JP2018049751A - 粒子集合体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】正極活物質粒子及び導電材粒子に対してPVDF及びNMPを均一に分散できると共に、適切な大きさの正極湿潤粒子からなる粒子集合体を製造できる粒子集合体の製造方法を提供すること。【解決手段】粒子集合体の製造方法は、正極活物質粒子及び導電材粒子の第1混合物に濃度Maよりも高い濃度MbのPVDF溶液を加え、攪拌式混合造粒装置の攪拌羽根を周速15m/秒未満で10秒以上回転させて混合し第2混合物を得る第2混合工程S2と、攪拌羽根を周速15m/秒以上で10秒以上回転させて第2混合物を混合し第3混合物を得る第3混合工程S3と、攪拌式混合造粒装置を用いて、第3混合物に濃度MaとなるようにNMPを混合し造粒して粒子集合体を得る混合造粒工程S4とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、正極活物質粒子を含み、造粒された湿潤状態の正極湿潤粒子からなる粒子集合体の製造方法に関する。
電池の正極板として、正極活物質粒子、導電材粒子及びPVDF(ポリフッ化ビニリデン)からなる結着剤を含む正極活物質層が、正極集電箔上に形成された正極板が知られている。例えば特許文献1に、このような正極板の製造方法が開示されている。即ち、正極活物質粒子及び第1の導電材粒子をNMP(N−メチル−2−ピロリドン)に加えてスラリーを調整した後、更に、このスラリーに、第2の導電材粒子と、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)を含むNMPとを加えて混練する。そして、このスラリーを正極集電箔上に塗工し、乾燥して正極活物質層を形成する。その後、正極活物質層をプレスして正極板を得る(特許文献1の段落(0053)、(0080)、(0087)等を参照)。
特開2010−67365号公報
また、正極板の製造方法として、上述のようなスラリーを用いないで正極活物質層を形成する方法も考えられる。即ち、まず、正極活物質粒子、導電材粒子、PVDF及びNMPを含む湿潤状態の正極湿潤粒子からなる粒子集合体を製造する。具体的には、攪拌羽根を有し、材料の混合と造粒を行うことが可能な攪拌式混合造粒装置を用いて、正極活物質粒子と導電材粒子とを乾式混合した後、この混合物に、NMPにPVDFを溶解させたPVDFのNMP溶液(以下、「PVDF溶液」ともいう)を加えて混合すると共に造粒して、多数の正極湿潤粒子からなる粒子集合体を得る。
一方で、第1ロールと、この第1ロールにギャップを介して平行に配置された第2ロールと、この第2ロールにギャップを介して平行に配置された第3ロールとを備えるロールプレス装置を用意する。そして、上述の粒子集合体をロールプレス装置の第1ロールと第2ロールの間で圧密化して未乾燥活物質膜を形成し、続いて、第2ロールと第3ロールとの間で、第2ロール上に保持された未乾燥活物質膜を、第3ロールにより搬送された正極集電箔上に転写する。その後、正極集電箔上の未乾燥活物質膜を乾燥させて正極活物質層を形成し、正極板を得る。
ところで、粒子集合体の製造過程で、攪拌式混合造粒装置で正極活物質粒子及び導電材粒子の混合物にPVDF溶液を加えて混合し造粒する際、攪拌羽根を低速で回転させて攪拌すると、正極活物質粒子及び導電材粒子に対してPVDF及びNMPを均一に分散できない場合がある。すると、上述のロールプレス装置を用いて未乾燥活物質膜を正極集電箔に転写するときに、転写不良が発生し、未乾燥活物質膜にスケ(ホール状にできる未乾燥活物質膜の欠陥部分)やスジ(正極集電箔の進行方向に沿って筋状にできる未乾燥活物質膜の欠陥部分)が出来るなどの不具合が生じることがある。このため、この正極板を用いた電池では電池性能が低下する。
一方、PVDF溶液を加えて混合し造粒する際に、攪拌羽根を高速で回転させて攪拌し、PVDF及びNMPの分散性を向上させると、過造粒となり、正極湿潤粒子が大きくなりがちである。正極湿潤粒子が大き過ぎると、上述のロールプレス装置を用いて未乾燥活物質膜を形成するのが困難となり、正極板を形成すること自体が困難となる。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、正極活物質粒子及び導電材粒子に対してPVDF及びNMPを均一に分散できると共に、適切な大きさの正極湿潤粒子からなる粒子集合体を製造できる粒子集合体の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の一態様は、正極活物質粒子、導電材粒子、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)及びNMP(N−メチル−2−ピロリドン)を含み、造粒された湿潤状態の正極湿潤粒子からなる粒子集合体の製造方法であって、乾式混合された上記正極活物質粒子及び上記導電材粒子の第1混合物に、上記粒子集合体における上記NMPに対する上記PVDFの濃度Maよりも高い濃度Mb(Mb>Ma)となるように上記NMPに上記PVDFを溶解させたPVDF溶液を加え、攪拌羽根を有する攪拌式混合造粒装置において、その攪拌羽根を周速15m/秒未満で10秒以上回転させて混合し、第2混合物を得る第2混合工程と、上記第2混合工程の後、上記攪拌式混合造粒装置の上記攪拌羽根を周速15m/秒以上で10秒以上回転させて上記第2混合物を混合し、第3混合物を得る第3混合工程と、上記第3混合工程の後、上記攪拌式混合造粒装置を用いて、上記第3混合物に、上記濃度Maとなるように上記NMPを1又は複数回に分けて混合し、造粒して、上記粒子集合体を得る混合造粒工程と、を備える粒子集合体の製造方法である。
上述の粒子集合体の製造方法では、第2混合工程で第1混合物に加えるPVDF溶液は上記のように高濃度(濃度Mb)であるため、第2混合工程で攪拌羽根を低速(周速15m/秒未満)で10秒以上回転させた後、第3混合工程で攪拌羽根を高速(周速15m/秒以上)で10秒以上回転させることで、正極活物質粒子及び導電材粒子に対してPVDF及びNMPを均一に分散できる。従って、その後の混合造粒工程で、正極活物質粒子及び導電材粒子に対してPVDF及びNMPが均一に分散した粒子集合体を得ることができる。
また、上記のように第3混合工程を終えた時点で既に正極活物質粒子及び導電材粒子に対してPVDF及びNMPが均一に分散しているため、混合造粒工程の攪拌においては、PVDF及びNMPの分散性を向上させるために高速で攪拌羽根を回転させる必要がない。従って、混合造粒工程で適切な大きさの正極湿潤粒子からなる粒子集合体を容易に製造できる。
このように、上述の粒子集合体の製造方法では、正極活物質粒子及び導電材粒子に対してPVDF及びNMPを均一に分散できると共に、適切な大きさの正極湿潤粒子からなる粒子集合体を製造できる。
なお、正極活物質粒子及び導電材粒子の「第1混合物」は、第2混合工程、第3混合工程及び混合造粒工程と同様に、攪拌式混合造粒装置を用いて得ることができる。また、攪拌式混合造粒装置とは別の混合装置を用いて「第1混合物」を得てもよい。
「第2混合工程」における混合は、攪拌羽根の周速を5m/秒以上とするのが好ましい。攪拌羽根の周速を5m/秒以上とすることで、その後の第3混合工程で得られる第3混合物における、正極活物質粒子及び導電材粒子に対するPVDF及びNMPの分散性が、特に良好になるからである。また、攪拌羽根による混合時間は、30秒以下とするのが好ましい。粒子集合体の製造時間を短くし、生産性を向上させることができるからである。
「第3混合工程」における混合は、攪拌羽根の周速を30m/秒以下とするのが好ましい。攪拌羽根の周速を30m/秒以下とすることで、攪拌に伴って正極活物質粒子と導電材粒子とが複合化してしまい、電池性能が低下するのを抑制できるからである。また、攪拌羽根による混合時間は、30秒以下とするのが好ましい。粒子集合体の製造時間を短くし、生産性を向上させることができるからである。
「混合造粒工程」における混合及び造粒は、攪拌羽根の周速を5m/秒以上、15m/秒未満とするのが好ましい。適切な大きさの正極湿潤粒子を形成し易くなるからである。
また、攪拌羽根による混合時間は、すべてのNMPを加え終えてから10秒以上、30秒以下とするのが好ましい。混合時間が10秒未満の場合、添加したNMPが十分に均一に分散できずに、局所的に固形分率の低い正極湿潤粒子が形成されるおそれがあり、ロールプレス装置による成膜時に転写不良などの不具合が発生し易くなるからである。一方、混合時間を30秒以上とすると、正極活物質粒子同士の距離が縮まり正極湿潤粒子が圧密化されることで、内包していたNMPが表面に滲み出し、その結果、過造粒となって粗大粒子が発生し易くなるからである。
実施形態に係る粒子集合体の製造方法を示すフローチャートである。 比較例4に係る粒子集合体の製造方法を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図1に、本実施形態に係る粒子集合体の製造方法を示す。まず、本実施形態に係る粒子集合体について説明する。この粒子集合体は、複数の正極活物質粒子、複数の導電材粒子、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)及びNMP(N−メチル−2−ピロリドン)をそれぞれ含み、粒径数十μm〜数mmの大きさに造粒された湿潤状態の正極湿潤粒子からなる。なお、本実施形態では、正極活物質粒子としてリチウム遷移金属複合酸化物粒子、具体的には、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム粒子を、導電材粒子としてアセチレンブラック(AB)粒子を用いている。
本実施形態の粒子集合体は、固形分率が78.0wt%、NMPの割合が22.0wt%である。更に、各固形成分(正極活物質粒子、導電材粒子及びPVDF)の割合は、固形成分全体で100wt%とすると、正極活物質粒子が94.4wt%、導電材粒子が4.1wt%、PVDFが1.5wt%である。従って、この粒子集合体におけるPVDF量は、78.0×1.5/100=1.17wt%であり、NMPに対するPVDFの濃度Maは、Ma=1.17×100/(1.17+22.0)=5.05wt%となっている。
この粒子集合体は、以下の方法により製造する(図1参照)。即ち、攪拌羽根を有し、材料の混合と造粒を行うことが可能な攪拌式混合造粒装置(不図示)を用意する。本実施形態では、リックス株式会社製の自動造粒機を用いた。
まず、第1混合工程S1において、この攪拌式混合造粒装置内に導電材粒子(AB粒子)を投入し、攪拌羽根を周速10m/秒で15秒回転させて混合する。続いて、導電材粒子に正極活物質粒子(リチウム遷移金属複合酸化物粒子)を加えて、攪拌羽根を周速10m/秒で15秒回転させて、導電材粒子及び正極活物質粒子を乾式混合し、これらの第1混合物を得る。
また別途、前述の粒子集合体におけるNMPに対するPVDFの濃度Ma(=5.05wt%)よりも高い濃度Mb(本実施形態では、Mb=6.68wt%)となるように、NMPにPVDFを溶解させたPVDF溶液を用意しておく。
続いて、第2混合工程S2において、攪拌式混合造粒装置内の第1混合物に、濃度Mb(=6.68wt%)の高濃度のPVDF溶液を加えて、攪拌羽根を周速5m/秒以上15m/秒未満で、10秒以上30秒以下(本実施形態では、周速10m/秒で15秒)回転させて混合し、導電材粒子、正極活物質粒子、PVDF及びNMPからなる第2混合物を得る。
続いて、第3混合工程S3において、攪拌羽根を周速15m/秒以上30m/秒未満で、10秒以上30秒以下(本実施形態では、周速15m/秒で15秒)回転させて第2混合物を混合して、第3混合物を得る。
続いて、混合造粒工程S4において、攪拌式混合造粒装置内の第3混合物に、濃度MaとなるようにNMPを1回加えて、攪拌羽根を周速5m/秒以上15m/秒未満で、10秒以上30秒以下(本実施形態では、周速10m/秒で15秒)回転させて混合し、造粒する。これにより、粒径数十μm〜数mmの正極湿潤粒子からなる粒子集合体を得る。
上述の製造方法により得られた粒子集合体は、リチウムイオン二次電池の正極板(不図示)の製造に用いられる。具体的には、第1ロールと、この第1ロールにギャップを介して平行に配置された第2ロールと、この第2ロールにギャップを介して平行に配置された第3ロールとを備えるロールプレス装置(不図示)を用意する。そして、上述の粒子集合体を、ロールプレス装置の第1ロールと第2ロールの間で圧密化して未乾燥活物質膜を形成し、続いて、第2ロールと第3ロールとの間で、第2ロール上に保持された未乾燥活物質膜を、第3ロールにより搬送された正極集電箔上に転写する。その後、正極集電箔上の未乾燥活物質膜を乾燥させて正極活物質層を形成し、正極板を得る。
以上で説明したように、正極活物質粒子及び導電材粒子に対してPVDF及びNMPが均一に分散していない状態の粒子集合体を正極板の製造に用いると、上述のロールプレス装置で未乾燥活物質膜を正極集電箔に転写するときに、転写不良が発生し、未乾燥活物質膜にスケ(ホール状にできる未乾燥活物質膜の欠陥部分)やスジ(正極集電箔の進行方向に沿って筋状にできる未乾燥活物質膜の欠陥部分)が出来るなどの不具合が生じることがある。このため、この正極板を用いた電池では電池性能が低下する。また、粒子集合体をなす正極湿潤粒子の粒径が大き過ぎると、上述のロールプレス装置を用いて未乾燥活物質膜を形成するのが困難となり、正極板を形成すること自体が困難となる。
これに対し、前述の粒子集合体の製造方法では、第2混合工程S2で第1混合物に加えるPVDF溶液は高濃度(濃度Mb)であるため、第2混合工程S2で攪拌羽根を低速(周速15m/秒未満)で10秒以上回転させた後、第3混合工程S3で攪拌羽根を高速(周速15m/秒以上)で10秒以上回転させることで、正極活物質粒子及び導電材粒子に対してPVDF及びNMPを均一に分散できる。従って、その後の混合造粒工程S4で、正極活物質粒子及び導電材粒子に対してPVDF及びNMPが均一に分散した粒子集合体を得ることができる。よって、この粒子集合体を正極板の製造に用いると、ロールプレス装置で未乾燥活物質膜を正極集電箔に転写するときに、スケやスジなどの転写不良が生じるのを防止できる。
また、上記のように第3混合工程S3を終えた時点で既に正極活物質粒子及び導電材粒子に対してPVDF及びNMPが均一に分散しているため、混合造粒工程S4の攪拌においては、PVDF及びNMPの分散性を向上させるために高速で攪拌羽根を回転させる必要がない。従って、混合造粒工程S4で適切な大きさの正極湿潤粒子からなる粒子集合体を容易に製造できる。よって、この粒子集合体を用いると、ロールプレス装置を用いて未乾燥活物質膜を形成するのが容易となり、正極板の形成が容易となる。
更に、本実施形態では、第2混合工程S2における攪拌羽根の周速を5m/秒以上としているので、その後の第3混合工程S3で得られる第3混合物における、正極活物質粒子及び導電材粒子に対するPVDF及びNMPの分散性が、特に良好になる。また、第2混合工程S2における混合時間を30秒以下としているので、粒子集合体の製造時間を短くし、生産性を向上させることができる。
また、本実施形態では、第3混合工程S3における攪拌羽根の周速を30m/秒以下としているので、攪拌に伴って正極活物質粒子と導電材粒子とが複合化して、電池性能が低下するのを抑制できる。また、第3混合工程S3における混合時間を30秒以下としているので、粒子集合体の製造時間を短くし、生産性を向上させることができる。
また、本実施形態では、混合造粒工程S4における攪拌羽根の周速を5m/秒以上、15m/秒未満としているので、適切な大きさの正極湿潤粒子を形成できる。また、混合造粒工程S4における混合時間を、NMPを加え終えてから10秒以上、30秒以下としているので、正極湿潤粒子を適切に造粒できる。
なお、正極活物質粒子はその製造ロットなどにより、NMPを吸収する量(吸油量)にバラツキが生じ易い。正極活物質粒子の吸油量のバラツキに伴い、粒子集合体の物性(展延性)もバラつくため、ロールプレス装置を用いて正極集電箔に未乾燥活物質膜を形成する際に、目付け量や密度にバラツキが生じて、正極活物質層に品質バラツキが生じる場合がある。これに対し、本実施形態の粒子集合体の製造方法では、前述のように、混合造粒工程S4で加えるのは、NMPだけであるので(PVDFは加えないので)、混合造粒工程S4で加えるNMPの量を調整することにより、粒子集合体の物性(展延性)を容易に調整できる。このため、正極板を製造する際に正極活物質層に品質バラツキが生じるのを防止できる。
(実施例及び比較例)
次いで、本発明の効果を検証するために行った試験の結果について説明する。第3混合工程S3における攪拌羽根の周速及び混合時間のみをそれぞれ変更し、それ以外は上述の実施形態と同様にして、9種類の粒子集合体を製造した(実施例1〜6及び比較例1〜3)。具体的には、表1に示すように、実施例1では周速を15m/秒、混合時間を10秒とし、実施例2では周速を20m/秒、混合時間を10秒とし、実施例3では周速を25m/秒、混合時間を10秒とし、実施例4では周速を30m/秒、混合時間を10秒とし、実施例5では周速を15m/秒、混合時間を15秒とし、実施例6では周速を15m/秒、混合時間を30秒とした。一方、比較例1では周速を10m/秒、混合時間を10秒とし、比較例2では周速を15m/秒、混合時間を2秒とし、比較例3では周速を15m/秒、混合時間を5秒とした。
Figure 2018049751
また、比較例4として、図2に示す製造方法により粒子集合体を製造した。即ち、まず、実施形態と同様にして第1混合工程S1を行い、導電材粒子及び正極活物質粒子からなる第1混合物を得る。また別途、実施形態の第2混合工程S2で加えるPVDF溶液(濃度Mb=6.68wt%)よりも濃度の低いPVDF溶液(濃度Mc=5.05wt%)を用意しておく。そして、第1混合工程S1に続いて、混合造粒工程S5を行い、攪拌式混合造粒装置内の第1混合物に、濃度Mc(=5.05wt%)の低濃度のPVDF溶液を加えて、攪拌羽根を周速10m/秒未満で15秒回転させて混合し、造粒する。これにより、多数の正極湿潤粒子からなる粒子集合体を得た。
次に、これら実施例1〜6及び比較例1〜4の粒子集合体を用いて、前述のようにロールプレス装置を用いて正極板をそれぞれ製造した。そして、各正極板について、正極活物質層にできたスケ(ホール状にできた正極活物質層の欠陥部分)及びスジ(正極集電箔の進行方向に沿って筋状にできる正極活物質層の欠陥部分)の個数をそれぞれ目視でカウントした。その結果を表1に示す。なお、表1には、正極板100m当たりに生じたスケ及びスジの合計個数を示してある。正極板100m当たりのスケ及びスジの合計個数が、10個以下の正極板を良好「○」、10個を越える正極板を不良「×」と評価した。
表1から判るように、比較例1〜4の粒子集合体を用いた各正極板では、いずれも、正極板100m当たり10個を超える多数のスケ及びスジが生じた。これに対し、実施例1〜6の粒子集合体を用いた各正極板では、いずれも、正極板100m当たり10個以下のスケ及びスジしか生じなかった。
比較例1の粒子集合体を用いた正極板で多数(100個)のスケ及びスジが発生した理由は、以下であると考えられる。即ち、比較例1では、第3混合工程S3における攪拌羽根の周速が10m/秒と遅すぎたため、第3混合工程S3で正極活物質粒子及び導電材粒子に対してPVDF及びNMPを均一に分散できなかった。このため、混合造粒工程S4で得られた粒子集合体においても、正極活物質粒子及び導電材粒子に対してPVDF及びNMPが均一に分散できていなかった。このため、ロールプレス装置で未乾燥活物質膜を正極集電箔に転写するときに、転写不良が多く発生し、正極活物質層に多数のスケ及びスジが生じたと考えられる。
また、比較例2,3の粒子集合体を用いた正極板で多数(比較例2で65個、比較例3で23個)のスケ及びスジが発生した理由は、以下であると考えられる。即ち、比較例2,3では、第3混合工程S3における混合時間が比較例2で2秒、比較例3で5秒と短すぎたため、第3混合工程S3で正極活物質粒子及び導電材粒子に対してPVDF及びNMPを均一に分散できなかった。このため、混合造粒工程S4で得られた粒子集合体においても、正極活物質粒子及び導電材粒子に対してPVDF及びNMPが均一に分散できていなかった。このため、ロールプレス装置で未乾燥活物質膜を正極集電箔に転写するときに、転写不良が多く発生し、正極活物質層に多数のスケ及びスジが生じたと考えられる。
また、比較例4の粒子集合体を用いた正極板で多数(250個)のスケ及びスジが発生した理由は、以下であると考えられる。即ち、比較例4では、PVDF溶液を加えて混合・造粒する混合造粒工程S5における攪拌羽根の周速が10m/秒と遅すぎたため、粒子集合体において、正極活物質粒子及び導電材粒子に対してPVDF及びNMPが均一に分散できなかった。このため、ロールプレス装置で未乾燥活物質膜を正極集電箔に転写するときに、転写不良が多く発生し、正極活物質層に多数のスケ及びスジが生じたと考えられる。
なお、混合造粒工程S5における攪拌羽根の周速を15m/秒以上とすると、粒子集合体において、正極活物質粒子及び導電材粒子に対してPVDF及びNMPを均一に分散できた。しかし、この場合、この混合造粒工程S5で得られる正極湿潤粒子が大きくなりすぎて、ロールプレス装置を用いて未乾燥活物質膜を形成するのが困難となり、正極板を形成すること自体が困難となった。
これら比較例1〜4に対し、実施例1〜6の粒子集合体を用いた正極板でスケ及びスジの発生が少なかった理由は、以下であると考えられる。即ち、実施例1〜6では、第3混合工程S3における攪拌羽根の周速が15m/秒以上と十分に速く、かつ、混合時間が10秒以上と十分に長いため、第3混合工程S3で正極活物質粒子及び導電材粒子に対してPVDF及びNMPを均一に分散できた。このため、混合造粒工程S4で得られた粒子集合体においても、正極活物質粒子及び導電材粒子に対してPVDF及びNMPが均一に分散していた。このため、ロールプレス装置で未乾燥活物質膜を正極集電箔に転写するときに、転写不良が発生し難く、正極活物質層にスケ及びスジが生じ難かったと考えられる。この結果より、第3混合工程S3における攪拌羽根の周速を15m/秒以上、混合時間を10秒以上とするのが好ましいことが判る。
次に、実施例1〜6及び比較例1〜4の粒子集合体を用いて製造した各正極板について、正極活物質層の明度(L値)を分光測色計(コニカミノルタ株式会社製:CM−5)によりそれぞれ測定した。明度(L値)が15.0未満の正極板を良好「○」、15.0以上の正極板を不良「×」と評価した。その結果を表1に示す。
更に、各正極板を用いて電池(リチウムイオン二次電池)をそれぞれ製造した。そして、各電池について、IV抵抗をそれぞれ測定した。IV抵抗が2.0mΩ未満の電池を良好「○」、2.0mΩ以上の電池を不良「×」と評価した。その結果を表1に示す。
表1から判るように、比較例4の粒子集合体を用いた正極板では、明度(L値)が高く不良「×」であった。これに対し、実施例1〜6及び比較例1〜3の粒子集合体を用いた各正極板では、いずれも、明度(L値)が低く良好「○」であった。
また、比較例4に係る電池では、IV抵抗が高く不良「×」であった。これに対し、実施例1〜6及び比較例1〜3に係る各電池では、いずれも、IV抵抗が低く良好「○」であった。
比較例4に係る正極板で明度(L値)が高く、電池でIV抵抗が高かった理由は、以下であると考えられる。即ち、比較例4の粒子集合体は、実施例1〜6及び比較例1〜3の各粒子集合体に比べて、特に、正極活物質粒子及び導電材粒子に対してPVDF及びNMPが均一に分散できておらず、各々の正極活物質粒子がNMPに十分に湿潤していなかった。このため、ロールプレス装置の第1ロールと第2ロールの間で粒子集合体を圧密化して未乾燥活物質膜を形成する際に、NMPに十分に湿潤していない正極活物質粒子が、第1,第2ロールからの剪断応力により割れた。このため、この割れた正極活物質粒子を含んだ正極活物質層では、明度が高くなった(白っぽくなった)と考えられる。更に、割れた正極活物質粒子は、充放電反応に十分に寄与できず、割れた正極活物質粒子が存在する部位と存在しない部位とで充放電反応にムラが生じる。その結果、比較例4に係る電池では、入出力特性が低下して、IV抵抗が高くなったと考えられる。
これに対し、実施例1〜6及び比較例1〜3に係る正極板で明度(L値)が低く、電池でIV抵抗が低かった。実施例1〜6及び比較例1〜3の各粒子集合体では、比較例4の粒子集合体に比べて、正極活物質粒子及び導電材粒子に対してPVDF及びNMPが均一に分散できており、正極活物質粒子がNMPに十分に湿潤していた。このため、ロールプレス装置の第1ロールと第2ロールの間で粒子集合体を圧密化して未乾燥活物質膜を形成する際に、正極活物質粒子が割れることが抑制されたため、正極活物質層の明度が低くなった(白っぽくならず漆黒であった)と考えられる。更に、正極活物質層に含まれる正極活物質粒子が割れていないため、電池で充放電反応のムラなどが生じずに、IV抵抗が低くなったと考えられる。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態では、攪拌式混合造粒装置を用いて、正極活物質粒子及び導電材粒子を乾式混合して第1混合物を得たが、これに限られない。攪拌式混合造粒装置とは別の混合装置を用いて、正極活物質粒子及び導電材粒子を乾式混合して第1混合物を得ることもできる。
また、実施形態では、混合造粒工程S4において、NMPを1回だけ加えているが、NMPを複数回に分けて加えてもよい。
S1 第1混合工程
S2 第2混合工程
S3 第3混合工程
S4 混合造粒工程

Claims (1)

  1. 正極活物質粒子、導電材粒子、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)及びNMP(N−メチル−2−ピロリドン)を含み、造粒された湿潤状態の正極湿潤粒子からなる粒子集合体の製造方法であって、
    乾式混合された上記正極活物質粒子及び上記導電材粒子の第1混合物に、上記粒子集合体における上記NMPに対する上記PVDFの濃度Maよりも高い濃度Mb(Mb>Ma)となるように上記NMPに上記PVDFを溶解させたPVDF溶液を加え、攪拌羽根を有する攪拌式混合造粒装置において、その攪拌羽根を周速15m/秒未満で10秒以上回転させて混合し、第2混合物を得る第2混合工程と、
    上記第2混合工程の後、上記攪拌式混合造粒装置の上記攪拌羽根を周速15m/秒以上で10秒以上回転させて上記第2混合物を混合し、第3混合物を得る第3混合工程と、
    上記第3混合工程の後、上記攪拌式混合造粒装置を用いて、上記第3混合物に、上記濃度Maとなるように上記NMPを1又は複数回に分けて混合し、造粒して、上記粒子集合体を得る混合造粒工程と、を備える
    粒子集合体の製造方法。
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