JP2014105164A - 香料放出用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】香料の含有量が高いにもかかわらず、室温での保存時では香料の揮散が抑制され、使用時、例えば一旦加熱した後に香りを揮散させることができると共に、長期保存後でも香調が変化しない香料放出用組成物を提供すること。
【解決手段】(A)ノニオン性界面活性剤、(B)炭素数8〜30の高級アルコール、(C)香料及び(D)水を含有する、α−ゲル構造を有する香料放出用組成物であって、該組成物中、(C)成分が5質量%以上であり、(B)成分/(C)成分の質量比が0.1〜5であり、示差走査熱量計を用いて得られる融点が40〜60℃である、α−ゲル構造を有する香料放出用組成物。
【選択図】なし
【解決手段】(A)ノニオン性界面活性剤、(B)炭素数8〜30の高級アルコール、(C)香料及び(D)水を含有する、α−ゲル構造を有する香料放出用組成物であって、該組成物中、(C)成分が5質量%以上であり、(B)成分/(C)成分の質量比が0.1〜5であり、示差走査熱量計を用いて得られる融点が40〜60℃である、α−ゲル構造を有する香料放出用組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、香料放出用組成物に関する。
従来、様々な製品に対し、その製品価値の向上を図るために香料が配合されてきた。香料配合の目的の一つは、製品中に含まれる基材の臭いをマスキングすることである。また、別の目的としては、製品に香りを付与し、嗜好性を確保することである。しかしながら、製品に香料を配合すると、保存中に香料が揮散してしまい、使用時に十分な香りを感じることができないことがある。このような状況から、香料の保存安定性を改善する取り組みが種々なされている。
特許文献1には、少なくとも一種のにおい放出剤及び少なくとも一種の表面活性剤を含む組成物であって、上記におい放出剤は、マイクロカプセル内に封入され、そのマイクロカプセルは、間隙水を成す水性媒体で分離された界面活性剤の同心状二重層の多重ラメラ配置で構成されると共に、上記におい放出剤は、疎水性であるときに上記マイクロカプセルの膜中に含有され及び/又は親水性であるときに上記マイクロカプセルの上記間隙水中に含有されることを特徴とするにおいを放つ組成物が開示されている(特許文献1参照)。
本発明の課題は、香料の含有量が高いにもかかわらず、室温での保存時では香料の揮散が抑制され、使用時、例えば一旦加熱した後に香りを揮散させることができると共に、長期保存後でも香調が変化しない、α−ゲル構造を有する香料放出用組成物を提供することである。なお、特許文献1は、長期保存後でも香調が変化しない安定したα−ゲル構造を有する香料放出用組成物を開示するものではなく、また、加熱後に香りを揮散させるという課題も異なる。
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕 (A)ノニオン性界面活性剤、
(B)炭素数8〜30の高級アルコール、
(C)香料、及び
(D)水、
を含有する、α−ゲル構造を有する香料放出用組成物であって、
該組成物中、(C)成分が5質量%以上であり、(B)成分/(C)成分の質量比が0.1〜5であり、示差走査熱量計(DSC)を用いて得られる融点が40〜60℃である、α−ゲル構造を有する香料放出用組成物;並びに
〔2〕 前記〔1〕に記載の組成物を60℃以上に加熱する工程を含む、該組成物から(C)成分の香料を放出させる方法;に関する。
〔1〕 (A)ノニオン性界面活性剤、
(B)炭素数8〜30の高級アルコール、
(C)香料、及び
(D)水、
を含有する、α−ゲル構造を有する香料放出用組成物であって、
該組成物中、(C)成分が5質量%以上であり、(B)成分/(C)成分の質量比が0.1〜5であり、示差走査熱量計(DSC)を用いて得られる融点が40〜60℃である、α−ゲル構造を有する香料放出用組成物;並びに
〔2〕 前記〔1〕に記載の組成物を60℃以上に加熱する工程を含む、該組成物から(C)成分の香料を放出させる方法;に関する。
本発明によれば、製造後から使用時までの期間が長期であってもその間の香料の揮散を抑制することができ、使用時に温度を高めるという人的行為により積極的に高強度で香りの拡散を開始させることができる、α−ゲル構造を有する香料放出用組成物を提供することができる。
<(A)成分>
本発明で用いる(A)成分のノニオン性界面活性剤としては特に限定されず、例えば以下のものを用いることができる。
本発明で用いる(A)成分のノニオン性界面活性剤としては特に限定されず、例えば以下のものを用いることができる。
即ち、多価アルコール脂肪酸エステルのオキシエチレン付加物、例えばポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油及びポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル等;多価アルコール脂肪酸エステル、例えばソルビタン脂肪酸エステル及びショ糖脂肪酸エステル等;高級アルコールのオキシアルキレン付加物、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリグリセリン脂肪酸エステル;アルキルグルコシド等が挙げられる。(A)成分としては、これらから選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。
これらのうち、多価アルコール脂肪酸エステルのオキシエチレン付加物、及び多価アルコール脂肪酸エステルからなる群より選択される1種又は2種が好ましく、多価アルコール脂肪酸エステルのオキシエチレン付加物がより好ましい。
ここで多価アルコールとは、グリセリン、ソルビトール、グルコース等の炭素数2〜6、好ましくは炭素数3〜6のアルコールが好ましい。脂肪酸の炭素数は、8〜22が好ましく、8〜18がより好ましく、高級アルコールの炭素数は、8〜22が好ましく、8〜18がより好ましい。
中でもノニオン性界面活性剤としては、(1)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、(2)ソルビタン脂肪酸エステル及び(3)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油からなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
ノニオン性界面活性剤のHLBは特に限定されないが、(C)成分の香料を安定に分散する観点から18以下が好ましく、10〜18がより好ましい。なお、HLBとは、親水性−親油性のバランス(Hydrophilic-Lipophilic Balance)を示す指標であり、本発明においては、小田・寺村らによる式:
HLB=(Σ無機性値/Σ有機性値)×10
を用いて算出したときの値である。
HLB=(Σ無機性値/Σ有機性値)×10
を用いて算出したときの値である。
本発明の組成物中のノニオン性界面活性剤の含有量は、α−ゲル構造を有する香料放出用組成物を形成し、ゲルの融点を40〜60℃にする観点から、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上がさらに好ましく、一方、加熱後(例えば60℃以上に加熱後)の香りの強度を高める観点から15質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましく、また、好ましくは0.5〜15質量%、より好ましくは1〜8質量%、より好ましくは2〜5質量%である。
<(B)成分>
本発明で用いる(B)成分の高級アルコールとは、炭素数8〜30のアルコールを示す。高級アルコールの炭化水素鎖は直鎖でも分岐していてもよく、不飽和結合があってもよい。(B)成分の高級アルコールは一価アルコールである。
本発明で用いる(B)成分の高級アルコールとは、炭素数8〜30のアルコールを示す。高級アルコールの炭化水素鎖は直鎖でも分岐していてもよく、不飽和結合があってもよい。(B)成分の高級アルコールは一価アルコールである。
高級アルコールの炭化水素鎖は、α−ゲル構造を有する香料放出用組成物の融点を40〜60℃にする観点から、好ましくは炭素数12以上、より好ましくは14以上、さらに好ましくは16以上、及び加熱後(例えば60℃以上に加熱後)の香りの強度を高める観点から好ましくは30以下、より好ましくは22以下である。
(B)成分の高級アルコールの具体例としては、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが挙げられ、ベヘニルアルコールがより好ましい。
(B)成分中のベヘニルアルコールの含有量は、例えば60℃以上に加熱後の香りの強度を高める観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上であり、ゲルの安定性の観点から、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは85質量%以下である。
本発明の組成物中の(B)成分の高級アルコールの含有量は、α−ゲル構造を有する香料放出用組成物の安定性と該組成物の融点を40〜60℃にする観点から、好ましくは3質量%以上、より好ましくは4質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、一方、加熱後(例えば60℃以上に加熱後)の香りの強度を高める観点から30質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、8質量%以下がさらに好ましく、また好ましくは3〜30質量%、より好ましくは4〜15質量%、より好ましくは5〜8質量%である。(B)成分は、1種類の高級アルコールから構成されていても良く、複数の種類の高級アルコールから構成されていても良い。
<(C)成分>
本発明で用いる(C)成分の香料としては、一般に香料として用いられているものであればよいが、市販されているシトラス系、ウッド系の香料が好ましい。これらの香料は、保存安定性が低下しやすいので、本明細書に記載のα−ゲル構造内に含有させておき、加温時に揮散させることができるため、本発明に適している。
本発明で用いる(C)成分の香料としては、一般に香料として用いられているものであればよいが、市販されているシトラス系、ウッド系の香料が好ましい。これらの香料は、保存安定性が低下しやすいので、本明細書に記載のα−ゲル構造内に含有させておき、加温時に揮散させることができるため、本発明に適している。
具体的には、リスボン、ユーレカ、ファミネロオバーレ、ビラフランカ、ネーブルオレンジ、バレンシアオレンジ、マンダリン、グレープフルーツ、スウィーティー、シダーウッド、パチュリ、及びベチバーからなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましく挙げられる。
香料は、溶剤、香料安定化剤等と共に用いてもよい。
香料は、溶剤、香料安定化剤等と共に用いてもよい。
本発明の組成物中の(C)成分の含有量は、香りの強度を高める観点から、5質量%以上、より好ましくは6質量%以上、さらに好ましくは8質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であり、本発明の組成物の安定性の観点から、好ましくは25質量%以下、より好ましくは23質量%以下、より好ましくは20質量%以下、より好ましくは18質量%以下であり、より好ましくは15質量%以下であり、また、好ましくは5〜25質量%、さらに好ましくは6〜23質量%、より好ましくは8〜20質量%、より更に好ましくは10〜18質量%である。本発明の組成物には、従来品よりも香料をより多く含ませることができる。
<成分間の比率>
(B)成分と(C)成分の質量比((B)/(C))は、α−ゲル構造を有する香料放出用組成物の安定性と該組成物の融点を40〜60℃にする観点から、0.1以上、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.3以上であり、例えば60℃以上に加熱後の香りの強度を高める観点から、5以下、好ましくは3以下、より好ましくは0.9以下、より更に好ましくは0.7以下であり、また、0.1〜5、好ましくは0.2〜3、より更に好ましくは0.2〜0.9、更に好ましくは0.3〜0.7である。
(B)成分と(C)成分の質量比((B)/(C))は、α−ゲル構造を有する香料放出用組成物の安定性と該組成物の融点を40〜60℃にする観点から、0.1以上、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.3以上であり、例えば60℃以上に加熱後の香りの強度を高める観点から、5以下、好ましくは3以下、より好ましくは0.9以下、より更に好ましくは0.7以下であり、また、0.1〜5、好ましくは0.2〜3、より更に好ましくは0.2〜0.9、更に好ましくは0.3〜0.7である。
(A)成分と(C)成分の質量比((A)/(C))は、α−ゲル構造を有する香料放出用組成物の安定性の観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.15以上、さらに好ましくは0.2以上、香りの強度を高める観点から、好ましくは2以下、より好ましくは1以下、さらに好ましくは0.3以下である。
<(D)成分>
本発明の組成物中の(D)成分の水の含有量は、α−ゲル構造を安定に形成させる観点と香料の含有量を高める観点から、好ましくは30〜90質量%、より好ましくは40〜85質量%、さらに好ましくは50〜83質量%、より好ましくは55〜80質量%である。
本発明の組成物中の(D)成分の水の含有量は、α−ゲル構造を安定に形成させる観点と香料の含有量を高める観点から、好ましくは30〜90質量%、より好ましくは40〜85質量%、さらに好ましくは50〜83質量%、より好ましくは55〜80質量%である。
<その他の成分>
本発明のα−ゲル構造を有する香料放出用組成物には、α−ゲル構造の形成を損なわない範囲において、pH調整剤、防腐剤、塩類、水溶性有機溶媒(メタノール、エタノール、イソプロパノール等の炭素数1〜3のアルコール及び/又はアセトン)、ポリオール類等をさらに適宜配合してもよい。
本発明のα−ゲル構造を有する香料放出用組成物には、α−ゲル構造の形成を損なわない範囲において、pH調整剤、防腐剤、塩類、水溶性有機溶媒(メタノール、エタノール、イソプロパノール等の炭素数1〜3のアルコール及び/又はアセトン)、ポリオール類等をさらに適宜配合してもよい。
水溶性有機溶媒の含有量は、α−ゲル構造の形成を損なわない観点から、組成物中、3質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、0質量%であってもよい。
<α−ゲル構造を有する香料放出用組成物の物性>
α−ゲル構造を有する香料放出用組成物の融点は40〜60℃であり、好ましくは40〜58℃、更に好ましくは45〜55℃である。融点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される。具体的には、5℃/minで昇温し、吸熱のピークトップ温度を融点とする。
α−ゲル構造を有する香料放出用組成物の融点は40〜60℃であり、好ましくは40〜58℃、更に好ましくは45〜55℃である。融点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される。具体的には、5℃/minで昇温し、吸熱のピークトップ温度を融点とする。
本発明の香料放出用組成物はα−ゲル構造を有する。α−ゲルは高級アルコールとノニオン活性剤が形成する二層膜構造であり、偏光顕微鏡を用いてα−ゲル構造を有する香料放出用組成物を観察して、該α−ゲル構造を有する香料放出用組成物が液晶に独特のマルターゼクロス構造を形成していれば、α−ゲルを形成していると判定することができる。
<α−ゲル構造を有する香料放出用組成物の製造方法>
本発明のα−ゲル構造を有する香料放出用組成物の製造方法としては、所定の量の(A)成分〜(D)成分を好ましくは60〜100℃、より好ましくは65〜95℃の温度で乳化させ、次いで冷却する方法が挙げられる。このようにして得られる組成物はα−ゲル構造を形成している。なお、融点を40〜60℃に調整する方法としては、前述のとおり、例えば(B)成分の高級アルコールの量で調整することができる。
本発明のα−ゲル構造を有する香料放出用組成物の製造方法としては、所定の量の(A)成分〜(D)成分を好ましくは60〜100℃、より好ましくは65〜95℃の温度で乳化させ、次いで冷却する方法が挙げられる。このようにして得られる組成物はα−ゲル構造を形成している。なお、融点を40〜60℃に調整する方法としては、前述のとおり、例えば(B)成分の高級アルコールの量で調整することができる。
乳化の際には必要に応じて撹拌を行うことができる。撹拌は特定の撹拌翼や特殊な装置は特別に必要ではなく、例えば、アンカー翼やプロペラ翼、ホモミキサーなどを好適に用いることができる。
また、冷却には、特定の冷却速度は必要ではなく、水やエチレングリコールなどの冷媒を用いることができ、また空冷を行うこともできる。
冷却速度としては、10℃/min〜0.01℃/min等で冷却することができ、汎用のジャケット付きの容器や二重管式熱交換器等を用いることができる。
<香料を放出させる方法>
本発明のα−ゲル構造を有する香料放出用組成物を60℃以上に加熱することによって、該組成物に含まれた(C)成分の香料を放出させることができる。このような温度状況としては、サウナや浴室、加湿器、車内等、カイロ、ハクキンカイロ(ハクキンカイロ株式会社製)がある。従って、例えばサウナ等の営業時に、サウナ室内を所定の香りで満たすことができる。
本発明のα−ゲル構造を有する香料放出用組成物を60℃以上に加熱することによって、該組成物に含まれた(C)成分の香料を放出させることができる。このような温度状況としては、サウナや浴室、加湿器、車内等、カイロ、ハクキンカイロ(ハクキンカイロ株式会社製)がある。従って、例えばサウナ等の営業時に、サウナ室内を所定の香りで満たすことができる。
本発明のα−ゲル構造を有する香料放出用組成物を配合し、当該α−ゲル構造を有する香料放出用組成物の温度を60℃以上に昇温することができる部材を有する温熱用具を提供することもできる。
当該組成物の温度を60℃以上に昇温することができる部材としては、使い捨てカイロに使われているような酸素と反応することで発熱する鉄粉や、電気による発熱体、気化した燃料が触媒作用で酸化発熱する発熱体などが挙げられる。
本発明の方法のように、60℃以上に加熱することによって香料が放出されるメカニズムとしては、常温ではα−ゲルの二層膜構造によって(C)成分の香料が封入された状態にあるところ、加熱することで二層膜が融解して香料が拡散するものであると考えられる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はかかる実施例等により何ら制限されるものではない。
実施例1〜8及び比較例1〜3
表1及び表2に示す、ノニオン性界面活性剤(A)、高級アルコール(B)、香料(C)、メチルパラベン(防腐剤)及び水(D)をビーカーに入れた。次いで、ホモミキサー(IKA社、Ultra Turrax)を用いて、80℃、30000rpmで2分間撹拌して乳化させた後、室温になるまで放冷して、香料放出用組成物を得た。
表1及び表2に示す、ノニオン性界面活性剤(A)、高級アルコール(B)、香料(C)、メチルパラベン(防腐剤)及び水(D)をビーカーに入れた。次いで、ホモミキサー(IKA社、Ultra Turrax)を用いて、80℃、30000rpmで2分間撹拌して乳化させた後、室温になるまで放冷して、香料放出用組成物を得た。
各実施例及び各比較例で得られた香料放出用組成物の諸性質は、以下の方法によって測定した。
<α−ゲル形成の確認方法>
得られた香料放出用組成物をプレパラート上に乗せて、偏光顕微鏡(VHX-500、KEYENCE社製)でマルターゼクロスの有無を確認した。
得られた香料放出用組成物をプレパラート上に乗せて、偏光顕微鏡(VHX-500、KEYENCE社製)でマルターゼクロスの有無を確認した。
<香料の油浮き確認方法>
香料とその他成分との相分離が見られるかについて、調製したサンプルの外観を目視で確認した。
香料とその他成分との相分離が見られるかについて、調製したサンプルの外観を目視で確認した。
<香料放出用組成物の融点>
示差走査熱量計(Thermo plus DSC8230、Rigaku製)を用い、得られた香料放出用組成物を5℃/minで昇温し、吸熱のピークトップ温度を融点とした。
示差走査熱量計(Thermo plus DSC8230、Rigaku製)を用い、得られた香料放出用組成物を5℃/minで昇温し、吸熱のピークトップ温度を融点とした。
<香りの強度と香調の変化試験>
得られた香料放出用組成物を30℃に保ち、4名の専門パネラーが香料の強度を10段階で評価し、数平均を求めて、四捨五入した。10が最も強く香るスコアとした。
得られた香料放出用組成物を30℃に保ち、4名の専門パネラーが香料の強度を10段階で評価し、数平均を求めて、四捨五入した。10が最も強く香るスコアとした。
また、香料放出用組成物を40℃で1ヶ月保存した後、60℃まで加熱して同様に香料の強度を確認した。さらに、保存前後での香調の変化の有無を確認した。ここで、香調の変化とは、保存前後で香りの特徴が変化することを意味する。
表中の各成分の詳細を以下に示す。
レオドールTW−S120V:モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO)、花王株式会社製、HLB=14.9
レオドールAS−10V:モノステアリン酸ソルビタン、花王株式会社製、HLB=4.7
エマノーンCH−60(K):ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40EO)、花王株式会社製、HLB=14.0
エマール270J:ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、有効分70%、花王株式会社製
カルコール6098:パルミチルアルコール、純度98%以上、花王株式会社製
カルコール8098:ステアリルアルコール、純度98%以上、花王株式会社製
カルコール220−80:ベヘニルアルコール、純度80%以上、花王株式会社製
メチルパラベン:エーピーアイコーポレーション製
シトラス系香料:テルペンを主成分とするシトラス系香料
シダーウッド系香料:セスキテルペンを主成分とするウッディ系香料
レオドールTW−S120V:モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO)、花王株式会社製、HLB=14.9
レオドールAS−10V:モノステアリン酸ソルビタン、花王株式会社製、HLB=4.7
エマノーンCH−60(K):ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40EO)、花王株式会社製、HLB=14.0
エマール270J:ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、有効分70%、花王株式会社製
カルコール6098:パルミチルアルコール、純度98%以上、花王株式会社製
カルコール8098:ステアリルアルコール、純度98%以上、花王株式会社製
カルコール220−80:ベヘニルアルコール、純度80%以上、花王株式会社製
メチルパラベン:エーピーアイコーポレーション製
シトラス系香料:テルペンを主成分とするシトラス系香料
シダーウッド系香料:セスキテルペンを主成分とするウッディ系香料
以上の結果より、実施例1〜8の香料放出用組成物はα−ゲル構造を有するものであり、保存前の香り強度は低く、40℃保存試験後を行った後に60℃に加熱する(スイッチする)ことによって香りの強度が大きく向上した。また、保存前後での香調の変化も確認されなかった。実施例4〜6は、30℃での香りの強度と60℃加熱後の香りの強度の差が大きく、室温では香りが低いものの、温度を挙げると香りが高くなるため、本発明のα−ゲル構造を有する香料放出用組成物として好適である。
一方、(A)成分を配合しなかった比較例1ではα−ゲルを形成せず、香料成分と高級アルコールの結晶と水が分離した状態となった。また、(B)成分を配合しなかった比較例2では相分離は認められなかったが、α−ゲルを形成しなかった。比較例3は部分的にマルターゼクロスが形成していたが、香料の相分離が確認された。比較例3ではノニオン性界面活性剤の代わりにアニオン性界面活性剤を使用していたことから、安定にα−ゲルを形成する観点からは、アニオン性界面活性剤を用いるよりも、ノニオン性界面活性剤を用いることが好ましいことが示唆された。
その結果、比較例1〜3では、組成物の調製当初から香りが強いことから、(C)成分を組成物内に封入できていないことが分かった。さらに、これらの比較例においては、40℃保存試験後に加熱しても、香りの強度が高くならなかった。また、保存前後での香調の変化も確認された。
その結果、比較例1〜3では、組成物の調製当初から香りが強いことから、(C)成分を組成物内に封入できていないことが分かった。さらに、これらの比較例においては、40℃保存試験後に加熱しても、香りの強度が高くならなかった。また、保存前後での香調の変化も確認された。
本発明のα−ゲル構造を有する香料放出用組成物は、60℃以上に加熱することによって、該組成物に含まれた(C)成分の香料を放出させることができるので、サウナや浴室、車内等の内部を所定の香りで満たすことができる。
Claims (7)
- (A)ノニオン性界面活性剤、
(B)炭素数8〜30の高級アルコール、
(C)香料、及び
(D)水、
を含有する、α−ゲル構造を有する香料放出用組成物であって、
該組成物中、(C)成分が5質量%以上であり、(B)成分/(C)成分の質量比が0.1〜5であり、示差走査熱量計(DSC)を用いて得られる融点が40〜60℃である、α−ゲル構造を有する香料放出用組成物。 - (B)成分の含有量が3〜30質量%である、請求項1記載の組成物。
- (A)成分/(C)成分の質量比が0.1〜2である、請求項1又は2記載の組成物。
- (B)成分中のベヘニルアルコールの含有量が50〜95質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
- さらに水溶性有機溶媒を含有し、該水溶性有機溶媒の含有量が3質量%以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
- (A)成分が、(1)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、(2)ソルビタン脂肪酸エステル及び(3)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油からなる群から選ばれる1種又は2種以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物を60℃以上に加熱する工程を含む、該組成物から(C)成分の香料を放出させる方法。
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