JP2018044092A - 自動洗浄機用洗浄剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温時の泡立ち及び汚れに起因する泡立ちの抑制ができ、業務用自動洗浄機に使用した場合にも泡立ちの抑制ができる自動洗浄機用洗浄剤組成物の提供。【解決手段】(a)特定の多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物及び特定のポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルから選択される少なくとも1種の化合物を合計で0.01〜10質量%及び(b)リバーステトロニック型ブロックポリマー、プルロニック型ブロックポリマー及びテトロニック型ブロックポリマーから選択される少なくとも1種の界面活性剤を合計で0.1〜10質量%含む自動洗浄機用洗浄剤組成物。好ましくは、更にアルカリ剤、キレート剤、可溶化剤、漂白剤、腐食防止剤、除菌剤又は酵素から選択される1種以上と含有する、自動洗浄機用洗剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、自動洗浄機用洗浄剤組成物に関する。
ホテル、レストラン等においては、作業の効率化、衛生管理などの観点から、使用後の食器又は調理器具の洗浄に自動食器洗浄機等の自動洗浄機が用いられている。また、一般家庭においても、近年急速に自動洗浄機が普及している。自動洗浄機に用いられる洗浄剤組成物に求められる性能として、洗浄力が高いことに加えて、泡立ちが少ないこと(低泡性)が挙げられる。
特許文献1には、低泡性の自動食器洗浄機用の洗浄剤組成物として、(a)非イオン界面活性剤0.1〜5質量%、(b)ポリプロピレングリコール0.1〜10質量%等を含有し、全界面活性剤濃度が10質量%以下であって、粘度1000〜4000mPa・sの液状洗浄剤組成物が開示されている。特許文献2には、特定構造の非イオン界面活性剤(a)と、オキシプロピレン基の平均縮合度が10〜90であるポリオキシプロピレン(b)とを合計で0.1〜20重量%含有し、且つ(a)と(b)の重量比が(a)/(b)=1/2〜1/1である自動食器洗浄機用洗浄剤組成物が開示されている。特許文献3には、オキシプロピレン基の平均縮合度が30〜90であるポリオキシプロピレンを含有する自動食器洗浄機用洗浄剤組成物が開示されている。
特許第5064045号公報 特許第3413351号公報 特許第2931571号公報
自動洗浄機は、高温(例えば、40〜70℃)の洗浄液を噴射して食器等の汚れを落とすタイプのものが主流であるが、自動洗浄機の立ち上げ(運転開始)時には、洗浄液の水温は室温程度の低温である場合が多い。このように洗浄液の温度が低い場合(低温時)には、自動洗浄機用洗浄剤組成物に含まれる界面活性剤等の成分が泡立ち易い。また、洗浄液の泡立ちは、洗浄剤組成物に含まれる界面活性剤等の成分に起因するだけでなく、食器等に付着した汚れ(食品残渣等)から持ち込まれる物質によっても発生する。例えば、油汚れ、タンパク質汚れ、デンプン汚れ等の食品由来の汚れによって、泡立ちが引き起こされる。特に激しい泡立ちを引き起こすのはタンパク質汚れであり、代表的なものとして卵汚れが挙げられる。特許文献1〜3の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は、このような低温時の泡立ちや、汚れに起因する泡立ちの抑制効果をより向上させる改善の余地があった。
また、業務用自動洗浄機では、通常家庭用自動洗浄機よりも高圧の水流で洗浄を行うため泡立ちも多く、より高い抑泡性が必要とされる。特許文献1〜3の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は、業務用自動洗浄機で使用する場合に抑泡性が不充分であり、抑泡性をより高める改善の余地があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、低温時の泡立ち及び汚れに起因する泡立ちを抑制することができ、業務用自動洗浄機に使用した場合にも泡立ちを抑制することができる自動洗浄機用洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
本発明の自動洗浄機用洗浄剤組成物は、(a)下記一般式(1)で表される多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物及び下記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を合計で0.01〜10質量%、及び、
(b)リバーステトロニック型ブロックポリマー、プルロニック型ブロックポリマー及びテトロニック型ブロックポリマーからなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤を合計で0.1〜10質量%含むことを特徴とする。
Figure 2018044092
(式中、Rは、炭素数3〜20の3〜8価の多価アルコールから全部の水酸基を除いた残基を表し、AOは、同一又は異なって、炭素数3又は4のオキシアルキレン基を表し、nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、2〜1000の数であり、mは、3〜8の整数を表し、m個の〔−O―(AO)n−H〕は同一であってもよく、異なっていてもよい。)
Figure 2018044092
(式中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基を表し、AOは、同一又は異なって、炭素数3又は4のオキシアルキレン基を表し、tは、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、2〜100の数である。)
本明細書中、洗浄剤組成物の各成分の含量(質量%)は、特に断らない場合には洗浄剤組成物に対する(洗浄剤組成物中の)純分の含量である。
本発明の自動洗浄機用洗浄剤組成物(以下、単に本発明の洗浄剤組成物ともいう)は、(a)一般式(1)で表される多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物及び一般式(2)で表されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種の化合物(以下、成分(a)ともいう)を合計で0.01〜10質量%、及び、(b)リバーステトロニック型ブロックポリマー、プルロニック型ブロックポリマー及びテトロニック型ブロックポリマーからなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤(以下、成分(b)ともいう)を合計で0.1〜10質量%含む。本発明の洗浄剤組成物は、成分(a)及び(b)を上記量含むことにより、優れた抑泡性及び洗浄力を発揮することができるものである。このため、低温時及び食品残渣等の汚れの存在下において優れた抑泡性を発揮することができる。また、洗浄剤組成物を業務用自動洗浄機で使用する場合でも、泡立ちを抑制することができる。特に、成分(a)を上記量含むことにより、低温時の泡立ちを抑制することができ、自動洗浄機による食器等の洗浄において、例えば洗浄機の立ち上げ時に洗浄液が低温であっても、低温〜洗浄温度の温度範囲において、洗浄液の泡立ちを抑制することができる。また、成分(b)を上記量含むことにより、汚れに起因する泡立ちを抑制することができ、汚れが多量に存在する場合でも高い抑泡性を示す。さらに、本発明の洗浄剤組成物は、成分(a)及び成分(b)を上記量含むことにより、洗浄力が高いものである。
洗浄液とは、自動洗浄機用洗浄剤組成物を水で希釈した又は水に溶解させた洗浄剤水溶液を意味する。
本発明における低温時とは、例えば、洗浄液温度が40℃未満の場合が挙げられ、好ましくは洗浄液温度が10〜30℃、より好ましくは洗浄液温度が10〜20℃の場合である。本発明の洗浄剤組成物は、このような低温時において高い抑泡性を発揮することができる。
本発明においては、上記一般式(2)において、Rが炭素数1〜20のアルキル基を表すことが好ましい。上記ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルが、このようなポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルであると、低温時の抑泡性がより向上する。
本発明においては、上記一般式(2)において、Rが炭素数3〜15のアルキル基を表し、上記AOがオキシプロピレン基を表し、tが、2〜60の数であることがより好ましい。
ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルが、このようなポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルであると、低温時の抑泡性をさらに向上させることができる。
上記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルは、さらに好ましくはポリオキシプロピレントリデシルエーテルである。ポリオキシプロピレントリデシルエーテルを含むと、低温時の抑泡性をさらに向上することができる。
上記一般式(1)においては、Rが炭素数3〜5の3価の脂肪族アルコールから全部の水酸基を除いた残基を表し、AOがオキシプロピレン基を表し、nが2〜250の数であり、mが3であることが好ましい。
成分(a)における多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物がこのような3価の脂肪族アルコールのプロピレンオキサイド付加物であると、低温時の抑泡性がより向上する。
本発明の洗浄剤組成物は、さらに、アルカリ剤、キレート剤、可溶化剤、漂白剤、腐食防止剤、除菌剤及び酵素からなる群より選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
洗浄剤組成物が成分(a)及び成分(b)に加えて上記の成分の少なくとも1種を含有すると、洗浄力等がより向上するため好ましい。
本発明の自動洗浄機用洗浄剤組成物は、自動食器洗浄機用又はコンテナ洗浄機用の洗浄剤組成物として好適である。
本発明によれば、低温時の泡立ち及び汚れに起因する泡立ちを抑制することができ、業務用自動洗浄機に使用した場合にも泡立ちを抑制することができる自動洗浄機用洗浄剤組成物が提供される。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
本発明の自動洗浄機用洗浄剤組成物は、(a)下記一般式(1)で表される多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物及び下記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を合計で0.01〜10質量%、及び、(b)リバーステトロニック型ブロックポリマー、プルロニック型ブロックポリマー及びテトロニック型ブロックポリマーからなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤を合計で0.1〜10質量%含むことを特徴とする。
Figure 2018044092
(式中、Rは、炭素数3〜20の3〜8価の多価アルコールから全部の水酸基を除いた残基を表し、AOは、同一又は異なって、炭素数3又は4のオキシアルキレン基を表し、nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、2〜1000の数であり、mは、3〜8の整数を表し、m個の〔−O―(AO)n−H〕は同一であってもよく、異なっていてもよい。)
Figure 2018044092
(式中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基を表し、AOは、同一又は異なって、炭素数3又は4のオキシアルキレン基を表し、tは、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、2〜100の数である。)
上記成分(a)は、一般式(1)で表される多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物及び下記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種の化合物である。成分(a)として、これらの化合物を1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
成分(a)を上記量含むことにより、優れた抑泡性を発揮することができる。特に低温時の抑泡性が向上し、自動洗浄機の立ち上がり時の泡立ちを抑制することができる。また、洗浄剤組成物を業務用自動洗浄機に使用した場合にも泡立ちを抑制することができる。
上記一般式(1)におけるRは、炭素数3〜20の3〜8価の多価アルコールから全部の水酸基を除いた残基を表す。炭素数3〜20の3〜8価の多価アルコールとして、例えば、グリセロール(グリセリン)、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、1,3,5−シクロヘキサントリオール、ペンタメチルグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価のアルコール;テトラメチロールメタン(ペンタエリスリトール)、ジグリセリンなどの4価のアルコール;アラビトール、ガラクトース、キシリトール、グルコース、フルクトース、マンノース、アロース、グロース、イドース、タロース等の5価のアルコール;ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、イノシトール等の6価のアルコール;ペルセイトールの7価のアルコール;スクロース、マルトース、ラクトース等の8価のアルコール等の多価の脂肪族アルコール等が挙げられる。中でも、炭素数3〜20の3〜6価の多価アルコールが好ましく、炭素数3〜10の3〜6価の多価アルコールがより好ましく、例えば、グリセロール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンがさらに好ましい。中でも、炭素数3〜5の3価の脂肪族アルコールが特に好ましく、グリセロールが最も好ましい。
Oで表される炭素数3又は4のオキシアルキレン基は、オキシプロピレン基、オキシブチレン基である。AOは、オキシプロピレン基を含むことが好ましく、全オキシアルキレン基中のオキシプロピレン基の割合は、50モル%以上であることが好ましく、80モル%以上であることがより好ましく、95モル%以上がさらに好ましい。特に好ましくは、AOはオキシプロピレン基である。
Oとしてオキシプロピレン基及びオキシブチレン基を有する場合、これらの付加形式は、ランダム状でもよく、ブロック状でもよい。
一般式(1)において、nは、好ましくは2〜250であり、より好ましくは2〜200であり、さらに好ましくは2〜100であり、よりさらに好ましくは10〜100であり、特に好ましくは15〜100であり、最も好ましくは15〜70である。
mは、好ましくは3〜6であり、より好ましくは3〜5であり、さらに好ましくは3である。
また、一般式(1)で表される多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物は、1分子あたりのオキシアルキレン基の平均付加モル数(n×m)が、10〜300であることが好ましく、より好ましくは40〜150である。
一般式(1)で表される多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物の質量平均分子量は、250〜40000であることが好ましく、500〜10000であることがより好ましい。
質量平均分子量は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を展開溶媒とし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーでポリエチレングリコール(PEG)を標準物質として求められる。
成分(a)における多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物の好ましい態様の一例は、一般式(1)において、Rが炭素数3〜5の3価の脂肪族アルコールから全部の水酸基を除いた残基を表し、AOがオキシプロピレン基を表し、nが2〜250の数であり、mが3である化合物である。多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物は、より好ましくは、一般式(1)において、Rが、グリセロールから全部の水酸基を除いた残基を表し、AOが、オキシプロピレン基を表し、nが、10〜200(好ましくは、15〜100)の数であり、mが、3を表す化合物である。3個の〔−O―(AO)n−H〕は同一であってもよく、異なっていてもよい。
また、多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物として、一般式(1)において、Rが、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール又はソルビトールから全部の水酸基を除いた残基を表し、AOが、オキシプロピレン基を表し、nが、5〜50(好ましくは、8〜30)の数であり、mが、3、4又は6を表す化合物も好ましい。この場合、m個の〔−O―(AO)n−H〕は同一であってもよく、異なっていてもよい。
多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物としてこのような化合物を含むと、低温時の抑泡性をより向上させることができる。このため自動洗浄機の立ち上がり時の泡立ちをより充分に抑制することができる。
本発明における成分(a)は、一般式(2)で表されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルであることが好ましい。
上記一般式(2)におけるRは、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基を表し、AOは、同一又は異なって、炭素数3又は4のオキシアルキレン基を表し、tは、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、2〜100の数である。
一般式(2)において、Rは、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基である。本発明におけるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルは、一般式(2)において、Rが、炭素数1〜20のアルキル基を表すポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルであることが好ましい。
炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、s−ヘキシル基、t−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、s−ヘプチル基、t−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基、s−オクチル基、t−オクチル基、イソオクチル基、2−エチルへキシル基、3−エチルへキシル基、n−ノニル基、s−ノニル基、t−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、s−デシル基、t−デシル基、イソデシル基、n−ウンデシル基、s−ウンデシル基、t−ウンデシル基、イソウンデシル基、n−ドデシル基、s−ドデシル基、t−ドデシル基、イソドデシル基、n−トリデシル基、s−トリデシル基、t−トリデシル基、イソトリデシル基、n−テトラデシル基、s−テトラデシル基、t−テトラデシル基、イソテトラデシル基、n−ペンタデシル基、s−ペンタデシル基、t−ペンタデシル基、イソペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、s−ヘキサデシル基、t−ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、s−ヘプタデシル基、t−ヘプタデシル基、イソヘプタデシル基、n−オクタデシル基、s−オクタデシル基、t−オクタデシル基、イソオクタデシル基等の直鎖又は分岐鎖アルキル基が挙げられる。中でも、炭素数3〜15のアルキル基が好ましく、炭素数4〜15のアルキル基がより好ましく、炭素数12〜15のアルキル基がさらに好ましく、炭素数13のアルキル基が特に好ましい。また、アルキル基は、分岐鎖アルキル基が好ましい。
炭素数2〜20のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基等の直鎖又は分岐鎖アルケニル基が挙げられる。中でも、炭素数4〜15のアルケニル基が好ましく、例えば、2−ブテニル基、3−ブテニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基が好ましく、炭素数5〜15のアルケニル基がより好ましく、トリデセニル基が特に好ましい。
Oで表される炭素数3又は4のオキシアルキレン基は、オキシプロピレン基、オキシブチレン基である。AOは、オキシプロピレン基を含むことが好ましく、全オキシアルキレン基中のオキシプロピレン基の割合は、50モル%以上であることが好ましく、80モル%以上であることがより好ましく、95モル%以上がさらに好ましい。特に好ましくは、AOはオキシプロピレン基である。
Oとしてオキシプロピレン基及びオキシブチレン基を有する場合、これらの付加形式は、ランダム状でもよく、ブロック状でもよい。
tは、好ましくは2〜60であり、より好ましくは2〜55であり、さらに好ましくは2〜10である。
一般式(2)で表されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルの質量平均分子量は、150〜5000であることが好ましく、250〜4000であることがより好ましい。
上記質量平均分子量は、DMFを展開溶媒とし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーでPEGを標準物質として求められる。
一般式(2)の好ましい態様の一例として、Rが炭素数3〜15のアルキル基を表し、AOがオキシプロピレン基を表し、tが、2〜60の数であることが挙げられる。より好ましくは、一般式(2)において、Rが炭素数4〜15(より好ましくは炭素数12〜15)のアルキル基を表し、AOがオキシプロピレン基を表し、tが、2〜60の数である。ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルがこのような化合物であると、低温時の抑泡性をより向上させることができる。
本発明においては、上記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルが、Rが炭素数12〜15のアルキル基であるポリオキシプロピレンモノアルキルエーテルであることが好ましく、ポリオキシプロピレントリデシルエーテルであることが特に好ましい。ポリオキシプロピレントリデシルエーテルを含有すると、低温時の抑泡性が特に良好であるため好ましい。Rが炭素数12〜15のアルキル基であるポリオキシプロピレンモノアルキルエーテル(好ましくはポリオキシプロピレントリデシルエーテル)は、好ましくはオキシプロピレン基の平均付加モル数(t)が2〜50(より好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜8)である。
本発明の洗浄剤組成物は、成分(a)を0.01〜10質量%含有する。成分(a)の含量が上記範囲であると、低温時の抑泡性が良好となる。成分(a)が10質量%を超えると、洗浄作用が低下する場合がある。成分(a)の含有量は、低温時の抑泡性がより良好となることから、好ましくは0.01〜8質量%であり、より好ましく0.1〜5質量%である。成分(a)に2種以上の化合物が含まれる場合、上記含有量は、それらの合計として定める。
本発明における成分(b)は、リバーステトロニック型ブロックポリマー、プルロニック型ブロックポリマー及びテトロニック型ブロックポリマーからなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤である。これらの界面活性剤をそれぞれ1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、成分(b)はリバーステトロニック型ブロックポリマーを含むことが好ましく、成分(b)としては、リバーステトロニック型ブロックポリマーが特に好ましい。
リバーステトロニック型ブロックポリマーの質量平均分子量は、好ましくは1000〜6000であり、より好ましくは3000〜5000である。
プルロニック型ブロックポリマーの質量平均分子量は、好ましくは1000〜6000であり、より好ましくは1000〜4000である。
テトロニック型ブロックポリマーの質量平均分子量は、好ましくは1000〜6000であり、より好ましくは1500〜4000である。
質量平均分子量が上記範囲であると、汚れ存在下での抑泡性がより向上する。
上記質量平均分子量は、DMFを展開溶媒とし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーでPEGを標準物質として求められる。
上記リバーステトロニック型ブロックポリマー中のオキシエチレン基(EO)とオキシプロピレン基(PO)のモル比(EO/PO)は1/0.5〜1/10であることが好ましく、1/0.5〜1/5であることがより好ましく、1/1〜1/3がさらに好ましい。
プルロニック型ブロックポリマー中のEOとPOのモル比(EO/PO)は1/0.5〜1/15であることが好ましく、1/2〜1/12であることがより好ましく、1/4〜1/9がさらに好ましい。テトロニック型ブロックポリマー型ブロックポリマー中のEOとPOのモル比(EO/PO)は1/0.5〜1/15であることが好ましく、1/2〜1/12であることがより好ましく、1/4〜1/9がさらに好ましい。
成分(b)としてEO/POのモル比が上記割合であるリバーステトロニック型ブロックポリマー、プルロニック型ブロックポリマー及びテトロニック型ブロックポリマーを1種又は2種以上を含むと、汚れ存在下での抑泡性がより向上するため好ましい。
本発明の洗浄剤組成物は、成分(b)を0.1〜10質量%含有する。成分(b)を上記量含むことにより、優れた抑泡性を発揮することができる。特に、汚れ存在下での抑泡性が向上し、洗浄液中に汚れが多量に存在する場合でも泡立ちを抑制することができる。また、洗浄剤組成物を業務用自動洗浄機に使用した場合にも泡立ちを抑制することができる。さらに、成分(b)を上記量含むことにより、高い洗浄力を発揮することができる。成分(b)の含有量は、好ましくは0.5〜10質量%であり、より好ましく1〜10質量%であり、さらに好ましくは1〜8質量%である。成分(b)に2種以上の化合物が含まれる場合、上記含有量は、それらの合計として定める。
本発明の洗浄剤組成物は、本発明の効果を損なわない限り、成分(a)及び成分(b)以外の成分を含んでもよい。
例えば、本発明の洗浄剤組成物は、さらに、アルカリ剤、キレート剤、可溶化剤、漂白剤、腐食防止剤、除菌剤及び酵素からなる群より選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。これらはそれぞれ1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
洗浄剤組成物がアルカリ剤を含有すると、洗浄力が向上するため好ましい。
アルカリ剤としては、水溶性のアルカリ剤であればよく、例えば、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を用いることができる。アルカリ金属塩としては、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のリン酸塩、アルカリ金属の炭酸塩及びケイ酸のアルカリ金属塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物が好ましく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;リン酸三ナトリウム等のアルカリ金属のリン酸塩;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;ケイ酸ナトリウム(メタケイ酸ナトリウム、セスキケイ酸ナトリウム、オルソケイ酸ナトリウム、ケイ酸ソーダ1号、ケイ酸ソーダ2号、ケイ酸ソーダ3号、ケイ酸ソーダ4号)、ケイ酸カリウム(メタケイ酸カリウム、セスキケイ酸カリウム、オルソケイ酸カリウム)等のケイ酸のアルカリ金属塩が好ましい。これらのアルカリ剤は、水和物となっていてもよい。中でも、アルカリ金属の水酸化物、ケイ酸のアルカリ金属塩がより好ましく、ケイ酸のアルカリ金属塩がさらに好ましい。なお、後記するキレート剤として例示される化合物は、本発明におけるアルカリ剤には含まれない。
洗浄剤組成物がアルカリ剤を含有する場合、アルカリ剤の含有量は、洗浄剤組成物に対して5〜85質量%であることが好ましい。アルカリ剤の含有量が上記範囲であると、洗浄力がより高くなる。上記アルカリ剤の含有量は、好ましくは10〜50質量%である。アルカリ剤が2種以上含まれる場合、上記含有量は、各アルカリ剤の含有量の合計として定める。
洗浄剤組成物がキレート剤を含有すると、洗浄力がより高くなるため好ましい。
キレート剤としては、アミノカルボン酸系、ヒドロキシカルボン酸系、リン酸系、エーテルカルボン酸塩、ホスホン酸系等のキレート剤が挙げられる。後記する質量平均分子量3000〜300000の高分子分散剤として例示されるポリアクリル酸ナトリウム等の化合物は、本発明におけるキレート剤には含まれない。
上記アミノカルボン酸系のキレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、グルタミン酸二酢酸(GLDA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、1,3−プロパンジアミン四酢酸(PDTA)、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン六酢酸(DPTA−OH)、アスパラギン酸二酢酸(ASDA)、エチレンジアミンコハク酸(EDDS)又はこれらの塩等が挙げられる。
上記ヒドロキシカルボン酸系のキレート剤としては、例えば、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、グルコン酸又はこれらの塩が挙げられる。
上記リン酸系のキレート剤としては、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸塩等が挙げられる。
上記ホスホン酸系のキレート剤としては、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸(HEDP)、ニトリロトリスメチレンホスホン酸(NTMP)、ホスホノブタントリカルボン酸(PBTC)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(EDTMP)又はこれらの塩等が挙げられる。
上記キレート剤における塩としては、例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属の塩;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属の塩を挙げることができる。中でも、アルカリ金属の塩が好ましく、ナトリウム塩又はカリウム塩がより好ましい。
本発明におけるキレート剤としては、アミノカルボン酸系、ホスホン酸系等のキレート剤が好ましく、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、メチルグリシン二酢酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ホスホノブタントリカルボン酸又はこれらの塩等がより好ましく、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、メチルグリシン二酢酸又はこれらの塩がさらに好ましい。
洗浄剤組成物がキレート剤を含有する場合、キレート剤の含有量は、洗浄剤組成物に対して5〜85質量%であることが好ましい。キレート剤が5質量%未満であると、スケールの発生が問題となる場合がある。キレート剤が85質量%を超えると、洗浄力が低くなる場合がある。上記キレート剤の含有量は、好ましくは30〜50質量%である。キレート剤が2種以上含まれる場合、上記含有量は、各キレート剤の含有量の合計として定める。
洗浄剤組成物が可溶化剤を含有すると、液体の場合、保管安定性が向上するため好ましい。
可溶化剤としては、例えば、芳香族酸又はその塩、カルボン酸又はその塩、アルキルポリグルコシド等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族酸としては、キシレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、クメンスルホン酸、安息香酸等が挙げられる。
カルボン酸としては、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、オクチル酸、カプリル酸等が挙げられる。
塩としては、例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属や、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類等の塩を挙げることができ、中でも、ナトリウム塩が好ましい。
アルキルポリグルコシドとして、ブチルポリグルコシド等が挙げられる。
中でも、可溶化剤として、オクチル酸、カプリル酸及びブチルポリグルコシドの1種又は2種以上が好ましい。
洗浄剤組成物が可溶化剤を含有する場合、可溶化剤の含有量は、洗浄剤組成物に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、1〜8質量%であることがより好ましく、1〜5質量%がさらに好ましい。可溶化剤が2種以上含まれる場合、上記含有量は、各可溶化剤の含有量の合計として定める。
洗浄剤組成物が漂白剤を含有すると、洗浄力、除菌効果、脱臭作用及び漂白作用が向上する。
漂白剤として、例えば、塩素化イソシアヌル酸塩(塩素化イソシアヌル酸ナトリウム(ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム)、塩素化イソシアヌル酸カリウム(ジクロロイソシアヌル酸カリウム)等)、トリクロロイソシアヌル酸、次亜塩素酸塩(次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウム等)等の塩素系漂白剤が挙げられる。これらの漂白剤は1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、これらの漂白剤は、水和物であってもよい。中でも、漂白剤として、塩素化イソシアヌル酸塩、次亜塩素酸塩が好ましく、塩素化イソシアヌル酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウムがより好ましい。
洗浄剤組成物が漂白剤を含有する場合、漂白剤の含有量は、洗浄剤組成物に対して0.1〜20質量%が好ましい。漂白剤が0.1質量%未満であると、漂白剤を添加することによる得られる洗浄力と除菌効果、脱臭作用又は漂白作用の向上が充分でない場合がある。漂白剤が20質量%を超えると、例えば漂白剤が塩素系漂白剤の場合に塩素臭が問題となる場合がある。漂白剤の含有量は、好ましくは2〜10質量%である。漂白剤が2種以上含まれる場合、上記含有量は、各漂白剤の含有量の合計として定める。
洗浄剤組成物が腐食防止剤を含有すると、洗浄剤組成物の腐食防止作用(防食作用)が向上する。
腐食防止剤としては、アルミニウム、銅又は銅合金に対する腐食防止剤を用いることが好ましい。このような腐食防止剤として、例えば、ベンゾトリアゾール又はその誘導体(例えば、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、5−ドデシルベンゾトリアゾール、5−オクチルベンゾトリアゾール、5−ヘキシルベンゾトリアゾール、5−ブチルベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、4−カルボキシベンゾトリアゾール、5−カルボキシベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾールメチルエステル、カルボキシベンゾトリアゾールブチルエステル、カルボキシベンゾトリアゾールヘキシルエステル、ベンゾトリアゾールオクチルエステル、ジカルボキシプロピルベンゾトリアゾール等)、ベンゾイミダゾール又はその誘導体(例えば、ベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、チアゾリルベンゾイミダゾール、チアベンダゾール等)、ベンゾチアゾール又はその誘導体(例えば、ベンゾチアゾール、2−メチルベンゾチアゾール、2−アミノベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール等)を好適に使用することができる。中でも、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾールが好ましく、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾールがより好ましい。
洗浄剤組成物が腐食防止剤を含有する場合、腐食防止剤の含有量は、洗浄剤組成物に対して0.001〜5質量%が好ましい。腐食防止剤が0.001質量%未満であると、充分な腐食防止作用を発揮できない場合がある。腐食防止剤が5質量%を超えると、腐食防止剤特有の臭いの影響が強くなる場合がある。上記腐食防止剤の含有量は、好ましくは0.1〜2質量%である。腐食防止剤が2種以上含まれる場合、上記含有量は、各腐食防止剤の含有量の合計として定める。
洗浄剤組成物が除菌剤を含有すると、除菌効果が向上する。
除菌剤としては、例えば、N,N’,N’’−トリス(ヒドロキシエチル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン、4,4−ジメチルオキサゾリジン、2−オクチル4−イソチアゾリン−3―オン、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、塩化ベンゼトニウム、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルピリジニウムクロライド、塩化アルキルジメチルヒドロキシアンモニウム、塩化アルキルジメチルヒドロキシアンモニウム、4,4’−(テトラメチレンジカルボニルアミノ)ビス(1―デシルピリジニウムブロマイド)、グルコン酸クロルヘキシジン、クロルヘキシジン塩酸塩、ポリヘキサメチレンビグアナイド塩酸塩、ピリジン−2−チオール−1−オキシドナトリウム、イソプロピルメチルフェノール、2,4,4’−トリクロロ―2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、アルキルポリアミノエチルグリシン、ソルビン酸、安息香酸、プロピオン酸、アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。中でも、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロライド等が好ましい。
洗浄剤組成物が除菌剤を含有する場合、除菌剤の含有量は、洗浄剤組成物に対して0.1〜30質量%が好ましく、0.1〜15質量%がより好ましい。除菌剤が2種以上含まれる場合、上記含有量は、各除菌剤の含有量の合計として定める。
洗浄剤組成物が酵素を含有すると、洗浄力が向上する。
酵素として、例えば、プロテアーゼ、エステラーゼ、リパーゼ、ヌクレアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ及びペクチナーゼ等が挙げられる。これらの酵素が含まれていると、酵素の機能により洗浄力が向上する。中でも、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼが好ましい。
プロテアーゼとして使用できる市販の酵素として、例えば、アルカラーゼ、サビナーゼ、エバラーゼ、カンナーゼ、エスペラーゼ、オボザイム(ノボザイムズジャパン(株))、プラフェクト、プロペラーゼ、プラフェクトOX(ジェネンコア・インターナショナル社)等が挙げられる。
アミラーゼとして使用できる市販の酵素として、例えば、ラピダーゼ(ギスト−ブロカーズ社)、ターマミル、デュラミル、ステインザイム(ノボノルディスクバイオインダストリー(株))、プラスターST、プラスターOxAm(ジェネンコア・インターナショナル社)等が挙げられる。
リパーゼとして使用できる市販の酵素として、例えば、エンチロンAKG−2000(洛東化成工業(株))、リポザイム(ノボザイムズジャパン(株))等が挙げられる。
洗浄剤組成物が酵素を含有する場合、酵素の含有量は、洗浄剤組成物に対して、酵素タンパク質量として0.1〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。酵素が2種以上含まれる場合、上記含有量は、各酵素の含有量の合計として定める。
本発明の洗浄剤組成物に酵素及びアルカリ剤を配合する場合、アルカリ剤を含有する中性〜弱アルカリ性水溶液中での酵素失活を抑制するため、酵素安定化剤を配合することが好ましい。酵素安定化剤としては、ホウ酸又はホウ酸を形成することが可能なホウ素化合物、水溶性カルシウム塩から選択される1種以上を配合することが好ましい。酵素安定化剤の配合量は、洗浄剤組成物に対して0.001〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜8質量%、さらに好ましくは1〜5質量%である。
本発明の洗浄剤組成物は、質量平均分子量3000〜300000の高分子分散剤を含有してもよい。このような高分子分散剤を含有すると、スケール防止能が向上する。高分子分散剤は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記質量平均分子量3000〜300000の高分子分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリアコニット酸、ポリイタコン酸、ポリシトラコン酸、ポリフマル酸、ポリマレイン酸、ポリメタコン酸、ポリ−α−ヒドロキシアクリル酸、ポリビニルホスホン酸、スルホン化ポリマレイン酸、オレフィン−マレイン酸共重合体、無水マレイン酸ジイソブチレン共重合体、無水マレイン酸スチレン共重合体、無水マレイン酸メチルビニルエーテル共重合体、無水マレイン酸エチレン共重合体、無水マレイン酸エチレンクロスリンク共重合体、無水マレイン酸アクリル酸共重合体、無水マレイン酸酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸アクリロニトリル共重合体、無水マレイン酸アクリル酸エステル共重合体、無水マレイン酸ブタジエン共重合体、無水マレイン酸イソプレン共重合体、無水マレイン酸と一酸化炭素から誘導されるポリ−β−ケトカルボン酸、イタコン酸、エチレン共重合体、イタコン酸アコニット酸共重合体、イタコン酸マレイン酸共重合体、イタコン酸アクリル酸共重合体、マロン酸メチレン共重合体、イタコン酸フマール酸共重合体、エチレングリコールエチレンテレフタレート共重合体、ビニルピロリドン酢酸ビニル共重合体、これらの金属塩等が挙げられる。
金属塩としては、例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属の塩;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属の塩を挙げることができる。中でも、アルカリ金属の塩が好ましく、ナトリウム塩又はカリウム塩がより好ましい。
本発明における質量平均分子量3000〜300000の高分子分散剤としては、ポリアクリル酸塩、オレフィン−マレイン酸共重合体の塩が好ましく、ポリアクリル酸ナトリウム、オレフィン−マレイン酸共重合体のナトリウム塩がより好ましい。
洗浄剤組成物が質量平均分子量3000〜300000の高分子分散剤を含有する場合、その含有量は、洗浄剤組成物に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。質量平均分子量3000〜300000の高分子分散剤が2種以上含まれる場合、上記含有量は、各高分子分散剤の含有量の合計として定める。
上記質量平均分子量は、リン酸緩衝溶液とアセトニトリルを展開溶媒とし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーでポリアクリル酸を標準物質として求められる。
本発明の洗浄剤組成物には、本発明の効果を損なわない限り、成分(b)以外の界面活性剤(以下、その他の界面活性剤という)を使用してもよい。なお、上記成分(a)は、本発明における界面活性剤には含まれない。
その他の界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤等を使用することができ、好ましくは非イオン界面活性剤である。非イオン界面活性剤として、例えば、ポリオキシアルキレンジアルキルエーテル、リバースプルロニック型ブロックポリマー、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシアルキレン脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、ポリオキシエチレンメチルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン等が挙げられる。
洗浄剤組成物が成分(b)以外の界面活性剤を含有する場合、その含有量は、洗浄剤組成物に対して10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下がより好ましく、実質的に成分(b)以外の界面活性剤を含有しないことが最も好ましい。
本発明の洗浄剤組成物は、必要に応じて溶媒、増量剤等の洗浄剤組成物に配合される他の成分を含有してもよい。また、必要に応じて、成分(a)及び成分(b)に加えて消泡剤を含有してもよい。これらは1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記溶媒としては、水、有機溶媒等が挙げられる。有機溶媒としては、1〜3価のアルコールを好適に用いることができ、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール等の1価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の2価又は3価の多価アルコール類等が挙げられる。中でも、2価又は3価の多価アルコールが好ましく、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオールがより好ましい。
上記増量剤としては、硫酸ナトリウム(芒硝)、粉末シリカ等が挙げられる。
上記消泡剤としては、シリコーン系消泡剤等が挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物の剤形は、液体、固体(粉末、顆粒(粒状)、錠剤、タブレット、フレーク又はブロック等)のいずれでもよい。好ましくは、液体及び固体である。また、本発明の洗浄剤組成物は、カートリッジ洗浄剤等にも好適に使用される。
本発明の洗浄剤組成物の製造方法は特に限定されず、剤形に応じて適宜選択すればよい。例えば、成分(a)及び成分(b)、並びに、所望により配合される他の成分を混合又は撹拌等することにより製造することができる。各成分を混合する順番、混合又は撹拌の方法等は特に限定されない。
例えば、ブロックなどの固形体の洗浄剤組成物を製造する際には、例えば、まず、水及び水以外の洗浄剤組成物の原料を撹拌混合し、スラリー液を調製した後、上記スラリー液を所望の型又は容器等に投入し、冷却して固化させることが好ましい。
具体的には、まず、水に水以外の洗浄剤組成物の原料を加えた後、30〜100℃に維持し、攪拌することにより、水及び洗浄剤組成物の原料を含むスラリー液を調製する。
水以外の洗浄剤組成物の原料の投入量は、上記スラリー液の全量に対して35〜100質量%が好ましい。
次に、上記スラリー液を所望の型又は容器に投入し、その後、上記スラリー液を常温で1〜24時間放置して固化させ、型又は容器の形状に固化された固形体からなる洗浄剤組成物を製造する。
顆粒状(粒状)の洗浄剤組成物を製造する際には、洗浄剤組成物の原料となる成分(a)及び成分(b)、並びに、所望により配合される他の成分の粒状原料を混合すればよい。混合にはリボンミキサー、ナウターミキサー、ドラムミキサーが好適に用いられる。
また、粉末状の洗浄剤組成物を製造する際には、洗浄剤組成物の原料となる成分(a)及び成分(b)、並びに、所望により配合される他の成分の粉状原料を混合すればよい。混合にはリボンミキサー、ナウターミキサー、ドラムミキサーが好適に用いられる。
液体の洗浄剤組成物の製造方法は特に限定されず、任意の成分を混合又は攪拌等をすることにより製造することができる。各成分を混合する順番、混合又は攪拌の方法等は特に限定されない。
本発明の自動洗浄機用洗浄剤組成物が使用される自動洗浄機は特に限定されないが、例えば、スプレー式自動洗浄機等が挙げられる。スプレー式自動洗浄機として、例えば、自動食器洗浄機、コンテナ洗浄機等が挙げられる。コンテナとして、食品等の運搬に使用されるプラスチック製コンテナが挙げられる。中でも、本発明の洗浄剤組成物は、自動食器洗浄機用又はコンテナ洗浄機用の洗浄剤組成物として好適に使用され、自動食器洗浄機用洗浄剤組成物としてより好適に使用される。また、本発明の洗浄剤組成物は、業務用又は家庭用の自動洗浄機用として好適に使用されるが、業務用自動洗浄機用としてより好適であり、業務用の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物として特に好適である。
本発明の自動洗浄機用洗浄剤組成物を用いて自動洗浄機により食器等を洗浄する場合には、自動洗浄機中で、上記洗浄剤組成物を水で希釈した又は水に溶解させた洗浄液と食器等とを接触させればよく、該洗浄液中の洗浄剤組成物の濃度は0.04〜0.3質量%が好ましい。
本発明の別の態様として、上述した本発明の洗浄剤組成物(以下、本発明の第一の洗浄剤組成物ともいう)において、成分(b)にかえて、(b’)リバースプルロニック型ブロックポリマー(以下、成分(b’)ともいう)を使用することもできる。本発明の別の態様の一例として、下記の自動洗浄機用洗浄剤組成物も挙げられる。下記自動洗浄機用洗浄剤組成物を、本発明の第二の洗浄剤組成物ともいう。
<1−1>(a)上記一般式(1)で表される多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物及び上記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を合計で0.01〜10質量%、及び、(b’)リバースプルロニック型ブロックポリマーを0.1〜10質量%含むことを特徴とする自動洗浄機用洗浄剤組成物。
<1−2>上記一般式(2)において、Rが炭素数1〜20のアルキル基を表す上記<1−1>に記載の自動洗浄機用洗浄剤組成物。
<1−3>上記一般式(2)において、Rが炭素数3〜15のアルキル基を表し、上記AOがオキシプロピレン基を表し、tが2〜60の数である上記<1−1>又は<1−2>に記載の自動洗浄機用洗浄剤組成物。
<1−4>上記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルが、ポリオキシプロピレントリデシルエーテルである上記<1−1>〜<1−3>のいずれかに記載の自動洗浄機用洗浄剤組成物。
<1−5>上記一般式(1)において、Rが炭素数3〜5の3価の脂肪族アルコールから全部の水酸基を除いた残基を表し、AOがオキシプロピレン基を表し、nが2〜250の数であり、mが3である上記<1−1>〜<1−4>のいずれかに記載の自動洗浄機用洗浄剤組成物。
<1−6>上記リバースプルロニック型ブロックポリマー中のオキシエチレン基(EO)とオキシプロピレン基(PO)のモル比(EO/PO)が1/10〜1/2である上記<1−1>〜<1−5>のいずれかに記載の自動洗浄機用洗浄剤組成物。
<1−7>さらに、アルカリ剤、キレート剤、可溶化剤、漂白剤、腐食防止剤、除菌剤及び酵素からなる群より選択される少なくとも1種を含有する上記<1−1>〜<1−6>のいずれかに記載の自動洗浄機用洗浄剤組成物。
<1−8>自動食器洗浄機用又はコンテナ洗浄機用の洗浄剤組成物である上記<1−1>〜<1−7>のいずれかに記載の自動洗浄機用洗浄剤組成物。
<1−9>自動食器洗浄機用洗浄剤組成物である上記<1−1>〜<1−8>のいずれかに記載の自動洗浄機用洗浄剤組成物。
本発明の第二の洗浄剤組成物は、成分(b)の界面活性剤の代わりに(b’)リバースプルロニック型ブロックポリマーを使用する以外は、上述した本発明の第一の洗浄剤組成物と同じである。本発明の第二の洗浄剤組成物も、低温時及び汚れ存在下において優れた抑泡性を発揮することができる。
本発明の第二の洗浄剤組成物は、成分(a)及び(b’)を上記量含むことにより、優れた抑泡性及び洗浄力を発揮することができるものである。このため、低温時及び食品残渣等の汚れの存在下において優れた抑泡性を発揮することができる。また、洗浄剤組成物を業務用自動洗浄機で使用する場合でも、泡立ちを抑制することができる。特に、成分(a)を上記量含むことにより、低温時の泡立ちを抑制することができ、自動洗浄機による食器等の洗浄において、例えば洗浄機の立ち上げ時に洗浄液が低温であっても、低温〜洗浄温度の温度範囲において、洗浄液の泡立ちを抑制することができる。また、成分(b’)を上記量含むことにより、汚れに起因する泡立ちを抑制することができ、汚れが多量に存在する場合でも高い抑泡性を示す。さらに、本発明の洗浄剤組成物は、成分(a)及び成分(b)を上記量含むことにより、洗浄力が高いものである。
本発明における成分(a)及びその好ましい態様は、上述した通りである。成分(b’)のリバースプルロニック型ブロックポリマーは、1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
リバースプロニック型ブロックポリマーの質量平均分子量は、好ましくは1000〜6000であり、より好ましくは2000〜5000である。質量平均分子量が上記範囲であると、汚れ存在下での抑泡性がより向上する。上記質量平均分子量は、DMFを展開溶媒とし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーでPEGを標準物質として求められる。
上記リバースプルロニック型ブロックポリマー中のオキシエチレン基(EO)とオキシプロピレン基(PO)のモル比(EO/PO)は1/10〜1/2であることが好ましく、1/6〜1/2であることがより好ましい。EO/POのモル比が上記割合であるリバースプルロニック型ブロックポリマーを含むと、汚れ存在下での抑泡性がより向上するため好ましい。
本発明の第二の洗浄剤組成物は、成分(b’)を0.1〜10質量%含有する。成分(b’)を上記量含むことにより、優れた抑泡性を発揮することができる。特に、汚れ存在下での抑泡性が向上し、洗浄液中に汚れが多量に存在する場合でも泡立ちを抑制することができる。また、洗浄剤組成物を業務用自動洗浄機に使用した場合にも泡立ちを抑制することができる。さらに、成分(b’)を上記量含むことにより、高い洗浄力を発揮することができる。成分(b’)の含有量は、好ましくは0.5〜10質量%であり、より好ましくは1〜10質量%であり、さらに好ましくは1.5〜8質量%である。成分(b’)に2種以上の化合物が含まれる場合、上記含有量は、それらの合計として定める。
本発明の第二の洗浄剤組成物は、本発明の効果を損なわない限り、成分(a)及び成分(b’)以外の成分を含んでもよい。例えば、上述したアルカリ剤、キレート剤、可溶化剤、漂白剤、腐食防止剤、除菌剤及び酵素からなる群より選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。これらはそれぞれ1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。洗浄剤組成物が成分(a)及び成分(b’)に加えて上記の成分の少なくとも1種を含有すると、洗浄力等がより向上するため好ましい。
また、上記効果を損なわない限り、成分(b’)以外の界面活性剤(上述したその他の界面活性剤)を含有してもよいが、その含有量は、洗浄剤組成物に対して10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下がより好ましく、実質的に成分(b’)以外の界面活性剤を含有しないことが最も好ましい。なお、上記成分(a)は、本発明の第二の洗浄剤組成物における界面活性剤には含まれない。また、必要に応じて上述した溶媒、増量剤等の洗浄剤組成物に配合される他の成分を含有してもよい。必要に応じて、成分(a)及び成分(b’)に加えて上述した消泡剤を含有してもよい。これらは1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの任意成分及びその好ましい含有量等は、上述した通りである。
本発明の第二の洗浄剤組成物の剤形は特に限定されず、上述した液体、固体のいずれでもよい。また、本発明の第二の洗浄剤組成物は、カートリッジ洗浄剤等にも好適に使用される。本発明の第二の洗浄剤組成物の製造方法は特に限定されず、剤形に応じて適宜選択すればよく、上述した方法により製造することができる。
本発明の第二の洗浄剤組成物が使用される自動洗浄機及びその好ましい態様は、上述した本発明の第一の洗浄剤組成物と同じであり、例えば、スプレー式自動洗浄機等が挙げられる。中でも、本発明の第二の洗浄剤組成物は、自動食器洗浄機用又はコンテナ洗浄機用の洗浄剤組成物として好適に使用され、自動食器洗浄機用洗浄剤組成物としてより好適に使用される。また、本発明の洗浄剤組成物は、業務用又は家庭用の自動洗浄機用として好適に使用されるが、業務用自動洗浄機用としてより好適であり、業務用の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物として特に好適である。
以下、本発明をより具体的に説明する実施例を示す。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1〜75>
表1〜表6に示す成分を、表1〜表6に示す割合となるように配合し、混合又は加温溶解することにより実施例1〜75の各洗浄剤組成物を製造した。
<比較例1〜93>
表7〜表14に示す成分を、表7〜表14に示す割合となるように配合し、混合又は加温溶解することにより比較例1〜93の各洗浄剤組成物を製造した。表1〜表14中の数値は、洗浄剤組成物に対する各成分の純分の割合(質量%)である。
実施例1〜75及び比較例1〜93で製造した洗浄剤組成物について、以下の方法で抑泡性及び洗浄力の評価を行った。
<抑泡性>
(抑泡性条件)
抑泡性の試験は、洗浄工程において、自動食器洗浄機内の水量に対して洗浄剤組成物の濃度が0.15質量%になるように洗浄剤組成物を投入して洗浄液とし、自動食器洗浄機を運転し、2分後の泡立ちと運転を停止してから30秒後の泡立ちを観測した。
自動食器洗浄機として、ホバート製1槽コンベアタイプの洗浄機(型番C44B)を用いた。
(1)低温時の抑泡性
自動食器洗浄機を洗浄温度20℃で運転した場合の泡の高さを観測した。
(2)汚れ存在下での抑泡性
全卵(鶏卵の卵液)45gを自動食器洗浄機に投入し、洗浄温度50℃で運転した場合の泡の高さを観測した。
(抑泡性の評価基準)
◎:運転開始2分後の泡の高さが100mm未満かつ運転停止30秒後の泡の高さが70mm未満。
○:運転開始2分後の泡の高さが100mm以上又は運転停止30秒後の泡の高さが70mm以上。
×:運転開始2分後の泡の高さが100mm以上かつ運転停止30秒後の泡の高さが70mm以上
<洗浄力>
(洗浄条件)
洗浄力の試験は、洗浄工程において、自動食器洗浄機内の水量に対して洗浄剤組成物の濃度が0.15%となるように、洗浄剤組成物を投入して洗浄液とし、自動食器洗浄機を用いて洗浄試験用試料(ポリプロピレン製の弁当箱に1gの複合汚垢を塗布したもの)を洗浄してその外観を目視で評価することにより行った。
自動食器洗浄機として、ホシザキ製ドアタイプの洗浄機(型番JW−650UF)を用い、洗浄条件は洗浄時間60秒、洗浄温度60℃、すすぎ時間5秒、すすぎ温度80℃とした。洗浄水には、水道水を用いた。
(洗浄力の評価基準)
洗浄剤組成物の洗浄力を次のように評価した。
◎:汚れの付着は見られない。
○:汚れの付着はほとんど見られない。
×:明らかな汚れの残留が見られる。
実施例及び比較例で製造した各洗浄剤組成物の組成並びに評価結果を表1〜14に示した。
Figure 2018044092
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表中のポリオキシプロピレントリオールは、グリセロールのプロピレンオキサイド付加物である。表中、POは、プロピレンオキサイドを意味する。
表中の「残分」は、洗浄剤組成物100質量%から水及び芒硝以外の成分の質量%を引いた残りが水又は芒硝であることを意味する。
表中の(b)成分の化合物は、以下の通りである。
リバーステトロニック型ブロックポリマー(質量平均分子量4000)
リバーステトロニック型ブロックポリマー(質量平均分子量5000)
テトロニック型ブロックポリマー(質量平均分子量2500):EO/POのモル比が1/7
テトロニック型ブロックポリマー(質量平均分子量3000):EO/POのモル比が1/7
プルロニック型ブロックポリマー(質量平均分子量2000):EO/POのモル比が1/7
プルロニック型ブロックポリマー(質量平均分子量3000):EO/POのモル比が1/7
(a’)成分として使用した化合物は、以下の通りである。
ポリオキシエチレントリオール(質量平均分子量3000):グリセロールのエチレンオキサイド付加物
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリオール(質量平均分子量2500):グリセロールのエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド付加物
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル1:東邦化学工業製、商品名ペポールAS−054C
脂肪族アルコールアルコキシレート:BASF製、商品名Plurafac LF403
表1〜14から、実施例1〜75の洗浄剤組成物は、低温時及び汚れ存在下において高い抑泡性を示した。さらに、実施例1〜75の洗浄剤組成物は、洗浄力に優れるものであった。比較例1〜93の洗浄剤組成物は、低温時又は汚れ存在下での泡立ちを抑制できなかった。
<参考例1〜25>
表15〜表16に示す成分を、表15〜表16に示す割合となるように配合し、混合又は加温溶解することにより参考例1〜25の各洗浄剤組成物を製造した。
<比較例94〜116>
表17〜表18に示す成分を、表17〜表18に示す割合となるように配合し、混合又は加温溶解することにより比較例94〜116の各洗浄剤組成物を製造した。
表15〜表18中の数値は、洗浄剤組成物に対する各成分の純分の割合(質量%)である。
参考例1〜25及び比較例94〜116で製造した洗浄剤組成物について、上記の方法で抑泡性及び洗浄力の評価を行った。結果を表15〜表18に示す。
Figure 2018044092
Figure 2018044092
Figure 2018044092
Figure 2018044092
表15〜17中のポリオキシプロピレントリオールは、グリセロールのプロピレンオキサイド付加物である。表中、POは、プロピレンオキサイドを意味する。(a’)成分は上記と同じである。
表15〜18中の「残分」は、洗浄剤組成物100質量%から水及び芒硝以外の成分の質量%を引いた残りが水又は芒硝であることを意味する。
表15〜18中の(b’)成分の化合物は、以下の通りである。
リバースプルロニック型ブロックポリマー(質量平均分子量4000):EO/POのモル比が1/3
リバースプルロニック型ブロックポリマー(質量平均分子量4500):EO/POのモル比が1/3.5
参考例1〜25の洗浄剤組成物は、低温時及び汚れ存在下において高い抑泡性を示した。さらに、参考例1〜25の洗浄剤組成物は、洗浄力に優れるものであった。

Claims (7)

  1. (a)下記一般式(1)で表される多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物及び下記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を合計で0.01〜10質量%、及び、
    (b)リバーステトロニック型ブロックポリマー、プルロニック型ブロックポリマー及びテトロニック型ブロックポリマーからなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤を合計で0.1〜10質量%含むことを特徴とする自動洗浄機用洗浄剤組成物。
    Figure 2018044092
    (式中、Rは、炭素数3〜20の3〜8価の多価アルコールから全部の水酸基を除いた残基を表し、AOは、同一又は異なって、炭素数3又は4のオキシアルキレン基を表し、nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、2〜1000の数であり、mは、3〜8の整数を表し、m個の〔−O―(AO)n−H〕は同一であってもよく、異なっていてもよい。)
    Figure 2018044092
    (式中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基を表し、AOは、同一又は異なって、炭素数3又は4のオキシアルキレン基を表し、tは、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、2〜100の数である。)
  2. 前記一般式(2)において、Rが炭素数1〜20のアルキル基を表す請求項1に記載の自動洗浄機用洗浄剤組成物。
  3. 前記一般式(2)において、Rが炭素数3〜15のアルキル基を表し、前記AOがオキシプロピレン基を表し、tが2〜60の数である請求項1又は2に記載の自動洗浄機用洗浄剤組成物。
  4. 前記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルが、ポリオキシプロピレントリデシルエーテルである請求項1〜3のいずれかに記載の自動洗浄機用洗浄剤組成物。
  5. 前記一般式(1)において、Rが炭素数3〜5の3価の脂肪族アルコールから全部の水酸基を除いた残基を表し、AOがオキシプロピレン基を表し、nが2〜250の数であり、mが3である請求項1〜4のいずれかに記載の自動洗浄機用洗浄剤組成物。
  6. さらに、アルカリ剤、キレート剤、可溶化剤、漂白剤、腐食防止剤、除菌剤及び酵素からなる群より選択される少なくとも1種を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の自動洗浄機用洗浄剤組成物。
  7. 自動食器洗浄機用又はコンテナ洗浄機用の洗浄剤組成物である請求項1〜6のいずれかに記載の自動洗浄機用洗浄剤組成物。
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