JP3569332B2 - 香料製剤及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
食品に添加できる香料製剤と、その製造方法に関する。特に、チューインガムに添加して、香気、香味、の初発性とその持続性とを考慮した香料製剤及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
食品に添加する香料としては、従来から香気や香味に関して持続性を高めるために、種々の研究が行なわれてきた。その幾つかの実例を掲げると、例えば、特許出願公告昭45−12600号公報、特許出願公開平5−49433 号公報、特許出願公開平6−22445 号公報、特許出願公開平6−269248号公報に開示された発明に見られるような種々の提案である。
【0003】
然しながら、初発性を高める研究は、今までのところ殆んどなされて来なかったのが現状である。
【0004】
特許出願公開平6−153804号公報に開示の発明では、チューインガムの圧延工程において使用される取り粉に香気成分を吸着させた蔗糖微粉末の使用に関し提案されたが、このような発明では、香料の導入手段と、用いられた香料自体が本来有する性質の故に、或る程度の香気、香味に関する初発性は期待できても長期間に亘る安定性、持続性は期待できなかった。つまり、チューインガム等のように、口中にて咀嚼を開始した際には、唾液が取り粉のように表面にまぶしつけた香料を直ちに溶出し、咀嚼の進行とともに嚥下されて口中に残らず、従って嗅覚や味覚として口中に持続される香気や香味の量は急速に減少し、香料を加えたことによる持続的な効果は望めないというのが実際である。
【0005】
この点をより詳しく述べると、一般的に香料組成物を含有する粉末香料は、香料精油または香料組成物をアラビアガムのような天然ガム、ゼラチン、カゼインのようなタンパク質、食品としての加工澱粉などの乳化機能をもつ素材と、デキストリン、糖類のような乳化機能をもたず、乳化助剤として働きながら担体を形成する可溶性素材とを混合し、溶解した溶液で乳化したものを噴霧して乾燥させる工程により製造してきた。
【0006】
一方、チューインガムのような嗜好品にあっては、その生地が、ガムベース、香料及び水溶性甘味料から製造されるので、この場合、ガムベース、香料がともに疎水性であることにより、相溶性が良く、通常の香料では、香料をガムベースから離脱させることができず、口中で咀嚼している間、その効果が充分に発現しないうちに甘味が失われて来てしまい、ガムベースとともに廃棄されてしまうという問題があった。
【0007】
そこで、香気成分の発現をより効果的にするために、粉末香料が使用され、更には、粉末香料でも貯蔵中に香料の香気成分がガムベースに移行してその力価を下げる傾向にあるという知見に基づいて、粉末香料の製造工程において、一旦、一次的に乳化した粒子を二次的に他の皮膜剤で保護するように工夫することも行なわれてきた。この為、通常ゼラチンで乳化した香料粒子を、ガムベースの糖類と相溶性の良いアラビアガム水溶液に分散してから噴霧乾燥するという製造手段がとられたのである。
【0008】
【解決すべき技術課題】
チューインガム或いはこれに類する口中滞留時間の長い食品における香気、香料の持続性については、以前からその重要性と必要性が問題とされていたため、持続性を高める手段としては、前記したような手段が過去に種々試みられ、これによる効果が検討されてきた。
【0009】
然しながら、最近になって、香味の持続性のみでなく、噛み始めに高い香味、香気を発現させる所謂初発性の高い製剤が商品価値の高揚とともに要求されるようになって来た。つまり、前述のような、香味や香気を如何に持続させるかといった研究や改良は、逆に初発性を犠牲にしていたことも否めない。
【0010】
殊に、チューインガムのような口中での滞留時間の長い嗜好品や同様の食品にあって注意しなければならない点として考慮すべき問題は、従前、チューインガム粉末香料の乳化機能基剤の一つであるアルカリ処理ゼラチンが、被膜形成機能と高い乳化能とを有し、而も揮散性物質の保持作用に優れているという点に着目して、チューインガム用粉末香料その他多くの食品用粉末香料のための素材として利用されて来たものの、他面では、水に加えた際に緩慢に膨潤するために、香気や香味を迅速に感取し得ないということであり、またゲル形成能があるために常温で溶液状態を保つためには、その10倍以上もの水を加える必要があって、それ故に製造効率が著しく悪くなり、加えて、噴霧乾燥時には、綿飴状に糸を引く傾向が強く、処理上面倒なことが多かったということである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記種々の問題を解決し、且つ、香気、香味についての持続性を維持したまま、その初発性を充分に発揮させようとして、チューインガムその他の食品に対し添加する香料製剤につき鋭意研究した結果、まず通常使用されているゼラチンに対する検討から始めた。通常のゼラチンよりも冷水に対し遥かに即溶性があり、粘性も少ない乳化機能のある基剤について検討したところ、ゼラチンの一部または全部を、ゼラチンの加水分解物である加水分解ゼラチン末に置換して乳化することから得られる香料製剤が、水に対し、より早い溶解性を示し、これにより初発性の高い粉末香料を製造し得るという知見を得た。更に、このように、加水分解によってゲル化強度を低減化したゼラチンを用いることにより、噴霧乾燥前のスラリーの調製が少量の水を添加するだけで流動性が得られ、製造工程上も有利であることが明らかとなった。
【0012】
こうした知見によって、本発明では目的物である、香料製剤を得る為に、食品用香料とゼラチン水溶液とをもって乳化液を造り出す上で、少なくとも加水分解ゼラチンの水溶液中に食品用香料を混入混和することとし、
また、より好ましい初発性と持続性を発揮させる為に、乳化液中の混在物、主として香料成分の大きさを細粒化処理によって、最大限2.5 ミクロン、望ましくは、2.0 ミクロン以下に調製することにした。
【0013】
こうした香料製剤を製造するに際しては、
従って、ゲル化強度を有するゼラチン水溶液を加水分解ゼラチン水溶液中に共存させてもよいが、用いられる食品用香料は、少なくとも加水分解ゼラチンの水溶液中に混入して混和することに特徴づけられる。
【0014】
一般にゼラチンは、牛、豚などの動物の皮膚や腱、靭帯、骨などの組織を熱湯で煮沸し、抽出、濃縮、乾燥した膠を精製して造られる。この精製物は、冷水には不溶であるが、冷水中に浸しておくと、その5〜10倍量の水を徐々に吸収して軟化膨潤する性質を有し、3%より高濃度の水溶液は、常温では流動性の無いゲルを形成する。
【0015】
これに対し、加水分解ゼラチンは、加水分解ゼラチン末として1993年医薬品添加物規格にも記載されているが、この規格に基づいてゼラチン製造の各社から一般に市販されている。この加水分解ゼラチン末は、ゼラチンまたはゼラチン原料をタンパク分解酵素などで分解し、分子量を20,000前後に低分子化し、酵素失活後、精製殺菌工程を経て、ドラム乾燥、噴霧乾燥などの処理をもって製造されている。この加水分解ゼラチンは、高い水溶性をもつ為に、水溶性ゼラチンとも別称されている通り、水に対する迅速な溶解性を特長としている。
【0016】
この場合、低分子化したゼラチンの分子量が高過ぎると、フィルムを形成し、通常の噴霧乾燥法によれば液滴の形成を妨げ、糸を引き易くなるばかりか、粘性も高くなって乳化機に強い負荷を与えることとなる。
【0017】
逆に、分子量が低過ぎると、低分子量のゼラチン加水分解生成物がかなりの量で存在することになる結果、風味的に好ましくなく、適当ではない。更にまた、このような分子量の過少状態では、乳化機能も劣化してくるので、現実の実施に当たって用い得る加水分解ゼラチンの分子量としては、5,000 〜30,000の範囲であり、好ましくは15,000〜25,000の分子量範囲とすることが、結果物の製品の品質に対しても、また作業工程を容易にする上からも適当である。
【0018】
本発明において使用し得る代表的な加水分解ゼラチンの例としては、新田ゼラチン株式会社から「ゼラチンU」の商品名で市販されている。この例示は、本発明の製造方法を適用する上での単なる実施上の指針として掲げたにとどまり、他の同種性状をもつ加水分解ゼラチンが広く適用され得ることは云うまでもない。
【0019】
次に、この乳化性の乏しい加水分解ゼラチンによって、より良好な乳化物を得るための例を以下に記述する。
【0020】
上記加水分解ゼラチン1重量部に対して比較的少量の、例えば1〜4重量部の水を加え、ホモディスパー、ホモミキサーなどにより、強い撹拌剪断力を与えることで所要の乳化の結果を得、乳化処理についての問題を克服できた。
【0021】
上記の説明では、香料組成物を加水分解ゼラチンだけの水溶液に混入することを前提として述べたが、本発明では、それにとどまらず、加水分解ゼラチンと通常のゲル強度をもつ酸またはアルカリ処理ゼラチンとの共存水溶液をもって香料組成物を含有する乳化物を造ることも提案する。但し、この場合、加水分解ゼラチンと通常のゼラチンとの配合比は、目的とする初発性の強さに関係し、より強い初発性を得るためには、加水分解ゼラチンの配合比を大きくする必要があることを言及しておく。
【0022】
また本発明に使用される原料としての香料については、例えば、
オレンジ油、レモン油、グレープフルーツ油、ライム油、タンジェリン油、マンダリン油
などの柑橘精油類、
ペパーミント油、スペアミント油、
のようなミント精油類、
オールスパイス、アニスシード、バジル、ローレル、カルダモン、セロリー、クローブ、シンナモン、クミン、ディル、ガーリック、パセリ、メース、マスタード、オニオン、パプリカ、パセリ、ローズマリー、ペッパー
のような公知のスパイス精油類またはオレオレジン類、
リモネン、リナロール、ネロール、シトロネロール、ゲラニオール、シトラール、L−メントール、オイゲノール、シンナミックアルデハイド、アネトール、ペリラアルデハイド、バニリン、γ−ウンデカラクトン、カプロン酸アリル、L−カルボン、マルトール
などのような公知の単離、または合成香料、
及び、
これら柑橘精油類、スパイス精油類、合成香料を目的に沿った割合で混合したシトラスミックス、ミックスミント、各種フルーツなどを表現させた調合香料が挙げられ、
その他、ガム用油溶性基剤であるカロチン、クロロフィル、トコフェロールなどを含んでもよいが、本発明では、これらの例示物質に限定されるものではないことは勿論である。
【0023】
本発明の粉末香料を製造するに当たっては、まず加水分解ゼラチンまたは加水分解ゼラチンと通常のゼラチンとの混合物の1重量部を、温水1〜10重量部に溶解させる。温水の量は、加水分解ゼラチン1重量部に対しては1〜4重量部、好ましくは乳化機の撹拌能力に応じて、出来るだけ少ない加水量である1重量部を用い、通常のゼラチンに対しては、10重量部に相当する水量とする。
【0024】
これより多過ぎると充分な乳化液が得られず、少な過ぎると粘性が高くなってしまって、撹拌が困難となるばかりか、O/W乳化物の調製に失敗することがある。
【0025】
次に、先に述べた油溶性物質の乳化液を調製する。良好な乳化液が調製できる油溶性物質の配合割合について述べると、加水分解ゼラチン1重量部または加水分解ゼラチンと通常のゼラチンとの混合物に対しては任意であるが、大凡0.1 〜約1.0 重量部程度の油溶性物質の範囲が適当である。
【0026】
乳化は、常温で加水分解ゼラチン水溶液をホモディスパー、ホモミキサーなどで撹拌しながら、油溶性物質を徐々に加えて乳化させる。この際、乳化粒子を2.5 ミクロン以下程度にまで撹拌乳化を行なうことが、この発明による発現性のよい粉末香料を得ることになり、物性のよい粉末を得るためにも好ましい。
【0027】
乳化粒子が2.5 ミクロンより大きい場合は、乳化スラリーの安定性が悪くなり、噴霧乾燥させた後も物性の悪い粉末しか得られない。チューインガム等の嗜好品に香味を付与させる上では、好ましくは、2.0 ミクロン以下の大きさとするのがよい。
【0028】
乳化が不充分なときは、より強い剪断力をもつクレアミックスなどの高速撹拌乳化機などにより細粒化させる。
【0029】
これに続いて、高圧ホモジナイザーなどにより整粒化して乳化液を調製する。このようにして得られた乳化液を、そのまま噴霧乾燥機により粉末化させるか、またはガム用の粉末香料の場合には、ガムベースとの不連続膜を生成させるために、皮膜形成剤としてのアラビアガム水溶液に再分散させて噴霧乾燥を行なう。アラビアガムなどの皮膜形成剤水溶液の量は、加水分解ゼラチンで乳化した乳化物1重量部に対して0.5 〜2.0 重量部くらいの量とすることが適当である。
【0030】
本発明により噴霧乾燥して得られた粉末香料は、チューインガム生地に対しては、0.5 〜2.0 %の添加が望ましい。
【0031】
以下、実施例によって、本発明につき、より具体的に説明する。
【0032】
参考例1
加水分解ゼラチン(新田ゼラチン株式会社の商品名 水溶性「ゼラチンU」−前記した)60gを水60gに溶解し、80〜85℃の温度範囲で殺菌した後、40〜45℃に冷却する。
【0033】
これをT.Kオートホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)で撹拌しながら、ペパーミントオイル40gを徐々に添加して乳化する。
【0034】
乳化粒子を顕微鏡等で確認しながら、2.0 ミクロン以下の粒径の乳化物を得るようにした。
【0035】
粒径が大きすぎる場合は、高速撹拌機であるクレアミックス(エムテクニック社製)で処理して細粒化する。
【0036】
これを、200gの水にアラビアガム100gを溶解させ加熱殺菌した水溶液に対し、撹拌均一分散させ、大川原化工機製の実験用噴霧乾燥機L−12によって、送風温度140℃、排風温度95℃で噴霧乾燥して、ペパーミント粉末香料Aの150gを得た。
【0037】
この粉末香料の噴霧乾燥時にあっては、綿飴状の糸引き現象は全く認められなかった。
【0038】
実施例1
通常のアルカリ処理ゼラチン(150ブルーム−前記 新田ゼラチン株式会社のゼラチン、商品名「ゼラチン光」)30g、加水分解ゼラチン(前記「ゼラチンU」)30gを温水300gに溶解して加温を続け、80〜85℃で殺菌後冷却する。
【0039】
ペパーミントオイル40gをこの混合ゼラチン水溶液に混入し、参考例1と同様に乳化する。
【0040】
乳化後、これを、200gの水にアラビアガム100gを溶解させた液に混入し、撹拌分散させ、参考例1と同条件で噴霧乾燥してペパーミント粉末香料B 152gを得た。
【0041】
この粉末香料の噴霧乾燥時も綿飴状の糸引き現象は認められなかった。
【0042】
比較例1
実施例2と同じアルカリ処理ゼラチン60gを温水540gに加温溶解して80〜85℃で殺菌後冷却する。
【0043】
ペパーミントオイル40gをこのゼラチン水溶液中に混入し、実施例1と同様に乳化する。この乳化物を、200gの水にアラビアゴム100gを溶解させた液に混入し、撹拌分散させ、参考例1と同条件で噴霧乾燥してペパーミント粉末香料C 145gを得た。
【0044】
比較例2
アラビアガム60g、テキストリン80g、乳糖20gを水300gに添加し、加温溶解して80〜85℃で殺菌後冷却する。これを撹拌しながらペパーミントオイル40gを徐々に加え乳化した。この乳化物を参考例1、比較例1、2と同条件で噴霧乾燥してペパーミント粉末香料D 155gを得た。
【0045】
本発明による上記参考例1及び実施例1に対し、加水分解ゼラチンを全く使用しなかった前記比較例1及び比較例2と対照した実験結果を以下に示す。
【0046】
下記に示すチューインガム生地に対し、参考例1及び実施例1と比較例1、2で得られたペパーミント粉末香料製剤を夫々添加し、剪断型ミキサーを用いて常法により約50℃で混合し、冷却後ロールにかけて圧展成形し、1枚3gのチューインガムを夫々調製した。
【0047】
これらのチューインガムについて、ガムからの香料の溶解性を見る為に、1枚を8等分してその2枚分を50mlビーカに入れ、イオン交換水40gを注ぎ、30℃恒温槽に入れて30分毎にその溶液につき、糖度と、ペパーミントの溶け出し速度の指標として650nmにおける吸光度を測定した。
【0048】
(チューインガム生地組成)
【0049】
【表1】
【0050】
(結果)
【0051】
【表2】
【0052】
これらの結果によれば、チューインガムからの糖度の溶け出しには大差無いものの、吸光度の増加速度から、参考例1及び実施例1の方が、比較例1、2に対し、粉末香料がチューインガムから溶出する香料溶出速度が早いということが明らかとなった。
【0053】
またこのチューインガムについて、10名の専門パネラーにより、ガムを噛み始めての清涼感、及びその持続性について官能評価した。
【0054】
その結果、本発明によるペパーミント粉末香料A、Bが、これに対する比較例2として製出したペパーミント粉末香料Dよりは格段に、また比較例1による粉末香料Cよりも早く強く感じ、特に実施例1の粉末香料Bは、初発性に優れながら持続性も優れているものとして判定された。
【0055】
そこで、本発明による香料製剤を造り出す上で、加水分解ゼラチンによる乳化液の平均化粒子が2.0 ミクロンより大きな場合に、出来上った香料製剤にどのような影響があるかを調べるために、下記比較例3のような比較をも行なった。
【0056】
比較例3
加水分解ゼラチン60gを参考例1で示した水より多い300gに加温溶解し、80〜85℃で殺菌後冷却した。これを撹拌しながらベパーミントオイル40gを徐々に加え乳化した。こうして得た乳化液は非常に不安定であった。この乳化液を顕微鏡等で平均乳化液粒子が2.0 ミクロン以上であることを確認してから、アラビアガム100gを水200gに溶解させた液に撹拌分散させ、参考例1と同条件で噴霧乾燥してペパーミント粉末香料E 146gを造ってみた。
【0057】
この粉末香料Eについても、比較例1及び比較例2に於いて示されたように、チューインガム生地に添加して専門パネラーにより官能評価した結果、このチューインガムは、清涼感が弱く、初発性に対する効果も参考例1における場合より劣るとの判定がなされた。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、チューインガムからの香気香味が、持続性を有しながら初発性の高い香料製剤として得られ、製造時には、添加水量を少なくすることで、効率的に製造し提供することが出来る。
Claims (8)
- 食品用香料と、加水分解ゼラチンの水溶液及びゼラチンの水溶液の共存水溶液とを混合し、乳化処理した乳化液を噴霧乾燥して粉末化したことを特徴とする香料製剤。
- 前記乳化液は、食品用香料と、加水分解ゼラチンの水溶液及びゼラチンの水溶液の共存水溶液とを混合して得られる乳化液をアラビアガム水溶液に再分散させて成る前記請求項1に記載の香料製剤。
- 乳化処理した乳化液中の乳化粒子の大きさを、細粒化により2.5 ミクロン以下に調製した乳化液を噴霧乾燥して粉末化したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の香料製剤。
- 乳化処理した乳化液中の乳化粒子の大きさを、細粒化により2.0 ミクロン以下に調製した乳化液を噴霧乾燥して粉末化し、特にチューインガム用の添加香料としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の香料製剤。
- 食品用香料を、加水分解ゼラチン及びゼラチンの水溶液の共存液に混入し、乳化処理して得られる乳化液を噴霧乾燥して粉末化することを特徴とする香料製剤の製造方法。
- 前記乳化液は、食品用香料と、加水分解ゼラチンの水溶液及びゼラチンの水溶液の共存水溶液とを混合して得られる乳化液をアラビアガム水溶液に再分散させて成る前記請求項5に記載の香料製剤。
- 乳化処理して得られる乳化液を細粒化し、乳化液中の乳化粒子の大きさを2.5 ミクロン以下に調製し、これを噴霧乾燥して粉末化することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の香料製剤の製造方法。
- 乳化処理して得られる乳化液を細粒化し、乳化液中の乳化粒子の大きさを2.0 ミクロン以下に調製し、これを噴霧乾燥して粉末化し、特にチューインガム用の添加香料とすることに特徴づけられる請求項5又は6に記載の香料製剤の製造方法。
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