JP2012045851A - 木質複合材の製造方法、及び木質複合材 - Google Patents

木質複合材の製造方法、及び木質複合材 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂と複合化していながら良好な木質感が維持され且つ高い耐久性を有する木質複合材が得られる木質複合材の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、第一の木質基材に熱硬化性樹脂液を含浸させた後に前記第一の木質基材を加熱・加圧する工程を含む。前記工程において前記第一の木質基材の含水率が15〜60質量%である状態でこの第一の木質基材に前記熱硬化性樹脂液を含浸させる。前記熱硬化性樹脂液が重量平均分子量1000以下の熱硬化性樹脂を含有し、且つ前記熱硬化性樹脂液の粘度が200mPa・s以下、固形分率が70質量%以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は木質複合材の製造方法、及びこの方法で製造される木質複合材に関する。
木材の物理的特性を改善するための手法として、従来、木材を化学修飾する手法、木材成分を変性させる手法、木材の細胞壁に樹脂を含浸させる手法などが検討されてきた。これらの中でも、特に木材の細胞壁に樹脂を含浸させる手法は含浸型WPC化処理とよばれている。含浸型WPC化処理は木材の硬度や寸法安定性を向上させることで木材の耐久性を向上させるために有効であり、一部実用化もされている。
含浸型WPC化処理では、木材の細胞壁中及び細胞壁内孔に樹脂が注入され、この樹脂が硬化することで木材と樹脂が複合化する。この含浸型WPC化処理では、木材中の道管や細胞壁内孔などの空隙が樹脂で充填され、更に細胞壁中にも樹脂がある程度含浸するため、木材の耐久性が向上する。含浸型WPC化処理は、木材への樹脂の含浸の仕方によって、次の二種類の手法に分類される。第一の手法では、ビニル系モノマーや不飽和ポリエステル、アクリル系オリゴマーなどが細胞壁中及び細胞壁内孔に含浸し、放射線照射や触媒加熱などの処理によって重合反応が生じる。第二の手法では、メラミン系、フェノール系等の樹脂が主に細胞壁中に含浸してから、熱により硬化する。
特公平07−121521号公報 特公平06−081684号公報
従来の含浸型WPC化処理における第一の手法では、木材に存在する道管や細胞壁内孔などの空隙が樹脂で充填され、更に細胞壁中にも樹脂がある程度含浸するため、木材の耐久性が大きく向上し得る。しかし、道管中が樹脂で充填されるため、処理後の木材には木質感が少なくなり、外観が樹脂に近くなってしまうといった問題があった。
従来の含浸型WPC化処理における第二の手法では、樹脂が主に細胞壁中に含浸するため、木材が本来有する外観があまり損なわれない。しかし、樹脂が細胞壁中に含浸するためには樹脂の粘度が低くなければならないため、溶媒によって希釈された固形分率の低い樹脂が木材に含浸することになる。このため、木材の樹脂含浸率を充分に高くすることが難しくなり、木材には充分な耐久性が付与されにくかった。
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、樹脂と複合化していながら良好な木質感が維持され且つ高い耐久性を有する木質複合材が得られる木質複合材の製造方法、及び木質複合材を提供することを目的とする。
本発明に係る木質複合材の製造方法は、熱硬化性樹脂の硬化物と複合化している第一の木質基材を備える木質複合材を製造する方法であって、前記第一の木質基材に熱硬化性樹脂液を含浸させた後に前記第一の木質基材を加熱・加圧する工程を含み、前記工程において前記第一の木質基材の含水率が15〜60質量%である状態でこの第一の木質基材に前記熱硬化性樹脂液を含浸させるものであり、前記熱硬化性樹脂液が重量平均分子量1000以下の熱硬化性樹脂を含有し、且つ前記熱硬化性樹脂液の粘度が200mPa・s以下、固形分率が70質量%以上である。
本発明においては、前記木質複合材が第二の木質基材を備えると共に前記第一の木質基材が前記第二の木質基材に接合しており、前記第一の木質基材が接合される前の前記第二の木質基材の密度が0.7g/cm以上であり、前記第二の木質基材に前記第一の木質基材を接合してから、前記第一の木質基材に前記熱硬化性樹脂液を含浸させ、これに続いて前記第一の木質基材を加熱すると共に加圧してもよい。
本発明においては、前記木質複合材が第二の木質基材を備えると共に前記第一の木質基材が前記第二の木質基材に接合しており、前記第一の木質基材が接合される前の前記第二の木質基材の密度が0.7g/cm以上であり、前記第二の木質基材に接合される前の前記第一の木質基材に前記熱硬化性樹脂液を含浸させてから、前記第一の木質基材と前記第二の木質基材とを、間に接着剤を介在させた状態で重ね、これに続いて前記第一の木質基材と第二の木質基材とを加熱すると共に加圧してもよい。
本発明においては、前記第一の木質基材に熱硬化性樹脂液を含浸させた後に前記第一の木質基材を加熱すると共に加圧してから、前記第一の木質基材に研磨処理又はブラッシング処理を施してもよい。
本発明に係る木質複合材は、前記方法で製造され、前記第一の木質基材の厚みが0.5mm以上、前記第一の木質基材の密度が0.8g/cm以上、前記第一の木質基材のブリネル硬度が25MPa以上、吸水膨潤率が10%以下である。
本発明によれば、樹脂と複合化していながら良好な木質感が維持され且つ高い耐久性を有する木質複合材が得られる。
本実施形態で製造される木質複合材は、第一の木質基材と、第二の木質基材とを備える。第一の木質基材は熱硬化性樹脂の硬化物と複合化しており、更に第一の木質基材は第二の木質基材に接合している。この木質複合材の製造にあたっては、第一の木質基材、第二の木質基材、及び熱硬化性樹脂液が使用される。尚、木質複合材は第二の木質基材を備えなくてもよい。例えば木質複合材は、熱硬化性樹脂の硬化物と複合化している第一の木質基材のみで構成されてもよい。
第一の木質基材の材質は木質材であれば特に制限されないが、樹脂が含浸しやすく、樹脂の硬化阻害を引き起こすような成分の含有量が少なく、更に含浸している樹脂の硬化中に割れなどの欠点が生じにくいような材質であることが好ましい。第一の木質基材の材質の好ましい具体例としては、床材の表面材に広く用いられている広葉樹であるブナ、ナラ、カバ、ウォールナット、針葉樹であるスギ、ヒノキ、マツなどが挙げられる。第一の木質基材は例えばこれらの木質材から形成される単板(木質単板)であってよい。
第一の木質基材の厚みは、特に制限されないが、0.2〜4.0mmの範囲であることが好ましい。第一の木質基材の密度は0.2〜0.7g/cmであることが好ましい。
第二の木質基材の材質も木質材であれば特に制限されないが、密度の高い材質であることが好ましく、特に第二の木質基材の密度が0.7g/cm以上であることが好ましい。第二の木質基材の密度が第一の木質基材よりも高いと、第二の木質基材に起因して木質複合材の硬度が低下することが抑制される。第二の木質基材の密度上限は特に制限されないが、一般的には1.4g/cm程度が好ましい。
このような密度が0.7g/cm以上の第二の木質基材の具体例としては、ユーカリ、ラミン、メランチ、チーク、マカンバ、クルイン、チーク、アカガシなどの密度が高い材料から形成された合板や、高密度のパーティクルボード、MDF、ハードボードなどが例示される。
第二の木質基材の厚みは特に制限されないが、第一の基材厚みに応じて、例えば9〜12mmの間で適宜設定される。第一の木質基材と第二の木質基材とを合計した厚みは、例えば木質複合材が一般的な木質材床材として使用される場合には10〜15mmの範囲であることが好ましく、12mm程度がより好ましい。
熱硬化性樹脂液は、重量平均分子量1000以下の熱硬化性樹脂を含有し、且つこの熱硬化性樹脂液の粘度が200mPa・s以下、固形分率が70質量%以上である。
この熱硬化性樹脂の重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフ(GPC)分析(カラム:TSKgel Super HM-H,溶離液:クロロホルム)により測定される。重量平均分子量1000以下の熱硬化性樹脂としては、特に限定はされないが、木材中の水酸基と親和性の高い樹脂であることが好ましく、特にイソシアネート系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂などが好ましい。イソシアネート系樹脂としては、MDI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート)、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)等が挙げられる。熱硬化性樹脂の重量平均分子量の下限は特に制限されず,低いほど好ましいが、実際上の下限は50である。
熱硬化性樹脂液は、粘度調整などのために、熱硬化性樹脂以外の成分を含有してもよい。例えば熱硬化性樹脂液は、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラエトキシシラン等のシラノール類、トルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチル、ジメチルスルホキシドなどを含有してもよい。
熱硬化性樹脂液の粘度は、この熱硬化性樹脂液が第一の木質基材に含浸する際において200mPa・s以下であればよい。例えば熱硬化性樹脂液が第一の木質基材に含浸する際に、熱硬化性樹脂液が加温されることによってその粘度が200mPa・s以下となっていてもよい。熱硬化性樹脂液の粘度の下限は特に制限されず,低いほど好ましいが、通常20mPa・s程度である。
熱硬化性樹脂液の固形分率の上限は特に制限されず、固形分率が100質量%、すなわち熱硬化性樹脂液が熱硬化性樹脂のみで構成されていてもよい。
本実施形態では、木質複合材を製造するにあたり、第一の木質基材に熱硬化性樹脂液を含浸させる。第一の木質基材に熱硬化性樹脂液を含浸させるための手法としては、第一の木質基材に熱硬化性樹脂液を塗布する方法が挙げられる。熱硬化性樹脂液の塗布方法としては、エアスプレー、ロールコート、カーテンフローコートなどが例示される。
第一の木質基材に熱硬化性樹脂液が含浸することによって、第一の木質基材の樹脂含有量が100g/m以上となることが好ましい。この樹脂含有量は、第一の木質基材と第二の木質基材との積層方向への投影面積に対する、第一の木質基材中の樹脂固形分量或いは加熱加圧処理後の第一の木質基材中の樹脂硬化物の量である。
第一の木質基材に熱硬化性樹脂液が含浸する際、第一の木質基材の含水率は15〜60質量%の範囲に調整される。これにより、第一の木質基材に熱硬化性樹脂液が含浸すると第一の木質基材が非常に可塑化しやすくなると共に、第一の木質基材と熱硬化性樹脂との反応性が大きく向上する。そのため、第一の木質基材が加熱加圧される場合により低圧下で第一の木質基材が緻密化する。また、熱硬化性樹脂の重合反応や熱硬化性樹脂と第一の木質基材との架橋反応が第一の木質基材へ熱硬化性樹脂液が含浸した直後から開始し、この反応は第一の木質基材が加熱加圧されることで更に促進するため、熱硬化性樹脂の硬化に要する時間が短縮される。
第一の木質基材の含水率について更に説明する。第一の木質基材のような木材中の水分は結合水と自由水に分けられる。木材の含水率が0〜30質量%の領域においては、水分は結合水として木材の細胞壁に吸着する。含水率が30質量%以上の領域においては、水分は自由水として細胞壁内孔に取り込まれ、木材の物理的性質に大きく影響しない。また、木材中の細胞壁では、セルロースが骨格要素となり、その周囲をヘミセルロース、リグニンが、充填成分として取り巻いている。木材が可塑化するには、この充填成分であるヘミセルロース、リグニンが熱により可塑化する必要がある。これらの充填成分の軟化温度は、木材中の含水率によって大きく変動し、例えば木材が完全に乾いた状態ではヘミセルロースの軟化温度は160〜200℃、リグニンの軟化温度は130〜230℃であるが、木材の含水率が30質量%以上で細胞壁に水分で充填されている状態ではヘミセルロースの軟化温度は−20〜60℃、リグニンの軟化温度は60〜130℃と大きく低下する。そのため、第一の木質基材が加熱加圧される場合、理論上では含水率0〜30%の領域において、含水率が高いほど第一の木質基材が低温で大きく可塑化し、第一の木質基材が容易に緻密化する。しかし、実際に第一の木質基材が加熱加圧される場合には熱盤などからの熱によって第一の木質基材中の水分が5〜10%程度蒸発してしまう。そのため、第一の木質基材が90〜150℃の温度範囲で加熱加圧される場合に、第一の木質基材が充分に可塑化するためには、第一の木質基材の含水量が15質量%以上である必要がある。一方、第一の木質基材が加熱加圧される際に含水率が高すぎると、第一の木質基材中で水蒸気が膨張して第一の木質基材が内部から破壊されてしまう、いわゆるパンクと呼ばれる現象が発生するおそれがあるため、第一の木質基材の含水率は60質量%以下である必要がある。
また、一般的に木材に樹脂や塗料を塗布する場合の適切な木材の含水率は8〜12質量%といわれており、この含水率が8質量%より低いと塗膜の耐久性が劣り、12質量%より高いと、塗膜付着性の低下、塗膜の発泡、木材の寸法の狂いや割れの発生、塗膜の白化、塗料の乾燥の遅れなどの、さまざまな問題が生じる。しかし、本実施形態では、含水率が15〜60質量%の範囲にある第一の木質基材に熱硬化性樹脂液が塗布されるなどして含浸した後、この第一の木質基材が加熱加圧されても、欠陥は生じにくい。本実施形態では、第一の木質基材が加圧されることにより緻密化し、この状態で第一の木質基材中の水分と熱とによって第一の木質基材中の熱硬化性樹脂同士の重合反応や熱硬化性樹脂と第一の木質基材との架橋反応が促進されることで、第一の木質基材の緻密化した状態が維持される。更に木材に樹脂や塗料が塗布されるだけの場合と比較して、樹脂の密着性が向上し、樹脂の発泡が抑制され、第一の木質基材の寸法の狂い・割れが抑制され、白化が抑制され、乾燥速度が向上するなどして、欠陥が生じにくくなる。そのため、一般的に好ましい条件ではないといわれている含水率が高い条件下においても、欠陥が生じにくくなり、熱硬化性樹脂液が塗布されることで第一の木質基材に含浸しても第一の木質基材の樹脂含浸率が高くなる。
第一の木質基材の含水率は、例えばスプレーやロールなどにより第一の木質基材に水分が付与されるなどして調整される。
熱硬化性樹脂液が第一の木質基材に更に含浸しやすくなるためには、熱硬化性樹脂液が第一の木質基材に含浸する前に第一の木質基材に適宜の前処理が施されてもよい。この前処理としては、例えば第一の木質基材にプレヒートを施すことで内部の空気を除去する処理、第一の木質基材の表面に機械加工を施すなどして通道性を向上する処理、第一の木質基材を加圧圧縮してから加圧力を解除して元の形状に回復させることでこの回復力を利用して樹脂の含浸性を向上する処理などが挙げられる。また熱硬化性樹脂液にも、加熱による低粘度化などの処理が施されてもよい。
本実施形態では熱硬化性樹脂液は、第一の木質基材が第二の木質基材と接合されていない状態で第一の木質基材に含浸してもよく、第一の木質基材が第二の木質基材と接合してから第一の木質基材に含浸してもよい。
第一の木質基材が第二の木質基材と接合してから熱硬化性樹脂液が第一の木質基材に含浸する場合には、例えばまず第一の木質基材が第二の木質基材に接着剤などで接着されて接合する。接着剤としては、特に限定されないが、例えば酢酸ビニル樹脂エマルション接着剤、水性高分子・イソシアネート系接着剤など、一般的な突板複合材用途に用いられる接着剤が挙げられる。続いて、第一の木質基材の第二の木質基材側とは反対側の面上に熱硬化性樹脂液が塗布されるなどして、第一の木質基材に熱硬化性樹脂液が含浸する。続いて熱盤などにより、第一の木質基材が第二の木質基材と共に、第一の木質基材と第二の木質基材の積層方向に加圧されると共に加熱される。これにより木質複合材が得られる。この場合、第一の木質基材が加熱加圧される際にはこの第一の木質基材が水分と熱により大きく可塑化されているため、加圧には第一の木質基材が選択的に圧縮変形され、これにより木質複合材の表面硬度が大幅に向上し得る。
第一の木質基材が第二の木質基材と接合されていない状態で熱硬化性樹脂液が第一の木質基材に含浸する場合には、例えばまず第一の木質基材の、第二の木質基材と重なることになる面とは反対側の面上に熱硬化性樹脂液が塗布されるなどして、第一の木質基材に熱硬化性樹脂液が含浸する。一方、第二の木質基材の、第一の木質基材と重なることになる面上に、接着剤が塗布される、続いて、第二の木質基材と第一の木質基材とが重ねられ、この状態で、熱盤などにより、第一の木質基材が第二の木質基材と共に、第一の木質基材と第二の木質基材の積層方向に加圧されると共に加熱される。これにより木質複合材が得られる。この場合、一回の加熱加圧工程で、木材単板と熱硬化性樹脂とが複合化すると同時に木材単板と第二の木質基材とが接合される。
尚、熱硬化性樹脂の硬化物と複合化された第一の木質基材のみで木質複合材が構成される場合には、例えば熱硬化性樹脂液が第一の木質基材に含浸した後、第一の木質基材のみが加熱加圧されることで、木質複合材が得られる。
上記のようにして木質複合材が製造されると、第一の木質基材に熱硬化性樹脂液が含浸する際、この熱硬化性樹脂液が含有する熱硬化性樹脂の重量平均分子量が1000以下であり且つこの熱硬化性樹脂液の粘度が200mPa・s以下であることから、熱硬化性樹脂液が第一の木質基材に非常に含浸しやすくなる。例えば第一の木質基材の厚みが0.5mm以上である場合には、第一の木質基材に、その投影面積に対して100g/m以上の割合で熱硬化性樹脂液が含浸することも可能となる。熱硬化性樹脂液の割合が前記のように100g/m以上となり、更に第一の木質基材の厚みが0.5mmであれば、第一の木質基材の乾燥質量に対する含浸率は約35質量%にもなる。一般的に木材の細胞壁中には水分が約25質量%吸着することが可能である。このため、第一の木質基材に含浸した熱硬化性樹脂液中の熱硬化性樹脂が全て細胞壁中の水酸基と反応すると仮定した場合、熱硬化性樹脂液が70質量%以上であると、理論上では第一の木質基材の細胞壁中の水酸基のほぼ全てが熱硬化性樹脂と反応可能であると考えられる。すなわち、重量平均分子量が1000以下の熱硬化性樹脂を含有し、粘度が200mPa・s以下であり、固形分が70質量%以上である熱硬化性樹脂液が第一の木質基材に塗布されることで第一の木質基材に含浸すると、熱硬化性樹脂液の割合が100g/m以上であり、第一の木質基材の厚みが0.5mm以上であれば、第一の木質基材の表層の厚み0.5mmの領域においては理論上では細胞壁中の水酸基がほぼ完全に熱硬化性樹脂液で置換されることも可能であり、これにより木質複合材の耐久性が非常に高くなる。
また、第一の木質基材に熱硬化性樹脂液が含浸すると、第一の木質基材の可塑性が高くなって圧縮されやすくなる。この第一の木質基材が加熱加圧されることで、第一の木質基材が加圧によって容易に圧縮されて緻密化する。更に第一の木質基材中の熱硬化性樹脂の重合反応が進行して、第一の木質基材と熱硬化性樹脂とが複合化する。このため、第一の木質基材は緻密化した状態で熱硬化性樹脂と複合化し、これにより第一の木質基材の硬度や寸法安定性が高くなり、耐久性が高くなる。
熱硬化性樹脂液が含浸している第一の木質基材が加熱加圧される際の加熱加圧条件は、熱硬化性樹脂の種類や、第一の木質基材の材質、含水率、厚みなどに応じて適宜設定されるが、特に処理後の第一の木質基材の密度が0.8g/cm以上となるような条件であることが好ましい。このためには、第一の木質基材の加熱温度が90〜200℃の範囲、加圧力が1〜10MPaの範囲、加熱加圧時間が30〜300秒の範囲で調整されることが好ましい。
本実施形態によれば、第一の木質基材が樹脂と複合化することにより高い耐久性を有する木質複合材が得られる。特にこのような樹脂との複合化により、第一の木質基材のブリネル硬度が25MPa以上となり、JIS Z2101に従う24時間吸水による寸法変化率(吸水膨潤率)が10%以下となることが好ましい。更に本実施形態によれば、このように第一の木質基材が樹脂と複合化しているにもかかわらず、研磨処理やブラッシング処理が施されなくても第一の木質基材の木質感が優れたものとなる。
加熱加圧された後の第一の木質基材には、更に研磨処理とブラッシング処理のうち少なくとも一方が施されてもよい。この場合、第一の木質基材の表面上に付着している熱硬化性樹脂が除去され、第一の木質基材の木質感が更に向上する。
研磨処理に用いられる装置としては、例えば研磨布紙を備える研磨機やブラスト処理装置などが挙げられる。研磨機における研磨布紙の番手は80〜240番手(#80〜#240)であることが好ましいが、これに限られず、樹脂の種類や第一の木質基材の材質などに応じて適宜設定される。
研磨処理においてブラスト処理装置が用いられる場合、砥粒としてはけい砂、アルミナ、ガラスビーズ、スチールショット、スチールグリッドなど適宜の粒子が用いられる。砥粒の粒子径は0.1〜0.3mmの範囲であることが好ましい。砥粒の噴射圧力は例えば0.1〜0.8MPaの範囲で調整される。これらの砥粒の種類、粒子径、噴射圧力などの処理条件は、熱硬化性樹脂の種類、第一の木質基材の材質などに応じて適宜設定される。
ブラッシング処理には、例えばブラシロールが使用される。ブラシロールとしては例えばワイヤーブラシやグリッドブラシが用いられる。ブラッシング処理の処理回数は1〜10回程度が好ましいが、熱硬化性樹脂の種類、第一の木質基材の材質などに応じて適宜設定される。
このようにして得られる木質複合材には、表面保護等のために、必要に応じて塗装が施されてもよい。
以上のようにして得られる木質複合材は種々の用途に適用可能であり、例えば床材や化粧材などの建築材などして利用可能である。
[実施例1]
厚み0.84mmの気乾状態のブナスライス単板を用意し、これにスプレーを用いて水を吹き付けることで、含水率15.4質量%の第一の木質基材を得た。この含水率は、非破壊式高周波木材水分計HM8−WS1(菊川鉄工所製)により測定した。第二の木質基材としては厚み12mm、密度0.82g/cmのユーカリ合板を用意した。更に、重量平均分子量370のMDI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート)を含有する、粘度34mPa・s、固形分率95質量%、テトラエトキシシラン(TEOS)含有量5質量%の熱硬化性樹脂液を用意した。
第一の木質基材を第二の木質基材に合成ゴムラテックス接着剤(商品名インスターボンドLB370、住友林業クレスト株式会社製)を80g/mの塗布量で塗布し,加熱温度100℃,加圧力1MPaの条件で60秒加圧して接合した。次に、第一の木質基材の第二の木質基材とは反対側の面上に熱硬化性樹脂液をロールコーターで149g/mの塗布量で塗布した。続いてこの第一の木質基材を第二の木質基材と共に加熱温度150℃、加圧力10MPaの条件で60秒加熱加圧した。続いて、この第一の木質基材の第二の木質基材とは反対側の面にブラシロールを用いてブラッシング処理を2回施すことで、第一の木質基材に付着した樹脂を除去した。続いて、第一の木質基材の第二の木質基材とは反対側の面上に、ロールコーターで紫外線硬化型ウレタンアクリレート塗装を施すことで厚み30μmの塗装膜を形成した。
[実施例2]
厚み2.0mmの気乾状態のブナスライス単板を用意し、これに水分を添加することで、含水率15.3質量%の第一の木質基材を得た。第二の木質基材としては厚み9.0mm、密度0.82g/cmのユーカリ合板を用意した。また、第一の木質基材の加熱加圧条件を、加熱温度150℃、加圧力3MPa、加熱加圧時間60秒とした。それ以外の条件は実施例1と同じにして、木質複合材を得た。
[実施例3]
厚み0.80mmの気乾状態のブナスライス単板を用意し、これに水分を添加することで、含水率15.7質量%の第一の木質基材を得た。第二の木質基材及び熱硬化性樹脂液としては、実施例1の場合とおなじものを用意した。
第一の木質基材を第二の木質基材に接着剤で接合することなく、第一の木質基材の厚み方向の両面に熱硬化性樹脂液をロールコーターで約100g/mずつ(合計204g/m)塗布した。続いて第二の木質基材上面に合成ゴムラテックス接着剤(商品名インスターボンドLB370、住友林業クレスト株式会社製)を80g/mの塗布量で塗布し,第一の木質基材を第二の木質基材の上に重ね、第一の木質基材を第二の木質基材と共に加熱温度140℃、加圧力7.5MPaの条件で180秒加熱加圧した。続いて、この第一の木質基材の第二の木質基材とは反対側の面に実施例1の場合と同じブラッシング処理と紫外線硬化型ウレタンアクリレート塗装とを施すことで、木質複合材を得た。
[実施例4]
厚み0.80mmの気乾状態のブナスライス単板を用意し、これに水分を添加することで、含水率53.1質量%の第一の木質基材を得た。
それ以外の条件は実施例3と同じにして、木質複合材を得た。
[実施例5]
厚み2.12mmの気乾状態のスギスライス単板を用意し、これに水分を添加することで含水率15.4質量%の第一の木質基材を得た。第二の木質基材としては厚み9.0mm、密度0.82g/cmのユーカリ合板を用意した。熱硬化性樹脂液としては実施例1の場合と同じものを用意した。
第一の木質基材を第二の木質基材に接着剤で接合し,次に、第一の木質基材の第二の木質基材とは反対側の面上に熱硬化性樹脂液をフローコーターで253g/mの塗布量で塗布した。
それ以外の条件は実施例1の場合と同じにして木質複合材を得た。
[実施例6]
厚み0.80mmの気乾状態のナラスライス単板を用意し、これに水分を添加することで、含水率25.3質量%の第一の木質基材を得た。第二の木質基材としては厚み12mm、密度0.82g/cmのユーカリ合板を用意した。更に、重量平均分子量521のエポキシ樹脂を含有する、粘度180mPa・s、固形分率100質量%の熱硬化性樹脂液(コニシ株式会社製の商品名ユニエポ)を用意した。
第一の木質基材を第二の木質基材に接着剤で接合した。次に、第一の木質基材の第二の木質基材とは反対側の面上に熱硬化性樹脂液をロールコーターで152g/mの塗布量で塗布した。続いてこの第一の木質基材を第二の木質基材と共に加熱温度140℃、加圧力7.5MPaの条件で60秒加熱加圧した。続いて、この第一の木質基材の第二の木質基材とは反対側の面に実施例1の場合と同じブラッシング処理と紫外線硬化型ウレタンアクリレート塗装とを施すことで、木質複合材を得た。
[実施例7]
厚み0.81mmの気乾状態のカバスライス単板を用意し、これに水分を添加することで、含水率25.1質量%の第一の木質基材を得た。第二の木質基材としては厚み12mm、密度0.82g/cmのユーカリ合板を用意した。更に、重量平均分子量521のエポキシ樹脂を含有する、粘度180mPa・s、固形分率100質量%の熱硬化性樹脂液(コニシ株式会社製の商品名ユニエポ)を用意した。
第一の木質基材を第二の木質基材に接着剤で接合した。次に、第一の木質基材の第二の木質基材とは反対側の面上に熱硬化性樹脂液をロールコーターで152g/mの塗布量で塗布した。続いてこの第一の木質基材を第二の木質基材と共に加熱温度140℃、加圧力7.5MPaの条件で60秒加熱加圧した。続いて、この第一の木質基材の第二の木質基材とは反対側の面に、粒径1.0mmのアルミナ粒子を用いて噴射圧力0.4MPaの条件でブラスト処理を1分間施した。続いて、第一の木質基材の第二の木質基材とは反対側の面上に、ロールコーターで紫外線硬化型ウレタンアクリレート塗装を施すことで厚み30μmの塗装膜を形成した。
[実施例8]
厚み1.05mmの気乾状態のブナスライス単板を用意し、これに水分を添加することで、含水率15.3質量%の第一の木質基材を得た。第二の木質基材としては厚み12mm、密度1.10g/cmのハードボードを用意した。更に、重量平均分子量728のHDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)系ポリイソシアネートを含有する、固形分率85質量%の熱硬化性樹脂液(旭化成ケミカルズ株式会社製の商品名デュラネートTLA100にTEOSを質量割合で10質量%添加して希釈することで,粘度195Pa・sに調整した樹脂液)を用意した。
第一の木質基材を第二の木質基材に接着剤で接合した。次に、第一の木質基材の第二の木質基材とは反対側の面上に熱硬化性樹脂液をロールコーターで154g/mの塗布量で塗布した。続いてこの第一の木質基材を第二の木質基材と共に加熱温度140℃、加圧力10MPaの条件で180秒加熱加圧した。続いて、この第一の木質基材の第二の木質基材とは反対側の面に、粒径0.7mmのスチールグリッド粒子を用いて噴射圧力0.4MPaの条件でブラスト処理を1分間施した。続いて、第一の木質基材の第二の木質基材とは反対側の面上に、ロールコーターで紫外線硬化型ウレタンアクリレート塗装を施すことで厚み30μmの塗装膜を形成した。
[実施例9]
厚み1.07mmの気乾状態のスギスライス単板を用意し、これに水分を添加することで、含水率15.2質量%の第一の木質基材を得た。第二の木質基材としては厚み12mm、密度1.10g/cmのハードボードを用意した。更に、重量平均分子量728のHDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)系ポリイソシアネートを含有する、固形分率85質量%の熱硬化性樹脂液(旭化成ケミカルズ株式会社製の商品名デュラネートTLA100にTEOSを質量割合で15質量%添加して希釈することで,粘度155Pa・sに調整した樹脂液)を用意した。
それ以外の条件は実施例8の場合と同じにして、木質複合材を得た。
[実施例10]
厚み0.81mmの気乾状態のブナスライス単板を用意し、これに水分を添加することで、含水率15.4質量%の第一の木質基材を得た。
加熱加圧処理後には、ブラッシング処理、ブラスト処理等の表面処理を施すことなく第一の木質基材に塗装を施した。
それ以外の条件は実施例1の場合と同じにして、木質複合材を得た。
[実施例11]
厚み0.82mmの気乾状態のブナスライス単板を用意し、これに水分を添加することで、含水率14.9質量%の第一の木質基材を得た。第二の木質基材としては厚み12mm、密度0.52g/cmのスギ合板を用意した。更に、重量平均分子量370のMDI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート)を含有する、粘度34mPa・s、固形分率95質量%の熱硬化性樹脂液を用意した。
それ以外の条件は実施例1の場合と同じにして、木質複合材を得た。
[比較例1]
厚み0.81mmの気乾状態のブナスライス単板を用意し、これに水分を添加することで、含水率14.7質量%の第一の木質基材を得た。第二の木質基材としては厚み12mm、密度0.82g/cmのユーカリ合板を用意した。更に、重量平均分子量2329のHDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)系ポリイソシアネートを含有する、粘度1520mPa・s、固形分率100質量%の熱硬化性樹脂液(旭化成ケミカルズ株式会社製の商品名デュラネートTSE100)を用意した。
第一の木質基材を第二の木質基材に接着剤で接合した。次に、第一の木質基材の第二の木質基材とは反対側の面上に熱硬化性樹脂液をロールコーターで149g/mの塗布量で塗布した。続いてこの第一の木質基材を第二の木質基材と共に加熱温度140℃、加圧力10MPaの条件で60秒加熱加圧した。続いて、この第一の木質基材の第二の木質基材とは反対側の面に、粒径0.7mmのスチールグリッド粒子を用いて噴射圧力0.4MPaの条件でブラスト処理を1分間施した。続いて、第一の木質基材の第二の木質基材とは反対側の面上に、ロールコーターで紫外線硬化型ウレタンアクリレート塗装を施すことで厚み30μmの塗装膜を形成した。
[比較例2]
厚み0.79mmの気乾状態のナラスライス単板を用意し、これに水分を添加することで、含水率15.1質量%の第一の木質基材を得た。第二の木質基材としては厚み12mm、密度0.82g/cmのユーカリ合板を用意した。更に、重量平均分子量1380のアクリル酸ポリマーを含有する、粘度260mPa・s、固形分率50質量%の熱硬化性樹脂液(BASF社製の商品名アクロデュアDS3530)を用意した。
第一の木質基材を第二の木質基材に接着剤で接合した。次に、第一の木質基材の第二の木質基材とは反対側の面上に熱硬化性樹脂液をロールコーターで149g/mの塗布量で塗布した。続いてこの第一の木質基材を第二の木質基材と共に加熱温度140℃、加圧力7.5MPaの条件で60秒加熱加圧した。続いて、この第一の木質基材の第二の木質基材とは反対側の面に、粒径1.0mmのアルミナ粒子を用いて噴射圧力0.4MPaの条件でブラスト処理を1分間施した。続いて、第一の木質基材の第二の木質基材とは反対側の面上に、ロールコーターで紫外線硬化型ウレタンアクリレート塗装を施すことで厚み30μmの塗装膜を形成した。
[比較例3]
厚み1.94mmの気乾状態のブナスライス単板を用意し、これに水分を添加することで、含水率14.7質量%の第一の木質基材を得た。第二の木質基材としては厚み9.0mm、密度0.82g/cmのユーカリ合板を用意した。更に、重量平均分子量370のMDI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート)を含有する、粘度34mPa・s、固形分率95質量%の熱硬化性樹脂液を用意した。
第一の木質基材を第二の木質基材に接着剤で接合した。次に、第一の木質基材の第二の木質基材とは反対側の面上に熱硬化性樹脂液をロールコーターで149g/mの塗布量で塗布した。これにより、木質材料を得た。
[比較例4]
厚み0.81mm、含水率1.2質量%の全乾状態のスギスライス単板を用意し、これを第一の木質基材とした。第二の木質基材としては厚み12mm、密度0.82g/cmのユーカリ合板を用意した。更に、重量平均分子量370のMDI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート)を含有する、粘度34mPa・s、固形分率95質量%の熱硬化性樹脂液を用意した。
それ以外の条件は実施例1の場合と同じにして、木質複合材を得た。
[評価試験]
木質複合材における第一の木質基材の樹脂含浸率、圧縮率及び密度を調査した。
樹脂含浸率は、全乾重量法により算出し,圧縮率について第一の木質基材の処理前の厚みに対する処理後の厚みの百分率((処理後厚み/処理前厚み)×100)を算出した。また密度は、JIS Z2101により算出した。
また、木質複合材における第一の木質基材のブリネル硬度を、JIS Z2101に規定される木材の評価手法に従って測定した。
また、24時間吸水による寸法変化率(吸水膨潤率)を、JIS Z2101に従って測定した。
また、意匠性の評価のため、JIS Z8741に規定される光沢値の測定方法に基づき、木質複合材の光沢値を測定した。
結果を表1に示す。
Figure 2012045851
尚、含水率の低い第一の木質基材が使用されている比較例4では樹脂が硬化せず、このため評価は行わなかった。

Claims (5)

  1. 熱硬化性樹脂の硬化物と複合化している第一の木質基材を備える木質複合材を製造する方法であって、前記第一の木質基材に熱硬化性樹脂液を含浸させた後に前記第一の木質基材を加熱・加圧する工程を含み、
    前記工程において前記第一の木質基材の含水率が15〜60質量%である状態でこの第一の木質基材に前記熱硬化性樹脂液を含浸させるものであり、
    前記熱硬化性樹脂液が重量平均分子量1000以下の熱硬化性樹脂を含有し、且つ前記熱硬化性樹脂液の粘度が200mPa・s以下、固形分率が70質量%以上である木質複合材の製造方法。
  2. 前記木質複合材が第二の木質基材を備えると共に前記第一の木質基材が前記第二の木質基材に接合しており、
    前記第一の木質基材が接合される前の前記第二の木質基材の密度が0.7g/cm以上であり、前記第二の木質基材に前記第一の木質基材を接合してから、前記第一の木質基材に前記熱硬化性樹脂液を含浸させ、これに続いて前記第一の木質基材を加熱すると共に加圧する請求項1に記載の木質複合材の製造方法。
  3. 前記木質複合材が第二の木質基材を備えると共に前記第一の木質基材が前記第二の木質基材に接合しており、
    前記第一の木質基材が接合される前の前記第二の木質基材の密度が0.7g/cm以上であり、前記第二の木質基材に接合される前の前記第一の木質基材に前記熱硬化性樹脂液を含浸させてから、前記第一の木質基材と前記第二の木質基材とを、間に接着剤を介在させた状態で重ね、これに続いて前記第一の木質基材と第二の木質基材とを加熱すると共に加圧する請求項1に記載の木質複合材の製造方法。
  4. 前記第一の木質基材に熱硬化性樹脂液を含浸させた後に前記第一の木質基材を加熱すると共に加圧してから、前記第一の木質基材に研磨処理又はブラッシング処理を施す請求項1乃至3のいずれか一項に記載の木質複合材の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法で製造され、
    前記第一の木質基材の厚みが0.5mm以上、前記第一の木質基材の密度が0.8g/cm以上、前記第一の木質基材のブリネル硬度が25MPa以上、吸水膨潤率が10%以下である木質複合材。
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