JP4076898B2 - 出隅柱およびその塗装方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物壁面の出隅部分の外装材として用いられる出隅柱、およびその面取部の塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、建物の壁面の出隅部分に用いられる外装材として、図7に示すようなものが知られている。これは表面柄部4を有する複数の出隅柱1が目地部6を挟んで縦方向に連結されることにより出隅壁面を構成したものである。このような出隅柱1は、通常、図8に示すような製造工程を経て製造される。すなわち、まず、予め塗装された凹部4aを含む表面柄部4を有する建築板70を切断して(図8(a))、2枚の板片70A,70Bを形成し(図8(b))、これら板片70A,70Bの端部を斜めに切断して(図8(c))、この切断面2,2同士を接合し(図8(d))、断面略L字形とする。次にこの接合部の角部を切削して面取りし、面取部3を形成する(図8(e))。このようにして形成された出隅柱1dにおいて、左右の表面柄部4,4に挟まれる面取部3は塗装されていない露出部分となるため、この面取部3を何らかの手段により被覆して出隅柱1の完成となる。
【0003】
面取部3の被覆は通常塗装で行われ、その塗膜層は1層であることが普通である(例えば、特許文献1参照)。図9は面取部のための塗装装置の一例を示している。この塗装装置50は塗料61が貯留された塗料バス51の上方に塗装ロール52が回転自在に取り付けられたものである。塗装ロール52の下部は塗料バス51内に浸されており、塗装ロール52の上部が出隅柱1の面取部3に接触するようになっている。
【0004】
面取部を被覆する他の方法の1つとして、転写シートを面取部に貼着することが知られている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、転写シートを面取部の寸法に合わせて正確に切断し、さらにずれが生じないように正確に面取部に位置合わせするのは手間がかかり、現実的な解決策ではない。
【0005】
【特許文献1】
特許第3323126号
【特許文献2】
特開2000−310024号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
出隅柱の構成部材として、比較的厚さの薄い建築板、例えば厚さ12mmの建築板を用い、図8に示した方法で出隅柱を製造した場合、表面柄部4の凹部4aの深さは約2〜3mmとなり、面取部3の幅hは約4〜6mmとなる。このように、比較的厚さの薄い建築板を用いた場合は、表面柄部4の凹部4aは浅く、かつ面取部3の幅hも狭い。そのため、従来のように面取部3の塗膜層を1層のみとした場合であっても、表面柄部4と面取部3の質感の差はあまり目立たずにすむ。
【0007】
しかし、厚さ16mm以上の建築板、特に厚さが21〜25mmに達するような建築板を用いて出隅柱を製造した場合、表面柄部4の凹部4aの深さは8mm程度の深いものとなる。また、角部を面取りする際には、図8(d)に示したように表面柄部4の凹部4aよりもさらに深い位置で切削する必要性から、面取部3の幅hは15〜20mmにも及ぶ広いものとなる。すなわち、表面柄部4に深い凹部4aが形成されているために面取部3との質感の差が大きいにも関わらず、面取部3の幅hが広いためにこの質感の差が大きく目立ってしまうことになる。
【0008】
また、図10に示すように、出隅柱1の角部を切削して面取部3を形成する際、面取部3の端部近傍にはバリと呼ばれる50〜100μmの凹凸80が生じる。従来のように面取部3の塗膜層が1層だけであるとこの凹凸80が塗膜層の表面にも現れてしまう場合があった。また、バリは面取部3だけでなく面取部3に隣接する表面柄部4の端部にまで生じるため、従来のように面取部3だけを被覆するのでは、バリを完全に覆い隠すことはできなかった。
【0009】
さらに、近年の壁面材および出隅柱においてその表面模様は意匠性の高いものになってきており、従来のように面取部を一色で塗装しただけでは、意匠の連続性が得られず、高級感が得られない。そのために、出隅柱1の面取部3を塗装するにあたっては、多色塗りを行い、出隅柱1の面取部に表面柄部4に近い質感を出すことが望まれる。そこで、図9に示した塗装装置50を用いて多色塗りを行う場合を想定し、その出隅柱の面取部の断面図を図11に示す。図11に示されるように、出隅柱1cの面取部3に形成される下層塗膜層62は、塗料の粘度と表面張力により、その端部62aが面取部3から少しはみ出した状態で留まっている。この上にさらに塗膜層63を形成すると、下層塗膜層62の端部62aが上層塗膜層63の端部からはみ出てしまう。このような出隅柱は見映えが悪く、はみ出た部分62aに手作業で上塗りするのは手間がかかる。
【0010】
本発明は上記問題を解決するものであり、面取部の端部近傍に生じたバリなどの凹凸が完全に覆い隠された出隅柱を提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、面取部が多層にかつ多色に塗装されることにより、面取部に表面柄部に近い質感を持たせるようにした改良された出隅柱を提供することである。さらに本発明は、上記のような出隅柱を簡単な工程で製造することができる面取部の塗装方法を提供することをも目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明による出隅柱は、角部が切削されて面取部が形成された出隅柱であって、面取部およびその近傍の表面柄部に渡って塗膜層が形成されており、該塗膜層は少なくとも面取部の左右方向の端部近傍において盛り上がり部を有しており、それにより、前記角部を切削する際に生じた前記面取部の左右方向の端部近傍のバリなどの凹凸が該塗膜により覆われていることを特徴とする。これにより、出隅柱の角部を切削する際に生じたバリなどの凹凸は隠蔽され、面取部の塗膜層の表面をきれいな平坦面としたり、あるいは所望の模様を施すことができる。
【0012】
好ましい態様において、前記塗膜層がビーズを含む。それにより、ビーズに塗料の樹脂の一部が吸着されて粘性が上がり、チクソトロピー性となって面取部に留まり易くなり、垂れにくくなる。従って、面取部の左右方向の端部近傍において塗膜層の盛り上がり部を形成し易くなる。
【0013】
本発明は塗膜層が多層に形成された出隅柱をも開示するものである。それは、角部が切削されて面取部が形成された出隅柱であって、該面取部に形成された少なくとも一層の下層塗膜層の上に、少なくとも一層の上層塗膜層が前記面取部およびその近傍の表面柄部に渡って形成されていることを特徴とする。本発明による出隅柱はその面取部が多層に塗装されていて、表面柄部に近い質感を持っており、意匠性に優れている。
【0014】
好ましい態様において、各塗膜層は異なる色とされる。それにより、面取部は多色に塗装され、意匠性の高い面取部が得られる。好ましくは、上層塗膜層は模様を有する層を少なくとも一層含むようにする。それにより、さらに変化に富んだ塗装面を作り出すことができる。
【0015】
好ましい態様において、上層塗膜層は出隅柱の表面柄部に含まれる色と同じ色彩の層を少なくとも一層有するようにする。さらに好ましくは、模様を有する層は、出隅柱の表面柄部が有する模様と同じ模様を有するようにする。これにより、出隅柱の表面柄部が意匠性の高い柄部である出隅柱であっても、表面柄部と面取部との連続感を確実に作り出すことが可能となる。
【0016】
好ましい態様において、上層塗膜層は、最上層にクリヤー層を有するようにする。一般に、面取部の端部は出っ張った部分であるため塗膜がはがれやすく、はがれた部分から雨水が浸透する恐れがあるが、上記の態様においては、クリヤー層が下層塗膜層を端部まで確実に覆って保護するため耐候性に優れたものとなる。
【0017】
好ましい態様において、少なくとも前記面取部の左右方向の端部近傍において塗膜層が盛り上がり部を有し、それにより、前記角部を切削する際に生じた前記面取部の左右方向の端部近傍のバリなどの凹凸が該塗膜により覆われている。これにより、塗膜層が1層である場合と同様に、出隅柱の角部を切削する際に生じたバリなどの凹凸は隠蔽され、面取部の塗膜層の表面をきれいな平坦面としたり、あるいは所望の模様を施すことができる。
【0018】
好ましい態様において、前記下層塗膜層および上層塗膜層に含まれる層のうち少なくとも1層がビーズを含む。それにより、先述したように塗料が面取部に留まり易くなり、また、面取部の左右方向の端部近傍において塗膜層の盛り上がり部を形成し易くなる。
【0019】
本発明は、さらに、以上のような出隅柱の塗装方法をも開示する。本発明による出隅柱の塗装方法は、弾性材料からなるロールに塗料を付着させて、角部が面取りされた出隅柱の面取部およびその近傍の表面柄部にまで該ロールを押圧し、該ロールを前記面取部およびその近傍の表面柄部にまで接触させながら塗装を行うことを特徴とする。本発明の塗装方法によれば、簡単な工程により、出隅柱の角部を切削する際に生じた面取部の端部近傍のバリなどの凹凸を確実に覆うことができる。
【0020】
本発明は、さらに、上記塗装方法を多層塗りに適用したものとして、角部が面取りされた出隅柱の面取部に少なくとも一層の下層塗膜層を形成し、その上にさらに少なくとも一層の上層塗膜層を、弾性材料からなるロールに塗料を付着させて前記面取部およびその近傍の表面柄部にまで該ロールを押圧し、該ロールを前記面取部およびその近傍の表面柄部にまで接触させながら塗装を行うことにより形成する。それにより、上層塗膜層を形成する際に、下層塗膜層の端部を確実に覆うことができ、簡単な工程により多色塗りを施すことができる。また、面取部に形成した下層塗膜層を保護するクリヤー層を最上層に形成する際にも、下層塗膜層の端部まで確実に覆うことができるので、耐候性に優れた出隅柱とすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、塗装の対象となる出隅柱は図8(e)に示した出隅柱1dと同じであり、以下の説明において出隅柱の各部分を示す符号は図8(e)と同じものを用いている。
【0022】
図1は、本発明による塗装方法を実施するために用いられる塗装装置の一例である。ここに示される塗装装置20は、グラビア印刷法によって塗装を行うものであり、互いに連動する塗料ロール21、金属製ロール22および最終ロール23を備えている。塗料ロール21の下部は塗料バス24に浸されており、連動する金属製ロール22に塗料64を供給する。塗料64はインク、樹脂分および希釈剤からなっており、外装材に用いられる通常の塗料と同様のものが用いられる。金属製ロール22の表面には微細な凹点25が多数刻印されており、これら凹点25は全体として模様をなすように配置されている。金属製ロール22に付着した塗料はブレード26によって余分なものが掻き落とされ、凹点25のみに塗料が残る。なお、図1ではわかりやすくするため凹点25を大きく描いているが、実際は数十μm程度の大きさである。
【0023】
金属製ロール22は最終ロール23に連動しており、凹点25に残った塗料が最終ロール23に転写され、最終ロール23が塗装対象面に接触して塗装を施す。最終ロール23は例えば、天然ゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジェンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム等のような弾性を有する材料からなり、その硬度は5〜60°、より好ましくは10〜40°、さらに好ましくは15〜20°とされる。図2に示すように、最終ロール23が出隅柱1の面取部3に押圧されると、最終ロール23は面取部3とその近傍の表面柄部をも囲むようにして変形し、面取部3だけでなくその近傍の表面柄部にまで接触する。それにより、下層塗膜層65の端部を覆うようにして塗装が施される。
【0024】
図3は、本発明による塗装方法を実施するために用いられる塗装装置の他の例である。ここに示す塗装装置30は、フレキソ印刷法によって塗装を行うものであり、互いに連動する塗料ロール31および凸ロール32を備えている。塗料ロール31の下部は塗料バス33に浸されており、連動する凸ロール32に塗料66を供給する。このとき、塗料ロール31に付着した余分な塗料はブレード34によって掻き落とされ、適当な量の塗料のみが凸ロール32に供給される。塗料66はインク、樹脂分および希釈剤からなっており、外装材に用いられる通常の塗料と同様のものが用いられる。
【0025】
凸ロール32は上記最終ロール23と同様の弾性を有する材料からなり、その硬度は5〜60°、より好ましくは10〜40°とされる。凸ロール32の表面には微細な凸点35が多数刻印されており、これら凸点35は全体として模様をなすように配置されている。図2に示した塗装装置20の場合と同様に、凸ロール32が出隅柱1の面取部3に押圧されると、凸ロール32は面取部3とその近傍の表面柄部をもを囲むようにして変形し、面取部3だけでなくその近傍の表面柄部にまで接触する。それにより、下層塗膜層の端部を覆うようにして塗装が施される。なお、この場合も、図3ではわかりやすくするため凸点35を大きく描いているが、実際は数十μm程度の大きさである。
【0026】
図4は、本発明による塗装方法を実施するために用いられる塗装装置のさらに他の例である。図1および図3に示した塗装装置20,30は塗装対象面に部分的に塗料を付着させて模様を付けるものであったが、図4に示す塗装装置40は、塗装対象面の全面にまんべんなく塗料を付着させるものである。この塗装装置40は前記と同様な弾性材料からなる塗料ロール41を備え、その下部は塗料バス42に浸されている。塗料ロール41に付着した余分な塗料はブレード43によって掻き落とされ、適当な量の塗料のみが塗料ロール41上に残り、塗布されることになる。塗装時には塗料ロール41の上部が塗装対象面に押圧されるが、このときの態様は上記したものと同様である。
【0027】
以上、3つの塗装装置20,30,40の例を説明したが、本発明の塗装方法を実施するにあたって重要なことは、面取部に押圧されるロールが、面取部の近傍とその近傍の表面柄部にまで接触するのに十分な弾性を有することであり、その他の構成は必要に応じて適宜変更することが可能である。
【0028】
図5(a)は、以上説明したような塗装装置により面取部が塗装された出隅柱の完成品の一例である。ここに示される出隅柱1aの面取部3には、下層塗膜層としてのシーラー層11と、上層塗膜層としての第1のインク層12、第2のインク層13、クリヤー層14が順に形成されている。図6はこの出隅柱1aの塗装工程の一部を示している。以下、塗膜層11〜14を形成する工程を順に説明する。
【0029】
塗装前の面取部3の表面には出隅柱の材料が有する微細孔が露出しているので、塗膜が良好に形成されるようにするため、まず、下塗りとして面取部に従来と同様のシーラー層11が形成される。シーラーは湿気硬化型変性アクリル樹脂が主成分の浸透防止剤液であり、粘度は20〜30秒/NK・2とされている。これを図9に示したような自動塗装装置または刷毛塗りにより常温で塗布した後、養生し硬化させる。この時、シーラーの粘度と表面張力により、シーラー層11の端部は面取部3から多少はみ出た状態で留まる。
【0030】
次に、シーラー層11の上に、図6(a)に示すようにして、第1のインク層12が形成される。この例において、第1のインク層12は、出隅柱1の表面柄部4に含まれる色の1つと同じ色とされる。この塗装装置20aは、図1に示した塗装装置20と同じものであり、第1のインク層12はシーラー層11の端部を覆うようにして形成される。この例において、塗装装置20aに備えられた金属製ロール22aの表面の凹点25aは、全体として出隅柱1の表面柄部4と同様の模様をなすように配置されている。凹点25aは金属製ロール22aの表面積の70〜90%を占める部分に形成されており、その深さは10〜80μm、平均40μmである。凹点25aの模様が最終ロール23aに転写されて面取部3に塗装が施されることにより、面取部3に模様が付けられる。こうして第1のインク層12が形成され、これを乾燥させて硬化させる。
【0031】
次に、第1のインク層12の上に、図6(b)に示すようにして、第2のインク層13が形成される。この例において、第2のインク層13は、出隅柱1の表面柄部4に含まれる色の1つと同じ色であって、かつ第1のインク層12とは異なる色とされる。この塗装装置20bは、上記塗装装置20aと同じものであってよく、第2のインク層13は第1のインク層12の端部を覆うようにして形成される。塗装装置20bの金属製ロール22bの表面に配置する凹点25bも、全体として出隅柱1の表面柄部4と同様の模様をなすように配置されている。ただし、これら凹点25bは、図6(a)に示した塗装装置20aに比べると数は少なくされており、金属製ロール22bの表面積の30〜60%を占める部分に形成されている。凹点25bの模様が最終ロール23bに転写されて面取部3に塗装が施されることにより、面取部3により意匠性の高い模様が付けられる。
【0032】
このようにして塗装が施された面取部3は、上層のインク層13の模様の隙間から下層のインク層12が見えており、かつ、上層と下層のインク層12,13が重なり合う部分はインクが重なりあって濃い色となっている。それにより、表面柄部4と同様の柄が、面取部3およびその近傍の表面柄部にも形成され、表面柄部4と面取部3との連続感が生まれて意匠性の高い出隅柱となる。
【0033】
最後に、これら第1および第2のインク層12,13を覆うようにしてクリヤー層14が形成される。クリヤー層14は下層塗膜層11,12,13を保護するためのものであり、下層塗膜層11,12,13をくまなく覆う必要がある。そのため、この工程では好ましくは図4に示した塗装装置40と同様の塗装装置40aを使用する。クリヤー塗料としては、例えば、粘度20〜30秒/NK・2のものを100〜150g/m2塗布する。ここで使用されるクリヤー塗料はビーズを含んでおり、このビーズは40〜200μm、平均85μmとされ、出隅柱1aの表面柄部4と同様に5〜10%添加される。クリヤー層14を乾燥させれば面取部3の塗装は完了となる。
【0034】
このようにして塗装が施された出隅柱1aの面取部3は、下層のインク層11の端部を覆うように、かつ、表面柄部の一部を覆うようにして、上層のインク層12、13が形成されているため見映えがよく、これらインク層12,13の組み合わせにより、面取部3には出隅柱1aの表面柄部4と同様の柄が形成される。そして、これらインク層12,13は、角部を切削する際に生じた面取部の端部近傍のバリなどの凹凸80(図10参照)が塗膜層の表面にまで現れないような十分な厚みを有しており、さらに、前記のように、インク層12,13は面取部3に隣接する表面柄部4の端部までを覆っており、バリは完全に覆い隠される。さらに、最上層のクリヤー層14が下層のインク層12,13を端部まで確実に覆っているため耐候性にも優れる。
【0035】
なお、面取部3の端部近傍のバリなどの凹凸が塗膜層の表面に現れないためには、少なくとも面取部3の端部近傍において塗膜層が十分な厚みを有していればよく、図5(b)に示す出隅柱1bのように、面取部3の左右方向の端部近傍が盛り上がった部分14aとなるように塗膜層を形成するようにしてもよい。なお、この盛り上がり部14aを持つ塗膜層の構成は、図示の例のように塗膜層が多層構造である場合に限らず、図示しないが、単一層の塗膜層であっても構成することができる。そして、同様な凹凸覆い効果が奏される。
【0036】
【発明の効果】
以上に詳述したように、本発明による出隅柱の好適な態様では、その面取部が多層にかつ多色に塗装されていて、表面柄部に近い質感を持っており、また、出隅柱の角部を切削する際に生じたバリが塗膜によって隠されているため、意匠性に優れている。また、本発明の塗装方法によれば、面取部およびその近傍を同時に塗装することができ、簡単な工程で意匠性および耐候性に優れた出隅柱を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗装方法に用いられる装置の一例を示す図。
【図2】図1に示す塗装装置によって出隅柱を塗装している状態を示す断面図。
【図3】本発明の塗装方法に用いられる装置の他の例を示す図。
【図4】本発明の塗装方法に用いられる装置のさらに他の例を示す図。
【図5】本発明の塗装方法によって塗装された出隅柱を示す断面図。
【図6】図5に示す出隅柱の塗装工程を示す図。
【図7】従来技術による出隅柱の施工状態を示す斜視図。
【図8】従来技術による出隅柱の製造工程を示す図。
【図9】従来技術による出隅柱の面取部の塗装装置を示す図。
【図10】図8に示す出隅柱の面取部近傍を示す斜視図。
【図11】図9に示す塗装装置により塗装された出隅柱の面取部の断面図。
【符号の説明】
1…出隅柱,3…面取部,23…ロール,25…凹点,65…下層塗膜層
Claims (5)
- 角部が切削されて面取部が形成された出隅柱であって、
面取部およびその近傍の表面柄部に渡って塗膜層が形成されており、
該塗膜層は少なくとも面取部の左右方向の端部近傍において盛り上がり部を有しており、
前記面取部に形成された少なくとも一層の下層塗膜層の上に、少なくとも一層の上層塗膜層が前記面取部およびその近傍の表面柄部に渡って形成されていて、更に前記下層塗膜層および上層塗膜層に含まれる層のうち少なくとも1層にはビーズを含んでおり、
それにより、前記角部を切削する際に生じた前記面取部の左右方向の端部近傍のバリによる凹凸が前記塗膜層により覆われていて、さらに前記塗膜層は前記バリによる凹凸が前記塗膜層の表面にまで現れない厚みを有していることを特徴とする出隅柱。 - 前記上層塗膜層は出隅柱の表面柄部に含まれる色と同じ色彩の層を少なくとも一層有することを特徴とする請求項1記載の出隅柱。
- 前記上層塗膜層は模様を有する層を少なくとも一層含むことを特徴とする請求項1記載の出隅柱。
- 前記模様を有する層は、出隅柱の表面柄部が有する模様と同じ模様を有することを特徴とする請求項3記載の出隅柱。
- 角部が切削されて面取部が形成され、
該面取部およびその近傍の表面柄部に渡って塗膜層が形成されており、
該塗膜層は、前記面取部に形成された少なくとも一層の下層塗膜層の上に、少なくとも一層の上層塗膜層が前記面取部およびその近傍の表面柄部に渡って形成されており、
前記角部を切削する際に生じた前記面取部の左右方向の端部近傍のバリによる凹凸が前記塗膜層により覆われていて、さらに前記塗膜層は前記バリによる凹凸が前記塗膜層の表面にまで現れない厚みを有している出隅柱の面取部の塗装方法であって、
角部が面取りされた出隅柱の面取部に少なくとも一層の下層塗膜層を形成し、その上にさらに少なくとも一層の上層塗膜層を、弾性材料からなるロールに塗料を付着させて前記面取部およびその近傍の表面柄部にまで該ロールを押圧し、該ロールを前記面取部およびその近傍の表面柄部にまで接触させながら塗装を行うことにより形成することを特徴とする出隅柱の面取部の塗装方法。
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