JP2018043935A - 疎水性固形組成物を含有する化粧料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】経時的に安定性が良く、塗布時の伸び及び感触等の使用感に優れ、塗布した部分を摩擦又は擦ることで、物理的に効率よく容易に潰すことができ、内包物を再放出する効果を有するだけでなく、潰した後に残渣を生じない疎水性固形組成物を含有する化粧料及びその製造方法を提供すること。【解決手段】(A)1種又は2種以上の高級アルコール、(B)香料、(C)1質量%以下である水溶性高分子、(D)水を含有し、(A)高級アルコール及び(B)香料によって構成される疎水性固形組成物の平均粒子径は常温で1〜120μmであり、(C)水溶性高分子及び(D)水によって構成される水相の25℃での粘度は100〜30000mPa・sである。【選択図】なし

Description

本発明は、疎水性固形組成物を含有する化粧料及びその製造方法に関する。
従来、香料は、嗜好性のある匂いを賦香することで消費者に良いイメージを与えるだけでなく、製品に使用される各原料の基材臭や不快臭(例えば、汗や、タバコの臭いなど)をマスキングするといった様々な目的のために、食品、化粧品、雑貨品等の多岐にわたる産業分野で使用されており、私たちの生活にとって切り離せない存在となっている。さらに、香りには、消費者の気分をリラックスさせる効果又はリフレッシュさせる効果が有り、これらの効果に着目し、香りそのものを楽しむ製品も多種多様に存在している。しかしながら、香りは揮散物質であるため、上記に示した効果は、香料を含む製品の使用直後から時間の経過と共に徐々に弱くなることが知られている。
特開2010−235759号公報 特開2014−105164号公報 特開2014−237761号公報
そこで、上記特許文献1には、香りの効果を持続させるために香りの質が変化することなく長時間持続する油性固形状香料組成物についての技術が記載されている。しかしながら、香りが徐々に弱くなるという問題自体はこの技術で解決することができない。
また、特許文献2には、α−ゲル構造を有する香料放出用組成物により、室温での香料の揮散を抑制し、加熱することで香りを揮散することができる技術が記載されている。しかしながら、この技術では、香りを揮散させるために60℃以上の加熱が必要であり、物理的に効率よく容易に香りを再放出することはできない。
また、特許文献3の香料内包カプセル及びそれを配合した化粧料は、特定の香料と流動パラフィン等の油分からなる芯物質とポリ(メタ)アクリル酸アルキル、ポリスチレンから選択される1種又は2種以上のポリマーにより形成される壁剤からなる香料カプセルを用いることで任意の時に香りを放出できる、とされている。しかしながら、カプセルを潰した後に残る壁剤の残渣による白浮き(フレーキング)を生じるといった問題がある。
本発明は、上記従来の問題点に留意してなされたものであり、経時的に安定性が良く、塗布時の伸び及び感触等の使用感に優れ、塗布した部分を摩擦又は擦ることで、物理的に効率よく容易に潰すことができ、内包物を再放出する効果を有するだけでなく、潰した後に残渣を生じない疎水性固形組成物を含有する化粧料及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る疎水性固形組成物を含有する化粧料は、
(A)1種又は2種以上の高級アルコール、
(B)香料、
(C)1質量%以下である水溶性高分子、
(D)水
を含有し、
(A)高級アルコール及び(B)香料によって構成される疎水性固形組成物の平均粒子径は常温で1〜120μmであり、
(C)水溶性高分子及び(D)水によって構成される水相の25℃での粘度は100〜30000mPa・sであることを特徴としている(請求項1)。
上記疎水性固形組成物を含有する化粧料において、(A)高級アルコールの融点を45℃〜70℃とし、(B)香料に対する(A)高級アルコールの質量比((A)/(B))の値を0.67〜10としてもよい(請求項2)。
一方、上記目的を達成するために、本発明に係る疎水性固形組成物を含有する化粧料の製造方法は、前記疎水性固形組成物及び前記水相を、前記疎水性固形組成物が融解する温度以上に加熱した状態で混合及び撹拌し、前記疎水性固形組成物を前記水相に分散させた状態で冷却する(請求項3)。
本願発明では、例えば上述の製造方法により、経時的に安定性が良く、塗布時の伸び及び感触等の使用感に優れ、塗布した部分を摩擦又は擦ることで、物理的に効率よく容易に潰すことができ、内包物を再放出する効果を有するだけでなく、潰した後に残渣を生じない疎水性固形組成物を含有する化粧料が得られる。
本発明の化粧料は、常温下で、香料を含む疎水性固形組成物が、ある程度の粘度を有する水相に分散した状態となっているものである。
疎水性固形組成物は、水相に分散した状態での平均粒子径が常温で1〜120μmであり、より好ましくは10〜60μmであれば、塗布時の感触に優れ、フレーキングを生じず、且つ摩擦又は擦ることによって内包物を再放出するものとなる。疎水性固形組成物の平均粒子径が1μm未満では、疎水性固形組成物に含有している内包物が経時的に水相に分配されるため好ましくない。疎水性固形組成物の平均粒子径が120μm超では、塗布時の使用感が悪く、フレーキングが生じやすくなるため好ましくない。ここで、本明細書において、平均粒子径とは、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(例えば株式会社堀場製作所製の製品名LA−950)により測定されるモード径である。なお、モード径とは、出現比率が最も多い粒子径の値を意味する。
そして、本実施形態では、上記疎水性固形組成物を、(A)1種又は2種以上の高級アルコールと、(B)香料とによって構成する。
経時的に安定性が良く、使用感に優れ、擦る又は摩擦によって潰すことができる疎水性固形組成物を調製するためには、(A)高級アルコールの単独又は混合物融点を45℃〜70℃とするのが好ましく、55〜65℃とするのがより好ましい。単独又は混合物融点が45℃未満の高級アルコールは、粒子同士の合一を生じ経時的な安定性が悪く好ましくない。単独又は混合物融点が70℃超の高級アルコールは、疎水性固形物の平均粒子径が120μm超となり、潰しにくく、残渣も生じやすくなり好ましくない。
斯かる(A)高級アルコールとして、具体的には、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナービルアルコール等のうち、少なくとも1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これに対して、(B)香料は、通常化粧料に用いられるものであれば特に限定されず、常温で液体状のものが殆どであるが、例えばメントール等、常温で固体状のものを用いてもよい。
(B)香料の具体例は以下の通りである。例えば、天然香料としては、ローズ、ジャスミン、キンモクセイ、カシス、ペパーミント、メントール、スペアミント、シソ、ローズマリー、セージ、ローレル、ウインターグリーン、ユーカリ、シンナモン、キハダ、ジンジャー、ターメリック、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ、バニラ、ナツメグ、ビターアーモンド、及びマスタード等が挙げられ、合成香料としては、イソチオシアネート類、エステル類、脂肪族高級アルコール類、チオエーテル類、フェノールエーテル類、芳香族アルコール類、インドール及びその誘導体、ケトン類、脂肪族高級アルデヒド類、チオール類、フェノール類、芳香族アルデヒド類、エーテル類、脂肪酸類、脂肪族高級炭化水素類、テルペン系炭化水素類、フルフラール及びその誘導体、及びラクトン類等が挙げられ、天然香料及び合成香料を組み合わせた調合香料も挙げることができ、少なくとも1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
安定性と使用感に優れ、且つ摩擦又は擦ることによって潰すことができ、残渣を生じない疎水性固形組成物が得られるということからすると、(B)香料に対する(A)高級アルコールの質量比((A)/(B))の値は、0.67〜10であり、より好ましくは1〜5である。質量比((A)/(B))の値が0.67以下では、疎水性固形組成物の調製時に粒子同士の合一が生じやすく、斯かる合一によって平均粒子径が120μm以上になり、また経時的な安定性が悪いため好ましくない。質量比((A)/(B))の値が10以上では、摩擦又は擦ることによって疎水性固形組成物を潰すことができず、残渣を生じ易くなるため好ましくない。
また、塗布時の伸び、使用感に優れたものとする上では、水相に分散した状態の疎水性固形組成物の形状は球体であることが好ましい。
一方、本実施形態では、上記水相を、(C)水溶性高分子と、(D)水とによって構成する。
上記水相に用いられる(C)水溶性高分子は、配合率が1質量%以下であり、且つ水相の粘度が100〜30000mPa・sであればよく、(C)水溶性高分子の配合率が0.1〜0.5質量%であり、且つ水相の粘度が4000〜12000mPa・sであることがより好ましい。(C)水溶性高分子の配合率が1質量%以上では、塗布後のフレーキングの問題や、塗布時の伸び及び使用感に悪影響を及ぼすため好ましくなく、且つ水相の粘度が100mPa・s以下の場合は、疎水性固形組成物の調製時に粒子の合一を生じるため好ましくない。水相の粘度が30000mPa・s以上では、疎水性固形組成物の調製時に粒子を均一に分散させることができないため好ましくない。
斯かる(C)水溶性高分子として、具体的には、カルボマー、アクリレーツコポリマー、PVP/カルボマーゲル、ヒドロキシエチルセルロース、(アクリル酸/ビニルピロリドン)コポリマー、(アクリレーツ/イタコン酸ステアレス―20)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアニモニウムメタクリル酸ベヘネスー25)クロスポリマー等のうち、少なくとも1種または2種以上を組み合わせて用いることができ、特にカルボマーが好ましい。
その他の成分として、本発明の疎水性固形組成物を含有する化粧料には、本発明の効果、質感を損なわない程度に、動植物油、アミノ酸、高分子化合物、紫外線吸収剤、植物抽出物、ポリペプタイド類、タンパク質、保湿剤、有機溶剤、シリコーン類、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、マスキング剤、着色量など一般に化粧料に用いられるものを適宣配合しても良い。
(C)及び(D)成分に対する(A)及び(B)成分の質量比((A)及び(B)成分の質量/(C)及び(D)成分の質量)は、30/70よりも小さくしておくのであって、25/75以下とするのが好ましく、20/80以下とするのがより好ましい。30/70以上では、(A)及び(B)成分が多く、(C)及び(D)成分への分散性が悪くなるため、疎水性固形組成物が塊となり、疎水性固形組成物を含有する化粧料を調製することができない。
本発明の疎水性固形組成物を含有する化粧料の製造方法は、60〜100℃の温度(疎水性固形組成物である(A)及び(B)成分が融解する温度以上)まで加熱した所定量の(A)及び(B)成分と、60〜100℃の温度(疎水性固形組成物である(A)及び(B)成分が融解する温度以上)まで加熱した(C)及び(D)成分を機械的に混合及び撹拌し、疎水性固形組成物((A)及び(B)成分)を水相((C)及び(D)成分)に分散させた状態で冷却する方法が挙げられる。
(香りを放出させる方法)
本発明の疎水性固形組成物を含有する化粧料は、前腕部等の体表面に塗布し、塗布後例えば6時間経過した(自然乾燥させた)後でも、塗布部を摩擦又は擦ることによって内容物を再放出させることができる。従って、例えば、消費者が香気を必要としているタイミングで汗や、タバコの臭いなどをマスキングすることができる。さらに、使用感に優れており、潰した後に残渣を生じない。
以下に実施例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、本発明は、これに何ら限定されるものではない。尚、配合量は特記しない限り質量%で表わす。
<実施例1〜5>
本発明の疎水性固形組成物を含有する化粧料として、下記表1に示す組成を有する化粧料を調製した。
<比較例1〜10>
また、比較のため疎水性固形組成物を含有する化粧料を、下記表2に示す組成を有する化粧料を調製した。
<香りの再放出評価>
調製した疎水性固形組成物を含有する化粧料の香りの再放出評価は、前腕部に0.2gを塗布し、6時間自然乾燥させた後、塗布部を摩擦又は擦ることによって、疎水性固形組成物を潰した時の香りについて、下記の3段階で評価した(表1,2の「評価」グループの「香りの再放出」欄参照)。
○:香りの再放出が認められる。
△:香りの再放出が僅かに認められる。
×:香りの再放出が認められない。
<残渣評価>
調製した疎水性固形組成物を含有する化粧料の残渣評価は、手のひらに2g量り取り、手のひらで潰した時の残渣の有無を目視で確認し、下記の3段階で評価した(表1,2の「評価」グループの「残渣」欄参照)。
○:疎水性固形組成物を含有する化粧料を手のひらで潰した時、残渣が見られない。
△:疎水性固形組成物を含有する化粧料を手のひらで潰した時、僅かに残渣が見られる。
×:疎水性固形組成物を含有する化粧料を手のひらで潰した時、残渣が見られる。
<平均粒子径及び形状評価>
調製した疎水性固形組成物を含有する化粧料の平均粒子径及び形状評価は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(株式会社堀場製作所製の製品名LA−950)で測定し、かつ、マイクロスコープで観察し、下記の3段階で評価した(表1,2の「評価」グループの「粒子径及び形状」欄参照)。
○:平均粒子径が120μm以下であり、粒子の形状が球体である。
△:平均粒子径が120μm以下であるが、粒子の形状が不定形である。
×:平均粒子径が120μm以上のものが存在し、粒子の形状が不定形である。
<フレーキング評価>
調製した疎水性固形組成物を含有する化粧料のフレーキング評価は、バージンヘアの毛束1.2gに対し0.5g塗布し、室温25℃で24時間自然乾燥させ、コームを10回通した後、フレーキングの有無を目視で確認し、下記の3段階で評価した(表1,2の「評価」グループの「フレーキング」欄参照)。
○:フレーキングが見られない。
△:フレーキングが僅かに見られる。
×:フレーキングが見られる。
<伸び及び使用感評価>
調製した疎水性固形組成物を含有する化粧料の伸び及び使用感評価は、手のひらに1g量り取り、前腕部に均一に伸ばした時に感じる感触を官能評価で下記の3段階で評価した(表1,2の「評価」グループの「塗布時の伸び及び使用感」欄参照)。
○:塗布時の伸びが良く、使用感が軽く違和感がない。
△:塗布時の伸びにひっかかりを感じるが、使用感は軽く違和感がない。
×:塗布時の伸びが重たく、使用感が好ましくない。
<各温度の経時的な安定性評価>
調製した疎水性固形物を含有する化粧料の各温度の経時的な安定性評価は、0℃、40℃の恒温槽に1ヶ月間放置し、その後の粒子の状態をマイクロスコープで観察し、下記の3段階で評価した(表1,2の「評価」グループの「各温度の経時的な安定性(1ヶ月)」欄参照)。
○:粒子の形状が球体であり、合一が見られない。
△:粒子の形状が不定形であり、僅かに合一が見られる。
×:粒子の形状が不定形であり、合一が見られる。
上記表1の評価結果から明らかなように、本発明に関わる実施例1〜5の疎水性固形組成物を含有する化粧料は、高級アルコールの融点が45℃〜70℃、高級アルコール/香料の質量比の値が0.67〜10で尚且つ、水相の水溶性高分子が配合率1質量%以下であり、25℃での粘度が100〜30000mPa・sである範囲に調製されているため、手のひらで潰すことにより香りの再放出が認められ、潰した後、残渣が生じず、調製した疎水性固形組成物の平均粒子径が1〜120μmであり、粒子が球状であるため、塗布時の伸びと使用感に優れ、フレーキングを生じず、経時的な安定性に優れていることが分かる。
一方、上記表2の評価結果から明らかなように、比較例1及び2で調製した疎水性固形組成物を含有する化粧料は、高級アルコール以外の固形物を使用しているため、融点が45℃〜70℃、固形物/香料の質量比の値が0.67〜10で尚且つ、水相の水溶性高分子が配合率1質量%以下であり、25℃での粘度が100〜30000mPa・sである範囲に調整されていても、全ての評価が好ましくないことが分かる。
比較例3で調製した疎水性固形組成物を含有する化粧料は、配合している高級アルコールの融点が38.0℃であり、融点が45℃〜70℃の範囲内に調整されていないため、調製した疎水性固形組成物の平均粒子径は120μm超のものが存在し、粒子の形状が不定形であり、潰した時に僅かに残渣とフレーキングが見られるだけでなく、塗布時の伸びにひっかかりを感じ、経時的な安定性が良くないことが分かる。
比較例4で調製した疎水性固形組成物を含有する化粧料は、配合している高級アルコールの融点が70.5℃であり、融点が45℃〜70℃の範囲内に調整されていないため、疎水性固形組成物を潰しにくく、残渣とフレーキングが見られ、香りの再放出がほとんど認められないだけでなく、平均粒子径は、120μm超のものが存在し粒子の形状が不定形であり、塗布時の伸びが重たく使用感が好ましくないことが分かる。
比較例5で調製した疎水性固形組成物を含有する化粧料は、(B)香料に対する(A)高級アルコールの質量比((A)/(B))の値が0.23であり、0.67〜10の範囲に調整されていない(下回っている)ため、疎水性固形組成物の調製時に粒子同士の合一が生じ易くなっていることに起因して、調製した疎水性固形組成物の平均粒子径は120μm超となる上、粒子の形状が不定形であり、潰した時に僅かに残渣とフレーキングが見られるだけでなく、塗布時の伸びにひっかかりを感じ、経時的な安定性が良くないことが分かる。
比較例6で調製した疎水性固形組成物を含有する化粧料は、(B)香料に対する(A)高級アルコールの質量比((A)/(B))の値が11であり、0.67〜10の範囲に調整されていないため、疎水性固形組成物を潰しにくく残渣とフレーキングが見られ、香りの再放出がほとんど認められず、使用時の伸びが重たく使用感が好ましくないことが分かる。
比較例7で調製した疎水性固形組成物を含有する化粧料は、水相((C)及び(D)成分)に対する疎水性固形組成物((A)又は固形物及び(B)成分)の質量比が30/70であるため、(C)及び(D)成分に対する(A)及び(B)成分の分散性が悪くなり、疎水性固形組成物を含有する化粧料を調製することができない(疎水性固形組成物が水相に分散した状態とならない)のであって、評価以前の問題である。また、上記表2に示すように、無理に評価したところで、悪い評価しか得られない。
比較例8で調製した疎水性固形組成物を含有する化粧料は、(C)水溶性高分子の配合濃度が1質量%以上であり、水相の(C)水溶性高分子が配合率1質量%以下に調製されていないため、フレーキングが生じ、塗布時の伸びが重たく使用感が好ましくないことが分かる。
比較例9及び10で調製した疎水性固形組成物を含有する化粧料は、水相の粘度が100〜30000mPa・sの範囲に調整されていないため、全ての評価が好ましくないことが分かる。
なお、本発明は、上記の実施の形態に何ら限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々に変形して実施し得ることは勿論である。

Claims (3)

  1. (A)1種又は2種以上の高級アルコール、
    (B)香料、
    (C)1質量%以下である水溶性高分子、
    (D)水
    を含有し、
    (A)高級アルコール及び(B)香料によって構成される疎水性固形組成物の平均粒子径は常温で1〜120μmであり、
    (C)水溶性高分子及び(D)水によって構成される水相の25℃での粘度は100〜30000mPa・sであることを特徴とする疎水性固形組成物を含有する化粧料。
  2. (A)高級アルコールの融点は45℃〜70℃であり、
    (B)香料に対する(A)高級アルコールの質量比((A)/(B))の値は0.67〜10である請求項1に記載の疎水性固形組成物を含有する化粧料。
  3. 前記疎水性固形組成物及び前記水相を、前記疎水性固形組成物が融解する温度以上に加熱した状態で混合及び撹拌し、前記疎水性固形組成物を前記水相に分散させた状態で冷却する請求項1または2に記載の疎水性固形組成物を含有する化粧料の製造方法。
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