JP7206907B2 - 圧延h形鋼及びその製造方法 - Google Patents
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[1]質量%で、
C:0.10~0.20%、
Si:0.05~0.40%、
Mn:0.70~1.80%、
を含有し、
Nb:0.020%以下、
V:0.050%以下、
Al:0.06%以下、
Cr:0.20%以下、
に制限し、
フィレット部において引張残留応力が30MPa以下、または圧縮の残留応力であり、
ウェブの厚みが11mm以上であり、
ウェブ中央位置(W/2)の組織が表層においてフェライトおよびパーライトであり、
フィレット部中央の組織がフランジ外面から厚み方向1/4位置(t/4)においてベイナイト分率が30%以上であり、
フランジ幅方向中央位置(F/2)において、0℃におけるシャルピー衝撃吸収エネルギーが70J以上であることを特徴とする、圧延H形鋼。
[2]更に、質量%で、
Cu:0.30%以下、
Ni:0.20%以下、
Mo:0.30%以下、
の1種又は2種以上を含有することを特徴とする、上記[1]に記載の圧延H形鋼。
[3]更に、質量%で、
REM:0.010%以下、
Ca:0.0050%以下、
の一方又は双方を含有することを特徴とする、上記[1]又は[2]に記載の圧延H形鋼。
[4]上記[1]~[3]のいずれかに記載の圧延H形鋼を製造する圧延H形鋼の製造方法であって、[1]~[3]のいずれかに記載の成分からなる鋼片を1100~1350℃に加熱し、
フランジ幅方向中央位置(F/2)をAr3-50℃以上から水冷し、
当該水冷において、ウェブ上面と水冷ヘッダーのクリアランスを15mm以下に制御し、ウェブの上面の乗り水を抑制することでウェブとフランジの水冷後の復熱温度差を50℃以内に制御することを特徴とする、圧延H形鋼の製造方法。
Cは、フィレット部でのMA生成を促進し、靭性を低下させる。しかし、Cは安価に強度を向上させる事が可能であり、製鋼の工程上Cを完全に除去することはコストの増加につながることから、C量の下限値を0.10%以上とする。一方、C量が0.20%を超えるとフィレット部の中心偏析が凝集した位置においてMAが増加し、靱性が低下する。したがって、C量の上限を0.20%以下とする。好ましくはC量を0.18%以下、より好ましくは0.14%未満とする。
Siは、脱酸元素であり、強度の向上にも寄与するが、Cと同様、MAを生成させる元素である。Si量が0.40%を超えると、硬質相の生成によってフィレット部の靭性が低下するため、上限を0.50%とする。Si量は、0.30%以下が好ましく、より好ましくは0.20%以下とする。靱性確保の点からは、Si量は少ないほど好ましいが、操業上の理由から0.05%以上とする。
Mnは特に中心偏析に凝集しやすく、局所的にMnの濃度が上昇することで脆化相であるMAの形成、粗大な組織である上部ベイナイトの増加、MnSの増加、焼入れ性の上昇による硬さの増大が促進される。この結果、靭性が著しく低下する。しかし、安価であり結晶粒径の微細化に効果的な元素であるため、0.70%以上を添加する。一方、1.80%を超えるMnを添加すると、特にフィレット部において介在物の増加等によって、母材及び溶接熱影響部の靱性を損なう。したがって、Mn量の上限を1.80%以下とする。Mn量は好ましくは、1.60%以下とする。
Nbはフェライトを微細化させ、靭性を向上させる元素である。しかし、0.02%を超えて添加するとフェライト変態を過剰に抑制し、MAの生成を促進するため、0.02%以下とする。好ましくは0.015%以下とする。
Vは、窒化物(VN)を形成する元素であり、母材の強度を高めるが添加に伴い靭性を低下させるため、上限を0.050%以下とする。好ましくは0.03%以下とする。
Alは、脱酸元素であるが、Al量が0.06%を超えると、介在物によってフィレット部の靭性が低下するため、上限を0.06%とする。Al量は、0.05%以下が好ましく、より好ましくは0.04%以下、更に好ましくは0.03%以下とする。Al量の下限は規定せず、0%でもよいが、Alは有用な脱酸元素であり、0.01%以上であってもよい。
Cuは、強度の向上に寄与する元素である。しかし、Cu量が0.30%を超えると材料の加熱時に赤熱脆化を引き起こし、疵の原因となる。好ましくは0.20mass%以下である
Niは、強度及び靭性を高めるために、極めて有効な元素である。しかし、Niは高価な元素であり、合金コストの上昇を抑制するため、Ni量の上限を0.20%以下とする。
Moは、焼入れ性を高め、強度の向上に寄与する元素である。しかし、0.30%を超えてMoを添加すると、Mo炭化物(Mo2C)の析出やフィレット部におけるMAの生成を促進し、靱性を劣化させることがあるため、0.30%以下に制限することが好ましい。Mo量の上限は、0.3%以下がより好ましい。Mo量の下限は、0.01%以上が好ましい。
Crも強度の向上に寄与する元素である。しかし、0.20%を超えてCrを添加すると炭化物を生成し、靭性を損なうことがあるため、Cr量の上限を0.20%以下に制限することが好ましい。Cr量の好ましい上限は0.10%以下である。Crはスクラップに含まれる元素であるため、Cr量の下限は0.01%以上が好ましい。
REM及びCaは、脱酸元素であり、硫化物の形態の制御にも寄与するため、添加してもよい。しかし、REM、Caの酸化物は溶鋼中で容易に浮上するため、鋼中に含有されるREMの上限は0.010%以下、Caの上限は0.0050%以下である。好ましくは、REM及びCaの含有量の下限は、それぞれ0.0005%以上としても良い。
鋼片の加熱温度は、1100~1350℃とする。加熱温度が低いと変形抵抗が高くなるので、熱間圧延における造形性を確保するために1100℃以上とする。一方、鋼片の加熱温度が1350℃を超えると、素材である鋼片の表面の酸化物が溶融して加熱炉内が損傷することがある。Nbなど、析出物を形成する元素を十分に固溶させるためには、鋼片の加熱温度の下限を1150℃以上とすることが好ましい。特に、製品の板厚が薄い場合は、累積圧下率が大きくなるため、鋼片の加熱温度を1200℃以上にすることが好ましい。組織を微細にするためには、鋼片の加熱温度の上限を1300℃以下にすることが好ましい。
Claims (4)
- 質量%で、
C:0.10~0.20%、
Si:0.05~0.40%、
Mn:0.70~1.80%、
を含有し、
Nb:0.020%以下、
V:0.050%以下、
Al:0.06%以下、
Cr:0.20%以下、
に制限し、
フィレット部において引張残留応力が30MPa以下、または圧縮の残留応力であり、
ウェブの厚みが11mm以上であり、
ウェブ中央位置(W/2)の組織が表層においてフェライトおよびパーライトであり、
フィレット部中央の組織がフランジ外面から厚み方向1/4位置(t/4)においてベイナイト分率が30%以上であり、
フランジ幅方向中央位置(F/2)において、0℃におけるシャルピー衝撃吸収エネルギーが70J以上であることを特徴とする、圧延H形鋼。 - 更に、質量%で、
Cu:0.30%以下、
Ni:0.20%以下、
Mo:0.30%以下、
の1種又は2種以上を含有することを特徴とする、請求項1に記載の圧延H形鋼。 - 更に、質量%で、
REM:0.010%以下、
Ca:0.0050%以下、
の一方又は双方を含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の圧延H形鋼。 - 請求項1~3のいずれか一項に記載の圧延H形鋼を製造する圧延H形鋼の製造方法であって、
請求項1~3のいずれかに記載の成分からなる鋼片を1100~1350℃に加熱し、
フランジ幅方向中央位置(F/2)をAr3-50℃以上から水冷し、
当該水冷において、ウェブ上面と水冷ヘッダーのクリアランスを15mm以下に制御し、ウェブの上面の乗り水を抑制することでウェブとフランジの水冷後の復熱温度差を50℃以内に制御することを特徴とする、圧延H形鋼の製造方法。
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