている。また、ベルト表面にはゴム付帆布5を設
けてもよいが、設ける必要もない。
【0034】前記圧縮ゴム層4に使用されるゴム組成物
は、エチレン・α−オレフィンゴム100質量部に対し
て、アラミド、ナイロン、ポリステル、ビニロン、綿な
ど短繊維を1〜50質量部、好ましくは5〜25質量部
含有してもよい。
【0035】一方、接着ゴム層3には耐熱性を有し、そ
して心線との接着を良好にするためにも、上記エチレン
・α−オレフィンゴム組成物であって硫黄により架橋で
きるものを使用する。そして、それ以外に必要に応じて
カーボンブラック、シリカのような増強剤、炭酸カルシ
ウム、タルクのような充填剤、可塑剤、安定剤、加工助
剤、着色剤のような通常のゴム配合に用いるものが使用
される。
【0036】上記接着ゴム層3における硫黄の添加量
は、エチレン・α−オレフィンゴム100質量部に対し
て0.5〜3.0質量部である。
【0037】尚、この接着ゴム層3に使用するエチレン
・α−オレフィンゴムのうちEPDMは、ヨウ素価が4
以上で40未満であることが好ましい。4未満であると
ゴム組成物の硫黄による架橋が充分でなく、心線のポッ
プアウトの問題が発生する。一方、40を超えると、ゴ
ム組成物のスコーチが短くなって取扱にくくなり、また
耐熱性が悪くなる。
【0038】Vリブドベルトの製造方法の一例は以下の
通りである。まず、円筒状の成形ドラムの周面に1〜複
数枚のカバー帆布と接着ゴム層とを巻き付けた後、この
上にロープからなる心線を螺旋状にスピニングし、更に
圧縮ゴム層を順次巻きつけて積層体を得た後、これを硫
黄や有機過酸化物により架橋して架橋スリーブを得る。
【0039】次に、架橋スリーブを駆動ロールと従動ロ
ールに掛架され所定の張力下で走行させ、更に回転させ
た研削ホイールを走行中の架橋スリーブに当接するよう
に移動して架橋スリーブの圧縮ゴム層表面に3〜100
個の複数の溝状部を一度に研磨する。
【0040】このようにして得られた架橋スリーブを駆
動ロールと従動ロールから取り外し、該架橋スリーブを
他の駆動ロールと従動ロールに掛架して走行させ、カッ
ターによって所定の幅に切断して個々のVリブドベルト
に仕上げる。
【0041】また、本発明においては、上記のVリブド
ベルト以外にも、図2に示すようにベルトの上下表面の
みにゴム付帆布25を付着したVベルト21などの伝動
ベルトも含む。このVベルト21は、心線22を接着ゴ
ム層23中に埋設し、その下側に弾性体層である圧縮ゴ
ム層24を有している。この圧縮ゴム層24には、コグ
を長手方向に沿って所定間隔で設けてもよい。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。 実施例1〜3、比較例1,2 1220dtex/1×5のポリエチレンテレフタレー
ト(PET)の未処理撚糸コードを準備し、表1に示す
プレディップ液に浸漬した後、180℃で4分間熱処理
した。次に、表2に示すRFL液に浸漬し、230℃で
2分間熱処理した。更に、表4に示すオーバーコート処
理液に浸漬し、150℃で4分間熱処理した。オーバー
コート処理液は、表3の配合ゴム並びにイソシアネート
をトルエンに溶解して、作製したものである。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】得られたコードを表5に示す配合をもつ厚
さ4mmのゴムシートの上に25mm幅に並べ、プレス
板で2.0MPaの圧力をかけ、163℃で30分間加
硫し、剥離試験用の試料を作製した。そして、JISK
6256に従い剥離力を測定した。その結果を表6に示
すとともに、イソシアネート配合量と剥離力の関係を図
3に示す。尚、表6中のイソシアネート配合量とは、オ
ーバーコート処理液中のゴム成分100質量部に対する
配合量をいう。
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】その結果、イソシアネートを配合していな
い比較例1では、120°C雰囲気における剥離力が極
端に低いことから、高温時の接着性を向上させるために
は少なくともイソシアネートを5質量部以上配合する必
要であることが判る。一方、イソシアネートの配合量が
40質量部である比較例2は、室温雰囲気下、高温雰囲
気下ともに剥離力が低下することから、35質量部未満
の配合が適当であることが知見できた。
【0051】また、得られた処理コードを心線とし、接
着ゴム層として表5のゴム配合、また圧縮ゴム層として
表5のゴム配合にナイロンカット糸20質量部を添加し
たものを用意した。そして、円筒状の成型ドラムの周面
にゴム付綿帆布を2プライと接着ゴム層を積層し、上記
心線をピッチ1.03mm、張力50Nでピニングした
後に圧縮ゴム層を積層し、この積層物を加硫した。加硫
スリーブを駆動ロールと従動ロールに掛架して所定の張
力下で走行させながら、回転中の研削ホイールを圧縮ゴ
ム層表面に当てて複数の溝状部を研磨加工し、そして所
定幅に切断してVリブドベルトを得た。
【0052】得られたVリブドベルトはRMA規格によ
る長さ975mmのK型3リブドベルトであり、リブピ
ッチ3.56mm、リブ高さ2.0mm、ベルト厚さ
4.3mm、リブ角度40°である。得られたベルトの
接着性評価として、ベルト周方向に埋設した心線を2本
引き起こし、50mm/分の速度で剥離したときの応力
を求めた。その結果を表6に併記する。
【0053】この結果、実施例では、オーバーコート処
理液のイソシアネートの配合量を特定することによっ
て、室温雰囲気下、高温雰囲気下においても接着力に優
れることが判った。
【0054】
【発明の効果】以上のように本願請求項記載の発明は、
繊維をエチレン・α−オレフィン−ジエン共重合体ゴム
ラテックスからなるレゾルシン−ホルマリン−ゴムラテ
ックス液で付着処理し、更にエチレン・α−オレフィン
ゴムに特定量のイソシアネートを含めたゴム組成物から
なるゴム糊でオーバーコート処理した後、エチレン・α
−オレフィンゴムの未加硫ゴム組成物と密着加硫せしめ
たエチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維との接着
体の製造方法であり、オーバーコート処理液にイソシア
ネートを含めたエチレン・α−オレフィンゴム組成物を
使用することによって、高温時においても繊維とエチレ
ン・α−オレフィンゴム組成物との加硫接着力を高める
ことができる。また、心線としてエチレン・α−オレフ
ィン−ジエン共重合体ゴムラテックスからなるレゾルシ
ン−ホルマリン−ゴムラテックス液で付着処理し、更に
エチレン・α−オレフィンゴムにイソシアネートを含め
たゴム組成物からなるゴム糊でオーバーコート処理した
コードを、エチレン・α−オレフィンゴム組成物からな
る接着ゴム層に埋設したことを特徴とする伝動ベルトで
あり、高温時においても接着力が高く、ひいてはベルト
走行寿命が長くなる効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Vリブドベルトの断面図である。
【図2】Vベルトの断面図である。
【図3】イソシアネート配合量と剥離力の関係を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 Vリブドベルト 2 心線 3 接着ゴム層 4 圧縮ゴム層 5 ゴム付帆布 7 リブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 23:16 C08L 23:16

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン・α−オレフィンゴム組成物と
    繊維との接着物において、上記繊維をエチレン・α−オ
    レフィン−ジエン共重合体ゴムラテックスからなるレゾ
    ルシン−ホルマリン−ゴムラテックス液で付着処理し、
    更にエチレン・α−オレフィンゴム100質量部に対し
    てイソシアネートを5〜35質量部含めたゴム組成物か
    らなるゴム糊でオーバーコート処理した後、エチレン・
    α−オレフィンゴムの未加硫ゴム組成物と密着加硫せし
    めたことを特徴とするエチレン・α−オレフィンゴム組
    成物と繊維との接着体の製造方法。
  2. 【請求項2】 オーバーコート処理液に使用するゴム組
    成物中のエチレン・α−オレフィンゴム分が60〜90
    質量%である請求項1記載のエチレン・α−オレフィン
    ゴム組成物と繊維との接着体の製造方法。
  3. 【請求項3】 ベルト長手方向に沿って心線を埋設した
    接着ゴム層と、圧縮ゴム層を含む弾性体層からなる伝動
    ベルトにおいて、心線としてエチレン・α−オレフィン
    −ジエン共重合体ゴムラテックスからなるレゾルシン−
    ホルマリン−ゴムラテックス液で付着処理し、更にエチ
    レン・α−オレフィンゴム100質量部に対してイソシ
    アネートを5〜35質量部含めたゴム組成物からなるゴ
    ム糊でオーバーコート処理したコードを、エチレン・α
    −オレフィンゴム組成物からなる接着ゴム層に埋設した
    ことを特徴とする伝動ベルト。
  4. 【請求項4】 伝動ベルトがベルト長さ方向に沿って繊
    維コードをエチレン・α−オレフィンゴム組成物中に埋
    設した接着ゴム層と、エチレン・α−オレフィンゴム組
    成物で構成されたベルト長さ方向に延びる複数のリブ部
    を有するVリブドベルトである請求項3記載の伝動ベル
    ト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP4619733B2 (ja) * 2003-10-21 2011-01-26 三ツ星ベルト株式会社 動力伝動用ベルト

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