JP2008254946A - 単結晶製造装置、単結晶材料、電子部品並びに単結晶の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】結晶欠陥の少ない高品質の単結晶を製造することが可能な単結晶製造装置、該単結晶製造装置を用いて製造される単結晶材料、電子部品並びに単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】単結晶の原料102が収容される金属ルツボ101と、該金属ルツボ101を高周波加熱する加熱手段(高周波誘導加熱コイル103、高周波加熱電源104)と、電磁シールド109でシールドされ前記金属ルツボ101の温度を熱電対110で検出する温度センサーと、前記金属ルツボ101の原料融液102から単結晶107を成長させる単結晶成長手段と、前記加熱手段を制御する制御手段である温度調節器111とを備え、前記温度調節器111は、前記温度センサーの検出信号に基づいて、前記加熱手段を制御して単結晶成長過程における前記原料融液102の温度調整を行う。
【選択図】図2
【解決手段】単結晶の原料102が収容される金属ルツボ101と、該金属ルツボ101を高周波加熱する加熱手段(高周波誘導加熱コイル103、高周波加熱電源104)と、電磁シールド109でシールドされ前記金属ルツボ101の温度を熱電対110で検出する温度センサーと、前記金属ルツボ101の原料融液102から単結晶107を成長させる単結晶成長手段と、前記加熱手段を制御する制御手段である温度調節器111とを備え、前記温度調節器111は、前記温度センサーの検出信号に基づいて、前記加熱手段を制御して単結晶成長過程における前記原料融液102の温度調整を行う。
【選択図】図2
Description
本発明は、単結晶製造装置に係り、特に高周波誘導加熱によって金属ルツボおよび原料融液を加熱して結晶成長を行なう単結晶製造装置、該単結晶製造装置を用いて製造される単結晶材料、電子部品並びに単結晶の製造方法に関するものである。
従来、LN(ニオブ酸リチウム:LiNbO3 )やLT(ニオブ酸タンタル:LiTaO3 )あるいはNd:YAG(Nd3+ :Y3 Al5 O12 )等の高融点酸化物単結晶材料の大型結晶は、通常、回転引上げ(CZ)法により製造されている。また、これ等の原料は一般に融点が高いことから、この製造方法に適用されるルツボには白金やイリジウム等高融点の金属ルツボが使用され、該金属ルツボを高周波加熱することにより原料融液としている。
図1は従来の単結晶製造装置を示したものである。
金属ルツボ201および単結晶原料202は高周波誘導加熱コイル203の内側に設置されており、この高周波誘導加熱コイル203へ高周波加熱電源204から高周波電流を印加することで、金属ルツボ201および単結晶原料202が加熱され、単結晶原料202を高温状態に保持して融液とし、液面に配置した種結晶205を液面に接触させてから、引上げ軸206で徐徐に引上げることで単結晶207を成長させることができる。このとき、引上げ軸206には重量変化を計測するためのロードセル208が取りつけてあり、重量の変化分を計測して、設定値との差分がゼロになるように高周波加熱電源204の出力電力を調整するための調節器209が、ロードセル208および高周波加熱電源204に接続されていることで、成長する単結晶の直径を調節できるようになっている。
金属ルツボ201および単結晶原料202は高周波誘導加熱コイル203の内側に設置されており、この高周波誘導加熱コイル203へ高周波加熱電源204から高周波電流を印加することで、金属ルツボ201および単結晶原料202が加熱され、単結晶原料202を高温状態に保持して融液とし、液面に配置した種結晶205を液面に接触させてから、引上げ軸206で徐徐に引上げることで単結晶207を成長させることができる。このとき、引上げ軸206には重量変化を計測するためのロードセル208が取りつけてあり、重量の変化分を計測して、設定値との差分がゼロになるように高周波加熱電源204の出力電力を調整するための調節器209が、ロードセル208および高周波加熱電源204に接続されていることで、成長する単結晶の直径を調節できるようになっている。
上記の従来型単結晶製造装置においては、計測された単結晶の重量変化から高周波加熱電源の出力電力量を調整することで、原料融液の温度を変化させ単結晶の析出重量を調整していた。この場合、単結晶の析出重量をフィードバック値として、高周波加熱電源の出力電力の調整値として使用するために、単結晶の析出重量を設定値に制御することは可能でも、原料融液の温度を安定に制御しているわけでは無い。例えば結晶の析出量を一定に制御している場合には、設定値を中心として高周波出力電力量が増減しているために、原料融液温度は常に変動していた。結晶が析出して単結晶化する場合には、原料融液が変動することで結晶成長面が原子レベルで荒れた状態となりやすく、これが結晶欠陥の発生要因となる。原料融液の変動によって生じた不斉一な結晶成長により、微小な結晶方位のずれ−いわゆる小傾角粒界や、結晶成長方向に周期的に微視的な結晶欠陥の密集が発生する、いわゆるストリエーションのような結晶欠陥が発生し、単結晶の品質を低下させる原因となっていた。
ところで、特許文献1では、高周波加熱による単結晶製造装置において、原料温度を測定するための温度センサーを金属ルツボの底部に設けるとともに、この温度センサーにより測定された温度に基づいて原料の融解状態を検出する構成が開示されている。
しかしながら、この単結晶製造装置においても温度センサーによって検出できるのは原料の融解終了時点までであり、結晶成長過程においてはその温度センサーによる制御はできなかった。
しかしながら、この単結晶製造装置においても温度センサーによって検出できるのは原料の融解終了時点までであり、結晶成長過程においてはその温度センサーによる制御はできなかった。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、結晶欠陥の少ない高品質の単結晶を製造することが可能な単結晶製造装置、該単結晶製造装置を用いて製造される単結晶材料、電子部品並びに単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、単結晶の原料が収容される金属ルツボと、該金属ルツボを高周波加熱する加熱手段と、電磁シールドでシールドされ前記金属ルツボの温度を検出する温度センサーと、前記金属ルツボの原料融液から単結晶を成長させる単結晶成長手段と、前記加熱手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記温度センサーの検出信号に基づいて、前記加熱手段を制御して単結晶成長過程における前記原料融液の温度調整を行うことを特徴とする単結晶製造装置である。
ここで、前記制御手段は、前記温度センサーの検出信号と前記原料融液の過飽和度を一定に保つための設定値との差分から前記加熱手段への電源出力を調整することが好ましい。
また、前記単結晶成長手段は、引上げ法によるものであるとよく、あるいはフラックス中成長を行うものであるとよい。
また前記課題を解決するために提供する本発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の単結晶製造装置を用いて製造されてなることを特徴とする単結晶材料である。
さらに前記課題を解決するために提供する本発明は、請求項5に記載の単結晶材料を使用して製造されてなることを特徴とする電子部品である。
また前記課題を解決するために提供する本発明は、高周波加熱される金属ルツボ内の原料融液から単結晶を製造する単結晶の製造方法において、前記金属ルツボに取り付けられた温度センサーで検出される温度に基づいて、前記単結晶成長中の前記原料融液の温度調整を行うことを特徴とする単結晶の製造方法である。
本発明の効果として、請求項1〜4の発明によれば、高周波誘導加熱により加熱される金属ルツボに取り付けられた温度センサーによって、精度よく金属ルツボひいては原料融液の温度検出ができ、該金属ルツボ及び原料融液の温度調節を行なうために、原料融液の温度変動の発生を抑制することができる。したがって、不斉な結晶成長による結晶欠陥の発生を低減し、高品質な単結晶の製造を行なう単結晶製造装置を提供することが可能になる。また、単結晶の析出重量を計測するロードセルが必要ないために、安価な設備とすることができる。
また請求項5の発明によれば、結晶欠陥の少ない高品質の単結晶材料を提供することができる。
請求項6の発明によれば、結晶欠陥の少ない単結晶材料を用いることができるので歩留まりのよい、高品質で信頼性の高い電子部品を提供することができる。
請求項7の発明によれば、高周波誘導加熱により加熱される金属ルツボに取り付けられた温度センサーによって、精度よく金属ルツボひいては原料融液の温度検出ができ、該金属ルツボ及び原料融液の温度調節を行なうために、原料融液の温度変動の発生を抑制することができる。したがって、不斉な結晶成長による結晶欠陥の発生を低減し、高品質な単結晶の製造を行なうことが可能になる。
また請求項5の発明によれば、結晶欠陥の少ない高品質の単結晶材料を提供することができる。
請求項6の発明によれば、結晶欠陥の少ない単結晶材料を用いることができるので歩留まりのよい、高品質で信頼性の高い電子部品を提供することができる。
請求項7の発明によれば、高周波誘導加熱により加熱される金属ルツボに取り付けられた温度センサーによって、精度よく金属ルツボひいては原料融液の温度検出ができ、該金属ルツボ及び原料融液の温度調節を行なうために、原料融液の温度変動の発生を抑制することができる。したがって、不斉な結晶成長による結晶欠陥の発生を低減し、高品質な単結晶の製造を行なうことが可能になる。
以下に、本発明に係る単結晶製造装置の構成について説明する。なお、本発明を図面に示した実施形態をもって説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、実施の態様に応じて適宜変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
図2は、本発明に係る単結晶製造装置の一実施の形態における構成を示す概略図であり、所謂引上げ法(CZ法)による単結晶製造装置の構成を示したものである。
本発明に係る単結晶製造装置は、単結晶材料102を保持するインジウムなどからなる金属ルツボ101と、金属ルツボ101の底部に配置され該金属ルツボ101の温度を検出する温度センサーの一態様である熱電対110と、熱電対110を電気的に保護する電磁シールド109と、金属ルツボ101外周を囲んだ保温・断熱材112と、金属ルツボ101を取り囲むように配置された高周波誘導加熱コイル103及び金属ルツボ101を高周波誘導加熱するために高周波誘導加熱コイル103に高周波電流を印加する高周波加熱電源104からなる加熱手段と、熱電対110の出力電圧が制御電圧として入力され、高周波加熱電源104の出力電流を調整する温度調節器111と、一端に種結晶105が取り付けられた引上げ軸106と、該引上げ軸106を回転させながら引き上げる(すなわち種結晶105及び単結晶107を回転させながら引き上げる)引上げ機構(図示せず)とを備えている。
本発明に係る単結晶製造装置は、単結晶材料102を保持するインジウムなどからなる金属ルツボ101と、金属ルツボ101の底部に配置され該金属ルツボ101の温度を検出する温度センサーの一態様である熱電対110と、熱電対110を電気的に保護する電磁シールド109と、金属ルツボ101外周を囲んだ保温・断熱材112と、金属ルツボ101を取り囲むように配置された高周波誘導加熱コイル103及び金属ルツボ101を高周波誘導加熱するために高周波誘導加熱コイル103に高周波電流を印加する高周波加熱電源104からなる加熱手段と、熱電対110の出力電圧が制御電圧として入力され、高周波加熱電源104の出力電流を調整する温度調節器111と、一端に種結晶105が取り付けられた引上げ軸106と、該引上げ軸106を回転させながら引き上げる(すなわち種結晶105及び単結晶107を回転させながら引き上げる)引上げ機構(図示せず)とを備えている。
ここで、単結晶材料102は、例えば希土類酸化物、バナジウム酸化物及び添加元素を混合焼結したものであり、金属ルツボ101内で加熱されて原料融液となる。ここで用いられる希土類酸化物は、酸化ガドリニウム(Gd2O3)または酸化イットリウム(Y2O3)であり、バナジウム酸化物は、五酸化バナジウム(V2O5)である。また、添加元素としては、酸化ネオジウム(Nd2O3)、酸化エルビウム(Er2O3)などが挙げられる。ここで、希土類元素としてガドリニウムを使用した場合には成長させる単結晶は所謂バナジン酸ガドリニウムとなり、希土類元素としてイットリウムを使用した場合には成長させる単結晶はバナジン酸イットリウムとなる。
種結晶105は、単結晶材料102と同一組成でa軸方向に結晶成長させた棒状単結晶である。
電磁シールド109は、耐熱性の導体からなりアース電位となるように接地されたものであり、前記加熱手段駆動時の高周波電流による誘導ノイズから熱電対110を保護する。なお、図2では温度センサーを金属ルツボ101の底部に設置しているが、金属ルツボ101の温度を検知して原料融液102の表面温度を制御できる限り設置箇所はこれに限定されず、任意の箇所で良い。
温度調節器111は、温度センサー(熱電対110)の検出信号に基づいて加熱手段による金属ルツボ101の加熱を制御する制御手段である。詳しくは、金属ルツボ101の近傍に設置された熱電対110により金属ルツボ101および単結晶原料102の温度変化を検知し、温度調節器111は熱電対110の検出信号の設定値に対する差分から(熱電対110の検出信号(制御電圧)が設定値となるように)高周波加熱電源104の出力電流を調整して金属ルツボ101を高周波加熱することで、金属ルツボ101および単結晶原料102の温度調整を行なう。なお、このときの設定値とは、予め設定された、結晶成長過程での経過時間と金属ルツボ101の制御温度との関係における原料融液の過飽和度を一定に保つためのプロファイル曲線あるいはテーブルから読み取られる値である。
本発明の単結晶製造装置では、次の手順で単結晶の製造を行う。
(S11)所定雰囲気(分圧比率として1パーセント以下とした酸素と残りを不活性ガスとした混合雰囲気)下において、金属ルツボ101を高周波誘導加熱によって加熱して該金属ルツボ101内の単結晶材料102を溶解し融点近くの温度に保持する。
(S12)ついで種結晶105を単結晶材料(原料融液)102の液面に接触させる。
(S13)同時に、徐々に高周波誘導電力を低下させて液面の温度を降下させる。このとき、温度調節器111は、熱電対110の検出信号と設定値に基づいて高周波加熱電源104の出力電流を調整する。
(S14)その後、単結晶の析出が開始され、引上げ機構により種結晶105及び単結晶107を回転させながら一定速度で鉛直方向へ引上げて単結晶107を成長させる。
(S15)その後、温度調節器111は、熱電対110の検出信号と設定値に基づいて高周波誘導電力を徐々に低下させることで原料融液102の温度を低下させ、結晶の析出が継続するように調整する。
(S16)所定の長さまで引上げたところで、成長した単結晶107を原料融液102から切り離し、室温まで徐冷した後に成長した高品質の単結晶107を得る。
(S11)所定雰囲気(分圧比率として1パーセント以下とした酸素と残りを不活性ガスとした混合雰囲気)下において、金属ルツボ101を高周波誘導加熱によって加熱して該金属ルツボ101内の単結晶材料102を溶解し融点近くの温度に保持する。
(S12)ついで種結晶105を単結晶材料(原料融液)102の液面に接触させる。
(S13)同時に、徐々に高周波誘導電力を低下させて液面の温度を降下させる。このとき、温度調節器111は、熱電対110の検出信号と設定値に基づいて高周波加熱電源104の出力電流を調整する。
(S14)その後、単結晶の析出が開始され、引上げ機構により種結晶105及び単結晶107を回転させながら一定速度で鉛直方向へ引上げて単結晶107を成長させる。
(S15)その後、温度調節器111は、熱電対110の検出信号と設定値に基づいて高周波誘導電力を徐々に低下させることで原料融液102の温度を低下させ、結晶の析出が継続するように調整する。
(S16)所定の長さまで引上げたところで、成長した単結晶107を原料融液102から切り離し、室温まで徐冷した後に成長した高品質の単結晶107を得る。
ついで、得られた単結晶107の材料から、所定サイズに切り出して、レーザー発信器などの電子部品として使用する。
なお、ここでは引上げ法による単結晶成長への応用例で説明したが、フラックス中で結晶成長を行なう、いわゆるTSSG(Top Seeded Solution Growth)法などへの応用も同様に、結晶欠陥の少ない高品質な単結晶を製造することが可能となる。
以下に、本発明の単結晶製造装置で実際に単結晶材料を製造した例を説明する。
(実施例1)
図2の単結晶製造装置を用いて、以下の条件で単結晶材料を製造した。
まず、金属ルツボ101として、融点約2400℃である直径約φ60mm、高さ約60mmのイリジウムルツボを使用し、その中には単結晶原料102として融点約1780℃であるバナジン酸ガドリニウムを収容した。また、高周波加熱電源104として、十分な電力容量を持たせて単結晶原料102を融解させるために、周波数9メガヘルツ、最大出力20キロワットのものを使用した。
(実施例1)
図2の単結晶製造装置を用いて、以下の条件で単結晶材料を製造した。
まず、金属ルツボ101として、融点約2400℃である直径約φ60mm、高さ約60mmのイリジウムルツボを使用し、その中には単結晶原料102として融点約1780℃であるバナジン酸ガドリニウムを収容した。また、高周波加熱電源104として、十分な電力容量を持たせて単結晶原料102を融解させるために、周波数9メガヘルツ、最大出力20キロワットのものを使用した。
温度センサーとしての熱電対110には最高使用温度が1820℃であるJIS−B型規格の白金ロジウム熱電対を使用し、これを電磁シールド109としてアース電位に接続された白金ロジウム合金製のパイプで被覆して、電磁シールド効果をもたせることで高周波電流による誘導ノイズから保護した。さらに、電磁シールド109である白金ロジウム合金パイプが金属ルツボ101に接触して融着するのを防止するために、融点2000℃のアルミナパイプで覆うことで保護した。本実施例では、金属ルツボ101の底面から、熱電対保護被覆部(アルミナパイプ)先端までの距離を2mmとした。
このようにして熱的、電気的に保護された熱電対110の出力電圧を、PID制御機能を具えた温度調節器111の制御入力端子に接続し、温度調節器111からは電流出力4〜20ミリアンペアの制御出力で、高周波加熱電源104の出力を0〜100パーセントの範囲で調整できるようにした。
本実施例においては、高周波誘導加熱によって加熱された金属ルツボ101の近傍に熱電対110を設置することで、金属ルツボ101および単結晶原料102の温度変化を検知し、温度調節器111の設定値に対する差分から高周波加熱電源104の出力を調整することで、金属ルツボ101および単結晶原料102の温度調整を行なうようにした。この構成で実測したところ、熱電対制御設定温度を1700℃としたときに、温度のふらつきは1700℃±0.2℃以内であった。またこのとき、原料融液102は1780℃の成長温度で制御されている。
図3に、本実施例の単結晶製造装置によりバナジン酸ガドリニウム単結晶を引上げ法により製造を行なった場合の設定温度プロファイル例を示す。毎分約5回転の回転速度で種結晶を回転させながら、これを液面に着下した後、毎時約5ミリメートルの一定速度で引き上げを行なった。種結晶105が原料融液102の液面に接触した直後には、直径が拡大するように、毎時約5℃の割合で金属ルツボ101および原料融液102を2時間冷却した。ついで単結晶107の直径が約25ミリメートルに達した後には、毎時約10℃の割合で金属ルツボ101および原料融液102を冷却しながら、約5時間の引上げ成長を行なった。熱電対110の検出結果より、実際の温度プロファイルは図3のプロファイルに対して±0.2℃以内に収まっていた。
このような成長条件で約75グラムの単結晶ブールを作成することができた。
このような成長条件で約75グラムの単結晶ブールを作成することができた。
従来の単結晶製造装置において、高周波誘導加熱によって金属ルツボを加熱し単結晶原料を溶融させる場合には、高周波出力値の制御のみであったため金属ルツボの温度を一定に保つことは難しい。特に単結晶成長では過飽和度を一定に保つことが、結晶成長面の均一な成長を得るための重要な要素となるので、融液温度のふらつきを最小限に抑えることが重要である。従って、本実施例の単結晶製造装置では、上記のように原料融液の温度を高い精度で制御できるために、結晶欠陥の発生を抑制した、品質の高い単結晶を得ることができる。
図4に、本実施例の単結晶製造装置(図2)で育成したバナジン酸ガドリニウム単結晶(図4(a))と、従来例の単結晶製造装置(図1)で育成したバナジン酸ガドリニウム単結晶の比較例(図4(b))を示す。従来例の単結晶製造装置で結晶育成を行なった場合には、単結晶の重量変化を検出して高周波誘導加熱電源の出力を制御する方式であるために、成長した単結晶の直径は比較的均一であるが、融液温度を制御しているのでは無いために不斉一な結晶成長が起こり、不連続な結晶成長核の発生による小傾角粒界と呼ばれる結晶欠陥が観察された。一方、本実施例の単結晶製造装置を用いて単結晶成長を行なった場合には、従来例のような小傾角粒界の発生は観察されず均一な単結晶材料となっていた。
101,201・・・金属ルツボ、102,202・・・単結晶材料(原料融液)、103,203・・・高周波誘導加熱コイル、104,204・・・高周波加熱電源、105,205・・・種結晶、106,206・・・引上げ軸、107,207・・・単結晶、109・・・電磁シールド、110・・・熱電対、111・・・温度調節器、112・・・保温・断熱材、208・・・ロードセル、209・・・比較調節器
Claims (7)
- 単結晶の原料が収容される金属ルツボと、該金属ルツボを高周波加熱する加熱手段と、電磁シールドでシールドされ前記金属ルツボの温度を検出する温度センサーと、前記金属ルツボの原料融液から単結晶を成長させる単結晶成長手段と、前記加熱手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記温度センサーの検出信号に基づいて、前記加熱手段を制御して単結晶成長過程における前記原料融液の温度調整を行うことを特徴とする単結晶製造装置。 - 前記制御手段は、前記温度センサーの検出信号と前記原料融液の過飽和度を一定に保つための設定値との差分から前記加熱手段への電源出力を調整することを特徴とする請求項1に記載の単結晶製造装置。
- 前記単結晶成長手段は、引上げ法によるものであることを特徴とする請求項1に記載の単結晶製造装置。
- 前記単結晶成長手段は、フラックス中成長を行うものであることを特徴とする請求項1に記載の単結晶製造装置。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の単結晶製造装置を用いて製造されてなることを特徴とする単結晶材料。
- 請求項5に記載の単結晶材料を使用して製造されてなることを特徴とする電子部品。
- 高周波加熱される金属ルツボ内の原料融液から単結晶を製造する単結晶の製造方法において、
前記金属ルツボに取り付けられた温度センサーで検出される温度に基づいて、前記単結晶成長中の前記原料融液の温度調整を行うことを特徴とする単結晶の製造方法。
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