JP2018036741A - 感知器試験器および感知器試験システム - Google Patents
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火災感知器の保守点検では、一度に多数の火災感知器に対し作動試験を行う場合があり、このような場合には特に、試験漏れを生じてしまうことがあった。
しかし、特許文献1に記載されている手法では、ICタグを取り付けた「特別な火災感知器」が必要であった。
ヘッド部を火災感知器に接近させて当該火災感知器の作動試験を行う感知器試験器において、
前記火災感知器の周辺に設置されている信号発信装置からの信号を受信する信号受信手段と、
前記信号受信手段によって受信された信号に基づく情報であって、試験対象の火災感知器の位置を特定するための位置特定用情報を外部装置へ送信する位置特定用情報送信手段と、を備え、
前記信号受信手段は、前記ヘッド部に設けられていることを特徴とする。
ヘッド部を火災感知器に接近させて当該火災感知器の作動試験を行う感知器試験器と、
前記感知器試験器を用いて火災感知器の保守点検を行う作業者が携帯可能な端末装置と、
前記保守点検を管理するサーバ装置と、を備え、
前記感知器試験器は、
前記ヘッド部に設けられ、前記火災感知器の周辺に設置されている信号発信装置からの信号を受信する信号受信手段と、
前記信号受信手段によって受信された信号に基づく情報であって、試験対象の火災感知器の位置を特定するための位置特定用情報を前記端末装置へ送信する位置特定用情報送信手段と、を備え、
前記端末装置は、前記位置特定用情報送信手段からの位置特定用情報を前記サーバ装置へ転送する位置特定用情報転送手段を備え、
前記サーバ装置は、
前記位置特定用情報転送手段からの位置特定用情報に基づいて、前記試験対象の火災感知器の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記取得手段によって取得された位置情報に基づいて、作動試験が完了していない火災感知器を前記端末装置により通知させるための通知情報を生成する通知情報生成手段と、
前記通知情報生成手段によって生成された通知情報を前記端末装置へ送信する通知情報送信手段と、を備えることを特徴とする。
また、端末装置によって作動試験が完了していない火災感知器を通知できるため、火災感知器の試験漏れを確実に防止することができる。
すなわち、屋内測位システムが設備されている建物に、火災感知器が設置されている場合には、火災感知器にICタグが取付けられていなくても、保守点検中に試験漏れの火災感知器を見つけることが可能である。
具体的には、例えば、保守点検を行う作業者が保守点検時に携帯する作業者端末に、ビーコンからのビーコン信号を受信するビーコン信号受信機能を付与することで、サーバ装置は、作動試験の試験結果と、当該作動試験を実施した位置(すなわち、試験対象の火災感知器の位置)と、を紐付けることができる。したがって、作動試験が完了した火災感知器と作動試験が完了していない火災感知器とをリアルタイムで判別できるため、保守点検中に試験漏れの火災感知器を見つけることが可能となり、火災感知器の試験漏れを防止することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る感知器試験器の使用例を示す図である。
本発明の実施形態の感知器試験器10は、火災感知器Kが正常に作動するか確認するための作動試験に用いられる感知器用作動試験器のうち、熱感知器と煙感知器との双方に使用可能な加熱・加煙試験器であり、例えば図1に示すように、ヘッド部10aと、把持部10bと、ヘッド部10aと把持部10bとを連結する連結部10cと、を備えて構成される。
なお、感知器試験器10は、加熱・加煙試験器に限定されず、熱感知器に使用可能な試験器であってもよいし、煙感知器に使用可能な試験器であってもよいし、炎感知器に使用可能な試験器であってもよい。
把持部10bは、例えば図1に示すように、火災感知器Kの保守点検を行う作業者によって把持される棒状部材であり、天井T等に設置されている火災感知器Kへとヘッド部10aを近づけるために用いられる。
連結部10cは、把持部10bに対するヘッド部10aの角度を切替可能に、ヘッド部10aと把持部10bとを連結している。すなわち、本実施形態の感知器試験器10は、試験対象の火災感知器Kに対する作業者の位置に応じて、ヘッド角度を切替えることができるよう構成されている。
図2は、本発明の実施形態に係る感知器試験器および感知器試験システムの一例を示す図である。
本発明の実施形態の感知器試験システム1は、ビーコン20から発信されるビーコン信号を利用して位置情報を取得する屋内測位システムの機能と、感知器試験器10を用いて行う火災感知器Kの保守点検の進捗状況を管理する管理システムの機能と、を兼ね備えている。
具体的には、感知器試験システム1は、例えば図2に示すように、感知器試験器10と、ビーコン20と、作業者端末30と、サーバ装置40と、を備えて構成される。
感知器作動検出部16は、火災感知器Kに設けられた表示灯(具体的には、火災感知器Kの発報時に点灯する表示灯)の発光量を検知する受光部であってもよいし、火災感知器Kから無線送信される作動試験の試験結果情報を受信する受信部であってもよい。
感知器作動検出部16が受光部である場合、制御部11は、感知器作動検出部16によって検知された発光量が所定の閾値以上である場合に、火災感知器Kの表示灯が点灯していると判断し、所定の閾値未満である場合に、火災感知器Kの表示灯が点灯していないと判断する。
また、近距離通信部17が、信号受信手段によって受信された信号に基づく情報であって、試験対象の火災感知器Kの位置を特定するための位置特定用情報(ビーコン情報)を外部装置(作業者端末30)へ送信する位置特定用情報送信手段をなす。
このように、感知器試験器10のヘッド部10aにビーコン受信部14が装着されているため、試験対象の火災感知器Kの位置と作業者(作業者端末30)の位置とが離れてしまう場合でも、試験対象の火災感知器Kの正確な位置を把握することができる。
なお、信号発信装置は、音波信号等のビーコン信号を発信するビーコン20に限定されるものではなく、適宜変更可能であり、例えば、Wi−Fi信号等を発信する無線LANアクセスポイント等であってもよい。
記憶部44は、感知器試験システム1が設備されている建物に関する建物情報を、建物毎に予め記憶している。建物情報は、例えば、建物の位置を示す建物位置情報や、当該建物のフロア毎の建物フロア情報などを含む情報である。建物フロア情報には、例えば、フロアの設備図と、当該フロアに設置されているビーコン20の識別子と、が含まれる。したがって、ビーコン20の識別子に基づいて、当該ビーコン20が設置されているフロアの設備図や当該ビーコン20が設置されている建物の位置などを、記憶部44から取得することができる。
図3は、本実施形態の感知器試験システムにおいて実行される感知器試験処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、建物Aに設置されている複数の火災感知器Kのうちの火災感知器K1を試験対象とした場合を例に、感知器試験処理について説明する。建物Aには、フロアL1からフロアL20まであり、各フロアに火災感知器Kが設置されている。フロアL1には火災感知器K1が設置されているとする。
図3に示すように、感知器試験処理では、まず、感知器試験器10の制御部11が、煙/熱発生部15および感知器作動検出部16を制御し、火災感知器K1の作動試験を行って試験結果情報を取得する(ステップS1)。
本実施形態では、3点測量の手法で火災感知器Kの位置情報を取得するため、3つのビーコン20から発信されたビーコン信号それぞれに基づくビーコン情報を取得する。すなわち、3つのビーコン情報を取得する。なお、取得するビーコン情報の個数は3つに限定されるものではなく、火災感知器Kの位置情報の取得法等に応じて適宜変更可能である。
そして、近距離通信部35が試験結果情報およびビーコン情報を受信すると、作業者端末30の制御部31は、近距離通信部35が受信した試験結果情報およびビーコン情報を、ネットワーク通信部36から通信ネットワークNを介してサーバ装置40へ送信する(ステップS4)。
すなわち、近距離通信部35およびネットワーク通信部36が、位置特定用情報送信手段(感知器試験器10の近距離通信部17)からの位置特定用情報(ビーコン情報)をサーバ装置40へ転送する位置特定用情報転送手段をなす。
次いで、制御部41は、ネットワーク通信部45が受信したビーコン情報と、ステップS5で取得した設備図情報と、に基づいて、3点測量の手法で火災感知器K1の位置情報を取得する(ステップS6)。
すなわち、制御部41が、位置特定用情報転送手段(作業者端末30の近距離通信部35およびネットワーク通信部36)からの位置特定用情報(ビーコン情報)に基づいて、試験対象の火災感知器Kの位置情報を取得する位置情報取得手段をなす。
なお、火災感知器Kの位置情報の取得法は、3点測量の手法に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
ステップS7で保守点検中フラグがOFFであると判定した場合(ステップS7;No)、すなわち建物Aに設置されている火災感知器K群に対する今回の保守点検において、フロアL1に設置されている複数の火災感知器Kのうち最初に作動試験を行った火災感知器Kが火災感知器K1である場合には、制御部41は、フロアL1の設備図情報の保守点検中フラグをONにする(ステップS8)。
本実施形態では、通知情報生成手段は、通知情報として、複数の火災感知器Kのうちの何れが作動試験の完了していない火災感知器Kであるかを判別可能なリスト(試験済み感知器/未試験感知器のリスト)を、端末装置(作業者端末30)が有する表示手段(表示部33)に表示させるための情報(リスト表示情報)を生成するよう構成されている。
なお、本実施形態では、通知情報として、リスト表示情報および配置図表示情報の2つの情報を生成したが、これに限定されるものではなく適宜変更可能であり、通知情報は、例えば、リスト表示情報および配置図表示情報の何れか一方であってもよいし、リスト表示情報および配置図表示情報以外の情報であってもよい。
試験済み感知器/未試験感知器のリストでは、例えば図4(a)に示すように、フロアL1に設置されている火災感知器Kを識別するための感知器IDと、作動試験が完了しているか否かと、作動試験の試験結果と、作動試験を行った日時と、などが表示される。
試験済み感知器/未試験感知器の配置図では、例えば図5(a)に示すように、フロアL1の各設備(火災感知器やエレベータや階段や部屋など)の設置位置が表示されるとともに、作動試験が完了している火災感知器Kと作動試験が完了していない火災感知器Kとが異なる表示態様で表示される。なお、図5(a)に示す例では、作動試験が完了している火災感知器Kをハッチング表示しているが、表示態様はこれに限定されるものではなく、例えば、作動試験が完了している火災感知器Kを○で囲んで表示してもよい。
そして、ネットワーク通信部36がリスト表示情報および配置図表示情報を受信すると、作業者端末30の制御部31は、ネットワーク通信部36が受信したリスト表示情報に基づいて、試験済み感知器/未試験感知器のリストを表示部33に表示するとともに、ネットワーク通信部36が受信した配置図表示情報に基づいて、試験済み感知器/未試験感知器の配置図を表示部33に表示する(ステップS12)。これにより、作業者端末30の表示部33に、新規に作成された試験済み感知器/未試験感知器のリスト(図4(a)参照)や、新規に作成された試験済み感知器/未試験感知器の配置図(図5(a)参照)が表示されるため、作業者は、建物Aにおける火災感知器Kの保守点検の進捗状況を把握することができる。
なお、試験済み感知器/未試験感知器の配置図では、作動試験が完了している複数の火災感知器Kのうちの何れが最後に作動試験の行われた火災感知器Kであるか判別可能であってもよい。このように構成することによって、作業者は、自身の現在位置(おおよその現在位置)を把握することができる。
ステップS13でフロアL1に設置されている全ての火災感知器Kの作動試験が完了していないと判定した場合(ステップS13;No)には、制御部41は、ステップS15の処理に移行する。
ステップS13でフロアL1に設置されている全ての火災感知器Kの作動試験が完了したと判定した場合(ステップS13;Yes)には、制御部41は、フロアL1の設備図情報の保守点検中フラグをOFFにして(ステップS14)、ステップS15の処理に移行する。
ステップS15で建物Aに設置されている全ての火災感知器Kの作動試験が完了していないと判定した場合(ステップS15;No)には、制御部41は、火災感知器K1についての感知器試験処理を終了する。
また、作業者端末30によって作動試験が完了していない火災感知器Kを通知できるため、火災感知器Kの試験漏れを確実に防止することができる。
例えば、上記の実施形態では、感知器試験器10と端末装置(作業者端末30)とは別体であるが、感知器試験器10と端末装置(作業者端末30)とは一体的に構成されていてもよい。
また、例えば、上記の実施形態では、試験結果情報および位置特定用情報(ビーコン情報)を、端末装置(作業者端末30)を経由して感知器試験器10からサーバ装置40へと送信するよう構成したが、感知器試験器10にネットワーク通信部を設け、試験結果情報および位置特定用情報の少なくとも一方を、端末装置を経由せずに感知器試験器10からサーバ装置40へと送信するよう構成してもよい。
また、例えば、端末装置(作業者端末30)にもビーコン受信部を設け、建物の設備図であって作業者の現在位置が判別可能な図(現在位置図)を、試験済み感知器/未試験感知器の配置図と別に表示部33に表示させるよう構成してもよい。
また、例えば、端末装置(作業者端末30)にもビーコン受信部を設け、試験済み感知器/未試験感知器の配置図を表示部33に表示するか、建物の設備図であって作業者の現在位置が判別可能な図(現在位置図)を表示部33に表示するかを、作業者が選択できるよう構成してもよい。
その他、実施形態で示した構成は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
10 感知器試験器
10a ヘッド部
14 ビーコン受信部(信号受信手段)
17 近距離通信部(位置特定用情報送信手段)
20 ビーコン(信号発信装置)
30 作業者端末(外部装置、端末装置)
35 近距離通信部(位置特定用情報転送手段)
36 ネットワーク通信部(位置特定用情報転送手段)
40 サーバ装置
41 制御部(位置情報取得手段、通知情報生成手段)
45 ネットワーク通信部(通知情報送信手段)
K 火災感知器
Claims (4)
- ヘッド部を火災感知器に接近させて当該火災感知器の作動試験を行う感知器試験器において、
前記火災感知器の周辺に設置されている信号発信装置からの信号を受信する信号受信手段と、
前記信号受信手段によって受信された信号に基づく情報であって、試験対象の火災感知器の位置を特定するための位置特定用情報を外部装置へ送信する位置特定用情報送信手段と、を備え、
前記信号受信手段は、前記ヘッド部に設けられていることを特徴とする感知器試験器。 - ヘッド部を火災感知器に接近させて当該火災感知器の作動試験を行う感知器試験器と、
前記感知器試験器を用いて火災感知器の保守点検を行う作業者が携帯可能な端末装置と、
前記保守点検を管理するサーバ装置と、を備え、
前記感知器試験器は、
前記ヘッド部に設けられ、前記火災感知器の周辺に設置されている信号発信装置からの信号を受信する信号受信手段と、
前記信号受信手段によって受信された信号に基づく情報であって、試験対象の火災感知器の位置を特定するための位置特定用情報を前記端末装置へ送信する位置特定用情報送信手段と、を備え、
前記端末装置は、前記位置特定用情報送信手段からの位置特定用情報を前記サーバ装置へ転送する位置特定用情報転送手段を備え、
前記サーバ装置は、
前記位置特定用情報転送手段からの位置特定用情報に基づいて、前記試験対象の火災感知器の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記取得手段によって取得された位置情報に基づいて、作動試験が完了していない火災感知器を前記端末装置により通知させるための通知情報を生成する通知情報生成手段と、
前記通知情報生成手段によって生成された通知情報を前記端末装置へ送信する通知情報送信手段と、を備えることを特徴とする感知器試験システム。 - 前記通知情報生成手段は、前記通知情報として、複数の火災感知器のうちの何れが作動試験の完了していない火災感知器であるかを判別可能なリストを、前記端末装置が有する表示手段に表示させるための情報を生成することを特徴とする請求項2に記載の感知器試験システム。
- 前記通知情報生成手段は、前記通知情報として、複数の火災感知器が設置されている建物の設備図であって、当該複数の火災感知器のうちの何れが作動試験の完了していない火災感知器であるかを判別可能な図を、前記端末装置が有する表示手段に表示させるための情報を生成することを特徴とする請求項2または3に記載の感知器試験システム。
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