JP2018037574A - 電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】3つのコイルにより構成されたコモンモードフィルタを備えた電子部品において、コイル間の差動インピーダンスを調整することができる電子部品を提供する。
【解決手段】電子部品は、積層方向に積層された複数の絶縁体層を含む本体と、本体内に配置され、1以上の1次コイル導体層を含む1次コイルと、本体内に配置され、1以上の2次コイル導体層を含む2次コイルと、本体内に配置され、1以上の3次コイル導体層を含む3次コイルとを備えている。複数の絶縁体層は、1次コイル導体層と2次コイル導体層とに挟まれた部分を含む第1絶縁体層と、2次コイル導体層と3次コイル導体層とに挟まれた部分を含む第2絶縁体層と、3次コイル導体層と1次コイル導体層とに挟まれた部分を含む第3絶縁体層と、を含み、第1絶縁体層、第2絶縁体層及び第3絶縁体層のうち、他の絶縁体層と誘電率が異なる絶縁体層が存在する。
【選択図】図2

Description

本発明は、コモンモードフィルタを備えた電子部品に関する。
従来のコモンモードフィルタに関する発明としては、例えば、特許文献1に記載のコモンモードチョークコイルが知られている。図12は、特許文献1に記載のコモンモードチョークコイル510の断面構造図である。
コモンモードチョークコイル510は、本体512,コイル514,516,518を備えている。コイル514,516,518は、図12の紙面上側から見たときに、時計回りに周回しながら外周側から内周側へと向かう渦巻状をなしており、互いに重なり合っている。また、コイル518は、コイル514とコイル516とにより上下両側から挟まれている。このようなコモンモードチョークコイル510では、コイル514,516に高周波信号が伝送され、コイル518に接地電位が接続される。
特許4209851号公報
ところで、本願発明者は、特許文献1に記載のコモンモードチョークコイル510を一例とする3つのコイルを備える電子部品において、例えば、コイル514,516,518のそれぞれに高周波信号を伝送し、高周波信号からコモンモードノイズを除去すること及びその際の課題を検討した。
まず、コモンモードチョークコイル510では、以下に説明するように、コイル514,516,518間の差動インピーダンスに差異が生じる。図12に示すように、コイル514とコイル518とは近接して対向し、コイル516とコイル518とは近接して対向している一方、コイル514とコイル516との間にはコイル518が存在しているので、コイル514とコイル516とは大きく離れている。そのため、コイル514とコイル516との間に発生する容量は、コイル514とコイル518との間に発生する容量及びコイル516とコイル518との間に発生する容量よりも小さくなる。その結果、コイル514とコイル516との間の差動インピーダンスは、コイル514とコイル518との間の差動インピーダンス及びコイル516とコイル518との間の差動インピーダンスよりも大きくなる。
そこで、コモンモードチョークコイル510の構成を改良し、伝送する高周波信号の波形を乱さないよう、コイル514−コイル516間の容量を、コイル514−コイル518間の容量及びコイル516−コイル518間の容量に近づけることが検討される。しかし、本願発明者は、以下に説明するように、これらの容量は単純に一致させれば良い訳ではないことに想到した。
上記の場合、コモンモードチョークコイル510は、以下に説明する回路基板に実装される。図13は、コモンモードチョークコイル510が実装される回路基板600の平面図である。図14は、コモンモードチョークコイル510が実装される回路基板600のX−Xにおける断面構造図である。回路基板600は、基板本体602、信号線604,606,608及びグランド導体層610を備えている。基板本体602は、板状の絶縁基板である。信号線604,606,608は、基板本体602の上側主面に設けられており、互いに平行に延在する線状の導体層である。グランド導体層610は、基板本体602の下側主面に設けられており、信号線604,606,608と重なっている。これにより、信号線604,606,608及びグランド導体層610は、マイクロストリップライン構造をなしている。
以上のような回路基板600にコモンモードチョークコイル510が実装されると、その外部電極(端子電極)の位置から、信号線604とコイル514とが接続され、信号線606とコイル518とが接続され、信号線608とコイル516とが接続される。この場合、コイル514,516,518の間の3つの差動インピーダンスと、信号線604,606,608の間の3つの差動インピーダンスとについて、上記接続関係において整合が取れていないと、回路基板600とコモンモードチョークコイル510との間で高周波信号の反射が発生してしまう。
ここで、回路基板600では、以下に説明するように、信号線604,606,608間の差動インピーダンスに差異が生じる。図13及び図14に示すように、信号線604と信号線606とが隣り合い、信号線606と信号線608とが隣り合っている。一方、信号線604と信号線608との間には信号線606が存在しているので、信号線604と信号線608とは大きく離れている。そのため、信号線604と信号線608との間に発生する容量は、信号線604と信号線606との間に発生する容量及び信号線606と信号線608との間に発生する容量よりも小さくなる。そのため、信号線604と信号線608との間の差動インピーダンスは、信号線604と信号線606との間の差動インピーダンス及び信号線606と信号線608との間の差動インピーダンスよりも大きくなる。
したがって、コモンモードチョークコイル510を改良する際は、コイル間の差動インピーダンスの相互の差異だけでなく、上記のような回路基板の信号線間で発生する差動インピーダンスの差異との整合も考慮した上で、コイル間の差動インピーダンスを設定することが好ましい。このことから、本願発明者は、コイル間の差動インピーダンスの差異を調整できる電子部品について想到した。
そこで、本開示の課題は、3つのコイルにより構成されたコモンモードフィルタを備えた電子部品において、コイル間の差動インピーダンスの差異を調整することができる電子部品を提供することにある。
前記課題を解決するため、本開示の一実施形態に係る電子部品は、
積層方向に積層された複数の絶縁体層を含む本体と、
前記本体内に配置され、1以上の1次コイル導体層を含む1次コイルと、
前記本体内に配置され、1以上の2次コイル導体層を含む2次コイルと、
前記本体内に配置され、1以上の3次コイル導体層を含む3次コイルと、
を備え、
前記複数の絶縁体層は、前記1次コイル導体層と前記2次コイル導体層とに挟まれた部分を含む第1絶縁体層と、前記2次コイル導体層と前記3次コイル導体層とに挟まれた部分を含む第2絶縁体層と、前記3次コイル導体層と前記1次コイル導体層とに挟まれた部分を含む第3絶縁体層と、を含み、
前記第1絶縁体層、前記第2絶縁体層及び前記第3絶縁体層のうち、他の絶縁体層と誘電率が異なる絶縁体層が存在する。
上記の電子部品によれば、対向するコイル導体層間に発生する寄生容量を変化させることができる。したがって、コイル間の差動インピーダンスの差異を調整することができる。
また、一実施形態の電子部品では、
前記1次コイルの一端に電気的に接続された第1の外部電極と、
前記2次コイルの一端に電気的に接続された第2の外部電極と、
前記3次コイルの一端に電気的に接続された第3の外部電極と、
をさらに備え、
前記第1の外部電極、前記第2の外部電極及び前記第3の外部電極は、前記本体の一面において、前記積層方向に直交する所定方向に沿ってこの順に並んでおり、
前記第3絶縁体層の誘電率は、前記第1絶縁体層の誘電率及び前記第2絶縁体層の誘電率と異なる。
上記の電子部品によれば、回路基板において他の信号線間と差動インピーダンスが異なる信号線間に対応する1次コイルと3次コイルとの間について、差動インピーダンスを調整することができる。
また、一実施形態の電子部品では、
前記1次コイルの他端に電気的に接続された第4の外部電極と、
前記2次コイルの他端に電気的に接続された第5の外部電極と、
前記3次コイルの他端に電気的に接続された第6の外部電極と、
をさらに備え、
前記第4の外部電極、前記第5の外部電極及び前記第6の外部電極は、前記本体の一面において、前記所定方向に沿ってこの順に並んでおり、
前記1次コイルの前記第1の外部電極から前記第4の外部電極に向かう周回方向、前記2次コイルの前記第2の外部電極から前記第5の外部電極に向かう周回方向及び前記3次コイルの前記第3の外部電極から前記第6の外部電極に向かう周回方向が、すべて同じである。
上記の電子部品によれば、例えば、第1〜第3の外部電極を入力端子、第4〜6の外部電極を出力端子として高周波信号を伝送した際、1次〜3次コイルが磁気的に正結合するため、電子部品をコモンモードフィルタとして機能させることができる。なお、これは第1〜第3の外部電極を出力端子、第4〜6の外部電極を入力端子とした場合も同様である。
また、一実施形態の電子部品では、
前記1以上の1次コイル導体層は、自然数n個の直列1次コイル導体層及び1個の並列1次コイル導体層を含み、
前記1以上の2次コイル導体層は、n個の2次コイル導体層を含み、
前記1以上の3次コイル導体層は、n個の3次コイル導体層を含み、
前記並列1次コイル導体層は、前記n個の直列1次コイル導体層のうちの所定の直列1次コイル導体層に対して電気的に並列に接続され、
前記第3絶縁体層は、前記3次コイル導体層と前記並列1次コイル導体層とに挟まれた部分を含む第4絶縁体層を含む。
上記の電子部品によれば、1次コイルの電気的特性に与える影響を抑えつつ、1次コイルと3次コイルとの間の差動インピーダンスを、1次コイルと2次コイルとの間の差動インピーダンス及び2次コイルと3次コイルとの間の差動インピーダンスに近づけることが可能となる。
また、一実施形態の電子部品では、
前記直列1次コイル導体層、前記2次コイル導体層及び前記3次コイル導体層が1つずつ前記積層方向の一方側から他方側へとこの順に並んだコイル導体層群が、前記積層方向の一方側から他方側へとn個並んで配置され、
前記並列1次コイル導体層は、前記積層方向の最も他方側に設けられている所定の前記3次コイル導体層に対して該積層方向の他方側に設けられている。
上記の電子部品によれば、1次コイルと2次コイルとの対向部分、2次コイルと3次コイルとの対向部分、3次コイルと1次コイルとの対向部分が、順に均等に現れるため、各コイル間の差動インピーダンスの差異を容易に調整することができる。
また、一実施形態の電子部品では、
前記並列1次コイル導体層と、前記所定の3次コイル導体層との前記積層方向における間隔は、前記n個のコイル導体層群において前記積層方向に隣り合うコイル導体層間の間隔よりも大きい。
上記の電子部品によれば、3次コイル導体層と並列1次コイル導体層との間に発生する容量を、直列1次コイル導体層と2次コイル導体層との間に発生する容量及び2次コイル導体層及び3次コイル導体層との間に発生する容量よりも小さくすることができ、コイル間の差動インピーダンスの差異を調整できる。
また、一実施形態の電子部品では、
前記n個のコイル導体層群において前記積層方向に隣り合うコイル導体層間の間隔は均一である。
上記の電子部品によれば、n個のコイル導体層群における積層条件の均一化を図ることができ、電子部品の信頼性が向上するとともに、製造工程の合理化を図ることが可能となる。
また、一実施形態の電子部品では、
前記積層方向から見たときに、前記並列1次コイル導体層と、前記所定の直列1次コイル導体層とは同じ形状をなしている。
上記の電子部品によれば、電気的に並列に接続された所定の直列1次コイル導体層と並列1次コイル導体層との間で電流経路の長さが等しくなるため、1次コイルの電気的特性に与える影響を小さくできる。
また、一実施形態の電子部品では、
前記1次コイル、前記2次コイル及び前記3次コイルは、互いに同一の電流経路の長さを有し、
前記所定の直列1次コイル導体層以外の(n−1)個の前記直列1次コイル導体層をその他の直列1次コイル導体層とすると、
前記その他の直列1次コイル導体層の断面積はすべて同一であり、
前記所定の直列1次コイル導体層の断面積と前記並列1次コイル導体層の断面積との合計は、前記その他の直列1次コイル導体層の断面積と同一である。
上記の電子部品によれば、所定の直列1次コイル導体層及び並列1次コイル導体層の合成電気抵抗をその他の1次コイル導体層の電気抵抗に近づけることが可能となる。
また、一実施形態の電子部品では、前記所定の直列1次コイル導体層の断面積と前記並列1次コイル導体層の断面積とが同一である。
上記の電子部品によれば、所定の直列1次コイル導体層と並列1次コイル導体層の電気抵抗を近づけることが可能となる。また、所定の直列1次コイル導体層及び並列1次コイル導体層の積層条件を同一とすることができるので、厚みの違いによる応力集中の低減、信頼性の向上や、工程合理化を図ることが可能となる。
また、一実施形態の電子部品では、
前記n個の2次コイル導体層及び前記n個の3次コイル導体層の断面積はすべて同一であり、
前記所定の直列1次コイル導体層の断面積と前記並列1次コイル導体層の断面積との合計は、前記2次コイル導体層の断面積と前記3次コイル導体層の断面積と同一である。
上記の電子部品によれば、所定の直列1次コイル導体層の電気抵抗値と並列1次コイル導体層の電気抵抗値との合成電気抵抗を2次コイル導体層と3次コイル導体層の電気抵抗に近づけることができる。また、2次コイル導体層及び3次コイル導体層の積層条件を同一とすることができるので、厚みの違いによる応力集中の低減、信頼性の向上や、工程合理化を図ることが可能となる。
また、一実施形態の電子部品では、
前記1次コイルを構成する導体の体積と、前記2次コイルを構成する導体の体積と、前記3次コイルを構成する導体の体積とは、互いに同一である。
上記の電子部品によれば、1次コイル、2次コイル及び3次コイルの電気的特性を近づけることができる。
本開示の一実施形態である電子部品によれば、3つのコイルにより構成されたコモンモードフィルタを備えた電子部品において、コイル間の差動インピーダンスの差異を調整できる。
本開示の一実施形態の電子部品10の外観を示す斜視図である。 図1の電子部品10の分解斜視図である。 図1のA−A線に沿って切断したときの断面図である。 図3Aの模式図である。 第1のモデルのシミュレーション結果を示したグラフである。 第2のモデルのシミュレーション結果を示したグラフである。 第3のモデルのシミュレーション結果を示したグラフである 電子部品10のコイル導体層30a,32a,34a,36の位置関係を示した模式図である。 電子部品10aのコイル導体層30a,32a,34a,30b,32b,34b,36aの位置関係を示した模式図である。 電子部品10aの積層体22aの分解斜視図である。 電子部品10aの模式断面図である。 電子部品10bのコイル導体層30a−1,30a−2,32a,34a,30b,32b−1,32b−2,34b−1,34b−2,36aの位置関係を示した模式図である。 電子部品10cの模式断面図である。 電子部品10dの模式断面図である。 特許文献1に記載のコモンモードチョークコイル510の断面構造図である。 コモンモードチョークコイル510が実装される回路基板600の平面図である。 コモンモードチョークコイル510が実装される回路基板600の断面構造図である。
以下、本開示の一実施形態について図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1実施形態)
(電子部品の構成)
図1は本開示の一実施形態の電子部品10の外観を示す斜視図であり、図2は図1の電子部品10の分解斜視図であり、図3Aは図1のA−A線に沿って切断したときの断面図であり、図3Bは図3Aの模式図である。以下では、電子部品10の積層方向を上下方向と定義し、上下方向から見たときに、長辺が延在している方向を前後方向と定義し、短辺が延在している方向を左右方向と定義する。また、上下方向、前後方向及び左右方向は互いに直交している。さらに、説明のため、図3Aを基準に上下左右を定め、図3Aの紙面手前側を前側、紙面奥側を後ろ側とするが、これらの方向と電子部品10の実際の使用形態における上下左右前後は一致している必要はない。なお、積層方向とは、後述する絶縁体層が積み重ねられる方向である。
電子部品10は、図1ないし図3Bに示すように、本体12、外部電極14a〜14f、接続部16a〜16f、引き出し部50〜55、1次コイルL1、2次コイルL2及び3次コイルL3を備えている。
本体12は、図1及び図2に示すように、直方体状をなしており、磁性体基板20a,20b、積層体22及び磁性体層24を含んでいる。磁性体基板20a、磁性体層24、積層体22及び磁性体基板20bは、上側から下側へとこの順に積み重ねられている。
磁性体基板20a,20bは、上側から見たときに長方形状をなす板状部材である。磁性体基板20bの4つの角のそれぞれには、上側から見たときに、中心角が90度である扇形をなす切り欠きが設けられている。磁性体基板20bの2本の長辺の中央のそれぞれには、上側から見たときに、半円をなす切り欠きが設けられている。6つの切り欠きは、磁性体基板20bの上側主面から下側主面まで到達するように、磁性体基板20bの側面を上下方向に延在している。
磁性体基板20a,20bは、例えば、フェライトセラミックスが焼結されたものである。また、磁性体基板20a,20bは、フェライト仮焼粉末や金属粉末などの磁性体粉が樹脂などからなるバインダーに含有された磁性ペーストが硬化されたものであってもよく、磁性ペーストがアルミナ等のセラミックス基板に塗布されることによって作製されてもよい。
外部電極14a〜14fは、磁性体基板20bの下側主面上に設けられており、長方形状をなしている。より詳細には、外部電極14a,14b,14cは、磁性体基板20bの下側主面のそれぞれ左後ろ、左中央、左前に位置する角に設けられ、後ろ側から前側へとこの順に並んでいる。外部電極14d,14e,14fは、磁性体基板20bの下側主面のそれぞれ右後ろ、右中央、右前に位置する角に設けられ、後ろ側から前側へとこの順に並んでいる。外部電極14a〜14fは、例えば、Cu、Ag、Au、Ni、Cu、Tiなどを主成分とする材料がスパッタ法により成膜されることによって作製されている。なお、外部電極14a〜14fは、上記材料を含有するペーストが印刷及び焼き付けされて作製されてもよいし、上記材料が蒸着やめっき工法によって成膜されることによって作製されてもよい。さらに、外部電極14a〜14fは、異なる材料が複数積層されたものであってもよい。
接続部16a〜16fはそれぞれ、磁性体基板20bの6つの切り欠きに設けられている。接続部16a〜16fは、磁性体基板20bのそれぞれ左後ろ、左中央、左前、右後ろ、右中央、右前に位置する切り欠きに設けられており、その下端においてそれぞれ外部電極14a〜14fに接続されている。接続部16a〜16fは、例えば、外部電極14a〜14fと同様の材料・工法により作製されている。外部電極14a〜14fと接続部16a〜16fとは別部材であってもよいし、一体化されていてもよい。
積層体22は、磁性体基板20bの上側主面上に積層されている絶縁体層26a〜26f(複数の絶縁体層の一例)を含んでおり、上側から見たときに長方形状をなしている。絶縁体層26a〜26fは、上側から下側へとこの順に並ぶように積層されており、その主面は、磁性体基板20bの上側主面と略同じ外形を有している。また、上側から見たときに、絶縁体層26b〜26fの4つの角及び2本の長辺の中央は、切り欠かれている。
絶縁体層26a〜26fは、例えばアクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、およびエポキシ系樹脂,ベンゾシクロブテン等の絶縁性樹脂,ガラスセラミックス,シリコンナイトライド,二酸化ケイ素SiO(シリカ)等の絶縁性無機材料などを用いて作製されている。なお、後述する誘電率の設定の観点からは、上述の材料に関わらず、公知の材料を用いてもよい。
磁性体層24は、積層体22と磁性体基板20aとの間に設けられており、積層体22の上側主面を平坦化するとともに、積層体22と磁性体基板20aとを接合する。磁性体層24は、例えば、前述の磁性ペーストにより作製される。
1次コイルL1は、本体12内に設けられており、1次コイル導体層30a,36を含んでいる。1次コイル導体層30a,36は、それぞれ絶縁体層26f,26bの上側主面上に設けられており、上側から見たときに、時計回りに周回しながら外周側から内周側に向かう渦巻状をなしている。本実施形態では、1次コイル導体層30a,36は、約4周分の長さを有している。1次コイル導体層30a,36の中心は、上側から見たときに、電子部品10の中心(対角線交点)と略一致している。なお、1次コイル導体層30a,36は、同じ形状をなしていると共に、電気的に並列に接続されている。したがって、本実施形態では、1次コイル導体層36が並列1次コイル導体層に、1次コイル導体層30aが所定の直列1次コイル導体層に相当する。ただし、上記対応関係は逆であっても成立し、1次コイル導体層36が直列1次コイル導体層、1次コイル導体層30aが並列1次コイル導体層であってもよい。
引き出し部50は、1次コイルL1の一端(1次コイル導体層30a,36の外周側の端部)と外部電極14aとを接続する。引き出し部50は、引き出し導体層40a,46及び接続導体70aを含んでいる。接続導体70aは、絶縁体層26b〜26fの左後ろに位置する角に設けられた三角柱状の導体である。なお、図2では、理解の容易のために、接続導体70aは、5つに分割して記載されているが、接続導体70aは分割された部材であっても、一体化された部材であってもよい。後述する接続導体70b〜70fも、接続導体70aと同様に、5つに分割して記載した。接続導体70aは、絶縁体層26bの上側主面から絶縁体層26fの下側主面まで上下方向に延在しており、その下端において接続部16aに接続されている。
引き出し導体層40a,46はそれぞれ、絶縁体層26f,26bの上側主面上に設けられており、1次コイル導体層30a,36の外周側の端部に接続されていると共に接続導体70aに接続されている。引き出し導体層40a,46は、上側から見たときに、渦巻状をなしておらず、それぞれ1次コイル導体層30a,36の外周側の端部から左側に向かって延在している。1次コイル導体層30a,36と引き出し導体層40a,46との境界は、図2の拡大図に示すように、1次コイル導体層30a,36が形成している渦巻状の軌跡から引き出し導体層40a,46が離脱する位置である。これにより、1次コイルL1の一端(1次コイル導体層30a,36の外周側の端部)と外部電極14aとが引き出し部50(引き出し導体層40a,46及び接続導体70a)及び接続部16aを介して電気的に接続されている。
引き出し部53は、1次コイルL1の他端(1次コイル導体層30a,36の内周側の端部)と外部電極14dとを接続する。引き出し部53は、層間接続導体v1、引き出し導体層60及び接続導体70dを含んでいる。接続導体70dは、絶縁体層26b〜26fの右後ろに位置する角に設けられた三角柱状の導体である。接続導体70dは、絶縁体層26bの上側主面から絶縁体層26fの下側主面まで上下方向に延在しており、その下端において接続部16dに接続されている。
層間接続導体v1は、絶縁体層26b〜26fを上下方向に貫通している導体であり、上側から見たときに、左右方向に延在する線状をなしている。層間接続導体v1は、上側から見たときに、絶縁体層26b〜26fの後ろ半分の領域に設けられており、1次コイル導体層30a,36の内周側の端部に接続されている。
引き出し導体層60は、絶縁体層26cの上側主面上に設けられており、上側から見たときに渦巻状をなしていない。また、引き出し導体層60は、1次コイル導体層30a,36の内周側の端部と外部電極14dとの接続を中継しており、具体的には、層間接続導体v1に接続されていると共に接続導体70dに接続されている。これにより、1次コイルL1の他端(1次コイル導体層30a,36の内周側の端部)と外部電極14dとが引き出し部53(層間接続導体v1、引き出し導体層60及び接続導体70d)及び接続部16dを介して電気的に接続されている。したがって、1次コイルL1の外部電極14aから外部電極14dに向かう周回方向は、上側から見たときに、時計回りである。
2次コイルL2は、本体12内に設けられており、2次コイル導体層32aを含んでいる。2次コイル導体層32aは、絶縁体層26eの上側主面上に設けられており、上側から見たときに、時計回りに周回しながら外周側から内周側に向かう渦巻状をなしている。本実施形態では、2次コイル導体層32aは、約4周分の長さを有している。2次コイル導体層32aの中心は、上側から見たときに、電子部品10の中心(対角線交点)と略一致している。
引き出し部51は、2次コイルL2の一端(2次コイル導体層32aの外周側の端部)と外部電極14bとを接続する。引き出し部51は、引き出し導体層42a及び接続導体70bを含んでいる。接続導体70bは、絶縁体層26b〜26fの左側に位置する長辺の中央に設けられた四角柱状の導体である。接続導体70bは、絶縁体層26bの上側主面から絶縁体層26fの下側主面まで上下方向に延在しており、その下端において接続部16bに接続されている。
引き出し導体層42aは、絶縁体層26eの上側主面上に設けられており、2次コイル導体層32aの外周側の端部に接続されていると共に接続導体70bに接続されている。引き出し導体層42aは、上側から見たときに、渦巻状をなしておらず、2次コイル導体層32aの外周側の端部から左側に向かって延在している。これにより、2次コイルL2の一端(2次コイル導体層32aの外周側の端部)と外部電極14bとが引き出し部51(引き出し導体層42a及び接続導体70b)及び接続部16bを介して電気的に接続されている。
引き出し部54は、2次コイルL2の他端(2次コイル導体層32aの内周側の端部)と外部電極14eとを接続する。引き出し部54は、層間接続導体v2、引き出し導体層62及び接続導体70eを含んでいる。接続導体70eは、絶縁体層26b〜26fの右側に位置する長辺の中央に設けられた四角柱状の導体である。接続導体70eは、絶縁体層26bの上側主面から絶縁体層26fの下側主面まで上下方向に延在しており、その下端において接続部16eに接続されている。
層間接続導体v2は、絶縁体層26b〜26eを上下方向に貫通している導体であり、上側から見たときに、左右方向に延在する線状をなしている。層間接続導体v2は、上側から見たときに、絶縁体層26b〜26eの中央に設けられており、2次コイル導体層32aの内周側の端部に接続されている。
引き出し導体層62は、絶縁体層26cの上側主面上に設けられており、上側から見たときに渦巻状をなしていない。また、引き出し導体層62は、2次コイル導体層32aの内周側の端部と外部電極14eとの接続を中継しており、具体的には、引き出し導体層62は、層間接続導体v2に接続されていると共に接続導体70eに接続されている。これにより、2次コイルL2の他端(2次コイル導体層32aの内周側の端部)と外部電極14eとが引き出し部54(層間接続導体v2、引き出し導体層62及び接続導体70e)及び接続部16eを介して電気的に接続されている。したがって、2次コイルL2の外部電極14bから外部電極14eに向かう周回方向は、上側から見たときに、時計回りである。
3次コイルL3は、本体12内に設けられており、3次コイル導体層34aを含んでいる。3次コイル導体層34aは、絶縁体層26dの上側主面上に設けられており、上側から見たときに、時計回りに周回しながら外周側から内周側に向かう渦巻状をなしている。本実施形態では、3次コイル導体層34aは、約4周分の長さを有している。3次コイル導体層34aの中心は、上側から見たときに、電子部品10の中心(対角線交点)と略一致している。
ここで、コイル導体層30a,32a,34a,36は、図2に示すように、積層方向から見たときに、互いに重なっている。特に、1次コイル導体層30a,36に囲まれた領域(1次コイルL1の内磁路)と2次コイル導体層32aに囲まれた領域(2次コイルL2の内磁路)と3次コイル導体層34aに囲まれた領域(3次コイルL3の内磁路)とが、積層方向から見たときに重なる。これにより、1次コイルL1と2次コイルL2と3次コイルL3とは、磁気的に結合している。なお、引き出し部50,53と引き出し部51,54と引き出し部52,55とが干渉しないように、積層方向から見た1次コイル導体層30a,36の両端の位置と2次コイル導体層32aの両端の位置と3次コイル導体層34aの両端の位置とは異なっている。具体的には、2次コイル導体層32aの外周側の端部は、1次コイル導体層30a,36の外周側の端部よりも時計回り方向の上流側に位置している。また、3次コイル導体層34aの外周側の端部は、2次コイル導体層32aの外周側の端部よりも時計回り方向の上流側に位置している。同様に、2次コイル導体層32aの内周側の端部は、1次コイル導体層30a,36の内周側の端部よりも時計回り方向の上流側に位置している。また、3次コイル導体層34aの内周側の端部は、2次コイル導体層32aの内周側の端部よりも時計回り方向の上流側に位置している。これにより、コイル導体層30a,36,32a,34aの長さは実質的に同一となっている。なお、1次コイルL1、2次コイルL2及び3次コイルL3が磁気的に結合するためには、積層方向から見てコイルL1〜L3の内磁路が重なっていればよく、コイル導体層30aとコイル導体層32aとコイル導体層32aは、互いに全長にわたって重なっている必要はない。
引き出し部52は、3次コイルL3の一端(3次コイル導体層34aの外周側の端部)と外部電極14cとを接続する。引き出し部52は、引き出し導体層44a及び接続導体70cを含んでいる。接続導体70cは、絶縁体層26b〜26fの左前に位置する角に設けられた三角柱状の導体である。接続導体70cは、絶縁体層26bの上側主面から絶縁体層26fの下側主面まで上下方向に延在しており、その下端において接続部16cに接続されている。
引き出し導体層44aは、絶縁体層26dの上側主面上に設けられており、3次コイル導体層34aの外周側の端部に接続されていると共に接続導体70cに接続されている。引き出し導体層44aは、上側から見たときに、渦巻状をなしておらず、3次コイル導体層34aの外周側の端部から前側に向かって延在している。これにより、3次コイルL3の一端(3次コイル導体層34aの外周側の端部)と外部電極14cとが引き出し部52(引き出し導体層44a及び接続導体70c)及び接続部16cを介して電気的に接続されている。
引き出し部55は、3次コイルL3の他端(3次コイル導体層34aの内周側の端部)と外部電極14fとを接続する。引き出し部55は、層間接続導体v3、引き出し導体層64及び接続導体70fを含んでいる。接続導体70fは、絶縁体層26b〜26fの右前に位置する角に設けられた三角柱状の導体である。接続導体70fは、絶縁体層26bの上側主面から絶縁体層26fの下側主面まで上下方向に延在しており、その下端において接続部16fに接続されている。
層間接続導体v3は、絶縁体層26b〜26dを上下方向に貫通している導体であり、上側から見たときに、左右方向に延在する線状をなしている。層間接続導体v3は、上側から見たときに、絶縁体層26b〜26dの前半分の領域に設けられており、3次コイル導体層34aの内周側の端部に接続されている。
引き出し導体層64は、絶縁体層26cの上側主面上に設けられており、上側から見たときに渦巻状をなしていない。また、引き出し導体層64は、3次コイル導体層34aの内周側の端部と外部電極14fとの接続を中継しており、具体的には、層間接続導体v3に接続されていると共に接続導体70fに接続されている。これにより、3次コイルL3の他端(3次コイル導体層34aの内周側の端部)と外部電極14fとが引き出し部55(層間接続導体v3、引き出し導体層64及び接続導体70f)及び接続部16fを介して電気的に接続されている。したがって、3次コイルL3の外部電極14cから外部電極14fに向かう周回方向は、上側から見たときに、時計回りである。
すなわち、電子部品10では、1次コイルL1の外部電極14a(第1の外部電極の一例)から外部電極14d(第4の外部電極の一例)に向かう周回方向、2次コイルL2の外部電極14b(第2の外部電極の一例)から外部電極14e(第5の外部電極の一例)に向かう周回方向及び3次コイルL3の外部電極14c(第3の外部電極の一例)から外部電極14f(第6の外部電極の一例)に向かう周回方向が、すべて同じである。なお、電子部品10の対称性から、外部電極14d,14e,14fのそれぞれから外部電極14a,14b,14cのそれぞれに向かう周回方向もすべて同じである。
ここで、1次コイル導体層36は、コイル導体層30a,32a,34aの内の最も上側に設けられている3次コイル導体層34a(所定の3次コイル導体層の一例)及び引き出し導体層60,62,64に対して上側に設けられている。
コイル導体層30a,32a,34a,36、引き出し導体層40a,42a,44a,46,60,62,64及び接続導体70a〜70fは、例えば、外部電極14a〜14fと同様の材料・工法により作製される。なお、コイル導体層30a,32a,34a,36と引き出し導体層40a,42a,44a,46,60,62,64とは一体化していてもよく、同時に形成される導体層であってもよいし、別々に形成された異なる導体層であってもよい。
以上のように、1次コイルL1では、1次コイル導体層30a,36が同じ形状をなすと共に互いに並列に接続されている。また、コイル導体層30a,32a,34a,36の各長さは、互いに実質的に同一である。そのため、1次コイルL1、2次コイルL2及び3次コイルL3は、互いに実質的に同一である電流経路の長さを有している。電流経路の長さが実質的に同一とは、前述のように、引き出し部50〜55が互いに干渉しないように配置されることによって、コイル導体層30a,32a,34a,36の長さに生じる差については実質的な差ではないとする意味である。
次に、図3Aに示すように、電子部品10は、上下方向(積層方向)に積層された複数の絶縁体層26a〜26fを含む本体12を備える電子部品である。詳細には、電子部品10では、複数の絶縁体層26a〜26fは、1次コイル導体層30aと2次コイル導体層32aとに挟まれた部分を含む絶縁体層26e(第1絶縁体層の一例)と、2次コイル導体層32aと3次コイル導体層34aとに挟まれた部分を含む絶縁体層26d(第2絶縁体層の一例)と、3次コイル導体層34aと1次コイル導体層36とに挟まれた部分を含む絶縁体層26b,26c(第3絶縁体層の一例)と、の3種類の絶縁体層を含む。
電子部品10では、上述した3種類の絶縁体層26b,26cと、絶縁体層26dと、絶縁体層26eとのうち、他の2種類の絶縁体層と誘電率が異なる絶縁体層が存在する。
また、電子部品10では、1次コイル導体層30aの断面積と1次コイル導体層36の断面積との合計が、2次コイル導体層32aの断面積や3次コイル導体層34aの断面積と実質的に同一である。より詳細には、図3Bに示すように、コイル導体層30a,32a,34a,36の線幅は、w1であり互いに実質的に同一である。ただし、コイル導体層32a,34aの厚みはd1であり、コイル導体層30a,36の厚みはd2である。d2は、d1の半分である。従って、コイル導体層30a,36の断面積は、互いに実質的に同一であり、コイル導体層32a,34aの断面積の半分である。すなわち、1次コイル導体層30a,36の断面積の合計が、2次コイル導体層32aの断面積や3次コイル導体層34aの断面積と実質的に同一となっている。このとき、1次コイル導体層30a,36の電気抵抗値は、コイル導体層32a,34aの電気抵抗値の2倍である。そこで、1次コイル導体層30aと1次コイル導体層36とは電気的に並列に接続されている。これにより、1次コイルL1、2次コイルL2及び3次コイルL3の各電流経路において、1次コイルL1の断面積と、2次コイルL2の断面積と、3次コイルL3の断面積とは、実質的に同一となる。よって、1次コイルL1の電気抵抗値と2次コイルL2の電気抵抗値と3次コイルL3の電気抵抗値とは互いに実質的に同一となる。
上記説明におけるコイル導体層の断面積とは、コイル導体層の延在方向に直交する断面における断面積を意味している。また、コイル導体層の厚みとは、コイル導体層の上下方向における厚みである。また、コイル導体層の線幅とは、コイル導体層の延在方向に直交する断面において、コイル導体層の上下方向に直交する方向における幅である。
また、上下方向に隣り合う2つの1次コイル導体層30aと2次コイル導体層32aとの間隔、上下方向に隣り合う2つの2次コイル導体層32aと3次コイル導体層34aとの間隔は、いずれもD1であり、互いに実質的に同一である。すなわち、コイル導体層30a,32a,34aを1つのコイル導体層群とすると、該コイル導体層群において上下方向に隣り合うもの同士の間隔は、実質的に均一である。ただし、3次コイル導体層34aと1次コイル導体層36との間隔はD2であり、D1よりも大きい。これは、引き出し導体層60,62,64が上下方向において1次コイル導体層36と3次コイル導体層34aとの間に設けられているためである。以上のように、電子部品10では、コイル導体層30a,32a,34a,コイル導体層36において上下方向に隣り合うもの同士の間隔が均一ではない。なお、コイル導体層の間隔とは、2つのコイル導体層の互いに対向する面の間の距離である。また、間隔が均一とは、全ての間隔がばらばらである場合に限られず、少なくとも1つの間隔が残余の間隔と異なっていていればよい。そして、残余の間隔は、全て同一であってもよい。
以上のように構成された電子部品10の動作について以下に説明する。以下では説明のため、外部電極14a〜14cを仮に入力端子として用い、外部電極14d〜14fを仮に出力端子として用いるが、この関係は逆であってもよい。ここで、1次コイルL1の外部電極14aから第4の外部電極14dに向かう周回方向、2次コイルL2の外部電極14bから外部電極14eに向かう周回方向及び3次コイルL3の外部電極14cから外部電極14fに向かう周回方向は、いずれも上側から見たときに時計回りであり、すべて同じである。したがって、入力端子(外部電極14a〜14c)から出力端子(外部電極14d〜14f)に向かって電流が流れた場合にコイルL1〜L3に発生する磁束は同一方向である(例えば、正の値を有する電流が流れた場合、コイルL1〜L3の内径では上側から下側に向かって磁束が発生する)。
外部電極14a,14b,14cにはそれぞれ、第1の信号S1、第2の信号S2及び第3の信号S3が入力される。仮に、次のような第1の信号S1、第2の信号S2及び第3の信号S3を考える。第1の信号S1、第2の信号S2及び第3の信号S3は、それぞれハイ(H)、ミドル(M)、ロー(L)の互いに異なる任意の3値の電圧値を取り、かつ同一のクロックの下でH、M、Lの3値間を遷移する。さらに、ある信号がHの値を取るタイミングでは、残り2つの信号のうち、一方はMの値、他方はLの値を取る。すなわち、第1の信号S1、第2の信号S2及び第3の信号S3は排他的にH、M、Lの3値を遷移する。このとき、第1の信号S1、第2の信号S2及び第3の信号S3の電圧値の総和はほぼ常に一定(H+M+L)であり、遷移による電圧の「総」変化量はほぼ0となる。よって、1次コイルL1、2次コイルL2及び3次コイルL3に発生する電流の「総」変化量もほぼ0となり、電子部品10に発生する磁束の変化量はほぼ「0」となる(1次コイルL1、2次コイルL2及び3次コイルL3単独では発生磁束は変化するが、これらの変化が打ち消しあう)。このように、磁束の変化が略ない場合は、実質的に電子部品10にインピーダンスは発生しないため、電子部品10は、第1の信号S1、第2の信号S2及び第3の信号S3に対して影響を与えない。
一方、上述のコイルL1〜L3の周回方向の関係より、コモンモードノイズ、すなわち第1の信号S1、第2の信号S2及び第3の信号S3に含まれる同相のノイズに対しては、1次コイルL1、2次コイルL2及び3次コイルL3のそれぞれが発生する磁束変化は同方向であり、これらの磁束変化が互いに打ち消し合わずに強め合う。そのため、電子部品10はコモンモードノイズに対して大きなインピーダンスを有し、コモンモードノイズを低減することができる。以上のように、電子部品10は第1の信号S1、第2の信号S2及び第3の信号S3には影響を与えないとともに、コモンモードノイズを低減することができ、第1の信号S1、第2の信号S2及び第3の信号S3に対して、1次コイルL1、2次コイルL2及び3次コイルL3はコモンモードフィルタを構成する。
(電子部品の製造方法)
以下に、電子部品10の製造方法の一例について図面を参照しながら説明する。以下では、一つの電子部品10が製造される場合を例に挙げて説明するが、実際には、大判のマザー磁性体基板及びマザー絶縁体層が積み重ねられてマザー本体が作製され、マザー本体がカットされることにより、複数の電子部品10が同時に形成される。
まず、磁性体基板20bの上側主面上の全面に感光性樹脂であるポリイミド樹脂を塗布する。次に、絶縁体層26fの4つの角及び2つの長辺の中央に対応する位置を遮光し、露光を行う。これにより、遮光されていない部分のポリイミド樹脂が硬化する。この後、フォトレジストを有機溶剤により除去すると共に、現像を行って、未硬化のポリイミド樹脂を除去し、熱硬化する。これにより、絶縁体層26fが形成される。
次に、絶縁体層26f及び絶縁体層26fから露出している磁性体基板20b上にスパッタ法によりAg膜を成膜する。次に、1次コイル導体層30a、引き出し導体層40a、接続導体70a〜70f及び層間接続導体v1が形成される部分の上にフォトレジストを形成する。そして、エッチング工法により、1次コイル導体層30a、引き出し導体層40a、接続導体70a〜70f及び層間接続導体v1が形成される部分(すなわち、フォトレジストで覆われている部分)以外のAg膜を除去する。この後、フォトレジストを有機溶剤により除去することによって、1次コイル導体層30a、引き出し導体層40a、接続導体70a〜70fの一部(1層分)及び層間接続導体v1が形成される。
以上の工程と同じ工程を繰り返すことにより、絶縁体層26a〜26e及びコイル導体層32a,34a,36、引き出し導体層42a,44a,46,60,62,64、接続導体70a〜70fの残余の部分及び層間接続導体v2,v3を形成する。
次に、積層体22上に磁性体層24となる磁性体ペーストを塗布し、磁性体層24上に磁性体基板20aを圧着する。
次に、サンドブラスト工法によって、6つの切り欠きを磁性体基板20bに形成する。なお、切り欠きは、サンドブラスト工法以外に、レーザ加工法によって形成されてもよいし、サンドブラスト工法及びレーザ加工法の組み合わせによって形成されてもよい。
最後に、電界めっき法及びフォトリソグラフィ工法の組み合わせにより、磁性体基板20bの切り欠きの内周面に導体層を形成して、接続部16a〜16f及び外部電極14a〜14fを形成する。
(効果)
本実施形態に係る電子部品10によれば、コイルL1〜L3間の差動インピーダンスの差異を調整することができる。差動インピーダンスは、測定電流(又は差動信号)が流れた際に、コイルを含めた電子部品10全体のインダクタンス値をL、容量値をCとした場合に、√L/Cで表される。Cは、コイル導体層間の容量(寄生容量)を含んでいる。そこで、電子部品10では、上述したように、3種類の絶縁体層26b,26cと、絶縁体層26dと、絶縁体層26eとのうち、他の2種類の絶縁体層と誘電率が異なる絶縁体層が存在する。例えば、絶縁体層26eの誘電率が他の2種類の絶縁体層26b,26c,26dの誘電率よりも大きい場合を考える。この時、絶縁体層26eを挟む1次コイル導体層30aと2次コイル導体層32aとの間に発生する容量は、絶縁体層26eが絶縁体層26b,26c,26dと同じ誘電率を有する場合よりも大きくなるので、1次コイルL1と2次コイルL2との間の差動インピーダンス(以下、I12と呼ぶ。)を下げることができる。同様に、絶縁体層26eの誘電率が他の2種類の絶縁体層26b,26c,26dの誘電率よりも小さい場合、I12を上げることができる。すなわち、絶縁体層26eの誘電率が他の2種類の絶縁体層26b,26c,26dの誘電率と異なる場合は、I12を調整することができる。同じ理由により、絶縁体層26dの誘電率が他の2種類の絶縁体層26b,26c,26eの誘電率と異なる場合は、2次コイルL2と3次コイルL3との間の差動インピーダンス(以下、I23と呼ぶ。)を調整することができる。また、絶縁体層26b,26cの少なくとも一方の誘電率が他の2種類の絶縁体層26d,26eの誘電率と異なる場合は、1次コイルL1と3次コイルL3との間の差動インピーダンス(以下、I31と呼ぶ。)を調整することができる。
また、電子部品10によれば、以下に説明するように、絶縁体層26b,26cの少なくとも一方又は両方の誘電率が、絶縁体層26d,26eの誘電率と異なることで、例えば、電子部品10が図16,17に示す回路基板600に実装された場合にコイルL1〜L3間の差動インピーダンスと、信号線604,606,608間の差動インピーダンスとの整合を取ることできる。
電子部品10では、1次コイルL1の一端、他端にそれぞれ電気的に接続された外部電極14a,14dと、2次コイルL2の一端、他端にそれぞれ電気的に接続された外部電極14b,14eと、3次コイルL3の一端、他端にそれぞれ電気的に接続された外部電極14c,14fと、を備える。また、電子部品10では、外部電極14a,14b,14c及び外部電極14d,14e,14fは、本体12の下面(磁性体基板20bの下側主面)において、後側から前側に向かった方向に沿ってこの順に並んでいる。
このとき、外部電極14a〜14fの並びと回路基板600における信号線604,606,608の並びとの関係から、1次コイルL1が信号線604に接続され、2次コイルL2が信号線606に接続され、3次コイルL3が信号線608に接続される。
電子部品10では、1次コイル導体層36は、コイル導体層30a,32a,34aの内の最も上側に設けられている3次コイル導体層34aに対して上側に設けられている。これにより、3次コイル導体層34aと1次コイル導体層36との間にも容量を発生させている。そのため、1次コイル導体層36が無い場合と比べて、1次コイルL1と3次コイルL3との間の容量は、1次コイルL1と2次コイルL2との間の容量及び2次コイルL2と3次コイルL3との間の容量に近づけることができる。すなわち、I12,I23,I31が近づく。
ただし、信号線604と信号線608との間の差動インピーダンス(以下、I84と呼ぶ。)は、信号線604と信号線606との間の差動インピーダンス(以下、I46と呼ぶ。)及び信号線606と信号線608との間の差動インピーダンス(以下、I68と呼ぶ。)よりも大きい。そのため、I12,I23,I31を等しくしてしまうと、I12とI46とを整合させ、I23とI68とを整合させた場合に、I31がI84よりも小さくなってしまう。この場合、高周波信号が電子部品10と回路基板600との間で反射し、高周波信号の波形が崩れるおそれがある。
そこで、電子部品10では、3次コイル導体層34aと1次コイル導体層36との間隔(D2)は、1次コイル導体層30aと2次コイル導体層32aとの間隔、及び、2次コイル導体層32aと3次コイル導体層34aとの間隔(D1)よりも大きい。これにより、3次コイルL3と1次コイルL1との間に発生する容量が、1次コイルL1と2次コイルL2との間に発生する容量及び2次コイルL2及び3次コイルL3との間に発生する容量よりも小さくなる。よって、I31が、I12,I23よりも高くなる。その結果、I31と、I84との整合を取ることができる。
ただし、このような整合を行う際は、微妙な差動インピーダンスの調整ができることが好ましい。この点、電子部品10では、絶縁体層26b,26cの少なくとも一方又は両方の誘電率が、絶縁体層26d,26eの誘電率と異なるため、I31を調整することができる。これにより、電子部品10では、I12,I23,I31と、I46,I68,I84との整合をより容易に取ることできる。なお、電子部品10及び回路基板600の対称性から、1次コイルL1が信号線608に接続され、2次コイルL2が信号線606に接続され、3次コイルL3が信号線604に接続される場合も同様である。
本願発明者は、電子部品10において、差動インピーダンスを調整できることを明らかにするために、以下に説明するコンピュータシミュレーションを行った。より詳細には、比較例に係る第1のモデルとして、電子部品10と同じ構造において、上述した絶縁体層26a〜26fの誘電率を3と同一に設定した。また、実施例に係る第2のモデルとして、絶縁体層26bの誘電率を10に、他の絶縁体層26a,26c,26d,26e,26fの誘電率を3に設定し、絶縁体層26bの誘電率が、絶縁体層26d,26eの誘電率と異なる構成とした。そして、第1のモデル及び第2のモデルにおいて、I12,I23,I31を演算した。演算にあたって、例えば、I12を演算する際には、1次コイルL1と2次コイルL2とに差動信号を入力し、3次コイルL3を接地電位に対して50Ωで終端した。
図4は、第1のモデルのシミュレーション結果を示したグラフである。図5は、第2のモデルのシミュレーション結果を示したグラフである。図4及び図5において、縦軸は差動インピーダンスを示し、横軸は周波数を示す。
図4及び図5に示すように、絶縁体層26e(第1誘電体層)、絶縁体層26d(第2絶縁体層)、26b,26c(第3絶縁体層)のうち、絶縁体層26bの誘電率が、他の絶縁体層26d,26eの誘電率と異なる第2のモデルでは、第1のモデルに対して、I31をI12,I23に近づけることができる。つまり、電子部品10の構成では、I31,I23,I12の差異を調整することが可能となる。
(第1の変形例)
本実施形態では、上述した絶縁体層26a〜26fのうちの1つの絶縁体層の誘電率のみが大きくなるように設定したが、本開示の一実施形態である電子部品はこれに限定されない。例えば、上述した絶縁体層26a〜26fのうちの複数の絶縁体層の誘電率を変化させることにより、I31,I23,I12を調整してもよい。以下、第1の変形例について説明する。
本変形例では、絶縁体層26a〜26c,26fの誘電率が他の絶縁体層26d,26eよりも大きくなるように形成される。すなわち、絶縁体層26dの誘電率及び絶縁体層26eの誘電率は他の絶縁体層26a〜26c,26fの誘電率よりも小さい。
本願発明者は、第1の変形例において、差動インピーダンスを調整できることを明らかにするために、以下に説明するコンピュータシミュレーションを行った。より詳細には、第1の変形例に係る第3のモデルとして、電子部品10と同じ構造において、上述した絶縁体層26a〜26c,26fの誘電率を10に、絶縁体層26eの誘電率を2に、絶縁体層26dの誘電率を2.5に設定し、複数の絶縁体層の誘電率が異なる構成とした。そして、第3のモデルにおいて、I12,I23,I31を演算した。演算にあたって、例えば、I12を演算する際には、1次コイルL1と2次コイルL2とに差動信号を入力し、3次コイルL3を接地電位に対して50Ωで終端した。
図6は、第3のモデルのシミュレーション結果を示したグラフである。図6において、縦軸は差動インピーダンスを示し、横軸は周波数を示す。図4及び図6に示すように、絶縁体層26e(第1誘電体層)、絶縁体層26d(第2絶縁体層)、26b,26c(第3絶縁体層)のうち、絶縁体層26d,26eの誘電率が、他の絶縁体層26b,26cの誘電率と異なる第3のモデルでは、第1のモデルに対して、I31をI12,I23に近づけることができる。つまり、第1の変形例の構成でも、差動インピーダンスI31,I23,I12を調整することが可能となる。さらに、図5及び図6に示すように、第3絶縁体層を構成するすべての絶縁体層(絶縁体層26b,26c)の誘電率が、他の絶縁体層26d,26eの誘電率よりも大きい第3のモデルでは、第2のモデルに対して、差動インピーダンスI31の下げ幅をより大きくすることができるので、差動インピーダンスI31,I23,I12をより近づけることができる。このように、3種類の絶縁体層のうち、ある絶縁体層が複数の絶縁体層から構成される場合は、複数の絶縁体層のうち、他の2種類の絶縁体層の誘電率と異なる誘電率を有する絶縁体層の数を調整することによっても差動インピーダンスの差異を調整することができる。
また、図5及び図6に示すように、絶縁体層26e(第1誘電体層)の誘電率が、絶縁体層26d(第2絶縁体層)の誘電率と異なる第3のモデルでは、絶縁体層26d,26eの誘電率が同一である第2のモデルに対して、I12とI23とを近づけることができる。このように、電子部品10では、絶縁体層26b〜26eのうちの複数の絶縁体層の誘電率を変化させることにより、差動インピーダンスをより大きく調整することが可能となる。
(第2の変形例)
以下に、第2の変形例に係る電子部品10aの構成について図面を参照しながら説明する。なお、電子部品10aにおいて、電子部品10と基本的に同様の構成を有する部分については、電子部品10と同じ符号を付け、一部説明を省略する。図7Aは、電子部品10のコイル導体層30a,32a,34a,36の位置関係を示した模式図である。図7Bは、電子部品10aのコイル導体層30a,32a,34a,30b,32b,34b,36aの位置関係を示した模式図である。
電子部品10では、1次コイルL1が1個の直列1次コイル導体層30a及び1個の並列1次コイル導体層36を含み、2次コイルL2が1個の2次コイル導体層32aを含み、3次コイルL3が1個の3次コイル導体層34aを含んでいる。一方、電子部品10aでは、1次コイルL1aが2個の直列1次コイル導体層30a,30b及び1個の並列1次コイル導体層36aを含み、2次コイルL2aが2個の2次コイル導体層32a,32bを含み、3次コイルL3aが2個の3次コイル導体層34a,34bを含んでいる。従って、以下に説明するように、電子部品10aでは、コイル導体層30b,32b,34b,36aについて、電子部品10と相違点が存在する。
電子部品10では、図7Aに示すように、直列1次コイル導体層30a、2次コイル導体層32a及び3次コイル導体層34aが1つずつ下側から上側へとこの順に並んだコイル導体層群Gaが1個配置されている。そして、1次コイル導体層36は、所定の直列1次コイル導体層30aと同じ形状をなしていると共に、所定の直列1次コイル導体層30aに対して電気的に並列に接続されており、かつ、最も上側に設けられている3次コイル導体層34aに対して上側に設けられている。
一方、電子部品10aでは、図7Bに示すように、直列1次コイル導体層30a、2次コイル導体層32a及び3次コイル導体層34aが1つずつ下側から上側へとこの順に並んだコイル導体層群Gaが構成されている。また、直列1次コイル導体層30b、2次コイル導体層32b及び3次コイル導体層34bが1つずつ下側から上側へとこの順に並んだコイル導体層群Gbが構成されている。さらに、下側から上側へと2個のコイル導体層群Ga,Gbが並んで配置されている。そして、並列1次コイル導体層36aは、所定の直列1次コイル導体層30bと同じ形状をなしていると共に、所定の直列1次コイル導体層30bに対して電気的に並列に接続されており、かつ、最も上側に設けられている3次コイル導体層34b(所定の3次コイル導体層)に対して上側に設けられている。
以下に、電子部品10aの構成について図面を参照しながらより詳細に説明する。図8Aは、電子部品10aの積層体22aの分解斜視図である。ただし、図8Aにおいて、電子部品10の絶縁体層26aに相当する絶縁体層26aaについては省略した。図8Bは、電子部品10aの模式断面図である。図8Bの断面は、図3の断面に相当する。なお、電子部品10aの外観は、電子部品10と同様である。
積層体22aは、絶縁体層26aa〜26haを含んでおり、上側から見たときに長方形状をなしている。電子部品10aの絶縁体層26aa,26ca〜26haの形状や材料は、電子部品10の絶縁体層26a〜26fの形状や材料と同じである。絶縁体層26baは、上側から見た形状や材料については、絶縁体層26aa,26ca〜26haと同じであるが、厚みについては、絶縁体層26aa,26ca〜26haの厚みよりも大きい。
1次コイルL1aは、積層体22a内に設けられており、1次コイル導体層30a,30b,36a及び層間接続導体v11を含んでいる。電子部品10aの1次コイル導体層30aは、絶縁体層26haの上側主面上に設けられている点以外は、電子部品10の1次コイル導体層30aと同じである。また、電子部品10aの引き出し部50aは、接続導体70aが絶縁体層26ba〜26haに渡って設けられている点、引き出し導体層40aが絶縁体層26haの上側主面上に設けられている点及び引き出し導体層46を含まない点以外は、電子部品10の引き出し部50と同じである。
1次コイル導体層30b,36aは、それぞれ絶縁体層26ea,26baの上側主面上に設けられており、上側から見たときに、時計回り(所定方向の一例)に周回しながら内周側から外周側に向かう渦巻状をなしている。本実施形態では、1次コイル導体層30b,36aは、約4周分の長さを有している。1次コイル導体層30b,36aの中心は、上側から見たときに、電子部品10aの中心(対角線交点)と略一致している。なお、1次コイル導体層30b,36aは、同じ形状をなしていると共に、電気的に並列に接続されている。したがって、本変形例では、1次コイル導体層30aがその他の直列1次コイル導体層に、1次コイル導体層36aが並列1次コイル導体層に、1次コイル導体層30bが所定の直列1次コイル導体層に相当する。ただし、1次コイル導体層36aが所定の直列1次コイル導体層、1次コイル導体層30bが並列1次コイル導体層であってもよい。
層間接続導体v11は、絶縁体層26ba〜26haを上下方向に貫通している導体であり、上側から見たときに、左右方向に延在する線状をなしている。層間接続導体v11は、上側から見たときに、絶縁体層26ba〜26haの後ろ半分の領域に設けられており、1次コイル導体層30aの内周側の端部と1次コイル導体層30b,36aの内周側の端部とを接続している。
引き出し部53aは、1次コイルL1aの他端(1次コイル導体層30b,36aの外周側の端部)と外部電極14dとを接続する。引き出し部53aは、引き出し導体層40b,46a及び接続導体70dを含んでいる。接続導体70dは、絶縁体層26ba〜26haの右後ろに位置する角に設けられた三角柱状の導体である。接続導体70dは、絶縁体層26baの上側主面から絶縁体層26haの下側主面まで上下方向に延在しており、その下端において接続部16dに接続されている。
引き出し導体層40b,46aはそれぞれ、絶縁体層26ea,26baの上側主面上に設けられており、1次コイル導体層30b,36aの外周側の端部に接続されていると共に接続導体70dに接続されている。引き出し導体層40b,46aは、上側から見たときに、渦巻状をなしておらず、それぞれ1次コイル導体層30b,36aの外周側の端部から右側に向かって延在している。これにより、1次コイルL1aの他端(1次コイル導体層30b,36aの外周側の端部)と外部電極14dとが引き出し部53a(引き出し導体層40b,46a及び接続導体70d)及び接続部16dを介して電気的に接続されている。
2次コイルL2aは、積層体22a内に設けられており、2次コイル導体層32a,32b及び層間接続導体v12を含んでいる。電子部品10aの2次コイル導体層32aは、絶縁体層26gaの上側主面上に設けられている点以外は、電子部品10のコイル導体層32aと同じである。また、電子部品10aの引き出し部51aは、接続導体70bが絶縁体層26ba〜26haに渡って設けられている点、引き出し導体層42aが絶縁体層26gaの上側主面上に設けられている点以外は、電子部品10の引き出し部51と同じである。
2次コイル導体層32bは、絶縁体層26daの上側主面上に設けられており、上側から見たときに、時計回りに周回しながら内周側から外周側に向かう渦巻状をなしている。本実施形態では、2次コイル導体層32bは、約4周分の長さを有している。2次コイル導体層32bの中心は、上側から見たときに、電子部品10の中心(対角線交点)と略一致している。
層間接続導体v12は、絶縁体層26da〜26gaを上下方向に貫通している導体であり、上側から見たときに、左右方向に延在する線状をなしている。層間接続導体v12は、上側から見たときに、絶縁体層26da〜26gaの中央に設けられており、2次コイル導体層32aの内周側の端部と2次コイル導体層32bの内周側の端部とを接続している。
引き出し部54aは、2次コイルL2aの他端(2次コイル導体層32bの外周側の端部)と外部電極14eとを接続する。引き出し部54aは、引き出し導体層42b及び接続導体70eを含んでいる。接続導体70eは、絶縁体層26ba〜26haの右側に位置する長辺の中央に設けられた四角柱状の導体である。接続導体70eは、絶縁体層26baの上側主面から絶縁体層26haの下側主面まで上下方向に延在しており、その下端において接続部16eに接続されている。
引き出し導体層42bは、絶縁体層26daの上側主面上に設けられており、2次コイル導体層32bの外周側の端部に接続されていると共に接続導体70eに接続されている。引き出し導体層42bは、上側から見たときに、渦巻状をなしておらず、2次コイル導体層32bの外周側の端部から右側に向かって延在している。これにより、2次コイルL2aの他端(2次コイル導体層32bの外周側の端部)と外部電極14eとが引き出し部54a(引き出し導体層42b及び接続導体70e)及び接続部16eを介して電気的に接続されている。
3次コイルL3aは、積層体22a内に設けられており、3次コイル導体層34a,34b及び層間接続導体v13を含んでいる。電子部品10aの3次コイル導体層34aは、絶縁体層26faの上側主面上に設けられている点以外は、電子部品10のコイル導体層34aと同じである。また、電子部品10aの引き出し部52aは、接続導体70cが絶縁体層26ba〜26haに渡って設けられている点、引き出し導体層44aが絶縁体層26faの上側主面上に設けられている点以外は、電子部品10の引き出し部52と同じである。
3次コイル導体層34bは、絶縁体層26caの上側主面上に設けられており、上側から見たときに、時計回りに周回しながら内周側から外周側に向かう渦巻状をなしている。本実施形態では、3次コイル導体層34bは、約4周分の長さを有している。3次コイル導体層34bの中心は、上側から見たときに、電子部品10の中心(対角線交点)と略一致している。
ここで電子部品10aでは、コイル導体層30a,32a,34a、30b,32b,34b,36aは、図8Aに示すように、積層方向から見たときに、互いに重なっている。特に、1次コイルL1aの内磁路と、2次コイルL2aの内磁路と、3次コイルL3aの内磁路とが、積層方向から見たときに重なる。これにより、1次コイルL1aと2次コイルL2aと3次コイルL3aとは、磁気的に結合している。なお、引き出し部50a,53aと引き出し部51a,54aと引き出し部52a,55aとが干渉しないように、積層方向から見たコイル導体層30a,32a,34aの両端の位置は異なっており、コイル導体層30b,36a,32b,34bの両端の位置は異なっている。例えば、2次コイル導体層32bの外周側の端部は、1次コイル導体層30b,36aの外周側の端部よりも時計回り方向の下流側に位置している。また、3次コイル導体層34bの外周側の端部は、2次コイル導体層32bの外周側の端部よりも時計回り方向の下流側に位置している。同様に、2次コイル導体層32bの内周側の端部は、1次コイル導体層30b,36aの内周側の端部よりも時計回り方向の下流側に位置している。また、3次コイル導体層34bの内周側の端部は、2次コイル導体層32bの内周側の端部よりも時計回り方向の下流側に位置している。これにより、コイル導体層30b,36a,32b,34bの長さは実質的に同一となっている。
層間接続導体v13は、絶縁体層26ca〜26faを上下方向に貫通している導体であり、上側から見たときに、左右方向に延在する線状をなしている。層間接続導体v13は、上側から見たときに、絶縁体層26ca〜26faの前半分の領域に設けられており、3次コイル導体層34aの内周側の端部と3次コイル導体層34bの内周側の端部とを接続している。
引き出し部55aは、3次コイルL3aの他端(3次コイル導体層34bの外周側の端部)と外部電極14fとを接続する。引き出し部55aは、引き出し導体層44b及び接続導体70fを含んでいる。接続導体70fは、絶縁体層26ba〜26haの右前に位置する角に設けられた三角柱状の導体である。接続導体70fは、絶縁体層26baの上側主面から絶縁体層26haの下側主面まで上下方向に延在しており、その下端において接続部16fに接続されている。
引き出し導体層44bは、絶縁体層26caの上側主面上に設けられており、3次コイル導体層34bの外周側の端部に接続されていると共に接続導体70fに接続されている。引き出し導体層44bは、上側から見たときに、渦巻状をなしておらず、3次コイル導体層34bの外周側の端部から前側に向かって延在している。これにより、3次コイルL3aの他端(3次コイル導体層34bの外周側の端部)と外部電極14fとが引き出し部55a(引き出し導体層44b及び接続導体70f)及び接続部16fを介して電気的に接続されている。
ここで、1次コイル導体層36aは、コイル導体層30a,32a,34a,30b,32b,34bの内の最も上側に設けられている3次コイル導体層34bに対して上側に設けられている。
また、図8Aに示すように、電子部品10aは、上下方向(積層方向)に積層された複数の絶縁体層26aa〜26haを含む本体(磁性体基板20a,20b、積層体22a、磁性体層24)を備える電子部品である。詳細には、電子部品10aでは、複数の絶縁体層26aa〜26faは、1次コイル導体層30a,30bと2次コイル導体層32a,32bとに挟まれた部分を含む絶縁体層26da,26ga(第1絶縁体層の一例)と、2次コイル導体層32a,32bと3次コイル導体層34a,34bとに挟まれた部分を含む絶縁体層26ca,26fa(第2絶縁体層の一例)と、3次コイル導体層34a,34bと1次コイル導体層30b,36aとに挟まれた部分を含む絶縁体層26ba,26ea(第3絶縁体層の一例)と、の3種類の絶縁体層を含む。
さらに、電子部品10aでは、上述した3種類の絶縁体層26ba,26eaと、絶縁体層26ca,26faと、絶縁体層26da,26gaとのうち、他の2種類の絶縁体層と誘電率が異なる絶縁体層が存在する。これにより、電子部品10aでは、電子部品10と同様に、コイルL1a〜L3a間の差動インピーダンスを調整することができる。
また、図8Bに示すように、コイル導体層30a,32a,34a,30b,32b,34b,36aの線幅は、w1であり互いに同一である。ただし、コイル導体層30a,32a,34a,32b,34bの厚みはd1であり、1次コイル導体層30b,36aの厚みはd2である。d2は、d1の半分である。したがって、1次コイル導体層30bと1次コイル導体層36aの断面積との合計は、1次コイル導体層30aの断面積や2次コイル導体層32a,32bの断面積や3次コイル導体層34a,34bの断面積と実質的に同一である。
また、絶縁体層26aa,26ca〜26haの厚みは均一である。そのため、コイル導体層30a,32a,34a,30b,32b,34bにおいて上下方向に隣り合うもの同士の間隔D1は、実質的に均一である。ただし、絶縁体層26baの厚みは、絶縁体層26aa,26ca〜26haの厚みよりも大きい。そのため、1次コイル導体層36aと3次コイル導体層34bとの間隔D3は、間隔D1よりも大きい。
以上のように電子部品10と同様の構成を備える電子部品10aにおいても、電子部品10と同様の作用効果を奏することができる。
また、電子部品10aでは、各コイルL1a〜L3aが複数のコイル導体層30a〜36aを有するため、高いインダクタンス値を得ることができる。
さらに、電子部品10aでは、渦巻状をなすコイル導体層30a,32a,34a,30b,32b,34b,36aを備えるが、各コイルL1a〜L3aにおいて、電気的に直列接続されるコイル導体層は2個(偶数個)であるため、電子部品10の引き出し導体層60,62,64のようなコイル導体層の渦巻状の内周端と外部電極とを接続する引き出し導体層が不要である。
なお、電子部品10aは、2つのコイル導体層群Ga,Gbを有しているが、本開示の一実施形態に係る電子部品では、3つ以上のコイル導体群を有していてもよい。以下に、電子部品がn個(nは自然数)のコイル導体層群Ga,Gb…を有している場合について説明する。
電子部品がn個のコイル導体層群を有している場合には、1次コイルは、n個の直列1次コイル導体層及び1個の並列1次コイル導体層を含み、2次コイルは、n個の2次コイル導体層を含み、3次コイルは、n個のコイル導体層を含んでいる。そして、直列1次コイル導体層、2次コイル導体層、3次コイル導体層が1つずつ下側から上側へとこの順に並んだコイル導体層群Gaが、下側から上側へとn個並んで配置される。
また、この場合、並列1次コイル導体層は、n個の直列1次コイル導体層の内の所定の直列1次コイル導体層と同じ形状をなしていると共に、該所定の直列一次コイル導体層に対して電気的に並列に接続されている。さらに、並列1次コイル導体層は、最も上側に設けられている所定の3次コイル導体層に対して上側に設けられる。
この際、コイル導体層が渦巻状をなしている場合、nが偶数であると、電子部品10aと同様に、各コイルにおいて、コイル導体層の渦巻状の内周端と外部電極とを接続する引き出し導体層が不要とできる。
(第3の変形例)
以下に、第3の変形例に係る電子部品10bの構成について図面を参照しながら説明する。図9は、電子部品10bのコイル導体層30a−1,30a−2,32a,34a,30b,32b−1,32b−2,34b−1,34b−2,36aの位置関係を示した模式図である。
電子部品10aでは、図7Bに示すように、1次コイル導体層30bと1次コイル導体層36aとが電気的に並列に接続されている。一方、電子部品10bでは、図9に示すように、1次コイル導体層30a−1と1次コイル導体層30a−2、2次コイル導体層32b−1と2次コイル導体層32b−2、3次コイル導体層34b−1と3次コイル導体層34b−2、1次コイル導体層30bと1次コイル導体層36aの4つがそれぞれ電気的に並列に接続されている。本開示の一実施形態である電子部品は、このように、複数個所においてコイル導体層が並列に接続されていてもよい。なお、電子部品10bでは、例えば、1次コイル導体層30a−1(又は1次コイル導体層30a−2)がその他の直列1次コイル導体層、1次コイル導体層30bが所定の直列1次コイル導体層、1次コイル導体層36aが並列1次コイル導体層、3次コイル導体層34b−2が所定の3次コイル導体層に相当する。
このとき、図示は省略するが、電子部品10bは、上下方向(積層方向)に積層された複数の絶縁体層を含む本体を備え、複数の絶縁体層は、1次コイル導体層30a−1,30a−2,30bと2次コイル導体層32a,32b−1,32b−2とに挟まれた部分を含む絶縁体層(第1絶縁体層の一例)と、2次コイル導体層32a,32b−1,32b−2と3次コイル導体層34a,34b−1,34b−2とに挟まれた部分を含む絶縁体層(第2絶縁体層の一例)と、3次コイル導体層34a,34b−1,34b−2と1次コイル導体層30a−2,30b,36aとに挟まれた部分を含む絶縁体層(第3絶縁体層の一例)と、の3種類の絶縁体層を含む。
また、電子部品10bでは、上述した3種類の絶縁体層のうち、他の2種類の絶縁体層と誘電率が異なる絶縁体層が存在する。これにより、電子部品10bでは、電子部品10と同様に、コイル間の差動インピーダンスを調整することができる。
(第4の変形例)
以下に、第4の変形例に係る電子部品10cの構成について図面を参照しながら説明する。図10は、電子部品10cの模式断面図である。図10の断面は、図3の断面に相当する。なお、電子部品10cの外観は、電子部品10と同様である。
電子部品10cは、1次コイル導体層30ac,36cの厚みにおいて、電子部品10と相違する。より詳細には、電子部品10では、図3Bに示すように、1次コイル導体層30a,36の厚みは同じd2であった。
一方、電子部品10cでは、図10に示すように、1次コイル導体層30acの厚みはd3であり、1次コイル導体層36cの厚みはd4であり、厚みが異なる。d4は、例えばd3の1/3程度であり、d3とd4との合計は、d1と実質的に同一である。コイル導体層30ac,36cの線幅はコイル導体層32a,34aと同じw1であるため、1次コイル導体層30acと1次コイル導体層36cの断面積との合計が、2次コイル導体層32aの断面積及び3次コイル導体層34aの断面積と実質的に同一となっている。
以上のような電子部品10cにおいても、電子部品10と同じ作用効果を奏することができる。
なお、電子部品10cにおいて、厚みd4が厚みd3よりも大きくてもよい。
(第5の変形例)
以下に、第5の変形例に係る電子部品10dの構成について図面を参照しながら説明する。図11は、電子部品10dの模式断面図である。電子部品10dの外観は、電子部品10と同様である。
電子部品10dは、電子部品10aと同様の構成を有するが、1次コイル導体層36aが設けられていない点において、電子部品10aと相違する。
電子部品10dでは、1次コイル導体層36aが設けられていないが、上下方向(積層方向)に積層された複数の絶縁体層を含む本体を備え、複数の絶縁体層は、1次コイル導体層30a,30bと2次コイル導体層32a,32bとに挟まれた部分を含む絶縁体層(第1絶縁体層の一例)と、2次コイル導体層32a,32bと3次コイル導体層34a,34bとに挟まれた部分を含む絶縁体層(第2絶縁体層の一例)と、3次コイル導体層34aと1次コイル導体層30bとに挟まれた部分を含む絶縁体層(第3絶縁体層の一例)と、の3種類の絶縁体層を含む。
また、電子部品10dでは、上述した3種類の絶縁体層のうち、他の2種類の絶縁体層と誘電率が異なる絶縁体層が存在する。これにより、電子部品10dでは、電子部品10と同様に、コイル間の差動インピーダンスを調整することができる。
以上のように、本開示の一実施形態である電子部品において、並列1次コイル導体層は必須ではないし、コイル導体層間の間隔により差動インピーダンスを調整することは必須ではない。ただし、電子部品10のように、1次コイル導体層が並列1次コイル導体層を含み、第3絶縁体層が、3次コイル導体層と並列1次コイル導体層とに挟まれた第4絶縁体層(電子部品10の絶縁体層26b,26cなど)を含む場合は、各コイル間の差動インピーダンスを近づけつつ、さらに調整することが可能となる。
(その他の実施形態)
本開示の一実施形態に係る電子部品は、電子部品10,10a〜10dに限らず、その要旨の範囲内において変更可能であり、例えば電子部品10,10a〜10dが含む各構成を任意に組み合わせてもよい。
なお、上記の実施形態に係る各電子部品では、コイル導体層の厚みは均一でなかったが、コイル導体層の厚みはこれに限らない。例えば、コイル導体層の厚みは、互いに実質的に同一(均一)であってもよい。
なお、電子部品10は、フォトリソグラフィ工法により作製されているが、例えば、コイル導体層が印刷されたグリーンシートなどの絶縁体層を積層した後に、焼成する積層工法により作成されてもよい。また、コイル導体層の形成方法は、上述したサブトラクティブ法、印刷法だけでなく、フルアディティブ法、セミアディティブ法であってもよい。
なお、上記の各実施形態では、第1絶縁体層、第2絶縁体層、第3絶縁体層の誘電率により、各コイル間の差動インピーダンスの差異を近づける調整について説明したが、各コイル間の差動インピーダンスの差異を大きくするように誘電率を調整してもよい。回路基板によってはこのような差動インピーダンスの差異が大きい電子部品が好ましい場合もある。
なお、上記の各実施形態では、積層方向から見たときに、並列接続された並列1次コイル導体層と、所定の直列1次コイル導体層とが同じ形状をなしている例を説明したが、本開示の一実施形態である電子部品では、該構成に限られず、並列1次コイル導体層と、所定の直列1次コイル導体層とが同じ形状をなしていない場合でもよい。また、本開示の一実施形態である電子部品では、1次コイル、2次コイル、3次コイルの形状(電流経路の長さ、断面積、周回数、内径、外径)や材料が同一である必要はない。
また、上記の各実施形態では、コイル導体層が渦巻(平面螺旋、スパイラル)状をなしていたが、本開示の一実施形態である電子部品では、弦巻(立体螺旋、ヘリカル)状であってもよい。
10,10a〜10d 電子部品
12 本体
14a〜14f 外部電極
16a〜16f 接続部
22 積層体
26a〜26h 絶縁体層
30a〜30f,30a−1,30a−2,32a,32b,32b−1,32b−2,34a,34b,34b−1,34b−2 コイル導体層
36 並列コイル導体層
40a,40b,42a,42b,44a,44b,46,46’,60,62,64 引き出し導体層
50〜57,53’〜56’ 引き出し部
70a〜70f 接続導体
Ga〜Gc コイル導体層群
L1 1次コイル
L2 2次コイル
L3 3次コイル
v1〜v3,v11〜v13 層間接続導体

Claims (12)

  1. 積層方向に積層された複数の絶縁体層を含む本体と、
    前記本体内に配置され、1以上の1次コイル導体層を含む1次コイルと、
    前記本体内に配置され、1以上の2次コイル導体層を含む2次コイルと、
    前記本体内に配置され、1以上の3次コイル導体層を含む3次コイルと、
    を備え、
    前記複数の絶縁体層は、前記1次コイル導体層と前記2次コイル導体層とに挟まれた部分を含む第1絶縁体層と、前記2次コイル導体層と前記3次コイル導体層とに挟まれた部分を含む第2絶縁体層と、前記3次コイル導体層と前記1次コイル導体層とに挟まれた部分を含む第3絶縁体層と、を含み、
    前記第1絶縁体層、前記第2絶縁体層及び前記第3絶縁体層のうち、他の絶縁体層と誘電率が異なる絶縁体層が存在する、電子部品。
  2. 前記1次コイルの一端に電気的に接続された第1の外部電極と、
    前記2次コイルの一端に電気的に接続された第2の外部電極と、
    前記3次コイルの一端に電気的に接続された第3の外部電極と、
    をさらに備え、
    前記第1の外部電極、前記第2の外部電極及び前記第3の外部電極は、前記本体の一面において、前記積層方向に直交する所定方向に沿ってこの順に並んでおり、
    前記第3絶縁体層の誘電率は、前記第1絶縁体層の誘電率及び前記第2絶縁体層の誘電率と異なる、請求項1に記載の電子部品。
  3. 前記1次コイルの他端に電気的に接続された第4の外部電極と、
    前記2次コイルの他端に電気的に接続された第5の外部電極と、
    前記3次コイルの他端に電気的に接続された第6の外部電極と、
    をさらに備え、
    前記第4の外部電極、前記第5の外部電極及び前記第6の外部電極は、前記本体の一面において、前記所定方向に沿ってこの順に並んでおり、
    前記1次コイルの前記第1の外部電極から前記第4の外部電極に向かう周回方向、前記2次コイルの前記第2の外部電極から前記第5の外部電極に向かう周回方向及び前記3次コイルの前記第3の外部電極から前記第6の外部電極に向かう周回方向が、すべて同じである、請求項2に記載の電子部品。
  4. 前記1以上の1次コイル導体層は、自然数n個の直列1次コイル導体層及び1個の並列1次コイル導体層を含み、
    前記1以上の2次コイル導体層は、n個の2次コイル導体層を含み、
    前記1以上の3次コイル導体層は、n個の3次コイル導体層を含み、
    前記並列1次コイル導体層は、前記n個の直列1次コイル導体層のうちの所定の直列1次コイル導体層に対して電気的に並列に接続され、
    前記第3絶縁体層は、前記3次コイル導体層と前記並列1次コイル導体層とに挟まれた部分を含む第4絶縁体層を含む、請求項1〜3の何れか1つに記載の電子部品。
  5. 前記直列1次コイル導体層、前記2次コイル導体層及び前記3次コイル導体層が1つずつ前記積層方向の一方側から他方側へとこの順に並んだコイル導体層群が、前記積層方向の一方側から他方側へとn個並んで配置され、
    前記並列1次コイル導体層は、前記積層方向の最も他方側に設けられている所定の前記3次コイル導体層に対して該積層方向の他方側に設けられた、請求項4に記載の電子部品。
  6. 前記並列1次コイル導体層と、前記所定の3次コイル導体層との前記積層方向における間隔は、前記n個のコイル導体層群において前記積層方向に隣り合うコイル導体層間の間隔よりも大きい、請求項5に記載の電子部品。
  7. 前記n個のコイル導体層群において前記積層方向に隣り合うコイル導体層間の間隔は均一である、請求項5または6に記載の電子部品。
  8. 前記積層方向から見たときに、前記並列1次コイル導体層と、前記所定の直列1次コイル導体層とは同じ形状をなしている、請求項4〜7のいずれか1つに記載の電子部品。
  9. 前記1次コイル、前記2次コイル及び前記3次コイルは、互いに同一である電流経路の長さを有し、
    前記所定の直列1次コイル導体層以外の(n−1)個の前記直列1次コイル導体層をその他の直列1次コイル導体層とすると、
    前記その他の直列1次コイル導体層の断面積はすべて同一であり、
    前記所定の直列1次コイル導体層の断面積と前記並列1次コイル導体層の断面積との合計は、前記その他の直列1次コイル導体層の断面積と同一である、請求項8に記載の電子部品。
  10. 前記所定の直列1次コイル導体層の断面積と前記並列1次コイル導体層の断面積とが同一である、請求項8または9に記載の電子部品。
  11. 前記n個の2次コイル導体層及び前記n個の3次コイル導体層の断面積はすべて同一であり、
    前記所定の直列1次コイル導体層の断面積と前記並列1次コイル導体層の断面積との合計は、前記2次コイル導体層の断面積と前記3次コイル導体層の断面積と同一である、請求項8〜10のいずれか一つに記載の電子部品。
  12. 前記1次コイルを構成する導体の体積と、前記2次コイルを構成する導体の体積と、前記3次コイルを構成する導体の体積とは、互いに同一である、請求項8〜11のうちのいずれか1つに記載の電子部品。
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