JP2018062550A - 樹脂組成物及びハンドレール - Google Patents

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Ikuo Seki
育雄 関
宏 岩渕
Hiroshi Iwabuchi
宏 岩渕
公弥 松川
Kimiya Matsukawa
公弥 松川
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Ryutaro Kikuchi
龍太郎 菊池
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Abstract

【課題】エチレン−酢酸ビニル共重合体を材料として使用していながらも剥がれが生じにくいハンドレールを得ることが可能な樹脂組成物及び当該樹脂組成物を用いたハンドレールを提供する。
【解決手段】ハンドレール10は、シランをグラフト重合させたエチレン−酢酸ビニル共重合体(シラングラフトEVA)を含有する架橋樹脂組成物と、熱可塑性ポリウレタンエラストマー20質量%以上とを含有する樹脂組成物からなる芯材層2を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂組成物及び当該樹脂組成物を用いたハンドレールに関する。
エスカレータ、動く歩道、及びこれらに類似した輸送装置のためのハンドレールの芯材層の材料として、ゴム材料等が使用されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、特許文献2には、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を芯材層の材料として使用したハンドレールが開示されている。具体的には、結合酢酸ビニル分25重量%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部と所定の充填剤50重量部と適量の有機過酸化物との組成物から構成され分子間架橋された断面三日月型の主体を備えた移動用手摺が開示されている。
従来のハンドレールの芯材層に用いられるゴム(例えばクロロスルフォン化ポリエチレン)と比較して、EVAは比重が軽いため、ハンドレールの重量を低く抑えられるので、エスカレータ等の駆動装置の消費電力を低減することができる点でメリットがある。
特開2002−255470号公報 特公昭47−48146号公報
しかし、ハンドレールの芯材層の材料として特許文献2に記載の組成物を用いた場合、ハンドレールの一般的な構成要素である抗張体や帆布層との接着力が不十分であるため、使用時に剥がれやすいという問題がある。
そこで、本発明の目的は、エチレン−酢酸ビニル共重合体を材料として使用していながらも剥がれが生じにくいハンドレールを得ることが可能な樹脂組成物及び当該樹脂組成物を用いたハンドレールを提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、下記の樹脂組成物及びハンドレールを提供する。
[1]シランをグラフト重合させたエチレン−酢酸ビニル共重合体(シラングラフトEVA)を含有する架橋樹脂組成物と、熱可塑性ポリウレタンエラストマー20質量%以上とを含有することを特徴とする樹脂組成物。
[2]前記架橋樹脂組成物は、塩化ビニルをグラフト重合させたエチレン−酢酸ビニル共重合体(塩化ビニルグラフトEVA)を含有することを特徴とする前記[1]に記載の樹脂組成物。
[3]非架橋のエチレン−酢酸ビニル共重合体(非架橋EVA)を含有することを特徴とする前記[1]又は前記[2]に記載の樹脂組成物。
[4]前記熱可塑性ポリウレタンエラストマー80質量%以上を含有することを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
[5]前記熱可塑性ポリウレタンエラストマー20質量%以上80質量%未満を含有することを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
[6]樹脂組成物からなる芯材層を備え、前記樹脂組成物は、シランをグラフト重合させたエチレン−酢酸ビニル共重合体(シラングラフトEVA)を含有する架橋樹脂組成物と、熱可塑性ポリウレタンエラストマー20質量%以上とを含有することを特徴とするハンドレール。
[7]長手方向に延びる抗張体と、長手方向に延びる布地層とを備え、前記樹脂組成物は、前記熱可塑性ポリウレタンエラストマー80質量%以上を含有し、前記芯材層は、前記抗張体及び前記布地層と直接に一体化されていることを特徴とする前記[6]に記載のハンドレール。
[8]長手方向に延びる抗張体と、長手方向に延びる布地層とを備え、前記樹脂組成物は、前記熱可塑性ポリウレタンエラストマー20質量%以上80質量%未満を含有し、前記芯材層は、前記抗張体及び前記布地層への接着力が前記樹脂組成物よりも強い樹脂組成物からなる接着層を介して前記抗張体及び前記布地層と一体化されていることを特徴とする前記[6]に記載のハンドレール。
[9]前記接着層を構成する前記樹脂組成物は、熱可塑性ポリウレタンエラストマーを80質量%以上、前記架橋樹脂組成物を1質量%以上、前記熱可塑性ポリウレタンエラストマーと前記架橋樹脂組成物を混ざりやすくする相溶化剤を3質量%以上含有することを特徴とする前記[8]に記載のハンドレール。
[10]前記相溶化剤は、変性ポリオレフィンであることを特徴とする前記[9]に記載のハンドレール。
本発明によれば、エチレン−酢酸ビニル共重合体を材料として使用していながらも剥がれが生じにくいハンドレールを得ることが可能な樹脂組成物及び当該樹脂組成物を用いたハンドレールを提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るハンドレールを示す横断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るハンドレールを示す横断面図である。 熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)のブレンド量に対する帆布との接着力の測定結果を示すグラフである。 熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)のブレンド量に対する抗張体の引抜き力の測定結果を示すグラフである。 熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)のブレンド量に対する引張強さの測定結果を示すグラフである。 熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)のブレンド量に対する伸びの測定結果を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態に係るハンドレールの変形例を示す横断面図(端部のみ図示)である。 本発明の第2の実施の形態に係るハンドレールの変形例を示す横断面図である。
〔樹脂組成物〕
本発明の実施の形態に係る樹脂組成物は、シランをグラフト重合させたエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、シラングラフトEVAという)を含有する架橋樹脂組成物と、熱可塑性ポリウレタンエラストマー20質量%以上とを含有することを特徴とする。以下、本実施の形態について詳細に説明する。
(架橋樹脂組成物)
本発明の実施の形態における架橋樹脂組成物は、シラングラフトEVAを含有し、好ましくは、更に塩化ビニルをグラフト重合させたエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、塩化ビニルグラフトEVAという)を含有する。
(1)シラングラフトEVA
シラングラフトEVAは、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAという)部分中の酢酸ビニル含量(以下、VA含量という)が4質量%以上28質量%以下であることが好ましい。すなわち、当該シラングラフトEVAを得るために材料として用いるEVAのVA含量が4質量%以上28質量%以下であることが好ましい。上記VA含量は、より好ましくは5質量%以上25質量%以下であり、更に好ましくは6質量%以上23質量%以下であり、更に好ましくは10質量%以上22質量%以下であり、最も好ましくは15質量%以上20質量%以下である。VA含量を4質量%以上とすることにより、ハンドレールに必要な硬度、弾性を得ることができる。また、VA含量を28質量%以下とすることにより、ビカット軟化点を40℃以上とすることができる。
シラングラフトEVAを得るために材料として用いるEVAの硬度は、ショアAスケールで86〜96であることが好ましい。当該シラングラフトEVAを含有する架橋樹脂組成物を含有する樹脂組成物の硬度は、ショアAスケールで86〜94であることが好ましい。これにより、ハンドレール駆動用のローラによるハンドレールへの圧痕を少なくすることができる。
(2)塩化ビニルグラフトEVA
本発明の実施の形態に係る架橋樹脂組成物は、上記シラングラフトEVAのほか、塩化ビニルグラフトEVAを含有することが好ましい。塩化ビニルグラフトEVAを含有させることにより、15MPa以上の引張強度と400%以上の引張伸びが得られる。また、シラングラフトEVAと後述する熱可塑性ポリウレタンエラストマーとの相溶性を良くし、外観荒れや伸びを改善することができる。本実施の形態において、シラングラフトEVAのVA含量が低い場合に、シラングラフトEVAの熱可塑性ポリウレタンエラストマーに対する相溶性が悪くなる傾向にあるので、このような場合に特に効果がある。
塩化ビニルグラフトEVAは、EVA部分中のVA含量が5質量%以上45質量%以下であることが好ましい。すなわち、塩化ビニルグラフトEVAを得るために材料として用いるEVAのVA含量が5質量%以上45質量%以下であることが好ましい。上記VA含量は、より好ましくは15質量%以上28質量%以下である。
塩化ビニルのグラフト率は、特に限定されるものではないが、好ましくは40〜95%である。
(3)製造方法
本発明の実施の形態において使用される架橋樹脂組成物は、例えば、以下のようにして製造することができる。
上記シラングラフトEVAは、EVA100質量部に対してシランカップリング剤を0.5〜4.0質量部添加してシランをEVAにグラフト重合させて得ることが好ましい。シランカップリング剤の添加量は、より好ましくはEVA100質量部に対して2.0〜3.0質量部である。
シランカップリング剤は、特に限定されるものではないが、ビニルシラン、メタクリルシラン、アクリルシランが好適である。ビニルシランとしては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリルシランとしては、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、アクリルシランとしては、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記グラフト重合(シラン架橋)においては、EVA100質量部に対して架橋剤としてシラングラフト用過酸化物を0.01〜0.5質量部添加することが好ましい。過酸化物としては、ジアルキルパーオキサイドが好ましく、例えば、ジ(2−t−ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド(DCP)、2,5−ジメチル−2,5ジ(ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、ジ−t−ヘブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3が挙げられる。
また、上記グラフト重合(シラン架橋)においては、EVA100質量部に対して架橋触媒としてシラノール縮合触媒を少量(例えば、0.03〜0.2質量部程度)添加することが好ましい。シラノール縮合触媒としては、有機錫系触媒が好適である。有機錫系触媒としては、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫マレートポリマー、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジステアレート、ジブチル錫マレートポリマー等が挙げられる。有機錫系触媒の添加は、塩化ビニルグラフトEVAを添加した後が好ましいが、塩化ビニルグラフトEVAと一緒に添加してもよい。
EVAには、上記配合剤のほか、安定剤、老化防止剤、可塑剤、滑剤、充填剤、難燃剤、着色剤等の一般的な各種配合剤を添加してよい。各配合剤の添加は、架橋触媒を添加する工程の後に行なわれることが好ましい。
また、塩化ビニルグラフトEVAの添加のタイミングは特に限定されるものではないが、EVAに対するシラングラフト反応が終了した後に添加することが好ましい。架橋樹脂組成物の製造に際し、上記グラフト重合(シラン架橋)前のEVA100質量部に対して前述の塩化ビニルグラフトEVAを20〜50質量部添加することが好ましい。塩化ビニルグラフトEVAの添加量は、より好ましくはEVA100質量部に対して25〜40質量部である。
シラングラフト反応は、例えば、2軸混練押出機内で行われ、押出機の途中から塩化ビニルグラフトEVA、架橋触媒等の残りの材料を加え、シラン縮合反応が促進、完了することにより、上記架橋樹脂組成物を得ることができる。
本発明の実施の形態に係る樹脂組成物は、熱可塑性ポリウレタンエラストマーを80質量%以上含有する場合には、上記架橋樹脂組成物を2〜20質量%含有することが好ましく、5〜10質量%含有することがより好ましい。また、熱可塑性ポリウレタンエラストマーを20質量%以上80質量%未満含有する場合には、上記架橋樹脂組成物を2〜40質量%含有することが好ましく、5〜30質量%含有することがより好ましい。
(熱可塑性ポリウレタンエラストマー)
本発明の実施の形態に係る樹脂組成物は、上記架橋樹脂組成物のほか、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)を20質量%以上含有する。熱可塑性ポリウレタンエラストマーを20質量%以上含有することにより、ハンドレール等の製造に際し、隣接する材料との接着性を向上させることができる。また、最外層の材料として使用した場合に製品表面の艶を向上させることができる。
熱可塑性ポリウレタンエラストマーの含有量が20質量%以上80質量%未満である場合、接着性の向上幅が比較的小さいため、ハンドレールの芯材層材料として適用するに際しては、後述する接着層5A,5B(図2)を設ける構成とすることが好ましい。熱可塑性ポリウレタンエラストマーの含有量は、好ましくは、20質量%以上60質量%以下であり、より好ましくは、20質量%以上40質量%以下である。
熱可塑性ポリウレタンエラストマーの含有量が80質量%以上である場合、接着性の向上幅は十分であり、後述する接着層5A,5B(図2)を設けずに芯材層と抗張体及び布地層とを直接に一体化する構成(図1)とすることが好ましい。熱可塑性ポリウレタンエラストマーの含有量は、好ましくは、85質量%以上95質量%以下である。
(非架橋のエチレン−酢酸ビニル共重合体)
本発明の実施の形態に係る樹脂組成物は、上記架橋樹脂組成物及び熱可塑性ポリウレタンエラストマーのほか、更に非架橋のエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、非架橋EVAという)を含有することが好ましい。非架橋EVAを含有することにより、材料コストの低減、加工性の向上、押出性の向上(数日連日押出が可能となり量産性が向上する)の効果が得られる。なお、ここで、加工性とは、例えば2本のハンドレール端末間の接続性のことである。
非架橋EVAは、VA含量が4質量%以上28質量%以下であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上25質量%以下である。
本発明の実施の形態に係る樹脂組成物は、前述の熱可塑性ポリウレタンエラストマーを80質量%以上含有する場合には、上記非架橋EVAを1〜20質量%含有することが好ましく、5〜10質量%含有することがより好ましい。また、前述の熱可塑性ポリウレタンエラストマーを20質量%以上80質量%未満含有する場合には、上記非架橋EVAを5〜80質量%含有することが好ましく、20〜80質量%含有することがより好ましい。
(製造方法)
本発明の実施の形態に係る樹脂組成物は、架橋樹脂組成物と熱可塑性ポリウレタンエラストマーを含有(必要に応じて非架橋EVAも含有)する材料組成物を、加圧型ニーダー、バンバリーミキサー、ミキシングロールなどの混練機による混練や、二軸混練押出機などの押出機内混練で均一に混合することにより製造できる。
(用途)
本発明の実施の形態に係る樹脂組成物の用途としては、特に限定されるものではないが、エスカレータ、動く歩道、及びこれらに類似した輸送装置のためのハンドレールの芯材層や化粧層(表面層)の材料として特に適している。
〔ハンドレール〕
本発明の実施の形態に係るハンドレールは、本発明の実施の形態に係る上記樹脂組成物からなる芯材層を備えたことを特徴とする。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るハンドレールを示す横断面図である。
本発明の第1の実施の形態に係るハンドレール10は、全体としてC字状の横断面形状を有し、ハンドレール10の長手方向に連続的に設けられた抗張体1と、抗張体1の周りを覆い横断面形状がC字状に形成された、本発明の実施の形態に係る上記樹脂組成物からなる芯材層2と、芯材層2のC字状の外面を覆って横断面形状がC字状に形成された化粧層3と、芯材層2のC字状の内面に内張りされた布地層4とを備える。
(抗張体1)
抗張体1は、ハンドレール10の強度を確保するための機能を有するものであり、公知のスチールコード、ナイロン芯入りスチールコード、高強度のアラミド繊維などから構成され得る。本実施形態では、抗張体1としてスチールコード18本を採用している。抗張体1は、棒状のものに限らず、板状のものであってもよい。
(芯材層2)
芯材層2は、抗張体1を外部応力から保護することを主目的とするものであり、本発明の実施の形態に係る上記樹脂組成物からなる。本実施形態では、横断面形状をC字状としたが、当該形状に限られない。
(化粧層3)
化粧層3は、ハンドレール10の最外層に設けられ、良好な外観を主目的とするものである。化粧層3の材料としては、特に限定されず、種々の熱可塑性エラストマーを使用できるが、本発明の実施の形態に係る上記樹脂組成物を使用することが好ましい。化粧層3は、芯材層2と同じ硬度とすることが好ましい。硬度は、例えば、ショアAスケールで86〜94が好ましい。本実施形態では、横断面形状をC字状としたが、当該形状に限られない。
(布地層4)
布地層4は、ハンドレール10が設置されるガイドレールとの摩擦抵抗を低減することやハンドレール10の強度を補強することを主目的とするものであり、綿などの天然繊維、ナイロンやポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート)などの化学繊維、これらの混紡などの材料からなる。織り方としては、ハンドレールの使用状況により、平織り、綾織り、繻子織り等から選択する。布地層4として、帆布を使用することが好ましい。
本実施の形態は、種々の変形が可能であり、例えば、化粧層を別途設けずに芯材層に化粧層としての役目も持たせたものとしてもよいし、布地層を複数層設けたものとしてもよい。
ハンドレール10の製造方法としては、芯材層2又は芯材層2と化粧層3の材料として、本発明の実施の形態に係る上記樹脂組成物を使用する以外は、公知の製造方法、例えば、特開2008−308299号公報に記載の方法で製造できる。
(第2の実施の形態)
図2は、本発明の第2の実施の形態に係るハンドレールを示す横断面図である。図2おいて図1と同じ部材には図1と同じ符号を付している。
本発明の第2の実施の形態に係るハンドレール20は、長手方向に延びる抗張体1及び長手方向に延びる布地層4への接着力が本発明の実施の形態に係る上記樹脂組成物よりも強い樹脂組成物からなる接着層5A,5Bを介して抗張体1及び布地層4と芯材層2が一体化されている点で、接着層5A,5Bを介さずに芯材層2が抗張体1及び布地層4と直接に一体化されている第1の実施形態と異なる。これにより、使用時に材料間の剥がれが第1の実施形態よりも発生しにくいハンドレールが得られる。
接着層5Aは、抗張体1の周りを覆うように設けられ、抗張体1と芯材層2とをより強固に接着している。一方、接着層5Bは、布地層4の内側露出面とは反対の面を覆うように設けられ、布地層4と芯材層2とをより強固に接着している。
接着層5A,5Bを構成する樹脂組成物は、上記熱可塑性ポリウレタンエラストマーを80質量%以上、上記架橋樹脂組成物を1質量%以上、上記熱可塑性ポリウレタンエラストマーと上記架橋樹脂組成物を混ざりやすくする相溶化剤を3質量%以上含有するものであることが好ましい。
相溶化剤としては、変性ポリオレフィン、例えばエチレン・グリシジルメタクリレートなどのエポキシ変性ポリオレフィンが好適なものとして挙げられる。
接着層5Aを構成する樹脂組成物と、接着層5Bを構成する樹脂組成物とは、同一であっても異なっていてもよいが、同一の樹脂組成物からなることが好ましい。
ハンドレール20の製造方法としては、第1の実施の形態に係るハンドレール10の製造方法と基本的に同様であるが、接着層5A、5Bを設ける工程を有する点で相違している。具体的には、前述の特開2008−308299号公報の図2において、接着層5Aを構成する樹脂組成物を押出す押出機と接着層5Bを構成する樹脂組成物を押出す押出機を更に設け、他の2台の押出機と同時に押出成形することで、ヘッドの中で各層を構成する樹脂組成物が、ヘッドに供給された抗張体1及び布地層4と共に一体化されることで、ハンドレール20が得られる。
なお、本実施の形態においては芯材層2の材料として本発明の実施の形態に係る上記樹脂組成物を使用したものに限定しているが、長手方向に延びる抗張体1及び長手方向に延びる布地層4への接着力が「芯材層に使用されている材料(本発明の実施の形態に係る上記樹脂組成物に限られない)よりも強い樹脂組成物」からなる接着層5A,5Bを介して抗張体1及び布地層4と芯材層2が一体化されている図2に記載の構造のハンドレール自体が従来に無いものである。これにより、接着層5A,5Bを有さない実施形態に比べて使用時に材料間の剥がれが発生しにくいハンドレールが得られる。
以下に、本発明を実施例に基づいて更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(樹脂組成物の製造)
本発明の実施の形態に係る樹脂組成物及び比較例の樹脂組成物を表1〜3に示す材料を用いて製造した。各材料の混練には、ワンダーニーダーを用いた。なお、架橋樹脂組成物(表3)の製造においては、EVAにDCP(シラングラフト用過酸化物)とトリメトキシビニルシラン(シランカップリング剤)を含浸したペレットを200℃に設定した二軸押出機で押出すことにより、シランをEVAにグラフト反応させた。次に、押出機の途中から残りの材料を加え、シランの縮合反応を行い、塩化ビニルグラフトEVA中に分散させた。
Figure 2018062550
Figure 2018062550
Figure 2018062550
また、接着層用の樹脂組成物を表4に示す材料を用いて製造した。各材料の混練には、二軸混練押出機を用いた。
Figure 2018062550
(実施例1A〜7A及び比較例1A〜2Aのハンドレールの製造)
図1に示す構造のハンドレールを下記の材料を用いて製造した。芯材層2の例番号とハンドレールの例番号が対応している(Ex.芯材層2として実施例1の樹脂組成物を使用したものが実施例1Aのハンドレール)。
抗張体1:スチールコード18本
芯材層2:上記表1に基づき製造した実施例1〜7及び比較例1〜2の各樹脂組成物
化粧層3:上記表2に基づき製造した樹脂組成物
布地層4:ポリエチレンテレフタレート製の帆布(綾織、導電糸入り)
(接着性の評価1)
熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)のブレンド量に対する帆布との接着力及び抗張体の引抜き力を以下の方法により測定した。
・帆布との接着力の測定
実施例1A〜7A及び比較例1A〜2Aのハンドレールについて、テンシロンを用いて芯材層2から布地層4(帆布)を50mm/分の速度で20mm引き剥がす際の10mm幅当たりの力(接着力)(N/10mm)を測定した。
・抗張体の引抜き力の測定
実施例2A,3A,7A及び比較例1A〜2Aのハンドレールについて、テンシロンを用いて芯材層2から抗張体1を50mm/分の速度で30mm引き抜く際の力(引抜き力)(N/30mm)を測定した。
図3Aは、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)のブレンド量に対する帆布との接着力の測定結果を示すグラフである。また、図3Bは、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)のブレンド量に対する抗張体の引抜き力の測定結果を示すグラフである。
図3A及び図3Bより分かるように、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)のブレンド量が20質量%以上で帆布との接着力及び抗張体の引抜き力が向上し、特に同ブレンド量が80質量%以上で帆布との接着力及び抗張体の引抜き力が十分であった。
(実施例1B〜7B及び比較例1B〜2Bのハンドレールの製造)
図2に示す構造のハンドレールを下記の材料を用いて製造した。芯材層2の例番号とハンドレールの例番号が対応している(Ex.芯材層2として実施例1の樹脂組成物を使用したものが実施例1Bのハンドレール)。
抗張体1:スチールコード18本
芯材層2:上記表1に基づき製造した実施例1〜7及び比較例1〜2の各樹脂組成物
化粧層3:上記表2に基づき製造した樹脂組成物
布地層4:ポリエチレンテレフタレート製の帆布(綾織、導電糸入り)
接着層5A,5B:上記表4に基づき製造した樹脂組成物
(引張強さ及び伸びの評価)
熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)のブレンド量に対する引張強さ及び伸びを以下の方法により測定した。
・引張強さ及び伸びの測定
実施例5B,7B及び比較例2B並びに下記の比較例3B〜4Bのハンドレールについて、厚さが約2mmとなるようにスライスし、JIS3号ダンベルで打ち抜き、引張速度500mm/分でショッパー引張機を用いて引張強さ(MPa)と伸び(%)を測定した。
芯材層2の材料として、表3の架橋樹脂組成物45質量%、非架橋EVA50質量%及び熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)5質量%からなる樹脂組成物(比較例3)、表3の架橋樹脂組成物50質量%及び非架橋EVA50質量%からなる樹脂組成物(比較例4)を用いた、図2に示す構造の比較例3B〜4Bのハンドレールを製造した。その他の材料、製法は上記実施例1B〜7Bと同様である。
図4Aは、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)のブレンド量に対する引張強さの測定結果を示すグラフである。また、図4Bは、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)のブレンド量に対する伸びの測定結果を示すグラフである。
図4A及び図4Bより分かるように、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)のブレンド量が10質量%以上で引張強さ及び伸びが十分であった(目標値(引張強さ:15MPa、伸び:400%)に達した)。
(接着性の評価2)
芯材層2の材料として、表3の架橋樹脂組成物40質量%、非架橋EVA45質量%及び熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)15質量%からなる樹脂組成物(比較例5)を用いた、図2に示す構造の比較例5Bのハンドレールを製造した。その他の材料、製法は上記実施例1B〜7Bと同様である。
実施例7B及び比較例5Bのハンドレールについて、万能引張試験機を用いて芯材層2から布地層4(帆布)を引き剥がした。実施例7Bのハンドレールは、芯材層2と布地層4(帆布)間の接着力が強く、引き剥がす際に芯材層2が破壊された。一方、比較例5Bのハンドレールは、接着層5B(界面)が破壊されるのみで、芯材層2が破壊されることなく帆布を剥がすことができた。これより、TPUブレンド量は、接着力の強さ(剥がれにくさ)の観点で20質量%以上であることが必要であることが分かる。
(接着性の評価3)
芯材層2及び化粧層3の材料として、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)(日本ミラクトラン製、商品名:ミラクトランP25)(比較例a)、ゴム(東ソー製、商品名:CSM530)(比較例b)を用いた、図1に示す構造のハンドレールを製造した。その他の材料、製法は上記実施例1A〜7Aと同様である。
評価は、以下の通りにして行った。結果を表5に示す。
<剥離力試験>
ハンドレールから縦方向に25mm幅の短冊状に切り出した試料を23℃雰囲気で引張試験機で50mm/分の速度で剥離し、芯材層と布地層との間の引き剥がし力を測定した。ハンドレール性能として望ましい引き剥がし力である98N以上を合格とした。
<抗張体引抜き試験>
ハンドレールから縦方向に40mm幅の短冊状に切り出した50mm長さの試料から23℃雰囲気で引張試験機で50mm/分の速度で抗張体を引抜き、抗張体引抜力を測定した。ハンドレール性能として望ましい抗張体引抜力である980N以上を合格とした。
Figure 2018062550
実施例7Bのハンドレールは、実施例1Aのハンドレールと同等の引き剥がし力及び抗張体引抜力であり、接着力が強かった。
なお、本発明は、上記実施の形態及び実施例に限定されず種々に変形実施が可能である。例えば、第2の実施形態(図2)において、ハンドレール端部を図5に示すように、化粧層3よりも薄い化粧層33及び芯材層2よりも厚い芯材層22を備える構成としてもよい。第1の実施形態(図1)においても同様の変形例を採り得る。また、第2の実施形態(図2)において、図6に示すように、接着層5Aが第2の実施形態の場合よりも幅方向に伸びている接着層55Aを備える構成としてもよい。
1:抗張体、2,22:芯材層、3,33:化粧層
4:布地層、5A,5B,55A:接着層
10,20:ハンドレール

Claims (10)

  1. シランをグラフト重合させたエチレン−酢酸ビニル共重合体(シラングラフトEVA)を含有する架橋樹脂組成物と、熱可塑性ポリウレタンエラストマー20質量%以上とを含有することを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記架橋樹脂組成物は、塩化ビニルをグラフト重合させたエチレン−酢酸ビニル共重合体(塩化ビニルグラフトEVA)を含有することを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 非架橋のエチレン−酢酸ビニル共重合体(非架橋EVA)を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記熱可塑性ポリウレタンエラストマー80質量%以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記熱可塑性ポリウレタンエラストマー20質量%以上80質量%未満を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 樹脂組成物からなる芯材層を備え、
    前記樹脂組成物は、シランをグラフト重合させたエチレン−酢酸ビニル共重合体(シラングラフトEVA)を含有する架橋樹脂組成物と、熱可塑性ポリウレタンエラストマー20質量%以上とを含有することを特徴とするハンドレール。
  7. 長手方向に延びる抗張体と、長手方向に延びる布地層とを備え、
    前記樹脂組成物は、前記熱可塑性ポリウレタンエラストマー80質量%以上を含有し、
    前記芯材層は、前記抗張体及び前記布地層と直接に一体化されていることを特徴とする請求項6に記載のハンドレール。
  8. 長手方向に延びる抗張体と、長手方向に延びる布地層とを備え、
    前記樹脂組成物は、前記熱可塑性ポリウレタンエラストマー20質量%以上80質量%未満を含有し、
    前記芯材層は、前記抗張体及び前記布地層への接着力が前記樹脂組成物よりも強い樹脂組成物からなる接着層を介して前記抗張体及び前記布地層と一体化されていることを特徴とする請求項6に記載のハンドレール。
  9. 前記接着層を構成する前記樹脂組成物は、熱可塑性ポリウレタンエラストマーを80質量%以上、前記架橋樹脂組成物を1質量%以上、前記熱可塑性ポリウレタンエラストマーと前記架橋樹脂組成物を混ざりやすくする相溶化剤を3質量%以上含有することを特徴とする請求項8に記載のハンドレール。
  10. 前記相溶化剤は、変性ポリオレフィンであることを特徴とする請求項9に記載のハンドレール。
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