JP2020164728A - 硬質表面用乳化型洗浄剤組成物 - Google Patents

硬質表面用乳化型洗浄剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、高濃度の水酸化ナトリウムと、エチレンジアミン四酢酸やその塩を組み合わせて用いた場合であっても、長期間の貯蔵安定性に優れるとともに、低起泡性で洗浄力に優れた硬質表面用乳化型洗浄剤組成物を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の硬質表面用乳化型洗浄剤組成物は、(A)成分としてアルカリ剤、(B)成分として金属イオン封鎖剤、(C)成分として少なくとも一種のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤及び/又は少なくとも一種のプルロニック型非イオン界面活性剤と、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤およびプルロニック型非イオン界面活性剤以外の他のポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤とを含む非イオン界面活性剤、(D)成分として高分子エマルジョン型増粘剤、及び(E)成分として水を含有する。【選択図】なし

Description

本発明は金属、プラスチックス、ガラス、陶磁器等の硬質表面に付着した汚れを洗浄・除去する硬質表面用乳化型洗浄剤組成物に関する。特に、食品工場や、飲料工場等における製造設備等に付着した汚れをCIP洗浄にて洗浄・除去するために適した硬質表面用乳化型洗浄剤組成物に関する。
近年、飲料工場や食品工場等では、製造設備の大型化や、製造品種の増加による洗浄頻度の増加に伴い、製造設備の分解洗浄が困難になってきている。そのため、分解洗浄に代わって配管、殺菌機及び充填機などの製造設備内に洗浄液を満たして循環させ、あるいは製造設備内に対し洗浄液をスプレーすることで、残留汚れを洗浄・除去するCIP洗浄(Cleaning in place:定置洗浄)方式が広く採用されている。
このCIP洗浄には、アルカリ洗浄剤、酸洗浄剤、または殺菌剤などから選択される1以上の洗浄剤が使用されている。たとえば一般に、CIP洗浄は、1.水洗浄、2.アルカリ洗浄、3.水すすぎ、4.酸洗浄、5.水すすぎ、6.殺菌、7.水すすぎという工程で行われる。しかし、各洗浄剤の配合成分、あるいは汚れの種類や状態に応じて、上記工程の一部が省略され、上記工程の順序が変更され、あるいは同じ工程が繰り返し実施される場合もある。
また、対象となる汚れが主として食品残渣である場合、当該食品残渣には、タンパク質、油脂及び炭水化物などの有機質汚れ、並びに炭酸カルシウム、燐酸カルシウム及びケイ酸カルシウムなどの無機質汚れが含まれる。上記有機質汚れには、殺菌機などで見られる加熱変性した強固なものも存在する。
上述する洗浄剤のうち、アルカリ洗浄剤としては、従来、有機質汚れの分解・除去性と経済性に優れる水酸化ナトリウム等のアルカリ、及び使用水に含まれる硬度成分と無機質汚れとの溶解性に良好に作用するエチレンジアミン四酢酸塩等の金属イオン封鎖剤が配合され、さらに必要に応じて、ポリカルボン酸塩、ホスホン酸塩、低泡性の界面活性剤などが配合された洗浄剤が用いられている。
こうしたアルカリ洗浄剤を使用して製造設備等でCIP方式等の洗浄を行う場合、通常、容量の大きなタンク等に高濃縮化された洗浄剤が保存される。上記高濃縮化された洗浄剤は、通常、アルカリ濃度が0.5〜5質量%になるよう希釈して使用されている。
このような高濃縮化したアルカリ洗浄剤として、例えば特許文献1には、水酸化アルカリ金属塩10〜50質量%、アルキルポリグルコシド0.1〜10質量%、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル及び/又はポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル0.1〜10質量%、金属イオン封鎖剤0.2〜20質量%及び水を含有するアルカリ性CIP洗浄剤組成物が開示されている。加えて特許文献1には、この組成物100質量部に対し、更に平均分子量1,200〜15,000のポリアクリル酸ナトリウムや平均分子量3,000〜80,000のアクリル酸マレイン酸共重合体ナトリウム等の高分子ポリマー0.05〜8質量部含有するアルカリ性CIP洗浄剤組成物が含有されてもよいことが記載されている。
特許文献2にはアルカリ剤10〜40質量%、キレート剤5〜20質量%、重量平均分子量10万〜500万のポリマー0.1〜4質量%含有する液状の組成物が記載されている。
また特許文献3には、水酸化ナトリウム26質量%〜40質量%,エチレンジアミン四酢酸又はその塩0.1質量%〜5質量%、ジエチレントリアミン五酢酸又はその塩0.1質量%〜5質量%、特定の非イオン界面活性剤0.1質量%〜5質量%、アルキルグルコシド0.1質量%〜5質量%および水が含油される硬質表面用液体洗浄剤組成物が開示されている。上記非イオン界面活性剤は、オキシエチレン基の付加モル数(m)と、オキシプロピレン基の付加モル数(n)の比(m/n)が0.2〜1である、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤である。
特開2006−265469号公報 特開2012−7131号公報 特許第6277243号
高濃縮化されたアルカリ洗浄剤は、製造、容器及び輸送費用などのコスト、加えてそれに伴う二酸化炭素排出量削減などから望ましいものの、以下の問題を有していた。
即ち、高濃度のアルカリを含むアルカリ洗浄剤中に、金属封鎖剤や非イオン界面活性剤が配合されると、当該洗浄剤の貯蔵安定性が低下するという問題があった。特にアルカリ剤として水酸化ナトリウムを含有するアルカリ洗浄剤の場合には上記問題が顕著である。
たとえば、27質量%を超える量の水酸化ナトリムとともに、エチレンジアミン四酢酸やその塩を含むアルカリ洗浄剤は長期保存において結晶析出や凍結等の安定性に問題が生じる場合がある。上記問題の具体例としては、たとえば上記アルカリ洗浄剤をタンクに保存した場合、洗浄剤の液面低下に伴い、タンク上部壁面に付着している洗浄剤の水分が蒸発し壁面上に固形分が生じる場合があり、次の洗浄剤が補充されて該固形物に洗浄剤溶液が接すると、溶解性に劣るエチレンジアミン四酢酸塩が析出し、それが核となって結晶析出や凍結を促進し、洗浄剤供給口や洗剤供給ポンプを詰まらせ、ひいては洗剤供給ポンプを故障させる原因となる。
このため特許文献1記載の洗浄剤組成物では、水酸化ナトリウムの配合量は27質量%が限度であり、更にアルカリ濃度を高めるためには水酸化カリウムと併用することが必要であり、コスト高とならざるを得なかった。また特許文献1記載の洗浄剤組成物は溶液タイプの洗浄剤であるため、高濃度の水酸化ナトリウムを含有する溶液の貯蔵安定性を向上させるためには可溶化剤の配合が必須であり、貯蔵安定性をより高めるために可溶化剤の添加量を多くすると、起泡性が高まって泡切れが悪くなり作業性が著しく低下するという問題があった。
特許文献2記載の洗浄剤組成物は、乳化タイプの洗浄剤であるため、溶液タイプの洗浄剤のように、可溶化剤を配合しなくても貯蔵安定性に優れ、水酸化ナトリウムの配合量が多い場合でも低起泡性で貯蔵安定性に優れた洗浄剤組成物を提供することが可能である。しかしながらキレート剤として、安価で金属イオン封鎖効果、安全性に優れたエチレンジアミン四酢酸やその塩を、高濃度の水酸化ナトリウムと併用した場合、特許文献2記載の洗浄剤組成物は、分離が生じ貯蔵安定性が悪くなる(即ち、乳化状態が維持され難い)という問題、および豆乳や牛乳など、タンパク質が多く含まれる汚れがCIP洗浄時に持ち込まれた場合、泡立ちが多くなり、すすぎに時間がかかるという問題もあった。
一方、特許文献3記載の発明は、高濃度の水酸化ナトリウム及びエチレンジアミン四酢酸を含む洗浄剤組成物において、特定の非イオン界面活性剤を含有させることで、タンパク質を多く含む食品製造設備のCIP洗浄にも広く使用でき、貯蔵安定性に優れた硬質表面用洗浄剤組成物を提供できる。しかしながら、特許文献3記載の洗浄剤組成物は、泡立ちを抑えることに関し改善の余地があった。
本発明は上記の問題に鑑みなされたもので、乳化型でありながら長期間の貯蔵安定性に優れるとともに、低起泡性で洗浄力に優れた硬質表面用乳化型洗浄剤組成物を提供することを目的とし、たとえば高濃度の水酸化ナトリウムと、エチレンジアミン四酢酸やその塩を組み合わせた洗浄剤組成物であっても長期間の貯蔵安定性に優れるとともに、低起泡性で洗浄力に優れた硬質表面用乳化型洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
即ち本発明の硬質表面用乳化型洗浄剤組成物は、(A)成分としてアルカリ剤、(B)成分として金属イオン封鎖剤、(C)成分として少なくとも一種のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤及び/又は少なくとも一種のプルロニック型非イオン界面活性剤と、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤およびプルロニック型非イオン界面活性剤以外の他のポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤とを含む非イオン界面活性剤、(D)成分として高分子エマルジョン型増粘剤、及び(E)成分として水を含有することを特徴とする。
本発明の硬質表面用乳化型洗浄剤組成物は、乳化型でありながら長期間、分離を抑制し貯蔵安定性に優れるとともに、低起泡性であり、かつ洗浄力に優れる。また、本発明の硬質表面用乳化型洗浄剤組成物は、牛乳、豆乳、ミルクティー、ミルクコーヒー、生クリーム、ヨーグルトなどのタンパク質を多く含む食品の製造設備のCIP洗浄においても泡立ちを抑え、すすぎ性を改善し得るものであり、広く食品の製造設備のCIP洗浄にも有用である。
本発明の硬質表面用乳化型洗浄剤組成物は、たとえば、高濃度のアルカリ金属水酸化物ともに、金属イオン封鎖剤としてエチレンジアミン四酢酸またはその塩を併用した場合でも、長期貯蔵安定性に優れ、また泡立ちを抑えるという観点でも良好な効果を奏する。
本発明の硬質表面用乳化型洗浄剤組成物(以下、単に洗浄剤組成物という場合がある)に用いられる(A)成分であるアルカリ剤としては、例えば水酸化ナトリウム、若しくは水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム、若しくは水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、酸化ナトリウム、若しくは酸化カリウム等のアルカリ金属酸化物、酸化マグネシウム、若しくは酸化カルシウム等のアルカリ土類金属酸化物、アンモニア、またはアミン類等が挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物において、アルカリ剤は一種又は二種以上を併用することができる。本発明において、アルカリ剤としてはアルカリ金属水酸化物が好ましく、中でも水酸化ナトリウムが好ましい。
洗浄性の観点から、本発明の洗浄剤組成物中のアルカリ剤の割合は、20質量%以上、50質量%以下であることが好ましい。(A)成分としてアルカリ剤が20質量%未満の場合には洗浄性が充分でない場合があり、50質量%を超えた場合には貯蔵安定性が充分でない場合がある。
中でも洗浄性の点からアルカリ剤として水酸化ナトリウムを27質量%超含有することが好ましく、水酸化ナトリウムを27質量%超、45質量%以下含有することがより好ましく、特に、水酸化ナトリウムを30質量%以上、40質量%以下含有することが好ましい。換言すると、本発明の洗浄剤組成物は、高濃度化によるメリットおよび優れた洗浄性を実現するために水酸化ナトリウム等のアルカリ剤を27質量%超含有する場合であっても、長期保存安定性に優れ、かつCIP洗浄などにおけるタンパク質などの汚れの洗浄の際にも泡立ちを良好に抑え得る。
(B)成分の金属イオン封鎖剤としては、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸等、若しくはこれらの塩等の縮合リン酸化合物;ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、グルタミン酸二酢酸、メチルグリシン二酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、若しくはヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸等、またはこれらの塩等のアミノカルボン酸型キレート化合物;リンゴ酸、クエン酸、若しくはグルコン酸等、またはこれらの塩等のヒドロキシカルボン酸型キレート化合物;ホスホン酸型キレート化合物等が挙げられる。金属イオン封鎖剤は、一種のみを用いても、2種以上を組み合わせて用いても良い。
金属イオン封鎖剤は、洗浄剤組成物中に、0.1質量%以上、5質量%以下配合することが好ましく、0.3質量%以上、4質量%以下配合することがより好ましく、特に0.5質量%以上、3質量%以下配合することが好ましい。(B)成分として金属イオン封鎖剤を0.1質量%以上とすることで良好なスケール洗浄性が発揮され、5質量%以下とすることで貯蔵安定性の改善が顕著である。
より良好なスケール洗浄性を実現するという観点から、金属イオン封鎖剤として、アミノカルボン酸型キレート化合物が好ましく、中でもエチレンジアミン四酢酸あるいはその塩が好ましい。
またアミノカルボン酸型キレート化合物とホスホン酸型キレート化合物を併用すると、洗浄時のスケール付着を防止するだけでなく、すすぎ時のすすぎ水中の硬度成分に由来するスケール付着も防止できる利点があり好ましい。アミノカルボン酸型キレート化合物とホスホン酸型キレート化合物とを併用する場合、アミノカルボン酸型キレート化合物とホスホン酸型キレート化合物との質量比(アミノカルボン酸型キレート化合物/ホスホン酸型キレート化合物)が、0.5以上、10以下となるように配合することが好ましく、0.5以上、8以下となるように配合することがより好ましい。上記質量比を0.5以上、10以下とすることでスケール洗浄性、スケール付着防止性の観点から好ましい。
アミノカルボン酸型キレート化合物と併用するホスホン酸型キレート化合物としては、アミノトリメチレンホスホン酸もしくはその塩、ニトリロトリスメチレンホスホン酸もしくはその塩、ビスヘキサメチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)もしくはその塩、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸もしくはその塩、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸もしくはその塩、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸もしくはその塩、または2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸もしくはその塩等が挙げられる。中でも、併用されるホスホン酸型キレート化合物としては、アミノトリメチレンホスホン酸もしくはその塩、ニトリロトリメチレンホスホン酸もしくはその塩、または2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸もしくはその塩が好ましい。
(C)成分としては、少なくとも一種のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤及び/又は少なくとも一種のプルロニック型非イオン界面活性剤と、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤およびプルロニック型非イオン界面活性剤以外の他のポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤(以下、単に他のポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤ともいう)とを含む非イオン界面活性剤が用いられる。
本発明の洗浄剤組成物は、少なくとも一種のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤及び/又は少なくとも一種のプルロニック型非イオン界面活性剤と、上記他のポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤とを組み合わせて用いられることにより、高濃度水酸化ナトリウムなどの高濃度アルカリ剤とエチレンジアミン四酢酸などの金属イオン封鎖剤とを含む洗浄剤組成物の長期貯蔵安定性を改善することができるとともに、洗浄時の泡立ちを良好に抑え得る。
上記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤としては、一般式(1)で表される非イオン界面活性剤を用いる。
−O−(EO)−(PO)−R (1)
(式中、Rは炭素数4から22の脂肪族炭化水素基であり、Rは水素原子又は炭素数1から4の脂肪族炭化水素基であり、EOはオキシエチレン基であり、POはオキシプロピレン基であり、m及びnは平均付加モル数を表し、1から100の数である。)
上記一般式(1)におけるRは、炭素数4から22の脂肪族炭化水素基である化合物である。このような炭化水素基としては、例えばブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、イソオクタデシル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、エイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。なかでも洗浄性と消泡性の両方に優れることから、デシル基、イソデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基が好ましく、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、ペンタデシル基がより好ましい。一般式(1)におけるRは水素原子又は炭素数1から4の脂肪族炭化水素基であり、好ましくは水素原子である。一般式(1)において、mはオキシエチレン(EO)の平均付加モル数であり、通常、mの値は1から100であるが、消泡性及び長期貯蔵安定性の観点から、mは1.4から20が好ましく、1.8から16がより好ましく、2から8がさらに好ましい。nはオキシプロピレン(PO)の平均付加モル数であり、通常、nの値は1から100であるが、消泡性及び長期貯蔵安定性の観点からnは1.5から20が好ましく、2から12がより好ましく、2.5から8がさらに好ましい。また、消泡性の観点から、m/nの値が0.1から2であることが好ましく、0.2から1がより好ましい。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤の具体的な市販品の例として、ADEKA社製のアデカノールBシリーズやBASF社製のプルラファックLFシリーズが挙げられる。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル型非イオン界面活性剤は2種以上を組み合わせて用いても良い。またポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル型非イオン界面活性剤と、他のポリオキシアルキレンアルキルエーテルとを併用する場合、他のポリオキシアルキレンアルキルエーテルも2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記プルロニック型非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合型(例えば、アデカプルロニックL,P,F等)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーリバース型(例えば、アデカプルロニックR等)、エチレンジアミンポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー型及びそのリバース型(例えば、アデカプルロニックTR等)が挙げられる。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤およびプルロニック型非イオン界面活性剤以外と併用する他のポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシブチレンアルキルエーテル等が挙げられる。貯蔵安定性の観点からは、他のポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはポリオキシプロピレンアルキルエーテルが好ましく、中でもアルキル基の炭素数8から18、エチレンオキシド付加モル数2から20のポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましく、特にアルキル基の炭素数10から16、エチレンオキシド付加モル数2から15のポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。上記炭素数は、8以上18以下である場合、消泡性の点で好ましい。またエチレンオキシド付加モル数は、2以上15以下である場合、貯蔵安定性の点で好ましい。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤及び/又はプルロニック型非イオン界面活性剤と、上記他のポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤との質量比((ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤及び/又はプルロニック型非イオン界面活性剤)/(他のポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤))は、消泡性及び長期貯蔵安定性の観点から1以上、40以下であることが好ましく、4以上、20以下がより好ましい。
(C)成分の配合量は洗浄剤組成物全量に対して、通常、0.05質量%以上、5質量%以下であるが、0.3質量%以上、3質量%以下が好ましく、0.5質量%以上、2.5質量%以下がより好ましい。(C)成分として非イオン界面活性剤が0.05質量%未満の場合には消泡性が低下する場合があり、5質量%を超えた場合には貯蔵安定性の低下や逆に泡立ってしまう場合がある。
(D)成分の高分子エマルジョン型増粘剤としては、例えば界面活性剤の存在下で、ビニル系モノマーを乳化重合して得られる、重量平均分子量が10万以上、500万以下の高分子化合物のエマルジョンが挙げられる。
上記高分子化合物を形成するビニルモノマーとしては、スチレン、α-メチルスチレン、もしくはクロロスチレン等の芳香族ビニル化合物、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、もしくはアクリル酸-2-エチルヘキシル等のアクリル酸系モノマー、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、もしくはメタクリル酸エチル等のメタクリル酸系モノマー、塩化ビニル、臭化ビニル、もしくは塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニルモノマー、酢酸ビニル、もしくはプロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、アクリロニトリル、もしくはメタクリロニトリル等のニトリル類、またはブタジエン、もしくはイソプレン等の共役ジエン類等が挙げられる。
上記高分子化合物は、上述に例示するビニルモノマーを単独で重合させたものであってもよいし、2種以上の異なるビニルモノマーを重合させたものでも良い。本発明において、上記高分子化合物としては、アクリル酸系ポリマー、メタクリル酸系ポリマー、またはマレイン酸系ポリマーの一種または混合材料が好ましく、中でもアクリル酸系ポリマー、および/またはメタクリル酸系ポリマーが好ましく、特にアクリル酸系ポリマーが好ましい。高分子エマルジョン型増粘剤としては、固形分10〜60%、粘度5〜200mPa・sのものが市販されており、例えばアロンB300K、アロンA7075(東亜合成社製)等が挙げられる。(D)成分は洗浄剤組成物中に、固形分として0.01質量%以上、1質量%以下配合することが好ましく、0.05質量%以上、0.8質量%以下配合することがより好ましく、特に0.1質量%以上、0.5質量%以下配合することが好ましい。(D)成分が0.01質量%未満の場合には粘度の低下により貯蔵安定性が低下する場合があり、1質量%を超えた場合には粘度が高くなるために貯蔵安定性が充分とならない場合がある。
前記高分子エマルジョン型増粘剤の重量平均分子量は、ゲルパーミレーションクロマトグラフィー(GPC)法によって定められた値である。
なお、前記方法に使用する機器及び条件は、以下の通りである。
使用カラム:Viscotek I−MBHMLMW(Malvern Panalytical社製)
遊離液:DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)
流量:1mL/分
検出器:RI
サンプル濃度:0.15質量%(DMF溶液)
サンプル量:200μL
カラム温度:50℃
本発明の洗浄剤組成物において、更に公知の重量平均分子量500以上20,000以下の高分子分散剤を配合することができる。高分子分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、アクリル酸−メタクリル酸共重合体、アクリル酸−マレイン酸共重合体、オレフィン−マレイン酸共重合体、アクリル酸−スルホン酸共重合体、無水マレイン酸−スチレン共重合体、無水マレイン酸−エチレン共重合体、無水マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸−アクリル酸エステル共重合体等や、これらの塩が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせてもよい。スケール付着防止性の点から、ポリアクリル酸又はその塩、ポリマレイン酸又はその塩、アクリル酸−メタクリル酸共重合体、アクリル酸−マレイン酸共重合体、オレフィン−マレイン酸共重合体、アクリル酸−スルホン酸共重合体等や、これらの塩が好ましい。
高分子分散剤の重量平均分子量は500以上、20,000以下であり、1,500以上、15,000以下であることがより好ましい。高分子分散剤は、洗浄剤組成物中に洗浄剤組成物の全量に対して、通常、0.05質量%以上、5質量%以下の範囲で含有することができるが、0.08質量%以上、4質量%以下が好ましく、0.1質量%以上、3質量%以下がより好ましい。0.05質量%未満では製品のスケール防止効果が向上しない場合があり、5質量%を超えると配合量に見合った効果が得られない。
前記高分子分散剤の重量平均分子量は、ゲルパーミレーションクロマトグラフィー(GPC)法によって定められた値である。
なお、前記方法に使用する機器及び条件は、以下の通りである。
使用カラム:TSKgel G4000Hxl、G3000Hxl、G2000Hxl(いずれも東ソー社製)を直列に接続。
遊離液:THF(テトラヒドロフラン)
流量:1mL/分
検出器:RI
サンプル濃度:0.1質量%(THF溶液)
サンプル量:200μL
カラム温度:40℃
本発明の洗浄剤組成物に用いる水としては、特に限定されるものではないが、例えば、イオン交換水、蒸留水、純水、軟水、水道水等が挙げられる。水道水としては、例えば、東京都荒川区の水道水(pH=7.6、総アルカリ度(炭酸カルシウム換算として)40.5mg/L、ドイツ硬度8.1°DH(そのうち、カルシウム硬度6.3°DH、マグネシウム硬度2.1°DH)、塩化物イオン21.9mg/L、ナトリウム及びその化合物13mg/L、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素1.1mg/L、フッ素及びその化合物0.09mg/L、ホウ素及びその化合物0.04mg/L、総トリハロメタン0.014mg/L、残留塩素0.4mg/L、有機物(全有機炭素量)0.5mg/L)が挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物において、使用できる公知の添加剤の添加を拒むものではなく、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合できる。このような成分としては、金属腐食抑制剤、酸化剤、増粘剤、pH調整剤、酵素、色素、香料等が挙げられる。
金属腐食抑制剤としては、短鎖のジカルボン酸やトリカルボン酸などのポリカルボン酸、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール及びメルカプトベンゾチアゾール等のトリアゾールやチアゾール、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸塩等のようなホスホン酸塩、アジピン酸塩、グルタル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩等の有機酸塩が挙げられる。
酸化剤としては、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム等の次亜塩素酸塩、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム等の亜塩素酸塩、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム等の塩素酸塩、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム等の過塩素酸塩、塩素化イソシアヌル酸ナトリウム、塩素化イソシアヌル酸カリウム等の塩素化イソシアヌル酸塩、二酸化塩素、過酸化水素等が挙げられる。これらは単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、経済性の点から次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。
pH調整剤としては、例えば、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸、クエン酸、リン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム等が挙げられる。
酵素としては、例えば、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ等が挙げられる。
色素としては、例えば、天然色素、合成色素、これらの混合物が挙げられる。また、香料としては、例えば、天然香料、合成香料、これらの調合香料等が挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物は、ガラス、プラスチック、金属、陶磁器等の硬質表面であれば、いずれの硬質表面においても使用可能であり、具体的な洗浄場所としては、台所、業務用の厨房、調理器具、浴室、工場設備等が挙げられる。これらの中でも、タンク等に長期保存しても結晶の析出や凍結が起こらない本発明の洗浄剤の特性から、工場設備等へのCIP(定置洗浄)による使用が好ましい。
なお、本発明の洗浄剤組成物を使用する場合は、使用用途にあわせて、任意の濃度に水又は湯で希釈してから使用すればよい。希釈濃度としては洗浄剤組成物が、希釈液全量に対して0.01質量%以上、30質量%以下になるように希釈するのが好ましく、0.1質量%以上、5質量%以下がより好ましく、0.5質量%以上、4質量%以下がさらに好ましい。希釈には水又は湯が用いられるが、60℃以上、80℃以下の水溶液として洗浄工程に用いることが好ましい。希釈に用いる水としては、洗浄剤組成物に用いる水と同様のものを用いることができる。洗浄方法としては、洗浄液を循環させて洗浄する方法、洗浄液に被洗浄物を浸漬して洗浄する方法等が挙げられる。
以下、本発明を実施例と比較例により具体的に説明する。尚、以下の実施例、比較例に関し、表中において各成分の割合は質量%で示す。尚、表中、各成分の割合は、純分としての割合を示す。
尚、以下の実施例、比較例において用いた(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分は以下の通りである。
(A)成分
A−1:水酸化ナトリウム
(B)成分
B−1:エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩
B−2:アミノトリメチレンホスホン酸
B−3:ニトリロトリスメチレンホスホン酸
B−4:2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸
B−5:トリエチレンテトラミン六酢酸六ナトリウム塩
B−6:ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム塩
(C)成分
C−1:非イオン界面活性剤1、一般式(1)で表される化合物であり、R1 は炭素数13から15の直鎖及び分岐鎖の炭化水素基である。R2 は水素原子、オキシエチレン基(EO)の平均付加モル数m=2、オキシプロピレン基(PO)の平均付加モル数n=5である。
C−2:非イオン界面活性剤2、一般式(1)で表される化合物であり、R1 は炭素数12から14の直鎖及び分岐鎖の炭化水素基である。R2 は水素原子、オキシエチレン基(EO)の平均付加モル数m=5、オキシプロピレン基(PO)の平均付加モル数n=5である。
C−3:非イオン界面活性剤3、一般式(1)で表される化合物であり、R1 は炭素数12から14の直鎖及び分岐鎖の炭化水素基である。R2 は水素原子、オキシエチレン基(EO)の平均付加モル数m=8、オキシプロピレン基(PO)の平均付加モル数n=3である。
C−4:非イオン界面活性剤4、一般式(1)で表される化合物であり、R1 は炭素数12から16の直鎖及び分岐鎖の炭化水素基である。R2 は水素原子、オキシエチレン基(EO)の平均付加モル数m=10、オキシプロピレン基(PO)の平均付加モル数n=15である。
C−5:非イオン界面活性剤5、一般式(1)で表される化合物であり、R1 は炭素数12から16の直鎖及び分岐鎖の炭化水素基である。R2 は水素原子、オキシエチレン基(EO)の平均付加モル数m=25、オキシプロピレン基(PO)の平均付加モル数n=20である。
C−6:非イオン界面活性剤6、プルロニック型界面活性剤(製品名:アデカプルロニック25R−1、ADEKA社製)、オキシエチレン基(EO)の平均付加モル数m=43、オキシプロピレン基(PO)の平均付加モル数n=6である。
C−7:非イオン界面活性剤7、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(製品名:アデカトールLA−1275、ADEKA社製)
C−8:非イオン界面活性剤8、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(製品名:ペレテックス2022、ミヨシ油脂社製)
(C)成分の比較成分
C´−1:2−エチルヘキシルグルコシド
(D)成分
D−1:アクリル酸系重合物エマルジョン(重量平均分子量20万〜100万)
D−2:アクリル酸系重合物エマルジョン(重量平均分子量50万〜300万)
(E)成分
E−1:イオン交換水
(F)成分〔その他成分〕
F−1:ポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量4,000)
F−2:アクリル酸/マレイン酸共重合体ナトリウム(重量平均分子量5,000)
表1〜表5に示す配合の洗浄剤組成物を調製した。また各洗浄剤組成物について、洗浄性、消泡性、スケール洗浄性、スケール付着防止性、長期貯蔵安定性を試験した。結果を表1〜表5に併せて示した。
Figure 2020164728
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※1:洗浄性試験
ステンレス片(6cm×7cmの長方形、厚さ1mmのSUS316片)の質量を測定し、これに汚れとして牛乳を0.5mL噴霧し、130℃で30分間加熱して汚れを付着させたものを試験片として質量を測定した。この試験片を各洗浄剤組成物の3質量%水溶液300mLに浸漬し、80℃で20分間放置した後、イオン交換水ですすぎ、105℃で30分間乾燥した後、質量を測定した。
洗浄前の試験片と、汚れ付着前のステンレス片との質量差を汚れ付着量とし、洗浄前後の試験片の質量変化から洗浄率を下記式(2)より算出し、以下の基準で洗浄性を評価した。
洗浄率(%)={(洗浄前試験片質量−洗浄後試験片質量)/(汚れ付着量)}×100 (2)
評価基準:
◎:洗浄率80%以上(洗浄性に優れる)。
○:洗浄率70%以上、80%未満(洗浄性良好)。
△:洗浄率60%以上、70%未満(洗浄性あり)。
×:洗浄率60%未満(洗浄性が悪い)。
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
※2:消泡性試験
炭酸カルシウム換算で75mg/L[ドイツ硬度4.2°DH]の硬水で、各洗浄剤組成物を2質量%に希釈して調製した希釈洗浄液100mLを調製し、80℃に加温後、スキムミルク0.5gを添加した。次にスキムミルクが完全に溶解するまで攪拌し、20gを100mLガラス栓つきエプトン管に入れ、湯浴中で80℃となるように昇温した。その後、1秒間に1回の割合で60回上下に振とうし、80℃に保持したまま1分間静置後の、洗浄剤水溶液面からの泡の高さを測定し、以下の基準で消泡性を評価した。
評価基準:
◎:泡の比率が5mm未満。
○:泡の比率が5mm以上、8mm未満。
△:泡の比率が8mm以上、12mm未満。
×:泡の比率が12mm以上。
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
※3:スケール洗浄性試験
ステンレス片(2cm×7cm、厚さ1mmのSUS316片)の質量を測定し、これに汚れとして25%リン酸カルシウム懸濁液を0.2g塗布して、100℃で60分間乾燥させたものを試験片として質量を測定した。この試験片を2質量%に希釈した各洗浄剤組成物の水溶液100mLに浸漬し、80℃で20分間放置した後、イオン交換水ですすぎ、105℃で30分間乾燥し、外観を観察して以下の基準でスケール洗浄性を評価した。
評価基準:
○:汚れなし。
△:わずかに汚れあり。
×:汚れあり。
とし、△、○を実用性のあるものとして判定した。
※4:スケール付着防止性試験
予め試験液濃度が炭酸カルシウム換算で100mg/L(ドイツ硬度5.6°DH)となるように調整した希釈水を用いて、各洗浄剤組成物をアルカリ金属水酸化物濃度が0.01質量%になるように調製した。30mLガラスビンに入れた各試験液を80℃で15時間静置後、ガラスビン底の付着物及び析出物を目視で確認し、以下の基準でスケール付着防止性を評価した。
評価基準:
○:ほとんど付着物は見られない。
△:少量の付着物が見られる。
×:多量の付着物が見られる。
とし、△、○を実用性のあるものとして判定した。
※5:長期貯蔵安定性試験
各洗浄剤組成物について、長期貯蔵安定性試験を次のようにして行った。
250mL容量のポリエチレン製容器に、200mLを入れて、−5℃、25℃、40℃に設定された各インキュベーターに、1カ月間静置した後に外観を観察し、以下の基準で長期貯蔵安定性を評価した。
評価基準
○:分離や沈殿物がみられず安定である。
△:若干の分離もしくは沈殿物がみられる。
×:分離や沈殿物が見られる、もしくは乳化されておらず透明液体である。
とし、△、○を実用性のあるものとして判定した。
上述に説明する本発明は、以下の技術思想を包含する。
(1)(A)成分としてアルカリ剤、
(B)成分として金属イオン封鎖剤、
(C)成分として少なくとも一種のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤及び/又は少なくとも一種のプルロニック型非イオン界面活性剤と、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤およびプルロニック型非イオン界面活性剤以外の他のポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤とを含む非イオン界面活性剤、
(D)成分として高分子エマルジョン型増粘剤、及び
(E)成分として水
を含有することを特徴とする硬質表面用乳化型洗浄剤組成物。
(2)前記硬質表面用乳化型洗浄剤組成物100質量%において、前記アルカリ剤として、水酸化ナトリウムを27質量%超含有する上記(1)記載の硬質表面用乳化型洗浄剤組成物。
(3)前記金属イオン封鎖剤として、アミノカルボン酸型キレート化合物を含有する上記(1)又は(2)記載の硬質表面用乳化型洗浄剤組成物。
(4)前記金属イオン封鎖剤として、前記アミノカルボン酸型キレート化合物とともに、ホスホン酸型キレート化合物を含有する上記(3)に記載の硬質表面用乳化型洗浄剤組成物。
(5)前記アミノカルボン酸型キレート化合物と前記ホスホン酸型キレート化合物との質量比(アミノカルボン酸型キレート化合物/ホスホン酸型キレート化合物)が、0.5以上、10以下である上記(4)記載の硬質表面用乳化型洗浄剤組成物。
(6)前記アミノカルボン酸型キレート化合物が、エチレンジアミン四酢酸及び/又はその塩である上記(3)から(5)のいずれか一項に記載の硬質表面用乳化型洗浄剤組成物。
(7)前記(C)成分の前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤及び/又は前記プルロニック型非イオン界面活性剤と、前記他のポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤との質量比((ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤及び/又はプルロニック型非イオン界面活性剤)/(他のポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤))が、1以上、40以下である上記(1)から(6)のいずれか一項に記載の硬質表面用乳化型洗浄剤組成物。

Claims (7)

  1. (A)成分としてアルカリ剤、
    (B)成分として金属イオン封鎖剤、
    (C)成分として少なくとも一種のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤及び/又は少なくとも一種のプルロニック型非イオン界面活性剤と、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤およびプルロニック型非イオン界面活性剤以外の他のポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤とを含む非イオン界面活性剤、
    (D)成分として高分子エマルジョン型増粘剤、及び
    (E)成分として水
    を含有することを特徴とする硬質表面用乳化型洗浄剤組成物。
  2. 前記硬質表面用乳化型洗浄剤組成物100質量%において、前記アルカリ剤として、水酸化ナトリウムを27質量%超含有する請求項1記載の硬質表面用乳化型洗浄剤組成物。
  3. 前記金属イオン封鎖剤として、アミノカルボン酸型キレート化合物を含有する請求項1又は2記載の硬質表面用乳化型洗浄剤組成物。
  4. 前記金属イオン封鎖剤として、前記アミノカルボン酸型キレート化合物とともに、ホスホン酸型キレート化合物を含有する請求項3に記載の硬質表面用乳化型洗浄剤組成物。
  5. 前記アミノカルボン酸型キレート化合物と前記ホスホン酸型キレート化合物との質量比(アミノカルボン酸型キレート化合物/ホスホン酸型キレート化合物)が、0.5以上、10以下である請求項4記載の硬質表面用乳化型洗浄剤組成物。
  6. 前記アミノカルボン酸型キレート化合物が、エチレンジアミン四酢酸及び/又はその塩である請求項3から5のいずれか一項に記載の硬質表面用乳化型洗浄剤組成物。
  7. 前記(C)成分の前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤及び/又は前記プルロニック型非イオン界面活性剤と、前記他のポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤との質量比((ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤及び/又はプルロニック型非イオン界面活性剤)/(他のポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤))が、1以上、40以下である請求項1から6のいずれか一項に記載の硬質表面用乳化型洗浄剤組成物。
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