JP2018043247A - 熱間圧延コイルおよび無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

熱間圧延コイルおよび無方向性電磁鋼板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018043247A
JP2018043247A JP2016177416A JP2016177416A JP2018043247A JP 2018043247 A JP2018043247 A JP 2018043247A JP 2016177416 A JP2016177416 A JP 2016177416A JP 2016177416 A JP2016177416 A JP 2016177416A JP 2018043247 A JP2018043247 A JP 2018043247A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
mass
less
hot
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016177416A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6489089B2 (ja
Inventor
小林 弘和
Hirokazu Kobayashi
弘和 小林
中西 匡
Tadashi Nakanishi
匡 中西
智幸 大久保
Tomoyuki Okubo
智幸 大久保
尾田 善彦
Yoshihiko Oda
善彦 尾田
光孝 松浦
Mitsutaka Matsuura
光孝 松浦
英介 住田
Eisuke Sumida
英介 住田
富田 浩樹
Hiroki Tomita
浩樹 富田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2016177416A priority Critical patent/JP6489089B2/ja
Publication of JP2018043247A publication Critical patent/JP2018043247A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6489089B2 publication Critical patent/JP6489089B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】高温巻取りしたコイルに対し、コイルの周方向の特性変動を抑制でき、冷間圧延時の板厚変動が抑制され、安定的に冷間圧延を実施可能な熱間圧延コイルの製造方法を提供すること。
【解決手段】C:0.01mass%以下、Si:5.0mass%以下、Mn:0.05〜3.0mass%、sol.Al:0.0050mass%以下もしくは0.2〜2.0mass%、P:0.20mass%以下、S:0.010mass%以下およびN:0.010mass%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼を熱間圧延したのち、温度550℃以上でコイル状に巻取りコイルとした後に、前記コイルをアップエンドの状態で載置することを特徴とする熱間圧延コイルの製造方法。
ただし、前記成分組成において、Siが1.5mass%以上の場合はsol.Alは0.0050mass%以下であり、Siが1.5mass%未満の場合はsol.Alは0.2〜2.0mass%である。
【選択図】図2

Description

本発明は、熱間圧延コイルおよび無方向性電磁鋼板の製造方法に関するものである。
従来、冷間圧延における板厚の制御方法はスタンドの前方及び後方、またはその一方に板厚計を設けて、板厚が一定となるよう各スタンドの圧下位置(圧延荷重)、スタンド間張力などをフィードバック、フィードフォワード制御でコントロールするのが一般的である。しかし変動が発生してから、前段スタンドの情報をフィードフォワードで後段スタンドに入力、またはフィードバックして前段スタンドに入力したとしても、短周期で急峻な変動に対して十分に板厚変動を修正することが困難であるといった問題がある。
上記短周期で急峻な変動として、熱間圧延コイル(以下、熱延コイルともいう)の巻きピッチの変動がある。
冷間圧延前の熱延コイルの製造において、熱延コイル保管時の再結晶を促進させるため、熱延での巻取り温度を高くした場合、熱延コイルの置き方、つまりは保管方法によって、コイルの周方向の温度分布が発生する場合がある。例えば大気と接するコイルの表面は空冷されて冷えるが、他の熱いコイルと接触している箇所では保温され、前記空冷されたコイルの表面と保温された箇所との間で温度分布が生じる。そして、この温度分布に起因する組織変化によって、前記空冷されたコイルの表面と保温された箇所との硬度差、摩擦係数差が大きくなる。また例えば他の冷たいコイルと接触している箇所や、地面または固定のためのスキッドに接触する箇所は、急激に冷却されるため、前記空冷されたコイルの表面との間で温度分布が生じ、同様の組織変化が起こる。
このような熱延コイルの周方向の組織変化は、後の冷間圧延における板厚変動の原因になる。特許文献1には、熱延コイルの周方向の組織変化に起因する冷間圧延での板厚変動を抑制するため、コイルを所定温度まで徐冷する方法が開示されている。しかし単に徐冷しただけでは、コイルの外周(鋼板面)が接する地面からの抜熱とその他空冷部との熱伝達係数の差異により、地面に接する箇所と空冷された箇所との間で温度差が発生し、組織変化が生じ、後の冷間圧延時の板厚変動を十分に抑制できないといった問題が発生する。また、特許文献2には、コイルを転倒する装置が開示されている。特許文献3には、コイルをアップエンドの状態で載置する際に用いる冷却用対流板が開示されている。しかし、これらの文献には、鋼の成分組成やコイルの巻取り温度等に関する記載はない。また、特許文献3に開示された冷却用対流板は擦り疵防止のため開孔の面積を内周側と外周側で変化させるものであるが、コイルが載置される面(載置面)の面積に対する開孔の総面積の割合(開口率)に関する記載はない。
特公平1−18129号公報 特許第3783397号公報 特公平7−816号公報
高温での巻取りが必要となる熱延コイルでは鋼板面を重力方向に置く方式(ダウンエンドの状態で置く方式、すなわちコイルの軸方向を水平にして置く方式)であると、地面や置台等にコイルを載置した際に、地面や置台等に接触する箇所と、接触しない箇所との温度差が増加するため、コイルの周方向、つまりは鋼帯の長手方向に周期的な特性変動が発生してしまう。その場合、その後の製造工程で冷間圧延を行う際、周期的な硬度変動や摩擦係数変動により、板厚変動を生じるといった課題が発生する。
そこで、本発明は、前記の課題を解決し、高温巻取りしたコイルに対し、コイルの周方向の特性変動を抑制でき、冷間圧延時の板厚変動が抑制され、安定的に冷間圧延を実施可能な熱間圧延コイルの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の手段は次の通りである。
[1]C:0.01mass%以下、Si:5.0mass%以下、Mn:0.05〜3.0mass%、sol.Al:0.0050mass%以下もしくは0.2〜2.0mass%、P:0.20mass%以下、S:0.010mass%以下およびN:0.010mass%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼を熱間圧延したのち、温度550℃以上でコイル状に巻取りコイルとした後に、前記コイルをアップエンドの状態で載置することを特徴とする熱間圧延コイルの製造方法。
ただし、前記成分組成において、Siが1.5mass%以上の場合はsol.Alは0.0050mass%以下であり、Siが1.5mass%未満の場合はsol.Alは0.2〜2.0mass%である。
[2]前記コイル状に巻取ったコイルを、巻取り完了から30分以内にアップエンドの状態で載置し、当該状態での載置を前記コイルの外周の表面温度が300℃以下になるまで継続することを特徴とする[1]に記載の熱間圧延コイルの製造方法。
[3]前記アップエンドの状態で載置したコイルの上下の側面の位置を入れ替えるように前記コイルを転倒することを特徴とする[1]または[2]に記載の熱間圧延コイルの製造方法。
[4]前記コイルを0.3以上の開口率を有する置台に載置することを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の熱間圧延コイルの製造方法。
[5][1]〜[4]のいずれかに記載の熱間圧延コイルの製造方法により得られた熱間圧延コイルから払い出した鋼帯を冷間圧延および焼鈍することを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
本発明によれば、高温巻取りしたコイルに対し、コイルの周方向の特性変動を抑制でき、冷間圧延時の板厚変動が抑制され、安定的に冷間圧延を実施可能な熱間圧延コイルを製造できる。
図1はコイルをアップエンドの状態にする方法の一例を説明する側面図である。 図2は本発明にかかるコイルの載置状態の一例を示す側面図である。 図3は本発明にかかる置台の一例を示す上面図である。
本発明は、C:0.01mass%以下、Si:5.0mass%以下、Mn:0.05〜3.0mass%、sol.Al:0.0050mass%以下もしくは0.2〜2.0mass%、P:0.20mass%以下、S:0.010mass%以下およびN:0.010mass%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼を熱間圧延したのち、温度550℃以上でコイル状に巻取りコイルとした後に、前記コイルをアップエンドの状態で載置する熱間圧延コイルの製造方法である。ただし、前記成分組成において、Siが1.5mass%以上の場合はsol.Alは0.0050mass%以下であり、Siが1.5mass%未満の場合はsol.Alは0.2〜2.0mass%である。
図1を用いて説明すると、前記コイル状に巻取られたコイル10は、コイル転倒装置20に移された後、コイル10の一方の側面12aで自重を支えるようにコイル転倒装置20により転倒されて(図1(a))、アップエンドの状態、すなわちコイルの軸方向が重力方向に沿うような状態にされて(図1(b))、地面や置台等(以下、単に「置台等」という)に載置される。その際、コイル10は、図2に示すように、コイル置台30に載置されることが好ましい。また、コイル10は、コイル10の外周14(鋼板表面)に、転倒装置等の構造物や、他のコイル等の任意の構造物40が接触しないように載置されることが好ましい。さらに、コイル10と任意の構造物40との距離Lは100mm以上確保されることが好ましい。そうすることでコイル10の外周14と任意の構造物40との接触による保温、抜熱の影響を小さくし、コイル10の周方向の温度ムラをより低減できる。また、前記距離Lを100mm以上確保することにより輻射による保温効果をさらに小さくし、コイル10の周方向の温度ムラをさらに低減できる。また、応用例として、アップエンドの状態で載置したコイル10の周方向に断熱材等を巻きつけてもよい。そうすることで、コイル10の温度ムラをよりいっそう低減できるとともに、均一な保熱効果によりコイル10の温度を高い状態に保ち再結晶を促進することができる。
次に、本発明の熱延コイルを使用した最終製品板(無方向性電磁鋼板)の特性と成分組成の関係について説明する。
Cは、磁気時効を起こして鉄損を増加させる元素であり、特に、0.01mass%を超えると、鉄損の増加が顕著となることから、0.01mass%以下に制限する。好ましくは0.0050mass%以下である。なお、下限については、少ないほど好ましいので、特に規定しない。
Siは、鋼の電気抵抗を高めて鉄損を低減するのに有効な元素である。そのため添加することが好ましい。Siと同じ効果を有するAlを低減する場合、Siは1.5mass%以上添加することが好ましい。しかし、Siが5.0mass%を超えると、磁束密度が低下するだけでなく、鋼が脆化し、冷間圧延中に亀裂を生じる等、製造性を大きく低下させる。よって、上限は5.0mass%とする。好ましくは0.2〜3.8mass%の範囲である。
Mnは、Sと結合してMnSを形成し、FeSによる熱間脆性を防止する効果を有する。また、Siと同様、鋼の電気抵抗を高めて鉄損を低減するのに有効な元素でもある。そこで、本発明では、Mnを0.05mass%以上含有させる。一方、3.0mass%を超えると、磁束密度が低下するため、上限は3.0mass%とする。好ましくは、0.25〜1.5mass%の範囲である。
Alは、Siと同様、鋼の電気抵抗を高めて鉄損を低減するのに有効な元素である。しかしスクラップを鋳物銑の原料としてリサイクルする観点から、Alは0.05mass%未満であることが望まれており、Alの含有量は少ないほど好ましい。本発明では、集合組織を改善し、磁束密度を高めるため、Alの含有量をさらに低減し、sol.Al(酸可溶Al)で0.0050mass%以下に制限する。sol.Alは、より好ましくは、0.0020mass%以下である。sol.Alを0.0050mass%以下に制限する場合、Siの含有量は1.5mass%以上とされる。また、Si添加量を抑制する場合(Siの含有量が1.5mass%未満)は、Siと同じ効果を有するAlをsol.Al(酸可溶Al)で0.2〜2.0mass%含有させる。
Pは、微量の添加で鋼の硬さを高める効果が大きい有用な元素であり、要求される硬さに応じて適宜添加する。しかし、Pの過剰な添加は、冷間圧延性の低下をもたらすので、上限は0.20mass%とする。好ましくは、0.040mass%〜0.15mass%の範囲である。
Sは、硫化物となって析出物や介在物を形成し、製造性(熱間圧延性)や最終製品板の磁気特性を低下させるので、Sの含有量は少ないほど好ましい。最終製品板の磁気特性を重視する場合には0.010mass%以下とするのが好ましい。なお、Sは少ないほど好ましいので、下限は特に規定しない。
Nは、前述したCと同様、磁気特性を劣化させる元素であり、特に、低Al材では、上記悪影響は顕著となるので、0.010mass%以下に制限する。好ましくは0.0040mass%以下である。なお、下限については、少ないほど好ましいので、特に規定しない。
上記に加えて、特性改善のため公知の元素を利用してもよい。磁束密度向上のためにはSb、Snから選んだ1種もしくは2種を合計で0.01〜0.2mass%含有することが好適である。粒成長性を改善し鉄損を低減するためには硫化物形成元素であるCa、REM、Mgから選んだ1種もしくは2種以上を合計で0.001〜0.02mass%含有することが好適である。いずれも下限未満では効果が得られず、上限を超えると効果が飽和する。
このような成分系において製造された熱延鋼板は、低い温度で巻き取ると、コイル保管中に再結晶が十分に起こらず、伸長粒と呼ばれる未再結晶部が残り、圧延方向に長い結晶粒が残存してしまう。そのようなコイルから払い出した鋼帯を後に冷間圧延すると縦スジ状の外観欠陥が発生してしまう。また最終製品板において、磁束密度の低下など磁気特性低下の原因となる。すなわち、安定的に冷間圧延を実施できない。そのため巻取り温度を550℃以上とする。巻取り温度は600℃以上とすることが好ましい。しかしコイルの巻取り温度の上昇は、コイル保管時の温度ムラの拡大に繋がってしまう。そこで、コイル10の外周14(鋼板表面)が置台等と接触するような置き方ではなく、熱延コイルの側面12aが置台等と接触するように載置・保管することでコイルの周方向の温度変化、つまりはコイルの周方向での組織変化や特性変動を発生させることなく、再結晶を完了させ、冷間圧延時に板厚変動の小さい鋼板を製造することが可能となる。なお、コイルの側面12aを置台等と接触させることでコイル幅方向(鋼板の幅方向)の温度差は拡大するが、コイルの周方向の急激な特性変動とは異なり、冷間圧延において鋼板の両端に作用させる圧延荷重等を調整することで鋼板の幅方向の板厚調整を行うことができるため、十分に板厚を制御することが可能である。
また、コイル状に巻取ったコイル10を、巻取り完了からアップエンドの状態で載置するまでの時間は、30分以内が好ましく、15分以内がさらに好ましい。これはコイルの周方向の温度差が発生する状態でコイル10が長時間保持されないことが好ましいためであり、前記コイル10をアップエンドの状態にするまでの時間は短いほど良い。前記コイル10をアップエンドの状態で載置するまでの時間が巻取り完了から30分を超えると、コイルの周方向の温度差が大きくなり、鋼板の組織変化に差異が生じ、硬度や摩擦係数等が変化して、冷間圧延時の板厚変動に繋がるおそれがある。
また、コイル10をアップエンドの状態で載置した後、前記状態での載置を、前記コイルの外周14の表面温度が300℃以下になるまで継続することが好ましい。すなわち、コイル10をアップエンドの状態で載置した後、前記コイル10の外周14の表面温度が300℃以下になるまで、前記コイル10の外周14が置台等と接触する状態(ダウンエンドの状態)に戻さないことが好ましい。なお、コイル10のハンドリング等で短時間であれば、ダウンエンドの状態に戻してもコイル周方向の温度分布が付かず、それほど問題とはならない。そのため、本発明では、コイル10の保管期間中にダウンエンドの状態となる時間が一回当たり15分以内であれば、アップエンドの状態での載置が継続していたものとする。しかし長い時間、例えば15分を超えて、ダウンエンドの状態となり、コイル10の外周14が置台等と接触する状態で保持されるとコイル10の周方向の温度ムラが発生し、コイル10をアップエンドの状態で載置した効果が薄れてしまう。またコイル10の外周14の表面温度が300℃より高い温度でコイル10をダウンエンドの状態に戻し、その状態を継続した場合、コイル周方向で温度差が付き、組織変化に差が生じてしまう。コイル10の外周14の表面温度が300℃以下であれば、組織変化が進行しにくくなるため、コイル10をダウンエンドの状態に戻しても、コイル10をアップエンドの状態で載置した効果が維持される。
また、コイル10をアップエンドの状態で載置した後、コイル10の上下の側面の位置を入れ替えるような転倒を行ってもよい。すなわち、図2において、コイル10の下側の側面12aが上側となり、コイル10の上側の側面12bが下側となる(コイル10の側面12bがコイル置台30に接触する)ような転倒を行ってもよい。このような転倒を行うことで、コイル10の一方の側面のみが置台等と接触することで生じるコイル幅方向の温度差が拡大するのを抑制できる。そのためコイル幅方向の硬度、摩擦係数等の特性変化をより抑えることができる。さらに、上記のような転倒を複数回行っても良い。上記のような転倒を複数回行うことで、コイル幅方向の温度差が拡大するのをより抑制でき、コイル幅方向の硬度、摩擦係数等の特性変化をより抑制することができる。
また、上記のような転倒は、コイル10をアップエンドの状態で載置した後、一定時間経過ごとに行われることが好ましく、例えば、コイル10をアップエンドの状態で載置した後、1〜2時間経過するごとに行われることが好ましく、0.5〜1.0時間経過するごとに行われることがより好ましい。また、上記のような転倒は、コイル10をアップエンドの状態で載置した後、コイル10の外周14の表面温度が一定温度低下するごとに行われることが好ましく、例えば、コイル10をアップエンドの状態で載置した後、コイル10の外周14の表面温度が、50〜100℃低下するごとに行われることが好ましく、10〜50℃低下するごとに行われることがより好ましい。
また、コイル10は、地面に載置されてもよいが、コイル幅方向の組織変動差をより低減できる点等から、置台に載置されることが好ましい。前記置台としては、図3に示すような開口を備えるコイル置台30が好ましい。コイル置台30は、コイル10の載置面(コイル10が載置される面)に、複数の開口部32を備える。コイル置台30の開口率(開口部の総面積/載置面の面積)は0.3以上であることが好ましい。ここで、前記載置面の面積は、図3において、載置面の縦の長さXと横の長さYとの積で求められる面積である。なお、図3において、コイル置台30の開口部32の形状は平面視略正方形とされているが、これに限定されない。例えば、コイル置台30の開口部の平面視形状を、長方形、菱形、円形等としてもよいし、三角形や五角形以上の多角形としてもよい。
さらに、コイル10の下側の側面12aと、開口のない面(例えば、地面等のコイル置台30が載置された面)との距離を100mm以上確保することが好ましい。前記距離は、例えば、コイル置台30において、コイル置台30の厚さを100mm以上とするとともに、開口部32を、コイル10の載置面からコイル置台30の厚さ方向に100mm以上の長さ(深さ)で形成することで容易に確保できる。コイル10をこのような置台に載置して保管することで、コイル10の下側の側面12aの冷却効率を上側の側面12bに近づけ、輻射による保熱の影響を小さくし、鋼板幅方向の温度差をより低減、つまりは鋼板幅方向の組織変動差をより低減することができる。その結果、冷間圧延時の鋼板幅方向の板厚精度をより向上させることができる。なお、コイル置台30の開口率が0.3未満であると、コイル置台30と接触するコイルの下側の側面12aが空冷される面積が十分でなく、コイル10の下側の側面12aと上側の側面12b間の温度差が拡大し、コイル幅方向の特性、つまりは冷間圧延時の鋼板幅方向の板厚精度が悪化するおそれがある。また、コイル10の下側の側面12aと、前記開口のない面との間の距離が短いと、輻射の影響でコイル10の下側の側面12aが高温に保持されるため、コイル10の両側面(12a、12b)の温度差が拡大するおそれがある。
本発明を以下の実施例、及び比較例により詳細に説明する。
板厚2.0mm、板幅1230mmの熱延鋼板を、表1に記載した条件でコイル状に巻取ってコイルとし、載置・保管した。その後、前記載置・保管後の熱延コイルから払い出した鋼帯を酸洗し、板厚0.5mmまで冷間圧延を施して冷延鋼板とし、前記鋼板の長手方向及び幅方向の板厚変動値を測定し、相対評価を行った。熱延コイルの重量は20ton、内径は30インチとした。板厚変動値は、熱延コイル外巻き側20〜50m部分の冷間圧延後の板厚変動値(最大板厚−最小板厚)である。冷間圧延は、5台の圧延機が連続的に並ぶタンデム冷間圧延機を用いた。また、上記冷延鋼板を均熱温度1000℃で仕上げ焼鈍した後、絶縁被膜を形成し、最終製品板(無方向性電磁鋼板)とした。
上記熱延鋼板は、C:0.003mass%、Si:1.6mass%、Mn:0.4mass%、sol.Al:0.0021mass%、P:0.12mass%、S:0.002mass%、N:0.002mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼を溶製し、連続鋳造法でスラブとし、次いで、前記スラブを1050〜1130℃の温度に再加熱した後、熱間圧延して得た。
なお、磁気特性は、最終製品板の圧延方向(L)および圧延直角方向(C)からエプスタイン試験片を切り出して、磁束密度B50(磁化力5000A/mにおける磁束密度)および鉄損W15/50(磁束密度1.5T、周波数50Hzで励磁したときの鉄損)をJIS C2552に準拠して測定、評価した。
Figure 2018043247
表1に示すように本発明例1〜18では、熱延鋼板を550℃以上の高温巻取りした条件において、板厚変動を抑制できた。また最終製品板の鉄損W15/50、磁束密度B50が良好な鋼板(無方向性電磁鋼板)を製造できた。巻取り温度550℃では、巻取り温度600℃と比較し、若干の磁気特性の劣化がみられた。更に低い巻取り温度500℃では、板厚変動は小さかったが、熱延コイル保管時の再結晶が不十分で未再結晶粒が多く残り、外観不良及び大幅な磁性劣化が発生した(比較例1)。またコイル置台の開口率を小さくした条件では、鋼板幅方向に若干の板厚変動が認められた。
比較例として、コイルを高温巻取り後、転倒しない条件では、10μmを超える大きな板厚変動が発生した(比較例2〜5)。
ここで発明例として、上記鋼の成分組成でSiとAlのみをSi:1.0mass%、sol.Al:0.5mass%としたもの(本発明例19)、SiとAlのみをSi:1.0mass%、sol.Al:1.5mass%としたもの(本発明例20)、SiのみをSi:2.0mass%としたもの(本発明例21)、SiのみをSi:2.5mass%としたもの(本発明例22)について、本発明例5と同様の条件でコイル状に巻取ってコイルとし載置・保管した後、冷間圧延を施したところ、板厚変動が小さく、最終製品板の磁気特性も良好であった。
なお、上記鋼の成分組成でSiのみSi:5.2mass%としたもの(比較例6)、PのみP:0.22mass%としたもの(比較例7)については、本発明例5と同様の条件でコイル状に巻取ってコイルとし載置・保管した後、冷間圧延を施した際に、冷間圧延中に割れが生じたため、その後の工程は中止し、最終製品板の製造はできなかった。またMnのみMn:0.03%としたもの(比較例8)についても、熱間圧延中に割れが生じたため、その後の工程は中止し、最終製品板の製造はできなかった。またAlのみsol.Al:0.0060mass%としたもの(比較例9)、SのみS:0.012mass%としたもの(比較例10)、およびSiとAlのみをSi:1.0mass%、sol.Al:2.5mass%としたもの(比較例11)については、本発明例5と同様の条件でコイル状に巻取ってコイルとし載置・保管した後、冷間圧延を施した際に大きな板厚変動は発生しなかったが、最終製品板の磁気特性が大幅に悪化した。
なお、前記実施例では相対比較のため、板厚、板幅、仕上げ焼鈍温度など、一定の条件で実施したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の板厚、板幅、コイル重量、焼鈍温度等においても適用されるものである。
10 コイル
20 コイル転倒装置
30 コイル置台
40 任意の構造物

Claims (5)

  1. C:0.01mass%以下、Si:5.0mass%以下、Mn:0.05〜3.0mass%、sol.Al:0.0050mass%以下もしくは0.2〜2.0mass%、P:0.20mass%以下、S:0.010mass%以下およびN:0.010mass%以下、を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼を熱間圧延したのち、温度550℃以上でコイル状に巻取りコイルとした後に、前記コイルをアップエンドの状態で載置することを特徴とする熱間圧延コイルの製造方法。
    ただし、前記成分組成において、Siが1.5mass%以上の場合はsol.Alは0.0050mass%以下であり、Siが1.5mass%未満の場合はsol.Alは0.2〜2.0mass%である。
  2. 前記コイル状に巻取ったコイルを、巻取り完了から30分以内にアップエンドの状態で載置し、当該状態での載置を前記コイルの外周の表面温度が300℃以下になるまで継続することを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延コイルの製造方法。
  3. 前記アップエンドの状態で載置したコイルの上下の側面の位置を入れ替えるように前記コイルを転倒することを特徴とする請求項1または2に記載の熱間圧延コイルの製造方法。
  4. 前記コイルを0.3以上の開口率を有する置台に載置することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱間圧延コイルの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の熱間圧延コイルの製造方法により得られた熱間圧延コイルから払い出した鋼帯を冷間圧延および焼鈍することを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
JP2016177416A 2016-09-12 2016-09-12 熱間圧延コイルおよび無方向性電磁鋼板の製造方法 Active JP6489089B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016177416A JP6489089B2 (ja) 2016-09-12 2016-09-12 熱間圧延コイルおよび無方向性電磁鋼板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016177416A JP6489089B2 (ja) 2016-09-12 2016-09-12 熱間圧延コイルおよび無方向性電磁鋼板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018043247A true JP2018043247A (ja) 2018-03-22
JP6489089B2 JP6489089B2 (ja) 2019-03-27

Family

ID=61692665

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016177416A Active JP6489089B2 (ja) 2016-09-12 2016-09-12 熱間圧延コイルおよび無方向性電磁鋼板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6489089B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114427023A (zh) * 2022-01-13 2022-05-03 武汉钢铁有限公司 一种提升常规流程中低牌号无取向硅钢性能均匀性的方法

Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6237383A (ja) * 1985-08-12 1987-02-18 Nippon Steel Corp ホツトコイルのスケ−ル抑制方法
JPS62249816A (ja) * 1986-04-22 1987-10-30 Daido Kogyo Co Ltd コイル用スキツド敷込みアツプエンダ−装置
JPH0790376A (ja) * 1993-06-30 1995-04-04 Nkk Corp 打抜き性に優れた高磁束密度無方向性電磁鋼板の製造方法
JPH11244939A (ja) * 1998-03-04 1999-09-14 Nkk Corp 熱延コイルの耳折れ防止方法
JP2000126815A (ja) * 1998-10-23 2000-05-09 Sumitomo Metal Ind Ltd コイル巻姿矯正方法及び装置並びにコイル巻姿判定方法及び装置
JP2000297326A (ja) * 1999-04-13 2000-10-24 Nippon Steel Corp 磁気特性の均一な無方向性電磁鋼板の製造方法
JP2001172718A (ja) * 1999-12-13 2001-06-26 Nippon Steel Corp 磁気特性の均一な無方向性電磁鋼板の製造方法
JP2002266030A (ja) * 2001-03-09 2002-09-18 Kawasaki Steel Corp 方向性電磁鋼板の製造方法
JP2003096548A (ja) * 2001-09-21 2003-04-03 Sumitomo Metal Ind Ltd 無方向性電磁鋼板とその製造方法
JP2006263770A (ja) * 2005-03-24 2006-10-05 Jfe Steel Kk ブラシ研摩によるスケール除去性に優れる熱延鋼板の製造方法
JP2015117415A (ja) * 2013-12-19 2015-06-25 Jfeスチール株式会社 仕上焼鈍後コイルの冷却方法
JP2016125134A (ja) * 2015-01-08 2016-07-11 Jfeスチール株式会社 リサイクル性に優れる無方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP2016130360A (ja) * 2015-01-07 2016-07-21 Jfeスチール株式会社 無方向性電磁鋼板およびその製造方法

Patent Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6237383A (ja) * 1985-08-12 1987-02-18 Nippon Steel Corp ホツトコイルのスケ−ル抑制方法
JPS62249816A (ja) * 1986-04-22 1987-10-30 Daido Kogyo Co Ltd コイル用スキツド敷込みアツプエンダ−装置
JPH0790376A (ja) * 1993-06-30 1995-04-04 Nkk Corp 打抜き性に優れた高磁束密度無方向性電磁鋼板の製造方法
JPH11244939A (ja) * 1998-03-04 1999-09-14 Nkk Corp 熱延コイルの耳折れ防止方法
JP2000126815A (ja) * 1998-10-23 2000-05-09 Sumitomo Metal Ind Ltd コイル巻姿矯正方法及び装置並びにコイル巻姿判定方法及び装置
JP2000297326A (ja) * 1999-04-13 2000-10-24 Nippon Steel Corp 磁気特性の均一な無方向性電磁鋼板の製造方法
JP2001172718A (ja) * 1999-12-13 2001-06-26 Nippon Steel Corp 磁気特性の均一な無方向性電磁鋼板の製造方法
JP2002266030A (ja) * 2001-03-09 2002-09-18 Kawasaki Steel Corp 方向性電磁鋼板の製造方法
JP2003096548A (ja) * 2001-09-21 2003-04-03 Sumitomo Metal Ind Ltd 無方向性電磁鋼板とその製造方法
JP2006263770A (ja) * 2005-03-24 2006-10-05 Jfe Steel Kk ブラシ研摩によるスケール除去性に優れる熱延鋼板の製造方法
JP2015117415A (ja) * 2013-12-19 2015-06-25 Jfeスチール株式会社 仕上焼鈍後コイルの冷却方法
JP2016130360A (ja) * 2015-01-07 2016-07-21 Jfeスチール株式会社 無方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP2016125134A (ja) * 2015-01-08 2016-07-11 Jfeスチール株式会社 リサイクル性に優れる無方向性電磁鋼板およびその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114427023A (zh) * 2022-01-13 2022-05-03 武汉钢铁有限公司 一种提升常规流程中低牌号无取向硅钢性能均匀性的方法
CN114427023B (zh) * 2022-01-13 2023-08-25 武汉钢铁有限公司 一种提升常规流程中低牌号无取向硅钢性能均匀性的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6489089B2 (ja) 2019-03-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10214791B2 (en) Non-oriented electrical steel sheet
KR101648334B1 (ko) 무방향성 전기강판 및 그 제조방법
RU2519691C2 (ru) Способ производства текстурованных листов из электротехнической стали
US20130098507A1 (en) Grain oriented electrical steel sheet and method for manufacturing the same
JP2012132070A (ja) 無方向性電磁鋼板の製造方法
US20210054474A1 (en) Double oriented electrical steel sheet and method for manufacturing same
JP6260513B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP6443355B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
KR102566590B1 (ko) 무방향성 전자 강판의 제조 방법
JP6620522B2 (ja) 無方向性電磁鋼板用の熱延鋼帯及び無方向性電磁鋼板の製造方法
JP6489089B2 (ja) 熱間圧延コイルおよび無方向性電磁鋼板の製造方法
JP5644154B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP6432671B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP6418226B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP4337159B2 (ja) 珪素鋼板の製造方法および珪素鋼板用の熱延鋼帯素材
KR20200098691A (ko) 방향성 전자 강판
JPH06228645A (ja) 小型静止器用電磁鋼板の製造方法
JP2006241554A (ja) 磁束密度が高い無方向性電磁鋼板の製造方法
JP6146582B2 (ja) 無方向性電磁鋼板の製造方法
JP2020015947A (ja) 熱間圧延コイルの製造方法および無方向性電磁鋼板の製造方法
KR101110257B1 (ko) 자속밀도가 우수한 무방향성 전기강판 및 그 제조방법
JP6676952B2 (ja) 一方向性電磁鋼板用熱延板およびその製造方法、ならびにその一方向性電磁鋼板の製造方法
JP7276502B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法及び設備列
JP7081725B1 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP7211532B2 (ja) 無方向性電磁鋼板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180419

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20180502

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20180509

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181011

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181023

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190129

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190211

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6489089

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D04

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250