JP2018060965A - 半導体製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも粘着剤層と、無機物質で構成された無機基材層とを有する粘着テープを半導体に貼りつける貼付工程と、プラズマアッシングを行うプラズマアッシング工程と、粘着テープを半導体から剥離する剥離工程とを有する半導体製造方法。
【選択図】 なし
Description
このような半導体ウエハ保護テープとしては、例えば、特許文献1には基材フィルムの片面に架橋されたポリマー層が形成され、この架橋されたポリマー層が形成された面に、剥離可能に調整されているウエハ貼付用の粘着剤層が積層されているバックグラインドテープであって、基材フィルムの引っ張り弾性率がフィルムの長手方向と幅方向の平均値で2GPa以上であり、該バックグラインドテープの反りが4mm以下であるバックグラインドテープが開示されている。
以下に本発明を詳述する。
図1(a)に示すように、プラズマアッシング前の半導体装置2は片方の面に表面処理層3が積層されており、もう一方の面には基材11と粘着剤層12からなる粘着テープ1が貼り付けられている。粘着テープによって補強された半導体装置は、半導体装置の損傷を防ぐ目的で接触面積の小さな橋脚4の上に置かれている(以下、橋脚4の上に半導体装置が置かれている状態を「中空状態」と言う。)。
このような半導体装置にプラズマアッシングが行われると、図1(b)に示すように、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレート等の有機物が用いられている基材11は、プラズマによる分解を受ける。このとき分解は一様には起こらず、基材表面では分解の程度の違いによって微細な凹凸が形成される。微細な凹凸構造は光を散乱させて光の透過を妨げるため、その結果、透明度が低下し白濁が起こっていた。また、基材11が分解を受けると基材11の応力が変化し、基材11が収縮する。そのため粘着テープ1に反りが発生し、剥離の原因となっていた。特にプラズマアッシングが中空状態で行われる場合は、橋脚4の隙間からプラズマが侵入し、基材11と接触しやすくなるため、基材11の分解が顕著になっていた。
上記無機基材層の紫外線透過率が1%以上であることで、十分に紫外線による粘着剤層が硬化できる。紫外線透過率が1%以上である上記無機物質としては、In2O3、CdO、CdIn2O4、Cd2SnO4、TiO2、SnO2、ZnO、ZnSiO3等が挙げられる。
上記硬化型粘着剤が光硬化性である場合の粘着剤成分としては、例えば、重合性ポリマーを主成分として、光重合開始剤を含有する光硬化成分が挙げられる。
上記硬化型粘着剤が熱硬化性である場合の粘着剤成分としては、例えば、重合性ポリマーを主成分として、熱重合開始剤を含有する熱硬化成分が挙げられる。
上記多官能オリゴマー又はモノマーは、分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは、硬化成分の三次元網状化が効率よくなされるように、その分子量が5000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20個のものである。
シリコーン化合物は、耐薬品性、耐熱性に優れることから、リフロー工程における高温処理を経ても粘着剤の焦げ付き等を防止し、剥離時には被着体界面にブリードアウトして、剥離を容易にする。シリコーン化合物が上記光硬化型粘着剤成分又は熱硬化型粘着剤成分と架橋可能な官能基を有する場合には、光照射又は加熱することにより上記光硬化型粘着剤成分又は熱硬化型粘着剤成分と化学反応して上記光硬化型粘着剤成分中又は熱硬化型粘着剤成分中に取り込まれることから、被着体にシリコーン化合物が付着して汚染することがない。
架橋、硬化した硬化型粘着剤層はプラズマによって分解されにくくなるため、粘着剤層の周縁部が分解されることで生じる剥離や残渣を防止することができる。
このような硬化型粘着剤層に対しては、例えば、波長365nmの光を5mW以上の照度で照射することが好ましく、10mW以上の照度で照射することがより好ましく、20mW以上の照度で照射することが更に好ましく、50mW以上の照度で照射することが特に好ましい。また、波長365nmの光を300mJ以上の積算照度で照射することが好ましく、500mJ以上、10000mJ以下の積算照度で照射することがより好ましく、500mJ以上、7500mJ以下の積算照度で照射することが更に好ましく、1000mJ以上、5000mJ以下の積算照度で照射することが特に好ましい。
プラズマアッシング工程によって表年処理層の表面を平滑化、微細加工等の処理ができる。また、本発明の半導体装置の製造方法は、無機基材層を有する粘着テープを用いているため、基材がプラズマによって分解されることがない。そのため、中空状態でプラズマアッシングを行っても粘着テープの白濁や剥離を防止することができる。なお、プラズマアッシングは、例えば、PC−300(SUMCO社製)を用いて出力300W、O2ガス流量12sccm、真空度10Pa等の条件下にて行うことができる。
例えば、上記気体発生剤として300nm以下の波長の光を照射することにより気体を発生する気体発生剤を用いた場合には、300nm以下の波長の光を照射することにより上記気体発生剤から気体を発生させて、粘着テープを半導体装置から容易に剥離することができる。
このような気体発生剤に対しては、例えば、波長254nmの光を5mW以上の照度で照射することが好ましく、10mW以上の照度で照射することがより好ましく、20mW以上の照度で照射することが更に好ましく、50mW以上の照度で照射することが特に好ましい。また、波長254nmの光を1000mJ以上の積算照度で照射することが好ましく、1000mJ以上、20J以下の積算照度で照射することがより好ましく、1500mJ以上、15J以下の積算照度で照射することが更に好ましく、2000mJ以上、10J以下の積算照度で照射することが特に好ましい。
(光硬化型粘着剤の合成)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意し、この反応器内に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして2−エチルヘキシルアクリレート94重量部、官能基含有モノマーとしてメタクリル酸ヒドロキシエチル5重量部、ラウリルメルカプタン0.01重量部と、酢酸エチル80重量部を加えた後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤として1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.01重量部を添加し、還流下で重合を開始させた。次に、重合開始から1時間後及び2時間後にも、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを0.01重量部ずつ添加し、更に、重合開始から4時間後にt−ヘキシルパーオキシピバレートを0.05重量部添加して重合反応を継続させた。そして、重合開始から8時間後に、固形分55重量%、重量平均分子量60万の官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの酢酸エチル溶液を得た。
得られた官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、官能基含有不飽和化合物として2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させて光硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を得た。
得られた光硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、光重合開始剤(エサキュアワン、日本シイベルヘグナー社製)1重量部、可塑剤(根上工業社製、UN−5500)20重量部、及び、架橋剤(日本ポリウレタン社製、コロネートL−45)0.5重量部を混合して粘着剤組成物の酢酸エチル溶液を調製した。
得られた粘着剤組成物の酢酸エチル溶液を、厚み100μmの超薄板ガラス(G−leaf、日本電気硝子社製)上に、乾燥後の硬化型粘着剤層の厚さが40μmとなるようにドクターナイフで塗工し、110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させた。その後、40℃、3日間静置養生を行い、粘着テープを得た。
粘着テープの硬化型粘着剤層側の面を、直径20cmのミラーウエハに貼り付けた。その後、PC−300(SUMCO社製)を用いて出力300W、O2ガス流量12sccm、真空度10Paの条件下にて10分間プラズマアッシング処理を行った。このときステージとウェハを橋脚で固定し、橋脚の高さはおよそ5mmとした。アッシング処理後、405nmの波長の光を粘着テープ表面の積算照度が2000mJ/cm2となるよう照射し、粘着テープを剥離した。
プラズマアッシング後のミラーウエハを目視にて観察し、粘着テープの剥がれが見られなかった場合を「○」、粘着テープの剥がれが一部見られた場合を「△」、粘着テープの剥がれが見られた場合を「×」、としてアッシング時の剥がれを評価した。
結果を表1に示した。
プラズマアッシング後のミラーウエハから粘着テープをめくるように剥離した。シリコンウエハの表面を、電子顕微鏡を用いて100倍率で観察し、粘着テープの残渣が認められなかった場合を「○」、粘着テープの残渣が一部認められた場合を「△」、粘着テープの残渣が認められた場合を「×」として残渣付着性を評価した。
結果を表1に示した。
プラズマアッシング後のミラーウエハから粘着テープをめくるように剥離した。剥離後の粘着テープの基材表面を、目視で観察し、白濁しておらず透明な場合を「○」、白濁が認められた場合を「×」として粘着テープの白濁を評価した。
結果を表1に示した。
基材として、厚み100μmの柔軟性のあるサファイア板を用いた以外は実施例1と同様にして粘着テープの製造、プラズマアッシング処理及び評価を行った。
基材として、厚み100μmの柔軟性のあるガラス基材(日本電気硝子社製、G−leaf)と厚み25μmのポリエチレンナフタレート(PEN)基材との積層体を用いた以外は実施例1と同様にして粘着テープの製造、プラズマアッシング処理及び評価を行った。
実施例1で作製した粘着テープの硬化型粘着剤層側の面を、直径20cmのミラーウエハに貼り付けた。その後、405nmの波長の光を粘着テープ表面の積算照度が2000mJ/cm2となるよう照射した後、実施例1と同様にプラズマアッシング処理を行い、粘着テープを剥離した。評価は実施例1と同様の方法で行った。
基材として、厚み50μmのPEN基材を用いた以外は実施例1と同様にして粘着テープの製造、プラズマアッシング処理及び評価を行った。
基材として、厚み50μmのPEN基材を用いた以外は実施例4と同様にして粘着テープの製造、プラズマアッシング処理及び評価を行った。
11 基材
12 粘着剤層
2 半導体装置
3 表面処理層
4 橋脚
Claims (3)
- 少なくとも粘着剤層と、無機物質で構成された無機基材層とを有する粘着テープを半導体に貼りつける貼付工程と、プラズマアッシングを行うプラズマアッシング工程と、
粘着テープを半導体から剥離する剥離工程とを有することを特徴とする半導体製造方法。 - 粘着剤層が硬化型粘着剤層であり、貼付工程とプラズマアッシング工程の間に、刺激によって前記硬化型粘着剤層を硬化させる硬化工程を有することを特徴とする請求項1記載の半導体製造方法。
- 硬化型粘着剤層を硬化させる刺激が光又は熱であることを特徴とする請求項2記載の半導体製造方法。
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