JP6775364B2 - 汚水処理設備及び汚水処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、下水汚泥や食品工場で発生する排水等の有機性排水を浄化する汚水処理設備及び汚水処理方法に関する。
特許文献1には、被処理液を嫌気処理する嫌気槽(無酸素槽)と、被処理液を曝気する曝気槽(好気槽)と、被処理液から透過液を得る膜分離装置が浸漬配置された膜分離槽を備えた膜分離活性汚泥処理装置が開示されている。
膜分離槽内の余剰汚泥は槽外に引き抜かれ、ポンプを介して一部が嫌気槽(無酸素槽)に循環供給されている。この循環汚泥量は嫌気槽(無酸素槽)への流入汚泥量Qに対して4Q程度に設定されている。
特許文献2には、原水を流入させる嫌気槽と、嫌気槽の下流側に隔壁を介して連接され、嫌気性微生物により被処理水を脱窒する無酸素槽と、無酸素槽の下流側に隔壁を介して配置され、無酸素槽から流出した被処理水に含まれるアンモニアを好気性微生物で硝化する好気槽と、好気槽で硝化された被処理水の一部を無酸素槽に返送するエアリフトポンプ装置を備えた汚水処理設備が開示されている。
好気槽は、散気機構が設置された第一領域と膜分離装置が配置された第二領域とに分離壁を介して領域区画され、無酸素槽から流出した被処理水が第一領域で好気処理され、膜分離槽として機能する第二領域の下流側にエアリフトポンプ装置が設置されている。
特許文献3には、被処理液の液溜まり中に浸されて、前記被処理液から透過液を生成する濾過膜ユニットと、前記濾過膜ユニットを収容する立ち上げ管と、前記濾過膜ユニットの下方に配置され、前記濾過膜ユニットへスクラビングエアを供給する散気部と、前記立ち上げ管の上部に接続された、前記スクラビングエアと共に前記立ち上げ管内を上昇する被処理液を側方に移送するための移送路と、を備えた、濾過及びエアリフト兼用装置が開示されている。
特開2013−22549号公報 特開2011−1918号公報 特開2014−57906号公報
図2には、膜分離槽に浸漬配置された膜分離装置の一例が示されている。当該膜分離装置は、上下が開口した膜ケース71の内部に多数枚の板状の膜エレメントが、各膜面が縦姿勢となるように一定間隔を隔てて配列されており、さらに膜ケース71の下方に散気機構7Aを備えている。
散気機構7Aは複数の散気孔が形成された散気管13を備え、散気管13に接続された散気ヘッダ14を介して槽外に設置されたブロワBやコンプレッサなどの給気源に接続されている。
散気機構7Aから放出される気泡のエアリフト効果によって被処理水の上向流が形成され、膜面に沿って流れる上向流により各膜エレメントの膜面に付着したファウリング原因物質が除去される。
効率的にファウリング原因物質を除去するために、汚泥性状と運転フラックス(単位面積当たりの透過水量)に応じて一定以上の膜間流速を与える必要があり、そのために膜ケース71の下部開口から上部開口に抜ける安定した流れが形成される必要があった。
そこで、従来は膜ケース71の下部開口から上部開口に流れた上向流が膜ケース71の外側で下降流となるようなスムーズな旋回流が得らえるように、膜分離装置の周りに適切なサイズの空間を確保する必要があった。
しかし、そのために膜分離装置を設置する膜分離槽が大きくなり、設備コストが嵩むという問題があった。さらに膜ケース71の下部開口から上部開口に流れる被処理水の上向流によって膜面の汚れが抑制されるが、旋回流を形成するために必要とされた下向流は直接的な付加価値を生むことはなく、散気機構に費やされる動力が無駄に消費されるという問題もあった。
特許文献3に記載された濾過及びエアリフト兼用装置によれば、1つの装置で、被処理液の濾過と濾過膜ユニットの洗浄と被処理液の移送とを実現することができ、より少ない消費動力で被処理液を移送できるようになる。
しかし、膜分離槽に浸漬配置された複数の濾過装置のうち、還流路の近傍に設置される濾過及びエアリフト兼用装置以外の濾過装置については、特許文献1,2と同様に、スムーズな循環流が得られるように濾過装置の周囲に適切なサイズの空間を確保する必要があり、大きな容量の膜分離槽が必要になるという問題があった。
また、濾過及びエアリフト兼用装置と、濾過及びエアリフト兼用装置以外の濾過装置とでは機能が異なるため、それぞれの散気量が異なり、濾過及びエアリフト兼用装置と、濾過及びエアリフト兼用装置以外の濾過装置とで膜の透過性能にアンバランスが生じる虞があった。
さらに、嫌気槽及び無酸素槽に隣接して還流路を設ける必要があり、設備を設置するために広い敷地が必要になるという問題もあった。
本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、コンパクトな空間に膜分離装置設置しても安定した上向流が確保でき、しかも運転コストを低減できる汚水処理設備及び汚水処理方法を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による汚水処理設備の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、溶存酸素が存在しない状態に維持され少なくとも被処理水に含まれる硝酸性窒素を還元する脱窒処理が行なわれる無酸素槽と、好気状態に維持され前記無酸素槽から流入した被処理水に含まれるアンモニア性窒素を硝化する硝化処理が行なわれる好気槽と、前記硝化処理が行なわれた被処理水に浸漬配置され被処理水から透過水を得る固液分離処理が行なわれる複数の膜分離装置と、を備えている汚水処理設備であって、平面視で前記複数の膜分離装置の配列方向に沿い前記無酸素槽に向けて延出する一対のトラフが、各膜分離装置の上方空間で各膜分離装置を挟むように対向配置され、前記膜分離装置に備えた散気機構からの散気により生じる被処理水の上向流により前記固液分離処理後の濃縮水を前記トラフに溢流させて前記無酸素槽に返送するように構成されている点にある。
散気機構から放出される気泡によるエアリフト効果で発生した上向流により膜分離装置を下方から上方へ流れる被処理水、つまり膜ろ過後の濃縮水が、膜分離装置の上方に設けられたトラフに流れ込み、トラフを介して無酸素槽に返送されて脱窒処理されるようになる。従って、濃縮水を無酸素槽に返送するための別途のポンプ機構を備える必要が無く、それだけ動力に費やされる運転コストを低減することができる。また、膜分離装置から上方に流出した被処理水が膜分離装置の周囲に下降して循環するような旋回流を形成するための余分な空間を確保する必要が無くなり、膜分離装置の設置空間をコンパクトに構成し、設備コストを低減することができるようになる。例えば、好気槽の一区画に膜分離装置が浸漬配置されても、好気処理のために設置された散気装置から放出される気泡の動きが乱されることがなく、より一層コンパクトな汚水処理設備を構築できるようになる。さらに、旋回流の形成が不要となるために散気量をそれほど多量に設定する必要が無く、緩やかな上向流と膜面との十分な接触時間が確保できるようになり、膜面にストレスを与えることなく十分な洗浄効果が得られるようになる。
そして、散気機構からの散気により生じる被処理水の上向流が直線状に配列された各膜分離装置の上方空間で配列方向と交差する水平流に転じる際に、平面視で各膜分離装置を挟むように各膜分離装置の上方空間に配置された一対のトラフに流入するようになり、各膜分離装置で固液分離処理された後の濃縮水が効率的に流入するシンプルな構成のトラフを実現できる。
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記トラフの上部に通路が配置されている点にある。
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第一または第二の特徴構成に加えて、前記好気槽を挟んで両側に無酸素槽が配置され、前記固液分離処理後の濃縮水が各無酸素槽に返送されるように前記トラフが共用されている点にある。
好気槽で硝化処理された被処理水が膜分離装置により固液分離されて透過水が取り出される。このとき散気機構から放出される気泡によるエアリフト効果で発生した上向流によってろ過されなかった濃縮水が共用のトラフに流入し、好気槽の両側に配置された無酸素槽のそれぞれに返流されて脱窒処理されるようになり、コンパクトな汚水処理設備を構築できるようになる。
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、前記好気槽が被処理水の流れに交差する幅方向に沿って複数領域に区画され、各領域の境界に前記膜分離装置が配置されている点にある。
複数領域に区画された好気槽の各領域の境界に配置された膜分離装置によって被処理水がろ過され、各膜分離装置の上方空間に配置されたトラフを介して濃縮水が無酸素槽に返送される結果、各膜分離装置で生じる上向流がその周囲で下向流に転じて循環するような大きな被処理水の流れが生じることがない。従って、各領域内で好気処理される被処理水の流れが乱されることなく安定的に好気処理されるコンパクトな汚水処理設備を構築できるようになる。
同第五の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、前記硝化処理が行なわれた被処理水が流入する膜分離槽が設けられ、前記膜分離槽に前記膜分離装置が浸漬配置されている点にある。
好気槽で硝化処理が行なわれた被処理水が、膜分離装置が浸漬配置された膜分離槽に流入して膜分離されるように、好気槽と膜分離槽とが区画され、膜分離槽に備えた膜分離装置の上方空間から前記無酸素槽に向けて延出するトラフが配置されていてもよい。このような構成でも、被処理水の循環流を形成する必要が無くなるのでコンパクトな膜分離槽を得ることができる。
本発明による汚水処理方法の第一の特徴構成は、同請求項6に記載した通り、溶存酸素が存在しない状態に維持された無酸素槽で少なくとも被処理水に含まれる硝酸性窒素を還元する脱窒処理と、好気状態に維持された好気槽で前記無酸素槽から流入した被処理水に含まれるアンモニア性窒素を硝化する硝化処理と、前記硝化処理された被処理水に浸漬配置された複数の膜分離装置により被処理水から透過水を得る固液分離処理と、を実行する汚水処理方法であって、各膜分離装置の下方に備えた散気機構からの散気により生じる被処理水の上向流により、各膜分離装置の上方空間に前記無酸素槽に向けて延出するように配置されたトラフに、前記固液分離処理後の濃縮水を溢流させて前記無酸素槽に返送する点にある。
以上説明した通り、本発明によれば、コンパクトな空間に膜分離装置設置しても安定した上向流が確保でき、しかも運転コストを低減できる汚水処理設備及び汚水処理方法を提供することができるようになった。
(a)は汚水処理設備の平面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB−B線断面図 膜分離装置の説明図 膜エレメントの説明図 (a)は第1の別実施例を示す汚水処理設備の平面図、(b)は第2の別実例を示す汚水処理設備の平面図、(c)は第3の別実例を示す汚水処理設備の平面図 第4の別実施例を示す汚水処理設備の平面図 図1(c)に対応し、第5の別実施例を示す汚水処理設備の断面図
以下、本発明による汚水処理設備を説明する。
図1(a),(b),(c)には、有機性排水を浄化処理する汚水処理設備10が示されている。
汚水処理設備10は、溶存酸素が存在しない状態に維持され少なくとも被処理水に含まれる硝酸性窒素を還元する脱窒処理が行なわれる無酸素槽2と、底部に設置された散気装置4Aからの散気によって好気状態に維持され無酸素槽2から流入した被処理水に含まれるアンモニア性窒素を硝化する硝化処理が行なわれる好気槽4と、硝化処理が行なわれた被処理水に浸漬配置され被処理水から透過水を得る固液分離処理が行なわれる複数の膜分離装置7とを備えている。
無酸素槽2及び好気槽4はコンクリート躯体で構成され、それぞれの間が隔壁3で仕切られている。隔壁3の下端の一部が開放され、無酸素槽2に流入した原水である被処理水は、活性汚泥とともに好気槽4に流入して好気処理される。
図2に示すように、膜分離装置7は、上下が開口した膜ケース71の内部に100枚の板状の膜エレメント7Bが、各膜面が縦姿勢となるように、かつ6mmから10mm程度(本実施形態では8mm)の一定間隔を隔てて配列されており、さらに膜ケース71の下方に散気機構7Aを備えている。
散気機構7Aは複数の散気孔が形成された散気管13を備え、散気管13に接続された散気ヘッダ14を介して槽外に設置されたブロワBやコンプレッサなどの給気源に接続されている。本実施形態では、給気源としてブロワBが用いられている。
膜エレメント7Bには集水管17を介して槽外に設置された吸引機構としてのポンプP1が接続され、槽内の被処理水が膜エレメント7Bの膜面を透過するように吸引ろ過される。
図3に示すように、膜エレメント7Bは、縦1000mm×横490mmの樹脂製の膜支持体10の表裏両面に、スペーサ11を介して分離膜12が配置され、分離膜12の周縁の辺部13が膜支持体10に超音波や熱で溶着、または接着剤等を用いて接着されている。
分離膜12は、平均孔径が約0.2μmの微多孔性膜で、不織布に多孔性を有する樹脂が塗布及び含浸された有機ろ過膜である。尚、膜エレメント7Bはこのような構成に限るものではなく、分離膜12を膜支持体10の表裏両面に巻き付けるように配置し、分離膜12の端部を接着または溶着処理したものであってもよい。
膜支持体10の表面には長手方向に沿って深さ2mm、幅2mm程度の溝部10bが複数本形成され、その上端部には各溝部10bを連通する水平溝部10cが形成されている。表裏両面に形成された水平溝部10cが連通孔10dを介して連通され、膜支持体10の上縁部に形成されたノズル10aに連通されている。
各ノズル10aは、チューブ16を介して集水管17に接続され、集水管17には吸引機構としてのポンプP1が接続され、ポンプP1で吸引された透過水が処理水槽8に移送されるように構成されている(図2参照)。
このような膜分離装置7の散気機構7Aを作動させることにより膜エレメント7Bの間隙に下方から上方に向けて被処理水及び活性汚泥の混合水の上向流が形成され、分離膜12の膜面に堆積したファウリング物質や夾雑物を除去することができ、吸引機構P1を作動させることにより被処理水を分離膜12に透過させた透過水を得ることができる。
図1(a),(b),(c)に戻り、説明を続ける。
好気槽4には、無酸素槽2から好気槽4へ向けた被処理水の流れ方向に交差する幅方向中央領域に上述した膜分離装置7が前記流れ方向に沿って複数台浸漬配置され、膜分離装置7が浸漬配置された領域により機能的に膜分離槽6が形成されている。尚、膜分離装置7が浸漬配置される区画は前記幅方向中央領域に限るものではなく、好気槽4の一区画であればよい。
好気槽4に流入した被処理水に含まれるアンモニア性窒素は好気槽4に備えた散気装置4Aからの散気の下で好気性微生物によって亜硝酸性窒素や硝酸性窒素に硝化処理された後に、膜分離装置7によって透過水と活性汚泥とに固液分離され、膜分離装置7を透過した被処理水は河川に放流される。
平面視で、直線状に配列された各膜分離装置7を挟むように、各膜分離装置7の上方空間に無酸素槽2に向けて延出する一対のトラフ8が対向配置されている。
散気機構7Aからの散気により生じる被処理水の上向流が、平面視で直線状に配列された各膜分離装置7の上方空間で配列方向と交差する水平流に転じる際に、同じく平面視で各膜分離装置7を挟むように各膜分離装置7の上方空間に配置された一対のトラフ8に流入するようになる。トラフ8に流入する被処理水は主に各膜分離装置7で固液分離処理された後の濃縮水である。
トラフ8は断面がJ字状に形成されたコンクリート構造体で構成され、膜分離装置7への対向面となるトラフ8の立上り部の上端は、被処理水の上向流によって好気槽4の水位より僅かに上昇する水位に構成されている。また、トラフ8の上部には同じくコンクリート構造体で構成された通路9が配置され、通路9の両側に安全柵9Aが配置されている。
膜分離装置7の散気機構7Aから放出される気泡によるエアリフト効果で発生した上向流により膜分離装置7を下方から上方へ流れる被処理水は、トラフ8の立上り部の上端を溢流してトラフ8に流入し、トラフ8を流れて無酸素槽2に返送される。
活性汚泥とともに無酸素槽2に返送された被処理水に含まれる硝酸性窒素及び/または亜硝酸性窒素は、無酸素槽2の脱窒微生物によって還元されて窒素ガスとして除去、つまり脱窒処理される。無酸素槽2で十分な脱窒処理が行なわれるように、トラフ8の終端は無酸素槽2の上流側に位置するように設定されていることが好ましい。
この様に構成すれば、濃縮水を無酸素槽2に返送するための別途のポンプ機構を備える必要が無く、それだけ動力に費やされる運転コストを低減することができる。
また、膜分離装置7から上方に流出した被処理水が膜分離装置7の周囲に下降して循環するような旋回流を形成するための余分な空間を確保する必要が無くなり、膜分離装置7の設置空間をコンパクトに構成し、設備コストを低減することができるようになる。
例えば、好気槽4の一区画に膜分離装置7が浸漬配置されても、好気処理のための散気装置4Aから放出される気泡の動きが乱されることがなく、より一層コンパクトな汚水処理設備を構築できるようになる。
さらに、旋回流の形成が不要となるために散気量をそれほど多量に設定する必要が無く、緩やかな上向流と膜面との十分な接触時間が確保できるようになり、膜面にストレスを与えることなく十分な洗浄効果が得られるようになる。
以下、別実施形態を説明する。
上述した実施形態では、生物処理槽が無酸素槽2と好気槽4と好気槽4内に備えた膜分離槽6で構成される態様を説明したが、図4(a)に示すように、無酸素槽2の上流側に嫌気槽1を備え、嫌気条件下で嫌気性微生物により原水に含まれるBOD成分が取り込まれるように構成してもよい。
この場合、嫌気槽1でリン化合物が加水分解されて正リン酸として液中に放出され、好気槽4で被処理水中の正リン酸がポリリン酸として汚泥に取り込まれ、余剰汚泥とともにリンを除去することができるようになる。尚、図4(a)中、破線で示すように、トラフ8から返送される濃縮水の一部が嫌気槽1に返送されるように構成してもよい。
図4(b)に示すように、好気槽4を挟んで両側にそれぞれ無酸素槽2,2が配置され、共用のトラフ8を介して各無酸素槽2,2に被処理水の一部が返送されるように構成されていてもよい。
好気槽4で硝化処理された被処理水が、好気槽4の一区画に浸漬配置された膜分離装置7により固液分離される。そのとき膜分離装置7に流れる被処理水の上向流がトラフ8に流入し、好気槽4の両側に配置された無酸素槽2,2のそれぞれに返流されて脱窒処理されるコンパクトな汚水処理設備10を構築できるようになる。
図4(c)に示すように、好気槽4とは隔壁5を隔てて区画され硝化処理が行なわれた被処理水が流入する膜分離槽6を構成し、当該膜分離槽6に膜分離装置7を浸漬配置し、上述と同様のトラフ8を介して被処理水を活性汚泥とともに無酸素槽2に返送してもよい。
膜分離槽6に備えた膜分離装置7の上方空間から無酸素槽2に向けて延出するトラフ8が配置されていてもよい。このような構成でも、被処理水の循環流を形成する必要が無くなるのでコンパクトな膜分離槽を得ることができる。
図5に示すように、好気槽4が被処理水の流れに交差する幅方向に沿って複数領域に区画され、各領域の境界に膜分離装置7が配置されていてもよい。
複数領域に区画された好気槽4の各領域の境界に配置された膜分離装置7によって被処理水がろ過され、各膜分離装置7の上方空間に配置されたトラフ8を介して濃縮水が無酸素槽2に返送される結果、各膜分離装置7で生じる上向流がその周囲で下向流に転じて循環するような大きな被処理水の流れが生じることがない。従って、各領域内で好気処理される被処理水の流れが乱されることなく安定的に好気処理されるコンパクトな汚水処理設備を構築できるようになる。
図6に示すように、トラフ8は断面がJ字状に形成されたコンクリート構造体で構成され、トラフ8の立上り部のうち、膜分離装置7への対向面にパンチングメタルのような多孔板8Aが配置されていてもよい。
被処理水の上向流によって好気槽4の水位より僅かに上昇する膜分離槽6の水位に対応した位置に当該多孔板8Aが配置され、多孔板8Aの孔からトラフ8に濃縮水が流入してトラフ8を流れ、無酸素槽2に返送されるように構成してもよい。
以上説明した図1、4(a),(b),(c)、図5、図6に示した各構成を適宜組み合わせた態様の汚水処理設備10を構築してもよい。
上述した実施形態では、平面視で、直線状に配列された各膜分離装置7を挟むように、一対のトラフ8が対向配置された例を説明したが、必ずしも各膜分離装置7を挟むように一対のトラフ8が設けられている必要はなく、膜分離装置7内部の上向流が流入するようにトラフ8が設けられていればよい。例えば、壁面に近接して配列された膜分離装置7であれば、膜分離装置7の上方空間で壁面から離隔する側に単一のトラフを設置してもよい。
上述した実施形態では、複数の膜分離装置7が直線状に配列され、直線状のトラフ8が膜分離装置7の配列方向に沿って配置された例を説明したが、トラフ8が複数の膜分離装置7に沿って配置されていればよく、必ずしも直線状に配列されていなくてもよい。
上述した実施形態では、複数の膜分離装置7を備え、トラフが膜分離装置7の配列方向に沿って配置された例を説明したが、例えば単一のケーシングに多数の膜エレメントが収容された大型の膜分離装置であれば、単一の膜分離装置7であっても、本発明を適用することができる。
この様な汚水処理設備10によって、溶存酸素が存在しない状態に維持された無酸素槽で少なくとも被処理水に含まれる硝酸性窒素を還元する脱窒処理と、好気状態に維持された好気槽で無酸素槽から流入した被処理水に含まれるアンモニア性窒素を硝化する硝化処理と、硝化処理された被処理水に浸漬配置された複数の膜分離装置により被処理水から透過水を得る固液分離処理と、を実行する汚水処理方法であって、各膜分離装置の下方に備えた散気機構からの散気により生じる被処理水の上向流により、各膜分離装置の上方空間に前記無酸素槽に向けて延出するように配置されたトラフに、固液分離処理後の濃縮水を溢流させて無酸素槽に返送する汚水処理方法が実行される。
本発明による汚水処理設備は、下水汚泥や食品工場の排水等の各種の有機性排水の処理に用いることができる。下水汚泥の処理に適用する場合には、原水を直ちに生物処理槽に投入するのではなく、前処理設備や流量調整槽を前段にそなえてもよい。前処理設備には原水に混入している夾雑物を除去するバースクリーン等が設けられ、バースクリーン等で夾雑物が除去された被処理水が流量調整槽に一旦貯留され、流量調整槽から一定流量の被処理水が生物処理槽に安定供給されるように構成してもよい。
上述した実施形態は本発明の一態様であり、該記載により本発明が限定されるものではなく、各部の具体的構成や制御態様は本発明の作用効果が奏される範囲で適宜変更設計可能であることはいうまでもない。
2:無酸素槽
4:好気槽
6:膜分離槽
7:膜分離装置
8:トラフ

Claims (6)

  1. 溶存酸素が存在しない状態に維持され少なくとも被処理水に含まれる硝酸性窒素を還元する脱窒処理が行なわれる無酸素槽と、
    好気状態に維持され前記無酸素槽から流入した被処理水に含まれるアンモニア性窒素を硝化する硝化処理が行なわれる好気槽と、
    前記硝化処理が行なわれた被処理水に浸漬配置され被処理水から透過水を得る固液分離処理が行なわれる複数の膜分離装置と、
    を備えている汚水処理設備であって、
    平面視で前記複数の膜分離装置の配列方向に沿い前記無酸素槽に向けて延出する一対のトラフが、各膜分離装置の上方空間で各膜分離装置を挟むように対向配置され、前記膜分離装置に備えた散気機構からの散気により生じる被処理水の上向流により前記固液分離処理後の濃縮水を前記トラフに溢流させて前記無酸素槽に返送するように構成されている汚水処理設備。
  2. 前記トラフの上部に通路が配置されている請求項1記載の汚水処理設備。
  3. 前記好気槽を挟んで両側に無酸素槽が配置され、前記固液分離処理後の濃縮水が各無酸素槽に返送されるように前記トラフが共用されている請求項1または2記載の汚水処理設備。
  4. 前記好気槽が被処理水の流れに交差する幅方向に沿って複数領域に区画され、各領域の境界に前記膜分離装置が配置されている請求項1から3の何れかに記載の汚水処理設備。
  5. 前記硝化処理が行なわれた被処理水が流入する膜分離槽が設けられ、前記膜分離槽に前記膜分離装置が浸漬配置されている請求項1から3の何れかに記載の汚水処理設備。
  6. 溶存酸素が存在しない状態に維持された無酸素槽で少なくとも被処理水に含まれる硝酸性窒素を還元する脱窒処理と、
    好気状態に維持された好気槽で前記無酸素槽から流入した被処理水に含まれるアンモニア性窒素を硝化する硝化処理と、
    前記硝化処理された被処理水に浸漬配置された複数の膜分離装置により被処理水から透過水を得る固液分離処理と、
    を実行する汚水処理方法であって、
    各膜分離装置の下方に備えた散気機構からの散気により生じる被処理水の上向流により、平面視で前記複数の膜分離装置の配列方向に沿い前記無酸素槽に向けて延出し、各膜分離装置の上方空間で各膜分離装置を挟むように対向配置された一対のトラフに、前記固液分離処理後の濃縮水を溢流させて前記無酸素槽に返送する汚水処理方法。
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