JP2007184430A - 保護用粘着テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】 半導体装置の製造工程において、真空処理装置を用いて半導体基板に加工を施すにあたり、半導体基板の加工を施す面とは反対側の面に貼り付けてこの面を保護する保護用粘着テープとして、耐熱性と静電吸着性とを共に満足して、加工中での基板の損傷や汚染を防げ、また加工精度の低下がみられない、安定した加工が可能となる保護用粘着テープを提供することを課題とする。
【解決手段】 真空容器中の静電チャック装置に半導体基板4を載置・固定してこの基板4に加工を施すにあたり、上記基板4の加工を施す面とは反対側の面(静電チャック装置に接する面)に貼り付けてこの面を保護する保護用粘着テープで1あって、支持体2とこの上に設けられた粘着剤層3とを有し、上記の支持体2は、融点が120℃以上で、厚さが5〜100μmであることを特徴とする保護用粘着テープ。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体装置の製造工程において、真空処理装置を用いて半導体基板に加工を施すにあたり、半導体基板の加工を施す面とは反対側の面に貼り付けてこの面を保護する保護用粘着テープに関するものである。
半導体装置の製造工程において、シリコンウエハなどの半導体基板からなる被処理物の表面処理を行うため、真空処理装置が使用されている。真空処理装置は、真空容器の内部に搬入された被処理物に対して、スパッタリング、エッチング、ベーキング、アッシングなどの処理を行い、被処理物の表面に薄膜を形成したり、被処理物表面に形成された薄膜に微細加工を施したりするための装置である。
真空処理装置の例として、プラズマエッチング装置がある。この装置は、処理室の内部に供給されたプロセスガスを高周波電圧を利用してプラズマ化し、処理室内部に形成されたプラズマを利用して被処理物のエッチング処理を行う装置である。その他、代表的な真空処理装置として、スパッタリング装置や真空蒸着装置などがある。
これらの真空処理装置による加工は、被処理物に対して物理的なストレスを与えないため、ストレスリリーフ処理や各種薄膜の形成、基板表面の洗浄などにおいて広く使用されており、従来のように被処理物自体に剛性がある場合には、被処理物を直接保持したり、冶具などで機械的に固定するなどの方法が採られてきた。
近年、半導体装置の高信頼性が求められ、表面に微細な傷があっても信頼性の低下の原因となるため、基板表面を保護する必要が出てきたこと、また半導体基板の厚さが薄くなって剛性が低下したことにより、被処理物単体での加工は小さな凹凸でも半導体基板自体の破損の原因になることなどから、テープによって半導体基板を保護することが求められるようになった。特許文献1,2には、プラズマエッチングやバックメタライズに際し、耐熱性を持つ表面保護用テープを用いる方法が提案されている。
特開2002−075942号公報 特開2004−006552号公報
真空処理装置は、減圧下で処理を行うために、半導体基板の加工装置において一般的に用いられる真空チャック機構は使用できず、真空容器中に被処理物を載置・固定するための静電チャック装置が設けられ、これに直流電圧を印加することで被処理物が静電気力により吸着されて載置台に固定される。また、この載置台の温度は、温度制御機構によって調節され、載置台に載せられた被処理物は、温度制御された載置台との熱伝導によりその温度が制御される。これにより被処理物の裏面と載置台の表面とが全面にわたり密着し、安定した加工および熱伝達の面内均一性が向上する。
ここで、被処理物である半導体基板の表面保護などの目的で使用するテープは、これを半導体基板の加工を施す面とは反対側の面に貼り付けてこの面を保護し、このように保護した基板を真空容器中の静電チャック装置に上記保護面側を内側にして載置・固定して、加工を施すものである。つまり、上記テープは、半導体基板と静電チャック装置との間に介装されるため、耐熱性に優れると共に、半導体基板の載置・固定を妨げることのない、静電吸着性に優れるものであることが望まれる。
しかし、前記提案の表面保護用テープは、耐熱性のみに着目したものであり、静電吸着性についてはなんの言及もなく、本発明者らの検討では、真空処理装置での加工処理中に被処理物である半導体基板が浮き上がる現象がみられた。浮き上がった基板は、載置台からの温度制御を受けられず、200〜300℃の高温に達して破損したり、テープの溶融で汚染を生じるなどの問題があり、また温度分布のばらつきにより加工面の精度、エッチング量が変わるなど、安定した加工を行いにくいという問題もあった。
本発明は、このような事情に照らして、半導体装置の製造工程において、真空処理装置を用いて半導体基板に加工を施すにあたり、半導体基板の加工を施す面とは反対側の面に貼り付けてこの面を保護する保護用粘着テープとして、耐熱性と静電吸着性とを共に満足して、加工中での基板の損傷や汚染を防げ、また加工精度の低下がみられない、安定した加工が可能となる保護用粘着テープを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を克服するため、種々検討した結果、支持体として、120℃以上の融点を有する共に、厚さが5〜100μmの特定範囲にあるものを使用し、この支持体上に粘着剤層を設けて、保護用粘着テープを構成したときには、真空処理装置を用いて半導体基板に加工を施すにあたり、耐熱性と静電吸着性を共に満足して加工中での基板の損傷や汚染を防げ、また加工精度の低下がみられない、安定した加工が可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記(1),(2)の保護用粘着テープを提供するものである。また、本発明は、これらの保護用粘着テープを使用した下記(3)〜(5)の半導体装置の製造方法を提供するものである。

(1)真空容器中の静電チャック装置に半導体基板を載置・固定してこの基板に加工を施すにあたり、上記基板の加工を施す面とは反対側の面(静電チャック装置に接する面)に貼り付けてこの面を保護する保護用粘着テープであって、支持体とこの上に設けられた粘着剤層とを有し、上記の支持体は、融点が120℃以上で、厚さが5〜100μmであることを特徴とする保護用粘着テープ。
(2)粘着剤層は、放射線硬化性の粘着剤からなる(1)に記載の保護用粘着テープ。
(3)半導体基板の加工を施す面とは反対側の面に(1)または(2)に記載の保護用粘着テープを貼り付けてこの面を保護し、この基板を真空容器中の静電チャック装置に上記保護面側を内側にして載置・固定して、加工を施したのち、保護用粘着テープを貼り付けたまま次工程に搬送することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(4)半導体基板の加工を施す面とは反対側の面は半導体回路が形成された面であり、この基板に加工を施したのち、保護用粘着テープを貼り付けたままダイシング工程に搬送して、加工を施した面にダイシングテープを貼り付け、保護用粘着テープを剥離してからダイシングする(3)に記載の半導体装置の製造方法。
(5)半導体基板の加工を施す面とは反対側の面は半導体回路が形成された面であり、この基板に加工を施したのち、保護用粘着テープを貼り付けたままダイシング工程に搬送して、保護用粘着テープ上にダイシングテープを貼り付けてダイシングし、その後に保護用粘着テープを剥離する(3)に記載の半導体装置の製造方法。
このように、本発明の保護用粘着テープは、真空処理装置での加工において、耐熱性と静電吸着性とを共に満足し、被処理物である半導体基板の破損や汚染を効果的に防止し、また加工精度の低下がみられない、安定した加工を可能とする。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、本発明の保護用粘着テープを使用することにより、半導体装置を歩留り良く効率的に製造てきる。
以下に、本発明の保護用粘着テープとこれを使用した半導体装置の製造方法について、図面を参考にして、説明する。
図1は、本発明の保護用粘着テープを半導体基板に貼り付けた状態を示している。
図1において、1は、支持体2とこの上に設けられた粘着剤層3とを有する保護用粘着テープであり、上記の粘着剤層3を介して、半導体基板4の加工を施す面とは反対側の面に貼り付けられている。貼り付けは、ゴムローラーによる貼り合わせや既存の自動テープ貼り合わせ装置など、公知のものを適宜用いて行うことができる。
保護用粘着テープ1において、支持体2は、真空処理装置による半導体基板の加工処理に耐えうる耐熱性として、120℃以上、好ましくは150℃以上の融点を有しており、また半導体基板の保護と静電吸着性の観点より、その厚さが5〜100μm、好ましくは10〜50μmに設定されている。
支持体2は、上記要件を満たす限り、その材料に関し特に限定はない。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアセタールなどのエンジニアリングプラスチック、ポリエステル・ポリエーテル型やポリエステル・ポリエステル型などのポリエステル系エラストマー樹脂のフイルム、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1などの分岐構造を有するポリオレフィン系樹脂のフイルムなどが用いられる。
これらのフィルム状支持体は、常法により、押出し法を用いて製造できる。また、種々の樹脂を積層したフィルム状支持体としてもよく、この場合、共押出し法、ラミネート法などで製造でき、その際、通常のラミネートフィルムの製法において普通に行われているように、樹脂と樹脂の間に接着層を設けてもよい。
さらに、これらの樹脂を用いたフィルムに、アクリルポリマーなどの任意の架橋構造を有する樹脂を塗布して硬化させたものであってもよく、また上記フィルムと金属薄膜などとを接着ないし溶着させたものを用いてもよい。
保護用粘着テープ1において、支持体2上に設けられる粘着剤層3は、半導体基板4の表面に直接貼り合わされるため、研削加工などの加工処理後に最終的に基板から保護用粘着テープを剥離する際、基板の破損や基板表面への粘着剤残留による汚染などの不具合を生じない粘着剤であれば、特に制限なく使用できる。
放射線硬化性の粘着剤は、基板からの剥離時に放射線硬化、好ましくは紫外線硬化させることにより、粘着剤が三次元網状化を呈し、粘着力が低下して剥離が容易になり、また剥離後の基板表面に粘着剤などの残留物が生じ難くなるため、好ましい。
このような粘着剤層3の厚さは、特に限定されないが、基板表面、特に半導体回路が形成された基板表面への密着性を良好とするため、好ましくは3〜100μmであるのがよく、より好ましくは5〜60μmであるのがよい。
放射線硬化性の粘着剤は、所望の硬化性を示す限り、特に制限はなく、例えば、アクリル系粘着剤に放射線重合性化合物を配合したものが用いられる。アクリル系粘着剤とは、(メタ)アクリル系重合体と硬化剤を必須成分としたものである。
(メタ)アクリル系重合体としては、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体または共重合体、例えば2−エチルヘキシルアクリレートとn−ブチルアクリレートとの共重合体、(メタ)アクリル酸エステルと官能性単量体などの他の単量体との共重合体、これら重合体の混合物などが挙げられる。これらの重合体は、重量平均分子量が50万〜100万程度の高分子量のものが一般的に用いられる。

なお、(メタ)アクリル系重合体の分子内に放射線重合性の炭素−炭素二重結合を導入することにより、この重合体自体を放射線重合性とすることもできる。この場合、放射線重合性化合物の配合を省くこともできる。
硬化剤は、(メタ)アクリル系重合体の分子中に通常含ませる官能基と反応させて、粘着力および凝集力を調整するために用いられる。硬化剤の添加量は、所望の粘着力および凝集力に応じて調整すればよく、(メタ)アクリル系重合体100質量部に対して、通常0.1〜5.0質量部とするのが適当である。
このような硬化剤としては、例えば、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)トルエン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)ベンゼン、N,N,N,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンなどの分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートなどの分子中に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート系化合物、テトラメチロール−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロール−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン−トリ−β−(2−メチルアジリジン)プロピオネートなどの分子中に2個以上のアジリジニル基を有するアジリジン系化合物などが挙げられる。
アクリル系粘着剤に配合する放射線重合性化合物としては、放射線照射により三次元網状化しうる分子内に放射線重合性の炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上有する低分子量化合物が好ましく用いられる。
放射線重合性化合物の配合比は、アクリル系粘着剤100質量部に対し、放射線重合性化合物が好ましくは50〜200質量部、より好ましくは50〜150質量部となる割合とするのがよい。放射線重合性化合物を上記割合で配合することにより、放射線照射後に粘着剤層の粘着力を大きく低下することができる。
放射線重合性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート化合物、その他、オリゴエステル(メタ)アクリレートやウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーなどが用いられる。
上記のウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーとは、ポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオール化合物と、多価イソシアナート化合物(例えば、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン4,4−ジイソシアナートなど)とを反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート〔例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなど〕を反応させて得られるものである。
放射線硬化性の粘着剤には、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、ベンジルメチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパンなどの光重合性開始剤を配合することができる。
これらの光重合性開始剤は、その1種または2種以上を選択して配合することにより、放射線重合反応を効率良く進行させることができる。
また、上記の光重合性開始剤のほかに、必要により、光増感剤、その他、任意の粘着付与剤、軟化剤、酸化防止剤などの各種の添加剤を配合してもよい。
図1に示すように、加工を施す面とは反対側の面に保護用粘着テープ1を貼り付けて、この面を保護した半導体基板4は、真空処理装置を用いて、常法により加工が施される。つまり、この半導体基板4を真空容器中の静電チャック装置に上記保護面側を内側にして載置・固定し、この状態で加工が施される。
なお、この加工が施される前に、必要により,前処理として、半導体装置の製造に関わる真空処理装置を用いない各種の処理を施しておいてもよい。
真空処理装置には、スパッタリング、エッチング、ベーキング、アッシングなどにより被処理物の表面に薄膜を形成する、被処理物を薄肉化する、被処理物の表面に形成された薄膜に微細加工を施す、などの各種の処理装置が含まれる。具体的には、プラズマエッチング装置、スパッタリング装置、真空蒸着装置などが挙げられるが、ここでは、特にプラズマエッチング装置を例にとり、説明する。
図2は、プラズマエッチング装置を用いて、被処理物である半導体基板4をプラズマエッチングによる加工(薄肉加工)を施す様子を示したものである。この場合、半導体基板4の加工を施す面とは反対側の面は半導体回路が形成された面であり、この面に保護用粘着テープ1を貼り付けて、この面を保護した状態としている。
図2において、5は、排気装置7およびガス流入口8とを有する真空容器であり、この中に静電チャック装置6が装備されている。半導体回路が形成された面に保護用粘着テープ1を貼り付けてこの面を保護した半導体基板4は、静電チャック装置6に対して、上記保護面側を内側にして、載置・固定される。
つまり、半導体基板4の加工を施す面とは反対側の面(半導体回路が形成された面)が静電チャック装置に接し、この面を保護するために貼り付けた保護用粘着テープ1が静電チャック装置6と半導体基板4との間に介装される。
静電チャック装置6では、これに直流電圧を印加することで半導体基板4が静電気力により保護用粘着テープ1と一体に吸着されて載置台に密着固定される。載置台の温度は、温度制御機構により調節され、載置台に載せられた半導体基板4は、温度制御された載置台との熱伝導によりその温度が制御されるようになっている。
このようなプラズマエッチング装置を用いて、減圧下でガス流入口8からプロセスガスとしてフッ素ガスなどのエッチングガスを流入し、これに交流電源9,9より高周波電圧を印加してプラズマ励起状態とし、これを利用して半導体基板4をプラズマエッチングして薄肉加工する。すなわち、半導体基板4の半導体回路が形成された面の裏面側を不要な厚さぶんだけ気化除去して、所望の厚さに加工する。
このとき、装置内部では加工時の反応熱により、半導体基板4およびこれに貼り付けた保護用粘着テープ1の温度が上昇する。この温度の上昇は、載置台の温度制御機構(例えば、低温の循環冷却水を通すなど)により緩和されるが、それでも100℃程度になることがある。しかし、保護用粘着テープ1は、これを構成する支持体2が120℃以上、好ましくは150℃以上の融点を有しており、テープが軟化したり溶融して半導体基板4の保護機能を損なうなどの支障をきたすことはない。
また、上記の加工において、従来では、静電チャック装置6に対する被処理物、つまり保護用粘着テープ1を介した半導体基板4の静電吸着性が不足して、被処理物の浮き上がりが発生し、浮き上がった被処理物の温度は200〜300℃にも達し、半導体基板4の破損や保護用粘着テープが溶融して汚染が生じたり、温度分布のばらつきにより加工面の精度、エッチング量が変わるなどの問題を生じていた。
これに対し、本発明では、保護用粘着テープ1を構成する支持体を上記した120℃以上の融点を有するものとし、かつその厚さを5〜100μmの特定範囲に設定したことにより、この保護用粘着テープ1に起因した静電吸着性の低下を防げるので、加工処理中の被処理物の浮き上がりがみられず、半導体基板の損傷や汚染の心配がなく、また加工精度の低下がみられない、安定した加工が可能となる。
このように加工を施した半導体基板4は、静電チャック装置6への載置・固定を解除して真空容器5から取り出し、半導体回路が形成された面に保護用粘着テープ1を貼り付けたまま次工程に搬送して、所望の半導体装置を製造する。
次工程とは、ダイシング工程が一般的であるが、ダイシング工程の前または後に半導体製造に関わる各種の処理工程を経てもよい。ダイシング工程では、ダイシングテープを介してフレームに固定し、ダイサーで小片化する。ダイシングおよびダイサーについては、公知のものを適宜用いることができる。
ダイシングの方法については、半導体基板4の上記真空処理装置による加工を施した面にダイシングテープを貼り付け、その反対側の半導体回路が形成された面に貼り付けた保護用粘着テープ1を剥離してからダイシングする方法が用いられる。また、半導体基板4の保護用粘着テープ1上にダイシングテープを貼り付けてダイシングし、その後に保護用粘着テープ1を剥離する方法を用いてもよい。
これらの方法のように、半導体基板4の破損を防止するため、半導体基板のどちらかの面にテープが貼り合わされ、補強されている状態であるのが望ましい。なお、保護用粘着テープ1を剥離するにあたり、放射線硬化性の粘着剤を用いたものでは、剥離前に紫外線などの放射線を照射して硬化させることで、容易に剥離できる。
つぎに、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
支持体として、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂(融点が265℃)からなる厚さが25μmのフィルムを使用し、この支持体の上に紫外線硬化性の粘着剤を塗布して、厚さが15μmの粘着剤層を形成し、保護用粘着テープを作製した。
なお、紫外線硬化性の粘着剤には、アクリル系粘着剤(2−エチルヘキシルアクリレート、メチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートからなる共重合体、重量平均分子量50万)100質量部に、硬化剤としてポリイソシアネート化合物を5質量部、放射線重合性化合物(ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートを共重合して得られるポリマー100質量部に対して、放射線重合性炭素−炭素二重結合を一つ以上有する化合物として2−イソシアネートエチルメタクリレートを5質量部付加して得られた放射線重合性化合物、重量平均分子量1.7万)を150質量部と、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンを3質量部配合したものを使用した。
この保護用粘着テープを、厚さが150μmに研削された直径8インチの半導体ウエハの表面に、保護用粘着テープ貼り合わせ装置(タカトリ社製の「TEAM−100」)を用いて貼り合わせ、ウエハ表面を保護した。このように保護した半導体ウエハを、プラズマエッチング装置(パナソニック ファクトリーソリューションズ社製の「E620」)の静電チャック装置に上記保護面側を内側にして載置・固定し、ウエハ裏面に対して、約2μmのプラズマエッチング処理を行った。
その際、保護用粘着テープの耐熱性および静電吸着性に優れ、良好なエッチング耐性を示し、処理中に半導体ウエハが浮き上がる現象はみられず、ウエハの損傷や汚染を防げ、また加工精度の低下がみられない、安定した加工が可能であった。
その後に、紫外線照射装置(テクノビジョン社製の「UVC−408」)により紫外線を約500mJ/cm2 照射したのち、保護用粘着テープ剥離装置(タカトリ社製の「ATRM−2100D」)を用いて、半導体ウエハよりテープを剥離した。その際の剥離性は非常に良好であり、容易に剥離することができた。
実施例2
支持体として、下記化学式1で示されるポリイミド(融点388℃)からなる厚さが12μmのフィルムを使用し、この支持体の上に実施例1と同様の紫外線硬化性の粘着剤を塗布して、厚さが30μmの粘着剤層を形成し、保護用粘着テープを作製した。
この保護用粘着テープを用いて、実施例1と同様に半導体ウエハのプラズマエッチング処理を行った。その結果、実施例1と同様の安定した加工が可能であった。また、その後に、実施例1と同様の操作により半導体ウエハよりテープを剥離したところ、実施例1と同様に容易に剥離することができた。
実施例3
支持体として、厚さが25μmのPET樹脂フィルムの上に、溶液型のアクリル樹脂を乾燥後の厚さが20μmとなるように塗布し、硬化させたものを使用した。この支持体のアクリル樹脂を塗布した面とは反対側の面に、実施例1と同様の紫外線硬化性の粘着剤を塗布して、厚さが25μmの粘着剤層を形成し、保護用粘着テープを作製した。
この保護用粘着テープを用いて、実施例1と同様に半導体ウエハのプラズマエッチング処理を行った。その結果、実施例1と同様の安定した加工が可能であった。また、その後に、実施例1と同様の操作により半導体ウエハよりテープを剥離したところ、実施例1と同様に容易に剥離することができた。
実施例4
支持体として、厚さが50μmのPET樹脂フィルムを使用し、この支持体の上に、アクリル系粘着剤(実施例1の紫外線硬化性の粘着剤より放射線重合性化合物と光重合開始剤とを除いたもの)を塗布し、厚さが30μmの粘着剤層を形成し、保護用粘着テープを作製した。
この保護用粘着テープを用いて、実施例1と同様に半導体ウエハのプラズマエッチング処理を行った。その結果、実施例1と同様の安定した加工が可能であった。その後に、紫外線照射処理を省いた以外は実施例1と同様の操作により半導体ウエハよりテープを剥離したところ、剥離が重く、剥離性の点でやや劣っていた。
比較例1
支持体として、厚さが125μmのPET樹脂フィルムを使用した以外は、実施例1と同様にして、保護用粘着テープを作製した。
この保護用粘着テープを用いて、実施例1と同様に半導体ウエハのプラズマエッチング処理を行った。しかし、静電吸着性が悪く、処理中に半導体ウエハが浮き上がり、浮いた部分に粘着剤の変質が発生してウエハの汚染を生じたり、加工精度の低下が起こり、安定した加工を行うことができなかった。
比較例2
支持体として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(融点が89℃)からなる厚さが100μmのフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして保護用粘着テープを作製した。
この保護用粘着テープを用いて、実施例1と同様に半導体ウエハのプラズマエッチング処理を行った。その結果、静電吸着性は良好であったが、処理中に保護用粘着テープが軟化して、ウエハ表面の保護機能の低下や加工精度の低下がみられ、加工後はテープ表面に明らかに変形が生じていた。
本発明の保護用粘着テープを半導体基板に貼り付けた状態を示す断面図である。 プラズマエッチング装置により、保護用粘着テープを貼り付けた半導体基板をプラズマエッチング加工する様子を示す概略構成図である。
符号の説明
1 保護用粘着テープ
2 支持体
3 粘着剤層
4 半導体基板
5 真空容器
6 静電チャック装置
7 排気装置
8 ガス流入口
9 交流電源

Claims (5)

  1. 真空容器中の静電チャック装置に半導体基板を載置・固定してこの基板に加工を施すにあたり、上記基板の加工を施す面とは反対側の面(静電チャック装置に接する面)に貼り付けてこの面を保護する保護用粘着テープであって、支持体とこの上に設けられた粘着剤層とを有し、上記の支持体は、融点が120℃以上で、厚さが5〜100μmであることを特徴とする保護用粘着テープ。
  2. 粘着剤層は、放射線硬化性の粘着剤からなる請求項1に記載の保護用粘着テープ。
  3. 半導体基板の加工を施す面とは反対側の面に請求項1または2に記載の保護用粘着テープを貼り付けてこの面を保護し、この基板を真空容器中の静電チャック装置に上記保護面側を内側にして載置・固定して、加工を施したのち、保護用粘着テープを貼り付けたまま次工程に搬送することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 半導体基板の加工を施す面とは反対側の面は半導体回路が形成された面であり、この基板に加工を施したのち、保護用粘着テープを貼り付けたままダイシング工程に搬送して、加工を施した面にダイシングテープを貼り付け、保護用粘着テープを剥離してからダイシングする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 半導体基板の加工を施す面とは反対側の面は半導体回路が形成された面であり、この基板に加工を施したのち、保護用粘着テープを貼り付けたままダイシング工程に搬送して、保護用粘着テープ上にダイシングテープを貼り付けてダイシングし、その後に保護用粘着テープを剥離する請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
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