JP2018044047A - フィルム用印刷インキ組成物及びその用途 - Google Patents

フィルム用印刷インキ組成物及びその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】表面に無機酸化物が蒸着された透明蒸着フィルムや、バリア性樹脂が積層された複合フィルムに印刷された時に、優れた印刷適性及び接着性を有することで、美粧印刷を可能にするとともに、ラミネート加工が行われた場合には、優れたラミネート適性及びレトルト適性を有することで、包装容器として適用できる分野を拡大させる、フィルム用印刷インキ組成物を提供すること。【解決手段】顔料、バインダー樹脂及び有機溶剤を含有するフィルム用印刷インキ組成物であって、前記バインダー樹脂がポリウレタン樹脂(A)及び塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂(B)を含み、前記ポリウレタン樹脂(A)が末端に第1級アミノ基、第2級アミノ基及び第3級アミノ基から選ばれる1種以上を有し、且つ水酸基を有するポリウレタン樹脂を含み、(A)/(B)=95/5〜45/55(質量比)であるフィルム用印刷インキ組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、フィルム用印刷インキ組成物及びその用途に関し、より詳しくは、フィルムに印刷した場合に優れた接着性を有し、さらにラミネート加工したときには、得られるラミネート加工物が優れたラミネート適性を有する、フィルム用印刷インキ組成物に関する。
近年、食品・医薬品等、空気酸化や湿気による変質・劣化を嫌う分野の軟包装材料として、各種プラスチック材料の表面に金属や、シリカ、アルミナなどの無機酸化物を蒸着したり、エチレン−酢酸ビニル共重合体やポリビニルアルコールなどのバリア性樹脂を積層した複合フィルムが広く利用されている。この様な複合フィルムは、空気中の酸素や水蒸気の透過を抑制する機能があり、いわゆる“ガスバリア性”や“保香性”と呼ばれる性能の高い包装容器を製造することが可能である。
特に食品包装の分野では、鮮度、味覚、食感を長期にわたって保つために、ガスバリア性は重要な性能である。上記のように無機酸化物を蒸着したり、バリア性樹脂を積層した複合フィルムは、透明性を維持できることから、内容物がよく見えて消費者に安心感をあたえ、袋のまま電子レンジで加温や調理できるなど、優れた特徴を有している。
将来に向けて食料不足の懸念が高まる中で、賞味期限や消費期限を延長して、少しでも食品類の廃棄される量を減らそうとする試みは、社会的にみても有益である。そして、こういった観点で、上記の複合フィルムの活用が基本技術の一つになると考えられている。
ところで、この様な包装容器が製造される際に、内容物の表示や、最近ではより積極的に意匠性を高めて商品の購買意欲を向上させるために、包装容器にインキによる印刷が行われる。そして、主に包装容器の外側と内側の印刷場所の違いにより、表刷り印刷と裏刷り印刷の二つのタイプに分かれている。
表刷り印刷は、包装容器の外側にインキを印刷するため、そのままでも内容物と接触することがなく、簡単な構成でも比較的、衛生面で優れている。しかし、印刷面がこすれたり、製袋や熔封の際に直接熱板に接触したりすることから、インキの性能としては、基材に対する接着性、耐摩擦性、耐熱性などが求められる。
裏刷り印刷は、包装容器の内側にインキを印刷した後、印刷面に必要に応じて接着剤やアンカー剤を介して薄膜状のポリマーがラミネートされる。このようなラミネート加工により、インキが包装容器の内側面で内容物と接触することがなくなり、インキ中の溶剤などを十分に排除しさえすれば、非常に衛生性に優れるものになる。
このラミネート加工は、表刷り印刷の印刷面に施してもよく、これにより、印刷面が外部と接触することがなくなる。
さらに、ラミネート加工は、機能性フィルムを幾層も重ねたりすることができるため、スナック菓子などの通常の食品包装袋の他に、ボイル・レトルト用途にも利用される。
上記のように無機酸化物を蒸着したり、バリア性樹脂組成物を積層した複合フィルムを包装容器で利用する場合、蒸着層やバリア性樹脂組成物層の保護のため、蒸着層またはバリア性樹脂組成物層が包装容器の内側になるように配置される。そこで、表刷りでは蒸着層またはバリア性樹脂組成物層にインキが印刷される機会は多くないが、蒸着層またはバリア性樹脂組成物層が外面、もしくは複合フィルムの両面に設けられているような場合は、インキとして、蒸着層またはバリア性樹脂組成物層に対する良好な接着性も求められる。
一方、裏刷り印刷による包装容器では、ほとんどの場合、蒸着層またはバリア性樹脂組成物層がインキの印刷面になる。裏刷り印刷物の包装容器は、用途も多彩であり、それら用途で要求される性能のレベルとしても非常に高いものがある。その中でも、ガスバリア性は主目的の一つと言えるので、今後、無機酸化物を蒸着したり、バリア性樹脂を積層した複合フィルムが利用される機会がさらに増加することが予想される。
但し、ガスバリア性を付与するために設けられた無機酸化物層や、バリア性樹脂組成物層はその目的のために、層の表面、つまり、通常は包装袋の内側の層の表面は比較的緻密な構造を有しているので、結果的に、その層の表面に印刷層を形成しても、十分な接着力を有することができなかった。そのため、その層の表面にアンカー層として極めて薄い層を形成させる場合があるが、薄すぎるために十分に均一な層を形成することが困難であり、結局のところ、アンカー層の上に印刷層を形成しても十分な接着力を有することが困難であった。よって、接着性を向上させようとすると、印刷時にかすれ等の支障が生じることがあった。なお、バリア性樹脂組成物層にて使用する樹脂と同じ樹脂を使用しても、バリア性樹脂組成物ではない場合にはそれほど緻密な層の表面にはならない。
ここで、インキのバインダー樹脂として、表刷り用ではポリアミド−硝化綿系、裏刷り用ではポリウレタン系の樹脂が用いられているが、これらの樹脂では、蒸着層やバリア性樹脂組成物層との接着性が総じて劣るといった傾向があった。とりわけ、顔料として酸化チタン等の白色顔料を使用しているインキを用いた場合はその傾向が顕著である。そこで、本出願人は、ガスバリア性を有する各種複合フィルムに良好な接着性を有するインキ組成物の開発を行ってきた。
例えば、裏刷り用インキにおいて、ポリウレタン樹脂をバインダーとした系では、金属アルミ蒸着フィルムに対する接着性を向上させるために、数平均分子量200〜5000、酸価20〜350、水酸基価20〜350の範囲にあるヒドロキシカルボン酸を含有させる技術(例えば、特許文献1参照)を、シリカ蒸着フィルムに対する接着性を向上させるために、シランカップリング剤とイソシアネート硬化剤とを最終的にウレタン樹脂分子内に導入する技術(例えば、特許文献2、3参照)を提案している。
特許文献4においては、シリカ又はアルミナ蒸着フィルムを対象としたポリウレタン樹脂が提案されているが、各フィルムに対する接着性は未だ不十分である。また、バリア性樹脂を積層した複合フィルムに対しては検討されていない。
このように、種々の無機酸化物蒸着フィルムやバリア性樹脂組成物を積層した複合フィルムに対する汎用的な接着性向上技術については、未だ、得られていないというのが現状である。
また、加工食品分野においては、包材が内容物とともに高温レトルト処理されるものもあるが、上記先行技術においては、レトルト処理に対する適性についても十分ではない。
特開平09−118855号公報 特開2001−002971号公報 特開2002−030239号公報 特許第5937285号明細書
上記のとおり、生鮮食料品、加工食品を問わず、ガスバリア性の高い包装容器により長期の保存を可能にする技術は、社会的に有益である。さらに高齢者の増加とともに、加工食品の需要の伸びは大きくなり、包装容器の重要性は増すばかりである。その一方で、インキの装飾により購買意欲を向上させる技術にも、食品や包装材料などに携わる各メーカーに、より一層の長期保存の研究を促すための原資をもたらすといった側面がある。
そこで、本発明の課題は、表面に無機酸化物が蒸着された透明蒸着フィルムや、バリア性樹脂組成物が積層された複合フィルムに印刷された時に、優れた印刷適性及び接着性を有することで、美粧印刷を可能にするとともに、ラミネート加工が行われた場合には、優れたラミネート適性及びレトルト適性を有することで、包装容器として適用できる分野を拡大させる、フィルム用印刷インキ組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、フィルム用印刷インキ組成物(以下、単にインキ組成物と記載することもある)のバインダー樹脂として、特定の官能基を有するポリウレタン樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂とを、ある特定の配合比で用いることにより、上記課題を全て解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
そこで、本発明は以下の通りである。
(1)顔料、バインダー樹脂及び有機溶剤を含有するフィルム用印刷インキ組成物であって、前記バインダー樹脂がポリウレタン樹脂(A)及び塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂(B)を含み、前記ポリウレタン樹脂(A)は、水酸基を有し、かつ末端に第1級アミノ基、第2級アミノ基及び第3級アミノ基から選ばれる1種以上を有するポリウレタン樹脂を含み、(A)/(B)=95/5〜45/55(質量比)であるフィルム用印刷インキ組成物。
(2)前記フィルムがアルミナ層、シリカ層、ポリビニルアルコール層、ポリ塩化ビニリデン層、アクリルポリマー層から選ばれる1種以上を有する(1)に記載のフィルム用印刷インキ組成物。
(3)前記ポリウレタン樹脂(A)のアミン価が0.1〜10mgKOH/gである(1)または(2)に記載のフィルム用印刷インキ組成物。
(4)前記有機溶剤がエステル系有機溶剤、アルコール系有機溶剤およびケトン系有機溶剤の混合溶剤である(1)〜(3)のいずれかに記載のフィルム用印刷インキ組成物。
(5)前記有機溶剤がエステル系有機溶剤およびアルコール系有機溶剤の混合溶剤である(1)〜(3)のいずれかに記載のフィルム用印刷インキ組成物。
(6)前記顔料が白色顔料である(1)〜(5)のいずれかに記載のフィルム用印刷インキ組成物。
(7)前記白色顔料が酸化チタンである(6)記載のフィルム用印刷インキ組成物。
(8)前記フィルムに(1)〜(7)のいずれかに記載のフィルム用印刷インキ組成物を印刷して得られる印刷物。
(9)前記フィルムに(1)〜(7)のいずれかに記載のフィルム用印刷インキ組成物を印刷した後、さらにラミネート加工して得られるラミネート加工物。
本発明では、バインダー樹脂として、特定の官能基を有するポリウレタン樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂を特定の配合比率で含有し、特定の層を有するフィルム専用とした印刷インキ組成物を用いることを特徴とする。それにより、印刷インキ組成物が無機酸化物蒸着フィルムやバリア性樹脂組成物積層フィルムに印刷されたときに、印刷適性及び接着性が良好となり、さらに、ラミネート加工される場合にも、ラミネート適性及びレトルト適性も良好になるといった効果を奏する。
以下、本発明のフィルム用印刷インキ組成物及びその用途についてより詳しく説明する。
まず、本発明のフィルム用印刷インキ組成物について説明する。
本発明のインキ組成物は、顔料、バインダー樹脂及び有機溶剤を含有するものである。
<顔料>
上記顔料としては、例えば、印刷インキで一般的に用いられている各種無機顔料、有機顔料等或いは体質顔料が使用できる。
上記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、ベンガラ、アンチモンレッド、カドミウムイエロー、コバルトブルー、紺青、群青、カーボンブラック、黒鉛等の有色顔料、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、タルク等の体質顔料を挙げることができる。なかでも白色顔料として酸化チタンを使用することが好ましい。
上記有機顔料としては、例えば、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料、縮合多環顔料等を挙げることができる。
これら顔料のインキ組成物中での含有量は、通常1〜50質量%程度である。
<バインダー樹脂>
上記バインダー樹脂としては、ポリウレタン樹脂及び塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂を含む。
(ポリウレタン樹脂(A))
上記ポリウレタン樹脂(A)に含まれる、水酸基を有し、かつ末端に第1級アミノ基、第2級アミノ基及び第3級アミノ基から選ばれる1種以上を有するポリウレタン樹脂は、有機ジイソシアネート化合物と高分子ジオール化合物との反応によりウレタンプレポリマーを合成し、これに必要に応じて鎖伸長剤、反応停止剤を反応させて得られるポリウレタン樹脂を好適に使用できる。
上記有機ジイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート化合物、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物、及び、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート化合物が挙げられる。これらの有機ジイソシアネート化合物は、単独又は2種以上混合して使用できる。中でも脂環族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート及び芳香脂肪族ジイソシアネートがより好ましい。
上記高分子ジオール化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等アルキレンオキサイド付加物等のポリエーテルジオール化合物、アジピン酸、セバシン酸、無水フタール酸等の二塩基酸の1種又は2種以上と、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等のグリコール類の1種又は2種以上とを縮合反応させて得られるポリエステルジオール類、ポリカプロラクトンジオール類等のポリエステルジオール化合物等が挙げられる。これらの高分子ジオール化合物は、単独又は2種以上混合して使用できる。
更に上記高分子ジオール化合物に加えて、1,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等のアルカンジオールや、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール等の低分子ジオール化合物を単独又は2種以上混合して併用することもできる。
なお、後述する有機溶剤として、エステル系溶剤とアルコール系溶剤との混合溶剤系を用いる場合、高分子ジオール化合物としてポリエーテルジオール化合物を利用する方が、得られるポリウレタン樹脂の溶解性が高くなる傾向があり、必要性能に合わせて幅広くインキの設計が可能となる点で好ましい。
また、上記有機ジイソシアネート化合物と高分子ジオール化合物の使用比率は、イソシアネート基:水酸基の当量比(イソシアネートインデックス)が、通常、1.2:1〜3.0:1、より好ましくは1.3:1〜2.0:1となる範囲である。上記のイソシアネートインデックスが1.2より小さくなると、柔軟なポリウレタン樹脂となる傾向があり、本発明のインキ組成物を印刷した時に耐ブロッキング性等が低いことがあり、この場合、他の硬質の樹脂と併用することが必要となる場合がある。
上記鎖伸長剤としては、インキ用バインダーとしてのポリウレタン樹脂で利用される既知の鎖伸長剤が利用可能であり、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン類、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン等の脂環式ジアミン類、トルイレンジアミン等の芳香族ジアミン類、キシレンジアミン等の芳香脂肪族ジアミン類、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)プロピレンジアミン、N,N’−ジ(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン等の水酸基を有するジアミン類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のジオール化合物が挙げられる。
更に、ポリウレタン樹脂がゲル化しない範囲で、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミン類を併用することができる。
上記反応停止剤としては、インキ用バインダーとしてのポリウレタン樹脂で利用される既知の反応停止剤が利用可能であり、例えば、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン等のモノアルキルアミン類、ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン類、エタノール等のモノアルコール類等を例示することができる。
上記ポリウレタン樹脂は、水酸基を有し、かつ末端に第1級アミノ基、第2級アミノ基及び第3級アミノ基から選ばれる1種以上を有する。このようにして特定の官能基を有することで、本発明のフィルム用印刷インキ組成物は、無機酸化物蒸着フィルムやバリア性樹脂積層フィルムに対する優れた印刷適性及び接着性を有することとなる。更に、ラミネート加工が行われる場合、優れたラミネート適性を有することとなる。
また、上記ポリウレタン樹脂のアミン価は0.1〜10mgKOH/gの範囲が好適である。上記アミン価が0.1を下回ると、本発明のフィルム用印刷インキ組成物の無機酸化物蒸着フィルムやバリア性樹脂積層フィルムに対する印刷適性及び接着性が低下し、更に、ラミネート適性が低下する。上記アミン価が10を超えると、耐ブロッキング性が低下する。
なお、本願明細書において、上記アミン価は固形分1gあたりのアミン価を意味し、0.1Nの塩酸水溶液を用い、電位差滴定法(例えば、COMTITE(AUTO TITRATOR COM−900、BURET B−900、TITSTATIONK−900)、平沼産業社製)によって測定した後、水酸化カリウムの当量に換算した値をいう。
上記ポリウレタン樹脂の製造方法としては、上記材料を用いて、公知のポリウレタン樹脂の製造方法がそのまま使用できる。また、それぞれの成分の分子量や化学構造、また当量比が異なると、得られるポリウレタン樹脂の硬さも異なることから、これら成分を適宜組み合わせによって、印刷適性やラミネート適性を調節することが可能である。
上記ポリウレタン樹脂の質量平均分子量としては、1万〜7万であることが好ましく、さらに2万〜6万であることがより好ましい。
さらに、適度な柔軟性とラミネート強度を高めるため、上記ポリウレタン樹脂(A)として、ウレア結合を有しないポリウレタン樹脂を含有させたり、水酸基及び/又は末端に第1級アミノ基、第2級アミノ基及び第3級アミノ基から選ばれる1種以上を含有しないウレタン樹脂を配合することもできる。
(塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂(B))
上記塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂(B)としては、塩化ビニルモノマー、酢酸ビニルを必須成分とし、必要に応じて、プロピオン酸ビニル、モノクロロ酸ビニル、バーサティック酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル等の脂肪酸ビニルモノマー、水酸基等の官能基を有するモノマーを従来からの公知の方法で製造したものが使用できる。
上記塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂(B)は、質量平均分子量が1万〜7万であることが好ましい。
このような塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂(B)は市販されたものでも良く、例えば、日信化学工業社製のソルバインA、AL、TA5R、TA2、TA3、TAO、TAOL、C、CH、CN、CNL等を挙げることができる。
なお、本発明のフィルム用印刷インキ組成物で使用する、後記の有機溶剤に対する溶解性や印刷適性の点から、上記塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂は、分子内に各種官能基を有していても良い。
また、上記有機溶剤として極性溶剤が多用されるときは、上記塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体は、分子内に水酸基等を有していてもよく、このような塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体の市販品としては、例えば、ソルバインA、AL、TA5R、TA2、TA3、TAO、TAOL等を使用することが好ましい。
本発明のフィルム用印刷インキ組成物は、ポリウレタン樹脂(A)と塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂(B)とを、(A)/(B)=95/5〜45/55(質量比)で含有する。このような割合でポリウレタン樹脂(A)と塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂(B)とを含有することで、本発明のフィルム用印刷インキ組成物は、無機酸化物蒸着フィルムやバリア性樹脂積層フィルムに対する優れた印刷適性及び接着性を有することとなる。更に、ラミネート加工が行われる場合、優れたラミネート適性を有することとなる。上記(A)/(B)が95/5を超える場合、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂(B)の割合が少なくなることになり、上記フィルムに対する接着性が不充分となる。一方、上記(A)/(B)が45/55を下回る場合、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂(B)の割合が多くなり、本発明のインキ組成物を用いて形成する印刷物が硬くなり、やはり上記フィルムに対する接着性が不充分となる。
上記(A)/(B)は、好ましくは70/30〜60/40(質量比)である。
また、本発明のインキ組成物中の上記ポリウレタン樹脂(A)及び塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂(B)を合わせた含有量は、5〜30質量%が好適である。
(その他の樹脂)
さらに、本発明の目的とする性能を低下させない範囲で、本発明のインキ組成物は、その他のバインダー樹脂として、セルロース樹脂、ビニル系共重合物、ポリアミド樹脂等を補助的に添加することができる。
<有機溶剤>
上記有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系有機溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチルなどのエステル系有機溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール系有機溶剤、トルエン、メチルシクロヘキサンなどの炭化水素系溶剤が利用できる。
最近の環境問題面からは、エステル系有機溶剤、アルコール系有機溶剤およびケトン系有機溶剤の混合溶剤、または、より環境問題への対応を進めたエステル系有機溶剤、およびアルコール系有機溶剤の混合溶剤を使用することが好ましい。
<その他の材料>
本発明のフィルム用印刷インキ組成物には、更に顔料分散剤、帯電防止剤、ワックス、レベリング剤、界面活性剤、可塑剤等の各種添加剤を添加することができる。
以上の構成材料を用いてインキ組成物を製造する方法としては、公知の方法が使用できる。具体的には、例えば、顔料、バインダー樹脂、有機溶剤及び必要に応じて顔料分散剤等の混合物を、高速ミキサー、ボールミル、サンドミル、アトライター等を用いて練肉し、さらに所定の材料の残りを添加、混合することにより得ることができる。
次に、本発明のフィルム用印刷インキ組成物を印刷して得られる印刷物とその用途について説明する。
<フィルム>
本発明のフィルム用印刷インキ組成物は、金属や金属酸化物蒸着層を有するバリア性フィルムや、バリア性樹脂組成物層を有するバリア性フィルムを基材とし、この金属や金属酸化物蒸着層やバリア性樹脂組成物層に印刷したときに良好な性能を有するものである。バリア性フィルムとしては、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を含有するバリア性樹脂組成物からなる層のみのフィルムや、これらのバリア性樹脂組成物層を各種樹脂フィルム基材に塗布等により積層させてなるバリア性樹脂積層フィルムが利用できる。また、金属やアルミナやシリカ等の金属酸化物を、各種プラスチックフィルム基材に蒸着させた蒸着フィルムが使用できる。
なお、本発明のフィルム用印刷インキ組成物は、上記の金属や金属酸化物蒸着層、及びバリア性樹脂組成物層に直接印刷してもよく、いわゆるアンカー層及び/又は樹脂層を介して印刷しても良い。但し、フィルム自体が有する柔軟性等の性質を活かした用途に使用することを考慮すると、印刷層を形成するための樹脂層を介することなく印刷することが好ましい。
上記の樹脂フィルム基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルムなどのポリオレフィンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリカーボネートフィルムなどが挙げられる。
上記の樹脂フィルムは、延伸または未延伸フィルムで、必要に応じて、帯電防止剤、紫外線防止剤などの添加剤や基材の表面をコロナ処理あるいはプラズマ処理したものなども使用することができる。
上記バリア性樹脂積層フィルムとしては、三井化学東セロ社製のA−OP、V−OP、ダイセルバリューコーティング社製のセネシKOP、セネシXOP、セネシXOP−S、セネシKET、セネシKON、Kセルシ、KMセルシ、凸版印刷社製のベセーラ、興人フィルム&ケミカルズ社製のボニール−K等が例示できる。
また、上記金属酸化物を上記樹脂フィルム基材上に蒸着する方法としては、公知の方法が利用でき、電子線加熱方式、抵抗加熱方式、誘導加熱方式などの加熱手段を用いた真空蒸着法や、スパッタリング法、プラズマ気相成長法、イオンプレーティング法等が挙げられる。
上記金属酸化物からなる層の厚みは、とくに限定されるものではないが、透明性と、酸素および水蒸気などのガス遮断性を有する範囲として、4〜350nm、好ましくは8〜160nmである。
このような蒸着フィルムの具体例としては、麗光社製のファインバリヤーA、三菱樹脂社製のテックバリア、尾池工業社製のMOS、凸版印刷社製のGL−AE、大日本印刷社製のIB−PET−PUB等が例示できる。
<印刷物>
上記の蒸着フィルムやバリア性樹脂組成物積層フィルムに、本発明のフィルム用印刷インキ組成物を、グラビア印刷方式やフレキソ印刷方式などを用いて印刷することにより所望の印刷物を得ることができる。このような無機酸化物蒸着フィルムやバリア性樹脂組成物積層フィルムの該無機酸化物蒸着面やバリア性樹脂組成物層面に直接印刷してもよく、又は該無機酸化物蒸着面やバリア性樹脂組成物層面にアンカーコート層やプライマー層等を介して印刷しても良い。本発明のフィルム用印刷インキ組成物を印刷して得られる印刷物もまた、本発明の1つである。
なお、上記方法で得られた印刷物は、印刷面に後記するラミネート加工を施してラミネート加工物としてもよいが、例えば、上記印刷物が表刷り印刷物である場合、無機酸化物蒸着層やバリア性樹脂組成物層を保護するための従来公知のオーバーコート剤を塗工したものを、包装容器の製造に利用することもできる。
<ラミネート加工物>
裏刷り印刷物では、上記の印刷物の印刷面に、シーラントと呼ばれるポリマーを積層するラミネート加工を施すことにより、さらに高機能性の包装容器を製造することができる。なお、無機酸化物蒸着フィルムやバリア性樹脂組成物積層フィルムに、本発明のフィルム用印刷インキ組成物を印刷した後、さらにラミネート加工して得られるラミネート加工物もまた、本発明の1つである。
ここで、上記シーラントを積層する方法としては、主として2つの方法が利用されている。その一つは、印刷面に必要に応じてアンカーコート剤(例えば、チタン系、ウレタン系、イミン系、ポリブタジエン等)を塗布し、熱溶融ポリマー(例えば、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン等)を薄膜状に積層させる押出しラミネート加工である。もう一つは、印刷面に接着剤(例えば、ウレタン系、イソシアネート系等)を塗工した後、無延伸プラスチックフィルム(例えば、無延伸ポリエチレンフィルム、無延伸ポリプロピレンフィルムなど)を積層させるドライラミネート加工である。さらに、シーラントとの間に、各種機能を有するポリマー層を設けることもできる。
この様な方法から得られたラミネート加工物は、最終的にシーラント面同士がヒートシーラーなどで熔封されて包装容器となる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
(フィルム用印刷インキ組成物の製造)
ポリウレタン樹脂ワニス1
撹拌機、冷却管及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに平均分子量2000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオール100質量部、平均分子量2000のポリプロピレングリコール100質量部、及びイソホロンジイソシアネート44.4質量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら100〜105℃で6時間反応させた。室温近くまで放冷し、酢酸エチル518質量部、イソプロピルアルコール91質量部を加えた後、イソホロンジアミン15.6質量部を加えて鎖伸長させ、更にモノエタノールアミン0.49質量部とエチレンジアミン0.48質量部を加えて反応停止させ、ポリウレタン樹脂ワニス1(固形分30質量%、粘度15ps/25℃、アミン価1.7mgKOH/g)を得た。
ポリウレタン樹脂ワニス2
撹拌機、冷却管及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに平均分子量2000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオール100質量部、平均分子量2000のポリプロピレングリコール100質量部、及びイソホロンジイソシアネート44.4質量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら100〜105℃で6時間反応させた。室温近くまで放冷し、酢酸エチル518質量部、イソプロピルアルコール91質量部を加えた後、イソホロンジアミン15.6質量部を加えて鎖伸長させ、更にモノエタノールアミン0.24質量部とエチレンジアミン0.7質量部を加えて反応停止させ、ポリウレタン樹脂ワニス2(固形分30質量%、粘度20ps/25℃、アミン価2.6mgKOH/g)を得た。
ポリウレタン樹脂ワニス3
撹拌機、冷却管及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに平均分子量2000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオール100質量部、平均分子量2000のポリプロピレングリコール100質量部、及びイソホロンジイソシアネート44.4質量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら100〜105℃で6時間反応させた。室温近くまで放冷し、酢酸エチル518質量部、イソプロピルアルコール91質量部を加えた後、イソホロンジアミン15.6質量部を加えて鎖伸長させ、更にモノエタノールアミン1.1質量部を加えて反応停止させ、ポリウレタン樹脂ワニス3(固形分30質量%、粘度10ps/25℃、アミン価0mgKOH/g)を得た。
フィルム用印刷インキ組成物製造例
顔料(酸化チタンR−960、デュポン社製)、上記ポリウレタン樹脂ワニス1〜3、塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂(ソルバインTA−3、日信化学工業社製)の混合物を、レッドデビル社製のペイントコンデショナーを用いて混練し、更に溶媒を加えて、表1に示したフィルム用印刷インキ組成物1〜8を調製した。
上記で得られたフィルム用印刷インキ組成物1〜8のインキ組成物の性能評価を下記方法に従って行い、評価結果を表2に示す。
Figure 2018044047
<インキ組成物の性能評価>
1.接着性
上記フィルム用印刷インキ組成物1〜8に表1の同一溶媒組成からなる希釈剤50部を加えて希釈し、粘度調整を行った後、版深度28μmの版を備えたグラビア印刷機(東谷製作所社製)にて、表2に示す通りの各種フィルムの処理面に、印刷速度50m/分で印刷を行ない、実施例1〜10、比較例1〜4の印刷物を得た。得られた各印刷物の印刷面にセロファンテープを貼り付けて、剥がしたときにインキ皮膜が被着体から剥がれる面積の比率から、接着性を評価した。
A:全く剥がれない
B:剥がれる面積が20%未満である
C:剥がれる面積が20%以上である
2.印刷適性
(ガイドロール取られ)
下記の方法から、印刷後、ガイドロールにインキが付着するかどうか(ガイドロール取られ)試験を行い、印刷適性を評価した。なお、一旦、ガイドロールに付着したインキが、印刷面に再転移して汚れが発生するため、「ガイドロール取られ」が発生する場合は、美粧印刷物を得るのに対して悪影響を及ぼす。
上記フィルム用印刷インキ組成物1〜8に表1の同一溶媒組成からなる希釈剤50部を加えて希釈し、粘度調整を行った後、版深度28μmの版を備えたグラビア印刷機にて、表2の実施例1〜10、比較例1〜4に示す通りの各種フィルムの処理面である金属酸化物層形成面又はバリア性樹脂組成物層形成面に、印刷速度100m/分で印刷を行い、グラビア印刷機のガイドロールによる印刷物インキ塗膜の脱落の有無を目視により評価した。
(カスレ)
下記の方法から、印刷後、印刷部分における、版にインキが詰まったことに起因する「カスレ」が発生する。カスレが発生する場合は、美粧印刷物を得るのに対して悪影響を及ぼす。
上記フィルム用印刷インキ組成物1〜8に表1の同一溶媒組成からなる希釈剤50部を加えて希釈し、粘度調整を行った後、版深度28μmの版を備えたグラビア印刷機にて、表2の実施例1〜10、比較例1〜4に示す通りの各種フィルムの処理面に、印刷速度100m/分で印刷を行い、印刷終了時の印刷部分における、版にインキが詰まったことに起因するカスレの面積の割合から印刷適性を評価した。
A:カスレが全くみられない
B:カスレが少しみられる
C:カスレが多くみられる
3.レトルト適性
印刷後1日経過した各印刷物に、固形分で2.0g/mとなる量のウレタン系接着剤(タケラックA−616/タケネートA−65、三井化学ポリウレタン社製)を塗布した後、ドライラミネート機で無延伸ポリプロピレンフィルム(RXC−22、厚さ60μm、三井化学東セロ社製)を貼り合わせ、40℃で3日放置してドライラミネート物を得た。このドライラミネート物を製袋し、中に水90重量%、サラダ油10重量%の混合物を詰めて熔封後、120℃の加圧熱水中に60分間浸漬した時のラミ浮きの有無からレトルト適性を評価した。
A:全くラミ浮きが見られないもの
B:ピンホール状もしくは一部に細くて短いラミ浮きがみられるもの
C:長い筋状のラミ浮きが全面にみられるもの
D:印刷時にインキがガイドロールに付着してしまい、レトルト適性試験が行なえないもの
−:印刷に使用したフィルム自体にレトルト適性がないため、レトルト適性試験を行なわず
Figure 2018044047
印刷面は下記フィルムの処理面である。
ファインバリヤー:片面にアルミナ蒸着処理を施したPETフィルム(商品名:ファインバリヤーAT−R、麗光社製)
テックバリア:片面にシリカ蒸着処理を施したPETフィルム(商品名:テックバリアTXR、三菱樹脂社製)
A−OP:片面にポリビニルアルコールを塗布した延伸ポリプロピレンフィルム(商品名:A−OPBH、三井化学東セロ社製)
エンブレム:片面にポリ塩化ビニリデンを塗布した延伸ナイロンフィルム(商品名:エンブレム−DC DCR、ユニチカ社製)
ベセーラ:片面にアクリルポリマーを塗布したPETフィルム(商品名:ベセーラET140R、凸版印刷社製)
IB−PET:アルミナ蒸着処理を施したPETフィルム(商品名:IB−PET−PUB、大日本印刷社製)
GL:片面にアルミナ蒸着処理を施したPETフィルム(商品名:GL−ARH、凸版印刷社製)
表2に示したように、実施例に係るフィルム用印刷インキ組成物は、接着性、印刷適性、及びレトルト適性のいずれも良好な結果を示した。
一方、比較例に係るフィルム用印刷インキ組成物は、接着性、印刷適性、及びレトルト適性のいずれも良好なものはなかった。
本発明のフィルム用印刷インキ組成物を使用することにより、各種ガスバリア性フィルムに印刷されたときに、印刷適性、接着性、及びレトルト適性が良好となり、さらに、ラミネート加工される場合にも、ラミネート適性も良好になる。

Claims (9)

  1. 顔料、バインダー樹脂及び有機溶剤を含有するフィルム用印刷インキ組成物であって、
    前記バインダー樹脂がポリウレタン樹脂(A)及び塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂(B)を含み、
    前記ポリウレタン樹脂(A)は、水酸基を有し、かつ末端に第1級アミノ基、第2級アミノ基及び第3級アミノ基から選ばれる1種以上を有するポリウレタン樹脂を含み、
    (A)/(B)=95/5〜45/55(質量比)であるフィルム用印刷インキ組成物。
  2. 前記フィルムがアルミナ層、シリカ層、ポリビニルアルコール層、ポリ塩化ビニリデン層、アクリルポリマー層から選ばれる1種以上を有する請求項1に記載のフィルム用印刷インキ組成物。
  3. 前記ポリウレタン樹脂(A)のアミン価が0.1〜10mgKOH/gである請求項1または2に記載のフィルム用印刷インキ組成物。
  4. 前記有機溶剤がエステル系有機溶剤、アルコール系有機溶剤およびケトン系有機溶剤の混合溶剤である請求項1〜3のいずれかに記載のフィルム用印刷インキ組成物。
  5. 前記有機溶剤がエステル系有機溶剤およびアルコール系有機溶剤の混合溶剤である請求項1〜3のいずれかに記載のフィルム用印刷インキ組成物。
  6. 前記顔料が白色顔料である請求項1〜5のいずれかに記載のフィルム用印刷インキ組成物。
  7. 前記白色顔料が酸化チタンである請求項6記載のフィルム用印刷インキ組成物。
  8. 前記フィルムに請求項1〜7のいずれかに記載のフィルム用印刷インキ組成物を印刷して得られる印刷物。
  9. 前記フィルムに請求項1〜7のいずれかに記載のフィルム用印刷インキ組成物を印刷した後、さらにラミネート加工して得られるラミネート加工物。
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