JP2018047415A - 膜分離装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】膜分離装置におけるガイド機構の取付を容易とし、膜ユニットの設置を容易とする。【解決手段】被処理液を収容する処理槽2と、被処理液に浸漬される膜ユニット3と、ガイド機構4と、を備える膜分離装置1である。ガイド機構4は、把持部14とガイド部15により構成される。把持部14を、膜ユニット3を構成する膜カセット5の側部に設け、ガイド部15を処理槽2に固定する。ガイド部15は、槽壁固定部15a、上方延長部15b、被把持部15c、下方延長部15d、槽底固定部15eを有する。処理槽2に膜ユニット3を固定する際、被把持部15cに把持部14を嵌めこんで、膜ユニット3を処理槽2内の所定の位置に案内する。【選択図】図1
Description
本発明は、膜分離装置に関する。特に、膜ユニットの昇降を補助するガイド機構を有する膜分離装置に関する。
従来、下水処理や産業排水処理において固液分離手段として膜分離装置が適用されている。膜分離装置は、生物処理槽内や凝集処理槽内等に浸漬され、排水に含まれる汚濁物質を生物処理または凝集処理した後に、固形物質と水成分に固液分離する装置である。膜分離装置では、運転時間の経過とともに分離膜表面に汚泥が堆積する。そのため、被処理液に曝気空気を供給し、エアリフト上昇流を生起させ、この上昇流により分離膜表面にせん断力を加えて、膜表面の汚泥を除去している。また、分離膜表面への汚泥の堆積が著しい場合には、分離膜が備えられた膜ユニットを処理槽から引きあげて、分離膜の洗浄を行う必要がある。
しかし、処理槽内に滞留する被処理水は、微生物や濁質等が懸濁し、不透明である。そのため、浸漬された膜分離装置の位置を槽上部から目視確認することが困難である。また、膜ユニットを浸漬させる際、膜ユニットの姿勢や位置を常に誘導する必要があり、膜ユニットの処理槽への出し入れが困難であった。
そこで、従来の膜分離装置では、昇降を補助するガイド機構を設けることによって、膜ユニットの出し入れを容易にしている(例えば、特許文献1、2)。
例えば、図8に示すように、特許文献1に記載の膜分離装置22では、複数の固定部材(昇降ガイド)23を処理槽24内に設置し、固定部材23間に膜ユニット25を降下させることにより、膜ユニット25の姿勢を一定にしている。また、膜ユニット25に部屋部分(図示せず)を設け、この部屋部分に空気を充填することで、膜ユニット25の浮上を安定して行っている。
また、図9に示すように、特許文献2に記載の膜分離装置26では、処理槽27内壁側にガイドユニット28を複数段に配置し、そのうち、1以上のガイドユニット28に関しては、被処理液の水位より上方の高さに配置している。この膜分離装置26では、ガイドユニット28が壁面に設置されているため、膜ユニット29の設置位置を容易に定めることができる。また、水面より上方の高さに配置されたガイドユニット28により、膜ユニット29を出し入れする際は、膜ユニット29の設置位置を容易に確認することができる。
しかしながら、特許文献1の記載の膜分離装置22では、図8(b)に示すように、固定部材23の上端四隅と膜ユニット25とを正確に合わせて入れる必要があり、膜分離装置22が大型になった場合、複数人で膜ユニット25の降下作業を行わないと、膜ユニット25を固定部材23間に入れるのが困難であった。さらには、処理槽24の底に固定した複数の固定部材23を水面付近まで延在させる必要があるため、製造コストの上昇に繋がるといった課題があった。
また、特許文献2に記載の膜分離装置26では、図9(a)に示すように、一方の壁に設けられたガイドユニット28に入れることは容易であるが、他方の壁に設けられたガイドユニット28に軸30を合わせて入れることが困難であった。また、ひとつひとつのガイドユニット28が独立しているため、壁へのガイドユニット28の設置に手間がかかるといった課題があった。
本発明では、上記事情を鑑みて為されたものであり、膜ユニットの設置が容易なガイド機構を有する膜分離装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成する本発明の膜分離装置の一態様は、被処理液を収容した処理槽と、前記被処理液のろ過を行うろ過膜を備え、前記処理槽の高さ方向に積層される複数の膜カセットと、前記処理槽内に設けられ、前記膜カセットを所定の位置に案内するガイド部と、を備え、前記膜カセットのうち少なくとも2以上の膜カセットは、前記ガイド部に摺動可能な一対の把持部を有し、前記ガイド部は、前記把持部間に嵌め合わされる被把持部を有することを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の膜分離装置の他の態様は、上記膜分離装置において、前記ガイド部は、前記処理槽の壁面と前記処理槽の底面に固定されることを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の膜分離装置の他の態様は、上記膜分離装置において、前記被把持部の上端部は、前記被処理液から露出していることを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の膜分離装置の他の態様は、上記膜分離装置において、前記被把持部は、一対のパイプ、一対の棒状部材、または板状部材により構成されることを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の膜分離装置の他の態様は、上記膜分離装置において、前記積層された膜カセットの下方に散気架台を備えたことを特徴としている。
以上の発明によれば、膜分離装置において膜ユニットの設置が容易となる。
本発明の実施形態に係る膜分離装置について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る膜分離装置1は、被処理液を収容する処理槽2と、被処理液に浸漬される膜ユニット3と、膜ユニット3を所定の位置に案内するガイド機構4と、を備える。膜ユニット3は、複数の膜カセット5と、散気架台6で構成される。
図2(a)に示すように、膜カセット5は、膜エレメント7、集合集水部8、押さえ部9、サイドカバー10を備える。膜カセット5は、上下に開口を有し、内部に膜エレメント7が設けられた構造となっている。なお、図2(b)に示す膜カセット11は、膜カセット5の他例を示すものであり、後に詳細に説明する把持部16の形状が膜カセット5と異なる。よって、膜カセット11において、膜カセット5と同じ構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
膜エレメント7は、例えば、セラミック平膜であり、セラミック膜が形成された板面が向かい合うように並べられた状態で、集合集水部8と押さえ部9の間に支持される。セラミック平膜とは、例えば、透水性の良いセラミック板から成る基材の外表面に分離機能を有するセラミック膜が形成されたものであり、外表面に形成されたセラミック膜を通過したろ過液は、基材内部に形成された集水路(図示せず)を通って集合集水部8へと移送される。なお、膜エレメント7は、セラミック平膜のようなろ過膜に限定されるものではなく、多孔質の膜であって固液分離機能や逆浸透機能を有するろ過膜であれば、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透膜等が用いられる。また、膜エレメント7として、セラミック平膜のような無機材料から成るろ過膜だけでなく、例えば、ポリオレフィン系やフッ素樹脂系等の有機材料から成るろ過膜が用いられる。
集合集水部8と押さえ部9は、膜エレメント7を支持した状態で対向配置される。そして、対向配置された集合集水部8と押さえ部9の側部開口にそれぞれサイドカバー10が設けられる。
図1に示すように、膜カセット5は、お互いの集合集水部8が連通するように連結され、図示省略のボルトやナット等の固定手段を用いて固定され、一体化される。膜カセット5は、例えば、1〜10段積層される。集合集水部8の上下には、他の集合集水部8と連通可能な通水孔8aが形成されており、膜カセット5を積層させることで、集合集水部8が連通して被処理液の流路が形成される。この流路を通って膜エレメント7により分離された被処理液が外部に取り出される。さらに、積層された膜カセット5の下方には散気架台6が設けられる。散気架台6には散気管12が設けられており、供給口13に接続されたブロア(図示せず)から供給された空気が散気管12から散気される。散気管12から散気された空気により上昇流が生じ、この上昇流により積層された各膜カセット5内の膜エレメント7のスクラビングが行われる。これにより、膜エレメント7表面に汚染物質が付着しづらくなっている。
散気管12は、例えば、中空状のパイプに散気用の孔が形成されたものや、セラミック製の散気部を有するもの等が用いられる。なお、図示していないが、最上部に設けられる膜カセット5には、膜ユニット3を吊り上げるための治具等が取り付けられており、ワイヤー等を用いて膜ユニット3が上下に移動可能となっている。
ガイド機構4は、膜カセット5の側部に設けられた把持部14と、処理槽2に設けられたガイド部15から構成される。
図2(a)に示すように、把持部14は、例えば、膜カセット5の押さえ部9から水平方向に突出して設けられる。把持部14の形状は、L字型の把持部14(図2(a)に示す)に限定されるものではなく、F字型の把持部16(図2(b)に示す)であってもよい。また、把持部14(及び把持部16)は、膜カセット5の一方の側部に設ける態様だけでなく、向かい合う両側部に設ける態様とすることができる。さらに、膜ユニット3を処理槽2内に複数並列に設置する場合は、並列に配置される膜ユニット3毎にガイド部15が設置される。
把持部14は、押さえ部9から延在する一対の突出部14aと、この突出部14aの端部から他方の突出部14a方向に延在する延在部14bと、を有する。そして、押さえ部9と延在部14bとの間にガイド部15の被把持部15cが緩やかに嵌った状態で設けられる。把持部14をL字型とすることで、膜カセット5の押さえ部9をガイド部15の被把持部15cに押し当てて、容易にガイド部15と把持部14との位置決めができ、膜ユニット3の設置が容易となる。また、膜ユニット3を設置した後は、押さえ部9と被把持部15cとが接触することで、膜ユニット3の安定性が向上する。
また、図2(b)に示すように、把持部16は、押さえ部9から延在する一対の突出部16aと、突出部16aの端部から他方の突出部16a方向に延在する第1延在部16bと、第1延在部16bと平行に突出部16aから延在する第2延在部16cと、を有する。そして、第1延在部16bと第2延在部16cとの間にガイド部15の被把持部15cが緩やかに嵌った状態で設けられる。把持部16をF字型とすることで、押さえ部9と被把持部15cが離れた状態となる。その結果、膜カセット5の移動時に被把持部15cと摺接する面が少なくなり、被把持部15cとの接触による膜カセット5の破損の恐れが少なくなる。
図3に示すように、ガイド部15は、槽壁固定部15a、上方延長部15b、被把持部15c、下方延長部15d、槽底固定部15eを備える。ガイド部15の材質は、例えば、耐食性に優れたステンレス等の鋼材が適している。ガイド部15の材質は、膜カセット5の昇降に支障とならない程度の強度を有するものであれば、ステンレスに限定されるものではなく、耐食性を有する他の材質であってもよい(後に詳述する第2実施形態に係る膜分離装置17のガイド部19の材質も同様である)。
槽壁固定部15aは、処理槽2の壁面にボルトやナット等の固定手段を用いて固定される。また、槽底固定部15eは処理槽2の底面にボルトやナット等の固定手段を用いて固定される。
上方延長部15bは、槽壁固定部15aと被把持部15cの上部との間に設けられる。上方延長部15bは、例えば、一本のパイプであり、被把持部15cの上部から上方に向かって延在し、その上端部は、処理槽2の壁に固定するために壁方向に向かって垂直に曲がった構造となっている。なお、上方延長部15bは、高さ方向に一定の長さを有さずに被把持部15cの上部から壁方向に向かって一本のパイプを接続する態様としてもよい。
下方延長部15dは、例えば、一本のパイプであり、被把持部15cの下部と槽底固定部15eとの間に設けられ、被把持部15cを支持する。なお、膜ユニット3の高さは、通常4m以上となるため、ガイド部15はそれ以上の高さが必要となる。ガイド部15が長いとガイド部15の輸送が困難となるため、下方延長部15dと被把持部15cとの間に嵌め合いの連結部15fが設けられている。この連結部15fは、必ずしも必要なものではなく、下方延長部15dと被把持部15cは一体化されていてもよい。
被把持部15cは、処理槽2の高さ方向に延在する一対のパイプを有する。被把持部15cが一対のパイプを有することで、被把持部15cが把持部14間に嵌め合わされる一定の幅を有することとなる。なお、一対のパイプの代わりに板部材を用いて被把持部15cを形成する態様とすることもできる。図2(a)及び図2(b)に示すように、被把持部15cは、L字型の把持部14(または、F字型の把持部16)に嵌め合わされる(抱え込まれる)。
なお、ガイド部15は、パイプ以外に、棒状の部材で形成することもできる。また、ガイド部15の断面形状(パイプや棒等)は、円形以外にも楕円や四角形等の多角形であってもよい。
図4に示すように、膜ユニット3を処理槽2内に設置する際には、予め処理槽2内に固定されたガイド部15の被把持部15cに把持部14が嵌め合わされる。そして、把持部14が被把持部15cを摺動して、膜ユニット3が処理槽2の所定の位置に案内される。
ガイド部15は、水面から被把持部15cの一部(上端部)が見える状態となるように固定されており、被把持部15cの上方に膜ユニット3の把持部14を持っていき、被把持部15cと把持部14が嵌め合うように膜ユニット3が垂直に下ろされる。このようにして、被把持部15cに把持部14が差し込まれる。
把持部14は、常に2か所以上で被把持部15cに嵌め合わせる状態とすることで、膜ユニット3を安定して昇降することができる。そのため、2か所以上で嵌め合わせる状態で膜ユニット3を昇降することができれば、膜ユニット3に把持部14を有さない膜カセット5があってもよい。
以上のような本発明の第1実施形態に係る膜分離装置1によれば、被把持部15cに把持部14を順次嵌め合わせることで、容易に膜ユニット3を処理槽2に設置することができる。
また、ガイド部15の固定は、処理槽2の壁面と槽壁固定部15aの固定と、処理槽2の底面と槽底固定部15eの固定の2箇所であるため、ガイド部15の固定が容易である。特に、ガイド部15の被把持部15cが1本の下方延長部15dに支持されているため、ガイド部15を固定するための部材が少なく、ガイド部15の据付けが容易となる。すなわち、膜ユニット3を所定の位置に案内するガイド機構4の取り付けが容易となる。また、ガイド部15を処理槽2の壁面と底面に固定することで、膜ユニット3の位置ずれを抑えることができ、ガイド部15に設置された膜ユニット3の安定性が向上する。
また、ガイド部15の被把持部15cの上部を水面から出すことにより、把持部14を嵌めこむ位置を正確に把握することができる。また、被把持部15cが一定の幅を有しているため、膜ユニット3の位置ずれを抑えることができる。
また、膜ユニット3を構成する膜カセット5のうち最下部に設けられた膜カセット5に把持部14を設けることにより、膜ユニット3の昇降する位置を水面より上の位置から確認することができる。水面より上部で差し込み位置を確定できるため、水流の影響を受けずに、差し込み作業を容易にすることができる。特に、複数の膜ユニット3を並列して処理槽2内に配置する場合は、水面より上で把持部14間に被把持部15cを差し込むことにより、水中での膜ユニット3同士の接触を防ぐことができる。
また、被把持部15cに把持部14が2箇所以上で嵌め合わされた状態とすることで、安定して膜ユニット3の昇降を行うことができる。なお、把持部14と被把持部15cの嵌め合わせる箇所を増やしていくことにより、膜ユニット3の位置ずれをより抑えることができる。
また、膜カセット5の一方向に把持部14を設けることで、作業員が一人いれば、ガイド部15に把持部14を嵌め合わせて、処理槽2に膜ユニット3を固定できるため、膜ユニット3の設置作業が容易となる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る膜分離装置は、ガイド部の構造が第1実施形態に係る膜分離装置1と異なる。よって、膜ユニット3や膜カセット5といった第1実施形態に係る膜分離装置1と同様の構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
本発明の第2実施形態に係る膜分離装置は、ガイド部の構造が第1実施形態に係る膜分離装置1と異なる。よって、膜ユニット3や膜カセット5といった第1実施形態に係る膜分離装置1と同様の構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
図5に示すように、本発明の第2実施形態に係る膜分離装置17は、被処理液を収容する処理槽2と、被処理液に浸漬される膜ユニット3と、ガイド機構18と、を備える。ガイド機構18は、膜カセット5の側部に設けられた把持部14と、処理槽2に設けられたガイド部19から構成される。
図6に示すように、ガイド部19は、槽壁固定部19aと、上方延長部19bと、被把持部19cと、槽底固定部19dと、を備える。
槽壁固定部19aは、処理槽2の壁面にボルトやナット等の固定手段を用いて固定される。また、槽底固定部19dは処理槽2の底面にボルトやナット等の固定手段を用いて固定される。
上方延長部19bは、第1実施形態のガイド部15の上方延長部15bと同様であり、槽壁固定部19aと被把持部19cの上部との間に設けられる。
被把持部19cは、槽底固定部19dから上方に延在する一対のパイプを有する。被把持部19cが一対のパイプを有することで、被把持部19cが把持部14間に嵌め合わされる一定の幅を有することとなる。各パイプは、それぞれ槽底固定部19dに固定され、上方に延在して設けられる。図2に示した被把持部15cと同様に、被把持部19cは、把持部14(または、把持部16)に嵌め合わされる(抱え込まれる)。なお、一対のパイプの代わりに板部材を用いて被把持部19cの一部(または、全部)を形成することもできる。被把持部19cには、連結部19eが設けられており、輸送の際には被把持部19cを分割して輸送可能となっている。この連結部19eは必ずしも必要なものではなく、被把持部19cが一体であってもよい。
なお、ガイド部19は、パイプ以外に、棒状の部材で形成することもできる。また、ガイド部19の断面形状(パイプや棒等)は、円形以外にも楕円や四角形等の多角形であってもよい。
図5に示すように、膜ユニット3を処理槽2内に設置する際には、予め処理槽2内に固定されたガイド部19の被把持部19cに把持部14が嵌め合わせられる。そして、把持部14が被把持部19cを摺動して、膜ユニット3が処理槽2の所定の位置に案内される。
ガイド部19は、水面から被把持部19cの一部(上端部)が見える状態となるように固定されており、被把持部19cの上方に膜ユニット3の把持部14を持っていき、被把持部19cと把持部14が嵌め合うように膜ユニット3が垂直に下ろされる。このようにして、被把持部19cに把持部14が差し込まれる。
把持部14は、常に2か所以上で被把持部19cに嵌め合わせる状態とすることで、膜ユニット3を安定して昇降することができる。そのため、2か所以上で嵌め合わせる状態で膜ユニット3を昇降することができれば、膜ユニット3に把持部14を有さない膜カセット5があってもよい。
以上のような本発明の第2実施形態に係る膜分離装置17は、被把持部19cが処理槽2の底面まで延伸し、槽底固定部19dに固定されている。したがって、この膜分離装置17によれば、膜ユニット3の最下部の把持部14が設置されるまで把持部14と被把持部19cが常に接することとなる。その結果、第1実施形態に係る膜分離装置17が有する効果に加えて、膜ユニット3の設置をより安全に行うことができる。
また、膜ユニット3を構成する膜カセットのうち最下部の膜カセット5に把持部14を設けた場合、膜ユニット3の設置が完了するまで膜ユニット3の最下部の把持部14が被把持部19cから外れることがない。そのため、膜ユニット3の最下部の膜カセット5に把持部14を設けた場合、膜ユニット3の最下部に設けられた膜カセット5以外の膜カセット5においては、被把持部19cを把持する箇所が2箇所となるように、任意に把持部14を持たせることができる。
以上、具体的な実施形態を示して本発明の膜分離装置について説明したが、本発明の膜分離装置は、実施形態に限定されるものではなく、その特徴を損なわない範囲で適宜設計変更が可能であり、設計変更されたものも、本発明の技術的範囲に属する。
例えば、実施形態の説明では、主に図2(a)に示したL字型の把持部14を有する膜カセット5により構成された膜ユニット3を例示しているが、図2(b)に示した膜カセット11により構成された膜ユニットであっても同様の効果が得られる。すなわち、ガイド機構4、18は、L字型の把持部14とガイド部15、19により構成する態様だけでなく、F字型の把持部16とガイド部15、19により構成する態様とすることができる。
また、ガイド部15、19は、処理槽2の壁面等に固定する態様に限定されるものではなく、図7に示す膜分離装置20ように、処理槽2に設けられた足場21や梁等を側面壁とし、ガイド部15、19を固定する態様とすることもできる。
1、17、20…膜分離装置
2…処理槽
3…膜ユニット
4、18…ガイド機構
5、11…膜カセット
6…散気架台
7…膜エレメント(ろ過膜)
8…集合集水部
9…押さえ部
10…サイドカバー
12…散気管
13…供給口
14、16…把持部
14a、16a…突出部、14b…延在部
16b…第1延在部、16c…第2延在部
15、19…ガイド部
15a…槽壁固定部、15b…上方延長部、15c…被把持部、15d…下方延長部、15e…槽底固定部、15f…連結部
19a…槽壁固定部、19b…上方延長部、19c…被把持部、19d…槽底固定部、19e…連結部
21…足場
2…処理槽
3…膜ユニット
4、18…ガイド機構
5、11…膜カセット
6…散気架台
7…膜エレメント(ろ過膜)
8…集合集水部
9…押さえ部
10…サイドカバー
12…散気管
13…供給口
14、16…把持部
14a、16a…突出部、14b…延在部
16b…第1延在部、16c…第2延在部
15、19…ガイド部
15a…槽壁固定部、15b…上方延長部、15c…被把持部、15d…下方延長部、15e…槽底固定部、15f…連結部
19a…槽壁固定部、19b…上方延長部、19c…被把持部、19d…槽底固定部、19e…連結部
21…足場
上記目的を達成する本発明の膜分離装置の一態様は、被処理液を収容した処理槽と、前記被処理液のろ過を行うろ過膜を備え、前記処理槽の高さ方向に積層される複数の膜カセットと、前記処理槽内に設けられ、前記膜カセットを所定の位置に案内するガイド部とを備え、前記膜カセットのうち少なくとも2以上の膜カセットは、前記ガイド部に摺動可能な一対の把持部を有し、前記ガイド部は、前記一対の把持部の間に嵌め合わされる被把持部を有し、前記一対の把持部は、前記膜カセットの一方の側部から延在する一対の突出部と、この突出部とで前記被把持部を抱き込む一対の延在部とを有する。
また、上記目的を達成する本発明の膜分離装置の他の態様は、上記膜分離装置において、前記ガイド部は、前記処理槽の壁面または足場と当該処理槽の底面に固定されることを特徴としている。
Claims (5)
- 被処理液を収容した処理槽と、
前記被処理液のろ過を行うろ過膜を備え、前記処理槽の高さ方向に積層される複数の膜カセットと、
前記処理槽内に設けられ、前記膜カセットを所定の位置に案内するガイド部と、を備え、
前記膜カセットのうち少なくとも2以上の膜カセットは、前記ガイド部に摺動可能な一対の把持部を有し、
前記ガイド部は、前記把持部間に嵌め合わされる被把持部を有する
ことを特徴とする膜分離装置。 - 前記ガイド部は、前記処理槽の壁面と前記処理槽の底面に固定される
ことを特徴とする請求項1に記載の膜分離装置。 - 前記被把持部の上端部は、前記被処理液から露出している
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の膜分離装置。 - 前記被把持部は、一対のパイプ、一対の棒状部材、または板状部材により構成される
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の膜分離装置。 - 前記積層された膜カセットの下方に散気架台を備えた
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の膜分離装置。
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