JP2018054706A - 静電荷像現像用トナーセット、静電荷像現像剤セット、トナーカートリッジセット、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、黒色画像と有色画像とが共に高い画像密度で存在する画像を多量に形成したときに、黒トナーが有色画像部に混合する色くすみの画像欠陥が発生することがあった。
本発明の課題は、有色トナー粒子の表面における離型剤の露出率が黒色トナー粒子の表面における離型剤の露出率と差がない場合、または有色トナー粒子の離型剤の露出率の方が小さい場合に比べ、黒色画像の細線再現性に優れ、かつ黒色画像と有色画像とが共に高い画像密度で存在する画像を多量に形成したときに生じる色くすみの画像欠陥が抑制される静電荷像現像用トナーセットを提供することにある。
請求項1に係る発明は、
黒色着色剤、結着樹脂及び離型剤を含む黒色トナー粒子と、平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子と、を含有する静電荷像現像用黒色トナー、
並びに、有色着色剤、結着樹脂及び離型剤を含む有色トナー粒子と、平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子と、を含有する静電荷像現像用有色トナーを含み、
前記有色トナー粒子の表面における前記離型剤の露出率が、前記黒色トナー粒子の表面における前記離型剤の露出率より大きい静電荷像現像用トナーセット。
前記有色トナー粒子の表面における前記離型剤の露出率が0.12%以上10.0%以下であり、前記黒色トナー粒子の表面における前記離型剤の露出率が0.1%以上3.2%以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナーセット。
前記有色トナー粒子及び前記黒色トナー粒子が表面に前記離型剤のドメインを有し、前記ドメインの平均粒径が0.1μm以上2.0μm以下である請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーセット。
前記静電荷像現像用有色トナー及び前記静電荷像現像用黒色トナーが含有する前記無機粒子が、シリカ粒子である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセット。
前記静電荷像現像用有色トナー及び前記静電荷像現像用黒色トナーの体積平均粒径が2.0μm以上10.0μm以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセット。
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットに含まれる前記静電荷像現像用黒色トナーを含有する黒色静電荷像現像剤と、
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットに含まれる前記静電荷像現像用有色トナーを含有する有色静電荷像現像剤と、
を含む静電荷像現像剤セット。
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットに含まれる前記静電荷像現像用黒色トナーを収容し、画像形成装置に着脱される黒色トナーカートリッジと、
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットに含まれる前記静電荷像現像用有色トナーを収容し、画像形成装置に着脱される有色トナーカートリッジと、
を含むトナーカートリッジセット。
請求項6に記載の静電荷像現像剤セットのうち前記黒色静電荷像現像剤を収容した第1現像手段と、
請求項6に記載の静電荷像現像剤セットのうち前記有色静電荷像現像剤を収容した第2現像手段と、
を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記静電荷像現像用黒色トナーによる黒色画像を形成する第1画像形成手段と、
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記静電荷像現像用有色トナーによる有色画像を形成する第2画像形成手段と、
前記黒色画像及び前記有色画像を記録媒体上に転写する転写手段と、
前記黒色画像及び前記有色画像を前記記録媒体上に定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
前記転写手段により前記記録媒体上に転写される前の前記黒色画像中の前記静電荷像現像用黒色トナーにおける下記式(1b)で表される遊離率[black](%)と、前記転写手段により前記記録媒体上に転写される前の前記有色画像中の前記静電荷像現像用有色トナーにおける下記式(1c)で表される遊離率[color](%)と、の関係が下記式(2)を満たす請求項9に記載の画像形成装置。
式(1b) 遊離率[black]=Xb[sep]/(Xb[sep]+Xb[sti])×100
式(1c) 遊離率[color]=Xc[sep]/(Xc[sep]+Xc[sti])×100
(式(1b)において、Xb[sep]は黒色トナー粒子の表面から遊離している前記平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子の量を、Xb[sti]は黒色トナー粒子の表面に付着している前記平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子の量を表す。
式(1c)において、Xc[sep]は有色トナー粒子の表面から遊離している前記平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子の量を、Xc[sti]は有色トナー粒子の表面に付着している前記平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子の量を表す。)
式(2) 8≧遊離率[black]/遊離率[color]≧2
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記静電荷像現像用黒色トナーによる黒色画像を形成する第1画像形成工程と、
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記静電荷像現像用有色トナーによる有色画像を形成する第2画像形成工程と、
前記黒色画像及び前記有色画像を記録媒体上に転写する転写工程と、
前記黒色画像及び前記有色画像を前記記録媒体上に定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
前記転写工程で前記記録媒体上に転写される前の前記黒色画像中の前記静電荷像現像用黒色トナーにおける下記式(1b)で表される遊離率[black](%)と、前記転写工程で前記記録媒体上に転写される前の前記有色画像中の前記静電荷像現像用有色トナーにおける下記式(1c)で表される遊離率[color](%)と、の関係が下記式(2)を満たす請求項11に記載の画像形成方法。
式(1b) 遊離率[black]=Xb[sep]/(Xb[sep]+Xb[sti])×100
式(1c) 遊離率[color]=Xc[sep]/(Xc[sep]+Xc[sti])×100
(式(1b)において、Xb[sep]は黒色トナー粒子の表面から遊離している前記平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子の量を、Xb[sti]は黒色トナー粒子の表面に付着している前記平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子の量を表す。
式(1c)において、Xc[sep]は有色トナー粒子の表面から遊離している前記平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子の量を、Xc[sti]は有色トナー粒子の表面に付着している前記平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子の量を表す。)
式(2) 8≧遊離率[black]/遊離率[color]≧2
請求項2に係る発明によれば、黒色トナー粒子の表面における離型剤の露出率が3.2%を超える場合に比べ、黒色画像の細線再現性に優れ、かつ有色トナー粒子の表面における離型剤の露出率が0.12%未満である場合に比べ、黒色画像と有色画像とが共に高い画像密度で存在する画像を多量に形成したときに生じる色くすみの画像欠陥が抑制される静電荷像現像用トナーセットが提供される。
請求項3に係る発明によれば、黒色トナー粒子が表面に有する離型剤のドメインの平均粒径が2.0μmを超える場合に比べ、黒色画像の細線再現性に優れ、かつ有色トナー粒子が表面に有する離型剤のドメインの平均粒径が0.1μm未満である場合に比べ、黒色画像と有色画像とが共に高い画像密度で存在する画像を多量に形成したときに生じる色くすみの画像欠陥が抑制される静電荷像現像用トナーセットが提供される。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーセットは、静電荷像現像用黒色トナー(黒トナー)と、静電荷像現像用有色トナー(カラートナー)とを少なくとも含む。
黒トナーは、黒色着色剤、結着樹脂及び離型剤を含む黒色トナー粒子と、平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子と、を含有する。
カラートナーは、有色着色剤、結着樹脂及び離型剤を含む有色トナー粒子と、平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子と、を含有する。
そして、有色トナー粒子の表面における離型剤の露出率が、黒色トナー粒子の表面における離型剤の露出率より大きい。
この効果が奏される理由は以下の通り推察される。
そして、黒トナーやカラートナーにおいては、トナー粒子(黒色トナー粒子、有色トナー粒子)に対して平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子(大径外添剤)を外添することで、この大径外添剤によるスペーサー効果により転写性を付与している。
これは以下の理由によるものと考えられる。すなわち、着色剤としてカーボンブラック等の比較的導電性の高い着色剤を用いることが多い黒トナーでは、カラートナーよりも抵抗が低くなることが一般的である。そのため、黒トナーは、黒色画像を転写させるときに印加される電界から電荷注入を受けやすく、カラートナーに比べて静電的な転写能力が低下し易い傾向にある。これにより、黒トナーによって形成される黒色画像では黒トナーの転写性が低下し、その結果細線の再現性に劣るものと考えられる。
これは以下の理由によるものと考えられる。すなわち、黒色トナー粒子の表面における離型剤の露出率だけでなく、有色トナー粒子の表面における離型剤の露出率も小さく制御して、黒色トナー粒子と有色トナー粒子とで離型剤露出率に差がない状態とした場合、黒色トナー粒子からの大径外添剤の遊離量だけでなく、有色トナー粒子からの大径外添剤の遊離量も増加する。
そのため、中間転写方式であって中間転写体の表面をクリーニングするクリーニングブレードを有する態様の場合、中間転写体とクリーニングブレードとの接触部に堆積する遊離した大径外添剤の量が増加する。また、1つの像保持体を有し、この1つの像保持体上に黒色画像又は有色画像をそれぞれ形成して転写することを交互に繰り返す態様の現像方式(例えば黒色画像とイエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、及びシアン(C)色の3色の有色画像とを形成する場合、これら4色うち1色の画像を像保持体上に形成して転写することを4色分繰り返す態様の現像方式、いわゆるシングル方式)が知られている。このシングル方式の画像形成装置において、像保持体の表面をクリーニングするクリーニングブレードを有する態様の場合、像保持体とクリーニングブレードとの接触部に堆積する遊離した大径外添剤の量が増加する。こうして、堆積する遊離した大径外添剤の量が増加すると、前記中間転写体用のクリーニングブレードや前記像保持体用のクリーニングブレードでの摩耗が促進される。摩耗が生じた箇所では、クリーニングの対象である転写残トナーのすり抜けが発生し、クリーニングブレードをすり抜けた黒トナーが有色画像部に転移することで、色くすみの画像欠陥が発生するものと考えられる。
本実施形態では、有色トナー粒子の表面における離型剤の露出率が、黒色トナー粒子の表面における離型剤の露出率より大きい。つまり、有色トナー粒子の表面における離型剤の露出率[color]と、黒色トナー粒子の表面における離型剤の露出率[black]との関係が、下記式(EX−1)を満たす。
式(EX−1) 露出率[color]/露出率[black]>1
式(EX−2) 8≧露出率[color]/露出率[black]≧2
式(EX−3) 8≧露出率[color]/露出率[black]≧2
露出率[color]が0.12%以上であることで、色くすみの画像欠陥の発生が抑制され易くなる。一方、露出率[color]が10.0%以下であることで、離型剤が露出した箇所からの電荷の漏洩が抑制され、帯電低下による濃度変動が抑制されやすくなる。
露出率[black]が3.2%以下であることで、黒色画像において優れた細線再現性が得られ易くなる。一方、露出率[black]が0.1%以上であることで、離型剤が露出した箇所からの電荷の漏洩が適度に行なわれるため、帯電が上昇し過ぎることが抑制され、濃度変動の発生が抑制され易くなる。
なお、トナー粒子に外添される外添剤(無機粒子を含む)は、例えば、界面活性剤などの分散剤を添加したイオン交換水にトナーを分散し、超音波ホモジナイザー(US−300T:(株)日本精機製作所)などにより超音波をかけることで、外添剤とトナー粒子とを分離する。その後、ろ過処理及び洗浄処理を経て乾燥回収することにより外添剤を分離したトナー粒子のみを取り出し、そのトナー粒子を測定試料とする。
有色トナー粒子及び黒色トナー粒子において、表面における離型剤の露出率を制御する方法は、特に限定されるものではない。
表面における離型剤の露出率を高める方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
(1)トナー粒子の表面側に離型剤を偏在させる方法
(2)トナー粒子中に含まれる離型剤量を増加する方法
ここで、(1)トナー粒子の表面側に離型剤を偏在させる方法としては、例えば後述するパワーフィード添加法によってトナー粒子を作製する方法、後述する凝集合一法にてトナー粒子を作製する際に融合・合一工程で樹脂粒子のガラス転移温度以上に加熱したときの保持時間を調整する(長くするほど離型剤が表面に露出し易くなる)方法等が挙げられる。
(i)トナー粒子全体に均一性が高い状態で離型剤を分散させる方法
(ii)トナー粒子中に含まれる離型剤量を低減する方法
(iii)トナー粒子の表層部に離型剤を偏在させつつ、かつ表面での離型剤の露出が低減されるよう制御する方法
ここで、(iii)トナー粒子の表面側に離型剤を偏在させつつかつ表面での離型剤の露出を低減する方法としては、例えば後述するパワーフィード添加法によってトナー粒子を作製し表面側に離型剤を偏在させた後、さらに離型剤を含まない又は離型剤の含有量が少ないシェル層を形成する方法、後述する凝集合一法にてトナー粒子を作製する際に融合・合一工程で樹脂粒子のガラス転移温度以上に加熱したときの保持時間を調整する(短くするほど離型剤が表面に露出し難くなる)方法等が挙げられる。
本実施形態における有色トナー粒子及び黒色トナー粒子は、表面に離型剤のドメインを有していることが好ましく、つまり結着樹脂を含む海部と離型剤を含む島部とを持つ海島構造を有していることが好ましい。
有色トナー粒子の離型剤ドメインの平均粒径が0.1μm以上であることで、色くすみの画像欠陥の発生が抑制され易くなる。一方、この平均粒径が2.0μm下であることで、離型剤が露出した箇所が局所的に大きくなり過ぎず、電荷の漏洩が抑制され、帯電低下による濃度変動の発生が抑制され易くなる。
黒色トナー粒子の離型剤ドメインの平均粒径が2.0μm以下であることで、黒色画像において優れた細線再現性が得られ易くなる。一方、の平均粒径が0.1μm以上であることで、離型剤が露出した箇所からの電荷の漏洩が適度に行なわれるため、帯電が上昇し過ぎることが抑制され、濃度変動の発生が抑制され易くなる。
具体的には、結晶化度の違いから四酸化ルテニウム染色法により離型剤とそれ以外の部分とで材料間のコントラストをつけた後、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、その画像を画像解析装置に取り込み、離型剤の円相当径を算出することで行われる。四酸化ルテニウム染色法の具体的な方法としては以下の通りである。
・染色
電子顕微鏡観察用サンプルとして、カーボンテープを貼り付けた電子顕微鏡観察用アルミステージを用意し、カーボンテープ上にトナー粒子(粉体)を付着させた後、温度25℃湿度55%の環境下で四酸化ルテニウム(添川理化学社製)とともにデシケーター内に入れて二時間酸化反応処理を行い、染色する。なお、染色具合の判断は、同様にして放置したテープの染色具合により判断する。
・観察
染色した観察用サンプルより、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製、S−4800)にて染色したトナー粒子の表面を観察する。観察時の組成信号を強調することで、トナー粒子表面の結着樹脂と離形剤の成分が画像濃淡の違いから判別できる。具体的には、画像解析ソフト(Win ROOF、三谷商事(株)製)を用い、一視野にトナー一粒子が収まるようにして画像を観察し、二値化処理を行うことでトナー表面の離形剤露出部を抽出し、円相当径を算出する。これをトナー粒子100個以上について行い、その平均値を離形剤ドメインの平均粒径とする。
なお、黒色トナー粒子及び有色トナー粒子が表面に有する離型剤ドメインの平均粒径を制御する方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
後述する凝集合一法にてトナー粒子を作製する際に、融合・合一工程で樹脂粒子のガラス転移温度以上に加熱したときの保持時間を調整する(長くするほど離型剤ドメインの平均粒径が大きくなり易い)方法が挙げられる。
また、後述する凝集合一法に用いる離型剤粒子分散液を、例えば以下のようにして得ることでも、離型剤ドメインの平均粒径を制御し得る。まず、離型剤と分散剤(界面活性剤)とを混ぜ合わせた混合液を、離型剤の融点以上に加熱した後、高圧タイプの乳化機を用いて乳化し、その後冷却して離型剤粒子を固化する。調製された離型剤粒子分散液を、遠心分離装置を用いて遠心分離し、例えば2.0μm以下の粒径を有する離型剤粒子と2.0μm超えの大きさの離型剤粒子とを分別する。その後、遠心分離後の上澄み、すなわち2.0μm以下の粒径を有する離型剤粒子分散液を採取し、凝集合一法に用いる離型剤粒子分散液に提供する。なお、離型剤の種類や、粒度分布に応じて条件は異なるため、適宜選択されるが、遠心分離の際の遠心力としては例えば500Gから1000Gの遠心力を加えて分離が行われる。上記のようにして調製した離型剤粒子分散液を用いることで、離型剤ドメインの平均粒径が2.0μm以下に制御される。
本実施形態におけるトナーは、トナー粒子と、外添剤と、を含んで構成される。
トナー粒子は、結着樹脂と、着色剤と、離型剤と、を含んで構成され、さらにその他添加剤をふくんでもよい。
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知のポリエステル樹脂が挙げられる。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
なお、上記に挙げた黒色着色剤は、比較的導電性の高い着色剤であり、これらの黒色着色剤を含む黒トナーでは、カラートナーよりも抵抗が低くなり易い。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;アミドワックスなどが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂、着色剤及び離型剤と、必要に応じてその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていてもよい。
本実施形態に係るトナーセットは、前述の通り、有色トナー粒子の表面における離型剤の露出率が黒色トナー粒子の表面における離型剤の露出率より大きくなるよう調整している。そして、これにより黒色トナー粒子からの大径外添剤の遊離量を増加させつつ、一方で有色トナー粒子からの大径外添剤の遊離量が低減されるよう制御し、その結果黒色画像の細線の再現性と色くすみの画像欠陥の抑制とを両立しているものと考えられる。
こうした有色トナー粒子と黒色トナー粒子との間での大径外添剤の遊離量の差は、トナー粒子の体積平均粒径(D50v)が5μm以下の範囲でより顕著になるものと考えられ、前記細線の再現性の向上及び色くすみの抑制がより効果的に奏されるものと考えられる。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
まず、測定対象となるトナー粒子を吸引採取し、扁平な流れを形成させ、瞬時にストロボ発光させることにより静止画像として粒子像を取り込み、その粒子像を画像解析するフロー式粒子像解析装置(シスメックス社製のFPIA−2100)によって求める。そして、平均円形度を求める際のサンプリング数は3500個とする。
なお、トナーが外添剤を有する場合、界面活性剤を含む水中に、測定対象となるトナー(現像剤)を分散させた後、超音波処理をおこなって外添剤を除去したトナー粒子を得る。
本実施形態では、黒トナーおよびカラートナーのいずれにおいても、外添剤として平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子(大径外添剤)を含む。
大径外添剤(無機粒子)無機粒子としては、例えば、SiO2(シリカ)、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。
これらの中でも、クリーニング性の観点及びスペーサー効果の観点から、シリカ粒子(以下「大径シリカ粒子」とも称す)が好ましい。
具体的には、大径シリカ粒子としては、例えば、ゾルゲルシリカ粒子、水性コロイダルシリカ粒子、アルコール性シリカ粒子、気相法により得られるフュームドシリカ粒子、溶融シリカ粒子が挙げられる。なお、中でもゾルゲルシリカ粒子が好ましい。
ここで、単分散の定義としては、凝集体を含め平均粒径に対する標準偏差で議論することができ、標準偏差として体積平均粒径D50×0.22以下であることが好ましい。また、球状の定義としては、後述する平均円形度で議論することができる。
大径外添剤の平均粒径(一次粒径)は、50nm以上300nm以下であり、より好ましくは70nm以上280nm以下であり、さらに好ましくは90nm以上240nm以下である。
無機粒子の一次粒子を、走査型電子顕微鏡SEM(Scanning Electron Microscope)装置((株)日立製作所製:S−4100)により観察して画像を撮影し、この画像を画像解析装置(LUZEXIII、(株)ニレコ製)に取り込み、一次粒子の画像解析によって粒子ごとの面積を測定し、この面積値から円相当径を算出する。この円相当径の算出を、無機粒子100個について実施する。そして、得られた円相当径の体積基準の累積頻度における50%径(D50)を無機粒子の平均一次粒径(平均円相当径D50)とする。なお、電子顕微鏡は1視野中に無機粒子が10個以上50個以下程度写るように倍率が調整され、複数視野の観察を合わせて一次粒子の円相当径が求められる。
大径外添剤は、平均円形度が0.75以上1.0以下が好ましく、0.9以上1.0以下がより好ましく、0.92以上0.98以下がさらに好ましい。
まず、無機粒子の円形度は、無機粒子の一次粒子を、SEM装置により観察し、得られた一次粒子の平面画像解析から、下記式により算出される「100/SF2」として得られる。
・式:円形度(100/SF2)=4π×(A/I2)
〔式中、Iは画像上における一次粒子の周囲長を、Aは一次粒子の投影面積を表す。〕
そして、無機粒子の平均円形度は、上記平面画像解析によって得られた一次粒子100個の円形度の累積頻度における50%円形度として得られる。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
大径外添剤のトナー粒子に対する含有量は、黒トナーおよびカラートナーのいずれにおいても、0.5質量%以上5.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以上4.0質量%以下がより好ましく、1.5質量%以上3.0質量%以下が更に好ましい。
大径外添剤の含有量を0.5質量%以上とすることで、黒色の優れた細線再現性が得られ易くなる。
一方、大径外添剤の含有量を5.0質量%以下とすることで、中間転写体とこの中間転写体のクリーニング部材とを備える態様において、クリーニング部での磨耗を抑制し易くなる。
本実施形態では、黒トナーおよびカラートナーのいずれにおいても、前記大径外添剤以外の他の外添剤(例えば平均粒径50nm未満の無機粒子(小径外添剤))を含んでもよい。
次に、本実施形態におけるトナー(黒トナー及びカラートナー)の製造方法について説明する。
本実施形態におけるトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
具体的には、各分散液を準備する工程(分散液準備工程)と、
結着樹脂となる第1樹脂粒子が分散された第1樹脂粒子分散液、及び着色剤の粒子(以下「着色剤粒子」とも称する)が分散された着色剤粒子分散液を混合し、得られた分散液中で、各粒子を凝集させ、第1凝集粒子を形成する工程(第1凝集粒子形成工程)と、
第1凝集粒子が分散された第1凝集粒子分散液を得た後、結着樹脂となる第2樹脂粒子及び離型剤の粒子(以下「離型剤粒子」とも称する)が分散された混合分散液を、混合分散液中の離型剤粒子の濃度を次第に高めながら、第1凝集粒子分散液に順次添加して、第1凝集粒子の表面に更に第2樹脂粒子及び離型剤粒子を凝集して、第2凝集粒子を形成する工程(第2凝集粒子形成工程)と、
第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、
を経て、トナー粒子を製造することが好ましい。
まず、凝集合一法で使用する各分散液と準備する。具体的には、結着樹脂となる第1樹脂粒子が分散された第1樹脂粒子分散液、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、結着樹脂となる第2樹脂粒子が分散された第2樹脂粒子分散液、及び離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
なお、各分散液準備工程において、第1樹脂粒子と第2樹脂粒子とを「樹脂粒子」と称して説明する。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
次に、第1樹脂粒子分散液と、着色剤粒子分散液と、を混合する。
そして、この混合分散液中で、第1樹脂粒子と着色剤粒子とをヘテロ凝集させて、第1樹脂粒子と着色剤粒子とを含む第1凝集粒子を形成する。
第1凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、第1樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
次に、第1凝集粒子が分散された第1凝集粒子分散液を得た後、第2樹脂粒子及び離型剤粒子が分散された混合分散液を、混合分散液中の離型剤粒子の濃度を次第に高めながら、第1凝集粒子分散液に順次添加する。
なお、第2樹脂粒子は第1樹脂粒子と同種であってもよいし、異種であってもよい。
そして、分散液のpHを、例えば6.5以上8.5以下程度の範囲にすることにより、凝集の進行を停止させる。
第1収容槽321には、第1撹拌装置351が配置されている。第1撹拌装置351の駆動により、第2収容槽322に収容された分散液を第1収容槽321に収容された分散液へ送液したとき、第1収容槽321において各分散液が撹拌及び混合される。
第2収容槽322には、第2撹拌装置352が配置されている。第2撹拌装置352の駆動により、第3収容槽323に収容された分散液を第2収容槽322に収容された分散液へ送液したとき、第2収容槽322において各分散液が撹拌及び混合される。
一方、第3収容槽323に収容された離型剤粒子分散液を第2収容槽322に収容された第2樹脂粒子分散液へ送液する。そして、第2撹拌装置352の駆動により、第2収容槽322において各分散液が撹拌及び混合される。
そして、パワーフィード添加法において、第2収容槽322及び第3収容槽323に収容された各分散液の送液開始時期及び送液速度を調整することにより、トナー粒子における離型剤の偏在度合が調整される。また、パワーフィード添加法において、第2収容槽322及び第3収容槽323に収容された各分散液の送液中に、送液速度を調整することによっても、トナー粒子における離型剤の偏在度合が調整される。
次に、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して、例えば、第1及び第2樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば第1及び第2樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、第2凝集粒子を融合・合一する。
上記のようにしてトナー粒子を製造することで、表面での離型剤の露出率を高めることができる。よって、本実施形態では、カラートナーに用いる有色トナー粒子をこのようにして製造することが好ましい。また、第2凝集粒子を得た後に樹脂粒子のガラス転移温度以上に加熱するときの保持時間を長くするほど、離型剤は表面に露出し易くなる。
このように、第2凝集粒子の表面にさらに結着樹脂からなる(または離型剤を含むとしてもその離型剤の含有量が少ない)シェル層を形成することで、表面での離型剤の露出率を低減することができる。よって、本実施形態では、黒トナーに用いる黒色トナー粒子をこのようにして製造することが好ましい。また、第3凝集粒子を得た後に樹脂粒子のガラス転移温度以上に加熱するときの保持時間を短くするほど、離型剤は表面に露出し難くなる。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、気流乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
本実施形態に係る静電荷像現像剤セットは、本実施形態に係るトナーセットを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤セットは、本実施形態に係るトナーセットにおけるトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
なお、磁性粉分散型キャリアおよび樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等、その他添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーセットのうち前記静電荷像現像用黒色トナーによる黒色画像を形成する第1画像形成手段と、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーセットのうち前記静電荷像現像用有色トナーによる有色画像を形成する第2画像形成手段と、前記黒色画像及び前記有色画像を記録媒体上に転写する転写手段と、前記黒色画像及び前記有色画像を前記記録媒体上に定着する定着手段と、を備える。
本実施形態に係る画像形成装置は、第1又は第2画像形成手段として、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤により像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、を各々有する各画像形成手段を備える形態であってもよい。
また、本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、第1又は第2画像形成手段として、静電荷像現像剤により像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する第1及び第2現像手段と、を有する形態であってもよい。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
本実施形態では、記録媒体上に転写される前の黒色画像中の黒トナーにおける、下記式(1b)で表される遊離率[black](%)と、記録媒体上に転写される前の有色画像中のカラートナーにおける、下記式(1c)で表される遊離率[color](%)と、の関係が下記式(2)を満たすことが好ましい。
式(1c) 遊離率[color]=Xc[sep]/(Xc[sep]+Xc[sti])×100
(式(1b)において、Xb[sep]は黒色トナー粒子の表面から遊離している平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子の量を、Xb[sti]は黒色トナー粒子の表面に付着している平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子の量を表す。
式(1c)において、Xc[sep]は有色トナー粒子の表面から遊離している平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子の量を、Xc[sti]は有色トナー粒子の表面に付着している平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子の量を表す。)
式(2) 8≧遊離率[black]/遊離率[color]≧2
式(2−1) 7≧遊離率[black]/遊離率[color]≧3
式(2−2) 6≧遊離率[black]/遊離率[color]≧4
ここで、記録媒体上に転写される前の黒色画像中の黒トナーにおける遊離率[black](%)と、記録媒体上に転写される前の有色画像中のカラートナーにおける遊離率[color]の測定方法について説明する。
まず、記録媒体上に転写される前(具体的には像保持体表面に形成された)黒色画像及び有色画像から、黒トナー及びカラートナーをそれぞれ採取する。次いで、200mlのガラス瓶に、イオン交換水100ml及び10質量%トリトンX100水溶液(Acros Organics製)5.5mlを添加し、その混合液にトナー(黒トナー又はカラートナー)を5g添加して、30回攪拌し、1時間以上静置する。
その後、上記混合液を20回攪拌後、超音波ホモジナイザー(SONICS&MATERIALS有限会社製、製品名homogenizer、形式VCX750、CV33)を用いて、出力30%にダイヤルを設定し、以下の条件で超音波エネルギーを1分間付与する。
・振動時間:60秒連続
・振幅:20W(30%)に設定
・振動開始温度:23±1.5℃
・超音波振動子と容器底面との距離:10mm
上記の処理により大径外添剤除去後のトナーに残留する大径外添剤量(以下、分散後大径外添剤量と称する)と、上記の大径外添剤を除去する処理を行っていないトナーの大径外添剤量と(以下、分散前大径外添剤量と称する)、を蛍光X線法で定量し、分散前大径外添剤量及び分散後大径外添剤量の値を下記式に代入する。
下記式により算出された値を大径外添剤の遊離率とする。
・式:大径外添剤の遊離率(%)=〔(分散前大径外添剤量−分散後大径外添剤量)/分散前大径外添剤量〕×100
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーの供給がなされる。
なお、一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として可視像(現像像)化される。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー画像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑が好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤セットのうち前記黒色静電荷像現像剤を収容した第1現像手段と、本実施形態に係る静電荷像現像剤セットのうち前記有色静電荷像現像剤を収容した第2現像手段と、を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
図2に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、図2中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
本実施形態に係るトナーカートリッジセットは、本実施形態に係るトナーセットに含まれる黒トナーを収容し、画像形成装置に着脱される黒色トナーカートリッジと、本実施形態に係るトナーセットに含まれるカラートナーを収容し、画像形成装置に着脱される有色トナーカートリッジと、を含むトナーカートリッジセットである。トナーカートリッジセットは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
〔樹脂粒子分散液(1)の調製〕
・テレフタル酸:30モル部
・フマル酸:70モル部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物:5モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:95モル部
攪拌装置、窒素導入管、温度センサ、及び精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに、上記の材料を仕込み、1時間を要して温度を210℃まで上げ、上記材料100部に対してチタンテトラエトキシド1部を投入した。生成する水を留去しながら0.5時間を要して230℃まで温度を上げ、該温度で1時間脱水縮合反応を継続した後、反応物を冷却した。こうして、重量平均分子量18,500、酸価14mgKOH/g、ガラス転移温度59℃のポリエステル樹脂(1)を合成した。
次いで、容器内を乾燥窒素で置換し、温度を40℃に保持して、混合液を攪拌しながらイオン交換水400部を2部/分の速度で滴下し、乳化を行った。滴下終了後、乳化液を室温(20℃乃至25℃)に戻し、攪拌しつつ乾燥窒素により48時間バブリングを行うことにより、酢酸エチル及び2−ブタノールを1,000ppm以下まで低減させ、体積平均粒径200nmの樹脂粒子が分散した樹脂粒子分散液を得た。該樹脂粒子分散液にイオン交換水を加え、固形分量を20質量%に調整して、樹脂粒子分散液(1)とした。
〔イエロー着色剤分散液(Y1)の調製〕
・イエロー顔料 C.I.PY74(クラリアント社製、HansaYellow5GX01):70部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製ネオゲンRK):1部
・イオン交換水:200部
上記の材料を混合し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した。分散液中の固形分量が20質量%となるようにイオン交換水を加え、体積平均粒径190nmの着色剤粒子が分散された着色剤分散液(Y1)を得た。
・黒色顔料 カーボンブラック(Orion engineered carbon社製、NIPEX):70部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製ネオゲンRK):1部
・イオン交換水:200部
上記の材料を混合し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した。分散液中の固形分量が20質量%となるようにイオン交換水を加え、体積平均粒径190nmの着色剤粒子が分散された着色剤分散液(K1)を得た。
〔離型剤粒子分散液(1)の調製〕
・パラフィンワックス(日本精蝋(株)製、HNP−9):100部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK):1部
・イオン交換水:350部
上記材料を混合して100℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径200nmの離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液(1)(固形分量20質量%)を得た。
〔シリカ粒子1の作製〕
SiCl4、水素ガス、酸素ガスを燃焼バーナーの混合室内で混合後に、1000℃以上3000℃以下の温度で燃焼させる。燃焼後のガスからシリカ粉末を取りだすことでシリカ粒子を得た。この時、水素ガスと酸素ガスのモル比を1.7:1にすることで体積平均粒径136nmのシリカ粒子(R1)を得た。
得られたシリカ粒子(R1)100部とエタノール500部とをエバポレーターに入れ、温度を40℃に維持したまま15分間攪拌した。次に、このシリカ粒子(R1)100部に対して20部のヘキサメチルジシラザン(HMDS)を入れ15分間攪拌した。最後に温度を90℃に上げエタノールを減圧乾燥させた、その後、処理物を取り出して更に120℃で30分間真空乾燥を行い、ヘキサメチルジシラザンで処理された体積平均粒径60nmのシリカ粒子1を得た。
水素ガスと酸素ガスのモル比を1.1:1にすること以外は、シリカ粒子1と同様の条件及び方法で、体積平均粒径150nmのシリカ粒子2を得た。
水素ガスと酸素ガスのモル比を1.00:1にすること以外は、シリカ粒子1と同様の条件及び方法で、体積平均粒径280nmのシリカ粒子3を得た。
水素ガスと酸素ガスのモル比を2.0:1にすること以外は、シリカ粒子1と同様の条件及び方法で、体積平均粒径40nmのシリカ粒子4を得た。
水素ガスと酸素ガスのモル比を0.8:1にすること以外は、シリカ粒子1と同様の条件及び方法で、体積平均粒径330nmのシリカ粒子5を得た。
〔イエロートナー粒子(Y1)の調製〕
丸型ステンレス製フラスコと容器AとをチューブポンプAで接続し、チューブポンプAの駆動により容器Aに収容した収容液をフラスコへ送液し、かつ容器Aと容器BとをチューブポンプBで接続し、チューブポンプBの駆動により容器Bに収容した収容液を容器Aへ送液する装置(図3参照)を準備した。そして、この装置を用いて、以下の操作を実施した。
・イエロー着色剤分散液(Y1):40部
・アニオン性界面活性剤(TaycaPower):2部
上記材料を丸型ステンレス製フラスコに入れ、0.1Nの硝酸を添加してpHを3.5に調整した後、ポリ塩化アルミニウム濃度が10質量%の硝酸水溶液30部を添加した。続いて、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で1℃/30分のペースで温度を上げながら、凝集粒子の粒径を成長させた。
一方、ポリエステル製ボトルの容器Aに樹脂粒子分散液(1)150部を入れ、同じく容器Bに離型剤粒子分散液(1)を25部入れた。次に、チューブポンプAの送液速度を0.70部/1分、チューブポンプBの送液速度を0.14部/1分に設定し、凝集粒子形成中の丸型ステンレス製フラスコ内の温度が37.0℃に到達した時点からチューブポンプA及びチューブポンプBを駆動させ、各分散液の送液を開始した。これにより、離型剤粒子の濃度を次第に高めながら、樹脂粒子及び離型剤粒子が分散された混合分散液を容器Aから凝集粒子形成中の丸型ステンレス製フラスコへ送液した。
そして、フラスコへの各分散液の送液が完了し、フラスコ内の温度が48℃になった時点から30分保持し、第2凝集粒子を形成させた。
この第2凝集粒子が分散された分散液に対し、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8.5に調整した後、攪拌を継続しながら85℃まで加熱し、5時間保持し、その後20℃/分の速度で20℃まで冷却し、濾過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、イエロートナー粒子(Y1)を得た。
・樹脂粒子分散液(1):500部
・黒色着色剤分散液(K1):40部
・アニオン性界面活性剤(TaycaPower):2部
イエロートナー粒子(Y1)の調製に用いた装置と同じ装置を準備した。上記材料を丸型ステンレス製フラスコに入れ、0.1Nの硝酸を添加してpHを3.5に調整した後、ポリ塩化アルミニウム濃度が10質量%の硝酸水溶液30部を添加した。続いて、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で1℃/30分のペースで温度を上げながら、凝集粒子の粒径を成長させた。
一方、ポリエステル製ボトルの容器Aに樹脂粒子分散液(1)150部を入れ、同じく容器Bに離型剤粒子分散液(1)を25部入れた。次に、チューブポンプAの送液速度を0.70部/1分、チューブポンプBの送液速度を0.14部/1分に設定し、凝集粒子形成中の丸型ステンレス製フラスコ内の温度が37.0℃に到達した時点からチューブポンプA及びチューブポンプBを駆動させ、各分散液の送液を開始した。これにより、離型剤粒子の濃度を次第に高めながら、樹脂粒子及び離型剤粒子が分散された混合分散液を容器Aから凝集粒子形成中の丸型ステンレス製フラスコへ送液した。
そして、フラスコへの各分散液の送液が完了し、フラスコ内の温度が48℃になった時点から30分保持し、第2凝集粒子を形成させた。
イエロートナー粒子(Y1)又は黒色トナー粒子(K1)100部と、大径外添剤としてのシリカ粒子1(体積平均粒径60nm)3.0部と、をヘンシェルミキサー(周速30m/秒、3分)を用いて混合し、イエロートナー(Y1)及び黒色トナー(K1)を得た。
・フェライト粒子(平均粒径50μm):100部
・トルエン:14部
・スチレン/メチルメタクリレート共重合体(共重合比15/85):3部
・カーボンブラック:0.2部
フェライト粒子を除く上記成分をサンドミルにて分散して分散液を調製し、この分散液をフェライト粒子とともに真空脱気型ニーダに入れ、攪拌しながら減圧し乾燥させることによりキャリアを得た。
そして、上記キャリア100部に対して、イエロートナー(Y1)又は黒色トナー(K1)8部を混合し、イエロー現像剤(Y1)及び黒色現像剤(K1)を得た。
イエロートナー粒子(Y1)の調製において、第2凝集粒子を形成しこの分散液に水酸化ナトリウム水溶液を添加して85℃まで加熱した後の保持時間を12時間に変更した以外は、同様にしてイエロートナー粒子(Y2)を調製した。
イエロートナー粒子(Y1)の調製において、第2凝集粒子を形成しこの分散液に水酸化ナトリウム水溶液を添加して85℃まで加熱した後の保持時間を8時間に変更した以外は、同様にしてイエロートナー粒子(Y3)を調製した。
イエロートナー粒子(Y1)の調製において、第2凝集粒子を形成しこの分散液に水酸化ナトリウム水溶液を添加して85℃まで加熱した後の保持時間を3時間に変更した以外は、同様にしてイエロートナー粒子(Y4)を調製した。
イエロートナー粒子(Y1)の調製において、第2凝集粒子を形成しこの分散液に水酸化ナトリウム水溶液を添加して85℃まで加熱した後の保持時間を7時間に変更した以外は、同様にしてイエロートナー粒子(Y5)を調製した。
イエロートナー粒子(Y1)の調製において、第2凝集粒子を形成しこの分散液に水酸化ナトリウム水溶液を添加して85℃まで加熱した後の保持時間を6時間に変更した以外は、同様にしてイエロートナー粒子(Y6)を調製した。
黒色トナー粒子(K1)の調製において、第3凝集粒子を形成しこのに水酸化ナトリウム水溶液を添加して85℃まで加熱した後の保持時間を9時間に変更した以外は、同様にして黒色トナー粒子(K2)を調製した。
黒色トナー粒子(K1)の調製において、第3凝集粒子を形成しこのに水酸化ナトリウム水溶液を添加して85℃まで加熱した後の保持時間を7時間に変更した以外は、同様にして黒色トナー粒子(K3)を調製した。
黒色トナー粒子、イエロートナー粒子、及びシリカ粒子として下記表1に記載のものを組合わせて、黒色現像剤及びイエロー現像剤を調製した。
各例で得られた黒色トナー粒子及びイエロートナー粒子の「トナー体積平均粒径」、「表面離型剤露出率」、「離型剤ドメインの平均粒径」を前述の方法により測定した。
また、下記色くすみの評価試験の際に途中で画像形成を停止し、像保持体(感光体)上に載った黒色画像中の黒色トナー、及びイエロー画像中のイエロートナーを採取し、それぞれの「シリカ遊離率」を前述の方法により測定した。
−細線再現性−
細線再現性の評価は、次のようにして行った。
富士ゼロックス社製「700Digital Color Press」を準備し、その現像器に各実施例及び比較例で得られた黒色現像剤及びイエロー現像剤を充填した。5℃20%RH環境下で12時間放置した後、同環境下でA4用紙に1%印字チャートを100,000枚印字した。初期(10枚目)、1,000枚目、10,000枚、50,000枚及び100,000枚印字後、並びに、100,000枚印字後72時間放置した後のそれぞれについて、2,400dpiの解像度での1on1off画像(1ドットラインが1ドット間隔で並行に配置された画像)を、現像方向に対し垂直方向の5cm×5cmチャートとして、A4用紙の左上、中央、及び右下に出力した。出力されたサンプルに印字された各チャートの線間隔について、×100倍の目盛付きルーペを用いて、トナーの飛び散り等によって狭くなっている箇所、或いは、細線が細くなることにより広くなっている箇所が無いか観察した。その観察結果と観察された箇所の線間隔から、下記の基準でグレード評価を行った。
−評価基準−
G1:全てのチャートにおいて、飛び散りによる線間隔の減少、または細線細りによる線間隔の増加がない場合。
G2:線間隔の減少または増加が見られるが、細線が確認できるチャートが少なくとも1つある場合。
G3:細線の間隔が判別できないか、または、細線に欠落が見られるチャートが少なくとも1つある場合。 G4:細線の間隔が判別できないか、または、細線に欠落が見られるチャートが2つ以上ある場合。
色くすみの評価は、次のようにして行った。
中間転写方式の画像形成装置として、富士ゼロックス社製「700Digital Color Press」を準備し、その現像器に各実施例及び比較例で得られた黒色現像剤及びイエロー現像剤を充填した。なお、上記画像形成装置は、中間転写ベルトのクリーニング装置としてドクター方式で配置されたクリーニングブレードを備える。
この画像形成装置を用い、高画像密度(トナー載り量1.0g/m2)のイエロー画像と高画像密度(トナー載り量1.0g/m2)の黒色画像とが交互に繰り返される、立ち入り禁止を示す画像を、1枚出力し「サンプル1」とした。次いで、同じ画像を100,000枚出力し、最後の画像を「サンプル2」とした。
ΔE=〔(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2〕1/2
ΔL*=(サンプル2のL*)−(サンプル1のL*)
Δa*=(サンプル2のa*)−(サンプル1のa*)
Δb*=(サンプル2のb*)−(サンプル1のb*)
−評価基準−
G1:ΔE≦2.0
G2:2.0<ΔE≦4.0
G3:4.0<ΔE≦6.0
G4:6.0<ΔE≦10
G5:10<ΔE
・シリカ粒子1(体積平均粒径60nm)
・シリカ粒子2(体積平均粒径150nm)
・シリカ粒子3(体積平均粒径280nm)
・シリカ粒子4(体積平均粒径40nm)
・シリカ粒子5(体積平均粒径330nm)
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
30 中間転写体クリーニング装置
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
118 露光のための開口部
117 筐体
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)
311 第1凝集粒子分散液
312 第2樹脂粒子分散液
313 離型剤粒子分散液
321 第1収容槽
322 第2収容槽
323 第3収容槽
331 第1送液管
332 第2送液管
341 第1送液ポンプ
342 第2送液ポンプ
351 第1撹拌装置
352 第2撹拌装置
P 記録紙(記録媒体の一例)
Claims (12)
- 黒色着色剤、結着樹脂及び離型剤を含む黒色トナー粒子と、平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子と、を含有する静電荷像現像用黒色トナー、
並びに、有色着色剤、結着樹脂及び離型剤を含む有色トナー粒子と、平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子と、を含有する静電荷像現像用有色トナーを含み、
前記有色トナー粒子の表面における前記離型剤の露出率が、前記黒色トナー粒子の表面における前記離型剤の露出率より大きい静電荷像現像用トナーセット。 - 前記有色トナー粒子の表面における前記離型剤の露出率が0.12%以上10.0%以下であり、前記黒色トナー粒子の表面における前記離型剤の露出率が0.1%以上3.2%以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナーセット。
- 前記有色トナー粒子及び前記黒色トナー粒子が表面に前記離型剤のドメインを有し、前記ドメインの平均粒径が0.1μm以上2.0μm以下である請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーセット。
- 前記静電荷像現像用有色トナー及び前記静電荷像現像用黒色トナーが含有する前記無機粒子が、シリカ粒子である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセット。
- 前記静電荷像現像用有色トナー及び前記静電荷像現像用黒色トナーの体積平均粒径が2.0μm以上10.0μm以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセット。
- 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットに含まれる前記静電荷像現像用黒色トナーを含有する黒色静電荷像現像剤と、
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットに含まれる前記静電荷像現像用有色トナーを含有する有色静電荷像現像剤と、
を含む静電荷像現像剤セット。 - 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットに含まれる前記静電荷像現像用黒色トナーを収容し、画像形成装置に着脱される黒色トナーカートリッジと、
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットに含まれる前記静電荷像現像用有色トナーを収容し、画像形成装置に着脱される有色トナーカートリッジと、
を含むトナーカートリッジセット。 - 請求項6に記載の静電荷像現像剤セットのうち前記黒色静電荷像現像剤を収容した第1現像手段と、
請求項6に記載の静電荷像現像剤セットのうち前記有色静電荷像現像剤を収容した第2現像手段と、
を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。 - 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記静電荷像現像用黒色トナーによる黒色画像を形成する第1画像形成手段と、
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記静電荷像現像用有色トナーによる有色画像を形成する第2画像形成手段と、
前記黒色画像及び前記有色画像を記録媒体上に転写する転写手段と、
前記黒色画像及び前記有色画像を前記記録媒体上に定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。 - 前記転写手段により前記記録媒体上に転写される前の前記黒色画像中の前記静電荷像現像用黒色トナーにおける下記式(1b)で表される遊離率[black](%)と、前記転写手段により前記記録媒体上に転写される前の前記有色画像中の前記静電荷像現像用有色トナーにおける下記式(1c)で表される遊離率[color](%)と、の関係が下記式(2)を満たす請求項9に記載の画像形成装置。
式(1b) 遊離率[black]=Xb[sep]/(Xb[sep]+Xb[sti])×100
式(1c) 遊離率[color]=Xc[sep]/(Xc[sep]+Xc[sti])×100
(式(1b)において、Xb[sep]は黒色トナー粒子の表面から遊離している前記平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子の量を、Xb[sti]は黒色トナー粒子の表面に付着している前記平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子の量を表す。
式(1c)において、Xc[sep]は有色トナー粒子の表面から遊離している前記平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子の量を、Xc[sti]は有色トナー粒子の表面に付着している前記平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子の量を表す。)
式(2) 8≧遊離率[black]/遊離率[color]≧2 - 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記静電荷像現像用黒色トナーによる黒色画像を形成する第1画像形成工程と、
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記静電荷像現像用有色トナーによる有色画像を形成する第2画像形成工程と、
前記黒色画像及び前記有色画像を記録媒体上に転写する転写工程と、
前記黒色画像及び前記有色画像を前記記録媒体上に定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。 - 前記転写工程で前記記録媒体上に転写される前の前記黒色画像中の前記静電荷像現像用黒色トナーにおける下記式(1b)で表される遊離率[black](%)と、前記転写工程で前記記録媒体上に転写される前の前記有色画像中の前記静電荷像現像用有色トナーにおける下記式(1c)で表される遊離率[color](%)と、の関係が下記式(2)を満たす請求項11に記載の画像形成方法。
式(1b) 遊離率[black]=Xb[sep]/(Xb[sep]+Xb[sti])×100
式(1c) 遊離率[color]=Xc[sep]/(Xc[sep]+Xc[sti])×100
(式(1b)において、Xb[sep]は黒色トナー粒子の表面から遊離している前記平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子の量を、Xb[sti]は黒色トナー粒子の表面に付着している前記平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子の量を表す。
式(1c)において、Xc[sep]は有色トナー粒子の表面から遊離している前記平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子の量を、Xc[sti]は有色トナー粒子の表面に付着している前記平均粒径50nm以上300nm以下の無機粒子の量を表す。)
式(2) 8≧遊離率[black]/遊離率[color]≧2
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