JP2018052795A - 高周波出力の操作方法 - Google Patents
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Abstract
Description
炉体内の坩堝を高周波誘導加熱により発熱させて坩堝内の単結晶用原料を加熱溶融し、該原料融液に種結晶を接触させる回転引き上げ法により酸化物単結晶を育成する方法であって、坩堝底温度を目標温度に安定化させる高周波出力の操作方法において、
高周波出力の操作量をX、坩堝底の目標温度をY1、操作時の坩堝底温度をY2、1分間当たりの坩堝底温度の上昇あるいは下降量をZとしたとき、下記数式(1)より高周波出力の操作量Xを算出して高周波出力を操作する第一工程と、
X=a(Y1−Y2)+bZ (1)
上記数式(1)において(Y1−Y2)=0、および、Z=0となる条件が満たされるまで任意の制御周期Tで上記第一工程を繰り返す第二工程を具備し、かつ、
上記数式(1)の係数aおよび係数bが、下記数式(2)および数式(3)より算出されると共に、 係数a=k1×(高周波出力) (2)
係数b=k2×(高周波出力)2 (3)
k1=0.00137、k2=−0.00375としたとき、
k1およびk2の変化量(%)がそれぞれ+10%〜−10%の範囲で、かつ、
k1およびk2の変化する方向の符号が逆の場合、k1およびk2の変化量(%)における絶対値の和が10%以内であることを特徴とし、
また、第二の発明は、
第一の発明に記載の高周波出力の操作方法において、
上記酸化物単結晶が、タンタル酸リチウム単結晶およびニオブ酸リチウム単結晶のいずれかであることを特徴とするものである。
高周波出力の操作量をX、坩堝底の目標温度をY1、操作時の坩堝底温度をY2、1分間当たりの坩堝底温度の上昇あるいは下降量をZとしたとき、下記数式(1)より高周波出力の操作量Xを算出して高周波出力を操作する第一工程と、
X=a(Y1−Y2)+bZ (1)
上記数式(1)において(Y1−Y2)=0、および、Z=0となる条件が満たされるまで任意の制御周期Tで上記第一工程を繰り返す第二工程を具備し、かつ、
上記数式(1)の係数aおよび係数bが、下記数式(2)および数式(3)より算出されると共に、 係数a=k1×(高周波出力) (2)
係数b=k2×(高周波出力)2 (3)
k1=0.00137、k2=−0.00375としたとき、
k1およびk2の変化量(%)がそれぞれ+10%〜−10%の範囲で、かつ、
k1およびk2の変化する方向の符号が逆の場合、k1およびk2の変化量(%)における絶対値の和が10%以内であることを特徴とし、
熟練作業を必要とせず、PID制御のような設定値の適正化にあたっての試行錯誤も必要としないことから坩堝底温度の制御を簡便に行うことが可能となる。
酸化物単結晶育成における融液および坩堝は、これ等周囲に設けられた保温材を形成する耐火物および育成炉に囲われているため、融液表面の温度を測定しようとしても熱電対の配線を取り回すのが困難である。また、原料粉の状態から融液になるまでに坩堝内の液面高さが上下する他、育成を繰り返す間に坩堝の形状が変化し、液面の高さが徐々に下降するため、融液表面の位置に熱電対を設置するのは困難である。
高周波出力を増減させる操作により融液表面の温度が変化したとき、周囲よりも高温(あるいは低温)になった融液が自然対流により坩堝底まで流れ、坩堝底温度が変化し、初めて作業者は融液温度の変化を検知することが可能となる。
熟練の作業者により行われるシーディング操作を解析したところ、高周波出力の操作量Xは、坩堝底の目標温度をY1、操作時の坩堝底温度をY2、1分間当たりの坩堝底温度の上昇あるいは下降量をZとしたとき、下記数式(1)で表せることが分かった。
X=a(Y1−Y2)+bZ (1)
係数a=k1×(高周波出力) (2)
係数b=k2×(高周波出力)2 (3)
但し、k1=0.00137、k2=−0.00375としたとき、
k1およびk2の変化量(%)がそれぞれ+10%〜−10%の範囲で、かつ、
k1およびk2の変化する方向の符号が逆の場合、k1およびk2の変化量(%)における絶対値の和が10%以内である。
炉体内の坩堝を高周波誘導加熱により発熱させて坩堝内の単結晶用原料を加熱溶融し、該原料融液に種結晶を接触させる回転引き上げ法により酸化物単結晶を育成する方法であって、坩堝底温度を目標温度に安定化させる高周波出力の操作方法において、
高周波出力の操作量をX、坩堝底の目標温度をY1、操作時の坩堝底温度をY2、1分間当たりの坩堝底温度の上昇あるいは下降量をZとしたとき、下記数式(1)より高周波出力の操作量Xを算出して高周波出力を操作する第一工程と、
X=a(Y1−Y2)+bZ (1)
上記数式(1)において(Y1−Y2)=0、および、Z=0となる条件が満たされるまで任意の制御周期Tで上記第一工程を繰り返す第二工程を具備し、かつ、
上記数式(1)の係数aおよび係数bが、下記数式(2)および数式(3)より算出されると共に、 係数a=k1×(高周波出力) (2)
係数b=k2×(高周波出力)2 (3)
k1=0.00137、k2=−0.00375としたとき、
k1およびk2の変化量(%)がそれぞれ+10%〜−10%の範囲で、かつ、
k1およびk2の変化する方向の符号が逆の場合、k1およびk2の変化量(%)における絶対値の和が10%以内であることを特徴とする。
上記数式(2)および数式(3)は、2台の育成炉A、育成炉Bを用いた熟練作業者によるLT単結晶の下記育成実験から求められている。
コングルエント組成の原料を用い、高周波誘導加熱炉によってチョクラルスキー法により直径6インチのLT単結晶の育成を行った。育成雰囲気は、酸素濃度約2%の窒素‐酸素混合ガスである。
「出力操作を行った時の坩堝底温度Y2」と「目標温度Y1」が一致しており、かつ、坩堝底温度が上昇あるいは下降(すなわち、Z≠0)している状態で、高周波出力を操作し、その後、坩堝底温度が安定(すなわち、Z=0)したときのデータを抽出し、「坩堝底温度の温度傾き」と「高周波出力の操作量」の相関を解析し、係数bを算出した。
係数b=−0.00375×(高周波出力)2 (3)
「出力操作を行った時の坩堝底温度Y2」と「目標温度Y1」が一致しておらず(すなわち、Y1≠Y2)、かつ、坩堝底温度が上昇あるいは下降(すなわち、Z≠0)している状態で、高周波出力を操作し、その後、坩堝底温度が目標温度に到達(すなわち、Y1=Y2)し、安定化(すなわち、Z=0)したときのデータを抽出し、「坩堝底温度の差分」と「高周波出力の操作量」の相関を解析し、係数aを算出した。
係数a=0.00137×(高周波出力) (2)
数式(2)と数式(3)を上述したように、
係数a=k1×(高周波出力) (2)
係数b=k2×(高周波出力)2 (3)
k1=0.00137、k2=−0.00375で表した場合、
係数aおよび係数bの許容範囲は、
k1およびk2の変化量(%)がそれぞれ+10%〜−10%の範囲で、かつ、
k1およびk2の変化する方向の符号が逆の場合、k1およびk2の変化量(%)における絶対値の和が10%以内である。
コングルエント組成の原料を用い、高周波誘導加熱炉によってチョクラルスキー法により直径6インチのLT単結晶の育成を行った。育成雰囲気は、酸素濃度約2%の窒素−酸素混合ガスである。
高周波出力操作量X=0.010×(1497.5−1498.7)
−0.21×(−0.08)=「+0.005」
が求められ、2回目の高周波出力は(7.405+0.005=7.410mV)となる。
(1)前回のシーディング操作履歴から、おおよその最適温度を目標温度として定める。
(2)そして、坩堝底温度を上記目標温度(おおよその最適温度)に安定化させる。
(3)次いで、シーディング操作を行い、上述したメニスカスの状態を確認する。
(4)メニスカスの状態から目標温度を結晶育成に適した最適温度に補正する。
(5)目標温度(結晶育成に適した最適温度)が定まった状態から、以下、上記実施例の高周波出力操作を繰り返して坩堝底温度を目標温度(結晶育成に適した最適温度)に安定化させる。
数式(2)[係数a=k1×(高周波出力)]、および、
数式(3)[係数b=k2×(高周波出力)2]で表記したとき、
k1=0.00137、k2=−0.00375の数値に基づいて算出しているが、
k1およびk2の変化量(%)がそれぞれ+10%〜−10%の範囲で、かつ、
k1およびk2の変化する方向の符号が逆の場合、k1およびk2の変化量(%)における絶対値の和が10%以内の条件を満たす場合においても略同様の効果が得られている。
k2=−0.00423(+10%)
および、k1=0.00144(+5%)
k2=−0.00356(−5%)
としても同様の効果が得られている。
コングルエント組成の原料を用い、高周波誘導加熱炉によってチョクラルスキー法により直径6インチのLT単結晶の育成を行った。育成雰囲気は、酸素濃度約2%の窒素−酸素混合ガスである。
高周波出力操作量X=0.012×(1476.5−1475.1)
−0.28×(+0.04)=「+0.006」
が求められ、2回目の高周波出力は(8.660+0.006=8.666mV)となる。
コングルエント組成の原料を用い、高周波誘導加熱炉によってチョクラルスキー法により直径6インチのLT単結晶の育成を行った。育成雰囲気は、酸素濃度約2%の窒素−酸素混合ガスである。
高周波出力操作量X=0.018×(1404.9−1408.2)
−0.63×(−0.15)=「+0.035」
が求められ、2回目の高周波出力は(12.950+0.035=12.985mV)となる。
b 保温材(耐火物)
c 単結晶用原料
d 坩堝
e 高周波加熱コイル
f 種結晶
g 引き上げ軸
h 単結晶
Claims (2)
- 炉体内の坩堝を高周波誘導加熱により発熱させて坩堝内の単結晶用原料を加熱溶融し、該原料融液に種結晶を接触させる回転引き上げ法により酸化物単結晶を育成する方法であって、坩堝底温度を目標温度に安定化させる高周波出力の操作方法において、
高周波出力の操作量をX、坩堝底の目標温度をY1、操作時の坩堝底温度をY2、1分間当たりの坩堝底温度の上昇あるいは下降量をZとしたとき、下記数式(1)より高周波出力の操作量Xを算出して高周波出力を操作する第一工程と、
X=a(Y1−Y2)+bZ (1)
上記数式(1)において(Y1−Y2)=0、および、Z=0となる条件が満たされるまで任意の制御周期Tで上記第一工程を繰り返す第二工程を具備し、かつ、
上記数式(1)の係数aおよび係数bが、下記数式(2)および数式(3)より算出されると共に、 係数a=k1×(高周波出力) (2)
係数b=k2×(高周波出力)2 (3)
k1=0.00137、k2=−0.00375としたとき、
k1およびk2の変化量(%)がそれぞれ+10%〜−10%の範囲で、かつ、
k1およびk2の変化する方向の符号が逆の場合、k1およびk2の変化量(%)における絶対値の和が10%以内であることを特徴とする高周波出力の操作方法。 - 上記酸化物単結晶が、タンタル酸リチウム単結晶およびニオブ酸リチウム単結晶のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の高周波出力の操作方法。
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CN111195731A (zh) * | 2020-01-10 | 2020-05-26 | 上海电气集团股份有限公司 | 一种底孔式坩埚感应熔炼气雾化制粉装置及方法 |
WO2022047822A1 (zh) * | 2020-09-03 | 2022-03-10 | 天通控股股份有限公司 | 一种大尺寸钽酸锂晶体的制备方法 |
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