JP2011078949A - 膜浸漬槽及び膜処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】浸漬型膜ユニットを適当な位置に据え付けることが容易になって作業性の向上を図り易い膜浸漬槽及び膜処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】原水を膜ろ過する一または複数の浸漬型膜ユニット5を収容する膜浸漬槽3Aにおいて、原水を貯留する槽本体31と、槽本体31の底部に設けられると共に、膜ユニット5の下端に当接して膜ユニット5を支える台座部35bと、槽本体31の底部に設けられると共に、台座部35bを避けて形成された堆積物Fの排出部35dと、を備えたことを特徴とする。この膜浸漬槽3Aでは、台座部35bと堆積物Fの排出部35dとは明確に区別されているために膜ユニット5を設置または再設置する際の作業性を向上できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、原水を膜ろ過する一または複数の浸漬型膜ユニットを収容する膜浸漬槽及び膜処理装置に関する。
河川水、湖沼水、地下水、貯水、下水二次処理水、工場排水、下水、高濁度汚水の膜ろ過処理設備や、海水淡水化に用いる逆浸透膜(RO)装置などの高度水処理装置の前処理用の膜ろ過処理設備や膜分離活性汚泥処理(MBR)設備などでは、固液分離の対象となる原水を槽内に蓄え、蓄えた原水中に膜ユニットを浸漬させて固液分離を図る膜処理装置が利用されている。膜処理装置は、例えば、曝気槽などの膜浸漬槽内に設置される浸漬型膜ユニット(膜分離装置)を備えている(特許文献1参照)。この種の膜ユニットは、膜浸漬槽内に立設される脚部を有し、この脚部は、例えば、コンクリート製の底部にアンカー金具などで固定される。
特開平8−257581号公報
しかしながら従来の膜浸漬槽の底は膜ユニットを据え付けた際の安定性を考慮して平坦である場合が多く、さらに、膜ユニットの設置場所と堆積物の堆積場所との明確な区分けもなかったので、膜ユニットの設置は作業者の勘に委ねられることが多く、適切な場所への設置が簡単ではなく、設置作業に伴う負担が少なくなかった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、浸漬型膜ユニットを適当な位置に据え付けることが容易になって作業性の向上を図り易い膜浸漬槽及び膜処理装置を提供することを目的とする。
本発明は、原水を膜ろ過する一または複数の浸漬型膜ユニットを収容する膜浸漬槽において、原水を貯留する槽本体と、槽本体に設けられると共に、浸漬型膜ユニットに当接して浸漬型膜ユニットを支えるユニット支持部と、槽本体の底部に設けられると共に、ユニット支持部を避けて形成された堆積物の排出部と、を備えたことを特徴とする。
本発明では、浸漬型膜ユニットを支えるユニット支持部と堆積物の排出部とは明確に区別されており、新設の際には、浸漬型膜ユニットをユニット支持部に狙って設置することで適切な場所への設置を簡単に行うことができる。また、浸漬型膜ユニットをメンテナンス等で膜浸漬槽から引き上げて再設置する場合などであっても、ユニット支持部の上には堆積物は溜りにくいため、再設置の際に浸漬型膜ユニットが傾くなどの不具合が生じ難く、作業性の向上を図る上で有利である。
さらに、ユニット支持部は、浸漬型膜ユニットの下端に当接して浸漬型膜ユニットを支える台座部であると好適である。浸漬型膜ユニットの下端が台座部に載るように設置することで、浸漬型膜ユニットを所定位置に簡単に設置できる。
また、ユニット支持部は、浸漬型膜ユニットの上部に設けられた吊り下げ部に当接して浸漬型膜ユニットを支える支持受け部であると好適である。浸漬型膜ユニットの上部に設けられた吊り下げ部が支持受け部に係止されるように設置することで、浸漬型膜ユニットを所定位置に簡単に設置できる。
さらに、浸漬型膜ユニットは、複数の膜エレメントを有する浸漬部と、膜エレメントを透過した処理水が通過する管路が設けられると共に、浸漬部よりも上側に配置される配管部と、を備え、槽本体は、浸漬部を収容して浸漬部を水没させる下槽部と、下槽部よりも幅が広く、且つ、配管部が配置される上槽部と、を有すると好適である。上槽部を下槽部の幅よりも広げることで、逆洗時には、上槽部を逆洗水の溜り部とすることができ、従って、下槽部を浸漬部に対応して小型化でき、その結果として、薬液洗浄の際の薬液の量を少なくすることができる。
さらに、槽本体は、上槽部に隣接して設けられた原水貯留部と、上槽部と原水貯留部との間に配置されるとともに、原水貯留部に供給された原水が乗り越えて上槽部に流れ込む堰部と、を有すると好適である。原水は、一旦、原水貯留部内に蓄えられ、所定の水位に達すると堰部を乗り越えて上槽部に流れ込む。原水が堰部を乗り越えなければ上槽部に流れ込めないように構成することで、少なくとも、堰部を設けた一定の範囲で原水中の濁質が均等化され、槽本体内での原水中の濁質が均等化されて処理効率の向上を図り易くなる。
さらに、並んで設置される複数の浸漬型膜ユニット同士の間隔を保持する位置決め部材を備えると好適である。位置決め部材によって浸漬型膜ユニットを所定位置に確実に保持することが可能になる。
さらに、位置決め部材は、槽本体の底部から上下方向に沿って延在するスペーサであり、スペーサの上端は、上槽部内に配置されていると好適である。原水が下槽部内に蓄えられた状態であっても、スペーサが上槽部内にまで突き出しているためにスペーサを目視にて確認することができる。従って、浸漬型膜ユニットをメンテナンスなどによって引き上げ、その後に再設置する場合であっても浸漬型膜ユニットを所定位置に簡単に設置することができる。
さらに、堆積物の排出部は、ドレン管と、ドレン管に向けて堆積物を誘導する集積部と、を有し、集積部は、水平面に対して勾配を有する傾斜壁を有し、傾斜壁の下部は、ドレン管に連絡していると好適である。傾斜壁に沿って堆積物はドレン管に向けて誘導され、ドレン管からスムーズに排出される。
また、本発明は、膜浸漬槽と、膜浸漬槽内に設置されると共に原水を膜ろ過する一または複数の浸漬型膜ユニットとを備えた膜処理装置において、浸漬型膜ユニットは、複数の膜エレメントと、複数の膜エレメントを支持するフレームと、フレームに設けられると共に、膜エレメントの下方に配置された散気部と、複数の膜エレメントの上方に設けられると共に、膜エレメントを透過した処理水が通過する管路と、有し、膜浸漬槽は、原水を貯留する槽本体と、槽本体に設けられると共に、浸漬型膜ユニットに当接して浸漬型膜ユニットを支えるユニット支持部と、槽本体の底部に設けられると共に、ユニット支持部を避けて形成された堆積物の排出部と、を備えたことを特徴とする。本発明によれば、ユニット支持部と堆積物の排出部とは明確に区別されているため、ユニット支持部に浸漬型膜ユニットを設置する際の作業性の向上を図る上で有利である。
さらに、浸漬型膜ユニットにおける膜面積とフレームの据付面積との比は400〜2000m/mであると好適である。この構成によれば、膜モジュールを密に搭載することで、散気を効率良くすることができる。
本発明によれば、浸漬型膜ユニットを適当な位置に据え付けることが容易になって作業性の向上を図り易い。
本発明の第1実施形態に係る膜処理装置の断面図である。 図1のII−II線に沿った断面図である。 図1のIII−III線に沿った断面図である。 浸漬型膜ユニットの第1の例を示し、(a)は側面図、(b)は平面図である。 膜浸漬槽内に浸漬膜ユニットを設置した状態を模式的に示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る膜浸漬槽の断面図である。 図6のVI−VI線に沿った断面図である。 膜浸漬槽の槽本体の受入部の斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る膜処理装置の断面図である。 浸漬型膜ユニットの第2の例を示し、(a)は側面図、(b)は平面図である。
以下、本発明に係る膜処理装置の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態では、膜分離活性汚泥処理(MBR)に利用された膜処理装置1Aを例に説明する。
図1〜図3に示されるように、膜処理装置1Aは、活性汚泥を含む原水を蓄える膜浸漬槽3Aと、膜浸漬槽3A内に設置される浸漬型の膜ユニット5と、を備えている。膜浸漬槽3Aは、一台の膜ユニット5または複数の膜ユニット5を等間隔ピッチでカセット状に任意の数(処理水量に応じて)だけ収納可能に設計されるが、本実施形態では、五台の膜ユニット5を設置する場合を例示する。
図4に示されるように、膜ユニット5は、集水ヘッダ(管路)7と、集水ヘッダ7に接続された複数の膜モジュール9とを備えている。集水ヘッダ7は、二列に並んで配置された一対の主ヘッダ管7aと、一対の主ヘッダ管7aに連絡して、主ヘッダ管7a内の処理水を合流させる合流管7bと、を備えている。一対の主ヘッダ管7aはリブなどの補強部材7cによって一体に固定されている。合流管7bは、主ヘッダ管7aの端部寄りの位置に設けられており、処理水排出管11にフランジ接続される。処理水排出管11には吸引ポンプ(図示せず)が接続され、吸引ポンプの駆動によって膜モジュール9を透過した処理水は集水ヘッダ7に集められ、処理水排出管11を通って排出される。
主ヘッダ管7aには、長手方向に沿って複数の枝管13が一列に並んで設けられており、各枝管13には縦長の膜モジュール9が接続されている。枝管13と膜モジュール9との接続部位には、組み付け作業時における枝管13の軸線方向に沿った膜モジュール9の移動を許容し、また軸線に対する膜モジュール9の僅かな傾きを許容して調整可能とする調節継手15が配置されている。
膜モジュール9は、複数の中空糸膜9aと、複数の中空糸膜9aを一方の端部(下端)側で結束する下部結束部(図示せず)と、下部結束部に取り付けられたスカート部(筒状部材)9bと、複数の中空糸膜9aを他方の端部(上端)側で結束する上部結束部(図示せず)と、上部結束部に被せられて取り付けられたキャップ部9cと、を備えている。キャップ部9cは、調節継手15及び枝管13を介して集水ヘッダ7に接続されている。
中空糸膜9aは、例えば、疎水性材質の濾過膜を親水化処理したチューブ状の精密濾過膜であり、内部には、周壁を透過した処理水が流れる流路が形成されている。中空糸膜9aの下端は閉塞され、上端は開放されている。中空糸膜9aの周壁を透過して内部に流入した処理水は、上端の開口からキャップ部9cの内側及び枝管13を通って集水ヘッダ7に集められる。以下、上部結束部及び下部結束部によって纏められた複数の中空糸膜9aの束を膜エレメント17という。
本実施の形態において膜ユニット5の膜面積と膜ユニット5の据付面積の比は400〜2000m/mであることが好ましく、500〜1500m/mであることがより好ましい。
ここで、「膜ユニットの膜面積」とは膜浸漬槽3Aに配置される膜ユニット5内に収められる複数の膜モジュール9において、膜モジュール9の上部結束部及び下部結束部によって纏められた複数の中空糸膜9aの束の膜エレメント17の周壁外表面積の総和をいう。
また、「膜ユニットの据付面積」とは複数の膜モジュール9が収められた膜ユニット5を構成する長方体(矩形の立体)形状のフレーム21において、膜モジュール9が地表面に対して垂直になる様に膜ユニット5を倒立させたときフレーム21の幅と奥行きとの積である。
膜浸漬槽3Aに供給される原水に対して、膜浸漬槽3Aに設置した膜ユニット5の下部から定期的または連続的に散気空気を与えることによって、槽3A内の原水に攪拌流(上昇流)を発生させることができ、膜浸漬槽3A内の原水の顕濁成分の密度分布を均質化することができる。
この攪拌流は膜ユニット5内の膜モジュール9を密に搭載することで散気空気による攪拌流の強度を向上することができる。
膜浸漬槽3Aには1つ以上の膜ユニット5を設置することができ、
膜ユニット5を順次並べた最後の膜ユニット5の外面から50mm以上を隔てた位置に壁を設けることで、膜ユニット5の下部からの散気空気で発生する上昇流を旋回させて、下向きの流れ(旋回下降流)を得ることができる。
また、下向きの流れ(旋回下降流)を整流するための前述の壁は、流速を制御するために開口が無いものや、開口面積を変えた種々の形状の邪魔板としてパンチングプレート(多孔板)等を設置してもよい。
邪魔板の形態は平板、格子組板などを用いることができ、膜浸漬槽の上下(垂直)方向に配置することができる。
膜モジュール9のスカート部9bは、アンダーサポート19によって保持されている。アンダーサポート19は、矩形箱状の樹脂部材であり、上面側にはスカート部9bを受け入れて膜モジュール9を支持する挿入孔が形成されている。アンダーサポート19には、複数本の膜モジュール9を支持すべく複数の挿入孔が形成されており、本実施形態では、隣接して配置された四本の膜モジュール9を支持すべく、四個の挿入孔が形成されている。
集水ヘッダ7及び複数の膜モジュール9は、長方体(矩形の立体)状のフレーム21によって支持されている。フレーム21は矩形の下部支持体21aと、下部支持体21aの各角に立設された四本の柱部材21bと、四本の柱部材21bに支持された矩形の上部支持体21cと、を備えている。
下部支持体21aは矩形の構造体であり、横一列に並ぶ複数のアンダーサポート19を囲むように保持する。下部支持体21aに保持された状態での複数のアンダーサポート19には、内部で互いに連通する主空気流路と、主空気流路から分岐した複数の散気流路が形成される。主空気流路は、空気洗浄(エアースクラビング)や活性汚泥への供給の為の空気が通過する流路である。また、散気流路は、複数の膜モジュール9それぞれのスカート部9b内に連通しており、主空気流路を通過した空気は、散気流路を通って所定の散気口から散気され、スカート部9b内を上昇する。アンダーサポート19は、散気部に相当する。
下部支持体21aに立設された柱部材21bは管状であり、内部の空洞は、アンダーサポート19の主空気流路に連通している。柱部材21bの内部は、空気流路となっており、柱部材21bを通過した空気は、主空気流路に供給される。
四本の柱部材21bに支えられた上部支持体21cは、矩形の環状体を形成し、集水ヘッダ7の両端を支持すると共に集水ヘッダ7を脇から支える。上部支持体21cの内部には、柱部材21bの内部に連通する空洞が形成されており、さらに、上部支持体21cには、内部の空洞に連通する空気導入管21dが設けられている。空気導入管21dは空気圧送管23にフランジ接続される。
膜エレメント17を空気洗浄(エアースクラビング)する際には、空気圧送管23を通った空気が上部支持体21c、柱部材21bを通ってアンダーサポート19の主空気流路に供給され、さらに、その空気は、散気流路を通って原水中に散気される。この散気によって生じる気泡は、スカート部9bを通過し、原水中を上昇して膜エレメント17を振動させ、スクラビング作用によって膜エレメント17の表面に付着した汚泥を剥離させて除去する。また、原水中への散気により、活性汚泥への酸素供給も行われる。
また、膜エレメント17を薬液洗浄する際には、膜浸漬槽3Aの外部に設置された薬液槽(図示せず)から処理水排出管11を通って集水ヘッダ7に薬液が供給される。さらに、その薬液は、各枝管13を通って膜モジュール9に供給され、膜エレメント17を薬洗する。薬液は、例えば、次亜塩素酸水溶液、シュウ酸水溶液、クエン酸水溶液または苛性ソーダ水溶液などである。
図1〜図3及び図5に示されるように、膜ユニット5は、膜浸漬槽3A内に設置される。膜浸漬槽3A内に設置された状態において、集水ヘッダ7よりも下側となる部分、具体的には、複数の膜モジュール9が取り付けられた部分は浸漬部25を構成し、浸漬部25よりも上側に配置される部分、具体的には、膜エレメント17を透過した処理水が集められる集水ヘッダ(管路)7が設けられた部分は配管部27を構成する。膜ユニット5は、複数台が等間隔に並んで膜浸漬槽3A内に設置されており、また、膜ユニット5の台数は処理水量に応じて適宜に決められる。
膜浸漬槽3Aは、槽本体31と、槽本体31を立設させる脚部33とを備えている。槽本体31は、膜ユニット5の浸漬部25を収容して水没させる下槽部35と、膜ユニット5の配管部27が配置される上槽部37とに分かれており、上槽部37の方が、下槽部35よりも広くなっている。具体的には、上槽部37の横断面の面積は、下槽部35の横断面の面積の1.5倍程度広くなっている。
下槽部35は、複数の膜ユニット5に近接した状態で、複数の膜ユニット5を四方から矩形に取り囲む外壁35aを備えている。外壁35aの下方部分である下槽部35の底部には、膜ユニット5の下部支持体21aに当接して、膜ユニット5を支える台座部35bが設けられている。下部支持体21aは、膜ユニット5の下端に相当する。
台座部35bは、外壁35aに沿った矩形環状のプレートであり、台座部35b上には、上下方向に延在する複数のスペーサ35cが立設されている。スペーサ35cは、隣接する膜ユニット5同士の間に配置された縦長のプレートであり、上端35kは上槽部37内に配置されている。台座部35bは、ユニット支持部に相当する。
スペーサ35cは、隣接する膜ユニット5同士が互いに干渉しないように膜ユニット5を所定位置で保持する役割を担う。その結果として各膜ユニット5は、集水ヘッダ5の合流管7bが処理水排出管11に対して接続可能な所定位置、すなわち合流管7bと処理水排出管11とのセンターライン同士が一致する位置に確実に位置決めされる。
さらにスペーサ35cは、膜ユニット5を膜浸漬槽3A内に差し入れて設置する際に、膜ユニット5を所定位置まで案内するガイドレール(ガイド部)としての役割も担う。特に、スペーサ35cの上端35kは上槽部37内に配置されているので、下槽部35内に濁った原水が満たされても、スペーサ35cの上端35kは原水から突き出すことになり、再設置の際でも容易に目視可能であり、所定位置を狙いやすくなる。
下槽部35の底部には、台座部35bを避けるようにして汚泥などの堆積物Fを集積して排出するための排出部35dが設けられている。排出部35dは、台座部35bを避けるようにして設けられている。具体的には、台座部35bは矩形の環状(リング状)であるため、台座部35bで囲まれた中央寄りの領域は、台座部35bを避けて形成された矩形の開口領域Aとなる。排出部35dは、台座部35bの下方で、開口領域Aを介して下槽部35の上部に連通するように設けられている。
排出部35dは、沈降する汚泥などの堆積物Fを下部に集める集積室(集積部)35eと、集積室35eの下部(最下端の近傍)に連絡するドレン管35fと、を備えている。集積室35eは、下端が頂点となる四角錐を形成する四枚の側壁を有する。四枚の側壁のうち、一枚は水平面に対して垂直な鉛直壁35gであり、残りの三枚は水平面に対して所定の勾配を有する傾斜壁35hである。鉛直壁35gの下端にはドレン管35fに連通する開口が形成されている。鉛直壁35gと傾斜壁35hとの連絡箇所(交線)及び傾斜壁35h同士の連絡箇所(交線)には、直線状の谷部35jが形成される。傾斜壁35hは、ドレン管35fに近い側で低く、遠い側で高くなるように傾斜しており、傾斜壁35hの最下部はドレン管35fに連絡している。その結果、傾斜壁35hは、堆積物Fをドレン管35f側に誘導し、ドレン管35fからのスムーズな排出を促し、堆積物Fの完全な払い出しを行い易くする。
ドレン管35fは鉛直壁35gに固定されており、ドレン管35fの管軸線L1は上下方向(鉛直方向)に対して交差する方向(横方向)、例えば、直交する方向(水平方向)に延在する。ドレン管35fは、汚泥排出管36に接続されており、汚泥排出管36は汚泥ポンプ(図示省略)に接続されている。汚泥ポンプによって、集積室35e内に堆積する濃縮汚泥などの堆積物Fは定期的に引き抜かれる。また、汚泥ポンプで堆積物F及び原水を引き抜くことで、水位制御を行うこともできる。
また、ドレン管35fは集積室35eから横に向けて配置されるので、集積室35eの下端から下方に向けてドレン管35fを配置する場合に比べて、集積室35eの下方にはドレン管35f配置のためのスペースは不要になり、結果として、膜浸漬槽3Aの嵩を低く抑えることが可能になる。また、ドレン管35fを横向きに配置することで配管径を大きくし易くなり、堆積物Fの排出促進に有効である。
図1及び図2に示されるように、膜浸漬槽3Aの上側に設けられた上槽部37は、下槽部35の全周に亘って下槽部35よりも幅が広がっている。上槽部37の上面は、着脱可能な蓋部(カバー部)37aで覆われており、蓋部37aには処理水排出管11や空気圧送管23が貫通している。上槽部37に蓋部37aを設けることにより、膜エレメント17の薬洗の際における薬液の漏出を防ぎ、外部設備の腐蝕を防止することができる。蓋部37aの材料には薬品に耐蝕性のある材質のものを選定するが、例としてナイロン基材の布地の接液部に薬品耐蝕性のあるテフロン(登録商標)系樹脂または、クロロプレンゴムを塗布したものを蓋状に加工したものや、金属板を蓋上に加工した内面にテフロン(登録商標)系樹脂または、クロロプレンゴムを塗布したものが用いられる。好ましくは、ステンレス板の接液部にテフロン(登録商標)系樹脂等を塗布したものが機械的強度に富むため好ましい。なお、薬液を投入して膜エレメント17を洗浄する際には、下槽部35は洗浄槽になる。
上槽部37の側壁には、オーバーフロー管37bが設けられている。逆洗時にはろ過が停止するため、膜エレメント17から排出される逆洗水が上槽部37内に蓄えられる。すなわち、逆洗時には、上槽部37は逆洗水の溜り部となり、水位が一定以上になるとオーバーフロー管37bから逆洗水が排出される。なお、オーバーフロー管37bには、膜処理装置1Aの不調時以外の場合には、通水は行われない。
本実施形態に係る膜浸漬槽3A及び膜処理装置1Aでは、膜ユニット5が設置される台座部35bと堆積物Fの排出部35dとは明確に区別されており、新設の際には、膜ユニット5を台座部35bに狙って設置することで適切な場所への設置を簡単に行うことができる。
特に、本実施形態に係る膜エレメント17は疎水性材質の濾過膜を親水化処理した濾過膜であり、この種の膜エレメント17を用いる場合には、膜エレメント17を乾燥させないようにする必要があり、できるだけ迅速に膜ユニット5を膜浸漬槽3A内に設置し、さらに、できるだけ短時間で原水を膜浸漬槽3A内に注入する必要がある。ここで、膜浸漬槽3A及び膜処理装置1Aでは、膜ユニット5の設置を簡単に行えるので作業の迅速化に有利である。
また、例えば、膜ユニットをコンクリート製の底部にアンカーセットする場合などには、コンクリートの耐水養生のための十分な時間が必要になって施行作業の迅速化を図り難い。しかしながら、本実施形態では、台座部35b上に膜ユニット5を載置することで、膜ユニット5の設置が完了し、さらにスペーサ35cによって膜ユニット5は所定位置に保持されるので、施行作業の迅速化にも有利である。
また、通常は、膜ユニットに脚部を設け、槽の底部に堆積する濃縮汚泥の巻き込みを避けて膜モジュールを配置するようにするような構成が一般的である。この種の膜ユニットの場合、脚部の長さ分だけ膜ユニットの背丈が高くなり、従って、従来の膜浸漬槽(特許文献1参照)では、脚部の長さ分だけ深さを深くする必要がある。すると、膜ユニットを設置するための揚程高さも高くなり、結果として、膜ユニットの取り付け、取り外しのための作業性が損なわれる。
一方で、本実施形態に係る膜浸漬槽3Aでは、膜ユニット5を支える台座部35bを避けて、台座部35bの下方に堆積物Fの排出部35dが設けられており、この排出部35d内で堆積物Fが濃縮される。従って、脚部の無い膜ユニット5であっても、膜エレメント17への堆積物Fの巻き込みが避けられる。従って、この膜浸漬槽3Aの深さは、脚部の無い膜ユニット5に対応した深さでも足りるようになって比較的浅くても済むようになり、膜ユニット5を設置するための揚程高さも低く抑えられて、膜ユニット5の取り付け、取り外しのための作業性の向上に有効である。
また、例えば、膜浸漬槽の底部に凹部(開口)を設け、この凹部に膜ユニットを固定、支持するための梁を設置するような構成では、膜浸漬槽内に梁を設置するためのスペースが必要になり、膜浸漬槽自身が大型化し易い。さらに、梁などの突起物があると、膜ユニットを設置する際に、ろ過膜が引っ掛かって損傷する虞がある。一方で、本実施形態によれば、梁などは設けていないので、小型化に有効であり、スペーサ35cによって膜ユニット5を適正な位置まで誘導させながら設置できるので、膜ユニット5の損傷を軽減できる。
また、本実施形態に係る膜ユニット5をメンテナンス等で膜浸漬槽3Aから引き上げた際には、膜モジュール9を交換した後で再設置する必要がある。ここで、従来の膜浸漬槽(特許文献1参照)では、膜ユニットが設置される部分と堆積物が堆積する部分とは必ずしも明確に区別されておらず、従って、堆積物が底部に溜ることになり、膜ユニットを再設置する際に堆積物を踏み付けて斜めに傾き、作業性が低下する可能性がある。しかしながら、本実施形態に係る膜浸漬槽3Aでは、台座部35bと排出部35dとは明確に区別されているために、台座部35bには堆積物Fは溜りにくくなっており、従って、再設置の際に膜ユニット5が傾くなどの不具合が生じにくく、作業性の向上を図る上で有利である。
また、従来の膜浸漬槽では、一般に、底部から上方に亘って内径は一定である。ここで、膜エレメントの逆洗を行う際にはろ過が停止するため、膜エレメントから排出される逆洗水量を保持するための容量を確保する必要があり、膜浸漬槽が深くなり易い。一方で、本実施形態に係る膜浸漬槽3Aでは、槽本体31は下槽部35と上槽部37とに分けられ、上槽部37の幅は下槽部35よりも広くなっているので、逆洗時には、上槽部37が逆洗水の溜り部となって逆洗水が溢れ難くなる。従って、下槽部35の容積を決定する際には逆洗水の溢れ出しを考慮する必要性が少なくなり、その結果、下槽部35を浸漬部35に近接するまで積極的に小型化できる。下槽部35が小型になると、膜エレメント17の薬液洗浄に必要となる薬液の量は少なくなり、結果として薬洗効率を向上できる。
さらに、上槽部37を下槽部35の幅よりも広げることで、逆洗時の空気洗浄(エアースクラビング)で、液面が泡立ち、結果として原水が槽外に溢れ出てしまうことの抑制にもつなげ易くなる。
また、本実施形態に係る膜浸漬槽3Aは、並んで設置される複数の膜ユニット5同士の間隔を保持するスペーサ35c(位置決め部材)を備えているので、複数の膜ユニット5を所定位置に確実に位置決めし、さらに保持することが可能になる。
さらに、スペーサ35cは下槽部35を越えて上槽部37まで延び、スペーサ35cの上端35kは上槽部37内に配置されている。従って、原水が下槽部35内に満たされた状態であっても、スペーサ35cの上端35kを目視にて確認することができる。その結果として、膜ユニット5をメンテナンスなどによって引き上げて再設置する場合であっても、スペーサ35cの上端35kを目視しながら膜ユニット5を所定位置に簡単に設置することができる。
さらに、堆積物Fの排出部35dは、ドレン管35fと、ドレン管35fに向けて堆積物Fを誘導する集積室35eと、を有し、集積室35eは、水平面に対して勾配を有する傾斜壁35hを有し、傾斜壁35hの下部は、ドレン管35fに連絡している。したがって、堆積物Fは、集積室35eの傾斜壁35hに沿ってドレン管35fに向けて誘導され、ドレン管35fからスムーズに排出される。
(第2実施形態)
次に、図6〜図8を参照して第2実施形態に係る膜浸漬槽及び膜処理装置を説明する。なお、第2実施形態に係る膜浸漬槽3B及び膜処理装置1Bは、第1実施形態に係る膜浸漬槽3A及び膜処理装置1Aと同等の要素や部材等を備えており、第1実施形態と同等の要素や部材等については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図6は、本実施形態に係る膜浸漬槽3Bの断面図であり、図7は図6のVII−VII線に沿った断面図である。また、図8は、槽本体の受入部を拡大して示す斜視図である。
膜浸漬槽3Bは、活性汚泥を含む原水を貯留する縦長の槽本体41と、槽本体41を立設する四本の脚部43とを備えている。槽本体41には、二台(複数)の膜ユニット5が並んで収容される。膜ユニット5は、第1実施形態に係る膜ユニット5と同様の構成からなり、長方体(矩形の立体)形状のフレーム21と、フレーム21によって支持された集水ヘッダ7、膜モジュール9及びアンダーサポート19を備えている。
槽本体41は、上側から順番に受入部45、胴体部47及び底部49の三つの部位に分割され、最も下側に配置される底部49には、脚部43が固定されている。中央に配置される胴体部47は、横断面が矩形の筒状であり、収容する膜ユニット5の台数に応じた容積を備える。胴体部47は、受入部45及び底部49に液密にてフランジ接合される。
底部49は、胴体部47に対して内面が面一に連結される矩形筒状の周壁部49aと、周壁部49aの下部に形成された台座部49bと、台座部49bを避けて周壁部49aの下方に設けられた堆積物Fの排出部49cと、を備えている。
台座部49bは、周壁部49aの内面に固定された矩形環状のプレートであり、台座部49b上には二台の膜ユニット5が並んで設置される。また、台座部49b上には、隣接する膜ユニット5を所定位置に保持する複数のスペーサ49jが立設されている。スペーサ49jは、膜ユニット5同士の間で上下方向に延在する縦長のプレートであり、隣接する膜ユニット5同士を干渉させないように保持する役割を担い、さらに、膜ユニット5を設置する際のガイドレール(ガイド部)としての役割も担う。なお、スペーサ49jの上端49kは、後述のヘッダ収容部53内に配置されている。
台座部49bは矩形の環状(リング状)であるため、台座部49bで囲まれた中央寄りの領域は、台座部49bを避けて形成された矩形の開口領域Aとなる。排出部49cは開口領域Aを介して周壁部49a内に連通している。
排出部49cは、沈降する汚泥などの堆積物Fを下部に集める集積室(集積部)49dと、集積室49dの下部に連絡するドレン管49eと、を備えている。集積室49dは、下端が頂点となる四角錐を形成する四枚の側壁を有する。四枚の側壁のうち、一枚は鉛直壁49fであり、残りの三枚は傾斜壁49gである。左右の傾斜壁49gに挟まれた真中の傾斜壁49gの下端近傍には、ドレン管49eに連通する開口が形成されている。鉛直壁49fと傾斜壁49gとの連絡箇所(交線)及び傾斜壁49g同士の連絡箇所(交線)には、直線状の谷部49hが形成される。傾斜壁49gは、ドレン管49eに近い側で低く、遠い側で高くなるように傾斜しており、傾斜壁49gの最下部はドレン管49eに連絡して堆積物Fをドレン管49e側に誘導し、ドレン管49eからの堆積物Fのスムーズな排出を促す。本実施形態に係るドレン管49eの管軸線L2は上下方向に沿って延在する。
図8に示されるように、槽本体41の受入部45は、胴体部47に連通する連絡部51と、連絡部51の上方に設けられたヘッダ収容部53と、ヘッダ収容部53の上方に設けられた原水導入部55を備えている。連絡部51は、矩形の胴体部47に対して内面が面一に連絡する矩形の筒状体である。連絡部51の下部は、胴体部47に液密にフランジ接合される。
ヘッダ収容部53は連絡部51の上方に設けられ、連絡部51の全周に亘って連絡部51よりも幅が広がっている。ヘッダ収容部53は、四方を矩形に取り囲む四枚の壁部53a,53bと、連絡部51に繋がって段差を形成する張出部53cと、を有する。ヘッダ収容部53の内側には、連絡部51の周壁に沿って立設された一対の仕切壁53dが設けられている
原水導入部55はヘッダ収容部53の上方に設けられ、四方を矩形に取り囲むように配置された四枚の壁部55a,55bと、ヘッダ収容部53に繋がって段差を形成する張出部55cと、を有する。なお、原水導入部55の短辺側の壁部55aとヘッダ収容部53の短辺側の壁部53aとは面一に連なってT字平板状の壁を形成する。このT字平板状の壁には、ヘッダ収容部53内に溜った逆洗水が所定の水位に達するとオーバーフローするオーバーフロー管54が設けられている。
原水導入部55の長辺に沿った幅D1とヘッダ収容部53の長辺に沿った幅D1とは同一である。一方で、原水導入部55の短辺に沿った幅D3は、ヘッダ収容部53の短辺に沿った幅D2よりも広くなっており、原水導入部55には、長辺側でヘッダ収容部53よりも外側に張り出した原水貯留部57が形成されている。原水導入部55の内側には、ヘッダ収容部53の長辺側の壁部53bに沿って立設された一対の堰部59が設けられている。
原水導入部55は、一対の堰部59によって、ヘッダ収容部53内に連通する原水落下スペースS1と、原水貯留部57内の原水貯留スペースS2とが仕切られている。原水貯留部57を形成する壁部には、原水が供給される供給口57aが形成されている。原水は、供給口57aを介して原水貯留部57内に供給され、その原水は原水貯留スペースS2で一旦貯留され、所定の水位まで達すると、堰部59を乗り越え(オーバーフロー)、原水落下スペースS1に流入して落下する。
上述のように、槽本体41は、受入部45、胴体部47及び底部49からなり、さらに、受入部45は、原水導入部55、ヘッダ収容部53及び連絡部51を有する。連絡部51、胴体部47及び底部49は横断面の面積(横断面の外形)が同一の矩形の筒状体を形成して下槽部56を構成する。また、受入部45のヘッダ収容部53は下槽部56よりもよりも幅が広く、且つ、配管部27が配置されており、上槽部に相当する。さらに、本実施形態では、原水導入部55の一部によって原水貯留部57が構成され、その結果として原水貯留部57はヘッダ収容部(上槽部)53に隣接して設けられた構成を具現化しており、さらに、原水貯留部57とヘッダ収容部(上槽部)53との間には堰部59が設けられた構成になっている。
以上、本実施形態に係る膜浸漬槽3B及び膜処理装置1Bでは、第1実施形態と同様の利益を享受でき、膜ユニット5を設置または再設置の際の作業性の向上を図る上で有利である。
さらに、本実施形態に係る槽本体41は、ヘッダ収容部(上槽部)53に隣接して設けられた原水貯留部57と、ヘッダ収容部53と原水貯留部57との間に配置されるとともに、原水貯留部57に供給された原水が乗り越えてヘッダ収容部53に流れ込む堰部59と、を有する。原水は、一旦、原水貯留部57内に蓄えられ、所定の水位に達すると堰部59を乗り越えてヘッダ収容部53に流れ込む。原水は堰部59を乗り越えなければヘッダ収容部53に流れ込めないので、少なくとも、堰部59を設けた一定の範囲で原水中の濁質が均等化され、槽本体41内での原水中の濁質が均等化されて処理効率の向上を図り易くなる。
(第3実施形態)
次に、図9及び図10を参照して第3実施形態に係る膜浸漬槽及び膜処理装置を説明する。なお、第3実施形態に係る膜浸漬槽3C及び膜処理装置1Cは、第1実施形態に係る膜浸漬槽3A及び膜処理装置1Aと同等の要素や部材等を備えており、第1実施形態と同等の要素や部材等については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図9は、本実施形態に係る膜処理装置1Cの断面図であり、図10は浸漬型膜ユニットの第2の例を示し、(a)は側面図、(b)は平面図である。
図10に示されるように、膜ユニット60は、集水ヘッダ(管路)7と、集水ヘッダ7に接続された複数の膜モジュール9とを備えている。集水ヘッダ7及び複数の膜モジュール9は、長方体(矩形の立体)状のフレーム21によって支持されている。フレーム21は矩形の下部支持体21aと、下部支持体21aの各角に立設された四本の柱部材21bと、四本の柱部材21bに支持された矩形の上部支持体21cと、を備えている。
膜ユニット60の上部には、左右一対の吊り下げ部21fが設けられている。吊り下げ部21fは、柱部材の21bの上端部から、上部支持体21cの長手方向の外側に張り出すように設けられたステンレス製のプレート体であり、下面には、後述の支持受け部65に係り合う段差部21gが形成されている。なお、膜ユニット60は、吊り下げ部21fを除いて実質的に上述の膜ユニット5と同様の構成からなる。
図9に示されるように、膜ユニット60は、膜浸漬槽3C内に設置される。膜浸漬槽3C内に設置された状態において、集水ヘッダ7よりも下側となる部分、具体的には、複数の膜モジュール9が取り付けられた部分は浸漬部25を構成し、浸漬部25よりも上側に配置される部分、具体的には、膜エレメント17を透過した処理水が集められる集水ヘッダ(管路)7が設けられた部分は配管部27を構成する。
膜浸漬槽3Cは、槽本体61と、槽本体31を立設させる脚部63とを備えている。槽本体61は、膜ユニット60の浸漬部25を収容して水没させる下槽部35と、膜ユニット5の配管部27が配置される上槽部37とに分かれている。
上槽部37は、下槽部35よりも広くなっており、下槽部35の周壁と上槽部37の周壁との間には段差が形成されている。上槽部37には、段差に沿った環状の床部37cが設けられており、床部37c上には、支持受け部65が固定されている。支持受け部65はプレート体であり、膜ユニット60の上部から張り出すように設けられた吊り下げ部21fの下面に当接し、特に段差部21gに係り合うようにして膜ユニット60を支える。本実施形態では、支持受け部65はユニット支持部に相当し、膜ユニット60の下端に当接して支える台座部は設けられていない。
以上、本実施形態に係る膜浸漬槽3C及び膜処理装置1Cでは、第1実施形態と同様の利益を享受でき、膜ユニット5を設置または再設置の際の作業性の向上を図る上で有利である。
特に、膜ユニット60の上部に設けられた吊り下げ部21fが支持受け部65に係止されるように設置することで、膜ユニット60を所定位置に簡単に設置できる。
以上、本発明を各実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態のみに限定されるものではない。例えば、上記の膜処理装置及び膜浸漬槽は、高濁度汚水を原水とした膜ろ過に利用される場合を例に説明したが、浸漬型の膜ユニットを利用して原水の固液分離を図る態様に広く利用でき、その場合、堆積物は汚泥に限定されず、膜浸漬槽内で沈降堆積する他の固形物等を広く含む。また、膜エレメントは、疎水性材質の濾過膜を親水化処理した濾過膜に限定されず、他の素材、または他の形態からなる浸漬型の濾過膜であってもよい。また、膜浸漬槽に設置される膜ユニットは複数の場合に限定されず、単体の膜ユニットを設置する態様であってもよい。
1A,1B,1C…膜処理装置、3A,3B,3C…膜浸漬槽、5,60…膜ユニット、7…集水ヘッダ(管路)、17…膜エレメント、19…アンダーサポート(散気部)、21…フレーム、21f…吊り下げ部、25…浸漬部、27…配管部、31,41…槽本体、35,56…下槽部、35b,49b…台座部(ユニット支持部)、35c,49j…スペーサ(位置決め部材)、35k,49k…スペーサの上端、35d,49c…排出部、35e,49d…集積室(集積部)、35f,49e…ドレン管、35h,49g…傾斜壁、37…上槽部、49a…第2実施形態に係る槽本体の底部、53…ヘッダ収容部(上槽部)、57…原水貯留部、59…堰部、65…支持受け部、F…堆積物。

Claims (10)

  1. 原水を膜ろ過する一または複数の浸漬型膜ユニットを収容する膜浸漬槽において、
    前記原水を貯留する槽本体と、
    前記槽本体に設けられると共に、前記浸漬型膜ユニットに当接して前記浸漬型膜ユニットを支えるユニット支持部と、
    前記槽本体の底部に設けられると共に、前記ユニット支持部を避けて形成された堆積物の排出部と、を備えたことを特徴とする膜浸漬槽。
  2. 前記ユニット支持部は、前記浸漬型膜ユニットの下端に当接して前記浸漬型膜ユニットを支える台座部であることを特徴とする請求項1記載の膜浸漬槽。
  3. 前記ユニット支持部は、前記浸漬型膜ユニットの上部に設けられた吊り下げ部に当接して前記浸漬型膜ユニットを支える支持受け部であることを特徴とする請求項1記載の膜浸漬槽。
  4. 前記浸漬型膜ユニットは、複数の膜エレメントを有する浸漬部と、前記膜エレメントを透過した処理水が通過する管路が設けられると共に、前記浸漬部よりも上側に配置される配管部と、を備え、
    前記槽本体は、前記浸漬部を収容して前記浸漬部を水没させる下槽部と、前記下槽部よりも幅が広く、且つ、前記配管部が配置される上槽部と、を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の膜浸漬槽。
  5. 前記槽本体は、前記上槽部に隣接して設けられた原水貯留部と、前記上槽部と前記原水貯留部との間に配置されるとともに、前記原水貯留部に供給された原水が乗り越えて前記上槽部に流れ込む堰部と、を更に有することを特徴とする請求項4記載の膜浸漬槽。
  6. 並んで設置される複数の前記浸漬型膜ユニット同士の間隔を保持する位置決め部材を更に備えることを特徴とする請求項4または5記載の膜浸漬槽。
  7. 前記位置決め部材は、前記槽本体の底部から上下方向に沿って延在するスペーサであり、
    前記スペーサの上端は、前記上槽部内に配置されていることを特徴とする請求項6記載の膜浸漬槽。
  8. 前記排出部は、ドレン管と、前記ドレン管に向けて前記堆積物を誘導する集積部と、を有し、
    前記集積部は、水平面に対して勾配を有する傾斜壁を有し、前記傾斜壁の下部は、前記ドレン管に連絡していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載の膜浸漬槽。
  9. 膜浸漬槽と、前記膜浸漬槽内に設置されると共に原水を膜ろ過する一または複数の浸漬型膜ユニットとを備えた膜処理装置において、
    前記浸漬型膜ユニットは、複数の膜エレメントと、前記複数の膜エレメントを支持するフレームと、前記フレームに設けられると共に、前記膜エレメントの下方に配置された散気部と、前記複数の膜エレメントの上方に設けられると共に、前記膜エレメントを透過した処理水が通過する管路と、有し、
    前記膜浸漬槽は、原水を貯留する槽本体と、前記槽本体に設けられると共に、前記浸漬型膜ユニットに当接して前記浸漬型膜ユニットを支えるユニット支持部と、
    前記槽本体の底部に設けられると共に、前記ユニット支持部を避けて形成された堆積物の排出部と、を備えたことを特徴とする膜処理装置。
  10. 前記浸漬型膜ユニットにおける膜面積とフレームの据付面積との比は、400〜2000m/mであることを特徴とする請求項9記載の膜処理装置。
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