JP2001263320A - スナップフィット結合構造及びその製造方法 - Google Patents

スナップフィット結合構造及びその製造方法

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JP2001263320A
JP2001263320A JP2000080056A JP2000080056A JP2001263320A JP 2001263320 A JP2001263320 A JP 2001263320A JP 2000080056 A JP2000080056 A JP 2000080056A JP 2000080056 A JP2000080056 A JP 2000080056A JP 2001263320 A JP2001263320 A JP 2001263320A
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claw
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fit connection
coupling
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JP2000080056A
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Kazushi Haruna
一志 春名
Yuichi Hasegawa
雄一 長谷川
Akio Inoue
彰夫 井上
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドライバ等の工具を使用することなく筐体等
の分解が可能なスナップフィット結合構造を提供する。 【解決手段】 ツメ部とツメ係止部とを噛み合わせてな
るスナップフィット結合構造において、ツメ部を有する
第1結合部又はツメ係止部を有する該第2結合部を、そ
の両面において互いに線膨張係数の異なる材料から形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スナップフィット
結合構造に関し、特に、工具等を用いることなく容易に
分解できるスナップフィット結合構造及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】図12は、特開平7−180711号公
報に記載されたスナップフィット結合構造を備えた筐体
であり、かかる筐体内には、例えば、AV機器の回路基
板が搭載される。
【0003】図12において、(a)は筐体100の断
面図、(b)は側面図である。筐体100は、例えばA
BS樹脂から形成された上部カバー21と下部カバー2
2とからなる。下部カバー22にはツメ部23が設けら
れ、一方、上部カバー21には、ツメ部23が噛み合う
ツメ係止部24と、筐体100の外部からツメ部23の
先端を見えるようにした窓部25が設けられている。ツ
メ部23をツメ係止部24と噛み合わせることにより、
上部カバー21と下部カバー22とが互いに固定され、
筐体100となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】筐体100の内部の回
路等を修理する場合や、廃棄する筐体100をリサイク
ルする場合には、上部カバー21を下部カバー22から
外し、筐体100を分解することが必要になる。しか
し、筐体100の分解には、ドライバ等の工具を窓部2
5から差し込んで、ツメ部23を内部方向に湾曲させ
て、ツメ部23とツメ係止部24との噛み合わせを外
し、下部カバー22を上部カバー21から引き抜くこと
が必要である。このように、筐体100の分解に工具が
必要な場合、大量の筐体100をリサイクル処理する場
合等の作業効率の向上には一定の限界があった。また、
修理等に先立って筐体100内部を調べる場合、工具が
なければ簡単な調査もできなかった。また、窓部25を
設けることにより、筐体100に密閉性が低下するとと
もに、外観の意匠性にも問題があった。
【0005】そこで、本願発明は、ドライバ等の工具を
使用することなく筐体の分解が可能なスナップフィット
結合構造を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、発明者らは鋭意
研究の結果、スナップフィット結合構造の結合部を、線
膨張係数の異なる2つの材料の2層構造とし、該結合部
を加熱又は冷却することにより、該結合部が湾曲してス
ナップフィット結合をはずせることを見出し本発明を完
成した。
【0007】即ち、本発明は、ツメ部とツメ係止部とを
噛み合わせてなるスナップフィット結合構造であって、
ツメ部を有する第1結合部と、ツメ係止部を有する第2
結合部とを含み、該第1結合部又は該第2結合部が、少
なくともその両面における線膨張係数が互いに異なる熱
変形構造部からなり、該熱変形構造部を加熱又は冷却す
ることにより該熱変形構造部を湾曲させ、該ツメ部と該
ツメ係止部との噛み合わせをはずすようにしたスナップ
フィット結合構造である。かかる結合構造を用いること
により、特殊な工具を使用することなく、加熱又は冷却
するだけで、スナップフィット結合部の分解が可能とな
り、分解作業の作業効率を向上させることができる。特
に、複数のスナップフィット結合部を分解する場合、同
時に加熱、冷却することにより、複数の結合部を同時に
分解でき、作業効率を大幅に向上できる。また、かかる
構造では、筐体内の気密性を向上できるとともに、筐体
の外観の意匠性も向上する。
【0008】上記熱変形構造は、互いに線膨張係数の異
なる2層の積層構造であることが好ましい。かかる2層
構造を用いることにより、比較的簡単な構造で熱変形構
造を形成することができる。
【0009】上記熱変形構造は、射出成形したプラスチ
ック材料からなるものであっても良い。射出形成したプ
ラスチック材料を使用することにより、熱変形構造を比
較的簡単に形成することができる。
【0010】上記プラスチック材料は、ポリプロピレ
ン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリスチレ
ン及びポリカーボネートからなる群から選択される1の
材料からなることが好ましい。
【0011】上記熱変形構造は、母材と、該母材の表面
に塗布又は塗装された塗布材とからなるものであっても
良い。このように、母材の上に塗布材を塗布又は塗装す
ることによっても、比較的簡単に熱変形構造を形成する
ことができる。
【0012】上記母材/塗布材の組み合わせは、エポキ
シ樹脂/ポリエイレン、エポキシ樹脂/ポリアセタール
からなる群から選択される1の組み合わせであることが
好ましい。
【0013】また、本発明は、ツメ部を有する第1結合
部と、該ツメ部と噛み合うツメ係止部を有する第2結合
部とからなるスナップフィット結合構造の製造方法であ
って、該第1結合部又は該第2結合部を、互いに線膨張
係数の異なる2層の積層構造から形成する熱変形構造形
成工程を含むスナップフィット結合構造の製造方法でも
ある。
【0014】上記熱変形構造形成工程は、プラスチック
材料の射出成形により、互いに線膨張係数の異なる、内
部層と外部層とを備えた射出形成品を作製する工程と、
該射出形成品を切削加工し、該内部層と該外部層の2層
構造からなり、その先端に該ツメ部又は該ツメ係止部を
有する該第1結合部又は該第2結合部を形成する工程と
を含むものであっても良い。プラスチック材の射出形成
を用いることにより、比較的簡単な方法で、互いに線膨
張係数の異なる2層構造からなる結合部を形成すること
ができる。
【0015】上記プラスチック材料は、ポリプロピレ
ン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリスチレ
ン及びポリカーボネートからなる群から選択される1の
材料からなることが好ましい。
【0016】上記熱変形構造形成工程は、その先端に該
ツメ部又は該ツメ係止部を有する該第1結合部又は該第
2結合部を、母材から形成する工程と、該母材と線膨張
係数の異なる塗布材からなる層を、該母材上に塗布又は
塗装により形成し、該第1結合部又は該第2結合部を該
母材と該塗布材との2層構造とする工程とを含むもので
あっても良い。母材の上に塗布材を塗布又は塗装するこ
とにより、比較的簡単な方法で、互いに線膨張係数の異
なる2層構造からなる結合部を形成することができる。
【0017】上記母材/塗布材の組み合わせは、エポキ
シ樹脂/ポリエイレン、エポキシ樹脂/ポリアセタール
からなる群から選択される1の組み合わせからなること
が好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、本発明の
実施の形態1にかかるスナップフィット結合部の断面図
である。かかる結合部は、例えば、図12に示す従来構
造と同じく、下部カバー1と上部カバー2とからなる筐
体の接合部に用いられる。下部カバー1は、片持ち梁状
の第1接合部3を有する。第1接合部3の先端にはツメ
部4が設けられている。一方、上部カバー2は、第2接
合部5を有し、第2接合部5にはツメ係止部6が設けら
れている、図1に示すように、下部カバー1と上部カバ
ー2とを接合させた場合、ツメ部4とツメ係止部6とが
噛み合い、下部カバー1と上部カバー2とがスナップフ
ィット結合される。
【0019】本実施の形態では、図2(a)の有限要素
法による構造解析に示すように、片持ち梁状の第1接合
部3が、線膨張係数の異なる内部層7と表面層8の2層
構造となっている。このため、図2(b)に示すよう
に、第1接合部3を加熱すると、内部層7と表面層8と
の線膨張係数の違いにより、第1接合部3が外方に湾曲
する。これにより、ツメ部4がツメ係止部6からはず
れ、下部カバー1と上部カバー2との分解が可能とな
る。
【0020】具体的には、片持ち梁状の第1接合部3
は、ポリプロピレンの射出成形により形成される。図3
に、本実施の形態にかかる第1接合部3の作製方法を示
す。図中のX方向、Y方向は、図1のX方向、Y方向に
一致する。かかる製造方法では、まず、図3(a)に示
すように、一般的な射出成形法により、第1接合部3を
形成する。射出形成の条件は、例えば、以下の表1のと
おりである。
【0021】
【表1】
【0022】かかる射出成形の結果、内部層7とその両
側に形成された外部層8とからなる2層構造が得られ
る。内部層7、外部層8の物理的特性を、以下の表2に
示す。
【0023】
【表2】
【0024】ポリプロピレンの射出成形品では、樹脂流
動時の分子配向によって弾性率や線膨張係数の不均一性
が生じることが知られている(例えば、「成型加工」、
第11巻、第8号、1999年、p.726参照)。即
ち、表2のように、ポリプロピレンの射出成形品におい
ては、内部層7の線膨張係数が、表面層8の線膨張係数
に比べ、2倍となる。
【0025】次に、切削加工等により不要部分を削り落
とし、図3(b)に示すような、ツメ部4を備えた片持
ち梁状の第1接合部3を形成する。第1接合部3の各寸
法は、図1のL、L’、a及びbにおいて、 L :2.1mm L’:1.7mm a :0.1mm b :0.1mm である。
【0026】図4に、以上の方法で作製した第1接合部
3を、室温(25℃程度)から−100℃に冷却した場
合の、距離r(図1にrで示す距離)と第1接合部3の
変移量(図1のX方向への撓み量)との関係を示す。図
1の構造において、ツメ部4の突出量aが0.1mmで
あることから、ツメ部4が最も突出している位置(第1
接合部3の根元から距離がL’即ちr=1.7mmの位
置)における第1接合部3の変移量が0.1mm以上と
なれば、スナップフィット接合がはずれることとなる。
図4において、距離rが1.7mmの位置では、変移量
が0.15mm程度となっている。従って、第1接合部
3を、−100℃に冷却した場合、ツメ部4がツメ係止
部6の外に移動し、スナップフィット接合がはずれるこ
とがわかる。
【0027】なお、本実施の形態では、第1接合部3を
ポリプロピレンから形成したが、例えば、ABS(アク
リロニトリルブタジエンスチレン)、PS(ポリスチレ
ン)、PC(ポリカーボネート)等のような、射出成形
することにより膜厚方向(X方向)の線膨張係数が異な
るように形成できる他のプラスチック材料を用いること
も可能である。また、本実施の形態では、第1接合部3
を冷却することにより、第1接合部3を湾曲させてスナ
ップフィット結合をはずしたが、使用する材料によって
は、第1接合部3を加熱することにより、スナップフィ
ット結合をはずす場合もある。
【0028】図5は、本実施の形態にかかる他のスナッ
プフィット結合構造の断面図である。図中、図1と同一
符号は、同一又は相当箇所を示す。本実施の形態にかか
るスナップフィット結合構造では、図5(a)に示すよ
うに、下部カバー1が2つの第1結合部3を有し、第1
接合部3は、それぞれ、外方に突出したツメ部4を有す
る。第1結合部3は、第2結合部5に形成された孔部9
に入れられ、ツメ部4がツメ係止部6と噛み合い、スナ
ップフィット結合する。かかるスナップフィット結合構
造では、第2結合部5の表面の一部が、ツメ係止部6と
して機能する。
【0029】図5に示すスナップフィット結合構造で
は、2つの第1結合部3のそれぞれが、図1に示すスナ
ップフィット結合構造の第1結合部3と同じ構造を有し
ている。即ち、互いに線膨張係数の異なる2層の積層構
造から形成されている。従って、第1結合部3を冷却す
ることにより、図5(b)に示すように、第1接合部3
が湾曲し、ツメ部4がツメ係止部6からはずれることに
より、スナップフィット結合を分解することができる。
【0030】図5に示す第1結合部3は、例えば、図3
(a)に示すポリプロピレンの射出形成品を切削加工
し、該射出形成品の両側面に沿って、外方に飛び出した
ツメ部4を有する第1結合部3とすることにより作製で
きる。これにより、それぞれの第1結合部3を、線膨張
係数の異なる2層から形成することができる。なお、第
1接合部3の材料には、ポリプロピレンの他にABS等
の材料も使用できる。
【0031】このように、本実施の形態にかかるスナッ
プフィット結合構造では、特殊な工具等を使用すること
なく、加熱又は冷却するだけで、スナップフィット結合
部の分解が可能となり、分解作業の作業効率を向上させ
ることができる。特に、複数のスナップヒット結合部を
分解する場合、同時に加熱、冷却することにより、複数
の結合部を同時に分解でき、作業効率を大幅に向上でき
る。また、かかる構造では、図12に示す窓部25が不
要となり、筐体内の気密性を向上できるとともに、筐体
の外観の意匠性も向上する。
【0032】実施の形態2.図6は、本発明の実施の形
態2にかかるスナップフィット結合部の断面図である。
図中、図1と同一符号は、同一又は相当箇所を示す。本
実施の形態にかかるスナップフィット結合では、図6
(a)に示すように、第1接合部3を、母材である第1
層10と、該第1層10の上に塗装又は樹脂塗布された
第2層11の積層構造から形成する。かかる第1層10
と第2層11には、線膨張係数の異なる材料が用いら
れ、第1接合部3を加熱又は冷却することにより、いわ
ゆるバイメタル効果により第1接合部3が湾曲し、ツメ
部4がツメ係止部6からはずれる。
【0033】図7に、第1接合部3のバイメタルモデル
を示す。図7(a)に示す第1結合部3を、図7(b)
に示すような、母材である材料2と、塗装又は樹脂塗布
層である材料1の積層構造から形成する。ここで、材料
i(i=1、2)の膜厚をhi、弾性率をEi、線膨張
係数をαiとする。また、図7(c)は、温度をTとす
ることにより湾曲した第1接合部3であり、この場合に
おける曲率半径をρ、変移量をδとする。ここで、曲率
半径ρ、変移量δは、それぞれ以下の数式1、2から求
められる。
【0034】
【数1】 ・・・(数式1)
【0035】
【数2】 ・・・(数式2)
【0036】表3は、材料1にエポキシ樹脂、材料2に
ポリエチレン又はポリアセタールを用い、温度Tを10
0℃とした場合の曲率半径ρ、変移量δの解析結果であ
る。
【0037】
【表3】
【0038】図7のバイメタルモデルにおいて、変移量
δがツメ部4の突出量aより大きくなれば、スナップフ
ィット接合がはずれることとなる。表3では、ツメ部4
の突出量aは1.0mmであり、変移量δは、材料2に
ポリエチレンを用いた場合が1.05mm、ポリアセタ
ールを用いた場合が1.07mmである。従って、かか
るバイメタルモデルでは、いずれの材料を用いた場合に
おいても変移量δがツメ部4の突出量aより大きくな
り、スナップフィット結合がはずれることとなる。
【0039】図8は、本実施の形態にかかる他のスナッ
プフィット結合部の断面図である。図中、図1と同一符
号は、同一又は相当箇所を示す。図8(a)に示すよう
に、結合部の形状は、図5の場合とほぼ同じである。ま
た、第1接合部3は、ポリプロピレン等の母材からなる
第1層10と、エポキシ樹脂等を塗布等して形成した第
2層11とから形成される。
【0040】図8(a)の第1結合部3を、例えば、室
温(25℃程度)から100℃に加熱することにより、
第1層10と第2層11との線膨張係数の違いにより、
図8(b)のように第1結合部3が内方に湾曲し、スナ
ップフィット結合がはずれる。
【0041】図9は、本実施の形態にかかる他のスナッ
プフィット結合部の断面図である。図中、図1と同一符
号は、同一又は相当箇所を示す。かかるスナップフィッ
ト結合構造では、図9(a)に示すように、第1結合部
3がU字型であり、その先端部がツメ部4となってい
る。第1結合部3は、例えば、ポリプロピレン等の母材
からなる第1層10と、該第1層10にエポキシ樹脂等
を塗布等して形成した第2層11との2層構造からな
る。ツメ部4は、第2結合部5に設けられたツメ係止部
6と噛み合い、スナップフィット結合される。この結
果、下部カバー1は、図9の上方に向かってはずれない
ようになる。
【0042】図9(b)に示すように、第1結合部3
を、例えば、室温(25℃程度)から100℃に加熱す
ることにより、第1結合部3が湾曲し、スナップフィッ
ト結合がはずれる。
【0043】なお、本実施の形態において、第1結合部
3の母材(材料2)には、上述のポリエチレン、ポリア
セタールの他、ナイロン6、ナイロン66及びこれらの
ガラス繊維強化材料、ABS(アクリロニトリルブタジ
エンスチレン)、PPS(ポリフェニレンサルファイ
ド)等を用いることもできる。また、材料1は、電着塗
装、粉体塗装等の塗装法で形成することもでき、また粘
性の樹脂を塗布する樹脂塗布法で形成することもでき
る。特に、塗装法を使用する場合、電子機器のケース等
に適用されるEMI(Electromagnetic Interference)
対策用の塗装を兼ねることができる。また、材料1と材
料2との組み合わせによっては、第1接合部3を冷却す
ることによりスナップフィット結合をはずす場合もあ
る。
【0044】実施の形態3.図10は、本実施の形態に
かかるスナップフィット結合部の断面図である。図中、
図1と同一符号は、同一又は相当箇所を示す。かかるス
ナップフィット結合構造では、上述の実施の形態1とは
逆に、ツメ係止部6を有する第2結合部5を、内部層7
と外部層8との2層構造から形成する。かかる2層構造
は、実施の形態1で述べた射出形成品を切削加工して作
製する。
【0045】かかる第2結合部5を冷却することによ
り、図10(b)に示すように、第2結合部5が外方に
湾曲し、ツメ係止部6とツメ部4との噛み合わせがはず
れ、スナップフィット結合をはずすことができる。な
お、第2接合部5の材料には、ポリプロピレンの他にA
BS等の材料も使用できる。
【0046】実施の形態4.図11は、本実施の形態に
かかるスナップフィット結合部の断面図である。図中、
図1と同一符号は、同一又は相当箇所を示す。かかるス
ナップフィット結合構造では、上述の実施の形態2とは
逆に、ツメ係止部6を有する第2結合部5を、ポリプロ
ピレン等の母材からなる第1層10と、アクリル樹脂等
の塗布等により形成した第2層11との2層構造から形
成する。
【0047】かかる構造では、第2結合部5を、例え
ば、室温(25℃程度)から100℃に加熱することに
より、図11(b)に示すように、ツメ係止部6を含む
第2結合部5を湾曲させ、スナップフィット結合をはず
すことができる。
【0048】なお、第1結合部3の母材である第1層1
0には、実施の形態2と同じく、ポリアセタール等を用
いることもできる。また、第2層11は、塗装法、樹脂
塗布法で形成することができる。
【0049】なお、実施の形態1〜4では、第1又は第
2結合部を、線膨張係数の異なる2層構造とする場合に
ついて述べたが、3層以上の構造を用いることも可能で
ある。また、第1又は第2結合部の一方の側面から他方
の側面に向かって(図1のX方向に向って)、漸次、線
膨張係数が変化するような構造とすることも可能であ
る。また、実施の形態1〜4では、スナップフィット結
合構造を、下部カバー1と上部カバー2とからなる筐体
に用いた場合について説明したが、かかるスナップフィ
ット結合構造は、筐体以外の部材の接合にも広く用いる
ことができる。
【0050】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
にかかるスナップフィット結合構造では、接合部を、互
いに線膨張係数の異なる2層構造とすることにより、工
具等を使用することなく接合部を加熱又は冷却するだけ
で、スナップフィット結合をはずすことが可能となる。
【0051】このため、スナップフィット結合部の分解
作業の効率を大幅に向上させることができる。
【0052】特に、複数のスナップフィット結合の分解
を同時に行なうことができ、作業効率の向上が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1にかかるスナップフィ
ット結合部の断面図である。
【図2】 第1結合部の有限要素法による解析構造図で
ある。
【図3】 本発明の実施の形態1にかかるスナップフィ
ット結合部の製造工程図である。
【図4】 第1結合部における距離rと変移量との関係
である。
【図5】 本発明の実施の形態1にかかる他のスナップ
フィット結合部の断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態2にかかるスナップフィ
ット結合部の断面図である。
【図7】 第1接合部のバイメタルモデルである。
【図8】 本発明の実施の形態2にかかる他のスナップ
フィット結合部の断面図である。
【図9】 本発明の実施の形態2にかかる他のスナップ
フィット結合部の断面図である。
【図10】 本発明の実施の形態3にかかるスナップフ
ィット結合部の断面図である。
【図11】 本発明の実施の形態4にかかるスナップフ
ィット結合部の断面図である。
【図12】 従来構造にかかるスナップフィット結合構
造を備えた筐体である。
【符号の説明】
1 下部カバー、2 上部カバー、3 第1接合部、4
ツメ部、5 第2接合部、6 ツメ係止部、7 内部
層、8 外部層、9 孔部、10 第1層、11 第2
層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 彰夫 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3J036 AA03 BA01 BA04 BB02 DB06 3J037 AA02 BA02 BA04 BB04 DA02 DA12 DB02 DC05 4F213 AA04 AA11 AA13 AA28 AA32 AA39 AH06 WA05 WB01 WC01 WE02 WE11 WK03 WW15 WW37

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ツメ部とツメ係止部とを噛み合わせてな
    るスナップフィット結合構造であって、 ツメ部を有する第1結合部と、 ツメ係止部を有する第2結合部とを含み、 該第1結合部又は該第2結合部が、少なくともその両面
    における線膨張係数が互いに異なる熱変形構造部からな
    り、該熱変形構造部を加熱又は冷却することにより該熱
    変形構造部を湾曲させ、該ツメ部と該ツメ係止部との噛
    み合わせをはずすようにしたことを特徴とするスナップ
    フィット結合構造。
  2. 【請求項2】 上記熱変形構造が、互いに線膨張係数の
    異なる2層の積層構造からなることを特徴とする請求項
    1に記載のスナップフィット結合構造。
  3. 【請求項3】 上記熱変形構造が、射出成形したプラス
    チック材料からなることを特徴とする請求項1又は2に
    記載のスナップフィット結合構造。
  4. 【請求項4】 上記プラスチック材料が、ポリプロピレ
    ン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリスチレ
    ン及びポリカーボネートからなる群から選択される1の
    材料からなることを特徴とする請求項3に記載のスナッ
    プフィット結合構造。
  5. 【請求項5】 上記熱変形構造が、母材と、該母材の表
    面に塗布又は塗装された塗布材とからなることを特徴と
    する請求項1又は2に記載のスナップフィット結合構
    造。
  6. 【請求項6】 上記母材/塗布材の組み合わせが、エポ
    キシ樹脂/ポリエイレン、エポキシ樹脂/ポリアセター
    ルからなる群から選択される1の組み合わせからなるこ
    とを特徴とする請求項5に記載のスナップフィット結合
    構造。
  7. 【請求項7】 ツメ部を有する第1結合部と、該ツメ部
    と噛み合うツメ係止部を有する第2結合部とからなるス
    ナップフィット結合構造の製造方法であって、 該第1結合部又は該第2結合部を、互いに線膨張係数の
    異なる2層の積層構造から形成する熱変形構造形成工程
    を含むことを特徴とするスナップフィット結合構造の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 上記熱変形構造形成工程が、 プラスチック材料の射出成形により、互いに線膨張係数
    の異なる、内部層と外部層とを備えた射出形成品を作製
    する工程と、 該射出形成品を切削加工し、該内部層と該外部層の2層
    構造からなり、その先端に該ツメ部又は該ツメ係止部を
    有する該第1結合部又は該第2結合部を形成する工程と
    を含むことを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 上記プラスチック材料が、ポリプロピレ
    ン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリスチレ
    ン及びポリカーボネートからなる群から選択される1の
    材料からなることを特徴とする請求項8に記載の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 上記熱変形構造形成工程が、 その先端に該ツメ部又は該ツメ係止部を有する該第1結
    合部又は該第2結合部を、母材から形成する工程と、 該母材と線膨張係数の異なる塗布材からなる層を、該母
    材上に塗布又は塗装により形成し、該第1結合部又は該
    第2結合部を該母材と該塗布材との2層構造とする工程
    とを含むことを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 上記母材/塗布材の組み合わせが、エ
    ポキシ樹脂/ポリエイレン、エポキシ樹脂/ポリアセタ
    ールからなる群から選択される1の組み合わせからなる
    ことを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
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