JP2018052095A - ロール状刻印及びこれを用いた箔転写装置並びに箔転写方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1は、文字、記号又は図形等(以下、文字等という)が彫刻された平板状の転写版を、転写箔が蒸着等されている転写シートを介して円筒形状から成る被転写物の外周面に加熱しながら押し当て、さらに被転写物を転写版に沿って転動させることにより、被転写物の側面に転写を行うローリング式の箔転写方法である。尚、被転写物を転動させる代わりに、平板状の転写版を水平に移動させても同様の転写が可能である。
彫刻部を走行する転写シートに設けられた転写箔に押し当てて被転写物に転写を行う転写用の刻印であって、彫刻部が円筒表面に形成されていることを特徴とする、と云うものである。
巻取モーターを非駆動状態に設定すると共に、ヒーターに対向配置されたロール状刻印を一定の速度で回転させて加熱する第1工程と、
回転を停止させてロール状刻印を所定の初期回転角度に位置決めする第2工程と、
被転写物の側面とロール状刻印の外周面とを圧接させ、これらの間に転写シートを挟み込む第3工程と、
圧接する状態を維持しながら被転写物を回転させると共に、被転写物の側面とロール状刻印の外周面との間の接圧が一定となるように被転写物の形状に倣いながらロール状刻印又は回転移動治具を互いに接近する方向及び離間する方向に往復移動させることにより、転写シートに積層された転写箔を被転写物の側面に転写する第4工程と、
転写シートを走行させ、被転写物に巻き付いている転写シートを被転写物から剥離させる第5工程と、を有することを特徴とする、と云うものである。
第1工程がバックテンションモーターを非駆動状態に設定する工程を含み、且つ第3工程の後に、バックテンションモーターを再駆動させ、転写シートに走行方向とは逆方向の張力を付与する工程を有する、と云うものである。
第3工程が、支持アームを延ばしたテンションガイドで転写シートを押し出すことにより、転写シートに強いテンションを付与する工程を有する、との手段を加えたものである。
し得る。
図1は本発明の箔転写方法に用いる箔転写装置の概略構成を示す平面図、図2は箔転写方法の一工程を示す平面図、図3は箔転写方法の他の一工程を示す平面図、図4は本発明であるロール状刻印の一実施例を示す斜視図、図5は図4に示すロール状刻印の正面図、図6は図5のロール状刻印によって転写された楕円筒状の被転写物を示し、Aは被転写物の平面図及びその正面図、Cは被転写物の平面図及びその側面図、図7は本発明の他の実施例としてのロール状刻印あり、彫刻部を展開した状態を示す正面図、図8は図7のロール状刻印によって転写された楕円筒状の被転写物を示し、Aは被転写物の平面図及び正面図、Cは被転写物の平面図及び側面図である。
ロール状刻印5は図示しないサーボモーターの回転シャフトに対し、同じく図示しないワンウェイクラッチ機構を介して回転可能に軸支された円柱状の取付け治具7の周囲に外挿された状態で固定されており、サーボモーターの動力を受けたときには一定の速度で回転することが可能となっている。ロール状刻印5が一定の速度で回転することにより、ヒーター6で加熱されるロール状刻印5の彫刻部5aに生じやすい温度ムラが抑制され、ひいては転写ムラの発生を抑制することが可能となっている。尚、サーボモーターは図示しないコントローラに接続されており、コントローラはプログラムやタッチパネルからの入力に応じてロール状刻印5の回転の開始時間や停止時間のタイマー制御、ロール状刻印5の回転角度の調整等を制御すことが可能となっている。
(1)第1工程(初期状態)
図1に示すように、ロール状刻印5が一定の速度で回転させられており、ロール状刻印5の外周面に生じやすい温度ムラが抑制されている。
尚、巻取モーター22は非駆動状態(停止状態)にあり、バックテンションモーター21は駆動されて、転写シート4に発生しやすい弛みを除去している。また回転移動治具8は、ロール状刻印5から離れる後方の退避位置に移動させられた状態にある。
この第1工程(初期状態)において、楕円筒状の被転写物9が回転移動治具8に搭載されているモーターの回転軸の先端部に装着される。
第2工程(転写開始)は、図示しないスタート用のスイッチをオンに設定することにより行う。
スイッチオンと同時に、サーボモーターの駆動が停止され、ロール状刻印5の回転を停止させて彫刻部5aが所定の停止位置に来るように制御される。これにより、被転写物9とロール状刻印5との相対的な位置決めが行われ、転写を被転写物9の彫刻部5aを所定の開始位置(又は初期回転角度)に設定することが可能となる。尚、ロール状刻印5の回転の停止は、サーボモーター自体を制御する方法以外に、ロール状刻印5に設けた位置決め用の部位(例えば図4に示すボルト7aなど)を外部センサーで検知して停止させる方法であっても良い。
尚、上述したように、ロール状刻印5はサーボモーターの回転シャフトにワンウェイクラッチ機構を介して回転可能に軸支される構成であるため、ロール状刻印5の回転を停止させてからこのロール状刻印5に被転写物9が接触するまでの間にロール状刻印5が若干動いて位置ずれを起こす場合が想定されるが、その場合には回転シャフトに矯正用のテンションベルトを架けて位置ずれを防止するようにすると良い。あるいはタイミングを計りながら図示しないエアシリンダー等を介して回転シャフトや図示しないプーリー等を強制的にクランプすることにより、位置ずれを防止するようにしても良い。
次に、図2に示すように、回転移動治具8を後方の退避位置からロール状刻印5に接近する前方の圧接位置に移動させ、被転写物9の側面でロール状刻印5の外周面(彫刻部5a)を圧接し、被転写物9の側面とロール状刻印5の外周面との間に転写シート4を挟み込む。
尚、同時に、押出機(アクチュエーター)10の支持アーム11を突出させてテンションガイド12で転写シート4を押し出す工程を有すことが好ましい。本工程を実行することにより、転写シート4に強いテンションを作用させて皺の発生を抑制することが可能となる。
次に、図3に示すように、回転移動治具8に搭載されているモーターを駆動させて被転写物9を図示時計回りに回転させる。すると、転写シート4の転写箔のうち、ロール状刻印5の彫刻部5aと接した部分が被転写物9の側面に接着するため、被転写物9の回転に連動して転写シート4を上流側から下流側に向かって送ることができる。この際、回転移動治具8はコントローラの制御によって被転写物9の形状に倣いながら前後方向に往復移動させられる。これにより、被転写物9の側面とロール状刻印5の彫刻部5aとの間の接圧が一定に維持され、且つ転写シート4を介して被転写物9の回転力をロール状刻印5に伝達することができる。すなわち、被転写物9の図示時計回りの回転に連動してロール状刻印5を図示反時計回りに回転させることができる。よって、転写シート4に積層されている転写箔を、被転写物9の側面の全周に亘ってロール状刻印5に彫刻されている彫刻部5aのとおりに転写(熱転写)することができる。
転写箔は被転写物9の側面に部分的に接着するため、転写シート4は被転写物9の回転にしたがって被転写物9の側面に一時的に巻き付くことがある。そこで、タイマー制御により巻取モーター22を所定時間だけ駆動させ、転写シート4を下流側に向かって強制的に走行させる。これにより、被転写物9の側面に巻き付いている転写シート4を巻取リール2で巻き取り、転写シート4を被転写物9の側面から剥離させることができる。
そして、上記第1乃至第5工程を繰り返すことにより、被転写物に対して連続的な転写を行うことができる。
ところで、ロール状刻印5の彫刻部5aが、特に細かい文字等である場合においては、バックテンションが作用している状態の転写シート4に被転写物9の側面を押し当ててロール状刻印5に圧接すると、被転写物9の側面に充分な押圧がかからず、転写された文字等に部分的な欠損や皺が発生したり、ロール状刻印5の彫刻部5aが損傷したりする虞がある。
そこで、ロール状刻印5の彫刻部5aが特に細かい文字等である場合には、ロール状刻印5の回転停止と共に、バックテンションモーターをも停止させた状態に設定し、被転写物9の側面をロール状刻印5に圧接させ、その後にバックテンションモーターの停止を解除し、バックテンションを復帰させる方法が好ましい。
すなわち、上記第1工程(初期状態)において、巻取モーターのみならず、バックテンションモーターをも非駆動状態(停止状態)に設定する(バックテンションレススタート)。
さらに押出機(アクチュエーター)10の支持アーム11を突出させてテンションガイド12で転写シート4を押し出し、転写シート4にされに強いテンションを作用させて皺の発生を抑制する。
続いて、上記第4工程及び第5工程を行うことにより、彫刻部5aが特に細かい文字等であっても、通常の文字等である場合同様、楕円筒状の側面を有する被転写物9に対しても転写ムラのない綺麗な転写を実現することができる。
尚、ロール状刻印5とヒーター6とを一体的なユニットUとして構成し、上述のコントローラの制御によってユニットUが被転写物9の形状に倣いながら前後方向に往復移動するようにすると、常にロール状刻印5の彫刻部5aに生じやすい温度ムラを抑制することができる点で好ましい。
2 : 巻取リール
3 : ガイド部材
3A : ガイドローラー
3B : ガイド支柱
4 : 転写シート
5 : ロール状刻印
5a : 彫刻部
6 : ヒーター
7 : 取付け治具
8 : 回転移動治具
9 : 被転写物
10 : 押出機(アクチュエーター)
11 : 支持アーム
12 : テンションガイド
21 : バックテンションモーター
22 : 巻取モーター
Claims (6)
- 彫刻部(5a)を走行する転写シート(4)に設けられた転写箔に押し当てて被転写物(9)に転写を行う転写用の刻印であって、
前記彫刻部(5a)が円筒表面に形成されていることを特徴とするロール状刻印。 - 円筒状の外周面に彫刻部(5a)が形成されて軸回りに回転駆動するロール状刻印(5)と、該ロール状刻印(5)の周囲に対向配置されて回転する前記ロール状刻印(5)を加熱するヒーター(6)と、被転写物(9)を回転駆動可能に保持する回転移動治具(8)と、前記ロール状刻印(5)と前記回転移動治具(8)との間に配置されて走行可能に設けられた長帯状の転写シート(4)と、前記転写シート(4)を走行方向に間欠的に巻き取る巻取モーター(22)と、前記走行方向とは逆方向の張力を前記転写シート(4)に付与可能とされたバックテンションモーター(21)と、を有する箔転写装置であって、
前記ロール状刻印(5)又は回転移動治具(8)が、前記被転写物(9)の側面とロール状刻印(5)の外周面との間の接圧を一定に維持しながら互いに接近する方向及び離間する方向に往復移動可能に設けられていることを特徴とする箔転写装置。 - 少なくとも、円筒状の外周面に彫刻部(5a)が形成されて軸回りに回転駆動するロール状刻印(5)と、該ロール状刻印(5)の周囲に対向配置されて回転する前記ロール状刻印(5)を加熱するヒーター(6)と、被転写物(9)を回転駆動可能に保持する回転移動治具(8)と、前記ロール状刻印(5)と前記回転移動治具(8)との間に走行可能に設けられた長帯状の転写シート(4)と、前記転写シート(4)を走行方向に間欠的に巻き取る巻取モーター(22)と、を用いる箔転写方法であって、
前記巻取モーター22を非駆動状態に設定すると共に、前記ヒーター(6)に対向配置されたロール状刻印(5)を一定の速度で回転させて加熱する第1工程と、
回転を停止させて前記ロール状刻印(5)を所定の初期回転角度に位置決めする第2工程と、
前記被転写物(9)の側面とロール状刻印(5)の外周面とを圧接させ、これらの間に前記転写シート(4)を挟み込む第3工程と、
前記圧接する状態を維持しながら前記被転写物(9)を回転させると共に、前記被転写物(9)の側面とロール状刻印(5)の外周面との間の接圧が一定となるように前記被転写物(9)の形状に倣いながら前記ロール状刻印(5)又は前記回転移動治具(8)を互いに接近する方向及び離間する方向に往復移動させることにより、前記転写シート(4)に積層された転写箔を前記被転写物(9)の側面に転写する第4工程と、
前記転写シート(4)を走行させ、前記被転写物(9)に巻き付いている前記転写シート(4)を前記被転写物(9)から剥離させる第5工程と、を有することを特徴とする箔転写方法。 - 走行方向とは逆方向の張力を転写シート(4)に付与可能とするバックテンションモーター(21)が設けられており、
第1工程がバックテンションモーター(21)を非駆動状態に設定する工程を含み、且つ第3工程の後に、バックテンションモーター(21)を再駆動させ、前記転写シート(4)に走行方向とは逆方向の張力を付与する工程を有する請求項3記載の箔転写方法。 - ロール状刻印(5)とヒーター(6)とを一体的なユニット(U)として構成した請求項3又は4記載の箔転写方法。
- 進退自在に設けられた支持アーム(11)の先端に設けたテンションガイド(12)を備える押出機(10)が設けられると共に、
第3工程が、前記支持アーム(11)を延ばした前記テンションガイド(12)で前記転写シート(4)を押し出すことにより、前記転写シート(4)に強いテンションを付与する工程を有する請求項3乃至5のいずれか一項に記載の箔転写方法。
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