JP2018044224A - 圧延h形鋼及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の要旨は以下のとおりである。
C:0.01〜0.19%、
Si:0.05%〜0.50%、
Mn:0.40〜1.80%、
P:0.0010%〜0.0200%、
S:0.0010%〜0.0200%、
H:0.0002%以下、
を含み、
さらに選択的に、
Cu:0.70%以下、
Ni:0.70%以下、
Cr:0.50%以下、
V:0.12%以下、
Mo:0.30%以下、
Nb:0.08%以下、
Ti:0.05%以下、
Al:0.07%以下、
N:0.020%以下、
B:0.0030%以下、
の1種又は2種以上を含有し、
式(1)で定義するPCMが0.29以下であり、残部がFe及び不可避不純物である化学組成を有する圧延H形鋼であって、フランジにおける最脆化部でのMn濃度の上位5%平均値が、フランジ幅方向の端面からフランジ幅方向に1/6の位置、且つ、ウェブと反対側に位置するフランジの面からフランジ厚方向に1/4の位置におけるMn濃度の1.6倍以下であることを特徴とする、圧延H形鋼。
PCM=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B ・・・(1)
但し、式(1)におけるC、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、Bは元素記号の質量分率(mass%)を示す。
[2][1]に記載された圧延H形鋼の化学組成におけるFeの一部に代えて、質量%で、
REM:0.010%以下、
Ca:0.0050%以下、
の一方又は両方を含有することを特徴とする、圧延H形鋼。
[3]質量%で、
C:0.01〜0.19%、
Si:0.05%〜0.50%、
Mn:0.40〜1.80%、
P:0.0010%〜0.0200%、
S:0.0010%〜0.0200%、
H:0.0002%以下、
を含み、
さらに選択的に、
Cu:0.70%以下、
Ni:0.70%以下、
Cr:0.50%以下、
V:0.12%以下、
Mo:0.30%以下、
Nb:0.08%以下、
Ti:0.05%以下、
Al:0.07%以下、
N:0.020%以下、
B:0.0030%以下、
の1種又は2種以上を含有し、
式(1)で定義するPCMが0.29以下であり、残部がFe及び不可避不純物である化学組成を有する矩形断面の鋼片を1100〜1350℃に加熱し、順に粗圧延工程、中間圧延工程、仕上圧延工程を行う、圧延H形鋼の製造方法であって、前記粗圧延工程を行う圧延機には、被圧延材を造形する3以上の複数の孔型が刻設され、前記複数の孔型の少なくとも一つは、被圧延材の幅方向に対し鉛直に割り込みを入れる突起部が形成された上下一対のロールに刻設される割り込み形成用孔型であり、前記割り込み形成用孔型の後段において、当該割り込み形成用孔型によって形成された分割部位を順次折り曲げる造形用孔型が設けられることを特徴とする、圧延H形鋼の製造方法。
PCM=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B ・・・(1)
但し、式(1)におけるC、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、Bは元素記号の質量分率(mass%)を示す。
[4][3]に記載された圧延H形鋼の製造方法の化学組成におけるFeの一部に代えて、質量%で、
REM:0.010%以下、
Ca:0.0050%以下、
の一方又は両方を含有することを特徴とする、圧延H形鋼の製造方法。
[5]前記割り込み形成用孔型に形成される突起部の先端角度は40°以下であることを特徴とする、[3]又は[4]に記載の圧延H形鋼の製造方法。
[6]前記突起部によって形成された割り込みの長さLと、前記矩形断面の鋼片の厚さTと、仕上圧延工程によって形成された圧延H形鋼のフランジの幅Fとが、以下の式(2)を満たすことを特徴とする、[3]〜[5]のいずれか一項に記載の圧延H形鋼の製造方法。
L≧0.5F−0.5T ・・・(2)
即ち、図1(a)に示すように、エッジング法では孔型ロールによってスラブを幅方向に圧延する際に、中心偏析部がフィレット部に凝集することが分かっている。一方、図1(b)に示すように、スプリット法ではスラブを幅方向にほとんど圧延せず、フランジ部を割り広げるといった方法を採るため、中心偏析部がフランジ部全体で分散され、フィレット部に凝集することなく粗圧延が行われることが分かっている。特に、割り込み用の孔型の突起部先端角度を40°以下の鋭角とすることで、中心偏析部の凝集を抑制させることが可能であることが分かってきている。
Cは、フィレット部でのMA生成を促進し、溶接性および靭性を低下させる。しかし、Cは安価に強度を向上させる事が可能であり、製鋼の工程上Cを完全に除去することはコストの増加につながることから、C量を0.01%以上とする。一方、C量が0.19%を超えるとフィレット部の中心偏析部が凝集した位置においてMAが増加し、溶接性および靱性が低下するため、C量を0.19%以下に制限する。好ましくはC量を0.17%以下、より好ましくは0.15%未満とする。
Siは、脱酸元素であり、強度の向上にも寄与するが、Cと同様、MAを生成させる元素である。Si量が0.50%を超えると、硬質相の生成によって低温割れが発生するため、Si量を0.50%以下に制限する。Si量は、0.30%以下が好ましく、より好ましくは0.20%以下、更に好ましくは0.10%以下とする。しかし、Siを含有させないと脱酸の工程上コストが増加することから、Siを0.05%以上含有させる。
エッジング法により製造されたH形鋼はスラブの中心偏析部がフィレット部に凝集する。Mnは特に中心偏析部に凝集しやすく、局所的にMnの濃度が上昇することで脆化相であるMAの形成、硬質なベイナイトの増加、MnSの増加が促進される。この結果、これらの界面がHのトラップサイトとなり、低温割れが発生しやすくなる。特に、1.80%を超えるMnを含有させると、フィレット部において、介在物の増加等によって溶接割れが生じる。このため、Mn量を1.80%以下に制限する。Mn量は好ましくは1.70%以下、より好ましくは1.50%以下とする。一方、Mnは結晶粒径の微細化に効果的な元素であるため、0.40%以上を含有させる。
Pは、凝固偏析による溶接割れ、靱性低下の原因となるので、極力低減すべきである。P量は0.0200%以下に制限し、更には0.0150%以下に制限してもよく、より好ましくは0.0100%以下に制限してもよい。なお下限については、0.0010%未満まで除去すると製鋼コストが大きく上昇するため、0.0010%以上とする。
Sは、凝固偏析により形成された中心偏析部においてMnSを形成し、溶接割れ、靱性低下だけではなく水素割れ等の原因となるので、極力低減すべきである。S量は0.0200%以下に制限し、更には0.0150%以下に制限してもよく、より好ましくは0.0100%以下に制限してもよい。なお下限については、0.0010%未満まで除去すると製鋼コストが大きく上昇するため、0.0010%以上とする。
HはMA、硬質相、介在物等の界面をトラップサイトとして、室温において低温割れの原因となるので、極力低減すべきである。H量は0.00020%以下に制限し、更には0.00015%以下に制限してもよく、より好ましくは0.00010%以下に制限してもよい。なお下限については、0.00002%未満まで除去すると製鋼コストが大きく上昇するため、0.00002%以上であってもよい。
PCM(%)は低温割れの感受性を示す指標(いわゆる溶接割れ感受性組成)として一般的に用いられており、以下の式(1)で示される値である。
PCM=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B ・・・(1)
ここで、上記式(1)の各符号(元素記号)は、H形鋼の成分組成(化学組成)において含有される各成分の質量分率(質量%、mass%)を示している。また、各元素記号で示す成分のうち、含有されないものについては0%として計算される。
溶接部には一般に冷却に伴い引張応力が発生する。この時PCMが大きいと溶接部の硬さが上昇し、塑性変形による引張応力の緩和がなされない。その結果、引張応力の増大により低温割れが発生しやすくなることから、極力低減することが望ましい。圧延H形鋼におけるPCMは低温割れの発生が実用上殆ど問題にならなくなる0.29以下に制限すべきであり、更には0.27以下に制限することが好ましく、更には0.25以下とすることがより好ましい。なお下限については、いずれの元素も強度の向上に寄与する元素であるので、0.15以上であってもよい。
Cuは、強度の向上に寄与する元素である。しかし、Cu量が0.70%を超えると強度が過剰に上昇し、靭性が低下するため、Cu量を0.70%以下に制限する。Cu量は好ましくは0.50%以下とし、より好ましくは0.30%以下とする。Cu量の下限は0.01%が好ましく、より好ましくは0.10%である。
Niは、強度及び靭性を高めるために、極めて有効な元素である。しかし、Niは高価な元素であり、合金コストの上昇を抑制するため、Ni量を0.70%以下に制限し、好ましくは0.50%以下とする。Ni量は0.01%以上が好ましく、より好ましくは0.10%以上、更に好ましくは0.20%以上とする。
Crも強度の向上に寄与する元素である。しかし、0.50%を超えてCrを添加すると炭化物を生成し、溶接性を損なうことがあるため、Cr量を0.50%以下に制限し、好ましくは0.30%以下とする。Cr量の下限は0.01%とする。
Vは、窒化物(VN)を形成する元素であり、母材の強度を高めるために0.01%以上を含有させてもよい。好ましくはV量を0.02%以上、より好ましくは0.03%以上とする。一方、Vは高価な元素であるため、V量の上限は0.12%に制限し、好ましくは、0.08%に制限する。
Moは、焼入れ性を高め、強度の向上に寄与する元素である。しかし、0.30%を超えてMoを添加すると、フィレット部におけるMAの生成を促進し、低温割れを生じさせるため、Mo量を0.30%以下に制限し、好ましくは0.10%以下とする。Mo量の下限は0.01%が好ましい。
Nbはフェライトを微細化させ、靭性を向上させる元素である。しかし、0.08%を超えて添加するとフェライト変態を過剰に抑制し、MAの生成を促進するため、Nb量を0.08%以下に制限し、好ましくは0.05%以下、さらに好ましくは0.02%以下とする。
Tiは、TiNを形成する元素であり、Ti量が0.05%を超えるとTiNが粗大化し、脆性破壊の起点となるため、Ti量を0.05%以下に制限する。好ましくはTi量を0.02%以下とする。Ti量の下限は0%でもよいが、微細なTiNは組織の微細化に寄与するため、0.005%以上を含有させてもよい。
Alは、脱酸元素であるが、Al量が0.07%を超えると、介在物によって母材及び溶接熱影響部の靭性が低下するため、Al量を0.07%以下に制限する。Al量は、0.05%以下が好ましく、より好ましくは0.04%以下、更に好ましくは0.03%以下とする。Al量の下限は規定せず、0%でもよいが、Alは有用な脱酸元素であり、0.01%以上を含有させても良い。
Nは、母材及び溶接熱影響部の靭性を低下させる元素である。N量が0.020%を超えると、固溶Nや粗大な析出物の形成によって靭性を損なうため、N量を0.020%以下に制限する。N量は好ましくは0.0100%以下、より好ましくは0.0070%以下とする。一方、N量を0.0020%未満に低減しようとすると製鋼コストが高くなるため、N量は0.0020%以上であってもよい。コストの観点からN量は0.0030%以上であってもよい。
Bは焼入れ性を高める元素で、溶接熱影響部の靱性を低下させる元素である。B量が0.0030%を超えると、硬質なマルテンサイトや脆化相の生成により靱性を損なうため、B量を0.0030%以下に制限する。B量は好ましくは0.0020%以下、より好ましくは0.0015%以下とする。一方、B量を0.0002%未満に低減しようとするとスクラップを使用することができずに製鋼コストを悪化させる場合があるため、B量は0.0002%以上であってもよい。コストの観点からB量は0.0005%以上であってもよい。
REM及びCaは、脱酸元素であり、硫化物の形態の制御にも寄与するため、添加してもよい。しかし、REM、Caの酸化物は溶鋼中で容易に浮上するため、鋼中に含有されるREM量を0.010%以下、Ca量を0.0050%以下に制限する。REM量及びCa量の下限は、それぞれ0.0005%としても良い。
なお、本明細書では、当該位置を、フランジ幅Fとフランジ厚tとを用いて「1/6F−1/4t」と表記する。
図4(a)に示すように、試験片の作成位置は、実構造物での溶接および最脆化部を評価する事を目的として、H形鋼のフランジ外側面とした。本実施の形態に係るH形鋼では、スプリット法を採用しているために、その中心偏析部はy型溶接割れ試験片の中心に存在している。また、y型溶接割れ試験の条件として最も厳しい条件下で評価を行い、低温割れの判定を行う予熱および雰囲気温度は0℃とし、溶接入熱は20kJ/cmとした。
一方、1/6F−1/4tの位置よりサンプルを採取し、JIS G0404に従い、当該サンプルの化学成分を分析して求めたMn濃度の値を1/6F−1/4tの位置におけるMn濃度(CMn)とした。更に、(CMn−max)を(CMn)で除した値(CMn−max)/(CMn)を偏析度として評価した。
図2に示すように、従来のエッジング法で製造された圧延H形鋼の場合は、偏析度が1.6を超えており、いずれも低温割れが発生していた。また、偏析度が1.6を超える水準では最脆化部と、1/6F−1/4tの位置との延性脆性遷移温度差ΔvTrsが40℃を超えている。この状態では最脆化部にMnが多く偏析することによってMnS、硬質相である島状マルテンサイト(MA)、上部ベイナイト等が形成され、低温割れが抑制できなくなる。
一方、最脆化部と、1/6F−1/4tの位置との延性脆性遷移温度差ΔvTrsが40℃以下である、即ち、偏析度が1.6以下となった状態では、中心偏析部の凝集が抑制され、従来品よりもフランジにおける断面内の均一性に優れた圧延H形鋼が得られる。
なお、一般的な温度条件で使用される鋼構造建築物が地震力等を受けるとき、部材のH形鋼が脆性破壊することなく所定の機械的特性を満たすためには、低温割れが生じない事が必要であり、(CMn)の位置のvTrsが0℃以下であることが望ましい。
鋼片の加熱温度は、1100〜1350℃とする。加熱温度が低いと変形抵抗が高くなるので、熱間圧延における造形性を確保するために1100℃以上とする。一方、鋼片の加熱温度が1350℃を超えると、素材である鋼片の表面の酸化物が溶融して加熱炉内が損傷することがある。Nbなど、析出物を形成する元素を十分に固溶させるためには、鋼片の加熱温度の下限を1150℃以上とすることが好ましい。特に、製品の板厚が薄い場合は、累積圧下率が大きくなるため、鋼片の加熱温度を1200℃以上にすることが好ましい。組織を微細にするためには、鋼片の加熱温度の上限を1300℃以下にすることが好ましい。
図6は本実施の形態に係る圧延H形鋼の製造において、粗圧延工程に用いるロールに刻設される孔型形状の概略と、圧延造形の概略を示す説明図である。
スプリット法による粗圧延では、矩形断面の鋼片の厚さTと、仕上圧延工程によって形成された圧延H形鋼のフランジの幅Fとが、図6における所定の孔型先端角度(孔型内周の突起部先端角度)の孔型による割り込み長さLと下記式(2)を満足するように割り込み長さLを設定してもよい。
L≧0.5F−0.5T ・・・(2)
図1(b)、図6に示した孔型先端角度(孔型内周の突起部先端角度)については、割り込みを形成させるのに十分鋭角な角度とすれば良く、例えばその上限は40°に設定しても良い。これは、孔型先端角度が40°を超えるとスラブの中心偏析部がフランジで分散されず、図1(a)に示すエッジング圧延同様にフィレット部に凝集するためである。孔型先端角度を40°以下とすることで図1(b)のスプリット法で示すように割り込み形成用孔型での圧延時に中心偏析部がフランジ内で凝集せずに分散し、フィレット部における低温割れの発生を抑制することが可能となる。
孔型先端角度の下限は特に設けないが、25°を下回ると圧延時にロールが折損する可能性があるため、25°以上が好ましい。
なお、この際、スラブの中心偏析部は図1(b)に示すようにI姿勢での左右フランジに分かれるのではなく、左右どちらかのフランジに分散されてもよい。
表層付近に分散される中心偏析部でのMnの上位5%平均濃度を(CMn−surface)とし、この位置における偏析度(CMn−surface)/(CMn)は、1.1以上1.6以下であることが望ましい。スプリット法ではエッジング法に比べて、フランジ表層の偏析度が高くなる傾向にある。偏析度が1.1以上であると、表面のクラックを目視で確認でき検査が容易になるメリットがある。しかし、当該偏析度が1.6を超えると、フランジ表面に多数のクラックが入り易くなるため、偏析度は1.1以上1.6以下であることが望ましい。なお、(CMn−surface)における上位5%平均濃度の求め方は、上記(CMn−max)における上位5%平均濃度の求め方に準ずるものとする。即ち、サンプルの採取位置が異なるだけで、数値の求め方は基本的に同じである。
熱間圧延の中間圧延工程では、中間ユニバーサル圧延機による制御圧延を行ってもよい。制御圧延は、圧延温度及び圧下率を制御する製造方法である。熱間圧延の中間圧延では、パス間水冷圧延加工を1パス以上施すことが好ましい。パス間水冷圧延加工では、圧延パス間で水冷を行うことにより、フランジの表層部と内部とに温度差を付与し、圧延する。パス間水冷圧延加工は、例えば、圧延パス間における水冷により、700℃以下にフランジ表面温度を水冷した後、復熱過程で圧延する製造方法である。
先ず、実施例のNo.1〜13として、表1に示す成分組成を有する鋼を溶製し、連続鋳造により、厚みが250〜300mmの鋼片を製造した。鋼の溶製は転炉で行い、一次脱酸し、脱ガス処理を行い、合金を添加して成分を調整した。そして、得られた鋼片を表2に示す製造条件で熱間圧延を行った。熱間圧延では、粗圧延に続いて、中間ユニバーサル圧延機と、その前後に設けた水冷装置とを用いて、必要に応じてフランジ外側面のスプレー冷却とリバース圧延および圧延後の水冷を行った。
測定・算出結果を以下の表3に示す。
比較例のNo.14〜26として、表4に示す成分組成を有する鋼を溶製し、上記実施例と同様の方法で厚みが250〜300mmの鋼片を製造した。そして、得られた鋼片を表5に示す製造条件で熱間圧延を行った。
なお、以下の表4及び表5において下線を付した箇所は、上記実施の形態で説明した本発明に係る成分組成及び製造条件を満たさない箇所である。
測定・算出結果を以下の表6に示す。なお、以下の表6において下線を付した箇所は、製造すべきH形鋼の各特性の目標値から外れた値である。
Claims (6)
- 質量%で、
C:0.01〜0.19%、
Si:0.05%〜0.50%、
Mn:0.40〜1.80%、
P:0.0010%〜0.0200%、
S:0.0010%〜0.0200%、
H:0.0002%以下、
を含み、
さらに選択的に、
Cu:0.70%以下、
Ni:0.70%以下、
Cr:0.50%以下、
V:0.12%以下、
Mo:0.30%以下、
Nb:0.08%以下、
Ti:0.05%以下、
Al:0.07%以下、
N:0.020%以下、
B:0.0030%以下、
の1種又は2種以上を含有し、
式(1)で定義するPCMが0.29以下であり、残部がFe及び不可避不純物である化学組成を有する圧延H形鋼であって、
フランジにおける最脆化部でのMn濃度の上位5%平均値が、フランジ幅方向の端面からフランジ幅方向に1/6の位置、且つ、ウェブと反対側に位置するフランジの面からフランジ厚方向に1/4の位置におけるMn濃度の1.6倍以下であることを特徴とする、圧延H形鋼。
PCM=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B ・・・(1)
但し、式(1)におけるC、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、Bは元素記号の質量分率(mass%)を示す。 - 請求項1に記載された圧延H形鋼の化学組成におけるFeの一部に代えて、質量%で、
REM:0.010%以下、
Ca:0.0050%以下、
の一方又は両方を含有することを特徴とする、圧延H形鋼。 - 質量%で、
C:0.01〜0.19%、
Si:0.05%〜0.50%、
Mn:0.40〜1.80%、
P:0.0010%〜0.0200%、
S:0.0010%〜0.0200%、
H:0.0002%以下、
を含み、
さらに選択的に、
Cu:0.70%以下、
Ni:0.70%以下、
Cr:0.50%以下、
V:0.12%以下、
Mo:0.30%以下、
Nb:0.08%以下、
Ti:0.05%以下、
Al:0.07%以下、
N:0.020%以下、
B:0.0030%以下、
の1種又は2種以上を含有し、
式(1)で定義するPCMが0.29以下であり、残部がFe及び不可避不純物である化学組成を有する矩形断面の鋼片を1100〜1350℃に加熱し、順に粗圧延工程、中間圧延工程、仕上圧延工程を行う、圧延H形鋼の製造方法であって、
前記粗圧延工程を行う圧延機には、被圧延材を造形する3以上の複数の孔型が刻設され、前記複数の孔型の少なくとも一つは、被圧延材の幅方向に対し鉛直に割り込みを入れる突起部が形成された上下一対のロールに刻設される割り込み形成用孔型であり、前記割り込み形成用孔型の後段において、当該割り込み形成用孔型によって形成された分割部位を順次折り曲げる造形用孔型が設けられることを特徴とする、圧延H形鋼の製造方法。
PCM=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B ・・・(1)
但し、式(1)におけるC、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、Bは元素記号の質量分率(mass%)を示す。 - 請求項3に記載された圧延H形鋼の製造方法の化学組成におけるFeの一部に代えて、質量%で、
REM:0.010%以下、
Ca:0.0050%以下、
の一方又は両方を含有することを特徴とする、圧延H形鋼の製造方法。 - 前記割り込み形成用孔型に形成される突起部の先端角度は40°以下であることを特徴とする、請求項3又は4に記載の圧延H形鋼の製造方法。
- 前記突起部によって形成された割り込みの長さLと、前記矩形断面の鋼片の厚さTと、仕上圧延工程によって形成された圧延H形鋼のフランジの幅Fとが、以下の式(2)を満たすことを特徴とする、請求項3〜5のいずれか一項に記載の圧延H形鋼の製造方法。
L≧0.5F−0.5T ・・・(2)
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