JP2017140778A - ボードの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】多価カルボン酸および糖類を接着剤に用いてボードを製造する際に、曲げ強度を損なうことなく、煮沸質量減少率が小さく耐水性に優れたボードを得ることができるボードの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のボードの製造方法は、以下の工程(A)(B)を含むことを特徴としている:
(A)多価カルボン酸および糖類と、硫酸アンモニウムとを木質小片の集合体に分散させる工程;および、
(B)多価カルボン酸および糖類と、硫酸アンモニウムとが分散された木質小片の集合体を熱圧成形することによって、木質小片が接着されたボードを得る工程。
【選択図】なし

Description

本発明は、ボードの製造方法に関する。
近年、地球温暖化等の環境問題に対する関心が高まるにつれ、プラスチック分野においては石油由来の材料に代替するものとして、低エミッションかつカーボンニュートラルな植物由来の分解物を重合して得られる樹脂に注目が集まってきている。中でも、植物由来の分解物の一種である乳酸を重合して得られたポリ乳酸は、結晶性を有し、他の植物由来樹脂と比較して物性の高い樹脂の一つであり、大量生産も可能で生産コストも比較的低く有用なものである。しかし、ポリ乳酸は熱可塑性樹脂であり、汎用の石油由来の熱可塑性樹脂(PE、PP、ABS等)と比較すると、耐熱性と機械的特性が低いために、広く普及するには至っていない。また、ポリ乳酸は石油系の熱硬化性樹脂接着剤を代替できるほどの物性を有していない。
元来、木質用接着剤としては、バイオマス由来が中心でカゼインや大豆グルー、ニカワ等が用いられていたが、物性等が劣るため、ユリア、メラミン、フェノール等の石油由来熱硬化性樹脂接着剤に置き換わっていった。これらの接着剤により、木質小片が接着され、合板、パーティクルボード、繊維板等のボードが製造されている。
一般の木質用接着剤(ユリア系、メラミン系、フェノール系)は石油由来であり、ホルムアルデヒドを硬化剤としている。これら木質用接着剤は有機溶剤の放散を抑えるため、水性であることが接着剤としての要件となっている。これらの接着剤はホルムアルデヒドの放散が問題となっており、低減策が施されているが、完全にホルムアルデヒドの放散を抑制することはできていない。ホルムアルデヒドを放散しない石油由来のイソシアネート系の接着剤も開発されているが、水分との反応や金属との結合等が課題となっており広くは普及していない。
一方、木材や樹皮等に含まれるポリフェノール類であるタンニンやリグニンは、製材やパルプ利用において廃棄物となるため、これを有効利用しようという試みが古くからなされてきた。例えば、タンニンやリグニンは化学構造がフェノール樹脂に類似していることから、フェノール樹脂と同様にタンニンやリグニンをホルムアルデヒドと反応させ縮合させて接着剤として用いることが検討されてきた(特許文献1参照)。さらに、フェノール樹脂のメチロール基とタンニンやリグニンとの反応を期待して、フェノール樹脂にタンニンやリグニンを添加し、タンニンやリグニンをフェノール樹脂の高分子骨格の中に取り込む検討もなされてきた(非特許文献1、2参照)。
タンニンやリグニンを有効利用しようという他の試みとして、タンニンやリグニンのフェノール性水酸基とポリイソシアネートを反応させてウレタン樹脂とすること等が検討されている(非特許文献2参照)。
しかしながら、タンニンやリグニン等を、ホルムアルデヒドを用いて反応させる場合、残留したホルムアルデヒドや加水分解によって発生したホルムアルデヒドが放散されるという問題がある。また、タンニンやリグニンの反応性が従来のフェノール樹脂よりも低いため、物性と生産性が劣り、前記の技術は広く実用化されていないのが現状である。
こうしたなか、多価カルボン酸および糖類を主成分とした接着剤を用いて木質小片のボードを製造することが提案されている(特許文献2〜4参照)。特許文献3では、さらにパラトルエンスルホン酸やリン酸塩や有機チタン化合物を触媒として添加することが提案されている。
特許第3796604号公報 国際公開第2010/001988号 特開2012−214687号公報 特開2014−51568号公報
「木質新素材ハンドブック」技報堂出版p.361 「ウッドケミカルスの新展開」シーエムシー出版p.225(2007)
しかしながら、特許文献2〜4の接着剤は、例えば床材に用いられた場合において、煮沸質量減少率で表される耐水性には更なる改善の余地があり、特に、曲げ強度を損なうことなく実用に耐え得る耐水性を達成することが望まれていた。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、多価カルボン酸および糖類を接着剤に用いてボードを製造する際に、曲げ強度を損なうことなく、煮沸質量減少率が小さく耐水性に優れたボードを得ることができるボードの製造方法を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明のボードの製造方法は、以下の工程(A)(B)を含むことを特徴としている:
(A)多価カルボン酸および糖類と、硫酸アンモニウムとを木質小片の集合体に分散させる工程;および、
(B)多価カルボン酸および糖類と、硫酸アンモニウムとが分散された木質小片の集合体を熱圧成形することによって、木質小片が接着されたボードを得る工程。
本発明によれば、多価カルボン酸および糖類を接着剤に用いてボードを製造する際に、曲げ強度を損なうことなく、煮沸質量減少率が小さく耐水性に優れたボードを得ることができる。
以下に、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態のボードの製造方法は、以下の工程(A)(B)を含む。
工程(A)では、多価カルボン酸および糖類と、硫酸アンモニウムとを木質小片の集合体に分散させる。
工程(B)では、多価カルボン酸および糖類と、硫酸アンモニウムとが分散された木質小片の集合体を熱圧成形することによって、木質小片が接着されたボードを得る。
本実施形態では、木質小片中の水酸基と多価カルボン酸とのエステル化反応の触媒として、硫酸アンモニウムを用いたことを特徴としている。触媒として硫酸アンモニウムを用いることにより、多価カルボン酸および糖類を接着剤に用いてボードを製造する際に、曲げ強度を損なうことなく、煮沸質量減少率が小さく耐水性に優れたボードを得ることができる。
上記工程(A)において、木質小片は、草木等の木部、樹皮、種子、葉などから得られるものである。木質小片としては、例えば、木質ストランド、木質チップ、木質繊維、植物繊維、市場で入手可能な植物粉末(例えば、樹皮粉末)、リサイクル材等を粉砕して得られたチップ等が挙げられる。
このような木質小片を接着剤により接着した本実施形態のボードとしては、パーティクルボード、繊維ボード、MDF等が挙げられる。
上記工程(A)において、接着剤として使用される多価カルボン酸および糖類のうち、多価カルボン酸は、複数のカルボキシル基を有している化合物であれば、特に限定されない。多価カルボン酸は、文献によってはポリカルボン酸と表記される場合もある。
多価カルボン酸としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、マロン酸、フタル酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、グルタル酸(1,5−ペンタン二酸)、グルコン酸、グルタコン酸、ペンテン二酸等が挙げられる。多価カルボン酸としては、無水物も使用できる。
このうち、多価カルボン酸として、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸、セバシン酸、イタコン酸等は、植物を原料として製造しているため、好ましく用いられる。植物を原料とした場合、化石資源の使用が抑制できるため、環境へ負担をかけずに接着剤を得ることができる。多価カルボン酸は、一種単独で、または複数種を組み合わせて用いることができる。
上記工程(A)において、接着剤として使用される多価カルボン酸および糖類のうち、糖類は、単糖および、単糖がグリコシド結合して構成された二糖、オリゴ糖、または多糖を意味する。単糖としては、例えば、フルクトース、リボース、アラビノース、ラムノース、キシルロース、デオキシリボース等が挙げられる。二糖としては、例えば、スクロース、マルトース、トレハロース、ツラノース、ラクツロース、マルツロース、パラチノース、ゲンチオビウロース、メリビウロース、ガラクトスクロース、ルチヌロース、プランテオビオース等が挙げられる。オリゴ糖としては、例えば、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖、スタキオース等が挙げられる。多糖としては、例えば、デンプン、アガロース、アルギン酸、グルコマンナン、イヌリン、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、グリコーゲン、セルロース等が挙げられる。糖類は、一種単独で、または複数種を組み合わせて用いることができる。
木質小片は水酸基を多く有しており、親水性が高く、上記工程(A)に使用される多価カルボン酸および糖類を主成分とする接着剤との親和性が高い。また、この木質小片中の水酸基と多価カルボン酸とがエステル化反応することにより、接着性が向上する。さらに、多価カルボン酸および糖類を主成分とする接着剤は、反応系内に有機溶剤やホルムアルデヒドを含まず、また、分解によってホルムアルデヒドが発生する第3級アミン等を含んでいない。そのため、接着剤由来の有機溶剤やホルムアルデヒドの放散を抑制しやすくなる。
上記工程(A)において、多価カルボン酸および糖類と、硫酸アンモニウムとを木質小片の集合体に分散させる方法としては、特に限定されるものではないが、次の(1)(2)の方法が挙げられる。
(1)多価カルボン酸および糖類と、硫酸アンモニウムとを同時に木質小片の集合体と混合して分散させる方法。
(2)硫酸アンモニウムと、木質小片の集合体とを混合し、硫酸アンモニウムを木質小片の集合体に分散させた後、多価カルボン酸および糖類と、木質小片の集合体とを混合し、多価カルボン酸および糖類を木質小片の集合体に分散させる方法。
上記(1)の方法では、多価カルボン酸、糖類、硫酸アンモニウムを木質小片の集合体に分散させる方法として、多価カルボン酸、糖類、硫酸アンモニウムの水分散液を用いる方法、多価カルボン酸、糖類、硫酸アンモニウムの粉体を用いる方法等が挙げられる。なお、本明細書において多価カルボン酸、糖類、硫酸アンモニウムの水分散液は、多価カルボン酸、糖類、硫酸アンモニウムが水に溶解または均一に分散した液を意味する。
多価カルボン酸、糖類、硫酸アンモニウムの水分散液を用いる方法は、例えば、この水分散液と、木質小片の集合体とを混合した後、乾燥することによって行う。多価カルボン酸と糖類は水への溶解性が高く、水分散液とすることで、被着材である木質小片の集合体との混合が容易になる。また、有機溶媒を用いないことから、人体への安全性を高いものとすることができる。さらに、多価カルボン酸と糖類が相溶状態にあることで、多価カルボン酸と糖類の変性が促進され、高分子の硬化物を形成し、優れた接着性が発現する。水の配合量は、多価カルボン酸と糖類の合計100質量部に対して15〜500質量部が好ましく、25〜400質量部がより好ましい。この範囲内であると、均一な接着剤を得やすく、接着剤の過浸透が生じにくくなり、かつ接着剤の加熱硬化の際には蒸発により温度上昇が遅くなりにくく、硬化が十分となりやすい。多価カルボン酸、糖類、硫酸アンモニウムの水分散液と、木質小片の集合体とを混合する方法としては、スプレー等でこの水分散液を木質小片に散布する方法、この水分散液中に木質小片の集合体を含浸する方法等が挙げられる。
多価カルボン酸、糖類、硫酸アンモニウムの粉体を用いる方法では、この粉体と、木質小片の集合体とを混合することによって、木質小片の集合体に多価カルボン酸、糖類、硫酸アンモニウムを分散させることができる。混合方法としては、上記粉体を木質小片の集合体に散布し、必要に応じて機械的に混合する方法等が挙げられる。
上記(2)の方法では、硫酸アンモニウムと、木質小片の集合体とを混合し、硫酸アンモニウムを木質小片の集合体に分散させた後、多価カルボン酸および糖類と、木質小片の集合体とを混合し、多価カルボン酸および糖類を木質小片の集合体に分散させる。本実施形態では、木質小片中の水酸基と多価カルボン酸とのエステル化反応の触媒として、硫酸アンモニウムを用いているが、硫酸アンモニウムのような比較的酸性の弱い塩を用いることで、母材の強度は維持される。しかし、酸性が弱いとエステル化反応の活性は低下しやすい。そこで、エステル化反応の触媒である硫酸アンモニウムを、接着剤である多価カルボン酸および糖類を分散させるよりも先に、あらかじめ母材である木質小片に分散させる。これにより、母材である木質小片のセルロースと多価カルボン酸とのエステル化反応の活性を促進することができる。そのため、より確実に曲げ強度を損なうことなく、煮沸質量減少率が特に小さく耐水性に優れたボードを得ることができる。
木質小片の集合体に硫酸アンモニウムを分散させる方法としては、硫酸アンモニウムの水分散液を用いる方法、硫酸アンモニウムの粉体を用いる方法等が挙げられる。なお、本明細書において硫酸アンモニウムの水分散液は、硫酸アンモニウムが水に溶解または均一に分散した液を意味する。
硫酸アンモニウムの水分散液を用いる方法は、例えば、硫酸アンモニウムの水分散液と、木質小片の集合体とを混合した後、乾燥することによって行う。乾燥は、養生して気乾状態とすることが好ましいが、指触乾燥状態でもよい。また、母材である木質小片のセルロースと多価カルボン酸とのエステル化反応の活性を促進する点を考慮すると、硫酸アンモニウムの水分散液の濃度が5質量%以上であることが好ましい。硫酸アンモニウムの水分散液と、木質小片の集合体とを混合する方法としては、スプレー等で硫酸アンモニウムの水分散液を木質小片に散布する方法、硫酸アンモニウムの水分散液中に木質小片の集合体を含浸する方法等が挙げられる。
硫酸アンモニウムの粉体を用いる方法では、硫酸アンモニウムの粉体と、木質小片の集合体とを混合することによって、木質小片の集合体に硫酸アンモニウムを分散させることができる。混合方法としては、硫酸アンモニウムの粉体を木質小片の集合体に散布し、必要に応じて機械的に混合する方法等が挙げられる。
上記(2)の方法では、曲げ強度を損なうことなく、煮沸質量減少率が特に小さく耐水性に優れたボードを得ることができる点を考慮すると、次の態様が好ましい。硫酸アンモニウムの水分散液と、木質小片の集合体とを混合した後、乾燥することによって、木質小片の集合体に硫酸アンモニウムを分散させる。その後、多価カルボン酸および糖類と、木質小片の集合体とを混合することによって、木質小片の集合体に多価カルボン酸および糖類を分散させる。ここで、多価カルボン酸および糖類と、木質小片の集合体とを混合する方法としては、多価カルボン酸および糖類の水分散液を用いることが好ましい。
上記工程(A)において、各原料の配合量については、木質小片の集合体と多価カルボン酸および糖類と硫酸アンモニウムとの合計量100質量部に対して、多価カルボン酸は2〜10質量部が好ましい。糖類は5〜20質量部が好ましい。硫酸アンモニウムは0.3〜5質量部が好ましい。
多価カルボン酸および糖類を主成分とする接着剤は、増粘剤、反応促進剤など他の成分を含有していてもよい。また、エステル化反応の触媒としては、硫酸アンモニウムのみに限定するものではなく、パラトルエンスルホン酸等の他の触媒を併用してもよい。
上記工程(B)では、熱圧成形における成形圧力、成形温度、成形時間等は、木質小片の種類、形状や表面性状、ボードの厚さ等により適宜設定される。ボードとしての物性が低下しないことや、反応速度が低下しにくく硬化が十分となりやすいこと等を考慮すると、成形温度は140〜230℃が好ましい。多価カルボン酸および糖類を主成分とする接着剤と被着材の木質小片とを十分に圧着しボードの強度を向上させることや、成形圧力が大きすぎず、ボードの破壊が起こりにくいこと等を考慮すると、成形圧力は0.5〜4MPaが好ましい。
以上に説明した本実施形態のボードによれば、多価カルボン酸および糖類を接着剤に用いてボードを製造する際に、曲げ強度を損なうことなく、煮沸質量減少率が小さく耐水性に優れたボードを得ることができる。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、表1および表2に示す配合量は質量部を示す。
(実施例1)
ジュートの靭皮繊維束(幅:1〜2cm、長さ:2〜4m)を切断機により長さ方向にカットした後、反毛機を用いて機械的に解繊処理した。これによって、平均繊維長が約55mmおよび平均繊維径が約150μmのジュートの植物繊維を得た。
得られた植物繊維85質量部に対し、3.3質量部の多価カルボン酸(クエン酸、和光純薬製)と、11.25質量部の糖類(スクロース、和光純薬製)と、0.45質量部の硫酸アンモニウム(和光純薬製)とを水と混合した50質量%水分散液を散布して供給した。その後、100℃、120分の条件で水分を乾燥させた。
次に、この乾燥後の混合物を、簡易フォーミング装置(型枠内寸:15cm角)を用いて型枠に散布しマット状に形成した。
次に、この繊維マットを、小型熱圧プレス機を用いて、温度240℃、圧力116Kg/cm、時間3分の条件で熱圧成形し、15cm角サイズで、厚さ9mmの繊維ボードを得た。この繊維ボードの密度は830kg/mであった。
(実施例2)
硫酸アンモニウムの配合量を1.5質量部、多価カルボン酸の配合量を2.25質量部とし、それ以外は実施例1と同様にして繊維ボードを作製した。
(実施例3)
植物繊維に対し、硫酸アンモニウムの水分散液を散布して供給した後、1日放置して水分を乾燥させた。次に、多価カルボン酸および糖類の水分散液を散布して供給した後、100℃、120分の条件で水分を乾燥させた。それ以外は実施例1と同様にして繊維ボードを作製した。
(比較例1)
硫酸アンモニウムを硫酸アルミニウムに変更し、それ以外は実施例1と同様にして繊維ボードを作製した。
(比較例2)
硫酸アンモニウムを硫酸アルミニウムに変更し、それ以外は実施例2と同様にして繊維ボードを作製した。
(比較例3)
硫酸アンモニウムをパラトルエンスルホン酸に変更し、それ以外は実施例1と同様にして繊維ボードを作製した。
(比較例4)
硫酸アンモニウムをパラトルエンスルホン酸に変更し、それ以外は実施例2と同様にして繊維ボードを作製した。
(比較例5)
硫酸アンモニウムをリン酸二水素ナトリウムに変更し、それ以外は実施例1と同様にして繊維ボードを作製した。
(比較例6)
硫酸アンモニウムをリン酸二水素ナトリウムに変更し、それ以外は実施例2と同様にして繊維ボードを作製した。
(比較例7)
硫酸アンモニウムを有機チタン(テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、品番:TOT、日本曹達社製)に変更し、それ以外は実施例1と同様にして繊維ボードを作製した。
(比較例8)
硫酸アンモニウムを有機チタン(テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、品番:TOT、日本曹達社製)に変更し、それ以外は実施例2と同様にして繊維ボードを作製した。
(比較例9)
硫酸アンモニウムを配合せず、多価カルボン酸の配合量を3.75質量部とし、それ以外は実施例1と同様にして繊維ボードを作製した。
(比較例10)
硫酸アンモニウムを配合せず、植物繊維の配合量を80質量部、多価カルボン酸の配合量を5質量部、糖類の配合量を15質量部とし、それ以外は実施例1と同様にして繊維ボードを作製した。
(比較例11)
小型熱圧プレス機を用いた熱圧成形の時間を比較例9の3分から6分に変更し、それ以外は比較例9と同様にして繊維ボードを作製した。
<評価>
[吸水厚さ膨張率]
作製した繊維ボードについて、吸水厚さ膨張率を、JIS A 5908:2003に準拠して測定した。
[曲げ強度]
作製した繊維ボードについて、曲げ強度と湿潤時曲げ強度を、JIS A 5908:2003に準拠して、常態と、煮沸後のそれぞれについて測定した。
[煮沸質量減少率]
作製した繊維ボードについて、煮沸後(煮沸水に2時間浸漬した後、100℃で3時間乾燥した後)の質量減少率を測定した。
上記の評価結果を表1に示す。なお、吸水厚さ膨張率においては12%以下が指標とされる。曲げ強度は、常態で18MPa以上、煮沸後で9MPa以上が指標とされる。
Figure 2017140778
Figure 2017140778
表1および表2より、触媒として硫酸アンモニウムを使用し、多価カルボン酸および糖類と共に植物繊維に分散させた実施例1〜3では、曲げ強度は常態と煮沸後のいずれも上記指標以上であった。また煮沸質量減少率は、硫酸アンモニウムを配合しなかった比較例9〜11に比べて有意に低下し、硫酸アンモニウムに代えて他の触媒を使用した比較例1〜8に比べても、同一質量部での対比において有意に低下し、耐水性が良好なものであった。
特に、植物繊維に対し、硫酸アンモニウムの水分散液を散布して供給、乾燥した後、多価カルボン酸および糖類の水分散液を散布して供給した実施例3では、煮沸質量減少率が実施例1、2と比べても著しく低下し、耐水性が特に良好なものであった。

Claims (2)

  1. 以下の工程(A)(B)を含むことを特徴とするボードの製造方法:
    (A)多価カルボン酸および糖類と、硫酸アンモニウムとを木質小片の集合体に分散させる工程;および、
    (B)前記多価カルボン酸および糖類と、前記硫酸アンモニウムとが分散された前記木質小片の集合体を熱圧成形することによって、前記木質小片が接着された前記ボードを得る工程。
  2. 前記工程(A)において、前記硫酸アンモニウムの水分散液と、前記木質小片の集合体とを混合した後、乾燥することによって、前記硫酸アンモニウムを前記木質小片の集合体に分散させた後、前記多価カルボン酸および糖類と、前記木質小片の集合体とを混合することによって、前記多価カルボン酸および糖類を前記木質小片の集合体に分散させることを特徴とする請求項1に記載のボードの製造方法。
JP2016023955A 2016-02-10 2016-02-10 ボードの製造方法 Pending JP2017140778A (ja)

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