JP2018040405A - 防振装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1取付部材10および第2取付部材20の間にインシュレータ30が介設された防振装置本体1と、対向する壁部51,52を有し、壁部51,52同士の間に第2取付部材20を介して防振装置本体が圧入されて固定されるブラケット50と、を備えている。第2取付部材20には、壁部51,52へ係止しブラケット50に対して防振装置本体を圧入する際の圧入方向と反対方向に、防振装置本体1が移動するのを規制する係止部25が設けられている。係止部25は、圧入方向と反対方向に延在する腕部26と、腕部26の延在方向の端部に設けられ壁部51,52の被係止部に係止されるフック部27と、を有している構成とした。
【選択図】図2
Description
以下の実施形態においては、防振装置を液封式の防振装置に適用した例について説明するが、防振装置の形式を限定する趣旨ではない。例えば、液封ではない防振装置に適用してもよい。なお、各実施形態において、同一の要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
[防振装置の概略構成]
防振装置は、図1,図2に示すように、防振機能を有する防振装置本体1と、防振装置本体1が組み付けられるブラケット50と、を備えて構成されている。
防振装置本体1は、図4,図5に示すように、第1取付部材10および第2取付部材20の間にインシュレータ30が介設されて構成されている。一方、ブラケット50は、図1,図2に示すように、少なくとも対向する前壁部51、後壁部52を有し、これらの壁部同士の間に防振装置本体1の第2取付部材20を介して防振装置本体1が圧入されて固定されるように構成されている。ここで、ブラケット50に対する防振装置本体1の圧入方向は、図1中白抜き矢印で示す方向である。
なお、後記するが、ブラケット50の前壁部51と後壁部52との下方向の端部には、フランジ状の底部51b,52bが設けられており、これらの底部51b,52bに被係止部である係止穴56,56が設けられている。以下、各部の構成について詳細に説明する。
防振装置本体1は、図3に示すように、前後方向を長辺とし、これに直交する左右方向を短辺とする、平面視で略長四角形状を呈している。防振装置本体1は、前記したように、第1取付部材10、第2取付部材20およびインシュレータ30を備えて構成されている。
第1取付部材10は、図4,図5に示すように、インシュレータ30の上部に一体に設けられている。第1取付部材10は、例えば、アルミニウム合金製である。第1取付部材10は、略全体がインシュレータ30に埋設されており、かつ、インシュレータ30が加硫接着されている。なお、第1取付部材10は、従来周知の構造を用いることができ、例えば、軸部材と筒部材とで構成されている。筒部材の内部には、ブラケットE1が嵌め込まれるようになっている(図1,図2参照)。
インシュレータ30は、略錐台形状となっており、内側に凹部31が形成されている。凹部31は、非圧縮性の作動液体が封入される主液室35を構成している。主液室35は、インシュレータ30の下方に配置される仕切部材40を介して副液室36と区画される。副液室36は、ダイヤフラム3を壁部の一部としている。
インシュレータ30は、後記する第2取付部材20の枠状部材21の下面に配置される延出部30bを備えている。このインシュレータ30の延出部30bは、仕切部材40の上面の外周端部を位置決めしている。
第2取付部材20は、後記するブラケット50の前壁部51の凹部51cおよび後壁部52の凹部52cに対して圧入されて固定される部材である(図1,図2参照)。第2取付部材20は、枠状部材21と外筒部材22とからなる上下2部品が組み合わされて構成されている。つまり、枠状部材21と外筒部材22とは、組み合わされた状態で、ブラケット50に圧入される(図1,図2参照)。枠状部材21と外筒部材22とは、ともに長四角筒形に形成されている(図3参照)。枠状部材21および外筒部材22は、いずれも合成樹脂成形品(樹脂製)である。
外筒部材22は、図4に示すように、上端部22uがフランジ状を呈しており、枠状部材21の下面に当接しつつインシュレータ30の延出部30bと当接している。また、外筒部材の上端部22uは、図5に示すように、平行する2側面(左右2側面)において、上方内側へ略L字状(鈎状)に延出している。この略L字状の上端部22uは、枠状部材21の凹部21e(図3,図4参照)に圧入している。
なお、第2取付部材20は、枠状部材21と外筒部材22とを別体とした構成に限られることはなく、一体品で構成してもよい。
第2取付部材20の外筒部材22は、図3,図4に示すように、一対の係止部25,25を備えている。例えば、係止部25は、外筒部材22の底部近傍の側面に設けられている。具体的に、一対の係止部25,25は、図3〜図5に示すように、外筒部材22の前後の外面となる前面22fおよび後面22g(図5では後面22g側のみ図示)に一体に設けられている。一対の係止部25,25は、図3,図4に示すように、前後対称形状に形成されている。
各係止部25において、腕部26の左端部は、上下方向に弾性変形可能な自由端とされている。
なお、腕部26は、前記したように、左端部が上下方向に弾性変形可能であるが、圧入方向および圧入方向と反対方向には弾性変形(圧縮変形)し難くなっている。
ブラケット50は、図1,図2に示すように、略門形状を呈しており、前壁部51、後壁部52、上壁部53、右壁部54およびフランジ部55を備えて構成されている。防振装置本体1は、前壁部51、後壁部52、上壁部53および右壁部54で囲われ左側面が開口された収容部50Aに対して左側方から圧入される(図1中白抜き矢印で示す方向に沿って圧入される)。なお、図2に示すように、防振装置本体1は、ブラケット50に圧入された状態で、第1取付部材10およびこれを覆うインシュレータ30の略全体が、前壁部51、後壁部52、上壁部53および右壁部54との間に所定の間隙を有して配置されている。
係止穴56は、図2に示すように、前壁部51の底部51bおよび後壁部52の底部52bに形成されている。前側の底部51bの係止穴56は、第2取付部材20の前側の係止部25に対応して形成されている。同様に、後側の底部52bの係止穴56は、第2取付部材20の後側の係止部25に対応して形成されている。各係止穴56には、ブラケット50に対する防振装置本体1の圧入時に、対応する係止部25のフック部27が係止される。
係止穴56は、図6(b)に示すように、前記した係止部25のフック部27の左面27aに対向する左内側面56aを備えている。フック部27の左面27aは、ブラケット50に対する防振装置本体1の圧入時にフック部27が係止穴56に係止することで、係止穴56の左内側面56aに当接するようになっている。
次に、ブラケット50に対して防振装置本体1を圧入する際の係止部25の作用について説明する。なお、各係止部25の作用は同じであるので、ここでは、説明の便宜上、後側の係止部25を例にして説明する。
防振装置本体1は、ブラケット50の左側方から収容部50A内に圧入される。この場合、防振装置本体1は、前壁部51の凹部51cに第2取付部材20(枠状部材21および外筒部材22)の前部側が圧入され、同様に、後壁部52の凹部52cに第2取付部材20の後部側が圧入される(図2参照)。
なお、フック部27と係止穴56とは、枠状部材21の右端部が右壁部54の所定位置に当接するまで圧入されることで、フック部27が係止穴56に係止されるように位置関係が設定されている。また、この設定によらず、フック部27と係止穴56とは、枠状部材21の右端部が右壁部54に当接する位置の手前で、フック部27が係止穴56に係止される(圧入が終了する)ように位置関係を設定してもよい。
この場合、係止部25の腕部26は、抜け方向の移動による圧縮力に対して軸方向に突っ張るように作用する。これにより、防振装置本体1の抜け方向の移動が好適に規制されるとともに、フック部27に対する抜け方向のせん断応力の集中が好適に防止される。したがって、フック部27が破損するおそれもない。さらに、フック部27の左面27aと係止穴56の左内側面56aとは、相互に面で当接している。したがって、防振装置本体1に抜け方向の外力等が作用した場合には、係止穴56の左内側面56aで安定して応力を受けることができる。したがって、防振装置本体1の抜け方向の移動を好適に規制することができる。
図8,図9を参照して本発明の第2実施形態に係る防振装置について説明する。本実施形態が前記第1実施形態と異なるところは、第2取付部材20の枠状部材21に対して一対の係止部25A,25Aを設けた点にある。
一対の係止部25A,25Aは、図9に示すように、枠状部材21の前後の外面となる前面21aおよび後面21bに一体に設けられている。一対の係止部25A,25Aは、前後対称形状に形成されている。
係止部25Aは、前記第1実施形態と同様に、左右方向に延びる腕部26Aと、腕部26Aの左端部に設けられたフック部27Aと、を備えている。前側の係止部25Aにおいて腕部26Aの右端部は、前面21aの左部に接続している。後側の係止部25Aにおいて腕部26Aの右端部は、後面21bの左部に接続している。一方、各係止部25Aにおいて、腕部26Aの左端部は、第1実施形態で説明したものと異なり、前後方向に弾性変形可能な自由端とされている。なお、腕部26Aは、前記したように、左端部が前後方向に弾性変形可能であるが、圧入方向および圧入方向と反対方向には弾性変形(圧縮変形)し難くなっている。
第2実施形態のブラケット50は、図8に示すように、前壁部51と後壁部52とに係止穴56Aが設けられた構成となっている。前壁部51および後壁部52は、前後方向に対向しており、前後対称形状とされている。
係止穴56Aは、図8に示すように、前壁部51の突出部51dおよび後壁部52の突出部52dに形成されている。前側の突出部51dの係止穴56Aは、第2取付部材20の前側の係止部25Aに対応して形成されている。同様に、後側の突出部52dの係止穴56Aは、第2取付部材20の後側の係止部25Aに対応して形成されている。各係止穴56Aには、ブラケット50に対する防振装置本体1の圧入時に、対応する係止部25Aのフック部27Aが係止される。
係止穴56Aは、前記した係止部25Aのフック部27Aの左面27aに対向する左内側面56a1を備えている。フック部27Aの左面27aは、ブラケット50に対する防振装置本体1の圧入時にフック部27Aが係止穴56Aに係止することで、係止穴56Aの左内側面56a1に当接するようになっている。
防振装置本体1は、第1実施形態と同様に、ブラケット50の左側方から収容部50A内に圧入される。この場合にも、防振装置本体1は、前壁部51の凹部51cに第2取付部材20(枠状部材21および外筒部材22)の前部側が圧入され、後壁部52の凹部52cに第2取付部材20の後部側が圧入される。
圧入終了後、防振装置本体1に対して、ブラケット50から抜ける方向(抜け方向)の外力等が作用した場合には、係止穴56Aの左内側面56a1に対するフック部27Aの左面27aの当接によって、防振装置本体1の抜け方向の移動が規制される。
なお、係止部25Aのフック部27Aは、上下方向のスペースを利用して第1実施形態のものよりも大きく形成することができる。加えて、本実施形態では、第1取付部材10に近い側となる枠状部材21に設けられた係止部25Aで係止が行われる構造であるので、第1実施形態のものに比べて防振装置本体1の抜け方向への移動がより効果的に規制される。
図10,図11を参照して本発明の第3実施形態に係る防振装置について説明する。本実施形態では、前記第1実施形態で説明した係止部25および前記第2実施形態で説明した係止部25Aの両方を防振装置本体1の第2取付部材20に対して設けた点にある。
防振装置本体1の第2取付部材20は、図11に示すように、一対の係止部25,25および一対の係止部25A,25Aを備えている。一対の係止部25,25は、前記第1実施形態と同様に、外筒部材22の前後の外面となる前面22fおよび後面22gに一体に設けられている。一方、係止部25A,25Aは、前記第2実施形態と同様に、枠状部材21の前後の外面となる前面21aおよび後面21bに一体に設けられている。
ブラケット50は、一対の係止部25,25が係止される係止穴56,56、および一対の係止部25A,25Aが係止される係止穴56A,56Aを備えている。係止穴56,56は、第1実施形態と同様に、前壁部51の底部51bと後壁部52の底部52bとに設けられている。一方、係止穴56A,56Aは、第2実施形態と同様に、前壁部51の突出部51dと後壁部52の突出部52dに設けられている。
また、係止穴56の形状は、丸形状等であってもよい。
また、前記第2,第3実施形態において、係止部25Aは、枠状部材21に一体に形成したものを示したが、別体に形成して枠状部材21に取り付けるように構成してもよい。
また、係止部25Aは、外筒部材22に形成してもよい。
また、前記第1〜第3実施形態において、係止部25,25Aは、収容部50Aの開口部の近傍に設けたものを示したが、これに限られることはなく、収容部50Aの右奥側に設けてもよい。
また、前記第1実施形態において、係止部25は、収容部50Aの開口側方(ブラケット50の左側方)のスペース(自動車のエンジンルーム内等のスペース)を利用して収容部50Aから左側方に突出させてもよい。この場合には、収容部50Aから左側方に突出させた係止部25に対応して、底部51b,52bを延出し、係止穴56(被係止部)を設ければよい。
10 第1取付部材
20 第2取付部材
25 係止部
25A 係止部
26,26A 腕部
27,27A フック部
30 インシュレータ
50 ブラケット
51 前壁部(壁部)
52 後壁部(壁部)
56,56A 係止穴
Claims (4)
- 第1取付部材および第2取付部材の間にインシュレータが介設された防振装置本体と、対向する壁部を有し、前記壁部同士の間に前記第2取付部材を介して前記防振装置本体が圧入されて固定されるブラケットと、を備えた防振装置であって、
前記第2取付部材には、前記壁部へ係止し前記ブラケットに対して前記防振装置本体を圧入する際の圧入方向と反対方向に、前記防振装置本体が移動するのを規制する係止部が設けられており、
前記係止部は、
前記ブラケットに対して前記防振装置本体を圧入する際の圧入方向と反対方向に延在する腕部と、前記腕部の延在方向の端部に設けられ前記壁部に設けられた被係止部に係止されるフック部と、を有していることを特徴とする防振装置。 - 前記係止部の前記フック部が係止される前記被係止部は係止穴であることを特徴とする請求項1に記載の防振装置。
- 前記第2取付部材は、樹脂製であり、
前記係止部は、前記第2取付部材に一体に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の防振装置。 - 前記第2取付部材は、枠状部材と、枠状部材に固定される外筒部材と、を備え、
前記係止部が、前記枠状部材および前記外筒部材の少なくとも一方に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の防振装置。
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