JP2018035567A - 止水材、止水構造体及び止水方法 - Google Patents

止水材、止水構造体及び止水方法 Download PDF

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Yoshinori Nakano
良憲 中野
中村 雅則
Masanori Nakamura
雅則 中村
角山 正和
Masakazu Sumiyama
正和 角山
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Abstract

【課題】長期間に渡り高い止水性能を発揮することができる止水材を提供する。【解決手段】本発明に係る止水材は、止水材本体と、弾性体とを備え、前記止水材本体は、スキン部と、前記スキン部の一方の表面側にリブ部とを有し、前記弾性体は、前記止水材本体の下端に取り付けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、構造物に対して取り付けられ、水の流れを規制するために用いられる止水材に関する。また、本発明は、上記止水材を用いた止水構造体及び止水方法に関する。
従来、構造物において、一方側から他方側への水の流れを防止するために、止水材が用いられている。止水材が脱着可能である場合には、止水材を取り外すことで水を流すことができ、止水材を取り付けることで水の流れを防止することができる。
止水材の一例は、例えば、下記の特許文献1に開示されている。特許文献1の開口部の防水装置(止水材)は、構造物の屋内側と屋外側とを連通し、かつ開閉体によって開閉される開口部に設置されるシートと、上記シートを上記開閉体よりも屋外側の位置で上記構造物に対して保持する保持部とを備える。上記保持部は、上記シートが上記開閉体の鉛直方向下端側の所定部と、上記構造物のうち上記所定部に隣接する部分とを一体に覆うことで上記開口部の鉛直方向下端側を閉塞する。上記保持部は、上記シートの鉛直方向下端部が床面に沿って屋外側に向けて延在するように上記シートを保持する。
WO2013/069574A1
特許文献1に記載のような従来の止水材では、水の流れを十分に防止できないことがある。さらに、従来の止水材では、止水材の強度が低く、止水材が変形し、長期間に渡り高い止水性能が発揮されないことがある。
本発明の目的は、長期間に渡り高い止水性能を発揮することができる止水材を提供することである。また、本発明は、上記止水材を用いた止水構造体及び止水方法を提供することである。
本発明の広い局面によれば、止水材本体と、弾性体とを備え、前記止水材本体は、スキン部と、前記スキン部の一方の表面側にリブ部とを有し、前記弾性体は、前記止水材本体の下端に取り付けられている、止水材が提供される。
本発明に係る止水材のある特定の局面では、前記止水材は、シートを備え、止水材の第1の表面側において、前記シートは、前記止水材本体又は前記弾性体に取り付けられており、かつ前記弾性体の下端よりも外側に至っている。
本発明に係る止水材のある特定の局面では、前記シートが、吸水性又は水膨潤性を有する層を含む。
本発明に係る止水材のある特定の局面では、前記止水材は、錘を備え、前記錘は、前記シートにおける前記弾性体の下端よりも外側に至っている部分の表面上に配置されている。
本発明に係る止水材のある特定の局面では、前記止水材は、取付治具を備え、前記取付治具は、前記止水材本体の両側の側部に取り付けられており、構造物に対して前記取付治具によって止水材を取り付け可能である。
本発明に係る止水材のある特定の局面では、前記止水材は、水圧による前記止水材本体の変形を防止する変形防止部材を備え、前記変形防止部材が、止水材の第2の表面側において、前記止水材本体又は前記弾性体に取り付けられているか、又は前記止水材本体の第2の表面の外側に配置されている。
本発明に係る止水材のある特定の局面では、前記止水材は、前記変形防止部材として、止水材の第2の表面側において、止水材の下端かつ前記弾性体に取り付けられている第1の変形防止部材を備える。
本発明に係る止水材のある特定の局面では、前記止水材は、前記変形防止部材として、止水材の第2の表面側において、前記弾性体に取り付けられておらず、かつ前記止水材本体の第2の表面の外側に配置されている第2の変形防止部材を備える。
本発明に係る止水材のある特定の局面では、前記止水材は、吸水性又は水膨潤性を有する不織布を備え、前記不織布が、前記弾性体の下端に取り付けられている。
本発明に係る止水材のある特定の局面では、前記止水材本体が、繊維束と、上記繊維束に含浸された樹脂とを含む樹脂含浸繊維束部を有する。
本発明に係る止水材のある特定の局面では、前記止水材本体が、繊維束を含まない樹脂部を有する。
本発明の広い局面によれば、構造物と、上述した止水材とを備え、前記止水材は、前記構造物に取り付けられており、前記止水材により水の流れが規制される、止水構造体が提供される。
本発明の広い局面によれば、構造物に対して、上述した止水材を取り付けて、前記止水材により水の流れを規制する、止水方法が提供される。
本発明に係る止水材は、止水材本体と、弾性体とを備え、上記止水材本体は、スキン部と、上記スキン部の一方の表面側にリブ部とを有し、上記弾性体は、上記止水材本体の下端に取り付けられているので、長期間に渡り高い止水性能を発揮することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る止水材を模式的に示す側面断面図である。 図2は、図1に示す止水材の正面図である。 図3は、図1に示す止水材の背面図である。 図4は、図1に示す止水材の上面図である。 図5は、図1に示す止水材の下面図である。 図6は、止水材本体の第1の例を示す断面図である。 図7は、止水材本体の第2の例を示す断面図である。 図8は、止水材本体の第3の例を示す断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る止水材は、止水材本体と、弾性体とを備える。上記止水材本体は、スキン部と、リブ部とを有する。上記リブ部は、上記スキン部の一方の表面側に配置されている。上記弾性体は、上記止水材本体の下端に取り付けられている。
本願発明では、上記の構成が備えられているので、長期間に渡り高い止水性能を発揮することができる。上記止水材本体が、上記スキン部の一方の表面側に上記リブ部を有するので、上記止水材の強度を高めることができる。このため、水流によって上記止水材に水圧がかかっても、上記止水材が変形し難い。上記止水材の変形を防止することで、高い止水性能を発現させることができる。さらに、上記弾性体が、上記止水材本体の下端に取り付けられている。このため、構造物の底面に上記弾性体又は上記弾性体の下端に取り付けられた部材(吸水性又は水膨潤性を有する不織布など)が接するように上記止水材を取り付けることで、上記弾性体によって水の流れを効果的に規制することができるとともに、上記弾性体又は上記弾性体の下端に取り付けられた部材の構造物の底面に対する摩擦力によって、上記止水材の変形も抑制することができる。
本発明に係る止水構造体は、構造物と、上述した止水材とを備える。本発明に係る止水構造体では、上記止水材は、上記構造物に取り付けられている。本発明に係る止水構造体では、上記止水材により水の流れが規制される。
本発明に係る止水方法は、構造物に対して、上述した止水材を取り付けて、上記止水材により水の流れを規制する方法である。
本発明に係る止水構造体及び本発明に係る止水方法では、上述した止水材が用いられているので、長期間に渡り高い止水性能を発揮することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る止水材1を模式的に示す側面断面図である。図2は、図1に示す止水材1の正面図(図1の右側から見た図)であり、図3は、図1に示す止水材1の背面図(図1の左側から見た図)である。図4は、図1に示す止水材1の上面図(図1の上側から見た図)である。図5は、図1に示す止水材1の下面図(図1の下側から見た図)である。
図1〜5のうちの図1のみにおいて、止水材1は、構造物に取り付けられた状態である。図1では、止水材1に水が至っている。止水材1には、水圧がかかっている。図2〜5では、止水材1は、大気中で保持された状態である。止水材1には、重力がかかっている。
止水材1の第1の表面側が、正面に位置している。止水材1の第2の表面側が背面に位置している。
止水材1の第1の表面側は、例えば、構造物の屋外側や、構造物流路の上流側である。止水材1の第2の表面側は、例えば、構造物の屋内側や、構造物流路の下流側である。
止水材1は、止水材本体11と、弾性体12と、シート13と、取付治具14と、変形防止部材15,16と、錘17と、不織布18,19とを備える。図1では、断面部分よりも奥側に位置する取付治具14が図示されている。
図1に示すように、構造物に取り付けられた止水材1には、第1の表面側において、矢印A1で示す方向に、水圧がかかる。その水圧が高くても、特定の止水材本体11と、弾性体12との使用によって、止水材1の取り付け形状を良好に保持できる。また、取付治具14が備えられることによって、止水材1の取り付け形状をより一層良好に保持できる。また、変形防止部材15,16が備えられることによって、止水材1の取り付け形状をより一層良好に保持できる。さらに、シート13が備えられることによって、止水性能をより一層高めることができる。さらに、錘17が備えられることによって、止水性能をより一層高めることができる。さらに、不織布18,19が備えられることによって、止水性能をより一層高めることができる。
止水材本体11は、スキン部11Aと、リブ部11Bとを有する。リブ部11Bは、スキン部11Aの一方の表面側に配置されている。止水材本体11は、取り付け前に、湾曲可能であってもよく、ロール状であってもよい。止水材本体11を平面形状とした場合に、スキン部11Aは、板状である。スキン部11Aは、止水材本体11のリブ部11Bを除く部分である。スキン部11Aの一方の表面において、リブ部11Bが突出している。
止水材本体11のリブ部11B側が、水圧を受ける側とは反対側に位置している。止水材本体11のスキン部11A側が、水圧を受ける側に位置している。止水材本体は、正面と裏面とが反対となるように位置していてもよい。止水材本体のリブ部側が、水圧を受ける側に位置していてもよい。止水材本体のスキン部側が、水圧を受ける側とは反対側に位置していてもよい。
弾性体12は、止水材本体11の下端に取り付けられている。弾性体12は、止水材1が構造物に取り付けられた状態で、鉛直方向の下側に位置する。
上記弾性体の材料としては、発泡体及びゴム等が挙げられる。弾性体は柔軟性があるので、止水材における弾性体部分を構造物の壁面又は底面に押し付けることで、止水性能を効果的に高めることができる。また、止水材における弾性体の下端に取り付けられた部材を構造物の壁面又は底面に押し付けた場合でも、弾性体の弾性によって、止水性能を効果的に高めることができる。
上記弾性体は、上記止水材本体の下面の下方のみに配置されていてもよい。また、上記弾性体は、不織布等の部材(不織布19など、不織布は吸水性又は水膨潤性を有する不織布であってもよい)を介して、上記止水材本体の下端に取り付けられていてもよい。
弾性体の脱離を防止するために、上記弾性体は、上記止水材本体の下端において、上記止水材本体の側面に至っていてもよい。弾性体の脱離を防止するために、上記弾性体は上面に凹部を有していてもよく、上記弾性体の凹部に上記止水材本体が挿入されていてもよい。また、上記弾性体が上面に凹部を有する場合に、上記弾性体の凹部内に不織布(不織布18など、不織布は吸水性又は水膨潤性を有する不織布であってもよい)が配置されていてもよく、上記弾性体と上記止水材本体との間に、不織布(不織布18など、不織布は吸水性又は水膨潤性を有する不織布であってもよい)が配置されていてもよい。
シート13は、止水材1の第1の表面側において、止水材本体11に取り付けられている。シート13は、弾性体12の下端よりも外側に至っている。
図1に示すように、構造物に取り付けられた止水材1には、構造物流路の上流側に位置する第1の表面側において、矢印A2で示す方向に、水圧がかかる。この水圧によって、シート13が止水材本体11や、構造物の底面に押し付けられるので、シート13によって、水の浸入を効果的に防ぐことができる。
図1では、構造物に止水材1が取り付けられており、弾性体12の下端よりも外側に至るシート13部分は、構造物の底面に沿うように、外側に向かって折り曲げられている。図1では、弾性体12の下端よりも外側に至るシート13部分は、止水材本体11から遠ざかる方向に折り曲げられている。図1では、シート13は、側面視において、L字状の形態である。
図2〜5では、止水材1は、大気中で保持された状態であるので、弾性体12の下端よりも外側に至るシート13部分は、重力によって下方に垂れ下がっている。なお、取り付け前の止水材1では、弾性体12の下端よりも外側に至るシート13部分は、折り畳まれていてもよい。例えば、弾性体12の下端よりも外側に至るシート13部分を上方に折り畳むことで、取り付け前の止水材1の全体の大きさを小さくすることができる。
シートは、止水材の第1の表面側において、止水材本体又は弾性体に取り付けられていればよく、止水材本体に取り付けられていてもよく、弾性体に取り付けられていてもよい。シートが、止水材本体又は弾性体に取り付けられている場合に、シートは、止水材本体と弾性体との双方に取り付けられていてもよい。止水性能をより一層高める観点からは、止水材1の第1の表面側かつ弾性体の上方において、シートが、止水材本体に取り付けられていることが好ましい。止水性能を更に一層高める観点からは、止水材の第1の表面側かつ弾性体の上方と止水材本体の下方との双方において、シートが、止水材本体と弾性体との双方に取り付けられていることが好ましい。
シート13は、シート本体層13Aと、吸水性又は水膨潤性を有する層13Bとを有する。シート本体層13Aの一方側の表面上に、吸水性又は水膨潤性を有する層13Bが積層されている。シート13は、シート本体層13Aと、吸水性又は水膨潤性を有する層13Bとの積層シートである。樹脂シート13Aは、吸水性及び水膨潤性を有さず、非透水性を有する。シート本体層13Aは、好ましくは樹脂層である。シートは、吸水性を有する層を有していてもよく、水膨潤性を有する層を有していてもよい。
シート13のシート本体層13A側が、止水材本体11側とは反対側に位置している。シート13の吸水性又は水膨潤性を有する層13B側が、止水材本体11側に位置している。このため、止水材1の第1の表面側に対して止水材1に至った水は、シート本体13Aにより堰き止められる。一方で、シート本体層のみの場合でも、水が浸入する可能性をかなり低くすることができるものの、シート本体層のみの場合には、水圧がかなり高いと、シート本体層の隙間から、水が浸入する可能性がある。吸水性又は水膨潤性を有する層13Bが設けられていることによって、シート本体層13Aの隙間から浸入した水は、吸水性又は水膨潤性を有する層13Bにより、吸水されたり、吸水性又は水膨潤性を有する層13Bの膨潤によって堰き止められたりする。このため、シート13によって、高い止水性能を発現させることができる。
シートが多層のシートである場合に、多層のシートは、非透水性を有する層を有することが好ましい。シートは、単層のシートであってもよい。単層のシートは、非透水性を有することが好ましい。
取付治具14は、止水材本体11の両側の側部に取り付けられている。構造物に対して取付治具14によって止水材1を取り付け可能である。このように、構造物に止水材を容易に取り付ける観点からは、上記止水材は、取付治具を備えることが好ましく、取付治具は、止水材本体の両側の側部に取り付けられていることが好ましい。
取付治具の形状は特に限定されない。取付治具としては、挟み込み治具及び引っ掛け治具等が挙げられる。
但し、止水材は、取付治具を備えていなくてもよい。例えば、構造物の凹部に止水材の側部を挿入することで、構造物に止水材を取り付けてもよい。止水材本体は、リブ部を有する。このリブ部の形状を利用して、構造物に止水材を取り付けてもよい。構造物に、リブ部を挿入可能な凹部があってもよい。構造物に、リブ部の側面が接することが可能な凸部があってもよい。構造物に、リブ部間の凹部に挿入される凸部があってもよい。
変形防止部材15,16は、水圧による止水材本体11の変形を防止する。
変形防止部材15は、変形防止部材に設置されているピンを介して、床の穴に固定されていることが好ましく、構造物の底面に固定されることが好ましい。また、変形防止部材15(第1の変形防止部材)は、構造物流路の下流側に位置する止水材1の第2の表面側において、弾性体12に取り付けられていてもよい。また、変形防止部材15は、止水材1の第2の表面側において、止水材本体11にも取り付けられていてもよい。変形防止部材15の下部が、弾性体12に取り付けられていてもよい。変形防止部材15の上部が、止水材本体11に取り付けられていてもよい。
変形防止部材16は、ロープであることが好ましく、止水板本体に固定されておらず、止水材の両端に位置する構造物に固定されていることが好ましい。変形防止部材16(第2の変形防止部材)は、構造物流路の下流側に位置する止水材1の第2の表面側において、止水材本体11に取り付けられていてもよい。止水材11は、複数の変形防止部材16を備えていてもよい。
上記のように、上記止水材は、水圧による上記止水材本体の変形を防止する変形防止部材を備えることが好ましい。上記変形防止部材が、止水材の第2の表面側において、上記止水材本体又は上記弾性体に取り付けられているか、又は上記止水材本体の第2の表面の外側に配置されていることが好ましい。
変形防止部材は、止水材の第2の表面側において、止水材本体又は弾性体に取り付けられていてもよく、弾性体に取り付けられていてもよい。変形防止部材が、止水材本体又は弾性体に取り付けられている場合に、変形防止部材は、止水材本体と弾性体との双方に取り付けられていてもよい。止水性能をより一層高める観点からは、止水材の第2の表面側かつ弾性体の上方において、変形防止部材が、弾性体に取り付けられていることが好ましい。止水性能を更に一層高める観点からは、止水材の第2の表面側かつ弾性体の上方と止水材本体の下方との双方において、変形防止部材が、止水材本体と弾性体との双方に取り付けられていることが好ましい。
変形防止部材の形状は特に限定されない。変形防止部材の側面形状としては、円形状、四角形状及び三角形状等が挙げられる。
変形防止部材の材料としては、繊維、樹脂及び金属等が挙げられる。
本明細書において、止水材の第2の表面側において、止水材の下端かつ上記弾性体に取り付けられている変形防止部材を、第1の変形防止部材と呼ぶ。
上記止水材は、上記変形防止部材として、止水材の第2の表面側において、止水材の下端かつ上記弾性体に取り付けられている第1の変形防止部材を備えることが好ましい。上記第1の変形防止部材は、弾性体に加えて、止水材本体にも取り付けられていてもよい。
本明細書において、止水材の第2の表面側において、上記弾性体に取り付けられておらず、かつ上記止水材本体の第2の表面の外側に配置されている変形防止部材を、第2の変形防止部材と呼ぶ。
上記止水材は、上記変形防止部材として、止水材の第2の表面側において、上記弾性体に取り付けられておらず、かつ上記止水材本体の外側に配置されている第2の変形防止部材を備えることが好ましい。
上記止水材は、上記第1の変形防止部材のみを備えていてもよく、上記第2の変形防止部材のみを備えていてもよく、上記第1の変形防止部材と上記第2の変形防止部材とを備えていてもよい。
錘17は、水流によるシート13の浮きを防止するために設けられている。錘17は、シート13における弾性体12の下端よりも外側に至っている部分の表面上に配置されている。シートの浮きをより一層防止する観点からは、上記錘は、上記シートにおける上記弾性体の下端よりも外側に至っている部分の先端の表面上に配置されていることが好ましい。なお、止水材は錘を備えていなくてもよい。止水材を構造物に取り付けた後に、シートの表面上に、錘を載せてもよい。
不織布18,19は、吸水性又は水膨潤性を有する。なお、不織布18,19はなくてもよい。
不織布18は、弾性体12の下端に取り付けられている。不織布18は、構造物の底面に接する。不織布19は、弾性体12の上端に取り付けられている。不織布19は、止水材本体11の下端に取り付けられている。不織布19は、弾性体12と止水材本体11との間に位置している。
次に、図6〜8を用いて、止水材本体の具体例について説明する。図6は、止水材本体の第1の例を示す断面図である。図7は、止水材本体の第2の例を示す断面図である。図8は、止水材本体の第3の例を示す断面図である。図6〜8において、互いに異なる構造部分は互いに置き換え可能である。以下の説明において、繊維束と、上記繊維束に含浸された樹脂とを含む部分を、樹脂含浸繊維束部と呼ぶ。
図6に示す止水材本体31は、スキン部31Aと、リブ部31Bとを有する。リブ部31Bは、スキン部31Aの一方の表面側に配置されている。
止水材本体31は、一方の表面に、樹脂含浸繊維束部31X1を有する。止水材本体31は、他方の表面に、樹脂含浸繊維束部31X2を有する。止水材本体31は、リブ部31B部分に、繊維束を含まない樹脂部31Yを有する。繊維束を含まない樹脂部31Yは、止水材本体31の他方の表面側にて露出していない。
図7に示す止水材本体32は、スキン部32と、リブ部32B1と、リブ部32B2とを有する。リブ部32B1は、スキン部31Aの一方の表面側に配置されている。リブ部32B2は、スキン部32Aの他方の表面側に配置されている。
止水材本体32は、一方の表面に、樹脂含浸繊維束部32X1を有する。止水材本体32は、一方の表面と他方の表面との間の中央に、樹脂含浸繊維束部32X2を有する。止水材本体32は、他方の表面に、樹脂含浸繊維束部32X3を有する。止水材本体32は、リブ部32B1部分に、繊維束を含まない樹脂部32Y1を有する。止水材本体31は、リブ部32B2部分に、繊維束を含まない樹脂部32Y2を有する。繊維束を含まない樹脂部32Y1は、止水材本体32の一方の表面側にて露出していない。繊維束を含まない樹脂部32Y2は、止水材本体32の他方の表面側にて露出していない。
図8に示す止水材本体33は、スキン部33Aと、リブ部33Bとを有する。リブ部33Bは、スキン部33Aの一方の表面側に配置されている。
止水材本体33は、一方の表面に、樹脂含浸繊維束部33Xを有する。止水材本体33は、リブ部33B部分に、繊維束を含まない樹脂部33Yを有する。繊維束を含まない樹脂部33Yは、止水材本体33の他方の表面側にて露出している。
止水材の強度を効果的に高める観点からは、上記リブ部は、突条部であることが好ましく、線状凸部であることが好ましい。止水材の強度を効果的に高める観点からは、上記止水材本体は、上記スキン部の一方の表面側と他方の表面側との双方に、リブ部を有していてもよい。
止水材の強度をより一層高める観点からは、上記止水材本体は、上記樹脂含浸繊維束部を有することが好ましい。止水材の強度をより一層高める観点からは、上記スキン部は、上記樹脂含浸繊維束部を有することが好ましい。止水材の強度をより一層高める観点からは、上記リブ部は、上記樹脂含浸繊維束部を有することが好ましい。上記止水材本体は、上記リブ部側の表面に、上記樹脂含浸繊維束部を有することが好ましい。上記止水材本体が、上記スキン部の他方の表面側にリブ部を有さない場合に、上記止水材本体は、上記スキン部側の表面に、上記樹脂含浸繊維束部を有することが好ましい。
止水材の強度をより一層高める観点からは、上記止水材本体は、上記繊維束を含まない樹脂部を有することが好ましい。止水材の強度をより一層高める観点からは、上記止水材本体は、上記リブ部部分に、上記繊維束を含まない樹脂部を有することが好ましい。
上記樹脂は、熱硬化性樹脂、熱硬化性樹脂の硬化物又は熱可塑性樹脂であることが好ましく、熱可塑性樹脂であることが好ましい。
上記熱可塑性樹脂として、必要な加温条件下で適切な粘度となる熱可塑性樹脂が好ましい。上記熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、及びポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられる。上記ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂等が挙げられる。上記ポリアミド樹脂としては、脂肪族ポリアミド樹脂が挙げられ、具体的にはポリアミド66、ポリアミド6、及びポリアミド12等が挙げられる。上記ポリスチレン樹脂は、スチレン重合体樹脂、AS樹脂及びABS樹脂等が挙げられる。上記ポリエステル樹脂としては、脂肪族ポリエステル樹脂が挙げられ、具体的にはポリ乳酸樹脂等が挙げられる。
安価かつ軽量にし、成形性を良好にする観点からは、ポリオレフィン樹脂が好ましい。
上記繊維束は、例えば、強化繊維束である。繊維束の弾性率、特に強化繊維束の弾性率は比較的高い。
上記繊維束の材料の具体例としては、ガラス繊維及び炭素繊維等が挙げられる。強度を高める観点から、繊維束の材料は、ガラス繊維又は炭素繊維であることが好ましい。
上記炭素繊維の好ましい例としては、PAN系炭素繊維、PITCH系炭素繊維等が挙げられる。上記ガラス繊維の好ましい例としては、Eガラス繊維等が挙げられる。
上記繊維束の形態は、平織であってもよく、綾織であってもよく、朱子織であってもよい。また、織加工されていない繊維束を用いてもよい。
上記繊維束における平均繊維径は、好ましくは6μm以上、好ましくは27μm以下である。上記平均繊維径は、任意の10か所以上の繊維径(最大径)を平均することにより求められる。
上記繊維束における繊維の本数は特に限定されない。上記繊維束における繊維の本数は好ましくは1000本以上、好ましくは50000本以下である。上記繊維束の材料が炭素繊維である場合に、上記繊維束における繊維の本数は好ましくは1000本以上、好ましくは50000本以下である。上記繊維束の材料がガラス繊維である場合に、上記繊維束における繊維の本数は好ましくは1000本以上、好ましくは20000本以下である。
上記繊維束は、複数の繊維の束である。上記繊維束の形態は特に限定されない。上記繊維束は、ステッチ等により形成された繊維シートであってもよい。
繊維シートの性能の指標の1つとして、単位面積(通常は1m角)あたりの重量があり、その性能は目付量として表現される。繊維シートにおける目付量は好ましくは100g/m以上、好ましくは400g/m以下である。目付量が上記下限以上であると、繊維束の強度がより一層高くなる。目付量が上記上限以下であると、樹脂の含浸性がより一層高くなる。
1…止水材
11…止水材本体
11A…スキン部
11B…リブ部
12…弾性体
13…シート
13A…シート本体層
13B…吸水性又は水膨潤性を有する層
14…取付治具
15…変形防止部材(第1の変形防止部材)
16…変形防止部材(第2の変形防止部材)
17…錘
18,19…不織布(吸水性又は水膨潤性を有する不織布)
31,32,33…止水材本体
31A,32A,33A…スキン部
31B,32B1,32B2,33B…リブ部
31X1,31X2,32X1,32X2,32X3,33X…樹脂含浸繊維束部
31Y,32Y1,32Y2,33Y…繊維束を含まない樹脂部

Claims (13)

  1. 止水材本体と、弾性体とを備え、
    前記止水材本体は、スキン部と、前記スキン部の一方の表面側にリブ部とを有し、
    前記弾性体は、前記止水材本体の下端に取り付けられている、止水材。
  2. シートを備え、
    止水材の第1の表面側において、前記シートは、前記止水材本体又は前記弾性体に取り付けられており、かつ前記弾性体の下端よりも外側に至っている、請求項1に記載の止水材。
  3. 前記シートが、吸水性又は水膨潤性を有する層を含む、請求項2に記載の止水材。
  4. 錘を備え、
    前記錘は、前記シートにおける前記弾性体の下端よりも外側に至っている部分の表面上に配置されている、請求項2又は3に記載の止水材。
  5. 取付治具を備え、
    前記取付治具は、前記止水材本体の両側の側部に取り付けられており、
    構造物に対して前記取付治具によって止水材を取り付け可能である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の止水材。
  6. 水圧による前記止水材本体の変形を防止する変形防止部材を備え、
    前記変形防止部材が、止水材の第2の表面側において、前記止水材本体又は前記弾性体に取り付けられているか、又は前記止水材本体の第2の表面の外側に配置されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の止水材。
  7. 前記変形防止部材として、止水材の第2の表面側において、止水材の下端かつ前記弾性体に取り付けられている第1の変形防止部材を備える、請求項6に記載の止水材。
  8. 前記変形防止部材として、止水材の第2の表面側において、前記弾性体に取り付けられておらず、かつ前記止水材本体の第2の表面の外側に配置されている第2の変形防止部材を備える、請求項6又は7に記載の止水材。
  9. 吸水性又は水膨潤性を有する不織布を備え、
    前記不織布が、前記弾性体の下端に取り付けられている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の止水材。
  10. 前記止水材本体が、繊維束と、前記繊維束に含浸された樹脂とを含む樹脂含浸繊維束部を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の止水材。
  11. 前記止水材本体が、繊維束を含まない樹脂部を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の止水材。
  12. 構造物と、請求項1〜11のいずれか1項に記載の止水材とを備え、
    前記止水材は、前記構造物に取り付けられており、
    前記止水材により水の流れが規制される、止水構造体。
  13. 構造物に対して、請求項1〜11のいずれか1項に記載の止水材を取り付けて、前記止水材により水の流れを規制する、止水方法。
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