JP2018051837A - 改質木材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 寸法安定性を損なうことなく耐久性や耐水性を良好とし、しかもホルムアルデヒドの放散がなく安全性に優れた木材を、短時間で簡便に得ることができる改質木材の製造方法を提供すること。【解決手段】 多価カルボン酸および糖類の水溶液を木材に含浸する工程と、多価カルボン酸および糖類の水溶液を含浸した木材を加熱加圧処理する工程と、を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、改質木材の製造方法に関する。
木材は、表面に浮き出た木目が美しく意匠性に優れており、しかも軽量かつ強度に優れ、調湿作用を備えることから、天然由来の優れた建材として利用されている。
その一方で、木材には、木材腐朽菌等の菌類による腐食、シロアリによる食害、乾燥による割れや吸湿による寸法安定性の低下等が生じることがあるので、耐久性に劣るという問題がある。
木材の耐久性を向上させるための技術としては、従来、防腐剤や防蟻剤等の種々の薬剤を改質剤として木材に注入する処理が行われている。だが、これまで木材に適用されてきた防腐剤や防蟻剤は、ヒ素化合物やクロム化合物等の極めて毒性の高い化合物を主成分とするものが多く、製造作業者等の健康被害が懸念されている。
また、木材の吸湿性の調整や、寸法安定性の向上を目的として、木材に樹脂組成物を注入し、加熱加圧硬化することにより、木材の改質と同時に圧密化を可能とする処理が行われている。樹脂組成物の基剤としては、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等の石油由来の熱硬化性樹脂が用いられている。
従来、これらの熱硬化性樹脂を基剤とする樹脂組成物には、硬化剤としてホルムアルデヒドが添加されてきた。近年、ホルムアルデヒドを含有する樹脂組成物を接着剤に用いて製造した木材や、樹脂組成物を注入した木材を建材として使用する場合に、居室空間内へのホルムアルデヒドの放散が問題となっている。そこで、様々な低減策が試みられているが、完全にホルムアルデヒドの放散を抑制することはできていない。ホルムアルデヒドを放散しない石油由来のイソシアネート系の接着剤も開発されているが、水分との反応や金属との結合等が課題となっており広くは普及していない。
こうした状況で、多価アルコールと多塩基酸を木材に含浸し、木材中のセルロースやリグニンを反応させ、木材中において、ホルムアルデヒドを含有していない熱硬化性樹脂組成物を生成させて、加熱硬化させることが提案されている(特許文献1、2参照)。
特許文献1では、水またはアルコールに多塩基酸と多価アルコール混合して得られる処理液を板状の木材に含浸し、湿潤状態で加熱加圧することで改質木材を製造することが提案されている。この方法では、処理液を反応させることによって生成する反応生成物が熱硬化性物質であり、これを硬化させることで、木材の表面に透明感を有し、深みと光沢を有する緻密な層を形成することができるとされている。木材の表面に緻密な層が形成されることにより、木材の耐摩耗性、耐クラック性および撥水性が向上するとされている。
また、特許文献2では、多価カルボン酸もしくはその誘導体と多価アルコールの混合物または縮合物と、防腐性、防カビ性、防蟻性のいずれかを示す薬剤を含む処理液に木材を含浸処理した後、加熱して改質木材を製造することが提案されている。この方法では、防腐性、防カビ性、防蟻性のいずれかを示す薬剤が、木材および/または処理液の反応性基に対する反応性を有している。
多価カルボン酸のカルボン酸基と、多価アルコールの水酸基および木材セルロースの水酸基との間にエステル結合を形成し、該エステル結合を有する熱硬化性樹脂を木材中にて生成することができるとされている。このような熱硬化性樹脂を含有する木材を加熱して、熱硬化性樹脂を硬化させることにより、木材に防腐性、防カビ性、防蟻性を付与することが可能とされている。
特開平1−182002号公報 特開平9−109112号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、木材の表面に透明かつ緻密な層が形成されるが、寸法安定性や耐久性に関する検討は必ずしも十分ではなかった。
また、特許文献2の方法では、防腐性、防カビ性、防蟻性を示す薬剤を添加することを必須としており、必ずしも単純な組成の処理液およびその反応生成物である熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物によって所望の効果が得られるのではないことが問題であった。さらに、特許文献2では、改質木材の耐久性や耐水性についての検討が不十分であることから更なる改善の余地が残されていた。
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、寸法安定性を損なうことなく耐久性や耐水性を良好とし、しかもホルムアルデヒドの放散がなく安全性に優れた木材を、短時間で簡便に得ることができる改質木材の製造方法を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の改質木材の製造方法は、多価カルボン酸および糖類の水溶液を木材に含浸する工程と、前記多価カルボン酸および糖類の水溶液を含浸した木材を加熱加圧処理する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の改質木材の製造方法によれば、寸法安定性を損なうことなく耐久性や耐水性を良好とし、しかもホルムアルデヒドの放散がなく安全性に優れた木材を、短時間で簡便に得ることができる。
以下に、本発明の改質木材の製造方法の一実施形態について詳細に説明する。
本実施形態では、改質木材の製造方法は、多価カルボン酸および糖類の水溶液を木材に含浸する工程と、多価カルボン酸および糖類の水溶液を含浸した木材を加熱加圧処理する工程と、を含む。
本実施形態では、まず第1の工程として、多価カルボン酸および糖類の水溶液を調製し、この水溶液を木材に含浸する。多価カルボン酸と糖類は水への溶解性が高く、水溶液とすることで、改質木材の基材である木材への含浸が容易になる。また、有機溶媒を用いないことから、人体への安全性を高いものとすることができる。さらに、多価カルボン酸と糖類が相溶状態にあることで、多価カルボン酸と糖類の変性が促進され、高分子の硬化物を形成し、優れた接着性が発現する。多価カルボン酸および糖類の水溶液を含浸した木材を加熱することにより、多価カルボン酸のカルボン酸基と、木材セルロースの水酸基との間にエステル結合を形成し、該エステル結合を有する熱硬化性樹脂を木材中にて生成することができる。
前記多価カルボン酸は、複数のカルボキシル基を有している化合物であれば、特に限定されない。多価カルボン酸は、文献によってはポリカルボン酸と表記される場合もある。
多価カルボン酸としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、マロン酸、フタル酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、グルタル酸(1,5−ペンタン二酸)、グルコン酸、グルタコン酸、ペンテン二酸等が挙げられる。多価カルボン酸としては、無水物も使用できる。
このうち、多価カルボン酸として、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸、セバシン酸、イタコン酸等は、植物を原料として製造しているため、好ましく用いられる。植物を原料とした場合、石油由来の樹脂化合物の使用を抑制することできるため、環境負荷を低減させつつ熱硬化性樹脂を得ることができる。多価カルボン酸は、一種単独で、または複数種を組み合わせて用いることができる。
前記糖類は、単糖および、単糖がグリコシド結合して構成された二糖、オリゴ糖、または多糖を意味する。単糖としては、例えば、フルクトース、リボース、アラビノース、ラムノース、キシルロース、デオキシリボース等が挙げられる。二糖としては、例えば、スクロース、マルトース、トレハロース、ツラノース、ラクツロース、マルツロース、パラチノース、ゲンチオビウロース、メリビウロース、ガラクトスクロース、ルチヌロース、プランテオビオース等が挙げられる。オリゴ糖としては、例えば、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖、スタキオース等が挙げられる。多糖としては、例えば、デンプン、アガロース、アルギン酸、グルコマンナン、イヌリン、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、グリコーゲン、セルロース等が挙げられる。糖類は、一種単独で、または複数種を組み合わせて用いることができる。
前記木材としては、有機溶剤やホルムアルデヒドを含有する接着剤を用いて製造された合板は好ましくない。また、多価カルボン酸および糖類の水溶液の含浸効率を考慮すると、角材よりも平板状の木材を用いることが好ましく考慮される。平板状の木材としては、例えば、ラワン、ベイスギ、マツ、シナ、ポプラ等の天然木の単板等を用いることが例示される。
木材中のセルロース分子は水酸基を多く有しており、親水性が高く、多価カルボン酸および糖類の水溶液との親和性が高い。また、木材中の水酸基と多価カルボン酸とがエステル化反応することにより、接着性の高い熱硬化性樹脂が生成される。さらに、多価カルボン酸および糖類の水溶液は、反応系内に有機溶剤やホルムアルデヒドを含まないのみならず、分解によってホルムアルデヒドを生じる第3級アミン等を含んでいない。そのため、熱硬化性樹脂組成物由来の有機溶剤やホルムアルデヒドの放散を抑制しやすくなる。
前記単板を改質木材の基材として用いる場合、前記多価カルボン酸および糖類の水溶液を含浸した後、一枚のみで使用してもよく、複数枚の単板を積層して、厚い積層板や角材状の集成材として用いることも可能である。
後述の第2の工程において、加熱加圧処理することにより、木材のセルロースと多価カルボン酸とのエステル化反応が生じ、反応生成物の熱硬化性樹脂が接着剤として機能し、複数枚の単板を相互に接着一体化することが可能となる。
本実施形態においては、前記多価カルボン酸および糖類の水溶液に、木材中の水酸基と多価カルボン酸とのエステル化反応の触媒を添加することが好ましく考慮される。木材中の水酸基と多価カルボン酸とのエステル化反応の触媒を用いることにより、多価カルボン酸および糖類の水溶液を用いて改質木材を製造する際に、寸法安定性を損なうことなく、耐久性や耐水性に優れたボードを得ることができる。
触媒は、エステル化反応の触媒であれば、特に制限されることはないが、例えば、硫酸アンモニウム、硫酸アルミニウム、パラトルエンスルホン酸、リン酸二水素ナトリウム等が例示される。これらの触媒は、一種単独で、または複数種を組み合わせて用いることができる。
また、触媒としては、比較的酸性の弱い塩を用いることで、基材である木材の強度が維持されることから、特に、触媒が硫酸アンモニウムであることが好ましく考慮される。硫酸アンモニウムは、人体への安全性が高いという観点からも好適に用いられる。
前記多価カルボン酸および糖類の水溶液において、多価カルボン酸と糖類の濃度は、例えば、5質量%以上10質量%以下であることが例示される。多価カルボン酸と糖類の濃度が、上記の範囲内であると、水溶液中における多価カルボン酸および糖類の濃度が均一となり、前記水溶液と木材中のセルロース分子とが満遍なく反応し、生成される熱可塑性樹脂の過浸透が生じにくくなる。また、熱硬化性樹脂の加熱硬化の際には水分の蒸発により温度上昇が遅くなりにくく、硬化が十分となりやすい。
また、前記多価カルボン酸および糖類の水溶液に前記触媒が添加されている場合も、多価カルボン酸と糖類および触媒の濃度は、例えば、水溶液において、5質量%以上10質量%以下であることが例示される。
上記第1の工程において、各原料の配合比率については、多価カルボン酸および糖類と触媒との合計量100質量部に対して、多価カルボン酸は20〜30質量部が好ましい。糖類は60〜80質量部が好ましい。触媒は0〜10質量部が好ましい。
前記多価カルボン酸と糖類の水溶液は、改質木材からの有機溶剤やホルムアルデヒドの放散が抑制されている限り、増粘剤、反応促進剤など他の成分を含有していてもよい。
上記第1の工程において、前記多価カルボン酸および糖類の水溶液を前記木材に含浸する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、前記多価カルボン酸および糖類の水溶液を木材にシャワー状に供給する方法や、前記水溶液が貯留された水槽に木材を浸漬する方法が例示される。多価カルボン酸および糖類の水溶液が貯留された水槽に木材を浸漬する場合、大気圧条件化で浸漬してもよいし、前記水溶液に木材を浸漬した状態で減圧あるいは加圧することによって木材の内部にまで均一に前記水溶液を含浸することも好ましく考慮される。
前記多価カルボン酸と糖類の水溶液の含浸率は、基材である前記木材の含浸後の質量を測定し、含浸前の質量に対する質量の増加率として求めることができる。含浸率は、例えば、90〜100%であることが好ましく考慮される。含浸率が上記の前記の範囲内であれば、木材の内部まで前記水溶液が完全に含浸し、得られる改質木材の耐久性、耐水性が所望の水準に達する。
本実施形態においては、上記第1の工程の後に、後述の第2の工程に先立って、前記多価カルボン酸、糖類の水溶液を含浸した木材を乾燥させることも好ましく考慮される。乾燥は、例えば、常態(気温20℃、湿度65%)で養生して気乾状態としてもよいし、指触乾燥状態でもよい。また、乾燥機等を用いて60〜120℃で加熱しつつ乾燥してもよい。
続く第2の工程では、第1の工程で得られた、多価カルボン酸および糖類の水溶液を含浸した木材を加熱加圧処理することにより、木材のセルロースと多価カルボン酸とのエステル化反応が生じ、反応生成物の熱硬化性樹脂が硬化して改質木材が得られる。
加熱加圧処理における成形圧力、成形温度、成形時間等は、基材となる木材の種類、形状や表面性状、厚さ等により適宜設定される。木材としての物性が低下しないことや、反応速度が低下しにくく硬化が十分となりやすいこと等を考慮すると、成形温度は140〜250℃が好ましい。成形温度が高ければ、加熱加圧処理に要する時間を短縮することができ、短時間で改質木材を得ることが可能となる。多価カルボン酸および糖類と木材中のセルロースの反応生成物と前記木材とを十分に圧着し、改質木材の強度を向上させることや、成形圧力が大きすぎず、木材の破壊が起こりにくいこと等を考慮すると、成形圧力は0.5〜4MPaが好ましい。
改質木材の強度、耐久性の指標としては、例えば、密度が例示される。改質木材の密度が高ければ、基材の木質繊維間に多価カルボン酸および糖類と木材中のセルロースの反応生成物が充填されて、改質木材の耐久性が向上するものと考えられる。
本実施形態においては、上記第2の工程において、多価カルボン酸および糖類の水溶液を含浸した木材を加熱加圧処理した後、処理後の木材の表面を研磨することも好ましく考慮される。前記多価カルボン酸および糖類の水溶液を含浸した木材を加熱加圧処理した木材の表面を研磨することにより、木材表面を平滑にすることができ、また、エステル反応により色調の変化した木目が明瞭に観察できるようになり、意匠性が向上する。
前記処理後の木材の表面を研磨する際には、従来公知の方法を適用することができ、例えば、サンドペーパーやグラインダー等を用いることが例示される。
以上に説明した本実施形態の改質木材の製造方法によれば、寸法安定性を損なうことなく耐久性や耐水性を良好とし、しかもホルムアルデヒドの放散がなく安全性に優れた木材を、短時間で簡便に得ることができる。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、表1に示す配合比は質量比を示す。
(実施例1)
25質量部の多価カルボン酸(クエン酸、和光純薬製)と、75質量部の糖類(スクロース、和光純薬製)とを水と混合した、固形分換算で濃度5質量%水溶液を調製した。この水溶液に、幅100mm×長さ200mm×厚さ2mmのポプラ単板(密度400kg/m)を浸漬し、シナ単板に水溶液を含浸した。
含浸後の単板における水溶液の含浸率が100%であることを確認し、乾燥機内において含浸後の単板を105℃、120分乾燥して水分を飛ばした。
次に、同様にして作成した水溶液含浸後のシナ単板を5枚積層した積層体を熱圧プレス機の熱盤間に配置して、温度240℃、圧力1.5MPa、時間2.5分の条件で加熱加圧成形し、厚さ5.5mmの改質木材を得た。この改質木材の密度は、600kg/mであった。
(実施例2)
水溶液の濃度を固形分換算で10質量%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして改質木材を得た。この改質木材の密度は、590kg/mであった。
(実施例3)
水溶液の配合を、多価カルボン酸22質量部、糖類75質量部、硫酸アンモニウム(和光純薬製)3質量部とし、水溶液の濃度を固形分換算で10質量%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして改質木材を得た。この改質木材の密度は、590kg/mであった。
(比較例)
比較例として、水溶液の含浸処理前のシナ単板を積層せずに、熱圧プレス機の熱盤間に配置して、温度240℃、圧力1.5MPa、時間2.5分の条件で加熱加圧成形し、厚さ1.1mmの木材を得た。この木材の密度は、500kg/mであった。
<評価>
[寸法変化]
作製した改質木材について、常態(気温20℃、湿度65%)で養生した後に、乾燥条件(気温40℃、湿度30%)および加湿条件(気温40℃、湿度90%)にしたときの寸法変化を測定した。
上記の評価結果を表1に示す。
Figure 2018051837
表1に示したとおり、多価カルボン酸および糖類の水溶液を含浸したシナ単板を積層して加熱加圧成形した実施例1〜3では、寸法変化を抑制することが確認された。
特に、多価カルボン酸および糖類の水溶液に触媒として硫酸アンモニウムを添加して作製した改質木材では、乾燥状態の寸法変化を0.4%にまで抑制することが確認された。
また、表1に示したとおり、実施例1〜3の改質木材では、比較例に比べて密度が高く、基材の木質繊維間に多価カルボン酸および糖類と木材中のセルロースの反応生成物が充填されて、改質木材の耐久性が向上したと考えられる。

Claims (4)

  1. 多価カルボン酸および糖類の水溶液を木材に含浸する工程と、
    前記多価カルボン酸および糖類の水溶液を含浸した木材を加熱加圧処理する工程と、
    を含むことを特徴とする改質木材の製造方法。
  2. 前記多価カルボン酸および糖類の水溶液を含浸した木材を加熱加圧処理した後、処理後の木材の表面を研磨することを特徴とする請求項1に記載の改質木材の製造方法。
  3. 前記カルボン酸および糖類の水溶液に、前記木材中の水酸基と前記多価カルボン酸とのエステル化反応の触媒を添加することを特徴とする請求項1または2に記載の改質木材の製造方法。
  4. 前記触媒が硫酸アンモニウムであることを特徴とする請求項3に記載の改質木材の製造方法。
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