JP2018044109A - 水酸基変性ポリプロピレン系樹脂 - Google Patents

水酸基変性ポリプロピレン系樹脂 Download PDF

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Abstract

【課題】水酸基変性ポリプロピレン系樹脂及びその使用において、特にホットメルト接着剤としての使用において、熱分解温度と接着強度の両立する水酸基変性ポリプロピレン系樹脂の提供。【解決手段】一般式(1)で表される、水酸基とラジカル重合性二重結合を同一分子内に有するエーテル化合物の残基を有する水酸基変性ポリプロピレン系樹脂であり、その1%重量減少温度が300℃以上である水酸基変性ポリプロピレン系樹脂。(RはC2〜4のアルキル基;mは0又は1;nは1〜30の整数)【選択図】なし

Description

本発明は水酸基変性ポリプロピレン系樹脂に関する。
ポリオレフィン樹脂は、ヒートシール性、耐溶剤性、耐湿性、耐水性、剛性、耐衝撃性、耐熱性等に優れる樹脂であるため、様々な用途で使用されている。ポリオレフィン樹脂は極性が低いため、耐溶剤性、耐湿性、耐水性等の特性に優れているが、用途によっては樹脂の極性が低いために、異種材料との接着性や異種材料との分散性が劣ることがあった。このため、極性の高い有機化合物をポリオレフィン樹脂にグラフト重合した変性ポリオレフィン樹脂が開発されている。
例えば、特許文献1には、ポリオレフィン樹脂を、有機過酸化物存在下、不飽和結合と水酸基を同一分子内に有する有機化合物と反応させて得られる水酸基変性ポリオレフィン樹脂が開示されている。しかし、不飽和結合と水酸基を同一分子内に有する有機化合物として、置換アクリレートを用いた場合、副生成物として置換アクリレートの単独重合体が生成することがあった。得られた樹脂を成形加工する際に、分解した副生成物により、アウトガスが発生したり、装置を汚染したりすることがあった。また、この副生成物は、ポリオレフィン樹脂と相溶せず、成形体において異物となることや表面にブリードすることがあった。
さらに、特許文献2には、水酸基を有する不飽和カルボン酸誘導体と、炭素数6〜30のオレフィン多量体を反応させる水酸基変性ポリオレフィン系樹脂の製造方法が開示されている。得られた水酸基変性ポリオレフィン系樹脂は、その分子量が低いことから、耐熱性が低いため、成形加工する際、分解した副生成物により、アウトガスが発生したり、装置を汚染したりすることがあった。
特開昭62−64848号公報 特開2007−63196号公報
水酸基変性ポリプロピレン系樹脂の使用においては、特にホットメルト接着剤としての使用において、熱分解温度と接着強度の両立が難しい課題があった。
本発明者は、鋭意検討の結果、特定の構造の水酸基変性ポリプロピレン系樹脂によって、上記課題を解決できることを見出した。
1)本発明は、下記の一般式(1)で示される化合物の残基を有する水酸基変性ポリプロピレン系樹脂であり、その1%重量減少温度が300℃以上である水酸基変性ポリプロピレン系樹脂に関する。
Figure 2018044109
(一般式(1)中、Rは炭素数2〜4のアルキル基、mは0あるいは1、nは1〜30の整数である)
2)また、本発明は、下記の一般式(2)で示される化合物の残基を有する水酸基変性ポリプロピレン系樹脂であり、その1%重量減少温度が300℃以上である水酸基変性ポリプロピレン系樹脂に関する。
Figure 2018044109
(一般式(2)中、Rは炭素数2〜4のアルキル基、nは1〜30の整数である)
3)さらに本発明は、(a)ポリプロピレン系樹脂100重量部に対し、(b)t−ブチルペルオキシ骨格を含むラジカル重合開始剤0.01〜1.5重量部の存在下で、(c)下記一般式(1)で示される水酸基とラジカル重合性二重結合を同一分子内に有するエーテル化合物0.5〜15重量部を反応させた後、減圧度100mmHg以下の状態で脱揮処理することを特徴とする水酸基変性ポリプロピレン系樹脂の製造方法に関する。
Figure 2018044109
(一般式(1)中、Rは炭素数2〜4のアルキル基、mは0あるいは1、nは1〜30の整数である)
本発明の水酸基変性ポリプロピレン系樹脂は、1%重量減少温度が300℃以上であることから良好な耐熱性を示しつつ、良好な接着強度を有する。また、本発明の水酸基変性ポリプロピレン系樹脂を用いると、フィルム作製時のアウトガスが少なく、異物の少ないフィルムを得ることができる。
本発明の一実施形態について説明すれば以下の通りである。なお、本発明は以下の説明に限定されるものではない。
<(A)水酸基変性ポリプロピレン系樹脂>
本発明の(A)水酸基変性ポリプロピレン系樹脂は、一般式(1)で示される化合物の残基を有する水酸基変性ポリプロピレン系樹脂である。
Figure 2018044109
(一般式(1)中、Rは炭素数2〜4のアルキル基、mは0あるいは1、nは1〜30の整数である)
好ましくは、1%重量減少温度が高いことが示すように、熱分解性の観点から、本発明の(A)水酸基変性ポリプロピレン系樹脂は、一般式(5)で示される化合物の残基を有する水酸基変性ポリプロピレン系樹脂である。
Figure 2018044109
(一般式(2)中、Rは炭素数2〜4のアルキル基、nは1〜30の整数である)
<(A)の製造方法>
本発明の(A)水酸基変性ポリプロピレン系樹脂は、(a)ポリプロピレン系樹脂を、(b)ラジカル開始剤存在下で、(c)水酸基とラジカル重合性二重結合を同一分子内に有するエーテル化合物を反応させることで得ることができる。
好ましくは、本発明の(A)水酸基変性ポリプロピレン系樹脂は、(a)ポリプロピレン系樹脂を、(b)ラジカル開始剤存在下で、(c)水酸基とラジカル重合性二重結合を同一分子内に有するエーテル化合物および(d)その他単量体を反応させることで得ることができる。
本発明の(A)水酸基変性ポリプロピレン系樹脂の製造方法としては、好ましくは、(a)ポリプロピレン系樹脂100重量部に対し、t−ブチルペルオキシ骨格を含むラジカル開始剤0.01〜1.5重量部の存在下で、一般式(1)で示される(c)水酸基とラジカル重合性二重結合を同一分子内に有するエーテル化合物0.5〜15重量部を反応させた後、減圧度100mmHg以下の状態で処理することを特徴とする水酸基変性ポリプロピレン系樹脂の製造方法である。
Figure 2018044109
(一般式(1)中、Rは炭素数2〜4のアルキル基、mは0あるいは1、nは1〜30の整数である)
(c)水酸基とラジカル重合性二重結合を同一分子内に有するエーテル化合物のうち、(a)ポリプロピレン系樹脂にグラフト重合しなかった成分を、乾燥、洗浄等で除去することができる。(c)水酸基とラジカル重合性二重結合を同一分子内に有するエーテル化合物は、(a)ポリプロピレン系樹脂と極性が大きく異なるため、樹脂成形体の表面にブリードしやすく、また成形時にアウトガスとなることがあるため、その含有量を少なくしておく必要がある。グラフト重合しなかった成分を、ペレットを製造した後に、熱風乾燥機、真空乾燥機で乾燥除去することができる。また、二軸押出機に真空ポンプを連結し、押出機の一部を減圧状態にして、乾燥除去することもできる。脱揮工程における減圧度は、生産効率の面から、76mmHg以下が好ましく、50mmHg以下がさらに好ましい。
<(a)ポリプロピレン系樹脂>
前記の(a)ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体;エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体のようなプロピレン/α−オレフィン共重合体が例示される。
(a)の中では、接着性の観点から、エチレン−プロピレン共重合体が好ましい。
プロピレン/α−オレフィン共重合体としては、構成する全単量体の合計を100重量%に対し、プロピレン50重量%以上95重量%以下で構成される重合体が好ましく、プロピレン70重量%以上93重量%以下で構成される重合体がより好ましく、プロピレン80重量%以上90重量%以下で構成される重合体がさらに好ましい。
<(b)ラジカル開始剤>
(b)ラジカル開始剤としては、有機過酸化物あるいはアゾ化合物などを挙げることができる。例示するならば、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール;パーメタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド;ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエステルなどの有機過酸化物の1種または2種以上があげられる。
これらの中でも、ジ(2−t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルペルオキシド、ジ(t−ブチルペルオキシド)、t−ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネートが、ポリプロピレン系樹脂の溶融温度とラジカル開始剤の分解温度のバランスがとれている点で好ましい。
<(b)ラジカル開始剤の添加量>
(b)ラジカル開始剤の添加量は、(a)ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部であることが好ましく、0.2〜3重量部であることがより好ましい。(b)の添加量が0.01重量部未満の場合、グラフト率が十分でなく、(b)の添加量が5重量部を超える場合、(A)の流動性や機械的特性が低下することがある。
<(c)水酸基とラジカル重合性二重結合を同一分子内に有するエーテル化合物>
本発明の(c)水酸基とラジカル重合性二重結合を同一分子内に有するエーテル化合物は、以下の一般式(1)で表される。
Figure 2018044109
(一般式(1)中、Rは炭素数2〜4のアルキル基、mは0あるいは1、nは1以上30以下の整数である)
(c)水酸基とラジカル重合性二重結合を同一分子内に有するエーテル化合物としては、例えば、m=0のビニルエーテル化合物とm=1のアリルエーテル化合物が挙げられる。
m=0のビニルエーテル化合物としては、エチレングリコールモノビニルエーテル(Rがエチレン、m=0、n=1)、ジエチレングリコールモノビニルエーテル(Rがエチレン、m=0、n=2)、トリエチレングリコールモノビニルエーテル(Rがエチレン、m=0、n=3)、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル(m=0、n=4以上30以下)のようなRがエチレンであるビニルエーテル化合物;プロピレングリコールモノビニルエーテル(m=0、n=1)、ジプロピレングリコールモノビニルエーテル(m=0、n=2)、ポリプロピレングリコールモノビニルエーテル(m=0、n=30)のようなRがプロピレンであるビニルエーテル化合物;ヒドロキシブチルビニルエーテル;ヒドロキシヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。
前記のビニルエーテル化合物はラジカル重合速度が遅いため、ラジカル開始剤から発生したラジカルと反応しても高分子量体が生成しにくく、異物にまで成長することが少ない。また、高分子量体が生成しにくいため、グラフト重合しなかったビニルエーテル化合物や副生成物を乾燥、洗浄等で除去しやすい。
m=1のアリルエーテル化合物としては、エチレングリコールモノアリルエーテル(Rがエチレン、m=1、n=1)、ジエチレングリコールモノアリルエーテル(Rがエチレン、m=1、n=2)、トリエチレングリコールモノアリルエーテル(Rがエチレン、m=1、n=3)、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル(m=1、n=4以上30以下)のようなRがエチレンであるアリルエーテル化合物;プロピレングリコールモノアリルエーテル(m=1、n=1)、ジプロピレングリコールモノアリルエーテル(m=1、n=2)、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル(m=1、n=30)のようなRがプロピレンであるアリルエーテル化合物;ヒドロキシブチルアリルエーテル;ヒドロキシヘキシルアリルエーテル等が挙げられる。
水酸基を有するアリルエーテル化合物はラジカル重合速度が遅いため、ラジカル開始剤から発生したラジカルと反応しても高分子量体が生成しにくく、異物にまで成長することが少ない。また、高分子量体が生成しにくいため、グラフト重合しなかった水酸基を有するアリルエーテル化合物や副生成物を乾燥、洗浄等で除去しやすい。(c)水酸基とラジカル重合性二重結合を同一分子内に有するエーテル化合物の中でも、接着剤として用いたときの接着性の観点から、下記の一般式(3)に示すようなm=0のビニルエーテル化合物が好ましい。
Figure 2018044109
(一般式(3)中、Rは炭素数2〜4のアルキル基、nは1以上30以下の整数である)
(c)水酸基とラジカル重合性二重結合を同一分子内に有するエーテル化合物の中でも、1%重量減少温度が高いことが示すように、熱分解性の観点から、下記の一般式(2)に示すようなm=1のアリルエーテル化合物が好ましい。
Figure 2018044109
(一般式(2)中、Rは炭素数2〜4のアルキル基、nは1以上30以下の整数である)
<(c)の使用量>
(A)を製造する際の(c)の使用量は、特に制限されないが、(A)100重量部に対して0.1〜20重量部であることが好ましく、0.1〜10重量部であることがより好ましい。0.1重量部よりも少ないと接着性が十分発現しないことがある。一方、20重量部より多いと、グラフト重合しなかったアリルエーテル化合物を変性ポリプロピレン系樹脂から取り除くのに時間を要することがあった。
<(d)その他単量体>
前記(d)その他単量体としては、ラジカル重合性が高い不飽和化合物として、芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリル化合物、不飽和カルボン酸およびその無水物およびその誘導体が挙げられる。
(d)その他単量体の使用量は、(a)ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部であることが好ましく、0.1〜10重量部であることがより好ましい。ただし、(d)としてラジカル重合性が高い不飽和化合物を用いた場合、ラジカル開始剤から発生したラジカルと反応して高分子量の単独重合体が生成しやすく、フィッシュアイ等の異物となることがあるため、(d)その他単量体の使用量は、(a)ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.1〜2重量部であることが好ましい。
また、(d)として不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸無水物又はその誘導体を用いた場合、(c)水酸基とラジカル重合性二重結合を同一分子内に有するエーテル化合物の水酸基と直接反応することがあり、その反応物は異物となることがあった。
芳香族ビニル化合物を例示するならば、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレンなどのメチルスチレン;o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、α−クロロスチレン、β−クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレンなどのクロロスチレン;o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレンなどのブロモスチレン;o−フルオロスチレン、m−フルオロスチレン、p−フルオロスチレン、ジフルオロスチレン、トリフルオロスチレンなどのフルオロスチレン;o−ニトロスチレン、m−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン、ジニトロスチレン、トリニトロスチレンなどのニトロスチレン;o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、ジヒドロキシスチレン、トリヒドロキシスチレンなどのビニルフェノール;o−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼンなどのジビニルベンゼン;o−ジイソプロペニルベンゼン、m−ジイソプロペニルベンゼン、p−ジイソプロペニルベンゼンなどのジイソプロペニルベンゼン;などの1種または2種以上が挙げられる。
(メタ)アクリル化合物を例示するならば、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの1種または2種以上が挙げられる。
芳香族ビニル化合物及び(メタ)アクリル化合物はラジカル重合において、分子量が増加しない(解重合が進行する)温度があり、その温度は一般的にポリプロピレン系樹脂の熱分解温度よりも低い温度である。このため、芳香族ビニル化合物及び(メタ)アクリル化合物を多く用いた場合、変性ポリプロピレン系樹脂の重量減少温度を低くしてしまうことがあった。
不飽和カルボン酸およびその誘導体としては、特に限定されないが、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、エンド−ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸(エンディック酸)、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸等の不飽和カルボン酸;塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水エンディック酸、アクリル酸メチル、アクリル酸アミド、メタクリル酸メチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸アミド、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、無水ナジック酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル等の不飽和カルボン酸の誘導体が挙げられる。
<その他添加剤>
(A)水酸基変性ポリプロピレン系樹脂には、必要に応じて、酸化防止剤、金属不活性剤、脱水剤、制酸吸着剤などの安定剤、架橋剤、連鎖移動剤、核剤、滑剤、可塑剤、充填材、強化材、顔料、染料、難燃剤などの添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。
上記の添加剤を用いる場合は、予め(a)ポリプロピレン系樹脂に添加されているものであってもよく、変性ポリプロピレン樹脂の原料であるポリプロピレン系樹脂をグラフト変性させる際に添加されるものであってもよく、また変性ポリプロピレン樹脂を製造したのちに適宜の方法でこの変性ポリプロピレン樹脂に添加されるものであってもよい。
混合する方法は特に限定されることはないが、変性ポリプロピレン系樹脂と種々化合物をタンブラー、リボンブレンダー等の混合機に入れ混合する方法、変性ポリプロピレン樹脂を溶融反応で製造する場合は、溶融反応させる溶融混練装置で混合する方法等が挙げられる。
<(A)とコンパウンドできる樹脂>
本発明の(A)水酸基変性ポリプロピレン系樹脂は、その他の樹脂と混合して、コンパウンドとして使用することができる。その他の樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリイミド系樹脂等が挙げられる。
<(A)の製法>
(A)を得るためのグラフト変性反応としては、特に制限されないが、溶液反応、含浸反応、溶融反応などを用いることができる。特に、溶融反応が簡便で好ましい。
溶融混練時の加熱温度は、100〜300℃であることが、ポリプロピレン系樹脂が充分に溶融し、かつ熱分解しないという点で好ましい。また溶融混練の時間は、通常30秒間〜60分間である。
溶融混練の装置としては、押出機、バンバリーミキサー、ミル、ニーダー、加熱ロールなどを使用することができる。生産性の面から単軸あるいは2軸の押出機を用いる方法が好ましい。また、各々の材料を充分に均一に混合するために、溶融混練を複数回繰返してもよい。
<(A)の1%重量減少温度>
本発明の(A)水酸基変性ポリプロピレン系樹脂の1%重量減少温度は、熱分解温度や接着強度の観点から、300℃以上であり、好ましくは320℃以上であり、さらに好ましくは330℃以上であり、特に好ましくは340℃以上である。成形加工する際のアウトガスが発生しにくくなり、成形装置への汚染が抑えられる。
<(A)のMFR>
本発明の(A)水酸基変性ポリプロピレン系樹脂のMFRは、測定温度230℃、荷重2.16kgの測定条件で、0.1g/10分以上、100g/10分未満が好ましく、1g/10分以上、70g/10分未満がより好ましく、10g/10分以上、40g/10分未満がさらに好ましい。前記(A)のMFRが低いと、高い成形加工温度が必要となり、そのような温度条件の成形をすると樹脂の分解が進行することがあった。また、(A)のMFRが高いと、成形体の強度が低くなることがあった。
<(A)の融点>
本発明の(A)水酸基変性ポリプロピレン系樹脂の融点は、80℃以上、180℃以下の融点を含むことが好ましい。
<(A)のグラフト率>
本発明の(A)水酸基変性ポリプロピレン系樹脂における(c)水酸基とラジカル重合性二重結合を同一分子内に有するエーテル化合物のグラフト率は、(A)の水酸基価の測定値と(c)の分子量から、グラフト率を算出することが可能である。
<(A)の用途>
本発明の(A)水酸基変性ポリプロピレン系樹脂は、接着剤、樹脂改質剤、樹脂分散剤として好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
<使用した原料>
(a−1)エチレン−プロピレン共重合体(プロピレン含量=88%);ダウ・ケミカル製 VERSIFY2300、MFR(230℃、2.16kg荷重で測定)=2g/10分
(b−1)1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂製:パーブチルP、1分間半減期175℃)
(c−1)アリルグリコール(別名、エチレングリコールモノアリルエーテル);日本乳化剤製、下記一般式(4)で示される。
Figure 2018044109
(c−2)ジエチレングリコールモノビニルエーテル;丸善石油化学製 DEGV
下記一般式(5)で示される。
Figure 2018044109
(c−3)エチレングリコールモノビニルエーテル;丸善石油化学製 HEVE
下記一般式(6)で示される。
Figure 2018044109
(c−4)3−メチル−3−ブテン−1−オール;クラレ製 イソプレノール
下記一般式(7)で示される。
Figure 2018044109
(c−5)2−ヒドロキシエチルメタクリレート;共栄社化学製 ライトエステルHO−250(N) 下記一般式(8)で示される。
Figure 2018044109
(c−6)ポリエチレングリコールモノアリルエーテル;日油製 ユニオックスPKA−5005、下記一般式(2)においてn=33、数平均分子量1500
Figure 2018044109
<MFR測定>
JIS K7210に準拠して、測定温度230℃、測定荷重2.16kgの条件下で、規定時間で押し出される質量を測定した。10分間当たりのグラム数に換算し、MFRの測定値(g/10分)とした。
<1%重量減少温度測定>
エスアイアイ・ナノテクノロジー社製TG/DTA6300を用い、窒素雰囲気下で、室温から600℃までを昇温速度5℃/分で加熱し、サンプル重量が1%減少する温度を算出した。測定結果において水分の影響が出る場合は、水分を除去してから測定を実施した。
<180°引き剥がし接着強度>
片面を離型処理したPETを2枚用い、離型面側で(A)水酸基変性ポリプロピレン系樹脂のペレットを挟み、その上下にさらにプレス板で挟んだ後、205℃に加熱したプレス装置で2〜8MPaの圧力をかけ、厚さ100μmの(A)水酸基変性ポリプロピレン系樹脂シートを得た。このシートを切り出し、厚さ100μmの軟質アルミニウム板2枚に挟んだ後、150℃に設定した簡易ラミネート機(ラミパッカー LPD3226 Meister6 フジプラ株式会社製)にて0.5m/分の線速で1度熱ラミし、仮圧着を行なった。その後、ヒートシールテスターTP−701−B(テスター産業)にて、200℃(上下加熱)、10秒、0.5MPaで本圧着し、測定サンプルを作製した。
接着強度は、測定サンプルの片面のアルミニウム板をSUS板(厚さ:1mm)に接着剤で接着させた後、ラミネートフィルムをオートグラフで180°方向にトラバース速度50mm/分で引張り、引き剥がし接着強度を測定した。前記引き剥がし接着強度の横幅15mm換算の値を接着強度とした。
<異物評価、アウトガス評価>
単軸押出機(φ15mm)にTダイ(幅150mm)を接続して、単軸押出機のホッパー下は水冷し、シリンダーとTダイの温度を200℃にした。(A)水酸基変性ポリプロピレン系樹脂をTダイから溶融流涎させ、離型処理したPET2枚で挟み、冷却ロールで冷却しながら、厚さ50μmの(A)水酸基変性ポリプロピレン系樹脂フィルムをPET/(A)水酸基変性ポリプロピレン系樹脂フィルム/PETの3層構造のフィルムで得た。得られたフィルムを面積100cm2観察し、グラフト重合した化合物の重合体であって、長径が50μm以上であるものを異物として数えた。異物がグラフト重合に用いた化合物の重合体由来であるかどうかは顕微IRで判断した。得られたフィルムの面積100cm2内に前記異物があった場合を「有」、前記異物が無かった場合を「無」とした。
また、アウトガス評価は、フィルムを作製する際に、異臭を感じたものを「無」とし、異臭を感じなかったものを「有」とした。
(実施例1)
シリンダー温度200℃、スクリュー回転数150rpmに設定した二軸押出機(日本製鋼所製、品名LABOTEX30;φ30mm、L/D=28)のホッパー口より、(a−1)エチレン−プロピレン共重合体(ダウ・ケミカル製:VERSIFY2300)100重量部と(b−1)1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂製:パーブチルP)0.1重量部を投入し、続いて、シリンダー途中より、(c−1)エチレングリコールモノアリルエーテル(日本乳化剤製:アリルグリコール)6重量部を投入した。その後、溶融混練、及び、減圧度を76mmHgとした脱揮工程で処理したストランドを水冷後カットして(A−1)水酸基変性ポリプロピレン系樹脂のペレットを得た。
前記方法で測定した結果、(A−1)の1%重量減少温度は347℃であり、MFRは11g/10分であった。
(A−1)を用いた場合の180°引き剥がし接着強度は、37N/15mmであった。また、フィルム作製時のアウトガス評価において異臭は感じられず、得られたフィルムに異物は目視で観察されなかった。
(実施例2)
実施例1において、(b−1)1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂製:パーブチルP)0.1重量部に変えて、0.4重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして(A−2)水酸基変性ポリプロピレン系樹脂のペレットを得た。
前記方法で測定した結果、(A−2)の1%重量減少温度は334℃であり、MFRは65g/10分であった。
(A−2)を用いた場合の180°引き剥がし接着強度は、30N/15mmであった。また、フィルム作製時のアウトガス評価において異臭は感じられず、得られたフィルムに異物は目視で観察されなかった。
(実施例3)
実施例1において、(b−1)1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂製:パーブチルP)0.1重量部に変えて、0.2重量部を用いて、(c−1)エチレングリコールモノアリルエーテル(日本乳化剤製:アリルグリコール)6重量部に変えて、3重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして(A−3)水酸基変性ポリプロピレン系樹脂のペレットを得た。
前記方法で測定した結果、(A−3)の1%重量減少温度は320℃であり、MFRは44g/10分であった。
(A−3)を用いた場合の180°引き剥がし接着強度は、30N/15mmであった。また、フィルム作製時のアウトガス評価において異臭は感じられず、得られたフィルムに異物は目視で観察されなかった。
(実施例4)
実施例1において、(c−1)エチレングリコールモノアリルエーテル(日本乳化剤製:アリルグリコール)6重量部に変えて、(c−2)ジエチレングリコールモノビニルエーテル(丸善石油化学製 DEGV)6重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして(A−4)水酸基変性ポリプロピレン系樹脂のペレットを得た。
前記方法で測定した結果、(A−4)の1%重量減少温度は319℃であり、MFRは23g/10分であった。
(A−4)を用いた場合の180°引き剥がし接着強度は、35N/15mmであった。また、フィルム作製時のアウトガス評価において異臭は感じられず、得られたフィルムに異物は目視で観察されなかった。
(実施例5)
実施例1において、(b−1)1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂製:パーブチルP)0.1重量部に変えて、0.2重量部を用いて、(c−1)エチレングリコールモノアリルエーテル(日本乳化剤製:アリルグリコール)6重量部に変えて、(c−2)ジエチレングリコールモノビニルエーテル(丸善石油化学製 DEGV)6重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして(A−5)水酸基変性ポリプロピレン系樹脂のペレットを得た。
前記方法で測定した結果、(A−5)の1%重量減少温度は310℃であり、MFRは40g/10分であった。
(A−5)を用いた場合の180°引き剥がし接着強度は、36N/15mmであった。また、フィルム作製時のアウトガス評価において異臭は感じられず、得られたフィルムに異物は目視で観察されなかった。
(実施例6)
実施例1において、(b−1)1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂製:パーブチルP)0.1重量部に変えて、0.2重量部を用いて、(c−1)エチレングリコールモノアリルエーテル(日本乳化剤製:アリルグリコール)6重量部に変えて、(c−3)エチレングリコールモノビニルエーテル(丸善石油化学製 DEGV)3重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして(A−6)水酸基変性ポリプロピレン系樹脂のペレットを得た。
前記方法で測定した結果、(A−6)の1%重量減少温度は320℃であり、MFRは41g/10分であった。
(A−6)を用いた場合の180°引き剥がし接着強度は、32N/15mmであった。また、フィルム作製時のアウトガス評価において異臭は感じられず、得られたフィルムに異物は目視で観察されなかった。
(比較例1)
実施例1において、(b−1)1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂製:パーブチルP)0.1重量部に変えて、0.4重量部を用いて、(c−1)エチレングリコールモノアリルエーテル(日本乳化剤製:アリルグリコール)6重量部に変えて、(c−4)3−メチル−3−ブテン−1−オール(クラレ製 イソプレノール)6重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして(A−7)水酸基変性ポリプロピレン系樹脂のペレットを得た。
前記方法で測定した結果、(A−7)の1%重量減少温度は321℃であり、MFRは36g/10分であった。
(A−7)を用いた場合の180°引き剥がし接着強度は、0N/15mmであった。また、フィルム作製時のアウトガス評価において異臭は感じられず、得られたフィルムに異物は目視で観察されなかった。
(比較例2)
実施例1において、(b−1)1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂製:パーブチルP)0.1重量部に変えて、0.5重量部を用いて、(c−1)エチレングリコールモノアリルエーテル(日本乳化剤製:アリルグリコール)6重量部に変えて、(c−5)2−ヒドロキシエチルメタクリレート;共栄社化学製 ライトエステルHO−250(N)4重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして(A−8)水酸基変性ポリプロピレン系樹脂のペレットを得た。
前記方法で測定した結果、(A−8)の1%重量減少温度は280℃であり、MFRは12g/10分であった。
(A−8)を用いた場合の180°引き剥がし接着強度は、30N/15mmであった。また、フィルム作製時のアウトガス評価において異臭が感じられ、得られたフィルムに異物は目視で観察された。
(比較例3)
実施例1において、(b−1)1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂製:パーブチルP)0.1重量部に変えて、2重量部を用いて、(c−1)エチレングリコールモノアリルエーテル(日本乳化剤製:アリルグリコール)6重量部に変えて、(c−5)2−ヒドロキシエチルメタクリレート;共栄社化学製 ライトエステルHO−250(N)4重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして(A−9)水酸基変性ポリプロピレン系樹脂のペレットを得た。
前記方法で測定した結果、(A−9)の1%重量減少温度は270℃であり、MFRは200g/10分であった。
(A−9)を用いた場合の180°引き剥がし接着強度は、15N/15mmであった。また、フィルム作製時のアウトガス評価において異臭が感じられ、得られたフィルムに異物は目視で観察された。
(比較例4)
実施例1において、(c−1)エチレングリコールモノアリルエーテル(日本乳化剤製:アリルグリコール)6重量部に変えて、16重量部を用いて、脱揮工程の減圧度を76mmHgに変えて、150mmHgにした以外は、実施例1と同様にして(A−10)水酸基変性ポリプロピレン系樹脂のペレットを得た。
前記方法で測定した結果、(A−10)の1%重量減少温度は298℃であり、MFRは14g/10分であった。
(A−10)を用いた場合の180°引き剥がし接着強度は、10N/15mmであった。また、フィルム作製時のアウトガス評価において異臭が感じられたが、得られたフィルムに異物は目視で観察されなかった。
(比較例5)
実施例1において、(c−1)エチレングリコールモノアリルエーテル(日本乳化剤製:アリルグリコール)6重量部に変えて、(c−6)ポリエチレングリコールモノアリルエーテル(日油製 ユニオックスPKA−5005)6重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして(A−11)水酸基変性ポリプロピレン系樹脂のペレットを得た。
前記方法で測定した結果、(A−11)の1%重量減少温度は302℃であり、MFRは15g/10分であった。
(A−11)を用いた場合の180°引き剥がし接着強度は、2N/15mmであった。また、フィルム作製時のアウトガス評価において異臭は感じられず、得られたフィルムに異物は目視で観察されなかった。
表1に、実施例1〜6および比較例1〜5について、(A)水酸基変性ポリプロピレン系樹脂の製造処方、脱揮工程での減圧度、(A)の物性および評価に関する結果をまとめた。
Figure 2018044109

Claims (3)

  1. 下記の一般式(1)で示される化合物の残基を有する水酸基変性ポリプロピレン系樹脂であり、その1%重量減少温度が300℃以上である水酸基変性ポリプロピレン系樹脂。

    Figure 2018044109
    (一般式(1)中、Rは炭素数2〜4のアルキル基、mは0あるいは1、nは1〜30の整数である)
  2. 下記の一般式(2)で示される化合物の残基を有する水酸基変性ポリプロピレン系樹脂であり、その1%重量減少温度が300℃以上である水酸基変性ポリプロピレン系樹脂。

    Figure 2018044109
    (一般式(2)中、Rは炭素数2〜4のアルキル基、nは1〜30の整数である)
  3. (a)ポリプロピレン系樹脂100重量部に対し、(b)t−ブチルペルオキシ骨格を含むラジカル重合開始剤0.01〜1.5重量部の存在下で、(c)下記一般式(1)で示される水酸基とラジカル重合性二重結合を同一分子内に有するエーテル化合物0.5〜15重量部を反応させた後、減圧度100mmHg以下の状態で脱揮処理することを特徴とする水酸基変性ポリプロピレン系樹脂の製造方法。
    Figure 2018044109
    (一般式(1)中、Rは炭素数2〜4のアルキル基、mは0あるいは1、nは1〜30の整数である)
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