JP2018044195A - 表面処理金属板、及び表面処理金属板の製造方法 - Google Patents

表面処理金属板、及び表面処理金属板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】無機リッチの皮膜の有する、優れた耐食性、耐アブレーション性、及び導電性を維持したまま、耐黒変性に優れ、かつ、しみ汚れの発生を充分に抑制した表面処理金属板を提供することを目的とする。
【解決手段】亜鉛系めっき鋼板の表面上に積層された表面処理皮膜を備え、表面処理皮膜は、平均粒子径4〜6nmのコロイダルシリカ60〜80質量部と、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂(PU)及びエチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂(EC)の混合樹脂20〜40質量部との合計100質量部に対して、シランカップリング剤10〜20質量部を含有する表面処理組成物で構成され、PUとECとの含有比が、質量比で1:1〜9:1であり、表面処理皮膜の付着量が0.4〜0.8g/mであり、70〜80℃の脱イオン水に10分間浸漬した時に表面処理皮膜から溶出されるNaの量が4mg/m以下である表面処理金属板である。
【選択図】なし

Description

本発明は、表面処理金属板、及び表面処理金属板の製造方法に関する。
家電用、建築材料用、及び自動車用等に適用される鋼板としては、耐食性等の観点から亜鉛系めっき鋼板が汎用されている。また、さらなる耐食性の向上等を目的として、亜鉛系めっき鋼板の上に、表面処理皮膜を形成させた表面処理金属板が着目されている。この表面処理金属板は、亜鉛系めっき鋼板に備えられる亜鉛めっき層の上に、前記表面処理皮膜を備えたものである。
このような表面処理金属板には、例えば、電気機器等に使用する場合等において、電気機器の高性能化等に伴って、帯電防止性及び電磁波シールド性を高めるために、導電性に優れることも求められる。
また、表面処理金属板は、トラック輸送時等に、段ボール等との摺動で、アブレージョンと呼ばれる擦り疵が発生することが知られている。このことから、表面処理金属板には、アブレージョンと呼ばれる擦り疵の発生が起こりにくいことも求められている。
さらに、表面処理金属板は、深絞り加工等のプレス成形時に、表面処理金属板と金型との間で激しい摺動摩擦が生じる。表面処理金属板は、この摺動で、表面処理皮膜が損傷したり、表面処理皮膜に亜鉛めっき層の亜鉛が混入して、黒く変色する黒化現象が発生することが知られている。このことから、表面処理金属板には、このような問題が発生しないような、優れたプレス成形性も求められている。
上述したような問題の解決を目的とした表面処理金属板として、本発明者は、例えば、特許文献1に記載の表面処理金属板等を提案している。特許文献1には、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂水性液とエチレン−不飽和カルボン酸共重合体水分散液とシリカ粒子とシランカップリング剤とを特定比率で含む樹脂水性液から得られる樹脂皮膜を備える表面処理金属板が記載されている。特許文献1に記載の表面処理金属板は、耐食性、耐アブレージョン性、及び導電性に優れ、さらに、塗装性及び耐アルカリ脱脂性等にも優れる。
一方で、前記表面処理金属板の基材である亜鉛系めっき鋼板は、従来から、その表面に黒変現象が発生することがよく知られている。この黒変現象は、表面の少なくとも一部が黒色又は茶褐色等の黒っぽく変色する現象である。また、この黒変現象は、具体的には、白錆が発生する前の、腐食環境における初期段階に見られる腐食現象であり、比較的穏やかな腐食環境下で発生すると言われている。また、黒変現象により、亜鉛系めっき鋼板の表面が黒っぽく見えるのは、表面に存在する亜鉛(Zn)の酸化反応(腐食反応)の際に、Zn1−xという化学量論組成から外れた不定形酸化物が生成するためであると考えられている。
黒変現象は、Znの酸化反応が中途半端な状態のときに発生する現象とも言われており、黒変を防ぐためには、むしろ酸化反応をある程度促進させればよいと考えられる。そこで、酸化反応を適度に促進させる元素として、Ni、Co、及びIn等の元素を亜鉛めっき層に添加することが考えられる。このような方法としては、例えば、特許文献2及び特許文献3に記載の技術が挙げられる。
特許文献2には、Niイオンを、100〜300ppmの範囲内の量で含有し、不純物として含まれるPbイオンの含有量が0.5ppm以下で且つめっき浴中のNiイオンとPbイオンとの比(Niイオン/Pbイオン)が500超とした電気亜鉛めっき浴中で鋼板を電気亜鉛めっきし、次いで、所定のクロメート処理を施すことが記載されている。
また、特許文献3には、亜鉛めっき浴中のNiイオンを、不純物として含まれるPbイオンの量の5〜500倍の範囲内、Znイオンの量の1/25以下で且つ10g/l以下の量で含有する電気亜鉛めっき浴中で鋼板を電気亜鉛めっきし、次いで、所定のクロメート処理を施すことが記載されている。
特開2006−43913号公報 特開平2−8374号公報 特開昭60−77988号公報
特許文献1に記載の表面処理金属板は、表面処理皮膜として備えられる樹脂皮膜には、樹脂成分5〜45質量部に対して、シリカ粒子を55〜95質量部と、無機成分であるシリカ粒子が多く含まれている。この表面処理金属板は、無機成分が比較的多い、いわゆる無機リッチの皮膜を備える表面処理金属板である。また、特許文献1に記載の表面処理金属板は、シリカ粒子の比重が約2.2と大きいため、比較的薄い膜厚であっても、充分な皮膜付着量の樹脂皮膜が形成される。このため、特許文献1に記載の表面処理金属板は、導電性に優れる。さらに、特許文献1に記載の表面処理金属板は、樹脂皮膜中にシリカを多く含むため硬くなり、耐アブレーション性や耐黒化性にも優れる。
一方で、近年では、製品の外観が優れていることがより求められるようになっている。この要求を満たすために、黒変現象やしみ汚れの発生をより抑制し、外観に優れた表面処理金属板が求められるようになってきている。そこで、上述したような、無機リッチの皮膜を備える表面処理金属板も、黒変現象やしみ汚れの発生をより抑制することが求められるようになってきている。
特許文献2及び特許文献3によれば、亜鉛系めっき鋼板の黒変現象の発生を抑制できる旨が開示されている。しかしながら、特許文献2及び特許文献3に記載されているような、Ni、Co、及びIn等の元素を亜鉛めっき層に添加した亜鉛系めっき鋼板は、亜鉛めっき層に添加したNi、Co、及びIn等の元素と、亜鉛めっき層中に不純物として存在するPb、Cu、Ag等の耐食性を劣化させる元素とのバランスを考慮する必要がある。また、このような亜鉛系めっき鋼板は、そのバランスを調整したとしても、腐食環境での金属元素の価数変化及び金属の溶出等による、変色むらの発生又は白色度の低下等が発生して、外観不良が発生する場合があった。また、亜鉛系めっき鋼板は、Ni、Co、及びIn等の元素を亜鉛めっき層に添加して、酸化反応を促進させすぎると、耐食性が著しく低下して白錆が発生したり、しみ状(黒褐色や灰褐色)のむら(以下、しみ汚れと称する)が発生しやすくなる場合があった。
このことから、亜鉛めっき層に、Ni、Co、及びIn等の元素を添加させる方法以外の方法で、黒変現象やしみ汚れの発生を抑制することが求められている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、無機リッチの皮膜の有する、優れた耐食性、耐アブレーション性、及び導電性を維持したまま、耐黒変性に優れ、かつ、しみ汚れの発生を充分に抑制した表面処理金属板を提供することを目的とする。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。
本発明の一態様に係る表面処理金属板は、亜鉛系めっき鋼板と、前記亜鉛系めっき鋼板の少なくとも一方の表面上に積層された表面処理皮膜とを備え、前記表面処理皮膜は、平均粒子径が4〜6nmのコロイダルシリカ60〜80質量部と、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂及びエチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂の混合樹脂20〜40質量部とを含有し、前記コロイダルシリカ及び前記混合樹脂の合計100質量部に対して、シランカップリング剤を10〜20質量部をさらに含有する表面処理組成物で構成され、前記カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂と前記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂との含有比が、質量比で1:1〜9:1であり、前記表面処理皮膜の付着量が、0.4〜0.8g/mであり、70〜80℃の脱イオン水に10分間浸漬した時に前記表面処理皮膜から溶出されるナトリウムイオンの量が、4mg/m以下であることを特徴とする。
このような構成によれば、無機リッチの皮膜の有する、優れた耐食性、耐アブレーション性、及び導電性を維持したまま、耐黒変性に優れ、かつ、しみ汚れの発生を充分に抑制した表面処理金属板、すなわち、耐黒変性及び耐しみ汚れ性に優れた表面処理金属板を提供することができる。
また、前記表面処理金属板において、前記コロイダルシリカが、アンモニアを分散剤として含むコロイダルシリカであることが好ましい。
このような構成によれば、耐黒変性及び耐しみ汚れ性により優れた表面処理金属板が得られる。
また、本発明の他の一態様に係る表面処理金属板の製造方法は、前記表面処理金属板を製造する表面処理金属板の製造方法であって、前記表面処理組成物を調製する工程と、前記表面処理組成物を前記亜鉛系めっき鋼板の少なくとも一方の表面上に塗布する工程と、前記表面処理組成物を乾燥させることによって、前記亜鉛系めっき鋼板の少なくとも一方の表面上に、前記表面処理皮膜を形成する工程とを備える。
このような構成によれば、無機リッチの皮膜の有する、優れた耐食性、耐アブレーション性、及び導電性を維持したまま、耐黒変性に優れ、かつ、しみ汚れの発生を充分に抑制した表面処理金属板、すなわち、耐黒変性及び耐しみ汚れ性に優れた表面処理金属板を製造することができる。
本発明によれば、無機リッチの皮膜の有する、優れた耐食性、耐アブレーション性、及び導電性を維持したまま、耐黒変性に優れ、かつ、しみ汚れの発生を充分に抑制した表面処理金属板、及び表面処理金属板の製造方法を提供することができる。
図1は、導電性を評価するための表面抵抗測定装置を示す概略図である。 図2は、プレス成形性を評価する際のプレス成形での加工形状を示す概略図である。 図3は、プレス成形性を評価する際のプレス成形での金型形状を示す概略図である。 図4は、耐鋼板アブレージョン性を評価するための評価装置(耐鋼板アブレージョン装置)を示す概略図である。
表面処理皮膜を亜鉛系めっき鋼板に設けた場合、酸素透過性や水蒸気透過性等のバリア性が中途半端に向上することがある。このような場合、亜鉛系めっき鋼板の表面への酸素の供給が不充分な状態で酸化反応が起こり、上述したように、亜鉛系めっき鋼板上に不定形酸化物が生成することによって、黒変現象が発生することになる。
そこで、本発明者は、表面処理皮膜のバリア性を高めるために、表面処理皮膜に含有させるコロイダルシリカの粒子径を小さくすることが有効であることを見出した。
また、亜鉛系めっき鋼板上に表面処理皮膜を設けた表面処理金属板は、黒変現象だけではなく、しみ汚れの発生を充分に抑制できない場合があった。本発明に至る検討の中で、表面処理皮膜にコロイダルシリカを含む場合、しみ汚れの発生を充分に抑制できないことがあることに着目した。このような表面処理皮膜を備える表面処理金属板を、例えば、温度65℃、湿度95%の環境に設定した恒温恒湿試験機内に168時間放置して、しみ汚れを発生させた。このしみ汚れを発生させた表面処理金属板のしみ汚れが発生した部分の表面処理皮膜にケガキをいれて、電子線マイクロアナライザ(EPMA、日本電子株式会社製のJXA−8100)を用いて、面分析(マッピング/視野8×8mm)を実施した。この分析の結果、しみ汚れが発生した部分には、Na元素が濃化していることがわかった。このことから、本発明者は、しみ汚れの原因が、Na元素の存在によると推察した。このNa元素の濃化の原因について、さらに検討したところ、本発明者は、表面処理皮膜に含まれるコロイダルシリカに着目し、しみ汚れが発生するメカニズムとしては、以下のようなものであると推察した。
まず、高温多湿の環境下等では、表面処理皮膜が設けられた亜鉛めっき層の表面上での極初期の腐食により局部電池が形成される。一般的なコロイダルシリカ(分散剤としてナトリウムを含むコロイダルシリカ)が表面処理皮膜に含有されている場合、表面処理皮膜中にコロイダルシリカに由来するNa元素が含まれることになる。そして、この表面処理皮膜に含まれるコロイダルシリカに由来するNa元素が電池のカソード部で濃化し、初期の腐食を緩やかに促進させて、亜鉛めっき層上に不定形酸化物(不定形酸化亜鉛)が生成する。すなわち、コロイダルシリカを含む表面処理皮膜を亜鉛系めっき鋼板上に設けた表面処理金属板では、コロイダルシリカに含まれるNaイオンが亜鉛系めっき鋼板の亜鉛めっき層表面に移行し、部分的に、不定形酸化物が形成される。そして、この不定形酸化物が起点となって、腐食が進行すると、不定形酸化物が亜鉛系めっき鋼板と表面処理皮膜との界面でむら状に拡散する。このむら状に拡散した不定形酸化物がしみ汚れ状に見えるようになる。このようなメカニズムに基づいて、上記のようなコロイダルシリカを含む表面処理皮膜を備える表面処理金属板では、しみ汚れが発生すると推察した。なお、表面処理皮膜に含まれるコロイダルシリカは、従来、分散剤としてナトリウムを含むもの、すなわち、Naイオンで安定化されているコロイダルシリカであった。
そこで、本発明者は、表面処理皮膜から溶出されるNaイオンの量を少なくすると、部分的に形成される不定形酸化物が少なくなり、その結果、しみ汚れを効果的に抑制できると考えた。
本発明者は、上述した検討に基づき、下記のような本発明に想到するに至った。
本発明の一態様に係る表面処理金属板は、亜鉛系めっき鋼板と、前記亜鉛系めっき鋼板の少なくとも一方の表面上に積層された表面処理皮膜とを備える。この表面処理皮膜は、平均粒子径が4〜6nmのコロイダルシリカ60〜80質量部と、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂及びエチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂の混合樹脂20〜40質量部とを含有し、前記コロイダルシリカ及び前記混合樹脂の合計100質量部に対して、シランカップリング剤を10〜20質量部をさらに含有する表面処理組成物で構成される。この表面処理組成物に含まれる、前記カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂(PU)と前記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂(EC)との含有比(PU:EC)が、質量比で1:1〜9:1である。また、前記表面処理皮膜の付着量が、0.4〜0.8g/mである。また、70〜80℃の脱イオン水に10分間浸漬した時に前記表面処理皮膜から溶出されるナトリウムイオンの量が、4mg/m以下である。
このような表面処理金属板は、耐黒変性に優れ、かつ、しみ汚れの発生を充分に抑制することができる。また、亜鉛めっき層との密着性にも優れる。このことは、以下のことによると考えられる。
まず、このような表面処理皮膜は、含有させるコロイダルシリカの平均粒子径が4〜6nmと小さいので、コロイダルシリカの分散性及び活性度が高まり、表面処理皮膜のバリア性が高まり、耐食性を高めることができると考えられる。また、前記表面処理皮膜の付着量が、0.4〜0.8g/mとなるように、表面処理皮膜を形成することで、耐食性を高める等の、コロイダルシリカを含有した効果を好適に発揮できると考えられる。また、前記コロイダルシリカ60〜80質量部と、前記コロイダルシリカを比較的多量に含有する表面処理皮膜であれば、表面処理皮膜の密度が高くなるので、前記表面処理皮膜の付着量が、0.4〜0.8g/mであっても、比較的薄くなる。よって、優れた導電性を維持することができると考えられる。また、前記カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂(PU)と前記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂(EC)との含有比(PU:EC)が、質量比で1:1〜9:1である。このような混合樹脂を、20〜40質量部を含有すると、耐食性、耐黒変性、プレス成形性等の加工性、及び耐アブレージョン性に優れると考えられる。このような表面処理金属板において、70〜80℃の脱イオン水に10分間浸漬した時に表面処理皮膜から溶出されるナトリウムイオンの量が、4mg/m以下となる表面処理皮膜にする。このように表面処理皮膜から溶出されるナトリウムイオンの量が少ないと、上述したように、しみ汚れの発生を抑制できると考えられる。このことから、本実施形態に係る表面処理金属板は、耐食性、耐アブレージョン性、及び導電性等に優れるだけではなく、耐黒変性に優れ、かつ、しみ汚れの発生を充分に抑制することができる。
前記亜鉛系めっき鋼板としては、特に限定されず、亜鉛単独めっき鋼板であってもよいし、亜鉛−Ni、亜鉛−Fe、及び亜鉛−Al等の、亜鉛系合金めっき鋼板であってもよい。めっき法としても、特に限定されず、溶融めっき法、電気めっき法、及び蒸着めっき法等のいずれで得られた亜鉛めっき鋼板であってもよい。前記亜鉛系めっき鋼板としては、具体的には、溶融亜鉛めっき鋼板(GI)、合金化溶融Zn−Feめっき鋼板(GA)、合金化溶融Zn−5%Alめっき鋼板(GF)、電気亜鉛めっき鋼板(EG)、電気Zn−Ni合金めっき鋼板等が挙げられる。これらの中でも、電気亜鉛めっき鋼板(EG)であることが好ましい。
前記表面処理皮膜は、上述したように、平均粒子径が4〜6nmのコロイダルシリカ60〜80質量部と、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂及びエチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂の混合樹脂20〜40質量部とを含有し、前記コロイダルシリカ及び前記混合樹脂の合計100質量部に対して、シランカップリング剤を10〜20質量部をさらに含有する表面処理組成物で構成される。
前記コロイダルシリカは、平均粒子径が、4〜6nmである。さらに、前記コロイダルシリカは、上述した考察に基づき、前記表面処理皮膜から溶出されるナトリウムイオンの量が少ないことが求められる。前記コロイダルシリカは、具体的には、70〜80℃の脱イオン水に10分間浸漬した時に前記表面処理皮膜から溶出されるナトリウムイオンの量(溶出量)が、4mg/m以下となるようなコロイダルシリカである。前記コロイダルシリカとしては、このようなコロイダルシリカであれば、特に限定されない。
前記コロイダルシリカとしては、具体的には、分散剤としてアンモニアを含むコロイダルシリカを含むことが好ましい。このような分散剤としてアンモニアを含むコロイダルシリカ、すなわち、NH イオンで安定化されているコロイダルシリカ(アンモニア安定化タイプ)は、市販されている。このような分散剤としてアンモニアを含むコロイダルシリカを使用することで、上述したような、一般的なコロイダルシリカである分散剤としてナトリウムを含むコロイダルシリカ(ナトリウム安定化タイプ)だけを用いた場合より、前記表面処理皮膜中のナトリウムの量を減らすことができる。よって、前記溶出量を減らした表面処理皮膜が得られる。
前記コロイダルシリカは、まず、上述したように、平均粒子径が、4〜6nmである。コロイダルシリカが大きすぎると、耐食性が低下し、さらに、耐アブレージョン性、及びプレス成形性等の加工性が低下する傾向がある。このことは、表面処理皮膜中のコロイダルシリカの分散性及び活性度が低下するため、表面処理皮膜のバリア性が低下し、腐食環境でのコロイダルシリカの溶出量が低下するためと考えられる。なお、コロイダルシリカは小さくなるほど、耐食性が向上するが、小さすぎると、コロイダルシリカの表面の活性度が高くなりすぎ、コロイダルシリカを分散させた液の安定性が低下する傾向がある。このため、前記コロイダルシリカの平均粒子径の下限が4nmである。よって、上記のような粒子径のコロイダルシリカを用いることで、優れた、耐黒変性、耐しみ汚れ性、及び導電性を維持しつつ、耐食性、耐アブレージョン性、及びプレス成形性等の加工性に優れた表面処理金属板が得られる。平均粒子径が4〜6nmであるコロイダルシリカとしては、具体的には、日産化学工業株式会社製のスノーテックNXS(ST−NXS、アンモニア安定化タイプ)、及びスノーテックXS(ST−XS、ナトリウム安定化タイプ)等が挙げられる。ナトリウム安定化タイプのST−XSを用いる場合は、アンモニア安定化タイプのST−NXSと併用することが好ましい。なお、ここでのコロイダルシリカの平均粒子径としては、例えば、平均粒子径が1〜10nm程度の場合には、シアーズ法を、平均粒子径が10〜100nm程度の場合には、BET法により測定された値等が挙げられる。また、製造者のパンフレットに公証値が記載されている場合は、この公証値をここでのコロイダルシリカの平均粒子径とする。
また、70〜80℃の脱イオン水に10分間浸漬した時に前記表面処理皮膜から溶出されるナトリウムイオンの量(溶出量)は、上述したように、少ないほうが好ましいが、本発明者の検討により、4mg/m以下であれば、しみ汚れを好適に抑制できることがわかった。この溶出量は、3.8mg/m以下であることがより好ましく、3.5mg/m以下であることがさらに好ましい。このような範囲内であれば、耐黒変性、及び耐しみ汚れ性を好適に抑制できる。また、前記溶出量は、少ないほど好ましいが、コロイダルシリカの特質上、1mg/m程度であることが限界であり、前記溶出量の下限値は、1mg/m以上であることが好ましい。なお、ここでの溶出量は、例えば、以下のように測定した値等が挙げられる。表面処理金属板を、70〜80℃の脱イオン水に10分間浸漬する。この表面処理金属板が浸漬された液体に含まれるナトリウムイオンの量を、イオンクロマトグラフィを用いて測定する。この測定されたナトリウムイオンの量と、表面処理金属板との面積とから、溶出量を算出する。なお、イオンクロマトグラフィとしては、例えば、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製のICS−5000+等を用いることができる。
前記混合樹脂は、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂とエチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂との混合樹脂である。コロイダルシリカと混合させて水系組成物とするために、本実施形態では、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂とエチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂とは、それぞれ、エマルションであることが好ましい。
前記カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂は、分子内にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂であれば、特に限定されない。前記カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂としては、ウレタンプレポリマーを鎖延長剤で鎖延長反応して得られるもの等が挙げられる。前記ウレタンプレポリマーとしては、例えば、後述するポリイソシアネート成分とポリオール成分とを反応させて得られるもの等が挙げられる。
前記ウレタンプレポリマーを構成するポリイソシアネート成分としては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカンメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、及びフェニレンジイソシアネート等が挙げられる。前記ポリイソシアネート成分としては、この中でも、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、及びジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)が好ましい。また、前記ポリイソシアネート成分としては、上記例示した化合物を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ウレタンプレポリマーを構成するポリオール成分としては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエーテルポリオール、及び、カルボキシル基を有するポリオールの3種類の全てのポリオールを含むポリオール成分等が挙げられる。
前記ポリエーテルポリオールは、分子鎖にヒドロキシル基を少なくとも2以上有し、主骨格がアルキレンオキサイド単位によって構成されているものであれば、特に限定されない。前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリオキシエチレングリコール(ポリエチレングリコール)、ポリオキシプロピレングリコール(ポリプロピレングリコール)、ポリオキシテトラメチレングリコール(ポリテトラメチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール)等が挙げられる。前記ポリエーテルポリオールとしては、この中でも、ポリオキシプロピレングリコールやポリテトラメチレンエーテルグリコールが好ましい。また、前記ポリエーテルポリオールとしては、上記例示した化合物を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記カルボキシル基を有するポリオールは、少なくとも1以上のカルボキシル基と少なくとも2以上のヒドロキシル基とを有するものであれば、特に限定されない。前記カルボキシル基を有するポリオールとしては、例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジヒドロキシプロピオン酸、及びジヒドロキシコハク酸等が挙げられる。前記カルボキシル基を有するポリオールとしては、この中でも、ジメチロールプロピオン酸が好ましい。また、前記カルボキシル基を有するポリオールとしては、上記例示した化合物を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記ポリオール成分としては、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエーテルポリオール、及び、カルボキシル基を有するポリオールの3種類のポリオール以外のポリオールを含んでいてもよい。
また、上述したウレタンプレポリマーを鎖延長反応する鎖延長剤としては、鎖延長剤として用いられるものであれば、特に限定されない。前記鎖延長剤としては、例えば、低分子量のポリオール、ポリアミン、及びアルカノールアミン等が挙げられる。前記低分子量のポリオールとしては、上述したポリオール成分と同じもの等が挙げられる。また、前記ポリアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ポリアミン;トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ポリアミン;ジアミノシクロヘキシルメタン、ピペラジン、イソホロンジアミン等の脂環式ポリアミン;ヒドラジン、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド等のヒドラジン類等が挙げられる。また、前記アルカノールアミンとしては、例えば、ジエタノールアミン及びモノエタノールアミン等が挙げられる。前記鎖延長剤としては、この中でも、エチレンジアミンが好ましい。また、前記鎖延長剤としては、上記例示した化合物を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂の水性液の作製方法は、公知の方法を採用することができる。この作製方法としては、例えば、カルボキシル基含有ウレタンプレポリマーのカルボキシル基を塩基で中和して、水性媒体中に乳化分散して鎖延長反応させる方法、及びカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂を乳化剤の存在下で、高せん断力で乳化分散して鎖延長反応させる方法等が挙げられる。
前記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂は、エチレンと、エチレン性不飽和カルボン酸の共重合体である。そして、ここでのエチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂は、エチレン由来の構成単位が、前記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂中、50質量%以上であることが好ましい。すなわち、前記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂は、エチレン性不飽和カルボン酸由来の構成単位が、前記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂中、50質量%以下であることが好ましい。
前記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂は、エチレンとエチレン性不飽和カルボン酸とが共重合されていればよく、エチレンとエチレン性不飽和カルボン酸とを既知の方法で共重合させることにより製造することができる。また、前記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂は、市販されている。
前記エチレン性不飽和カルボン酸は、特に限定されない。前記エチレン性不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、及びイソクロトン酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、及びイタコン酸等のジカルボン酸等が挙げられる。前記エチレン性不飽和カルボン酸としては、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記エチレン性不飽和カルボン酸としては、上記例示した化合物の中でも、アクリル酸、メタクリル酸が好ましく、アクリル酸がより好ましい。
また、前記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂は、エチレンの一部に変えてプロピレンまたは1−ブテン等のオレフィン系モノマーを用いてもよく、さらに、本発明の目的を阻害しない範囲であれば、他の公知のビニル系モノマーを一部共重合(10質量%程度以下)してもよい。
上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂は、分子内にカルボキシル基を有しているので、有機塩基や金属イオンで中和させることにより、エマルション化(水分散体化)することができる。
前記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体水性分散液の調製方法としては、特に限定されず、例えば、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体を水性媒体とともに、ホモジナイザー装置等に投入し、必要により70〜250℃の加熱下とし、沸点100℃以下のアミンと1価の金属の化合物を適宜水溶液等の形態で添加して(沸点100℃以下のアミンを先に添加するか、沸点100℃以下のアミンと1価の金属の化合物とを略同時に添加する)、高剪断力で撹拌する方法等が挙げられる。
前記混合樹脂において、前記カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂(PU)と前記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂(EC)との含有比(PU:EC)は、質量比で1:1〜9:1であり、2:1〜9:1であることが好ましく、3.3:1〜6.5:1であることがより好ましい。ECの割合が低すぎると、耐食性及び耐黒変性が低下する傾向がある。また、PUの割合が低すぎると、プレス成形性等の加工性が低下する傾向がある。よって、前記含有比が上記範囲内であれば、耐食性、耐黒変性、及び加工性に優れる表面処理金属板が得られる。なお、ここでの含有比は、固形分比である。
また、前記コロイダルシリカと前記混合樹脂との合計100質量部における前記コロイダルシリカの含有量の下限は、60質量部以上であり、65質量部以上であることが好ましい。また、前記コロイダルシリカの含有量の上限は、80質量部以下であり、75質量部以下であることが好ましい。また、前記コロイダルシリカと前記混合樹脂との合計100質量部における前記混合樹脂の含有量の下限は、20質量部以上であり、25質量部以上であることが好ましい。前記混合樹脂の含有量の上限は、40質量部以下であり、35質量部以下であることが好ましい。コロイダルシリカが少なすぎても、多すぎても、耐食性が低下する傾向がある。このことから、前記コロイダルシリカの含有量が70質量部で、前記混合樹脂の含有量が30質量部付近に耐食性が良好になるピークがあると考えられる。また、前記コロイダルシリカが少なくなりすぎると、表面処理皮膜の密度が低くなり、表面処理皮膜の付着量が同じであっても、表面処理皮膜の膜厚が厚くなる。このような場合、導電性も低下するおそれがある。また、前記コロイダルシリカが多くなりすぎると、耐しみ汚れ性が低下する傾向がある。このことは、前記混合樹脂が少なくなりすぎることにより、皮膜形成に必要な樹脂成分が不足して、表面処理皮膜にクラック等が発生しやすくなることによると考えられる。なお、ここでの含有量は、固形分比である。
前記シランカップリング剤は、金属板表面と表面処理皮膜との密着性を向上させる成分である。前記シランカップリング剤は、特に限定されない。前記シランカップリング剤としては、例えば、末端にグリシドキシ基を有するシランカップリング剤等が挙げられ、例えば、下記式(1)で表されるシランカップリング剤等が挙げられる。
Figure 2018044195
前記式(1)中、R1は、グリシドキシ基、R2及びR3は、低級アルコキシ基、R4は、低級アルコキシ基又は低級アルキル基、Xは、低級アルキレン基をさす。ここで、低級とは、炭素数が1〜5、より好ましくは炭素数が1〜3であることを意味する。
前記シランカップリング剤の含有量の下限は、前記コロイダルシリカ及び前記混合樹脂の合計100質量部に対して、10質量部以上であり、12.5質量部以上であることが好ましい。また、前記シランカップリング剤の含有量の上限は、前記コロイダルシリカ及び前記混合樹脂の合計100質量部に対して、20質量部以下である。前記シランカップリング剤が少なすぎると、耐食性、耐黒変性、耐しみ汚れ性、プレス成形性等の加工性、及び耐アブレージョン性が低下する傾向がある。このことは、金属板表面と表面処理皮膜との密着性を向上させるというシランカップリング剤の効果を充分に奏することができないことによると考えられる。また、前記シランカップリング剤が多すぎると、耐食性、プレス成形性等の加工性、及び耐アブレージョン性が低下する傾向がある。このことは、表面処理組成物の液安定性が低下するとともに、未反応のシランカップリング剤が増えることによると考えられる。なお、ここでの含有量は、固形分比である。
また、前記表面処理皮膜には、前記コロイダルシリカ、前記混合樹脂、及び前記シランカップリング剤以外にも、他の成分を含有してもよい。他の成分としては、例えば、表面処理皮膜を架橋させる架橋剤、及び潤滑剤等が挙げられる。
前記表面処理皮膜の付着量の下限は、0.4g/m以上であり、0.5g/m以上であることが好ましい。また、前記表面処理皮膜の付着量の上限は、0.8g/m以下であり、0.7g/m以下であることがより好ましい。前記表面処理皮膜の付着量が少なすぎると、表面処理皮膜によるバリア性が低下して、耐食性及び耐黒変性が低下し、しみの広がりを促進するため、耐しみ汚れ性が劣化する傾向がある。また、前記表面処理皮膜の付着量が少なすぎると、プレス成形性等の加工性及び耐アブレージョン性も低下する傾向がある。これらの傾向は、前記表面処理皮膜の付着量が少なすぎると、形成した表面処理皮膜の膜厚が薄くなりすぎ、ロールコータ等での皮膜塗装が困難になり、好適な表面処理皮膜が形成しにくくなることにもよると考えられる。また、前記表面処理皮膜の付着量が多すぎると、導電性、プレス成形性等の加工性及び耐アブレージョン性が低下する傾向がある。これは、前記表面処理皮膜の付着量が多すぎると、形成した表面処理皮膜の膜厚が厚くなりすぎるために、この厚い皮膜により導電性が低下し、さらに、プレス成形時に皮膜かすが発生して、黒化現象が発生しやすくなるためと考えられる。なお、表面処理皮膜の付着量は、例えば、以下のように測定することができる。表面処理皮膜中のコロイダルシリカ(SiO)のSi元素を蛍光X線分析装置で定量測定し、測定のSi元素の量から算出することができる。なお、このときのSiOの比重を2.2とし、樹脂の比重は1.0として計算する。
前記表面処理金属板は、前記亜鉛系めっき鋼板と前記表面処理皮膜とを備えていればよく、他の層を備えていてもよい。例えば、前記亜鉛系めっき鋼板と前記表面処理皮膜との間に下地処理層を備えていてもよい。具体的には、亜鉛系めっき鋼板の表面と前記表面処理皮膜との界面密着性を向上させるために、重リン酸アルミニウム、酸性コロイダルシリカ、及びポリアクリル酸の組成物からなる反応型の下地処理を実施することによって得られた下地処理層を設けてもよい。ただし、未反応のりん酸等は、耐黒変性や耐食性を劣化させ、しみ汚れの発生を促進するため、水洗し除去することが好ましい。
前記表面処理金属板の製造方法としては、本実施形態に係る表面処理金属板を製造することができれば、特に限定されない。前記表面処理金属板の製造方法としては、具体的には、前記表面処理組成物を調製する工程(調製工程)と、前記表面処理組成物を前記亜鉛系めっき鋼板の少なくとも一方の表面上に塗布する工程(塗布工程)と、前記表面処理組成物を乾燥させることによって、前記亜鉛系めっき鋼板の少なくとも一方の表面上に、前記表面処理皮膜を形成する工程(乾燥工程)とを備える製造方法等が挙げられる。
前記調製工程は、前記表面処理組成物を調製することができれば、特に限定されず、例えば、前記コロイダルシリカ、前記混合樹脂、及び前記シランカップリング剤を含む表面処理組成物を調製する工程等が挙げられる。この調製工程としては、まず、前記コロイダルシリカ及び前記混合樹脂を、前記コロイダルシリカと前記混合樹脂との合計100質量部に対して、それぞれ、60〜80質量部、20〜40質量部となるように混合し、さらに、この前記コロイダルシリカと前記混合樹脂との合計100質量に対して、前記シランカップリング剤を10〜20質量部となるように混合させる工程等が挙げられる。また、この調製工程は、70〜80℃の脱イオン水に10分間浸漬した時に前記表面処理皮膜から溶出されるナトリウムイオンの量が、4mg/m以下となるような表面処理組成物を調製する工程である。具体的には、前記コロイダルシリカとして、上述したような分散剤としてアンモニアを含むコロイダルシリカを用いる方法等が挙げられる。
前記塗布工程は、前記表面処理組成物を前記亜鉛系めっき鋼板の少なくとも一方の表面上に塗布することができれば、特に限定されず、例えば、バーコータを用いた塗布等が挙げられる。また、前記塗布工程は、前記表面処理皮膜の付着量が、0.4〜0.8g/mとなるように前記表面処理組成物を塗布する工程である。
前記乾燥工程は、前記表面処理組成物を乾燥させることによって、前記亜鉛系めっき鋼板の少なくとも一方の表面上に、前記表面処理皮膜を形成することができれば、特に限定されない。前記乾燥工程としては、例えば、90〜130℃での乾燥等が挙げられる。
このような製造方法によれば、本実施形態に係る表面処理金属板を好適に製造することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、以下の実施例で用いた各評価方法について説明する。
[耐食性]
1.塩水噴霧試験(SST平板)
裏面とエッジシールを施した供試材(平板)に対して、JIS Z 2371に準じて、35℃の雰囲気下で塩水(5%のNaCl水溶液)を噴霧して、塩水噴霧試験を実施した。供試材に対する白錆の発生率が5面積%に達するまでの時間を測定した。
SST平板の評価基準として、平板のままのものに対する白錆の発生率が5面積%に達するまでの時間が、240時間以上であれば、「◎」と評価し、168時間以上240時間未満であれば、「○」と評価し、120時間以上168時間未満であれば、「△」と評価し、120時間未満であれば、「×」と評価した。
2.塩水噴霧サイクル試験(SSTサイクル)
エッジシールした供試材(平板)について、JIS Z 2371に準じて、35℃の雰囲気下で塩水(5%のNaCl水溶液)を噴霧する塩水噴霧サイクル試験を実施した。1サイクルは、塩水噴霧を8時間行い、その後、16時間休止する。供試材に対する白錆の発生率が5面積%に達するサイクル数を測定した。SSTサイクルの評価基準としては、このサイクル数が10サイクル以上であれば、「◎」と評価し、7サイクル以上10サイクル未満であれば、「○」と評価し、5サイクル以上7サイクル未満であれば、「△」と評価し、5サイクル未満であれば、「×」と評価した。
3.中性塩水噴霧サイクル試験(JASO)
エッジシールした供試材(平板)について、JIS H 8502に準じて、中性塩水噴霧サイクル試験を実施した。1サイクルは、塩水噴霧を2時間行い、その後、乾燥(温度60℃、湿度30%以上)を4時間行って、湿潤(温度50℃、湿度95%以上)を2時間行う。供試材に対する白錆の発生率が5面積%に達するサイクル数を測定した。JASOの評価基準としては、このサイクル数が21サイクル以上であれば、「◎」と評価し、15サイクル以上21サイクル未満であれば、「○」と評価し、9サイクル以上15サイクル未満であれば、「△」と評価し、9サイクル未満であれば、「×」と評価した。
[耐黒変性]
供試材を、温度50℃、湿度98%以上の恒温恒湿試験機に168時間保存した後、試験前後の色差(ΔL)を色差計を用いて測定した。耐黒変性の評価基準として、ΔLが1未満であれば、「◎」と評価し、ΔLが1以上2未満であれば、「○」と評価し、ΔLが2以上3未満であれば、「△」と評価し、ΔLが3以上であれば、「×」と評価した。
[耐しみ汚れ性]
供試材を、温度65℃、湿度95%以上の恒温恒湿試験機に168時間保存した後、試験前後の外観変化を目視で確認した。耐しみ汚れ性の評価基準として、しみ汚れの発生を確認できなければ、「◎」と評価し、極わずかなしみ汚れの発生を確認した場合は、「○」と評価し、わずかにしみ汚れの発生を確認した場合は、「△」と評価し、全面的にしみ汚れの発生を確認した場合は、「×」と評価し、全面にしみ汚れが著しく発生していることを確認した場合は、「××」と評価した。
[導電性]
供試材の表面抵抗値(導電性)は、図1に示すような表面抵抗測定装置10で、抵抗機11を介した2つの端子12を供試材13の表面に直接接触させて測定した。なお、導電性を評価するための表面抵抗測定装置を示す概略図である。表面抵抗測定装置10としては、株式会社ダイヤインスルメンツ製のLorestaEPを用いた。測定方法は、2探針法で、2探針APプローブ(タイプA)(ピン間隔:10mm、ピン先端:直径2mm、ばね圧:240g/本、銅板なし)で測定した。導電性の評価基準として、測定した表面抵抗値が0.05Ω未満であれば、「◎」と評価し、0.05Ω以上0.5Ω未満であれば、「○」と評価し、0.5Ω以上1Ω未満であれば、「△」と評価し、1Ω以上であれば、「×」と評価した。
[プレス成形性(円筒深絞り試験)]
80トンクランクプレス(アイダエンジニアリング株式会社製のNCL−80TS)を用いて、無塗油でプレス成形(単発プレス)を実施した。供試材を、図2に示すような加工形状になるように、図3に示すような金型形状を用いてプレス成形した。すなわち、図3に示すような、ダイ31とポンチ32とで、供試材33をプレス成形して、供試材33を図2に示すような加工形状にした。なお、図2は、プレス成形性を評価する際のプレス成形での加工形状を示す概略図である。また、図3は、プレス成形性を評価する際のプレス成形での金型形状を示す概略図である。
加工形状は、図2に示すような形状であって、高さAが46mmで、直径Bが50mmである。そして、プレス条件としては、金型として、板厚0.8mm用円筒金型を使用し、成形速度40spm、しわ押さえ圧力1kgf/cm、絞り比2.2、無潤滑(プレス油なし)でプレス成形した。また、金型形状としては、図3に示すような形状である。その寸法としては、ブランク径D:直径110mm、ポンチ外径d1:直径50mm、ダイ外径d2:直径51.64mm、パンチの曲率半径R1:5mmR、ダイの曲率半径R2:3mmR、クリアランス:+20μmである。
この評価基準としては、得られた成形品の、摺動面の擦り疵、型かじり、及び耐黒化性を目視で評価した。その結果、摺動面の擦り疵及び型かじりや黒化現象(皮膜とめっきの一部が剥離して黒く堆積する)の発生割合が低く、プレス成形性が極めて良いと評価されたものは、「◎」であり、良いと評価されたものは、「○」であり、悪いと評価されたものは、「△」であり、極めて悪いと評価されたものは、「×」である。
[耐鋼板アブレージョン試験]
供試材2枚を表面同士重ね合わせて、図4に示すような耐鋼板アブレージョン装置40を用いて振動させて耐アブレージョン性の目視評価を実施した。なお、図4は、耐鋼板アブレージョン性を評価するための評価装置(耐鋼板アブレージョン装置)を示す概略図である。
耐鋼板アブレージョン試験は、具体的には、まず、2枚の供試材を、それぞれ、100mm角に切断した。そして、100mm角に切断した供試材の四隅に、耐鋼板アブレージョン装置40の振動発生装置41に設けたピン42を通して、振動発生装置(アイデックス株式会社製のBF50UC)41上に設置できるように、直径6mmの孔を開けた。この100mm角に切断し、四隅に孔を開けた供試材を、耐鋼板アブレージョン試験に用いた。次に、振動発生装置41上に、順番に、表面に3R半円の突起、長さ100mmのピードを2本有する鋼板アブレージョン治具43、100mm角に切断し、四隅に孔を開けた供試材44を2枚、及び1kgのおもりを載せた。この状態で、振動発生装置41を、振幅5mm、周波数35Hzで、5分間振動させた。この試験後の供試材の外観を目視で確認した。耐鋼板アブレージョン試験の評価基準として、アブレージョンの発生を確認できなければ、「◎」と評価し、極わずかなアブレージョンの発生を確認した場合は、「○」と評価し、アブレージョンの発生を多く確認した場合は、「△」と評価し、アブレージョンが発生し、金属光沢を確認した場合は、「×」と評価した。
[試験例1:コロイダルシリカ及び混合樹脂の含有量]
表面処理皮膜を構成する樹脂としては、以下の樹脂を用いた。
(カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂:PU)
撹拌機、温度計、及び温度コントローラを備えた合成装置に、ポリオール成分としてポリテトラメチレンエーテルグリコール(平均分子量1000:保土谷化学工業株式会社製)を60質量部、1,4−シクロヘキサンジメタノール14質量部、ジメチロールプロピオン酸20質量部を仕込み、さらに、反応溶媒としてN−メチルピロリドン30質量部を加えた。イソシアネート成分としてトリレンジイソシアネート(TDI)を104質量部仕込み、80℃〜85℃に昇温し、5時間反応させた。得られたプレポリマーのNCO含有量は、8.9質量%であった。さらに、トリエチルアミン16質量部を加えて中和を行い、エチレンジアミン16質量部と水480質量部の混合水溶液を加えて、50℃で4時間乳化しつつ鎖延長反応させた。そうすることによって、ポリウレタン樹脂水分散液(カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂水分散液)(不揮発性樹脂成分29.1質量%、酸価41.4)が得られた。これをPUとした。
(エチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂:EC)
撹拌機、温度計、及び温度コントローラを備えた乳化設備を有するオートクレーブに、水626質量部、エチレン−アクリル酸共重合体(アクリル酸ユニット:20質量%、メルトインデックスMI:300)160質量部を加え、さらに、エチレン−アクリル酸共重合体のカルボキシル基1モルに対して、トリエチルアミンを40モル%、水酸化ナトリウムを15モル%となるように加えた。そして、150℃、5Paで高速撹拌を行い、40℃に冷却した。ここに、4,4’−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン(株式会社日本触媒製のケミタイト(登録商標)DZ−22E)をエチレン−アクリル酸共重合体の固形分100部に対し、5部加えた。そうすることによって、エマルション化したエチレン−アクリル酸共重合体(エチレン−不飽和カルボン酸共重合体水分散体)が得られた。これをECとした。この樹脂の水蒸気透過度は、50g/m/dayであった。
以下、コロイダルシリカ及び混合樹脂の含有量について、検討した。
(表面処理金属板No.1)
まず、前記カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂(PU)と前記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂(EC)との含有比(PU:EC)が、質量比(固形分比)で、5:1である混合樹脂の分散液を調製した。
そして、固形分比で、平均粒子径4〜6nmのコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製のST−NXS:アンモニア安定化タイプ)を60質量部と、PU:EC=5:1である混合樹脂を40質量部とを含み、この100質量部に対して、さらに、シランカップリング剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業株式会社製のKBM403)を15質量部添加して表面処理組成物を調製した。
金属板として、電気純亜鉛めっき鋼板(亜鉛付着量20g/m、板厚0.8mm)を用い、その片面に前記表面処理組成物を、皮膜付着量0.6g/mとなるように、バーコータで絞りロールにて塗布した。そして、この表面処理組成物を塗布した金属板を、板温100℃で加熱乾燥した。そうすることによって、皮膜付着量0.6g/mの表面処理皮膜を形成した表面処理金属板が得られた。皮膜付着量は、上述したように、皮膜中のコロイダルシリカ(SiO)のSi元素を蛍光X線分析装置で定量測定して算出した。また、この表面処理鋼板を70〜80℃の脱イオン水に10分間浸漬し、溶出したナトリウム(Na)量を、イオンクロマトグラフィ(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製のICS−5000+)で測定した結果、Na溶出量は、3.0mg/mであった。
(表面処理金属板No.2〜9)
表面処理金属板No.2〜9は、表1に示す組成となるように調製した表面処理組成物を用いること以外、表面処理金属板No.1と同様に製造した。皮膜付着量も、表面処理金属板No.1と同様、0.6g/mであった。Na溶出量は、表1に示す値であった。
これらの表面処理金属板No.1〜9に対して、上記評価を行った結果を下記表1に示す。
Figure 2018044195
表1から、前記コロイダルシリカを、60〜80質量部含有し、前記混合樹脂を、20〜40質量部を含有している場合(表面処理金属板No.1〜5)は、耐黒変性及び耐しみ汚れ性等に優れ、さらに、前記コロイダルシリカを、50〜55質量部含有し、前記混合樹脂を、45〜50質量部含有している場合(表面処理金属板No.6,7)と比較して、耐食性及び導電性に優れることがわかった。
また、表面処理金属板No.1〜5は、耐しみ汚れ性等に優れ、さらに、前記コロイダルシリカを、85〜90質量部含有し、前記混合樹脂を、10〜15質量部含有している場合(表面処理金属板No.8,9)と比較して、耐食性及び耐しみ汚れ性に優れることがわかった。
さらに、表1から、前記コロイダルシリカの含有量が、65〜75質量部であって、前記混合樹脂の含有量が、25〜35質量部である場合(表面処理金属板No.2〜4)は、耐しみ汚れ性及び導電性に優れ、表面処理金属板No.1と比較しても、耐食性、耐黒変性、プレス成形性、及び耐鋼板アブレージョン性に優れることがわかった。
また、表1から、前記コロイダルシリカの含有量が、65〜75質量部であって、前記混合樹脂の含有量が、25〜35質量部である場合(表面処理金属板No.2〜4)は、表面処理金属板No.5と比較しても、耐食性、耐黒変性、及び耐しみ汚れ性に優れることがわかった。
[試験例2:混合樹脂におけるPU:EC]
以下、混合樹脂におけるPUとECとの含有比(PU:EC)について、検討した。
(表面処理金属板No.10〜17)
表面処理金属板No.10〜17は、前記混合樹脂における、PUとECとの含有比(PU:EC)が、表2に示す混合樹脂を用いること以外、表面処理金属板No.3と同様に製造した。皮膜付着量も、表面処理金属板No.3と同様、0.6g/mであった。Na溶出量は、表2に示す値であった。
これらの表面処理金属板No.10〜17に対して、上記の評価を行った結果を、下記表2に示す。
Figure 2018044195
表2から、用いた混合樹脂がPU:ECが1:1〜9:1である場合(表面処理金属板No.10〜15)は、PU:ECが9:1よりPUが多い場合(表面処理金属板No.16)と比較して、耐食性及び耐黒変性に優れることがわかった。また、表面処理金属板No.10〜15)は、PU:ECが1:1よりPUが少ない場合(表面処理金属板No.17)と比較して、耐黒変性、プレス成形性、及び耐鋼板アブレージョン性に優れることがわかった。
さらに、表2から、用いた混合樹脂がPU:ECが2:1〜6.5:1である場合(表面処理金属板No.11〜14)は、耐黒変性、耐しみ汚れ性、及び導電性等に優れ、表面処理金属板No.10と比較しても、耐食性及びプレス成形性に優れることがわかった。また、表2から、用いた混合樹脂がPU:ECが3.3:1〜6.5:1である場合(表面処理金属板No.12〜15)は、表面処理金属板No.11と比較しても、耐鋼板アブレージョン性に優れることがわかった。
また、表2から、用いた混合樹脂がPU:ECが2:1〜6.5:1である場合(表面処理金属板No.11〜14)は、耐黒変性、耐しみ汚れ性、及び導電性等に優れ、表面処理金属板No.15と比較しても、耐食性及び耐鋼板アブレージョン性に優れることがわかった。このことから、PUの含有量が、PU:ECが6.5:1より少なくなることが好ましいことがわかる。
[試験例3(シランカップリング剤の含有量)]
以下、シランカップリング剤の含有量について、検討した。
(表面処理金属板No.18〜24)
表面処理金属板No.18〜24は、シランカップリング剤の含有量が、表3に示す含有量であること以外、表面処理金属板No.3と同様に製造した。皮膜付着量も、表面処理金属板No.3と同様、0.6g/mであった。Na溶出量は、表3に示す値であった。
これらの表面処理金属板No.18〜24に対して、上記の評価を行った結果を、下記表3に示す。
Figure 2018044195
表3から、前記シランカップリング剤の含有量が、前記コロイダルシリカ及び前記混合樹脂の合計100質量部に対して、10〜20質量部である場合(表面処理金属板No.18〜22)は、前記シランカップリング剤の含有量が10質量部より少ない場合(表面処理金属板No.23)と比較して、耐食性、耐黒変性、耐しみ汚れ性、プレス成形性、及び耐鋼板アブレージョン性に優れることがわかった。また、表面処理金属板No.18〜22は、前記シランカップリング剤の含有量が20質量部より多い場合(表面処理金属板No.24)と比較して、耐食性、プレス成形性、及び耐鋼板アブレージョン性に優れることがわかった。
さらに、表3から、前記シランカップリング剤の含有量が、前記合計100質量部に対して、12.5〜20質量部である場合(表面処理金属板No.19〜23)は、耐黒変性、耐しみ汚れ性、及び導電性等に優れ、表面処理金属板No.18と比較しても、耐食性、プレス成形性、及び耐鋼板アブレージョン性に優れることがわかった。
[試験例4(コロイダルシリカ)]
以下、コロイダルシリカについて、検討した。
表面処理皮膜を構成するコロイダルシリカとしては、日産化学工業株式会社製の以下のものを用いた。
ST−NXS、ST−NS、ST−N、及びST−N40は、アンモニア安定化タイプであり、それぞれの平均粒子径は、表4に示す。なお、ST−NXS、ST−NS、ST−N、及びST−N40に含まれるNaOの量は、それぞれ、300ppm以下、400ppm以下、400ppm以下、2000ppm以下である。また、ST−NXS、ST−NS、ST−N、及びST−N40に含まれるSiOの量は、それぞれ、14〜15質量%、20〜21質量%、20〜21質量%、39.5〜41質量%である。また、ST−NXS、ST−NS、ST−N、及びST−N40のpHは、全て9〜10である。
また、ST−XS、及びST−Sは、ナトリウム安定化タイプであり、それぞれの平均粒子径は、表4に示す。なお、ST−XS、及びST−Sに含まれるNaOの量は、それぞれ、3000〜6000ppm、6000ppm以下である。また、ST−XS、及びST−Sに含まれるSiOの量は、それぞれ、20〜21質量%、30〜31質量%である。また、ST−XSのpHは、9〜10であり、ST−SのpHは、9.5〜10.5である。
(表面処理金属板No.25〜30)
固形分比で、表4に示すコロイダルシリカ70質量部と、PU:EC=5:1である混合樹脂を30質量部とを含み、この100質量部に対して、さらに、シランカップリング剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業株式会社製のKBM403)を15質量部添加して表面処理組成物を調製した。
表面処理金属板No.25〜30は、上記表面処理組成物を用いること以外、表面処理金属板No.3と同様に製造した。皮膜付着量も、表面処理金属板No.3と同様、0.6g/mであった。Na溶出量は、それぞれ表4に示す値であった。
これらの表面処理金属板No.25〜30に対して、上記の評価を行った結果を、下記表4に示す。
Figure 2018044195
表4から、平均粒子径が4〜6nmであって、70〜80℃の脱イオン水に10分間浸漬した時に表面処理皮膜から溶出されるナトリウムイオンの量(Na溶出量)が4mg/m以下となるようなコロイダルシリカは、上記コロイダルシリカの中では、ST−NXSだけであることがわかった。
そして、ST−NXSを用いた場合(表面処理金属板No.25)は、平均粒子径が8nm以上のものを用いた場合(表面処理金属板No.26〜28)と比較して、耐食性、プレス成形性、及び耐鋼板アブレージョン性に優れることがわかった。
また、ST−NXSを用いた場合(表面処理金属板No.25)は、Na溶出量が4mg/mを超えるようなコロイダルシリカを用いた場合(表面処理金属板No.28〜30)と比較して、耐黒変性及び耐しみ汚れ性等に優れることがわかった。例えば、表面処理金属板No.30は、表面処理金属板No.25と同程度の平均粒子径のコロイダルシリカを用いているが、Na溶出量が4mg/mを超えると、耐黒変性及び耐しみ汚れ性に劣ることがわかった。
また、また、コロイダルシリカが大きすぎると、表面処理金属板No.28のように、導電性も低下することもわかった。
[試験例5(皮膜付着量)]
(表面処理金属板No.31〜37)
固形分比で、平均粒子径4〜6nmのコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製のST−NXS:アンモニア安定化タイプ)を70質量部と、PU:EC=5:1である混合樹脂を30質量部とを含み、この100質量部に対して、さらに、シランカップリング剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業株式会社製のKBM403)を15質量部添加して表面処理組成物を調製した。
表面処理金属板No.31〜37は、上記表面処理組成物を用い、皮膜付着量が表5に示す値となるように調整したこと以外、表面処理金属板No.3と同様に製造した。Na溶出量は、それぞれ表5に示す値であった。
これらの表面処理金属板No.31〜37に対して、上記の評価を行った結果を、下記表5に示す。
Figure 2018044195
表5から、前記表面処理皮膜の付着量は、0.4〜0.8g/mである場合(表面処理金属板No.31〜35)は、この付着量が、0.4g/m未満の場合(表面処理金属板No.36)と比較して、耐食性、耐黒変性、耐しみ汚れ性、プレス成形性、及び耐鋼板アブレージョン性に優れることがわかった。また、表面処理金属板No.31〜35は、0.8g/mを超える場合(表面処理金属板No.37)と比較して、導電性、プレス成形性、及び耐鋼板アブレージョン性に優れることがわかった。
さらに、表4から、前記表面処理皮膜の付着量が、0.5〜0.7g/mである場合(表面処理金属板No.32〜34)は、この付着量が、0.4g/mである表面処理金属板No.31と比較して、耐食性、プレス成形性、及び耐鋼板アブレージョン性に優れることがわかった。このことから、前記表面処理皮膜の付着量は、0.5g/m以上であることが好ましいことがわかる。
また、表4から、前記表面処理皮膜の付着量が、0.5〜0.7g/mである場合(表面処理金属板No.32〜34)は、この付着量が、0.8g/mである表面処理金属板No.35と比較して、導電性、及びプレス成形性に優れることがわかった。このことから、前記表面処理皮膜の付着量は、0.7g/m以下であることが好ましいことがわかる。
10 表面抵抗測定装置
11 抵抗機
12 端子
13,33,44 供試材
31 ダイ
32 ポンチ
40 耐鋼板アブレージョン装置
41 振動発生装置
42 ピン
43 鋼板アブレージョン治具

Claims (3)

  1. 亜鉛系めっき鋼板と、前記亜鉛系めっき鋼板の少なくとも一方の表面上に積層された表面処理皮膜とを備え、
    前記表面処理皮膜は、平均粒子径が4〜6nmのコロイダルシリカ60〜80質量部と、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂及びエチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂の混合樹脂20〜40質量部とを含有し、前記コロイダルシリカ及び前記混合樹脂の合計100質量部に対して、シランカップリング剤を10〜20質量部をさらに含有する表面処理組成物で構成され、
    前記カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂と前記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂との含有比が、質量比で1:1〜9:1であり、
    前記表面処理皮膜の付着量が、0.4〜0.8g/mであり、
    70〜80℃の脱イオン水に10分間浸漬した時に前記表面処理皮膜から溶出されるナトリウムイオンの量が、4mg/m以下であることを特徴とする表面処理金属板。
  2. 前記コロイダルシリカが、アンモニアを分散剤として含むコロイダルシリカである請求項1に記載の表面処理金属板。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の表面処理金属板を製造する表面処理金属板の製造方法であって、
    前記表面処理組成物を調製する工程と、
    前記表面処理組成物を前記亜鉛系めっき鋼板の少なくとも一方の表面上に塗布する工程と、
    前記表面処理組成物を乾燥させることによって、前記亜鉛系めっき鋼板の少なくとも一方の表面上に、前記表面処理皮膜を形成する工程とを備える表面処理金属板の製造方法。
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