JP7442150B2 - バイオマス成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、一般にバイオマス成形体の製造方法に関し、より詳細にはヤシ類の植物を用いたバイオマス成形体の製造方法に関する。
特許文献1には、オイルパーム薄板の接合方法が開示されている。このオイルパーム薄板の接合方法は、薄板工程と、薄板乾燥工程と、積層工程と、加熱工程と、押圧工程と、固定工程と、を具備する。これらの工程を経て積層合板が得られる。この積層合板の片側の露出面にはオイルパーム薄板が配設されている。
しかしながら、特許文献1のオイルパーム薄板の接合方法では、押圧工程において、積層された薄板をプレス盤で押圧するだけである。そのため、得られる積層合板の表面は、木目が表れるとはいえ、ほぼ平坦であり、人工的な印象を強く与えるものであった。
特開2014-019029号公報
本開示の目的は、天然木に近い木肌感を表現する凹凸が表面に形成されたバイオマス成形体を容易に製造することができるバイオマス成形体の製造方法を提供することにある。
本開示の一態様に係るバイオマス成形体の製造方法は、積層工程と、加熱加圧工程と、剥離工程と、を含む。前記積層工程では、第1単板及び第2単板の繊維方向を揃えつつ、前記第1単板、柔軟性を有するシート、及び前記第2単板をこの順に積層して積層物を得る。前記加熱加圧工程では、前記積層物を積層方向に加圧しながら加熱する。前記剥離工程では、前記シートの両側に形成されたバイオマス成形体を前記シートから剥離する。前記第1単板及び前記第2単板が、糖類を含むヤシ類の植物で形成され、多価カルボン酸が供給された単板である。
図1A~図1Cは、第1実施形態に係るバイオマス成形体の製造方法を示す概略断面図である。 図2A~図2Cは、第2実施形態に係るバイオマス成形体の製造方法を示す概略断面図である。 図3A~図3Cは、第3実施形態に係るバイオマス成形体の製造方法を示す概略断面図である。 図4A~図4Cは、第4実施形態に係るバイオマス成形体の製造方法を示す概略断面図である。 図5Aは、比較のために製造した成形体の表面を示す写真である。図5Bは、第1実施形態に係るバイオマス成形体の表面を示す写真である。
(1)第1実施形態
(1.1)概要
本実施形態に係るバイオマス成形体1の製造方法の概要について説明する。バイオマス成形体1の製造方法は、積層工程と、加熱加圧工程と、剥離工程と、を含む。積層工程では、第1単板21及び第2単板22の繊維方向を揃えつつ、第1単板21、柔軟性を有するシート3、及び第2単板22をこの順に積層して積層物4を得る(図1A及び図1B参照)。加熱加圧工程では、積層物4を積層方向に加圧しながら加熱する(図1B参照)。剥離工程では、シート3の両側に形成されたバイオマス成形体1をシート3から剥離する(図1C参照)。
本実施形態では、第1単板21及び第2単板22の繊維方向が揃っている。さらにシート3は、柔軟性を有している。したがって、加熱加圧工程では、第2単板22の繊維部分22bは、シート3を介して、第1単板21の非繊維部分21aを押し潰しやすくなる。同様に、第1単板21の繊維部分21bは、シート3を介して、第2単板22の非繊維部分22aを押し潰しやすくなる。
その結果、バイオマス成形体1の表面は凹凸を有することになる。実際のバイオマス成形体1の表面の様子を図5Bに示す。この凹凸は、繊維部分21b,22bが浮き出て形成されており、天然木に近い木肌感を表現し得る。
以上のように、本実施形態に係るバイオマス成形体1の製造方法によれば、天然木に近い木肌感を表現する凹凸が表面に形成されたバイオマス成形体1を容易に製造することができる。
(1.2)詳細
以下、第1実施形態に係るバイオマス成形体1の製造方法について、図面を用いて詳細に説明する。以下に用いる図面は、実際の寸法とは異なる場合がある。
図1A~図1Cは、本実施形態に係るバイオマス成形体1の製造方法を示す。バイオマス成形体1の製造方法は、積層工程と、加熱加圧工程と、剥離工程と、を含む。以下、これらの工程について説明する。
<積層工程>
まず積層工程について説明する。積層工程では、少なくとも2枚の単板(以下、第1単板21及び第2単板22という)と、シート3と、を用いる。
第1単板21は、触媒含有単板である。触媒含有単板は、糖類含有単板に多価カルボン酸が供給された単板である。換言すると、第1単板21は、糖類を含むヤシ類の植物(以下単に「ヤシ類の植物」という場合がある)で形成され、多価カルボン酸が供給された単板である。「ヤシ類」は、単子葉植物ヤシ目ヤシ科に属する植物の総称であるが、本明細書では単に「ヤシ」という場合もある。なお、第2単板22は、第1単板21と同一であるので詳細な説明を省略する。
糖類含有単板は、ヤシ類の植物から得られる単板である。ヤシ類の植物は、木本であり、木質の茎(木幹)を有する。ヤシの中でもアブラヤシ及びココヤシが好ましい。ヤシは、他の植物に比べて糖類を比較的多く含むためである。これにより、バイオマス成形体1の耐水性及び強度が向上する。
東南アジアではパーム油産業が盛んであるが、ヤシは20~30年で実の付きが悪くなるため、このようなヤシの古木(OPT)をいかに処理するかが問題となっている。それというのも、温室効果ガスの放出を防ぐなどという目的で古木の焼却処分が禁止されており、それに加えてヤシは含水率が高いため、木材としての再利用が難しいからである。このようなことから、伐採されたヤシの古木などを有効利用することが望まれており、バイオマス成形体1の原料として容易に入手することができる。このように、本実施形態によれば、ヤシの古木などを有効利用することができる。
植物に含まれる糖類は、単糖、二糖及び多糖(オリゴ糖を含む)である。二糖及び多糖は、複数の単糖がグリコシド結合して構成されている。糖類は、植物に1種のみ含有されていても2種以上含有されていてもよい。単糖及び二糖の合計含有量は、単板(固形分)の質量に対して、好ましくは5質量%以上である。
単糖として、例えば、フルクトース、リボース、アラビノース、ラムノース、キシルロース及びデオキシリボースが挙げられる。
二糖として、例えば、スクロース、マルトース、トレハロース、ツラノース、ラクツロース、マルツロース、パラチノース、ゲンチオビウロース、メリビウロース、ガラクトスクロース、ルチヌロース及びプランテオビオースが挙げられる。
多糖として、例えば、デンプン、アガロース、アルギン酸、グルコマンナン、イヌリン、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、グリコーゲン及びセルロースが挙げられる。オリゴ糖として、例えば、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖及びスタキオースが挙げられる。
そして、上記のヤシ類の植物から単板(糖類含有単板)を得る。糖類含有単板は、植物の原木を切削機械により切削して得ることができる。切削機械として、例えば、ロータリーレース及びスライサーが挙げられる。
糖類含有単板の厚さは、特に限定されないが、例えば2mm以上8mm以下の範囲内である。糖類含有単板の密度は、特に限定されないが、好ましくは300kg/m以上500kg/m以下の範囲内であり、より好ましくは350kg/m以上450kg/m以下の範囲内である。
第1単板21(触媒含有単板)は、糖類含有単板に触媒として多価カルボン酸が供給された単板である。触媒含有単板は、糖類と、多価カルボン酸と、を含む。
多価カルボン酸は、複数のカルボキシ基を有する化合物であれば、特に限定されない。多価カルボン酸として、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸、セバシン酸、イタコン酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、マロン酸、フタル酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸(1,5-ペンタン二酸)、グルタコン酸及びペンテン二酸が挙げられる。多価カルボン酸として、酸無水物も使用できる。
上記に列挙した多価カルボン酸のうち、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸、セバシン酸、及びイタコン酸は、植物を原料として製造することが可能なため、特に好ましい。このように植物を原料としている場合、化石資源の使用が抑制されるため、環境へ負担をかけずにバイオマス成形体1を得ることができる。なお、多価カルボン酸は、ポリカルボン酸と同義である。
好ましくは、多価カルボン酸を多価カルボン酸溶液(例えば多価カルボン酸水溶液)として供給する。これにより、多価カルボン酸が糖類含有単板に含浸されやすくなる。その結果、バイオマス成形体1の耐水性を更に向上させることができる。
具体的には、多価カルボン酸は、次のようにして糖類含有単板に供給することができる。すなわち、多価カルボン酸水溶液をスプレー等で糖類含有単板に向けて散布することができる。また糖類含有単板を多価カルボン酸水溶液中に浸漬することができる。またロール又は刷毛等で多価カルボン酸水溶液を糖類含有単板に塗布することができる。また多価カルボン酸の粉末を直接、糖類含有単板に散布することができる。
上述のように、多価カルボン酸を糖類含有単板に供給する際に、多価カルボン酸は、水溶液の状態であってもよいし、粉末の状態であってもよい。水溶液の状態である場合には、多価カルボン酸水溶液の濃度は、特に限定されないが、例えば1質量%以上50質量%以下の範囲内である。
多価カルボン酸の供給量は、特に限定されない。多価カルボン酸の供給量は、例えば、糖類含有単板の単位体積当たりに存在する多価カルボン酸の質量で規定される。好ましくは、多価カルボン酸の供給量は、固形分比率で0.5質量%以上5質量%以下の範囲内である。
シート3は、柔軟性を有する。シート3は、特に限定されないが、本実施形態では、プラスチックフィルム31である。プラスチックフィルム31としては、特に限定されないが、例えば、PETフィルムが挙げられる。PETフィルムは、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる高分子フィルムである。シート3の厚さは、特に限定されないが、好ましくは50μm以上100μm以下の範囲内である。
そして、積層工程では、図1A及び図1Bに示すように、第1単板21及び第2単板22の繊維方向を揃えつつ、第1単板21、シート3、及び第2単板22をこの順に積層して積層物4を得る。図1A~図1Cにおいて、第1単板21及び第2単板22の繊維方向は、紙面に垂直な方向である。
第1単板21のシート3に対向する面には、非繊維部分21aと、繊維部分21bと、が存在する。同様に、第2単板22のシート3に対向する面には、非繊維部分22aと、繊維部分22bと、が存在する。非繊維部分21a,22aには、柔細胞などが含まれる。繊維部分21b,22bは、非繊維部分21a,22aに比べて硬い部分である。また繊維部分21b,22bは、非繊維部分21a,22aに比べて、維管束の比率が高く、柔細胞の比率が低い部分である。第1単板21及び第2単板2の繊維方向とは、繊維部分21b,22bの延びる方向である。非繊維部分21a,22aも概ね繊維方向に沿って延びている。なお、第1単板21及び第2単板22のシート3に対向する面は、凹凸面でも平坦面でもよい。
さらに本実施形態では、積層工程において、第1単板21のシート3と反対側及び第2単板22のシート3と反対側に、補強板5を配置する。
補強板5は、単板5aを1枚以上含む。本実施形態では、第1単板21のシート3と反対側に配置される補強板5は、2枚の単板5aを含み、第2単板22のシート3と反対側に配置される補強板5も、2枚の単板5aを含む。
本実施形態において、単板5aは、第1単板21及び第2単板22と同一である。すなわち、補強板5(単板5a)は、触媒含有単板である。つまり、補強板5は、糖類を含むヤシ類の植物で形成され、多価カルボン酸が供給された単板である。
第1単板21及び第2単板22のシート3と反対側に配置される補強板5の繊維方向は、特に限定されない。
<加熱加圧工程>
次に加熱加圧工程について説明する。図1Bに示すように、加熱加圧工程では、積層物4を積層方向に加圧しながら加熱する。すなわち、積層物4に熱圧処理(ホットプレス)を行って、第1単板21と補強板5とを接着し、第2単板22と補強板5とを接着する。
以下、熱圧処理について説明する。熱圧処理は、加熱しながら圧締する処理である。熱圧処理では、公知の圧締装置(プレス)が使用可能である。熱源としては、特に限定されないが、蒸気、熱油、電熱、及び高周波が挙げられる。プレス方式としては、特に限定されないが、平板(1段、多段)プレス方式、及びロール(連続)プレス方式が挙げられる。
熱圧処理の温度は、特に限定されないが、好ましくは140℃以上230℃以下、より好ましくは200℃以上220℃以下の範囲内である。熱圧処理の圧力は、好ましくは0.5MPa以上4MPa以下の範囲内である。熱圧処理の時間は、好ましくは10秒以上30分以下、より好ましくは1分以上20分以下の範囲内である。
ここで、熱圧処理の際に第1単板21、第2単板22、及び補強板5(いずれも触媒含有単板)内で起こる硬化反応について説明する。硬化反応は、糖類と多価カルボン酸との反応を意味する。触媒含有単板は、加熱処理されると2段階の反応を経て完全に硬化すると推測される。
すなわち、加熱処理により第1段階の反応が進行し、更なる加熱処理により第2段階の反応が進行して完了する。触媒含有単板は、第2段階の反応の完了により、硬化物となる。第2段階の反応に近づくにつれて、糖類と多価カルボン酸との反応物(例えば糖クエン酸反応物)は、熱硬化性を有するようになる。この反応物の硬化により、触媒含有単板の内部の繊維同士が接着される。なお、本明細書において、反応物には、反応前の物質と、反応後の物質(生成物)と、が含まれる。
第1段階の反応により、植物に含まれる糖類が加水分解し、加水分解生成物が生成される。さらに加水分解生成物は、脱水縮合して糖変性物の反応生成物が生成される。このとき発生する縮合水は気化して除去される。
例えば、糖類がスクロースの場合、以下のように硬化反応が進行すると推測される。まず、スクロースが加水分解してグルコースとフルクトースとが生成される。次にフルクトースの脱水反応により、フルフラール(具体的には5-(ヒドロキシメチル)フルフラール)が生成される。糖変性物であるフルフラールは、更なる加熱処理により熱硬化性樹脂であるフラン樹脂となり、多価カルボン酸の存在下で硬化する。一方、グルコースは、脱水縮合反応により糖エステルポリマーとなって硬化する。
加圧する段階は特に限定されない。例えば、加圧は、第1段階の開始から第2段階の終了まで行ってもよいし、第1段階では行わずに第2段階の開始から第2段階の終了まで行ってもよい。
本実施形態では、第1単板21及び第2単板22の繊維方向が揃っている。さらにシート3は、柔軟性を有している。したがって、加熱加圧工程では、第2単板22の繊維部分22bは、シート3を介して、第1単板21の非繊維部分21aを押し潰しやすくなる。同様に、第1単板21の繊維部分21bは、シート3を介して、第2単板22の非繊維部分22aを押し潰しやすくなる。これにより、繊維部分21b,22bが、非繊維部分21a,22aに比べて、積層方向に突出しやすくなる。
加熱加圧工程が終了すると、シート3の両側にバイオマス成形体1が形成される。バイオマス成形体1は、第1バイオマス成形体11と、第2バイオマス成形体12と、を含む。第1バイオマス成形体11は、第1単板21及び補強板5が一体化された成形体である。第2バイオマス成形体12は、第2単板22及び補強板5が一体化された成形体である。
<剥離工程>
次に剥離工程について説明する。図1Cに示すように、剥離工程では、シート3の両側に形成されたバイオマス成形体1をシート3から剥離する。これにより、バイオマス成形体1が得られる。本実施形態では、バイオマス成形体1は、第1バイオマス成形体11と、第2バイオマス成形体12と、を含む。バイオマス成形体1は、板状をなしている。
加熱加圧工程時に、第2単板22の繊維部分22bは、シート3を介して、第1単板21の非繊維部分21aを押し潰しているので、第1バイオマス成形体11のシート3に接触していた面には、凹凸が形成されている。凹凸を構成する凹部11aは、主として第1単板21の非繊維部分21aに由来し、凸部11bは、主として第1単板21の繊維部分21bに由来する。
同様に、加熱加圧工程時に、第1単板21の繊維部分21bは、シート3を介して、第2単板22の非繊維部分22aを押し潰しているので、第2バイオマス成形体12のシート3に接触していた面には、凹凸が形成されている。凹凸を構成する凹部12aは、主として第2単板22の非繊維部分22aに由来し、凸部12bは、主として第2単板22の繊維部分22bに由来する。
実際のバイオマス成形体1の表面の様子を図5Bに示す。このように、バイオマス成形体1の表面は凹凸を有している。この凹凸は、繊維部分21b,22bが浮き出て形成されており、天然木に近い木肌感を表現し得る。特に第1単板21及び第2単板22が、繊維部分21b,22bが硬くて太いヤシ類の植物で形成されているため、バイオマス成形体1の表面の凹凸がしっかりと出やすい。
これに対して、図5Aは、比較のために製造した成形体の表面の様子を示す。この成形体は、シート3を用いずに、単に第1単板21と補強板5とを積層して熱圧処理を行って得られたものである。このように、成形体の表面(熱圧処理後の第1単板21の表面)は、ほぼ平坦に近い。すなわち、繊維部分21bがほとんど浮き出ていないので、人工的な印象を強く与える。もちろん第1単板21の代わりに第2単板22を用いても同様である。
以上のように、本実施形態に係るバイオマス成形体1の製造方法によれば、天然木に近い木肌感を表現する凹凸が表面に形成されたバイオマス成形体1を容易に製造することができる。
また本実施形態では、シート3としてプラスチックフィルム31を用いているので、バイオマス成形体1の表面の木肌感を更に天然木に近づけることができる。特にプラスチックフィルム31を用いることで、バイオマス成形体1の表面に光沢をもたせることもできる。この光沢は、樹液の光沢のようにも見えるので、バイオマス成形体1の表面の木肌感を一層天然木に近づけることができる。
また本実施形態では、補強板5を用いることで、バイオマス成形体1の厚みを稼ぐことができる。これにより、バイオマス成形体1の強度を高めることができる。さらに補強板5が触媒含有単板であることで、糖類を含むヤシ類の植物を有効に利用することができる。例えば、パーム油を採取され、廃棄されていたヤシの古木などを有効に利用することができる。
(2)第2実施形態
以下、第2実施形態に係るバイオマス成形体1の製造方法について、図面を用いて詳細に説明する。以下に用いる図面は、実際の寸法とは異なる場合がある。
第2実施形態では、第1実施形態と同様の構成要素には第1実施形態と同一の符号を付して詳細な説明を省略する場合がある。
本実施形態のシート3は、第1実施形態のシート3とは相違する。本実施形態のシート3は、金属フィルム32である(図2A~図2C参照)。金属フィルム32としては、特に限定されないが、例えば、アルミフィルムが挙げられる。シート3の厚さは、特に限定されないが、好ましくは50μm以上100μm以下の範囲内である。
本実施形態に係るバイオマス成形体1の製造方法においても、天然木に近い木肌感を表現する凹凸が表面に形成されたバイオマス成形体1を容易に製造することができる。特に本実施形態では、シート3として金属フィルム32を用いているので、バイオマス成形体1の表面の木肌感を更に天然木に近づけることができる。
(3)第3実施形態
以下、第3実施形態に係るバイオマス成形体1の製造方法について、図面を用いて詳細に説明する。以下に用いる図面は、実際の寸法とは異なる場合がある。
第3実施形態では、第1及び第2実施形態と同様の構成要素には第1実施形態と同一の符号を付して詳細な説明を省略する場合がある。
本実施形態は、第1実施形態の補強板5の代わりに粉砕物6を用いた点で、第1実施形態とは相違する。すなわち、本実施形態では、図3A及び図3Bに示すように、積層工程において、第1単板21のシート3と反対側及び第2単板22のシート3と反対側に、粉砕物6を配置する。
粉砕物6は、糖類を含む植物で形成され、多価カルボン酸が供給された粉砕物である。粉砕物6は、糖類を含む植物の粉砕物に多価カルボン酸を供給して得られる。糖類を含む植物の粉砕物(例えばヤシ類の植物の粉砕物など)は、植物の幹等を適宜の粉砕機で粉砕して得られる。得られた植物の粉砕物に多価カルボン酸溶液又は多価カルボン酸の粉末を添加して粉砕物6が得られる。
加熱加圧工程において、積層物4に熱圧処理(ホットプレス)を行うと、第1単板21と粉砕物6とが接着され、第2単板22と粉砕物6とが接着される。
加熱加圧工程が終了すると、シート3の両側にバイオマス成形体1が形成される。バイオマス成形体1は、第1バイオマス成形体11と、第2バイオマス成形体12と、を含む。第1バイオマス成形体11は、第1単板21及び粉砕物6が一体化された成形体である。第2バイオマス成形体12は、第2単板22及び粉砕物6が一体化された成形体である。そして、図3Cに示す剥離工程を経て、バイオマス成形体1が得られる。
以上のように、本実施形態に係るバイオマス成形体1の製造方法においても、天然木に近い木肌感を表現する凹凸が表面に形成されたバイオマス成形体1を容易に製造することができる。
また本実施形態では、粉砕物6を用いることで、バイオマス成形体1の厚みを稼ぐことができる。これにより、バイオマス成形体1の強度を高めることができる。さらに粉砕物6として、糖類を含む植物の粉砕物を用いることで、例えば、パーム油を採取され、廃棄されていたヤシの古木などを有効に利用することができる。
(4)第4実施形態
以下、第4実施形態に係るバイオマス成形体1の製造方法について、図面を用いて詳細に説明する。以下に用いる図面は、実際の寸法とは異なる場合がある。
第4実施形態では、第1~第3実施形態と同様の構成要素には第1実施形態と同一の符号を付して詳細な説明を省略する場合がある。
本実施形態は、補強板5として、第1実施形態の単板5aの代わりに合板5bを用いた点で、第1実施形態とは相違する。すなわち、本実施形態では、図4A及び図4Bに示すように、積層工程において、第1単板21のシート3と反対側及び第2単板22のシート3と反対側に、補強板5として合板5bを配置する。そして、第1~第3実施形態と同様に、積層工程、加熱加圧工程、及び剥離工程を経て、バイオマス成形体1が得られる(図4A~図4C参照)。
以上のように、本実施形態に係るバイオマス成形体1の製造方法においても、天然木に近い木肌感を表現する凹凸が表面に形成されたバイオマス成形体1を容易に製造することができる。
また本実施形態では、補強板5として合板5bを用いることで、バイオマス成形体1の厚みを稼ぐことができる。これにより、バイオマス成形体1の強度を高めることができる。
(5)変形例
第1実施形態では、第1単板21のシート3と反対側、及び第2単板22のシート3と反対側に、補強板5を配置しているが、補強板5を配置しなくてもよい。
第2実施形態では、第1単板21のシート3と反対側、及び第2単板22のシート3と反対側に、補強板5を配置しているが、補強板5の代わりに粉砕物6を配置してもよい。
第3実施形態では、第1単板21のシート3と反対側、及び第2単板22のシート3と反対側に、粉砕物6を配置しているが、粉砕物6に加えて補強板5を配置してもよい。
第4実施形態では、補強板5として合板5bを用いているが、合板5bに代えて、又は合板5bとともに、MDF(中密度繊維版)、PB(パーティクルボード)、単板積層材(LVL)、及びランバーコアー合板の少なくともいずれかを用いてもよい。
第1~第4実施形態では、補強板5及び粉砕物6が、ヤシ類の植物で形成されているが、糖類を含む植物であれば、ヤシ類の植物以外の植物でもよい。
(6)態様
上記実施形態及び変形例から明らかなように、本開示は、下記の態様を含む。以下では、実施形態との対応関係を明示するためだけに、符号を括弧付きで付している。
第1の態様は、バイオマス成形体(1)の製造方法であって、積層工程と、加熱加圧工程と、剥離工程と、を含む。前記積層工程では、第1単板(21)及び第2単板(22)の繊維方向を揃えつつ、前記第1単板(21)、柔軟性を有するシート(3)、及び前記第2単板(22)をこの順に積層して積層物(4)を得る。前記加熱加圧工程では、前記積層物(4)を積層方向に加圧しながら加熱する。前記剥離工程では、前記シート(3)の両側に形成されたバイオマス成形体(1)を前記シート(3)から剥離する。前記第1単板(21)及び前記第2単板(22)が、糖類を含むヤシ類の植物で形成され、多価カルボン酸が供給された単板である。
この態様によれば、天然木に近い木肌感を表現する凹凸が表面に形成されたバイオマス成形体(1)を容易に製造することができる。
第2の態様は、第1の態様に基づくバイオマス成形体(1)の製造方法である。第2の態様では、前記シート(3)が、プラスチックフィルム(31)又は金属フィルム(32)である。
この態様によれば、バイオマス成形体(1)の表面の木肌感を更に天然木に近づけることができる。
第3の態様は、第1又は第2の態様に基づくバイオマス成形体(1)の製造方法である。第3の態様では、前記積層工程において、前記第1単板(21)の前記シート(3)と反対側及び/又は前記第2単板(22)の前記シート(3)と反対側に、補強板(5)及び/又は粉砕物(6)を配置する。
この態様によれば、バイオマス成形体(1)の厚みを稼ぐことができる。
第4の態様は、第3の態様に基づくバイオマス成形体(1)の製造方法である。第4の態様では、前記補強板(5)が、糖類を含む植物で形成され、多価カルボン酸が供給された単板である。
この態様によれば、糖類を含む植物を有効に利用することができる。
第5の態様は、第3の態様に基づくバイオマス成形体(1)の製造方法である。第5の態様では、前記粉砕物(6)が、糖類を含む植物で形成され、多価カルボン酸が供給された粉砕物である。
この態様によれば、糖類を含む植物を有効に利用することができる。
1 バイオマス成形体
21 第1単板
22 第2単板
3 シート
31 プラスチックフィルム
32 金属フィルム
4 積層物
5 補強板
6 粉砕物

Claims (5)

  1. 第1単板及び第2単板の繊維方向を揃えつつ、前記第1単板、柔軟性を有するシート、及び前記第2単板をこの順に積層して積層物を得る積層工程と、
    前記積層物を積層方向に加圧しながら加熱する加熱加圧工程と、
    前記シートの一方側に形成され、凹凸が表面に形成された前記第1単板を含む第1バイオマス成形体と、前記シートの他方側に形成され、凹凸が表面に形成された前記第2単板を含む第2バイオマス成形体と、を前記シートから剥離する剥離工程と、を含み、
    前記第1単板及び前記第2単板が、糖類を含むヤシ類の植物で形成され、多価カルボン酸が供給された単板である、
    バイオマス成形体の製造方法。
  2. 前記シートが、プラスチックフィルム又は金属フィルムである、
    請求項1に記載のバイオマス成形体の製造方法。
  3. 前記積層工程において、前記第1単板の前記シートと反対側及び/又は前記第2単板の前記シートと反対側に、補強板及び/又は粉砕物を配置する、
    請求項1又は2に記載のバイオマス成形体の製造方法。
  4. 前記補強板が、糖類を含む植物で形成され、多価カルボン酸が供給された単板である、
    請求項3に記載のバイオマス成形体の製造方法。
  5. 前記粉砕物が、糖類を含む植物で形成され、多価カルボン酸が供給された粉砕物である、
    請求項3に記載のバイオマス成形体の製造方法。
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