JPH08173080A - 香料製剤及びその製造方法 - Google Patents

香料製剤及びその製造方法

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JPH08173080A
JPH08173080A JP6328069A JP32806994A JPH08173080A JP H08173080 A JPH08173080 A JP H08173080A JP 6328069 A JP6328069 A JP 6328069A JP 32806994 A JP32806994 A JP 32806994A JP H08173080 A JPH08173080 A JP H08173080A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 食品、特にチューインガムなどの口中滞留時
間の長い嗜好物を賞味した際に、香気、香味についての
初発性が高く、而もこれが長く持続するような添加乃至
混入用の香料を得ようとするものであり、これにより香
料としての有益性を高める他、その製造工程において
は、必要とする添加水量を少なくして効率的な生産に寄
与するものである。 【構成】 食品用香料を加水分解ゼラチンの水溶液単体
中に混入し、またはゲル化強度を有するゼラチンの水溶
液の共存下にあっても、食品用香料と加水分解ゼラチン
水溶液とによって乳化液を造り、これを細粒化し、噴霧
乾燥して粉末化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】食品に添加できる香料製剤と、そ
の製造方法に関する。特に、チューインガムに添加し
て、香気、香味、の初発性とその持続性とを考慮した香
料製剤及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】食品に添加する香料としては、従来から
香気や香味に関して持続性を高めるために、種々の研究
が行なわれてきた。その幾つかの実例を掲げると、例え
ば、特許出願公告昭45-12600号公報、特許出願公開平5-
49433 号公報、特許出願公開平6-22445 号公報、特許出
願公開平6-269248号公報に開示された発明に見られるよ
うな種々の提案である。
【0003】然しながら、初発性を高める研究は、今ま
でのところ殆んどなされて来なかったのが現状である。
【0004】特許出願公開平6-153804号公報に開示の発
明では、チューインガムの圧延工程において使用される
取り粉に香気成分を吸着させた蔗糖微粉末の使用に関し
提案されたが、このような発明では、香料の導入手段
と、用いられた香料自体が本来有する性質の故に、或る
程度の香気、香味に関する初発性は期待できても長期間
に亘る安定性、持続性は期待できなかった。つまり、チ
ューインガム等のように、口中にて咀嚼を開始した際に
は、唾液が取り粉のように表面にまぶしつけた香料を直
ちに溶出し、咀嚼の進行とともに嚥下されて口中に残ら
ず、従って嗅覚や味覚として口中に持続される香気や香
味の量は急速に減少し、香料を加えたことによる持続的
な効果は望めないというのが実際である。
【0005】この点をより詳しく述べると、一般的に香
料組成物を含有する粉末香料は、香料精油または香料組
成物をアラビアガムのような天然ガム、ゼラチン、カゼ
インのようなタンパク質、食品としての加工澱粉などの
乳化機能をもつ素材と、デキストリン、糖類のような乳
化機能をもたず、乳化助剤として働きながら担体を形成
する可溶性素材とを混合し、溶解した溶液で乳化したも
のを噴霧して乾燥させる工程により製造してきた。
【0006】一方、チューインガムのような嗜好品にあ
っては、その生地が、ガムベース、香料及び水溶性甘味
料から製造されるので、この場合、ガムベース、香料が
ともに疎水性であることにより、相溶性が良く、通常の
香料では、香料をガムベースから離脱させることができ
ず、口中で咀嚼している間、その効果が充分に発現しな
いうちに甘味が失われて来てしまい、ガムベースととも
に廃棄されてしまうという問題があった。
【0007】そこで、香気成分の発現をより効果的にす
るために、粉末香料が使用され、更には、粉末香料でも
貯蔵中に香料の香気成分がガムベースに移行してその力
価を下げる傾向にあるという知見に基づいて、粉末香料
の製造工程において、一旦、一次的に乳化した粒子を二
次的に他の皮膜剤で保護するように工夫することも行な
われてきた。この為、通常ゼラチンで乳化した香料粒子
を、ガムベースの糖類と相溶性の良いアラビアガム水溶
液に分散してから噴霧乾燥するという製造手段がとられ
たのである。
【0008】
【解決すべき技術課題】チューインガム或いはこれに類
する口中滞留時間の長い食品における香気、香料の持続
性については、以前からその重要性と必要性が問題とさ
れていたため、持続性を高める手段としては、前記した
ような手段が過去に種々試みられ、これによる効果が検
討されてきた。
【0009】然しながら、最近になって、香味の持続性
のみでなく、噛み始めに高い香味、香気を発現させる所
謂初発性の高い製剤が商品価値の高揚とともに要求され
るようになって来た。つまり、前述のような、香味や香
気を如何に持続させるかといった研究や改良は、逆に初
発性を犠牲にしていたことも否めない。
【0010】殊に、チューインガムのような口中での滞
留時間の長い嗜好品や同様の食品にあって注意しなけれ
ばならない点として考慮すべき問題は、従前、チューイ
ンガム粉末香料の乳化機能基剤の一つであるアルカリ処
理ゼラチンが、被膜形成機能と高い乳化能とを有し、而
も揮散性物質の保持作用に優れているという点に着目し
て、チューインガム用粉末香料その他多くの食品用粉末
香料のための素材として利用されて来たものの、他面で
は、水に加えた際に緩慢に膨潤するために、香気や香味
を迅速に感取し得ないということであり、またゲル形成
能があるために常温で溶液状態を保つためには、その1
0倍以上もの水を加える必要があって、それ故に製造効
率が著しく悪くなり、加えて、噴霧乾燥時には、綿飴状
に糸を引く傾向が強く、処理上面倒なことが多かったと
いうことである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記種々の問題を解決
し、且つ、香気、香味についての持続性を維持したま
ま、その初発性を充分に発揮させようとして、チューイ
ンガムその他の食品に対し添加する香料製剤につき鋭意
研究した結果、まず通常使用されているゼラチンに対す
る検討から始めた。通常のゼラチンよりも冷水に対し遥
かに即溶性があり、粘性も少ない乳化機能のある基剤に
ついて検討したところ、ゼラチンの一部または全部を、
ゼラチンの加水分解物である加水分解ゼラチン末に置換
して乳化することから得られる香料製剤が、水に対し、
より早い溶解性を示し、これにより初発性の高い粉末香
料を製造し得るという知見を得た。更に、このように、
加水分解によってゲル化強度を低減化したゼラチンを用
いることにより、噴霧乾燥前のスラリーの調製が少量の
水を添加するだけで流動性が得られ、製造工程上も有利
であることが明らかとなった。
【0012】こうした知見によって、本発明では目的物
である、香料製剤を得る為に、食品用香料とゼラチン水
溶液とをもって乳化液を造り出す上で、少なくとも加水
分解ゼラチンの水溶液中に食品用香料を混入混和するこ
ととし、また、より好ましい初発性と持続性を発揮させ
る為に、乳化液中の混在物、主として香料成分の大きさ
を細粒化処理によって、最大限2.5 ミクロン、望ましく
は、2.0 ミクロン以下に調製することにした。
【0013】こうした香料製剤を製造するに際しては、
従って、ゲル化強度を有するゼラチン水溶液を加水分解
ゼラチン水溶液中に共存させてもよいが、用いられる食
品用香料は、少なくとも加水分解ゼラチンの水溶液中に
混入して混和することに特徴づけられる。
【0014】一般にゼラチンは、牛、豚などの動物の皮
膚や腱、靭帯、骨などの組織を熱湯で煮沸し、抽出、濃
縮、乾燥した膠を精製して造られる。この精製物は、冷
水には不溶であるが、冷水中に浸しておくと、その5〜
10倍量の水を徐々に吸収して軟化膨潤する性質を有
し、3%より高濃度の水溶液は、常温では流動性の無い
ゲルを形成する。
【0015】これに対し、加水分解ゼラチンは、加水分
解ゼラチン末として1993年医薬品添加物規格にも記載さ
れているが、この規格に基づいてゼラチン製造の各社か
ら一般に市販されている。この加水分解ゼラチン末は、
ゼラチンまたはゼラチン原料をタンパク分解酵素などで
分解し、分子量を20,000前後に低分子化し、酵素失活
後、精製殺菌工程を経て、ドラム乾燥、噴霧乾燥などの
処理をもって製造されている。この加水分解ゼラチン
は、高い水溶性をもつ為に、水溶性ゼラチンとも別称さ
れている通り、水に対する迅速な溶解性を特長としてい
る。
【0016】この場合、低分子化したゼラチンの分子量
が高過ぎると、フィルムを形成し、通常の噴霧乾燥法に
よれば液滴の形成を妨げ、糸を引き易くなるばかりか、
粘性も高くなって乳化機に強い負荷を与えることとな
る。
【0017】逆に、分子量が低過ぎると、低分子量のゼ
ラチン加水分解生成物がかなりの量で存在することにな
る結果、風味的に好ましくなく、適当ではない。更にま
た、このような分子量の過少状態では、乳化機能も劣化
してくるので、現実の実施に当たって用い得る加水分解
ゼラチンの分子量としては、5,000 〜30,000の範囲であ
り、好ましくは15,000〜25,000の分子量範囲とすること
が、結果物の製品の品質に対しても、また作業工程を容
易にする上からも適当である。
【0018】本発明において使用し得る代表的な加水分
解ゼラチンの例としては、新田ゼラチン株式会社から
「ゼラチンU」の商品名で市販されている。この例示
は、本発明の製造方法を適用する上での単なる実施上の
指針として掲げたにとどまり、他の同種性状をもつ加水
分解ゼラチンが広く適用され得ることは云うまでもな
い。
【0019】次に、この乳化性の乏しい加水分解ゼラチ
ンによって、より良好な乳化物を得るための例を以下に
記述する。
【0020】上記加水分解ゼラチン1重量部に対して比
較的少量の、例えば1〜4重量部の水を加え、ホモディ
スパー、ホモミキサーなどにより、強い撹拌剪断力を与
えることで所要の乳化の結果を得、乳化処理についての
問題を克服できた。
【0021】上記の説明では、香料組成物を加水分解ゼ
ラチンだけの水溶液に混入することを前提として述べた
が、本発明では、それにとどまらず、加水分解ゼラチン
と通常のゲル強度をもつ酸またはアルカリ処理ゼラチン
との共存水溶液をもって香料組成物を含有する乳化物を
造ることも提案する。但し、この場合、加水分解ゼラチ
ンと通常のゼラチンとの配合比は、目的とする初発性の
強さに関係し、より強い初発性を得るためには、加水分
解ゼラチンの配合比を大きくする必要があることを言及
しておく。
【0022】また本発明に使用される原料としての香料
については、例えば、オレンジ油、レモン油、グレープ
フルーツ油、ライム油、タンジェリン油、マンダリン油
などの柑橘精油類、ペパーミント油、スペアミント油、
のようなミント精油類、オールスパイス、アニスシー
ド、バジル、ローレル、カルダモン、セロリー、クロー
ブ、シンナモン、クミン、ディル、ガーリック、パセ
リ、メース、マスタード、オニオン、パプリカ、パセ
リ、ローズマリー、ペッパーのような公知のスパイス精
油類またはオレオレジン類、リモネン、リナロール、ネ
ロール、シトロネロール、ゲラニオール、シトラール、
L−メントール、オイゲノール、シンナミックアルデハ
イド、アネトール、ペリラアルデハイド、バニリン、γ
−ウンデカラクトン、カプロン酸アリル、L−カルボ
ン、マルトールなどのような公知の単離、または合成香
料、及び、これら柑橘精油類、スパイス精油類、合成香
料を目的に沿った割合で混合したシトラスミックス、ミ
ックスミント、各種フルーツなどを表現させた調合香料
が挙げられ、その他、ガム用油溶性基剤であるカロチ
ン、クロロフィル、トコフェロールなどを含んでもよい
が、本発明では、これらの例示物質に限定されるもので
はないことは勿論である。
【0023】本発明の粉末香料を製造するに当たって
は、まず加水分解ゼラチンまたは加水分解ゼラチンと通
常のゼラチンとの混合物の1重量部を、温水1〜10重
量部に溶解させる。温水の量は、加水分解ゼラチン1重
量部に対しては1〜4重量部、好ましくは乳化機の撹拌
能力に応じて、出来るだけ少ない加水量である1重量部
を用い、通常のゼラチンに対しては、10重量部に相当
する水量とする。
【0024】これより多過ぎると充分な乳化液が得られ
ず、少な過ぎると粘性が高くなってしまって、撹拌が困
難となるばかりか、O/W乳化物の調製に失敗すること
がある。
【0025】次に、先に述べた油溶性物質の乳化液を調
製する。良好な乳化液が調製できる油溶性物質の配合割
合について述べると、加水分解ゼラチン1重量部または
加水分解ゼラチンと通常のゼラチンとの混合物に対して
は任意であるが、大凡0.1 〜約1.0 重量部程度の油溶性
物質の範囲が適当である。
【0026】乳化は、常温で加水分解ゼラチン水溶液を
ホモディスパー、ホモミキサーなどで撹拌しながら、油
溶性物質を徐々に加えて乳化させる。この際、乳化粒子
を2.5 ミクロン以下程度にまで撹拌乳化を行なうこと
が、この発明による発現性のよい粉末香料を得ることに
なり、物性のよい粉末を得るためにも好ましい。
【0027】乳化粒子が2.5 ミクロンより大きい場合
は、乳化スラリーの安定性が悪くなり、噴霧乾燥させた
後も物性の悪い粉末しか得られない。チューインガム等
の嗜好品に香味を付与させる上では、好ましくは、2.0
ミクロン以下の大きさとするのがよい。
【0028】乳化が不充分なときは、より強い剪断力を
もつクレアミックスなどの高速撹拌乳化機などにより細
粒化させる。
【0029】これに続いて、高圧ホモジナイザーなどに
より整粒化して乳化液を調製する。このようにして得ら
れた乳化液を、そのまま噴霧乾燥機により粉末化させる
か、またはガム用の粉末香料の場合には、ガムベースと
の不連続膜を生成させるために、皮膜形成剤としてのア
ラビアガム水溶液に再分散させて噴霧乾燥を行なう。ア
ラビアガムなどの皮膜形成剤水溶液の量は、加水分解ゼ
ラチンで乳化した乳化物1重量部に対して0.5 〜2.0 重
量部くらいの量とすることが適当である。
【0030】本発明により噴霧乾燥して得られた粉末香
料は、チューインガム生地に対しては、0.5 〜2.0 %の
添加が望ましい。
【0031】以下、実施例によって、本発明につき、よ
り具体的に説明する。
【0032】実施例1 加水分解ゼラチン(新田ゼラチン株式会社の商品名 水
溶性「ゼラチンU」−前記した)60gを水60gに溶
解し、80〜85℃の温度範囲で殺菌した後、40〜4
5℃に冷却する。
【0033】これをT.Kオートホモミキサー(特殊機
化工業株式会社製)で撹拌しながら、ペパーミントオイ
ル40gを徐々に添加して乳化する。
【0034】乳化粒子を顕微鏡等で確認しながら、2.0
ミクロン以下の粒径の乳化物を得るようにした。
【0035】粒径が大きすぎる場合は、高速撹拌機であ
るクレアミックス(エムテクニック社製)で処理して細
粒化する。
【0036】これを、200gの水にアラビアガム10
0gを溶解させ加熱殺菌した水溶液に対し、撹拌均一分
散させ、大川原化工機製の実験用噴霧乾燥機L−12に
よって、送風温度140℃、排風温度95℃で噴霧乾燥
して、ペパーミント粉末香料Aの150gを得た。
【0037】この粉末香料の噴霧乾燥時にあっては、綿
飴状の糸引き現象は全く認められなかった。
【0038】実施例2 通常のアルカリ処理ゼラチン(150ブルーム−前記
新田ゼラチン株式会社のゼラチン、商品名「ゼラチン
光」)30g、加水分解ゼラチン(前記「ゼラチン
U」)30gを温水300gに溶解して加温を続け、8
0〜85℃で殺菌後冷却する。
【0039】ペパーミントオイル40gをこの混合ゼラ
チン水溶液に混入し、実施例1と同様に乳化する。
【0040】乳化後、これを、200gの水にアラビア
ガム100gを溶解させた液に混入し、撹拌分散させ、
実施例1と同条件で噴霧乾燥してペパーミント粉末香料
B152gを得た。
【0041】この粉末香料の噴霧乾燥時も綿飴状の糸引
き現象は認められなかった。
【0042】比較例1 実施例2と同じアルカリ処理ゼラチン60gを温水54
0gに加温溶解して80〜85℃で殺菌後冷却する。
【0043】ペパーミントオイル40gをこのゼラチン
水溶液中に混入し、実施例1と同様に乳化する。この乳
化物を、200gの水にアラビアゴム100gを溶解さ
せた液に混入し、撹拌分散させ、実施例1と同条件で噴
霧乾燥してペパーミント粉末香料C 145gを得た。
【0044】比較例2 アラビアガム60g、テキストリン80g、乳糖20g
を水300gに添加し、加温溶解して80〜85℃で殺
菌後冷却する。これを撹拌しながらペパーミントオイル
40gを徐々に加え乳化した。この乳化物を実施例1、
比較例1、2と同条件で噴霧乾燥してペパーミント粉末
香料D 155gを得た。
【0045】本発明による上記実施例1及び実施例2に
対し、加水分解ゼラチンを全く使用しなかった前記比較
例1及び比較例2と対照した実験結果を以下に示す。
【0046】下記に示すチューインガム生地に対し、実
施例1、2と比較例1、2で得られたペパーミント粉末
香料製剤を夫々添加し、剪断型ミキサーを用いて常法に
より約50℃で混合し、冷却後ロールにかけて圧展成形
し、1枚3gのチューインガムを夫々調製した。
【0047】これらのチューインガムについて、ガムか
らの香料の溶解性を見る為に、1枚を8等分してその2
枚分を50mlビーカに入れ、イオン交換水40gを注
ぎ、30℃恒温槽に入れて30分毎にその溶液につき、
糖度と、ペパーミントの溶け出し速度の指標として65
0nmにおける吸光度を測定した。
【0048】(チューインガム生地組成)
【0049】
【表1】
【0050】(結果)
【0051】
【表2】
【0052】これらの結果によれば、チューインガムか
らの糖度の溶け出しには大差無いものの、吸光度の増加
速度から、実施例1、2の方が、比較例1、2に対し、
粉末香料がチューインガムから溶出する香料溶出速度が
早いということが明らかとなった。
【0053】またこのチューインガムについて、10名
の専門パネラーにより、ガムを噛み始めての清涼感、及
びその持続性について官能評価した。
【0054】その結果、本発明によるペパーミント粉末
香料A、Bが、これに対する比較例2として製出したペ
パーミント粉末香料Dよりは格段に、また比較例1によ
る粉末香料Cよりも早く強く感じ、特に実施例2の粉末
香料Bは、初発性に優れながら持続性も優れているもの
として判定された。
【0055】そこで、本発明による香料製剤を造り出す
上で、加水分解ゼラチンによる乳化液の平均化粒子が2.
0 ミクロンより大きな場合に、出来上った香料製剤にど
のような影響があるかを調べるために、下記比較例3の
ような比較をも行なった。
【0056】比較例3 加水分解ゼラチン60gを実施例1で示した水より多い
300gに加温溶解し、80〜85℃で殺菌後冷却し
た。これを撹拌しながらベパーミントオイル40gを徐
々に加え乳化した。こうして得た乳化液は非常に不安定
であった。この乳化液を顕微鏡等で平均乳化液粒子が2.
0 ミクロン以上であることを確認してから、アラビアガ
ム100gを水200gに溶解させた液に撹拌分散さ
せ、実施例1と同条件で噴霧乾燥してペパーミント粉末
香料E 146gを造ってみた。
【0057】この粉末香料Eについても、参考例1と同
様に、チューインガム生地に添加して専門パネラーによ
り官能評価した結果、このチューインガムは、清涼感が
弱く、初発性に対する効果も実施例1における場合より
劣るとの判定がなされた。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、チューインガムからの
香気香味が、持続性を有しながら初発性の高い香料製剤
として得られ、製造時には、添加水量を少なくすること
で、効率的に製造し提供することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安部 忍 埼玉県上尾市谷津2丁目8番27号 タドコ ロハイツ212号 (72)発明者 小林 重雄 茨城県つくば市花畑1丁目10番37号

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食品用香料と、加水分解ゼラチンの水溶
    液とを混合乳化した乳化液を噴霧乾燥して粉末化したこ
    とをとを特徴とする香料製剤。
  2. 【請求項2】 食品用香料と、加水分解ゼラチンの水溶
    液及びゼラチンの水溶液の共存水溶液とを混合乳化した
    乳化液を噴霧乾燥して粉末化したことを特徴とする香料
    製剤。
  3. 【請求項3】 食品用香料と、少なくとも加水分解ゼラ
    チンの水溶液を含む水溶液とを混合乳化した乳化液中の
    混在物の大きさを、細粒化により2.5 ミクロン以下に調
    製した乳化液を噴霧乾燥して粉末化したことを特徴とす
    る香料製剤。
  4. 【請求項4】 食品用香料と、少なくとも加水分解ゼラ
    チンの水溶液を含む水溶液とを混合乳化した乳化液中の
    混在物の大きさを、細粒化により2.0 ミクロン以下に調
    製した乳化液を噴霧乾燥して粉末化し、特にチューイン
    ガム用の添加香料としたことを特徴とする香料製剤。
  5. 【請求項5】 食品用香料を加水分解ゼラチンの水溶液
    中に混入し、混和して得られる乳化液を噴霧乾燥して粉
    末化することを特徴とする香料製剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 食品用香料を、加水分解ゼラチンの水溶
    液及びゼラチンの水溶液の共存液に混入し、混和して得
    られる乳化液を噴霧乾燥して粉末化することを特徴とす
    る香料製剤の製造方法。
  7. 【請求項7】 食品用香料を、少なくとも加水分解ゼラ
    チンの水溶液を含む水溶液中に混入し、混和して得られ
    る乳化液を細粒化し、液中の混在物の大きさを2.5 ミク
    ロン以下に調製し、これを噴霧乾燥して粉末化すること
    を特徴とする香料製剤の製造方法。
  8. 【請求項8】 食品用香料を、少なくとも加水分解ゼラ
    チンの水溶液を含む水溶液中に混入し、混和して得られ
    る乳化液を細粒化し、液中の混在物の大きさを2.0 ミク
    ロン以下に調製し、これを噴霧乾燥して粉末化し、特に
    チューインガム用の添加香料とすることに特徴づけられ
    る香料製剤の製造方法。
JP32806994A 1994-12-28 1994-12-28 香料製剤及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3569332B2 (ja)

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