JP2018050069A - 半導体装置、電気光学装置、及び電子機器 - Google Patents

半導体装置、電気光学装置、及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】信頼性を向上させることが可能な半導体装置、電気光学装置、半導体装置の製造方法、電気光学装置の製造方法、及び電子機器を提供する。
【解決手段】下地絶縁層11aは、第1基材10aの側の裏面12fと、裏面12fに対向する第1面12a、第2面12b、第3面12cと、第1面12aと第3面12cとの間に配置された第4面12dと、第2面12bと第3面12cとの間に配置された第5面12eを含む凹部12を有し、半導体層30aは、第1面12a〜第2面12bに配置され、ゲート電極30gは、ゲート絶縁層11gを介して少なくとも第3面12c、第4面12d、第5面12eの上の半導体層30aに対向するように配置されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、半導体装置、電気光学装置、半導体装置の製造方法、電気光学装置の製造方法、及び電子機器等に関する。
上記電気光学装置の一つとして、例えば、画素電極をスイッチング制御する素子としてトランジスター(半導体装置)を画素ごとに備えたアクティブ駆動方式の液晶装置が知られている。液晶装置は、例えば、直視型ディスプレイやプロジェクターのライトバルブなどにおいて用いられている。
トランジスターは、一般的には、半導体層が基板の表面と略平行になるように設けられている。トランジスターが設けられた領域は遮光領域にする必要があり、この領域が広ければ開口率が低下する。よって、更なる開口率の向上を目的として、例えば、特許文献1に記載の方法では、半導体層を基板の表面と略垂直方向に配置することにより、トランジスターの領域を平面的に小さくすることが可能となり、遮光領域を小さくすることができる。
特開2011−221072号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の方法では、半導体層におけるソースドレイン領域の形成方法が難しいという問題がある。言い換えれば、半導体層へのイオン注入方法が難しいことから、製造方法の簡略化が求められている。
本発明の態様は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る半導体装置は、ソース領域及びドレイン領域の一方と、前記ソース領域及びドレイン領域の他方と、チャネル領域と、を含む半導体層と、前記チャネル領域を覆うゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層を介して前記チャネル領域に対向するように配置されるゲート電極と、ソース電極及びドレイン電極の一方である第1電極と、前記ソース電極及び前記ドレイン電極の他方である第2電極と、を含み、前記ソース領域及びドレイン領域の一方は、第1絶縁層の第1面を覆うように配置され、前記ソース領域及びドレイン領域の他方は、前記第1絶縁層の第2面を覆うように配置され、前記チャネル領域は、前記第1絶縁層の第3面を覆うように配置され、前記第1絶縁層は、前記第1面と前記第3面との間に第4面を有し、前記第2面と前記第3面との間に第5面を有し、前記第1面と前記第3面とは間隔を有することを特徴とする。
本適用例によれば、第1絶縁層の第3面、第4面、第5面で構成される凹部が設けられており、少なくとも凹部の底面である第3面、及び側面である第4面及び第5面に沿って半導体層、ゲート絶縁層、ゲート電極が設けられているので、ゲート長を短くすることなく、平面視でゲート電極の幅を短くすることができる。これにより、遮光領域を小さくすることが可能となり、開口率を向上させることができる。加えて、周知の製造方法を用いて半導体層にイオン注入できるので、比較的簡単にトランジスターを形成することができる。
[適用例2]上記適用例に係る半導体装置において、前記第1絶縁層は、前記第1面に対向する第6面、前記第2面に対向する第7面、前記第3面に対向する第8面、前記第4面に対向する第9面、及び前記第5面に対向する第10面を有することが好ましい。
本適用例によれば、第1絶縁層の第3面、第4面、第5面で構成される凹部が設けられており、少なくとも凹部の底面である第3面、及び側面である第4面及び第5面に沿って半導体層、ゲート絶縁層、ゲート電極が設けられているので、ゲート長を短くすることなく、第1面及び第2面から裏面に向かう方向に見たとき(平面視で)、ゲート電極の幅を短くすることができる。これにより、遮光領域を小さくすることが可能となり、開口率を向上させることができる。加えて、周知の製造方法を用いて半導体層にイオン注入できるので、比較的簡単にトランジスターを形成することができる。
また、第1絶縁層は第1面に対向する第6面、第2面に対向する第7面、第3面に対向する第8面、第4面に対向する第9面、及び第5面に対向する第10面を有する。第6面乃至前記第10面に接するように走査線を配置することが可能となり、走査線により半導体装置を遮光することができる。また、半導体層に対向するようにゲート電極と走査線(バックゲート)とが配置されるので、ダブルゲート電極として機能させることができる。これにより、トランジスターのON/OFF特性を向上させることができる。
[適用例3]上記適用例に係る半導体装置において、前記半導体層及び前記ゲート電極を覆う第2絶縁層、及び前記ゲート絶縁層を貫通するように配置される第1コンタクトホールの内部に第1電極が配置され、前記第2絶縁層及び前記ゲート絶縁層を貫通するように配置される第2コンタクトホールの内部に第2電極が配置されることが好ましい。
本適用例によれば、第2絶縁層及びゲート絶縁層を貫通するように、ソース領域及びドレイン領域の一方、又はソース領域及びドレイン領域の他方に接続される第1電極及び第2電極が設けられているので、周知の製造方法を用いて半導体層にイオン注入できると共に、比較的簡単に第1電極及び第2電極を上層に引き出すことができる。
[適用例4]本適用例に係る電気光学装置は、基板と、複数の走査線と、前記複数の走査線の各々に交差するように配置された複数のデータ線と、を含み、前記半導体装置は、前記複数の走査線のいずれか、及び前記複数のデータ線のいずれかに電気的に接続され、前記基板は、前記第6面に対向する第11面、前記第7面に対向する第12面、前記第8面に対向する第13面、前記第9面に対向する第14面、及び前記第10面に対向する第15面を有し、前記走査線は前記基板と前記半導体装置との間に配置されることを特徴とする。
本適用例によれば、基板の第13面、第14面、第15面で構成される凹部が設けられており、少なくとも凹部の底面である第13面、及び側面である第14面及び第15面に沿って半導体層、ゲート絶縁層、ゲート電極が設けられているので、ゲート長を短くすることなく、平面視でゲート電極の幅を短くすることができる。これにより、遮光領域を小さくすることが可能となり、開口率を向上させることができる。加えて、周知の製造方法を用いて半導体層にイオン注入できるので、比較的簡単にトランジスターを形成することができる。
[適用例5]本適用例に係る電気光学装置は、上記に記載の半導体装置と、前記半導体装置と電気的に接続された画素電極と、前記半導体装置及び前記画素電極を備えた素子基板と、前記素子基板と対向配置された対向基板と、前記素子基板と前記対向基板とに挟持された電気光学層と、を備えたことを特徴とする。
本適用例によれば、平面的な半導体装置の大きさが抑えられているので、開口率を向上させることができる。
[適用例6]上記適用例に係る電気光学装置において、ソース領域及びドレイン領域の一方から、ソース領域及びドレイン領域の他方へ向かう方向は、走査線の延びる方向に沿っていることが好ましい。
本適用例によれば、トランジスターを走査線と平行方向、即ちソース線(データ線)と直交する方向に配置することで、トランジスターの直上にソース領域及びドレイン領域の他方と干渉することなく、ソース線を配置することができる。
[適用例7]本適用例に係る半導体装置の製造方法は、第1面と第3面との間に第4面を有し、第2面と第3面との間に第5面を有し、前記第1面と前記第3面とは間隔を有する第1絶縁膜を形成する工程と、前記第1絶縁膜を覆うように半導体層を形成する工程と、前記半導体層を覆うようにゲート絶縁層を形成する工程と、前記ゲート絶縁層を覆、前記第3面を覆う半導体層の少なくとも一部を覆うようにゲート電極を形成する工程と、前記半導体層にイオン注入を行い、ソース領域及びドレイン領域の一方を前記第1面を覆うように配置される半導体層の少なくとも一部に形成し、前記ソース領域及びドレイン領域の他方を前記第3面を覆うように配置される前記半導体層の少なくとも一部に形成する工程と、前記ソース領域及びドレイン領域の一方に電気的に接続される第1電極と、前記ソース領域及びドレイン領域の他方に電気的に接続される第2電極とを形成する工程と、を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、第1絶縁層の第3面、第4面、第5面で構成される凹部を形成し、少なくとも凹部の底面である第3面、及び側面である第4面及び第5面に沿って半導体層、ゲート絶縁層、ゲート電極を形成するので、ゲート長を短くすることなく、平面視でゲート電極の幅を短くすることができる。これにより、遮光領域を小さくすることが可能となり、開口率を向上させることができる。加えて、周知の製造方法を用いて半導体層にイオン注入できるので、比較的簡単にトランジスターを形成することができる。
[適用例8]本適用例に係る電気光学装置の製造方法は、前記半導体装置と画素電極とをコンタクトホールを介して電気的に接続する工程と、前記画素電極の上に電気光学層を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
本適用例によれば、平面的な半導体装置の大きさが抑えられているので、開口率を向上させることができる。
[適用例9]本適用例に係る電子機器は、上記に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、上記の電気光学装置を備えているので、表示品質の高い電子機器を提供することができる。
第1実施形態の電気光学装置としての液晶装置の構成を示す模式平面図。 図1に示す液晶装置のH−H’線に沿う模式断面図。 液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図。 液晶装置及び半導体装置の構造を示す模式断面図。 図4に示す液晶装置のうち半導体装置を上方から見た模式平面図。 液晶装置の製造方法を工程順に示すフローチャート。 液晶装置の製造方法のうち半導体装置の製造方法を示す模式断面図。 液晶装置の製造方法のうち半導体装置の製造方法を示す模式断面図。 液晶装置を備えた投射型表示装置の構成を示す概略図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
なお、以下の形態において、例えば「基板上に」と記載された場合、基板の上に接するように配置される場合、または基板の上に他の構成物を介して配置される場合、または基板の上に一部が接するように配置され、一部が他の構成物を介して配置される場合を表すものとする。
本実施形態では、液晶装置として、薄膜トランジスター(TFT:Thin Film Transistor)を画素のスイッチング素子として備えたアクティブマトリックス型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば、投射型表示装置(液晶プロジェクター)の光変調素子(液晶ライトバルブ)として好適に用いることができるものである。
<電気光学装置としての液晶装置の構成>
図1は、電気光学装置としての液晶装置の構成を示す模式平面図である。図2は、図1に示す液晶装置のH−H’線に沿う模式断面図である。図3は、液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。以下、液晶装置の構成を、図1〜図3を参照しながら説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の液晶装置100は、対向配置された素子基板10および対向基板20と、これら一対の基板によって挟持された電気光学層としての液晶層15とを有する。素子基板10を構成する基板としての第1基材10a、および対向基板20を構成する第2基材20aは、例えば、ガラス基板、石英基板などの透明基板が用いられている。
素子基板10は対向基板20よりも大きく、両基板は、対向基板20の外周に沿って配置されたシール材14を介して接合されている。平面視で環状に設けられたシール材14の内側で、素子基板10は対向基板20の間に正または負の誘電異方性を有する液晶が封入されて液晶層15を構成している。シール材14は、例えば熱硬化性又は紫外線硬化性のエポキシ樹脂などの接着剤が採用されている。シール材14には、一対の基板の間隔を一定に保持するためのスペーサー(図示省略)が混入されている。
シール材14の内縁より内側には、複数の画素Pが配列した表示領域Eが設けられている。表示領域Eは、表示に寄与する複数の画素Pに加えて、複数の画素Pを囲むように配置されたダミー画素を含むとしてもよい。また、図1及び図2では図示を省略したが、表示領域Eにおいて複数の画素Pをそれぞれ平面的に区分する遮光膜(ブラックマトリックス:BM)が対向基板20に設けられている。
素子基板10の1辺部に沿ったシール材14と該1辺部との間に、データ線駆動回路22が設けられている。また、該1辺部に対向する他の1辺部に沿ったシール材14と表示領域Eとの間に、検査回路25が設けられている。さらに、該1辺部と直交し互いに対向する他の2辺部に沿ったシール材14と表示領域Eとの間に走査線駆動回路24が設けられている。該1辺部と対向する他の1辺部に沿ったシール材14と検査回路25との間には、2つの走査線駆動回路24を繋ぐ複数の配線29が設けられている。
対向基板20における環状に配置されたシール材14と表示領域Eとの間には、遮光膜18(見切り部)が設けられている。遮光膜18は、例えば、遮光性の金属あるいは金属酸化物などからなり、遮光膜18の内側が複数の画素Pを有する表示領域Eとなっている。なお、図1では図示を省略したが、表示領域Eにおいても複数の画素Pを平面的に区分する遮光膜が設けられている。
これらデータ線駆動回路22、走査線駆動回路24に繋がる配線は、該1辺部に沿って配列した複数の外部接続用端子65に接続されている。以降、該1辺部に沿った方向をX方向とし、該1辺部と直交し互いに対向する他の2辺部に沿った方向をY方向として説明する。
図2に示すように、第1基材10aの液晶層15側の表面には、画素Pごとに設けられた透光性の画素電極27およびスイッチング素子である薄膜トランジスター(TFT:Thin Film Transistor、以降、「TFT30」と呼称する)と、信号配線と、これらを覆う配向膜28とが形成されている。
また、TFT30における半導体層(活性層)に光が入射してスイッチング動作が不安定になることを防ぐ遮光構造が採用されている。本発明における素子基板10は、少なくとも画素電極27、TFT30、配向膜28を含むものである。
対向基板20の液晶層15側の表面には、遮光膜18と、これを覆うように成膜された平坦化層33と、平坦化層33を覆うように設けられた対向電極31と、対向電極31を覆う配向膜32とが設けられている。本発明における対向基板20は、少なくとも対向電極31、配向膜32を含むものである。
遮光膜18は、図1に示すように、表示領域Eを取り囲むと共に、平面的に走査線駆動回路24、検査回路25と重なる位置に設けられている(図示簡略)。これにより対向基板20側からこれらの駆動回路を含む周辺回路に入射する光を遮蔽して、周辺回路が光によって誤動作することを防止する役目を果たしている。また、不必要な迷光が表示領域Eに入射しないように遮蔽して、表示領域Eの表示における高いコントラストを確保している。
平坦化層33は、例えば酸化シリコンなどの無機材料からなり、光透過性を有して遮光膜18を覆うように設けられている。このような平坦化層33の形成方法としては、例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて成膜する方法が挙げられる。
対向電極31は、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電膜からなり、平坦化層33を覆うと共に、図1に示すように対向基板20の四隅に設けられた上下導通部26により素子基板10側の配線に電気的に接続している。
画素電極27を覆う配向膜28および対向電極31を覆う配向膜32は、液晶装置100の光学設計に基づいて選定される。例えば、気相成長法を用いてSiOx(酸化シリコン)などの無機材料を成膜して、負の誘電異方性を有する液晶分子に対して略垂直配向させた無機配向膜が挙げられる。
このような液晶装置100は透過型であって、電圧が印加されない時の画素Pの透過率が電圧印加時の透過率よりも大きいノーマリーホワイトや、電圧が印加されない時の画素Pの透過率が電圧印加時の透過率よりも小さいノーマリーブラックモードの光学設計が採用される。光の入射側と射出側とにそれぞれ偏光素子が光学設計に応じて配置されて用いられる。
図3に示すように、液晶装置100は、少なくとも表示領域Eにおいて互いに絶縁されて直交する複数の走査線3aおよび複数のデータ線6aと、共通電位配線としての容量線3bとを有する。走査線3aが延在する方向がX方向であり、データ線6aが延在する方向がY方向である。
走査線3aとデータ線6aならびに容量線3bと、これらの信号線類により区分された領域に、画素電極27と、TFT30と、蓄積容量16とが設けられ、これらが画素Pの画素回路を構成している。
走査線3aはTFT30のゲートに電気的に接続され、データ線6aはTFT30のデータ線側ソースドレイン領域(ソース領域:ソース領域及びドレイン領域の一方)に電気的に接続されている。画素電極27は、TFT30の画素電極側ソースドレイン領域(ドレイン領域:ソース領域及びドレイン領域の他方)に電気的に接続されている。
データ線6aは、データ線駆動回路22(図1参照)に接続されており、データ線駆動回路22から供給される画像信号D1,D2,…,Dnを画素Pに供給する。走査線3aは、走査線駆動回路24(図1参照)に接続されており、走査線駆動回路24から供給される走査信号SC1,SC2,…,SCmを各画素Pに供給する。
データ線駆動回路22からデータ線6aに供給される画像信号D1〜Dnは、この順に線順次で供給してもよく、互いに隣り合う複数のデータ線6a同士に対してグループごとに供給してもよい。走査線駆動回路24は、走査線3aに対して、走査信号SC1〜SCmを所定のタイミングで供給する。
液晶装置100は、スイッチング素子であるTFT30が走査信号SC1〜SCmの入力により一定期間だけオン状態とされることで、データ線6aから供給される画像信号D1〜Dnが所定のタイミングで画素電極27に書き込まれる構成となっている。そして、画素電極27を介して液晶層15に書き込まれた所定レベルの画像信号D1〜Dnは、画素電極27と液晶層15を介して対向配置された対向電極31との間で一定期間保持される。
保持された画像信号D1〜Dnがリークするのを防止するため、画素電極27と対向電極31との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量16が接続されている。蓄積容量16は、TFT30の画素電極側ソースドレイン領域と容量線3bとの間に設けられている。
<液晶装置、半導体装置の構成>
図4は、液晶装置、及び半導体装置としてのTFTの構造を示す模式断面図である。図5は、図4に示す液晶装置のうち半導体装置の部分を上方から見た模式平面図である。以下、液晶装置及び半導体装置の構造を、図4及び図5を参照しながら説明する。なお、図4及び図5は、各構成要素の断面的な位置関係を示すものであり、明示可能な尺度で表されている。
図4に示すように、液晶装置100は、一対の基板のうち一方の基板である素子基板10と、これに対向配置される他方の基板である対向基板20(図示せず)とを備えている。素子基板10を構成する第1基材10aは、上記したように、例えば、石英基板等によって構成されている。
第1基材10a上には、シリコン酸化膜等からなる下地絶縁層11a(下層絶縁層)が設けられている。下地絶縁層11aには、TFT30が設けられる領域の一部が第1基材10a側に張り出す凹部12が設けられている。具体的には、下地絶縁層11aにおける凹部12を除く領域の上面を第1面12a(第6面、第11面)、及び第2面12b(第7面、第12面)とする。また、凹部12の底面を第3面12c(第8面、第13面)とする。第1面12aと第3面12cとの間の斜面(側面)を第4面12d(第9面、第14面)とする。更に、第2面12bと第3面12cとの間の斜面(側面)を第5面12e(第10面、第15面)とする。つまり、裏面12fから第1面12a及び第2面12bの距離より、裏面12fから第3面12cまでの距離が短くなっている凹部12が設けられている。
図4及び図5に示すように、下地絶縁層11a上には、例えば、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)等の材料を含む下側遮光膜3cが形成されている。下側遮光膜3cは、平面的に格子状にパターニングされており、各画素Pの開口領域を規定している。なお、下側遮光膜3cは、導電性を有し、走査線3aの一部として機能するようにしてもよい。
下側遮光膜(走査線)3c上には、シリコン酸化膜等からなる第1層間絶縁層11b(第1絶縁層)が設けられている。第1層間絶縁層11b上には、半導体装置としてのTFT30が形成されている。TFT30は、例えば、ポリシリコン(高純度の多結晶シリコン)等からなる半導体層30aが、下地絶縁層11aの第3面12c(第8面、第13面)、第4面12d(第9面、第14面)、第5面12e(第10面、第15面)に相当する第1層間絶縁層11bの面に亘って設けられている。
TFT30は、半導体層30a上に形成されたゲート絶縁層11gと、ゲート絶縁層11g上における第3面12c(第8面、第13面)、第4面12d(第9面、第14面)、第5面12e(第10面、第15面)に対向する面に形成されたポリシリコン膜等からなるゲート電極30gとを有する。
半導体層30aは、例えば、リン(P)イオン等のN型の不純物イオンが注入されることにより、N型のTFT30として形成されている。具体的には、半導体層30aは、例えば、チャネル領域30cと、データ線側LDD(Lightly Doped Drain)領域30s1と、データ線側ソースドレイン領域30sと、画素電極側LDD領域30d1と、画素電極側ソースドレイン領域30dとを備えている。
チャネル領域30cには、ボロン(B)イオン等のP型の不純物イオンがドープされている。その他の領域(30s,30s1,30d,30d1)には、リン(P)イオン等のN型の不純物イオンがドープされている。このように、TFT30は、N型のTFTとして形成されている。
半導体層30aは、例えば、第1層間絶縁層11bにおける第1面12aに相当する位置にデータ線側ソースドレイン領域(ソース領域)30s、データ線側LDD領域30s1が配置され、第2面12bに相当する位置に画素電極側LDD領域30d1、画素電極側ソースドレイン領域30dが配置され、第3面12c、第4面12d、第5面12eに相当する位置にチャネル領域30cが配置されている。
このように、少なくとも凹部12の第3面12c、第4面12d、第5面12eに沿って半導体層30a、ゲート絶縁層11g、ゲート電極30gを形成するので、ゲート長を短くすることなく、第1面12a及び第2面12bから裏面12fに向かう方向から見たとき(平面視で)、ゲート電極30gの幅(半導体層30aの幅W)を短くすることができる。これにより、TFT30の遮光領域を小さくすることが可能となり、開口率を向上させることができる。
ゲート電極30g、及びゲート絶縁層11g上には、シリコン酸化膜等からなる第2層間絶縁層11c(第2絶縁層)が形成されている。第2層間絶縁層11c上には、Al(アルミニウム)などの遮光性の導電部材料を用いて導電膜を成膜し、これをパターニングすることにより、コンタクトホールCNT1を介してデータ線側ソースドレイン領域30sに繋がる中継電極51(第1電極)ならびにデータ線6aが形成されている。同時に、コンタクトホールCNT2を介して画素電極側ソースドレイン領域30dに繋がる中継電極52(第2電極)が形成されている。
次に、データ線6a、中継電極51,52、及び第2層間絶縁層11cを覆って第3層間絶縁層11dが形成される。第3層間絶縁層11dは、例えば、シリコンの酸化物や窒化物からなり、TFT30が設けられた領域を覆うことによって生じる表面の凹凸を平坦化する平坦化処理が施される。平坦化処理の方法としては、例えば化学的機械的研磨処理(Chemical Mechanical Polishing:CMP処理)やスピンコート処理などが挙げられる。その後、第3層間絶縁層11dを貫通するコンタクトホールCNT3が形成されている。
第3層間絶縁層11d上には、蓄積容量16の一部を構成する容量線3b(COM電位)が形成されている。容量線3bは、例えば、下層にアルミニウム(Al)膜が配置され、上層に窒化チタン(TiN)膜が配置された積層構造になっている。
容量線3b上には、容量線3bを覆うように、アルミナやシリコン窒化膜などからなる容量絶縁膜16bが形成されている。また、容量絶縁膜16b上における、コンタクトホールCNT4の領域と平面視で重なる領域近傍に、シリコン酸化膜などからなるストッパー膜16c1が形成されている。ストッパー膜16c1は、容量絶縁膜16bの形成前、即ち、容量線3bと容量絶縁膜16bとの間に形成されていてもよい。
ストッパー膜16c1、容量絶縁膜16b、及び第3層間絶縁層11d上には、コンタクトホールCNT3を埋めると共に、第3層間絶縁層11dを覆うようにAl(アルミニウム)などの遮光性の導電部材料を用いて導電膜を成膜し、これをパターニングすることにより、コンタクトホールCNT3を介して画素電極側ソースドレイン領域30dに繋がる中継電極53、ならびに蓄積容量16を構成する画素電極電位層としての容量電極16cが形成されている。なお、上記したストッパー膜16c1上において、隣り合う容量電極16cと容量電極16cとが分離するようにパターニングされている。
容量電極16c上には、シリコン酸化膜などからなる第4層間絶縁層11eが形成されている。そして、第4層間絶縁層11eを貫通するコンタクトホールCNT4が形成されている。第4層間絶縁層11e上は、第3層間絶縁層11dと同様に平坦化処理を施してもよい。
第4層間絶縁層11eを貫通するコンタクトホールCNT4は、例えば、容量電極16cのうちストッパー膜16c1と平面視で重なる位置に形成される。第4層間絶縁層11e上には、このコンタクトホールCNT4を埋めるようにしてITOなどの透明導電膜が成膜される。そして、この透明導電膜をパターニングすることにより、コンタクトホールCNT4を介して容量電極16cと繋がる、画素電極27が形成される。
容量電極16cは、中継電極53、コンタクトホールCNT3、中継電極52、コンタクトホールCNT2を介して、TFT30の画素電極側ソースドレイン領域30dと電気的に接続されると共に、コンタクトホールCNT4を介して画素電極27と電気的に接続されている。
画素電極27及び第4層間絶縁層11e上には、酸化シリコン(SiO2)などの無機材料を斜方蒸着した配向膜28(図2参照)が設けられている。配向膜28上には、シール材14(図1及び図2参照)により囲まれた空間に液晶等が封入された液晶層15が設けられている。
一方、第2基材20a上(液晶層15側)には、その全面に渡って対向電極31が設けられている(図2参照)。対向電極31上には、酸化シリコン(SiO2)などの無機材料を斜方蒸着した配向膜32が設けられている。対向電極31は、上述の画素電極27と同様に、例えばITO膜等の透明導電性膜からなる。
液晶層15は、画素電極27と対向電極31との間で電界が生じていない状態で配向膜28,32によって所定の配向状態をとる。シール材14は、素子基板10及び対向基板20をそれらの周辺で貼り合わせるための、例えば光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー或いはガラスビーズ等のスペーサーが混入されている。以下、液晶装置100の製造方法について説明する。
<液晶装置、及び半導体装置の製造方法>
図6は、液晶装置の製造方法を工程順に示すフローチャートである。図7及び図8は、液晶装置の製造方法のうち半導体装置の製造方法を示す模式断面図である。以下、液晶装置の製造方法、及び半導体装置の製造方法を、図6〜図8を参照しながら説明する。
最初に、素子基板10側の製造方法を説明する。まず、ステップS11では、石英基板などからなる第1基材10a上に、半導体装置としてのTFT30を形成する。具体的には、図7(a)に示すように、第1基材10a上に、周知の成膜技術を用いて、シリコン酸化膜などからなる下地絶縁層11aを成膜する。次に、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、TFT30が形成される領域に凹部12を形成する(凹部形成工程)。なお、下地絶縁層11aに凹部12を形成する方法として、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いることに限定されず、例えば、マスクを用いて凹部12になるように積層(成膜)するようにしてもよい。また、転写法や物理的な方法を用いて凹部12を形成するようにしてもよい。
詳述すると、下地絶縁層11aにおける第1基材10a側の面を裏面12f、裏面12fに対向する面を第1面12a(第11面)及び第2面12b(第12面)、凹部12の底面を第3面12c(第13面)、第1面12aと第3面12cとの間の斜面を第4面(第14面)、第2面と第3面12cとの間の斜面を第5面12e(第15面)とする凹部12が形成される。つまり、裏面12fから第1面12a及び第2面12bまでの距離より、裏面12fから第3面12cまでの距離が短くなっている。
図7(b)に示す工程では、下地絶縁層11a上に、アルミニウムなどからなる下側遮光膜3cを成膜する。なお、下側遮光膜3cは、下層の下地絶縁層11aの起伏に倣って成膜される。下側遮光膜3cの厚みは、例えば、0.2μmである。
図7(c)に示す工程(第1絶縁層形成工程、半導体層形成工程)では、第1層間絶縁層11b及び半導体層30aを形成する。具体的には、まず、下側遮光膜3c上に、シリコン酸化膜などからなる第1層間絶縁層11bを成膜する。第1層間絶縁層11bの凹部12の幅は、例えば、0.25μmである。凹部12の深さは、例えば、0.5μmである。第1層間絶縁層11bの厚みは、例えば、0.35μmである。
次に、第1層間絶縁層11b上に、周知の成膜技術、フォトグラフィ技術、及びエッチング技術を用いて、第1層間絶縁層11bにおける、第1面12a、第4面12d、第3面12c、第5面12e、第2面12bに亘って、ポリシリコンなどからなる半導体層30aを形成する。凹部12に半導体層30aを形成することにより、例えば、従来と同等のゲート長である1.5μmに確保することができると共に、平面的な幅を0.75μmに小さくすることができる。
図7(d)に示す工程(イオン注入工程)では、半導体層30aに不純物イオンを注入する。具体的には、N型のTFTとして形成する場合、チャネル領域30cとなる領域には、ボロン(B)イオン等のP型の不純物イオンをドープする。データ線側ソースドレイン領域30s、画素電極側ソースドレイン領域30d、また、データ線側LDD領域30s1、画素電極側LDD領域30d1となる領域に、リン(P)イオン等のN型の不純物イオンを、注入量を調整してドープする。
これにより、第1層間絶縁層11bにおける第1面12aに相当する位置にデータ線側ソースドレイン領域(ソース領域)30s及びデータ線側LDD領域30s1、また、第2面12bに相当する位置に画素電極側ソースドレイン領域(ドレイン領域)30d及び画素電極側LDD領域30d1が配置される。更に、第3面12c、第4面12d、第5面12eに相当する位置にチャネル領域30cが配置される。
図8(e)に示す工程(ゲート絶縁層形成工程、ゲート電極形成工程)では、ゲート電極30gを形成する。具体的には、まず、半導体層30a及び第1層間絶縁層11b上にゲート絶縁層11gを形成する。次に、ゲート絶縁層11g上にポリシリコンを成膜し、ポリシリコンをパターニングすることにより、ゲート絶縁層11g上における少なくとも第3面12c、第4面12d、第5面12eに相当する位置にゲート電極30gを形成する。
図8(f)に示す工程では、ゲート電極30g及びゲート絶縁層11g上に、シリコン酸化膜などからなる第2層間絶縁層11cを形成する。次に、第2層間絶縁層11c及びゲート絶縁層11gに、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、コンタクトホールCNT1,2を形成する。
図8(g)に示す工程では、第2層間絶縁層11c上に、データ線6a、中継電極51,52を形成する。具体的には、コンタクトホールCNT1,2の中を埋めると共に、第2層間絶縁層11c上にアルミニウムなどの遮光性の導電部材を成膜し、導電部材をパターニングする。これにより、第2層間絶縁層11c上には、コンタクトホールCNT1と電気的に接続された中継電極51及びデータ線6aと、コンタクトホールCNT2と電気的に接続された中継電極52とが形成される。以上により、TFT30が形成される。
続いて、図6を参照しながら説明する。ステップS12では、画素電極27を形成する。具体的には、TFT30上に、周知の成膜技術、フォトリソグラフィ技術、及びエッチング技術を用いて、第2層間絶縁層11c、第3層間絶縁層11d、蓄積容量16、第4層間絶縁層11eを形成し、第4層間絶縁層11e上に画素電極27を形成する。
ステップS13では、配向膜28を形成する。具体的には、画素電極27が設けられた第4層間絶縁層11e上の全体に、酸化シリコンなどの無機材料を斜方蒸着することで、柱状構造物を有する配向膜28を形成する。
次に、対向基板20側の製造方法を説明する。まず、ステップS21では、石英基板等の透光性材料からなる第2基材20a上に、周知の成膜技術を用いて対向電極31を形成する。
ステップS22では、対向電極31上に配向膜32を形成する。配向膜32の製造方法としては、例えば、酸化シリコン(SiO2)などの無機材料を斜方蒸着する斜方蒸着法が用いられる。以上により、対向基板20が完成する。次に、素子基板10と対向基板20とを貼り合わせる方法を説明する。
ステップS31では、素子基板10上にシール材14を塗布する。具体的には、例えば、素子基板10とディスペンサー(吐出装置でも可能)との相対的な位置関係を変化させて、素子基板10における表示領域Eの周縁部に(表示領域Eを囲むように)シール材14を塗布する。
ステップS32では、素子基板10と対向基板20とを貼り合わせる。具体的には、素子基板10に、塗布されたシール材14を介して素子基板10と対向基板20とを貼り合わせる。
ステップS33では、液晶注入口から構造体の内部に液晶を注入し、その後、液晶注入口を封止材で封止する。以上により、液晶装置100が完成する。
<電子機器の構成>
次に、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置について、図9を参照しながら説明する。図9は、上記した液晶装置を備えた投射型表示装置の構成を示す概略図である。
図9に示すように、本実施形態の投射型表示装置1000は、システム光軸Lに沿って配置された偏光照明装置1100と、光分離素子としての2つのダイクロイックミラー1104,1105と、3つの反射ミラー1106,1107,1108と、5つのリレーレンズ1201,1202,1203,1204,1205と、3つの光変調手段としての透過型の液晶ライトバルブ1210,1220,1230と、光合成素子としてのクロスダイクロイックプリズム1206と、投射レンズ1207とを備えている。
偏光照明装置1100は、超高圧水銀灯やハロゲンランプなどの白色光源からなる光源としてのランプユニット1101と、インテグレーターレンズ1102と、偏光変換素子1103とから概略構成されている。
ダイクロイックミラー1104は、偏光照明装置1100から射出された偏光光束のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光(G)と青色光(B)とを透過させる。もう1つのダイクロイックミラー1105は、ダイクロイックミラー1104を透過した緑色光(G)を反射させ、青色光(B)を透過させる。
ダイクロイックミラー1104で反射した赤色光(R)は、反射ミラー1106で反射した後にリレーレンズ1205を経由して液晶ライトバルブ1210に入射する。ダイクロイックミラー1105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ1204を経由して液晶ライトバルブ1220に入射する。ダイクロイックミラー1105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ1201,1202,1203と2つの反射ミラー1107,1108とからなる導光系を経由して液晶ライトバルブ1230に入射する。
液晶ライトバルブ1210,1220,1230は、クロスダイクロイックプリズム1206の色光ごとの入射面に対してそれぞれ対向配置されている。液晶ライトバルブ1210,1220,1230に入射した色光は、映像情報(映像信号)に基づいて変調されクロスダイクロイックプリズム1206に向けて射出される。
このプリズムは、4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が合成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ1207によってスクリーン1300上に投射され、画像が拡大されて表示される。
液晶ライトバルブ1210は、上述した液晶装置100が適用されたものである。液晶装置100は、色光の入射側と射出側とにおいてクロスニコルに配置された一対の偏光素子の間に隙間を置いて配置されている。他の液晶ライトバルブ1220,1230も同様である。
このような投射型表示装置1000によれば、液晶ライトバルブ1210,1220,1230を用いているので、高い信頼性を得ることができる。
なお、液晶装置100が搭載される電子機器としては、投射型表示装置1000の他、ヘッドアップディスプレイ、スマートフォン、EVF(Electrical View Finder)、モバイルミニプロジェクター、携帯電話、モバイルコンピューター、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ディスプレイ、車載機器、オーディオ機器、露光装置や照明機器など各種電子機器に用いることができる。
以上詳述したように、本実施形態のTFT30、液晶装置100、TFT30の製造方法、液晶装置100の製造方法、及び電子機器によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)本実施形態のTFT30、液晶装置100、TFT30の製造方法、及び液晶装置100の製造方法によれば、下地絶縁層11aに第3面12c、第4面12d、第5面12eで構成される凹部12を形成し、少なくとも凹部12の第3面12c、第4面12d、第5面12eに沿って半導体層30a、ゲート絶縁層11g、ゲート電極30gを形成するので、ゲート長を短くすることなく、第1面12a及び第2面12bから裏面12fに向かう方向から見たとき(平面視で)、ゲート電極30gの幅を短くすることができる。これにより、TFT30の遮光領域を小さくすることが可能となり、開口率を向上させることができる。加えて、周知の製造方法を用いて半導体層30aにイオン注入できるので、比較的簡単にTFT30を形成することができる。
(2)本実施形態のTFT30、液晶装置100、TFT30の製造方法、液晶装置100の製造方法によれば、下地絶縁層11aの凹部12の起伏に倣って下側遮光膜3cを形成するので、下側遮光膜3cと半導体層30aとを近くすることが可能となり、ゲート電極30gと下側遮光膜3c(バックゲート)とによって、ダブルゲート電極として機能させることができる。これにより、TFT30のON/OFF特性を向上させることができる。
(3)本実施形態の電子機器によれば、上記した液晶装置100を備えているので、表示品質の高い電子機器を提供することができる。
なお、本発明の態様は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、本発明の態様の技術範囲に含まれるものである。また、以下のような形態で実施することもできる。
(変形例1)
上記したように、下地絶縁層11aに凹部12を形成することに限定されず、半導体層30aを形成する前に凹部が形成されていればよく、例えば、第1基材10aに凹部12(第11面12a、第12面12b、第13面12c、第14面12d、第15面12e)を形成するようにしてもよい。この場合、下地絶縁層11aを形成しなくても良い。
(変形例2)
上記したように、電気光学装置として液晶装置100に適用することに限定されず、例えば、有機EL装置、プラズマディスプレイ、電子ペーパー等に適用するようにしてもよい。
3a…走査線、3b…容量線、3c…下側遮光膜、CNT1,2,3,4…コンタクトホール、6a…データ線、10…素子基板、10a…第1基材、11a…下層絶縁層としての下地絶縁層、11b…第1絶縁層としての第1層間絶縁層、11c…第2絶縁層としての第2層間絶縁層、11d…第3層間絶縁層、11e…第4層間絶縁層、11g…ゲート絶縁層、12…凹部、12a…第1面、第6面、第11面、12b…第2面、第7面、第12面、12c…第3面、第8面、第13面、12d…第4面、第9面、第14面、12e…第5面、第10面、第15面、12f…裏面、14…シール材、15…液晶層、16…蓄積容量、16b…容量絶縁膜、16c…容量電極、18…遮光膜、20…対向基板、20a…第2基材、22…データ線駆動回路、24…走査線駆動回路、25…検査回路、26…上下導通部、27…画素電極、28,32…配向膜、29…配線、30…TFT、30a…半導体層、30c…チャネル領域、30d…画素電極側ソースドレイン領域(ソース領域及びドレイン領域の他方)、30d1…画素電極側LDD領域、30g…ゲート電極、30s…データ線側ソースドレイン領域(ソース領域及びドレイン領域の一方)、30s1…データ線側LDD領域、31…対向電極、33…平坦化層、51,52,53…中継電極、65…外部接続用端子、100…液晶装置、1000…投射型表示装置、1100…偏光照明装置、1101…ランプユニット、1102…インテグレーターレンズ、1103…偏光変換素子、1104,1105…ダイクロイックミラー、1106,1107,1108…反射ミラー、1201,1202,1203,1204,1205…リレーレンズ、1206…クロスダイクロイックプリズム、1207…投射レンズ、1210,1220,1230…液晶ライトバルブ、1300…スクリーン。
[適用例1]本適用例に係る半導体装置は、ソース領域及びドレイン領域の一方と、前記ソース領域及びドレイン領域の他方と、チャネル領域と、を含む半導体層と、前記チャネル領域を覆うゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層を介して前記チャネル領域に対向するように配置されるゲート電極と、ソース電極及びドレイン電極の一方である第1電極と、前記ソース電極及び前記ドレイン電極の他方である第2電極と、を含み、前記ソース領域及びドレイン領域の一方は、第1絶縁層の第1面を覆うように配置され、前記ソース領域及びドレイン領域の他方は、前記第1絶縁層の第2面を覆うように配置され、前記チャネル領域は、前記第1絶縁層の第3面を覆うように配置され、前記第1絶縁層は、前記第1面と前記第3面との間に第4面を有し、前記第2面と前記第3面との間に第5面を有し、前記第1面と前記第3面とは間隔を有することを特徴とする。
本適用例に係る半導体装置は、第1絶縁層上に設けられた、ソース領域と、ドレイン領域と、チャネル領域と、を含む半導体層と、前記チャネル領域を覆うゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層を介して前記チャネル領域に対向するように配置されるゲート電極と、を備え、前記チャネル領域は、凹部状に形成されていることを特徴とする。
本適用例に係る半導体装置は、凹部が設けられた第1の領域と前記第1の領域の外側に設けられた第2の領域とを有する第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に設けられた、ソース領域と、ドレイン領域と、チャネル領域と、を含む半導体層と、前記チャネル領域を覆うように設けられたゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層を介して前記チャネル領域に対向するように設けられたゲート電極と、を備え、前記チャネル領域は、前記第1領域に設けられており、前記半導体層の前記ソース領域および前記ドレイン領域は、前記第1領域には設けられておらず、前記第2領域に設けられていることを特徴とする。
[適用例2]上記適用例に係る半導体装置において、前記第1絶縁層は、前記第1面に対向する第6面、前記第2面に対向する第7面、前記第3面に対向する第8面、前記第4面に対向する第9面、及び前記第5面に対向する第10面を有することが好ましい。
上記適用例に係る半導体装置において、前記半導体層は、前記チャネル領域と前記ソース領域との間に設けられた第1LDD領域と、前記チャネル領域と前記ドレイン領域との間に設けられた第2LDD領域と、を含み、
前記第1LDD領域と前記第2LDD領域は、前記第1絶縁層の前記第2領域に設けられていることが好ましい。
上記適用例に係る半導体装置において、前記第2領域は、前記凹部が設けられていないことが好ましい。
[適用例3]上記適用例に係る半導体装置において、前記半導体層及び前記ゲート電極を覆う第2絶縁層、及び前記ゲート絶縁層を貫通するように配置される第1コンタクトホールの内部に第1電極が配置され、前記第2絶縁層及び前記ゲート絶縁層を貫通するように配置される第2コンタクトホールの内部に第2電極が配置されることが好ましい。
上記適用例に係る半導体装置において、前記半導体層及び前記ゲート電極を覆う第2絶縁層、及び前記ゲート絶縁層を貫通する第1コンタクトホールの内部にソース電極およびドレイン電極の一方である第1電極が配置され、前記第2絶縁層及び前記ゲート絶縁層を貫通する第2コンタクトホールの内部に前記ソース電極および前記ドレイン電極の他方である第2電極が配置されることが好ましい。
[適用例4]本適用例に係る電気光学装置は、基板と、複数の走査線と、前記複数の走査線の各々に交差するように配置された複数のデータ線と、を含み、前記半導体装置は、前記複数の走査線のいずれか、及び前記複数のデータ線のいずれかに電気的に接続され、前記基板は、前記第6面に対向する第11面、前記第7面に対向する第12面、前記第8面に対向する第13面、前記第9面に対向する第14面、及び前記第10面に対向する第15面を有し、前記走査線は前記基板と前記半導体装置との間に配置されることを特徴とする。
本適用例に係る電気光学装置は、基板と、走査線と、前記走査線に交差するように配置されたデータ線と、
を含み、前記半導体装置は、前記走査線及び前記データ線に電気的に接続され、前記走査線は前記基板と前記半導体装置との間に配置されることを特徴とする。

Claims (9)

  1. ソース領域及びドレイン領域の一方と、前記ソース領域及びドレイン領域の他方と、チャネル領域と、を含む半導体層と、
    前記チャネル領域を覆うゲート絶縁層と、
    前記ゲート絶縁層を介して前記チャネル領域に対向するように配置されるゲート電極と、
    ソース電極及びドレイン電極の一方である第1電極と、
    前記ソース電極及び前記ドレイン電極の他方である第2電極と、を含み、
    前記ソース領域及びドレイン領域の一方は、第1絶縁層の第1面を覆うように配置され、
    前記ソース領域及びドレイン領域の他方は、前記第1絶縁層の第2面を覆うように配置され、
    前記チャネル領域は、前記第1絶縁層の第3面を覆うように配置され、
    前記第1絶縁層は、前記第1面と前記第3面との間に第4面を有し、前記第2面と前記第3面との間に第5面を有し、
    前記第1面と前記第3面とは間隔を有することを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置であって、
    前記第1絶縁層は、前記第1面に対向する第6面、前記第2面に対向する第7面、前記第3面に対向する第8面、前記第4面に対向する第9面、及び前記第5面に対向する第10面を有することを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の半導体装置であって、
    前記半導体層及び前記ゲート電極を覆う第2絶縁層、及び前記ゲート絶縁層を貫通するように配置される第1コンタクトホールの内部に第1電極が配置され、前記第2絶縁層及び前記ゲート絶縁層を貫通するように配置される第2コンタクトホールの内部に第2電極が配置されることを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の半導体装置と、
    基板と、
    複数の走査線と、
    前記複数の走査線の各々に交差するように配置された複数のデータ線と、を含み、
    前記半導体装置は、前記複数の走査線のいずれか、及び前記複数のデータ線のいずれかに電気的に接続され、
    前記基板は、前記第6面に対向する第11面、前記第7面に対向する第12面、前記第8面に対向する第13面、前記第9面に対向する第14面、及び前記第10面に対向する第15面を有し、
    前記走査線は前記基板と前記半導体装置との間に配置されることを特徴とする電気光学装置。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の半導体装置と、前記半導体装置と電気的に接続された画素電極と、前記半導体装置及び前記画素電極を備えた素子基板と、
    前記素子基板と対向配置された対向基板と、
    前記素子基板と前記対向基板とに挟持された電気光学層と、
    を備えたことを特徴とする電気光学装置。
  6. 請求項5に記載の電気光学装置であって、
    ソース領域及びドレイン領域の一方から、ソース領域及びドレイン領域の他方へ向かう方向は、走査線の延びる方向に沿っていることを特徴とする電気光学装置。
  7. 第1面と第3面との間に第4面を有し、第2面と第3面との間に第5面を有し、前記第1面と前記第3面とは間隔を有する第1絶縁膜を形成する工程と、
    前記第1絶縁膜を覆うように半導体層を形成する工程と、
    前記半導体層を覆うようにゲート絶縁層を形成する工程と、
    前記ゲート絶縁層を覆、前記第3面を覆う半導体層の少なくとも一部を覆うようにゲート電極を形成する工程と、
    前記半導体層にイオン注入を行い、ソース領域及びドレイン領域の一方を前記第1面を覆うように配置される半導体層の少なくとも一部に形成し、前記ソース領域及びドレイン領域の他方を前記第3面を覆うように配置される前記半導体層の少なくとも一部に形成する工程と、
    前記ソース領域及びドレイン領域の一方に電気的に接続される第1電極と、前記ソース領域及びドレイン領域の他方に電気的に接続される第2電極とを形成する工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 請求項7に記載の半導体装置の製造方法を含む工程と、
    前記半導体装置と画素電極とをコンタクトホールを介して電気的に接続する工程と、
    前記画素電極の上に電気光学層を形成する工程と、
    を備えたことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  9. 請求項5又は請求項6に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
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