JP2018053519A - 建築板とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】出隅用パネルを製造するために建築板が切断される際に横幅が極端に狭いブロック柄が発生し難く、意匠性に優れた建築板とその製造方法を提供すること。【解決手段】複数の第一凹部10aを有する第一領域Aと、第一領域Aと隣接し、複数の第二凹部10bを有する第二領域Bと、を備えた基材10を具備し、第一領域Aの複数の第一凹部10aの平均深さは、第二領域Bの複数の第二凹部10bの平均深さよりも深く、少なくとも第一領域Aの基材10の表面には第一塗膜20が形成されており、基材10の表面は、第一領域Aよりも第二領域Bで多く露出している建築板100である。【選択図】図1

Description

本発明は、建築板とその製造方法に関するものである。
従来から、窯業系サイディングボードや金属系サイディングボードなどが建築物の外壁や内壁を構成する建築板として用いられている。建築板は通常、長方形状の長板であり、複数の建築板を貼り合わせて建築物の外壁や内壁が構成される。
その際に、建築物の隅部には出隅(出隅用パネル)と呼ばれる断面L字形状の部材を貼ることが一般におこなわれている。この出隅用パネルは、壁面の外観に統一感をもたせるべく、特許文献1に記載されるように、建築板を縦方向に切断して製造されることが多い。
ところで、建築板の表面には意匠性を高める目的で様々な凹凸形状が設けられることが多く、例えば特許文献2には、表面に縦・横の目地(溝)で区切られる複数のブロック柄(凸ブロック)を有する建築板が開示されている。
特開2000−234431号公報 特開2005−177578号公報
例えば特許文献2で開示されるような建築板を縦方向に切断して出隅用パネルを製造する場合、切断位置によってはブロック柄の横幅が極端に狭くなる部位が生じ得る。このように横幅が極端に狭いブロック柄は、横幅が狭い状態で隆起していることから、製造や運搬、保管の際に隆起している部分が欠け易く、損傷する可能性があるといった課題を有している。
以上のことより、表面に縦・横の目地(溝)で区切られる複数のブロック柄を有する建築板を縦方向に切断して出隅用パネルを製造するに当たっては、横幅が極端に狭いブロック柄ができないように切断位置を考慮し、決定している。そのため、建築板の切断に手間がかかるとともに、往々にして余分な端材が発生するといった課題がある。
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、出隅用パネルを製造するために建築板が切断される際に横幅が極端に狭いブロック柄が発生し難く、意匠性に優れた建築板とその製造方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明の第一の態様による建材板は、複数の第一凹部を有する第一領域と、前記第一領域と隣接し、複数の第二凹部を有する第二領域と、を備えた基材を具備し、前記第一領域の複数の前記第一凹部の平均深さは、前記第二領域の複数の前記第二凹部の平均深さよりも深く、少なくとも前記第一領域の基材の表面の一部には第一塗膜が形成されており、前記基材の表面は、前記第一領域よりも前記第二領域で多く露出しているものである。
ここで、「複数の第一凹部の平均深さ」、「複数の第二凹部の平均深さ」とは、第一領域と第二領域のそれぞれにおいて、各領域内の各凹部の深さから第一凹部の平均値と第二凹部の平均値を算定し、各凹部の平均深さとしたものである。第一凹部と第二凹部の平均深さは設計データから算出することができる。設計データが無い場合には、例えば各領域内の凹部の深さをマイクロスコープ、デプスゲージ等で測定し、算出することができる。
また、「少なくとも第一領域の表面の一部には第一塗膜が形成されており」とは、第一領域の表面の一部にのみ第一塗膜が形成される形態の他、第二領域の表面の一部にも第一塗膜が形成される形態を含む意味である。
また、「基材の表面は、第一領域よりも第二領域で多く露出している」とは、第一領域の表面と第二領域の表面は、ともに基材の表面が露出している部分を含み、第二領域における基材の表面が露出した部分の面積は、第一領域における基材の表面が露出した部分の面積よりも広いことを意味する。
本発明の第一の態様による建築板は、第一領域と第二領域の凹部の平均深さの違いにより、第一塗膜による各領域の被覆状態と基材の表面の露出状態が異なるので、第一領域と第二領域の外観が異なる。外観が異なる第一領域と第二領域が隣接しているので、第一領域と第二領域の境界が表現される。この境界により、この建築板は、縦目地を用いなくても複数種の柄模様を表現することができ、意匠性に優れた建築板となる。
さらに、この建築板は縦目地を用いずに柄模様を表現することができるので、縦方向であればどの部位で切断しても、縦目地による極端に横幅の狭い隆起部が形成されることがない。そのため、建築板の切断に際して余分な端材が発生するといった課題も解消され、建築板を用いた出隅用パネルの効率的な製造を実現できる。また、製造された出隅用パネルもその製造や運搬、保管の際に欠け難く、損傷し難いものとなる。
また、本発明の第二の態様による建築板は、前記基材の表面は第二塗膜によって形成されているものである。
本発明の第二の態様によれば、例えば第二塗膜の色を第一塗膜と異ならせると、第二領域の表面には第二塗膜が露出しているので、第一領域と第二領域の外観が大きく異なる。そして、第一領域と第二領域は隣接しているものの外観が大きく異なるので、第一領域と第二領域の境界は一層明確となり、目地を用いなくても複数種の柄模様を有する、意匠性に優れた建築板となる。
また、本発明の第三の態様による建築板は、前記第一塗膜の色と前記基材の表面の色が異なっているものである。
第一塗膜と基材の表面の色が異なる実施の形態には大きく以下で示す二種類の形態がある。
一つ目の形態は、基材の表面に、第一塗膜と色が異なる第二塗膜が形成されているものである。
一方、二つ目の形態は、基材の表面には塗膜が形成されておらず、基材自体が第一塗膜とは異なる色で着色しているものである。
本発明の第三の態様によれば、第一領域の表面の一部に第一塗膜が形成されており、第二領域の表面には第一塗膜と色の異なる基材の表面が露出しているので、第一領域と第二領域の外観が更に大きく異なる。そして、第一領域と第二領域の境界は更に明確となり、縦目地を用いなくても複数種の柄模様を有する、意匠性に優れた建築板となる。
また、本発明の第四の態様による建築板は、前記第一領域と前記第二領域がともに平面視において矩形を呈しているものである。
ここで、「平面視において矩形」とは、平面視が長方形の他にも正方形も含む意味であり、いわゆるブロック調の外観を表現することができる。
本発明の第四の態様によれば、凹部の平均深さと基材の露出状態が異なり、場合によってはさらに第一塗膜と基材表面の色も異なっているブロック調の複数の第一領域と第二領域が並んで構成されることから、目地を用いていないにもかかわらず、ブロック調を表現できる。さらに、この建築板は目地を用いずに柄模様を表現しているので、出隅用パネルの効率的な製造を実現できる。また、製造された出隅用パネルもその製造や運搬、保管の際に欠け難く、損傷し難いものとなる。
また、本発明の第五の態様による建築板は、前記第一凹部と前記第二凹部が同一方向に延びているものである。
例えば、横長(水平方向に長い)の建築板において、この水平方向に第一領域の第一凹部と第二領域の第二凹部が延びている形態が挙げられる。
なお、「同一方向に延びている」とは、建築板を大局的に見た際に一定の同じ方向に延びていることを意味しており、建築板に近づいて微視的に見た際に第一凹部、第二凹部ともに多少蛇行しているようなものも、この同一方向に延びている概念に包含される。
本発明の第五の態様によれば、第一領域の複数の第一凹部と第二領域の複数の第二凹部が同一方向に延びていることにより、見た目の統一感が図られ、意匠性に優れた建築板となる。
また、第一領域の複数の第一凹部と第二領域の複数の第二凹部が同一方向に延びていることにより、例えば塗料を掻き取る塗装(ワイピング塗装、掻き取り塗装)における掻き取り工程において、掻き取り装置の掻き取り部を第一凹部と第二凹部内に入り込ませて、円滑に塗料を掻き取ることができる。
また、本発明の第六の態様による建築板は、前記第一領域と前記第二領域に接する横溝を備えているものである。
本発明の第六の態様によれば、横方向に並ぶ第一領域および第二領域から構成される各段に横溝が接し、横溝によって上下の段を区画するものである。横目地は横溝によって表現されており、縦目地は第一領域と第二領域のコントラストによって表現されている。
本発明の第六態様によれば、第一領域と第二領域の境界の一部が横目地に相当する横溝によって明確に表現でき、縦目地は第一領域と第二領域の塗膜の差で表現できるので、意匠性に優れた建築板となる。
本発明の第七の態様による建築板は、横溝の上下で第一領域と第二領域が隣接している形態、言い換えれば、第一領域と第二領域が横溝を挟んで上下に隣接しているものである。
本発明の第七の態様によれば、横目地としての横溝によって第一領域と第二領域の上下の境界が明確となり、縦目地は第一領域と第二領域の塗膜の差で表現されるので、意匠性に優れた建築板となる。また、この建築板は縦目地を用いずに柄模様を表現しているので、出隅用パネルの効率的な製造を実現できる。更に、製造された出隅用パネルもその製造や運搬、保管の際に欠け難く、損傷し難いものとなる。
また、本発明の第八の態様による建築板は、前記第一凹部と前記第二凹部がともに前記横溝の長手方向に沿って延びているものである。
本発明の第八の態様によれば、第一領域の複数の第一凹部と第二領域の複数の第二凹部が横溝の長手方向に延びていることにより、見た目の統一感が図られ、意匠性に優れた建築板となる。また、この建築板は縦目地を用いず、第一領域と第二領域のコントラストによって第一領域と第二領域の境界を表現しているので、出隅用パネルの効率的な製造を実現できる。更に、製造された出隅用パネルもその製造や運搬、保管の際に欠け難く、損傷し難いものとなる。
また、本発明の第九の態様による建築板は、前記建築板は長手方向を有する、平面視において長方形であり、前記横溝が前記建築板の長手方向に沿って延びているものである。
本発明の第九の態様によれば、建築板が平面視において長方形であり、第一、第二領域が例えば平面視矩形を呈し、横溝が長方形の建築板の長手方向に延びていることにより、横溝に接する第一領域と第二領域は建築板の長手方向に配置されることになる。平面視矩形の第一領域と第二領域が建築板の長手方向に配列されていることから、見た目の統一感も図られる。また、長手方向には明確な横溝が延び、縦目地は第一領域と第二領域の塗膜の差によって表現されるので、意匠性に優れた建築板となる。
また、建築板を縦方向(長方形の短辺方向に平行な方向)に切断して出隅用パネルを製作するに当たり、建築板には縦溝(縦目地)が存在せず、長手方向に延びる横溝のみが存在することから、切断位置によって出隅用パネルに極端に横幅の狭い隆起部が形成されることがない。そのため、出隅用パネルの効率的な製造を実現できる。更に、製造された出隅用パネルもその製造や運搬、保管の際に欠け難く、損傷し難いものとなる。
また、本発明の第十の態様による建築板は、前記第一凹部間には第一凸部が形成され、前記第二凹部間には第二凸部が形成され、前記第一領域と前記第二領域はそれぞれ複数の前記第一凸部と複数の前記第二凸部を備えており、前記第一凸部と前記第二凸部の高さが同一のものである。
ここで、「高さが同一」とは、ある基準からの高さが同じという意味であり、例えば建築板の裏面からの距離が同じことが挙げられる。
本発明の第十の態様によれば、第一領域の複数の第一凸部と第二領域の複数の第二凸部の高さが同一であることにより、見た目の統一感が図られ、意匠性に優れた建築板となる。
また、第一領域、第二領域ともに複数の凸部を備えていることで、例えば塗料を掻き取る塗装(ワイピング塗装、掻き取り塗装)における掻き取り工程において、掻き取り装置の掻き取り部を高さが同一の凸部を基準として凹部内に入り込ませて円滑に塗料を掻き取ることができる。
また、本発明の第十一の態様は建築板の製造方法であり、この製造方法は、複数の第一凹部を有する第一領域と、前記第一領域と隣接し、複数の第二凹部を有する第二領域と、を備え、前記第一領域の複数の第一凹部の平均深さは、前記第二領域の複数の第二凹部の平均深さよりも深い基材を準備する第一のステップと、前記第一領域と前記第二領域の表面に第一塗膜用塗料を塗布し、該第一塗膜用塗料が硬化する前に前記第一領域と前記第二領域に塗布された前記第一塗膜用塗料を掻き取ることにより、少なくとも前記第一領域の表面の一部に第一塗膜を形成するとともに、前記基材の表面を、前記第一領域よりも前記第二領域で多く露出させる第二のステップと、を備えるものである。
本発明の第十一の態様の製造方法では、第二のステップにてワイピング塗装を採用し、第一領域に塗布された第一塗膜用塗料の一部と第二領域に塗布された第一塗膜用塗料の全部もしくは一部を掻き取り装置の掻き取り部にて掻き取って、第一塗膜が形成される部分と基材が露出する部分を形成するものである。
ここで、「少なくとも第一領域の表面の一部に第一塗膜を形成する」とは、第一領域の表面にのみ第一塗膜が形成されている形態の他、第二領域の表面にも第一塗膜が形成されている形態を含む意味である。
また、「基材の表面を、第一領域よりも第二領域で多く露出させる」とは、基材の表面の露出面積が、第一領域よりも第二領域の方が広いことを意味する。
また、掻き取り部としては、例えば表面にスポンジ等の弾性材が配設された回転ロールやブラシなどをあげることができる。
本発明の第十一の態様によれば、第二のステップの第一塗膜用塗料の掻き取りにおいて、第一領域と第二領域の凹部の平均深さの違いにより、第一塗膜による被覆状態と基材の表面の露出状態が異なる第一領域と第二領域を形成することができる。第一領域と第二領域は、第一塗膜による被覆状態と基材の表面の露出状態が異なることにより、外観が異なる。外観が異なる第一領域と第二領域が隣接しているので、第一領域と第二領域の境界は明確となり、縦目地を用いなくても複数種の柄模様を表現することができる、意匠性に優れた建築板を製造できる。さらに、この建築板は縦目地を用いずに柄模様を表現することができるので、どの部位で切断しても、縦目地による極端に横幅の狭い隆起部が形成されることがない。そのため、建築板の切断に際して余分な端材が発生するといった課題も解消され、建築板を用いた出隅用パネルの効率的な製造を実現できる。また、製造された出隅用パネルもその製造や運搬、保管の際に欠け難く、損傷し難いものとなる。
また、本発明の第十二の態様による建築板の製造方法において、前記基材の表面は、第二塗膜によって形成されているものである。
基材の表面に第二塗膜を形成する方法としては、例えば、第二のステップを行う前に基材全体に第二塗膜用塗料を塗布し、硬化させる方法、第二のステップを行う前に第一領域と第二領域に第二塗膜用塗料を塗布し、硬化させる方法、第二のステップを行う前に第二領域のみに第二塗膜用塗料を塗布し、硬化させる方法等が挙げられる。
本発明の第十二の態様によれば、第一領域の表面の一部には第一塗膜が形成されており、第二領域の表面には第一塗膜と異なる第二塗膜が露出した建築板を製造することができる。この建築板は、例えば第二塗膜の色を第一塗膜と異ならせると、第二領域の表面には第二塗膜が露出しているので、第一領域と第二領域の外観が大きく異なる。そして、第一領域と第二領域は隣接しているものの外観が大きく異なるので、第一領域と第二領域の境界は一層明確となり、目地を用いなくても複数種の柄模様を有する、意匠性に優れた建築板となる。
さらに、この建築板は縦目地を用いずに柄模様を表現できるので、建築板を用いた出隅用パネルの効率的な製造を実現できる。また、製造された出隅用パネルもその製造や運搬、保管の際に欠け難く、損傷し難いものとなる。
また、本発明の第十三の態様による建築板の製造方法は、前記基材は長手方向を有する平面視において長方形であり、前記第一凹部と前記第二凹部が該長手方向に延びており、前記第二のステップにおける塗料の掻き取りは、掻き取り装置の掻き取り部を前記基材の長手方向に対して交差するように配置して該基材に接触させ、該掻き取り部に対して相対的に該基材を移動させることによっておこなうものである。
ここで、「掻き取り部に対して相対的に該基材を移動させる」とは、掻き取り部と基材のいずれか一方を移動させず、他方のみを移動させる形態や、掻き取り部と基材を双方の移動方向や移動速度を変化させながら移動させる形態があり、例えば後者の場合には、双方を同一方向で異なる速度で移動させる形態や双方を逆方向に移動させる形態がある。
本発明の第十三の態様によれば、第二のステップにおける塗料の掻き取りを円滑に行うことができる。それにより、基材の露出部分が明確となるので、第一領域と第二領域の外観をより異ならせることができ、縦目地を用いなくても複数種の柄模様を有する、意匠性に優れた建築板を製造することができる。
また、本発明の第十四の態様による建築板の製造方法は、前記掻き取り部は回転可能で有り、前記基材の移動方向に対して前記掻き取り部を逆方向に回転させて塗料を掻き取るものである。
本発明の第十四の態様によれば、基材の移動方向に対して掻き取り部が逆方向に回転することで、掻き取り部が基材の第一凹部および第二凹部に入り込み易くなり、効率的な塗料の掻き取りを実行でき、第一塗膜の効率的な成膜をおこなうことができる。
本発明の建築板とその製造方法によれば、第一塗膜による被覆状態と基材の露出状態の違いによって外観が異なる第一領域と第二領域を隣接して備えていることにより、目地を用いなくても第一領域と第二領域の境界が表現された、意匠性に優れた建築板となる。この境界によって縦目地を表現できるので、出隅用パネルの製造のためにこの建築板のどの部位で切断しても、従来の建築板のように縦目地による極端に横幅の狭い隆起部が形成されることがない。従って、建築板を用いた出隅用パネルの効率的な製造を実現でき、製造された出隅用パネルもその製造や運搬、保管の際に欠け難く、損傷し難いものとなり、建築板の切断に際して余分な端材が発生するといった問題も生じない。
本発明の建築板の実施の形態1の平面図である。 図1のII−II断面図である。 建築板の実施の形態2の断面図である。 建築板の実施の形態3の平面図である。 建築板の実施の形態4の平面図である。 (a)は建築板の製造方法を説明した模式図であり、(b)は(a)のb−b断面図である。
以下、図面を参照して本発明の建築板の実施の形態1〜4を説明する。
(建築板の実施の形態1)
図1は本発明の建築板の実施の形態1の平面図であり、図2は図1のII−II断面図である。
図示する建築板100は、基材10と、第一塗膜20と、から構成されている。また、基材10の表面は、第二塗膜10cによって形成されている。なお、図示する建築板100は、例えば長手方向Lの長さが約1.8m〜約3m程度、長手方向Lに直交する短手方向の長さが約0.5m程度であり、短手方向に沿って建築板100を複数のパネルに切断することにより、出隅用パネルが製作される。
基材10は、複数の第一凹部10aを有する第一領域Aと、第一領域Aに隣接し、複数の第二凹部10bを有する第二領域Bを備える。第一凹部10aの深さはt1であり、第二凹部10bの深さはt2である。
第一凹部10aの平均深さ、第二凹部10bの平均深さはそれぞれ、各第一凹部10aの深さt1、各第二凹部10bの深さt2から第一凹部10aの平均値と第二凹部10bの平均値を算出し、各凹部の深さとしている。なお、第一凹部10aと第二凹部10bの平均深さは設計データから算出することができるが、設計データが無い場合には、各領域内の任意の凹部十点程度をマイクロスコープ、デプスゲージ等で測定し、算出することができる。
建築板100では、第一領域Aにおける第一凹部10aの平均深さが第二領域Bにおける第二凹部10bの平均深さよりも深くなっている。一例として、第一凹部10aの平均深さを約1.5mm程度、第二凹部10bの平均深さを約0.5mm程度に設定することができる。
基材10の表面Pは第二塗膜10cによって形成されており、第二塗膜10cは基材10の表面全体を覆っている。
そして、第二領域Bにおいて、複数の第二凹部10bの表面には基材10の表面である第二塗膜10cが露出している。
また、第二領域Bは、複数の第二凸部60Bを有する。第二凸部60Bは第二凹部10b間に形成されている。第二凸部60Bの表面には、基材10の表面である第二塗膜10cが露出している。
一方、第一領域Aにおいて、複数の第一凹部10aの表面には第一塗膜20が形成されている。より具体的には、第一塗膜20は、基材10の表面Pである第二塗膜10cの上に形成されている。
また、第一領域Aは、複数の第一凸部50Bを有する。第一凸部50Bは第一凹部10a間に形成されている。第一凸部50Bの表面には、基材10の表面Pである第二塗膜10cが露出している。
図2で示すように、建築板100において、第一領域Aは第一凹部10aと第一凸部50Bからなり、第二領域Bは第二凹部10bと第二凸部60Bからなる。
ここで、第一領域Aの第一凹部10aの表面には第一塗膜20が形成されており、第一領域Aの第一凸部50Bの表面には基材10の表面Pである第二塗膜10cが露出している。そのため、第一領域Aの表面は、第一塗膜20が形成された部分と第二塗膜10cが露出した部分を有する。
一方、第二領域Bの第二凹部10bの表面と第二凸部60Bの表面には基材10の表面Pである第二塗膜10cが露出している。そのため、第二領域Bの表面は、第二塗膜10cが露出した部分を有する。なお、図2では第二領域Bに第一塗膜20を有していないが、第二凹部10bの一部に若干の第一塗膜20が形成されていても良い。
第一領域Aでは、第一凸部50Bで第二塗膜10cが露出しているのに対し、第二領域Bでは、第二凹部10bと第一凸部60Bで第二塗膜10cが露出している。そのため、基材10の表面Pである第二塗膜10cの露出は、第一領域Aよりも第二領域Bで多い。
第一領域Aと第二領域Bは、各凹部の平均深さの違いにより、第一塗膜20の被覆状態と基材10の露出状態が異なるので、外観が異なる。外観が異なる第一領域Aと第二領域Bが隣接しているので、第一領域Aと第二領域Bの境界が表現されることとなる。それにより、建築板100は、縦目地を用いなくても複数種の柄模様が表現できる。
また、図1で示すように、第一領域Aと第二領域Bはともに同寸法で平面視において矩形を呈しており、図示例では、第一領域Aと第二領域Bが上下左右で交互に配置されている。
凹部の平均深さと基材10の露出状態が異なるブロック調の複数の第一領域Aと第二領域Bが上下左右に並んで配置されていることから、縦目地を用いることなく、ブロック調の模様が表現されている。
また、図1で示すように、建築板100は平面視において長方形であり、第一領域Aの第一凹部10aと第二領域Bの第二凹部10bがともに建築板100の長手方向Lと同一方向に延びている。
さらに、第一領域Aの第一凸部50Bの高さ(基材10の裏面からの距離s)と、第二領域Bの第二凸部60Bの高さ(基材10の裏面からの距離s)は同一である。
第一領域Aの複数の第一凸部50Bと第二領域Bの複数の第二凸部60Bの高さが同一であることにより、見た目の統一感が図られる。
ここで、基材10には表面Pが第二塗膜10cによって形成された、例えばセメント板、金属板、樹脂板などが適用できる。
第一塗膜20と第二塗膜10cは樹脂と顔料からなる塗料を使用して成膜される。ここで、樹脂としては、例えばアクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が適用でき、顔料としては、例えば炭酸カルシウム、クレー、酸化チタン、カーボン、弁柄、黄鉛、酸化鉄、ウルトラマリン、フタロシアニンブルー、コバルト、酸化クロム等が適用できる。さらに、必要に応じて、消泡剤、pH調整剤、光安定剤、紫外線吸収剤などを含有させてもよい。
建築板100において、第二領域Bでは基材10の表面Pである第二塗膜10cが露出し、第一領域Aでは第一塗膜20が表面に露出していることから、双方の塗膜の色を変化させておくことで、第一領域Aと第二領域Bの色の変化を一層顕著にすることができる。
このように、建築板100は、平面視において矩形(ブロック調)の第一領域Aと第二領域Bが上下左右に並び、双方の領域A,Bの第一凹部10a、第二凹部10bの平均深さが相互に異なることにより、第一塗膜20による各領域の被覆状態と基材の表面の露出状態が異なるので、第一領域Aと第二領域Bの外観が異なる。外観が異なる第一領域Aと第二領域Bが隣接しているので、第一領域Aと第二領域Bの境界が表現され、縦目地を用いなくてもブロック調の柄模様を表現することができ、意匠性に優れた建築板100となっている。
双方の領域A,Bの色も相違していることから、領域A,Bの境界を、縦目地を用いずに表現できるとともに、異なる色調による意匠効果が奏される。
さらに、領域A,Bにおいて、第一凹部10a、第二凹部10bがともに建築板100の長手方向Lと同一方向に延びていることにより、全体的な統一感が得られ、このことによっても建築板100の意匠性が高められる。
さらに、建築板100は、縦溝(従来の建築板の縦目地)を備えておらず、平面視において矩形の第一領域Aと第二領域Bが上下左右で交互に配置された構成を備えているのみである。したがって、建築板100を例えば長手方向Lに直交する短手方向に沿って切断して出隅用パネルを製造しようとした際に、建築板100のどの部位で切断したとしても、従来の縦目地を有する建築板のように縦目地による極端に横幅の狭い隆起部が形成されることがなく、建築板100を用いた出隅用パネルの効率的な製造を実現することができる。さらに、製造された出隅用パネルもその製造や運搬、保管の際に欠け難く、損傷し難いものとなり、建築板100の切断に際して余分な端材が発生するといった課題も生じ得ない。
なお、図示を省略するが、第二領域Bの第二凹部10bの表面の一部に第一塗膜20をさらに備えていてもよい。この形態であっても、第二凹部10bには基材10の表面Pである第二塗膜10cが露出しているので、第一領域Aと第二領域Bは異なる色調となり、縦目地を用いなくても複数種の柄模様を表現する効果と、出隅用パネルの効率的な製造を実現する効果が奏される。
(建築板の実施の形態2)
図3は建築板の実施の形態2の断面図である。図示する建築板100Aも、第一領域Aと第二領域Bを上下左右で交互に配置するものであり、基材10Aと、第一塗膜20Aとから構成されている。しかし、基材10Aの表面P’には塗膜が存在しないことが建築板100と異なる。
基材10Aは、複数の第一凹部10aを有する第一領域Aと、第一領域Aに隣接し、複数の第二凹部10bを有する第二領域Bを備える。第一凹部10aの深さはt1’、第二凹部10bの深さはt2’である。
建築板100Aも、第一領域Aにおける第一凹部10aの平均深さが第二領域Bにおける第二凹部10bの平均深さよりも深くなっている。第一凹部10a、第二凹部10bはともに建築板100Aの長手方向と同一方向に延びている。
そして、第二領域Bにおいて、複数の第二凹部10bの表面には基材10Aの表面P’が露出している。
また、第二領域Bは、第二凹部10b間に形成されている、複数の第二凸部60Bを有する。第二凸部60Bの表面には、基材10Aの表面P’が露出している。
一方、第一領域Aにおいて、複数の第一凹部10aの表面には第一塗膜20Aが形成されている。
また、第一領域Aは、第一凹部10a間に形成されている、複数の第一凸部50Bを有する。第一凸部50Bの表面には、塗膜を具備しない基材10Aの表面P’が露出している。
図3で示すように、建築板100Aにおいて、第一領域Aは第一凹部10aと第一凸部50Bからなり、第二領域Bは第二凹部10bと第二凸部60Bからなる。
ここで、第一領域Aの第一凹部10aの表面には第一塗膜20Aが形成されており、第一領域Aの第一凸部50Bの表面には塗膜を具備しない基材10Aの表面P’が露出している。そのため、第一領域Aの表面は、第一塗膜20Aが形成された部分と塗膜を具備しない基材10Aの表面P’が露出した部分を有する。
一方、第二領域Bの第二凹部10bの表面と第二凸部60Bの表面には塗膜を具備しない基材10Aの表面P’が露出している。そのため、第二領域Bの表面は、塗膜を具備しない基材10Aの表面P’が露出した部分を有する。
第一領域Aでは、第一凸部50Bで塗膜を具備しない基材10Aの表面P’が露出しているのに対し、第二領域Bでは、第二凹部10bと第二凸部60Bで塗膜を具備しない基材10Aが露出している。そのため、塗膜を具備しない基材10Aの表面P’の露出は、第一領域Aよりも第二領域Bで多い。
第一領域Aと第二領域Bは、凹部の平均深さの違いにより、第一塗膜20Aの被覆状態と基材10Aの露出状態が異なるので、外観が異なる。外観が異なる第一領域Aと第二領域Bが隣接しているので、第一領域Aと第二領域Bの境界が表現されることとなる。それにより、建築板100Aは、縦目地を用いなくても複数種の柄模様が表現できる。
また、建築板100Aでは、第一領域Aの第一凹部10aにおいて第一塗膜20Aが露出し、第二領域Bの第二凹部10bにおいて塗膜を具備しない基材10Aが露出していることから、基材10Aの色と第一塗膜20Aの色の相違により、第一領域Aと第二領域Bの境界を、縦目地を用いずに表現できるとともに、異なる色調による意匠効果が奏される。
なお、基材10Aには、セメント板、金属板、樹脂板などが適用できる。基材10Aにセメント板を適用した場合、基材10Aは通常、灰色を呈しているが、基材10Aの製造過程で顔料を添加することにより、基材10Aの色を変化させることができる。例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛等の黒色顔料を含有させることで黒色の基材10Aが得られる。また、例えば、黄鉛、亜鉛黄、クロム酸バリウム、カドミウム黄、黄色酸化鉄等の黄色顔料を含有させることで黄色の基材10Aが得られる。
また、建築板100Aも、第一領域Aの複数の第一凸部50Bと第二領域Bの複数の第二凸部60Bの高さ(基材10Aの裏面からの距離)が同一であることにより、見た目の統一感が図られる。
更に、図示していないが、第一領域Aと第二領域Bはともに同寸法で平面視において矩形を呈していること、第一領域Aと第二領域Bが上下左右で交互に配置されていること、建築板100Aは平面視において長方形であり、第一領域Aの第一凹部10aと第二領域Bの第二凹部10bがともに建築板の長手方向Lと同一方向に延びていることは建築板100と同じであり、同様の効果を奏する。
このように、建築板100Aも縦目地を用いずに柄模様を表現しているので、どの部位で切断しても、縦目地による極端に横幅の狭い隆起部が形成されることがない。そのため、建築板の切断に際して余分な端材が発生するといった課題も解消され、建築板を用いた出隅用パネルの効率的な製造を実現できる。また、製造された出隅用パネルもその製造や運搬、保管の際に欠け難く、損傷し難いものとなる。
(建築板の実施の形態3,4)
図4,5はそれぞれ、建築板の実施の形態3,4の平面図である。図4で示す建築板100B、図5で示す建築板100Cともに、第一領域Aと第二領域Bが横方向に並ぶ一段を上下で区切る横溝を備えている点で共通している。
具体的には、建築板100Bは、その長手方向Lに沿って延びている一本の横溝70にて各段が上下方向に区切られており、各領域A,Bが横方向に並んでできる各段が上下の横溝70で挟まれて構成されている。
一方、建築板100Cは、その長手方向Lに沿って延びている三本の横溝で形成された横溝70Aや、上下に幅を持たせた二本の横溝で形成された横溝70Bといった異なる種類の横溝70A,70Bを単独で、もしくは組み合わせて用いることにより、独自の意匠性を醸し出している。
なお、建築板100B,100Cともに、横溝を有すること以外は建築板100と同じである。
建築板100B,100Cともに、それぞれそれらの長手方向Lに沿って延びている横溝70,70A,70Bで平面視矩形の各領域A,Bが横方向に並んで構成される各段を上下に区切っていることにより、第一領域Aと第二領域Bの境界の一部が横目地に相当する横溝70,70A,70Bによって明確に表現でき、縦目地は第一領域Aと第二領域Bの塗膜の差で表現できるので、意匠性に優れた建築板100B,100Cとなる。
さらに、各領域A,Bの第一凹部50A、第二凹部60Aと横溝70,70A,70Bがともに同一方向に延びていることによっても、見た目の統一感が図られ、意匠性に優れた建築板100B,100Cとなる。
なお、建築板100B,100Cにおいても縦溝を具備しないことにより、既述する縦溝を具備する場合の様々な課題は生じ得ない。
また、建築板100B,100Cにおいても、横溝を有すること以外は建築板100と同じであるので、建築板100と同様の効果も奏する。
(建築板の製造方法の実施の形態1)
次に、図6を参照して、建築板の製造方法の実施の形態1を説明する。この製造方法は、建築板100の製造方法である。
まず、複数の第一凹部10aと第一凸部50Bを有する第一領域Aと、第一領域Aに隣接し、複数の第二凹部10bと第二凸部60Bを有する第二領域Bを備え、第一凹部10aの平均深さは、第二凹部10bの平均深さよりも深い基材10を準備する(図2参照、第一のステップ)。
より具体的には、製作する柄と凹凸が反転した型板を用意し、この型板の上に原料(例えばセメント、フライアッシュ、マイカ、フレークなど)を散布してマットを形成する。最後にこのマットをプレスし、温度をかけて養生する。そして、本実施の形態では、表面全体に第二塗膜用塗料を塗布し、硬化させることで、表面に第二塗膜10cを有する基材10が製造される。
次に、基材10の表面全体に第一塗膜用塗料を塗布し、この状態で基材10を図6(a)で示すように上下に回転ロールR1,R2を備えた掻き取り装置内に移動させる(X1方向)。
ここで、掻き取り部である上方の回転ロールR1の表面にはスポンジ等の弾性材Eが配設されており、回転ロールR1は基材10の移動方向と逆方向(X2方向)に回転している。
第一塗膜用塗料が硬化する前に上下の回転ロールR1,R2間に基材10を通過させる過程で、図6(b)で示すように、第一領域Aの第一凹部10aと第二領域Bの第二凹部10bに弾性材Eが入り込み(X3方向)、第一領域Aに塗布された第一塗膜用塗料の一部と第二領域Bに塗布された第一塗膜用塗料の全部が掻き取られる。
所定時間の経過もしくは乾燥設備で乾燥させることにより、第一領域Aにおいて掻き取られずに残った第一塗膜用塗料の一部が硬化して第一塗膜20が形成される。それにより、第一凹部10aには第一塗膜20が形成され、第二凹部10b、第一凸部50Bと第二凸部60Bには、基材10の表面である第二塗膜10cが露出して、実施の形態1にかかる建築板100が製造される(第二のステップ)。
なお、建築板の実施の形態3,4についても、第一のステップで横溝を備えた基材を準備すること以外は、同様に製造することができる。
また、建築板の実施の形態1で前述したように、第二領域Bの第二凹部10bに塗布された第一塗膜用塗料を全部掻き取るのではなく、一部掻き取ることもできる。
このように、実施の形態1の製造方法によれば、凹部の平均深さの違いにより、第一塗膜20の被覆状態と基材10の露出状態が異なる第一領域Aと第二領域Bを形成することができる。第一領域Aと第二領域Bは、第一塗膜20の被覆状態と基材10の露出状態が異なることにより外観が異なる。外観が異なる第一領域Aと第二領域Bが隣接しているので、第一領域Aと第二領域Bの境界が表現されることとなる。それにより、建築板100は、縦目地を用いなくても複数種の柄模様が表現できる。
また、実施の形態1の製造方法によって製造される建築板100は縦目地を用いずに柄模様を表現しているので、どの部位で切断しても、縦目地による極端に横幅の狭い隆起部が形成されることがない。そのため、建築板の切断に際して余分な端材が発生するといった課題も解消され、建築板を用いた出隅用パネルの効率的な製造を実現できる。また、製造された出隅用パネルもその製造や運搬、保管の際に欠け難く、損傷し難いものとなる。
(建築板の製造方法の実施の形態2)
次に、建築板の製造方法の実施の形態2を説明する。この製造方法は、建築板100Aの製造方法である。
まず、複数の第一凹部10aと第一凸部50Bを有する第一領域Aと、複数の第二凹部10bと第二凸部60Bを有する第二領域Bを備え、第一凹部10aの平均深さは、第二凹部10bの平均深さよりも深い基材10Aを準備する(図3参照、第一のステップ)。なお、本実施の形態においては、基材10Aの表面には第二塗膜を設けない。
以後の第二のステップについては、建築板の製造方法の実施の形態1と同じである。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。例えば、図示例の建築板は、凹部の深さの異なる第一領域と第二領域から構成されるものであるが、第一領域および第二領域の各凹部と深さの異なる第三領域をさらに備え、第一領域の凹部の平均深さが約1.5mm程度、第二領域の凹部の平均深さが約1.0mm程度、第三領域の凹部の平均深さが約0.5mm程度の建築板も本願発明に含まれるものである。また、例えば、第一領域は、第一凹部の平均深さが第二凹部の平均深さよりも深いものであれば、第一凹部の一つとして第二凹部の平均深さよりも浅い凹部を含むこともできる。
10,10A…基材、10a…第一凹部、10b…第二凹部、10c…塗膜(中塗塗膜、第二塗膜)、20,20A…第一塗膜、50B…第一凸部、60B…第二凸部、70,70A,70B…横溝、100,100A,100B,100C…建築板、A…第一領域(領域)、B…第二領域(領域)、P、P’…基材の表面(表面)、R1,R2…回転ローラ,E…弾性材

Claims (14)

  1. 複数の第一凹部を有する第一領域と、
    前記第一領域と隣接し、複数の第二凹部を有する第二領域と、を備えた基材を具備し、
    前記第一領域の複数の前記第一凹部の平均深さは、前記第二領域の複数の前記第二凹部の平均深さよりも深く、
    少なくとも前記第一領域の基材の表面の一部には第一塗膜が形成されており、
    前記基材の表面は、前記第一領域よりも前記第二領域で多く露出している建築板。
  2. 前記基材の表面は第二塗膜によって形成されている請求項1に記載の建築板。
  3. 前記第一塗膜の色と前記基材の表面の色が異なっている請求項1または2に記載の建築板。
  4. 前記第一領域と前記第二領域がともに平面視において矩形を呈している請求項1〜3のいずれか一項に記載の建築板。
  5. 前記第一凹部と前記第二凹部が同一方向に延びている請求項1〜4のいずれか一項に記載の建築板。
  6. 前記第一領域と前記第二領域に接する横溝を備えている請求項4に記載の建築板。
  7. 前記第一領域と前記第二領域が前記横溝を挟んで上下に隣接している請求項6に記載の建築板。
  8. 前記第一凹部と前記第二凹部がともに前記横溝の長手方向に沿って延びている請求項6または7に記載の建築板。
  9. 前記建築板は長手方向を有する平面視において長方形であり、
    前記横溝が前記建築板の長手方向に沿って延びている請求項6〜8のいずれか一項に記載の建築板。
  10. 前記第一凹部間には第一凸部が形成され、前記第二凹部間には第二凸部が形成され、前記第一領域と前記第二領域はそれぞれ複数の前記第一凸部と複数の前記第二凸部を備えており、
    前記第一凸部と前記第二凸部の高さが同一である請求項1〜9のいずれか一項に記載の建築板。
  11. 複数の第一凹部を有する第一領域と、前記第一領域と隣接し、複数の第二凹部を有する第二領域と、を備え、前記第一領域の複数の第一凹部の平均深さは、前記第二領域の複数の第二凹部の平均深さよりも深い基材を準備する第一のステップと、
    前記第一領域と前記第二領域の表面に第一塗膜用塗料を塗布し、該第一塗膜用塗料が硬化する前に前記第一領域と前記第二領域に塗布された前記第一塗膜用塗料を掻き取ることにより、少なくとも前記第一領域の表面の一部に第一塗膜を形成するとともに、前記基材の表面を、前記第一領域よりも前記第二領域で多く露出させる第二のステップと、を備えた建築板の製造方法。
  12. 前記基材の表面は、第二塗膜によって形成されている請求項11に記載の建築板の製造方法。
  13. 前記基材は長手方向を有する、平面視において長方形であり、前記第一凹部と前記第二凹部が該長手方向に延びており、
    前記第二のステップにおける塗料の掻き取りは、掻き取り装置の掻き取り部を前記基材の長手方向に対して交差するように配置して該基材に接触させ、該掻き取り部に対して相対的に該基材を移動させることによっておこなう請求項11または12に記載の建築板の製造方法。
  14. 前記掻き取り部は回転可能であり、
    前記基材の移動方向に対して前記掻き取り部を逆方向に回転させて塗料を掻き取る請求項13に記載の建築板の製造方法。
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