JP2018056559A - 多層バリスタ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】内部電極から上方および下方キャップを通って外部電極に流れる電流を抑制し、より広い通電面積を有する多層バリスタの製造方法を提供する。
【解決手段】下方キャップ24、および上方キャップ26にアルカリ金属イオンを拡散することにより高インピーダンス材料とする。これにより、下方キャップ24、および上方キャップ26の厚さtを内部電極ギャップgより小さく、0.1倍以上の厚さとしても下方キャップ24、および上方キャップ26のインピーダンスを内部電極ギャップgのインピーダンスよりも高くする。
【選択図】図4
【解決手段】下方キャップ24、および上方キャップ26にアルカリ金属イオンを拡散することにより高インピーダンス材料とする。これにより、下方キャップ24、および上方キャップ26の厚さtを内部電極ギャップgより小さく、0.1倍以上の厚さとしても下方キャップ24、および上方キャップ26のインピーダンスを内部電極ギャップgのインピーダンスよりも高くする。
【選択図】図4
Description
本発明は多層バリスタ、特により広い通電面積を有する多層バリスタ及びその製造方法に関する。
ZnO系バリスタは優れた非オーム性を有し、また過渡電圧サージにより引き起こされる損傷から電子部品を保護するための過電圧保護素子として電気系統及び回路網で使用されることが多い。
電子製品は一層の超小型化、薄さ、集積化及び多用性を目指して設計されており、最新型のZnO系バリスタは多層バリスタである(以下、MLVと称する)。
図1及び図2に示すように、既知のMLV10はセラミック体20を備え、その中に内部電極30が噛み合うように配置されている。セラミック体20は2つの端部を有し、各端部には外部電極40が設けられている。外部電極40は、セラミック体20内部の噛み合い内部電極30に電気的に接続されている。セラミック体20はサンドイッチ様構造を有し、内部電極30の外側にくる下方セラミック部21(以下、下方キャップ21と称する)、内部電極30の内側にくる内部セラミック部22(以下、内部電極スタック22と称する)及び内部電極30の外側にくる上方セラミック部23(以下、上方キャップ23と称する)の物理的なスタックである。
上記のこの既知のMLV10は、以下のステップを経る既知の多層化技術を用いて作製される。
(1)主に酸化亜鉛(ZnO)の粒子を含有するセラミックのスラリー(以下、ZnOセラミックスラリーと称する)を用意する。
(2)用意したZnOセラミックスラリーを、テープ成形によりそれぞれが厚さ約10〜100μmを有するグリーンテープに形成する。
(3)複数のグリーンテープを積み上げ、貼り合せることで既定の厚さ(T)を有する下方キャップ21(又は上方キャップ23)、例えば厚さ最高200μmを有する下方キャップ21(又は上方キャップ23)にする。
(4)この事前に形成した下方キャップ21上にスクリーン印刷で内部電極30を印刷する。図1及び図2に示すように、内部電極30は、内部電極30の一端だけが下方キャップ21の左側端部又は右側端部に接続され、また内部電極30の2つの側縁がそれぞれ下方キャップ21の対応する縁からクリアランス(H)(以下、本発明においては、内部電極30のマージン(H)と称する)を空けて離間されるように印刷される。したがって、内部電極30の印刷面積は、内部電極30のこの層で過渡電圧により生じるインパルス電流が通過できるところであり(以下、1つの内部電極層30の通電面積と称する)、内部電極30は、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)又はこれらの金属の2種以上の合金から成り得る。
(5)2つの隣接する内部電極30の間のギャップ(G)(以下、内部電極ギャップ(G)と称する)については、1つ以上のグリーンテープを、前のステップで形成した下方キャップ21上に、積み上げたものの厚さが既定の内部電極ギャップ(G)に達するまで積み上げ、その上に別の内部電極30をスクリーン印刷で印刷し、その現在印刷中の内部電極30とその下に積層された内部電極30とを噛み合うように配置し(以下、噛み合い内部電極30と称する)、その一端を互い違いに、作業ステージが依然としてそのスタッキングステージにあるMLVのプリフォームの左側端部又は右側端部に接続する。
(6)内部電極30の層の既定数については、計画したような内部電極スタック22が形成されるまで、グリーンテープを内部電極ギャップ(G)の高さまで積み上げ、内部電極30を噛み合う形で印刷することを繰り返す。
(7)形成した上方キャップ23を内部電極スタック22の上に置き、上方キャップ23、内部電極スタック22及び下方キャップ21をMLVグリーンボディとして一体に貼り合せる。
(8)MLVグリーンボディを焼結炉において約800〜1000℃の焼結温度で焼結することでMLV焼結体を得る。
(9)外部電極40をMLV焼結体の2つの端部に取り付け、MLV焼結体を600〜950℃で焼結することでMLV10を得る。外部電極40は、銀(Ag)、銅(Cu)又は銀/パラジウム合金から成り得る。
(1)主に酸化亜鉛(ZnO)の粒子を含有するセラミックのスラリー(以下、ZnOセラミックスラリーと称する)を用意する。
(2)用意したZnOセラミックスラリーを、テープ成形によりそれぞれが厚さ約10〜100μmを有するグリーンテープに形成する。
(3)複数のグリーンテープを積み上げ、貼り合せることで既定の厚さ(T)を有する下方キャップ21(又は上方キャップ23)、例えば厚さ最高200μmを有する下方キャップ21(又は上方キャップ23)にする。
(4)この事前に形成した下方キャップ21上にスクリーン印刷で内部電極30を印刷する。図1及び図2に示すように、内部電極30は、内部電極30の一端だけが下方キャップ21の左側端部又は右側端部に接続され、また内部電極30の2つの側縁がそれぞれ下方キャップ21の対応する縁からクリアランス(H)(以下、本発明においては、内部電極30のマージン(H)と称する)を空けて離間されるように印刷される。したがって、内部電極30の印刷面積は、内部電極30のこの層で過渡電圧により生じるインパルス電流が通過できるところであり(以下、1つの内部電極層30の通電面積と称する)、内部電極30は、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)又はこれらの金属の2種以上の合金から成り得る。
(5)2つの隣接する内部電極30の間のギャップ(G)(以下、内部電極ギャップ(G)と称する)については、1つ以上のグリーンテープを、前のステップで形成した下方キャップ21上に、積み上げたものの厚さが既定の内部電極ギャップ(G)に達するまで積み上げ、その上に別の内部電極30をスクリーン印刷で印刷し、その現在印刷中の内部電極30とその下に積層された内部電極30とを噛み合うように配置し(以下、噛み合い内部電極30と称する)、その一端を互い違いに、作業ステージが依然としてそのスタッキングステージにあるMLVのプリフォームの左側端部又は右側端部に接続する。
(6)内部電極30の層の既定数については、計画したような内部電極スタック22が形成されるまで、グリーンテープを内部電極ギャップ(G)の高さまで積み上げ、内部電極30を噛み合う形で印刷することを繰り返す。
(7)形成した上方キャップ23を内部電極スタック22の上に置き、上方キャップ23、内部電極スタック22及び下方キャップ21をMLVグリーンボディとして一体に貼り合せる。
(8)MLVグリーンボディを焼結炉において約800〜1000℃の焼結温度で焼結することでMLV焼結体を得る。
(9)外部電極40をMLV焼結体の2つの端部に取り付け、MLV焼結体を600〜950℃で焼結することでMLV10を得る。外部電極40は、銀(Ag)、銅(Cu)又は銀/パラジウム合金から成り得る。
これまで知られているMLV10には欠点がある。セラミック体20の下方キャップ21、内部電極スタック22及び上方キャップ23は同一材料から成るため、この3つのインピーダンスが等しくなるのである。特に、下方キャップ21(及び上方キャップ23)の厚さ(T)、また内部電極30のマージン(H)が内部電極ギャップ(G)より大きくないとMLV10が正常に機能しない。つまり、以下の条件R5〜R7を満たさなくてはならない。
R5:下方キャップ21の厚さ(T)が内部電極ギャップ(G)より大きい。
R6:上方キャップ23の厚さ(T)が内部電極ギャップ(G)より大きい。
R7:内部電極30のマージン(H)が内部電極ギャップ(G)より大きい。
R5:下方キャップ21の厚さ(T)が内部電極ギャップ(G)より大きい。
R6:上方キャップ23の厚さ(T)が内部電極ギャップ(G)より大きい。
R7:内部電極30のマージン(H)が内部電極ギャップ(G)より大きい。
より詳しくは、図2に示すように、MLV10の上方キャップ23、内部電極スタック22及び下方キャップ21のインピーダンスが同じであるならば、内部電極ギャップ(G)が下方キャップ21(及び上方キャップ23)の厚さ(T)及び内部電極30のマージン(H)より大きい場合、電流は内部電極スタック22内の内部電極30の層を通常予測されるようには通過しない。代わりに、電流は、図2において点線の円Bで示すように、一番上の(又は一番下の)内部電極30と外部電極40との間の最短経路を行く。この場合、電流はMLV10を最も狭い通電面積で通過し、外部から印加された電圧が一旦増大すると図2の点線の円Bにある材料に穴が開き、MLV10に損傷が生じる場合がある。
したがって、MLVのサイズが変化しないままならば、内部電極30の層数の増加は制限される。MLV10は前出の条件R5〜R7を満たさなくてはならないからである。これは各内部電極層30の通電面積の増加を阻み、ひいてはMLV10の総通電面積の増加を阻む。
以上に鑑みて、本発明の第1の目的は、より広い通電面積を有する多層バリスタの製造方法を提供することである。特に、多層バリスタの寸法を増大させることなく、本発明は、下方キャップ、上方キャップ及び内部電極のマージンを高インピーダンス材料で又は低原子価イオン、例えばアルカリ金属イオンへの浸漬を用いて形成することで問題の領域でのインピーダンスを大幅に増大させることを含み、その結果、下方キャップ及び上方キャップの厚さ並びに内部電極のマージンを薄くすることが可能となる。これにより、MLVの寸法を増大させることなく多層バリスタ(MLV)により多くの内部電極層を設け、ひいては各内部電極層の通電面積を増加させ、MLVの総通電面積も増加させて多層バリスタの性能を改善することができる。
本発明は、より広い通電面積を有する多層バリスタを提供する。
本発明の別の目的は上記の方法により製造した多層バリスタを提供することであり、以下の有益な効果を有する。
(1)より多くの数の内部電極層を有する。
(2)各内部電極層がより広い通電面積を有する。
(3)製造した多層バリスタはより広い総通電面積を有する。
(1)より多くの数の内部電極層を有する。
(2)各内部電極層がより広い通電面積を有する。
(3)製造した多層バリスタはより広い総通電面積を有する。
図3及び図4に示すように、本発明において、多層バリスタ(MLV)15は、噛み合い内部電極30を内部に有するセラミック体20と2つの外部電極40とを備え、各外部電極40はセラミック体20の一端を覆い、また噛み合い内部電極30に電気的な接続でもって接続していることが必要とされる。特に、セラミック体20はさらに、下方キャップ24、内部電極スタック25及び上方キャップ26を一体に貼り合せることで形成されるサンドイッチ様構造を有し、以下の条件R1〜R4を満たす。
R1:下方キャップ24は、2つの隣接する内部電極30の間の内部電極ギャップ(g)の0.10〜0.99倍に等しい厚さ(t)を有する。
R2:上方キャップ26は、内部電極ギャップ(g)の0.10〜0.99倍に等しい厚さ(t)を有する。
R3:内部電極30は、内部電極ギャップ(g)の0.10〜0.99倍に等しいマージン(h)を有する。
R4:内部電極スタック25において、2つの隣接する内部電極30の間の内部電極ギャップ(g)から生じるインピーダンスは、下方キャップ、上方キャップ又は内部電極のマージン(h)から生じるかもしれないインピーダンスより小さい。
R1:下方キャップ24は、2つの隣接する内部電極30の間の内部電極ギャップ(g)の0.10〜0.99倍に等しい厚さ(t)を有する。
R2:上方キャップ26は、内部電極ギャップ(g)の0.10〜0.99倍に等しい厚さ(t)を有する。
R3:内部電極30は、内部電極ギャップ(g)の0.10〜0.99倍に等しいマージン(h)を有する。
R4:内部電極スタック25において、2つの隣接する内部電極30の間の内部電極ギャップ(g)から生じるインピーダンスは、下方キャップ、上方キャップ又は内部電極のマージン(h)から生じるかもしれないインピーダンスより小さい。
好ましくは、セラミック体20は、以下の条件K1〜K4を満たす下方キャップ24、内部電極スタック25及び上方キャップ26を有する。
K1:下方キャップ24は、2つの隣接する内部電極30の間の内部電極ギャップ(g)の0.15〜0.80倍に等しい厚さ(t)を有する。
K2:上方キャップ26は、内部電極ギャップ(g)の0.15〜0.80倍に等しい厚さ(t)を有する。
K3:内部電極30は、内部電極ギャップ(g)の0.15〜0.80倍に等しいマージン(h)を有する。
K4:内部電極スタック25において、2つの隣接する内部電極30の間の内部電極ギャップ(g)から生じるインピーダンスは、下方キャップ、上方キャップ又は内部電極のマージン(h)から生じるかもしれないインピーダンスより小さい。
K1:下方キャップ24は、2つの隣接する内部電極30の間の内部電極ギャップ(g)の0.15〜0.80倍に等しい厚さ(t)を有する。
K2:上方キャップ26は、内部電極ギャップ(g)の0.15〜0.80倍に等しい厚さ(t)を有する。
K3:内部電極30は、内部電極ギャップ(g)の0.15〜0.80倍に等しいマージン(h)を有する。
K4:内部電極スタック25において、2つの隣接する内部電極30の間の内部電極ギャップ(g)から生じるインピーダンスは、下方キャップ、上方キャップ又は内部電極のマージン(h)から生じるかもしれないインピーダンスより小さい。
開示の多層バリスタ15は2つの方法を用いて作製し得る。多層バリスタ15の第1の作製方法は、多層バリスタ15の下方キャップ24、上方キャップ26及び内部電極30のマージン(h)を、インピーダンスが内部電極スタック25のインピーダンスより高い材料で形成することを含み、これにより開示の多層バリスタ15は前出の条件R1〜R4又はK1〜K4を満たす。
多層バリスタ15の第2の作製方法は、既知のMLV製造方法を用いて形成したMLV焼結体を低原子価アルカリ金属イオン(例えば、一価のリチウムイオン(Li+))の溶液への浸漬及び低原子価アルカリ金属イオンの高温拡散(以下、本発明においては、「低原子価イオンの高温拡散ステップ」と称する)で連続的に処理することでMLV焼結体の及び最終的なMLV製品の表面でのインピーダンスを増大させることを含む。
この方法において、アルカリ金属イオンは、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオン及びフランシウムイオンから成る群から選択される。好ましくは、アルカリ金属イオンは、リチウムイオン、ナトリウムイオン又はカリウムイオンである。
この方法において、アルカリ金属イオンは、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオン及びフランシウムイオンから成る群から選択される。好ましくは、アルカリ金属イオンは、リチウムイオン、ナトリウムイオン又はカリウムイオンである。
純粋なZnO粒子は本来、絶縁体である。焼結過程中に純粋なZnO粒子に半導性及び電圧依存性を示させるためには、これらのZnO粒子にまず高原子価イオンをドープし、次に高インピーダンス材料の薄層で包まなくてはならない。したがって、開示の多層バリスタ15のセラミック体20を用意している間に、低原子価イオンの高温拡散ステップをMLV焼結体に行った。低原子価アルカリ金属イオン(例えば、一価のリチウムイオン)はMLV焼結体の全ての層の表面に浸透し、ZnO粒子は、低原子価アルカリ金属イオンのドープにより半導性が低くなり、インピーダンスは高くなった。
したがって、開示の多層バリスタ15を作製するための本発明の第2の方法は、MLV焼結体を濃度5〜80%、好ましくは濃度40〜80%の低原子価アルカリ金属イオン溶液に少なくとも2分、好ましくは2〜60分、より好ましくは5〜20分、最も好ましくは10〜12分にわたって浸漬することによる低原子価イオンの高温拡散ステップを追加でMLV焼結体に行う点で既知のMLV作製方法とは異なる。
この方法においては、アルカリ金属イオン溶液の濃度及び浸漬時間が、どのぐらい深く低原子価イオンがMLV焼結体の層内に入り込むかを決定する。浸漬・乾燥後のMLV焼結体を650〜900℃、好ましくは700〜900℃、より好ましくは800〜875℃で焼成させることで高温拡散ステップを完了する。
このステップにより、MLV焼結体内の下方キャップ24、上方キャップ26及び内部電極30のマージン(h)のインピーダンスが内部電極ギャップ(g)のインピーダンスより高くなる。
この方法においては、アルカリ金属イオン溶液の濃度及び浸漬時間が、どのぐらい深く低原子価イオンがMLV焼結体の層内に入り込むかを決定する。浸漬・乾燥後のMLV焼結体を650〜900℃、好ましくは700〜900℃、より好ましくは800〜875℃で焼成させることで高温拡散ステップを完了する。
このステップにより、MLV焼結体内の下方キャップ24、上方キャップ26及び内部電極30のマージン(h)のインピーダンスが内部電極ギャップ(g)のインピーダンスより高くなる。
本発明の第2の方法は、MLV焼結体の層の表面でのインピーダンスを、その内部電極ギャップ(g)でのインピーダンスより高くすることに関する。この現象により、慣用のMLV製造方法の限界がなくなるだけでなく、開示の多層バリスタ15が前出の条件R1〜R4又はK1〜K4を有意義に満たせるようになる。
より詳しくは、図3及び図4に示すように、本発明の開示の多層バリスタ15の第2の作製方法は、以下の各ステップを含む。
(1)ZnOセラミックスラリーを用意するステップ。
(2)用意したZnOセラミックスラリーをドクターブレード技法により塗り広げて10〜100μmもの厚さのグリーンテープにするステップ。
(3)形成した複数のグリーンテープを積み上げ、貼り合せて既定の厚さ(t)、好ましくは最高200μmの厚さを有する下方キャップ24(又は上方キャップ26)にするステップ。
(4)形成した下方キャップ24上に内部電極30を、内部電極30の各側縁付近にマージン(h)を残して印刷し、内部電極30は白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)又はこれらの金属の2種以上の合金から成り得るステップ。
(5)ステップ(2)で形成した複数のグリーンテープを、得られるスタックの厚さが既定の内部電極ギャップ(g)に達するまで積み上げ、噛み合い内部電極30をその上に印刷するステップ。
(6)内部電極30の層の既定数に関し、事前に決めたような内部電極スタック25が得られるまで、内部電極ギャップ(g)の積み上げ及び噛み合い内部電極30の印刷を繰り返し、内部電極30の層の数が2〜25層、好ましくは4〜12層であるステップ。
(7)事前に形成した上方キャップ26を内部電極スタック25の上に置き、下方キャップ24、内部電極スタック25及び上方キャップ26をMLVグリーンボディとして一体に貼り合せ、以下の条件が満たされるステップ。(a)下方キャップ24及び上方キャップ26の厚さ(t)は内部電極ギャップ(g)の厚さより小さいが内部電極ギャップ(g)の厚さの0.1倍以上である。(b)残した内部電極30からのマージン(h)は内部電極ギャップ(g)の厚さより小さいが内部電極ギャップ(g)の厚さの0.1倍以上である。
(8)MLVグリーンボディを焼結炉において焼結温度800〜1000℃で焼結することでMLV焼結体を得るステップ。
(9)前のステップで形成したMLV焼結体に、MLV焼結体を濃度5〜80%、好ましくは40〜80%のアルカリ金属イオン溶液に少なくとも2分、好ましくは2〜60分、より好ましくは5〜20分、最も好ましくは10〜12分にわたって浸漬し、乾燥させた後、650〜900℃、好ましくは700〜900℃、より好ましくは800〜875℃、最も好ましくは845〜850℃で低原子価アルカリ金属イオンの高温拡散ステップを行うステップ。
(10)外部電極40を、前のステップで形成したMLV焼結体の2つの端部に取り付け、MLV焼結体を600〜950℃で焼結することで多層バリスタ15を得て、外部電極40が銀(Ag)、銅(Cu)又は銀/パラジウム合金から成り得るステップ。
(1)ZnOセラミックスラリーを用意するステップ。
(2)用意したZnOセラミックスラリーをドクターブレード技法により塗り広げて10〜100μmもの厚さのグリーンテープにするステップ。
(3)形成した複数のグリーンテープを積み上げ、貼り合せて既定の厚さ(t)、好ましくは最高200μmの厚さを有する下方キャップ24(又は上方キャップ26)にするステップ。
(4)形成した下方キャップ24上に内部電極30を、内部電極30の各側縁付近にマージン(h)を残して印刷し、内部電極30は白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)又はこれらの金属の2種以上の合金から成り得るステップ。
(5)ステップ(2)で形成した複数のグリーンテープを、得られるスタックの厚さが既定の内部電極ギャップ(g)に達するまで積み上げ、噛み合い内部電極30をその上に印刷するステップ。
(6)内部電極30の層の既定数に関し、事前に決めたような内部電極スタック25が得られるまで、内部電極ギャップ(g)の積み上げ及び噛み合い内部電極30の印刷を繰り返し、内部電極30の層の数が2〜25層、好ましくは4〜12層であるステップ。
(7)事前に形成した上方キャップ26を内部電極スタック25の上に置き、下方キャップ24、内部電極スタック25及び上方キャップ26をMLVグリーンボディとして一体に貼り合せ、以下の条件が満たされるステップ。(a)下方キャップ24及び上方キャップ26の厚さ(t)は内部電極ギャップ(g)の厚さより小さいが内部電極ギャップ(g)の厚さの0.1倍以上である。(b)残した内部電極30からのマージン(h)は内部電極ギャップ(g)の厚さより小さいが内部電極ギャップ(g)の厚さの0.1倍以上である。
(8)MLVグリーンボディを焼結炉において焼結温度800〜1000℃で焼結することでMLV焼結体を得るステップ。
(9)前のステップで形成したMLV焼結体に、MLV焼結体を濃度5〜80%、好ましくは40〜80%のアルカリ金属イオン溶液に少なくとも2分、好ましくは2〜60分、より好ましくは5〜20分、最も好ましくは10〜12分にわたって浸漬し、乾燥させた後、650〜900℃、好ましくは700〜900℃、より好ましくは800〜875℃、最も好ましくは845〜850℃で低原子価アルカリ金属イオンの高温拡散ステップを行うステップ。
(10)外部電極40を、前のステップで形成したMLV焼結体の2つの端部に取り付け、MLV焼結体を600〜950℃で焼結することで多層バリスタ15を得て、外部電極40が銀(Ag)、銅(Cu)又は銀/パラジウム合金から成り得るステップ。
寸法が変化しないように制御した状態で、本発明の開示の方法で作製した多層バリスタ15は以下の予期せぬ効果を有し易く、先行技術で一般に知られている多層バリスタより優れている。
(1)本発明の多層バリスタ15では、下方キャップ24又は上方キャップ26の厚さをそれぞれ又は両方意図的に薄くすることで内部電極30の積層数を増加させ得て、そのようなやり方により、製造される多層バリスタ15の内部電極30を最高12〜14層以上にできる。
(2)本発明の多層バリスタ15では、内部電極スタック25の内部電極30のマージン(h)を意図的に狭くすることで、各内部電極30の通電面積を広くし得る。
(3)本発明の多層バリスタ15では、意図的に下方キャップ24及び/又は上方キャップ26の厚さを薄くし且つ内部電極スタック25の内部電極30のマージン(h)を狭くすることで内部電極30の積層数を増加させ、同時に各内部電極30の通電面積を広くし得る。
(1)本発明の多層バリスタ15では、下方キャップ24又は上方キャップ26の厚さをそれぞれ又は両方意図的に薄くすることで内部電極30の積層数を増加させ得て、そのようなやり方により、製造される多層バリスタ15の内部電極30を最高12〜14層以上にできる。
(2)本発明の多層バリスタ15では、内部電極スタック25の内部電極30のマージン(h)を意図的に狭くすることで、各内部電極30の通電面積を広くし得る。
(3)本発明の多層バリスタ15では、意図的に下方キャップ24及び/又は上方キャップ26の厚さを薄くし且つ内部電極スタック25の内部電極30のマージン(h)を狭くすることで内部電極30の積層数を増加させ、同時に各内部電極30の通電面積を広くし得る。
本発明の開示の方法で作製した多層バリスタ15に関する限り、内部電極30の層数が多ければ多いほど、より多くの内部電極ギャップ(g)の層が存在する。
より詳細には、寸法が変化しないように制御した状態で、開示の多層バリスタ15では有利には、より多くの内部電極30の層を設け、またその総通電面積を増加させることが容易である。これは多層バリスタ15それ自体が有する総通電面積が、1つの内部電極30が有する通電面積(すなわち、被乗数)に内部電極ギャップ(g)の層の総数(すなわち、乗数)を掛けることで計算される積だからである。
したがって、本発明の多層バリスタ15の物理的な性能は、多層バリスタ15の寸法を増大させることなく、顕著に改善される。
以下の段落では本発明をさらに例示するための実施例について説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
実施例及び比較例で使用する多層バリスタの試験サンプルを表1に示す規格にしたがって作製し、試験サンプルを、TTK(Think Technologies社、台湾)製のサージ吸収器テスター:モデルMOV−168を使用して、そのそれぞれの物理的性質について測定した。
実施例及び比較例で使用する多層バリスタの試験サンプルを表1に示す規格にしたがって作製し、試験サンプルを、TTK(Think Technologies社、台湾)製のサージ吸収器テスター:モデルMOV−168を使用して、そのそれぞれの物理的性質について測定した。
実施例1〜3及び比較例1〜3
表2中の多層バリスタ:モデル0805、1206及び1210を対象として取り上げた。比較例1〜3用のサンプル多層バリスタを既知のMLV製造方法を用いて作製し、実施例1〜3用のサンプル多層バリスタを、既知のMLV製造方法とは異なる開示の方法を用いて、0805−及び1206−MLV焼結体を濃度40%のリチウムイオン溶液に15分にわたって浸漬し、乾燥させ、低原子価アルカリ金属イオンの845℃での高温拡散ステップを行うことにより、また1210−MLV焼結体を濃度80%のリチウムイオン溶液に12分にわたって浸漬し、乾燥させ、低原子価アルカリ金属イオンの850℃での高温拡散ステップを行うことにより用意した。
表2中の多層バリスタ:モデル0805、1206及び1210を対象として取り上げた。比較例1〜3用のサンプル多層バリスタを既知のMLV製造方法を用いて作製し、実施例1〜3用のサンプル多層バリスタを、既知のMLV製造方法とは異なる開示の方法を用いて、0805−及び1206−MLV焼結体を濃度40%のリチウムイオン溶液に15分にわたって浸漬し、乾燥させ、低原子価アルカリ金属イオンの845℃での高温拡散ステップを行うことにより、また1210−MLV焼結体を濃度80%のリチウムイオン溶液に12分にわたって浸漬し、乾燥させ、低原子価アルカリ金属イオンの850℃での高温拡散ステップを行うことにより用意した。
サンプル多層バリスタをそのそれぞれの物理的性質について測定した。結果を表2に示す。
実施例1〜3及び比較例1〜3のサンプル多層バリスタを、その基本的な電気的性質、例えば絶縁破壊電圧、非線形係数及び漏洩電流について外部電極で測定した。有意な変化は見られなかった。
しかしながら、表2によると、実施例1〜3のサンプル多層バリスタは比較例1〜3のサンプル多層バリスタより電流容量がはるかに大きい。これは、実施例1〜3のサンプル多層バリスタのセラミック体20の周辺インピーダンスの増加を示している。
言い換えると、表2に示す結果は、サンプルMLV焼結体に行った低原子価イオンの高温拡散ステップ中に、使用するリチウムイオン溶液の濃度及び浸漬時間を調節することで、低原子価リチウムイオンの拡散が、MLV焼結体内の下方キャップ24、上方キャップ26及び内部電極30のマージン(h)中の酸化亜鉛粒子にのみ達するように制御され、内部電極スタック25の内部電極ギャップ(g)中の酸化亜鉛粒子には影響しないことを示している。その結果、MLV焼結体内の下方キャップ24、上方キャップ26及び内部電極30のマージン(h)でのインピーダンスは増加し、内部電極スタック25の内部電極ギャップ(g)でのインピーダンスより高くなった。
これらの結果は、開示の方法を用いて作製した多層バリスタでは、寸法を変化させることなく、その下方キャップ24及び上方キャップ26を薄くし、また内部電極30のマージン(h)を小さくできることも証明している。
実施例4〜6及び比較例4〜6
実施例1〜3及び比較例1〜3用のものとして作製した多層バリスタ:モデル0805、1206及び1210を実施例4〜6及び比較例4〜6のサンプルとして取り上げた。サンプルを、内部電極ギャップ、下方キャップの厚さ、上方キャップの厚さ、内部電極層の数、各内部電極層の通電面積及び総通電面積について測定した。結果を表3に示す。
実施例1〜3及び比較例1〜3用のものとして作製した多層バリスタ:モデル0805、1206及び1210を実施例4〜6及び比較例4〜6のサンプルとして取り上げた。サンプルを、内部電極ギャップ、下方キャップの厚さ、上方キャップの厚さ、内部電極層の数、各内部電極層の通電面積及び総通電面積について測定した。結果を表3に示す。
比較例4〜6のサンプル多層バリスタを既知のMLV製造方法を用いて作製した。バリスタは図1に示す通りである。その内部電極ギャップ(G)は下方キャップ(又は上方キャップ)の厚さ(T)より小さく、また内部電極のマージン(H)より小さい。
他方、実施例4〜6のサンプル多層バリスタを開示の方法を用いて作製した。バリスタは図3に示す通りである。セラミック体20内の下方キャップ24、上方キャップ26及び内部電極30のマージン(h)でのインピーダンスは内部電極スタック25の内部電極ギャップ(g)でのインピーダンスより高く、バリスタは以下の条件K5〜K7を満たす。
K5:下方キャップの厚さ(t)は内部電極ギャップ(g)の0.5倍である。
K6:上方キャップの厚さ(t)は内部電極ギャップ(g)の0.5倍である。
K7:内部電極のマージン(h)は内部電極ギャップ(g)の0.53〜0.67倍である。
K5:下方キャップの厚さ(t)は内部電極ギャップ(g)の0.5倍である。
K6:上方キャップの厚さ(t)は内部電極ギャップ(g)の0.5倍である。
K7:内部電極のマージン(h)は内部電極ギャップ(g)の0.53〜0.67倍である。
加えて、表3に示す結果から、同じ寸法では、実施例4〜6のサンプル多層バリスタは6〜8層の内部電極と14.0〜54.6mm2の総通電面積を有しており、それに対して比較例4〜6のサンプル多層バリスタの内部電極は4〜6層、総通電面積は5.19〜27.4mm2であった。
比較すると、実施例4〜6のサンプル多層バリスタは、比較例4〜6のサンプル多層バリスタよりはるかに優れている。
実施例7〜8
実施例7及び実施例8用に作製した多層バリスタ:モデル0805及び2220をそれぞれ、内部電極ギャップ(g)、下方キャップの厚さ、上方キャップの厚さ、内部電極層の数、各内部電極層の通電面積及び総通電面積について測定した。結果を表4に示す。
実施例7及び実施例8用に作製した多層バリスタ:モデル0805及び2220をそれぞれ、内部電極ギャップ(g)、下方キャップの厚さ、上方キャップの厚さ、内部電極層の数、各内部電極層の通電面積及び総通電面積について測定した。結果を表4に示す。
表4に示す結果から、実施例7〜8のサンプル多層バリスタを開示の方法を用いて作製し、バリスタは図3に示す通りである。セラミック体20内の下方キャップ24、上方キャップ26及び内部電極30のマージン(h)でのインピーダンスは、内部電極スタック25の内部電極ギャップ(g)でのインピーダンスより高く、バリスタは以下の条件K8〜K10を満たす。
K8:下方キャップの厚さ(t)は内部電極ギャップ(g)の0.15〜0.8倍である。
K9:上方キャップの厚さ(t)は内部電極ギャップ(g)の0.15〜0.8倍である。
K10:内部電極のマージン(h)は内部電極ギャップ(g)の0.15〜0.8倍である。
K8:下方キャップの厚さ(t)は内部電極ギャップ(g)の0.15〜0.8倍である。
K9:上方キャップの厚さ(t)は内部電極ギャップ(g)の0.15〜0.8倍である。
K10:内部電極のマージン(h)は内部電極ギャップ(g)の0.15〜0.8倍である。
実施例9〜15
多層バリスタ:モデル0806、1206、1208、1210、1812、2220及び3220を開示の方法を用いて作製し、実施例9〜15のサンプルとして使用した。作製中、MLV焼結体を、濃度5〜70%のリチウムイオン溶液に、表5に挙げたそれぞれのLiドープ条件にしたがって少なくとも2分にわたって浸漬し、乾燥させ、650〜900℃でのリチウムイオンの高温拡散ステップに供した。
多層バリスタ:モデル0806、1206、1208、1210、1812、2220及び3220を開示の方法を用いて作製し、実施例9〜15のサンプルとして使用した。作製中、MLV焼結体を、濃度5〜70%のリチウムイオン溶液に、表5に挙げたそれぞれのLiドープ条件にしたがって少なくとも2分にわたって浸漬し、乾燥させ、650〜900℃でのリチウムイオンの高温拡散ステップに供した。
サンプル多層バリスタをそのそれぞれの物理的特性について測定した。結果を表5に示す。
表5に示す結果から、実施例9〜15のサンプル多層バリスタを開示の方法を用いて作製した。バリスタは図3に示す通りである。セラミック体20内の下方キャップ24、上方キャップ26及び内部電極30のマージン(h)でのインピーダンスは、内部電極スタック25の内部電極ギャップ(g)でのインピーダンスより高く、バリスタは以下の条件K11〜K13を満たす。
K11:下方キャップの厚さ(t)は内部電極ギャップ(g)の0.213〜0.938倍である。
K12:上方キャップの厚さ(t)は内部電極ギャップ(g)の0.213〜0.938倍である。
K13:内部電極のマージン(h)は内部電極ギャップ(g)の0.118〜0.969倍である。
K11:下方キャップの厚さ(t)は内部電極ギャップ(g)の0.213〜0.938倍である。
K12:上方キャップの厚さ(t)は内部電極ギャップ(g)の0.213〜0.938倍である。
K13:内部電極のマージン(h)は内部電極ギャップ(g)の0.118〜0.969倍である。
加えて、表5に示す結果から、同じ寸法では、実施例9〜15のサンプル多層バリスタは2〜20層の内部電極と1.85〜441mm2の総通電面積を有していた。
結果
実施例1〜15及び比較例1〜6を比較することで、開示の方法及び開示の多層バリスタは、より多くの層の内部電極、各内部電極層についてより広い通電面積、またより広い多層バリスタ総通電面積を同じ寸法で達成し、多層バリスタの性能の顕著な改善に貢献したことが判明した。
実施例1〜15及び比較例1〜6を比較することで、開示の方法及び開示の多層バリスタは、より多くの層の内部電極、各内部電極層についてより広い通電面積、またより広い多層バリスタ総通電面積を同じ寸法で達成し、多層バリスタの性能の顕著な改善に貢献したことが判明した。
Claims (5)
- 以下の各ステップ、
(a)用意したZnOセラミックスラリーをドクターブレード技法により塗り広げて10〜100μmの厚さを有するグリーンテープにするステップ、
(b)ステップ(a)で形成した前記複数のグリーンテープを積み上げることでそれぞれ既定の厚さ(t)を有する下方キャップ及び上方キャップをそれぞれ形成するステップ、
(c)ステップ(b)で形成した前記下方キャップ上に内部電極を、前記内部電極の各側縁付近にマージン(h)を残して印刷するステップ、
(d)ステップ(a)で形成した前記複数のグリーンテープを、ステップ(c)の前記下方キャップ上に、得られるスタックの厚さが既定の内部電極ギャップ(g)に達するまで積み上げ、噛み合い内部電極をその上に、前記内部電極の各側縁付近にマージン(h)を残して印刷するステップ、
(e)既定の数の内部電極層を有する内部電極スタックが得られるまで、前記内部電極ギャップ(g)の積み上げ及び前記噛み合い内部電極の印刷を繰り返すステップ、
(f)前記事前に形成した上方キャップを前記内部電極スタックの上に置き、前記下方キャップ、前記内部電極スタック及び前記上方キャップを多層バリスタ(MLV)グリーンボディとして一体に貼り合せ、以下の条件、(f1)前記下方キャップ及び前記上方キャップの厚さ(t)は前記内部電極ギャップ(g)の厚さより小さいが前記内部電極ギャップ(g)の厚さの0.1倍以上であり、(f2)残した前記内部電極からのマージン(h)は前記内部電極ギャップ(g)の厚さより小さいが前記内部電極ギャップ(g)の厚さの0.1倍以上である、が満たされるステップ、
(g)前記MLVグリーンボディを焼結炉において焼結温度800〜1000℃で焼結することでMLV焼結体を得るステップ、
(h)前記MLV焼結体を濃度5〜80%を有するアルカリ金属イオン溶液に少なくとも2分にわたって浸漬し、乾燥後、650〜900℃での低原子価アルカリ金属イオンの高温拡散ステップを行うステップ、及び、
(i)外部電極を、ステップ(h)で形成した前記MLV焼結体の2つの端部に取り付け、前記MLV焼結体を600〜950℃で焼結することで最終製品である多層バリスタを得るステップ、を含む、
より広い通電面積を有する多層バリスタの製造方法。 - 前記アルカリ金属イオン溶液は、リチウムイオン溶液、ナトリウムイオン溶液、カリウムイオン溶液、ルビジウムイオン溶液、セシウムイオン溶液又はフランシウムイオン溶液であり、好ましくは、前記アルカリ金属イオンはリチウムイオン、ナトリウムイオン又はカリウムイオンであることを特徴とする、請求項1に記載の多層バリスタの製造方法。
- ステップ(h)において、前記MLV焼結体は、濃度40〜80%を有する前記アルカリ金属イオン溶液に2〜60分にわたって浸漬されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の多層バリスタの製造方法。
- 内部に離間して配置された噛み合い内部電極を有するセラミック体と、それぞれ前記セラミック体の一端を覆い、前記噛み合い内部電極と電気的に接続している2つの外部電極とを備え、
前記セラミック体は、下方キャップ、内部電極スタック及び上方キャップを一体に貼り合せることで形成されるサンドイッチ様構造を有し、また以下の条件R1〜R4、
(R1)前記下方キャップは、2つの隣接する噛み合い内部電極の間の内部電極ギャップ(g)の0.10〜0.99倍に等しい厚さ(t)を有し、
(R2)前記上方キャップは、前記内部電極ギャップ(g)の0.10〜0.99倍に等しい厚さ(t)を有し、
(R3)残した前記噛み合い内部電極の2つの側縁のそれぞれからのマージン(h)は前記内部電極ギャップ(g)の0.10〜0.99倍に等しく、
(R4)前記内部電極ギャップ(g)から生じるインピーダンスは、前記下方キャップ、前記上方キャップ及び前記内部電極のマージン(h)から生じるインピーダンスより小さい、を満たすことを特徴とする、
請求項1の方法により製造した多層バリスタ。 - 前記セラミック体は2〜25層の前記内部電極を有することを特徴とする、請求項4に記載の多層バリスタ。
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A02 | Decision of refusal |
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