JP2018034700A - 四輪駆動車両のトルク制御装置 - Google Patents

四輪駆動車両のトルク制御装置 Download PDF

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優 小松原
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Abstract

【課題】主駆動輪がフリーローラー状態でスタックする路面状況又はそれと同等な路面状況において、車両の発進に最低限必要なトルクを副駆動輪側に安定して出力することが可能な四輪駆動車両のトルク制御装置を提供する。【解決手段】前輪Wf1,Wf2がフリーローラー状態でスタックしていると判断されるとき、現在の指令リアトルクTrCMDをステップ状に引き上げるようにする。そして、指令トルクTrCMDがステップ状に引き上げられた後で、4輪が停止した状態でブレーキが作動されるとき、指令リアトルクTrCMDを開放するようにする。そして、指令リアトルクTrCMDが開放されている状態が第2閾値時間T2継続するとき、指令リアトルクTrCMDをステップ状にかけるようにする。【選択図】図4

Description

本発明は、駆動源からの駆動力が伝達される主駆動輪及び副駆動輪を備える四輪駆動車両において、駆動源と副駆動輪との間に設けたトルク配分用クラッチを制御することにより副駆動輪に配分される配分駆動トルクを制御する四輪駆動車両のトルク制御装置に関するものである。
従来、路面状況に応じて二輪駆動(2WD)状態と四駆駆動(4WD)状態とを相互に切り替える、いわゆるリアルタイム式四輪駆動システムの一つとして、エンジンからの駆動トルクを後輪側に伝達するプロペラシャフトを切断/接続するための油圧式多板クラッチをリアデフ機構内部に設け、そのクラッチを締結する油圧(クラッチ締結圧)を、電動オイルポンプ及びソレノイド弁(油圧制御弁)によって電子制御するように構成された油圧電子制御式四輪駆動システムが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
上記四輪駆動システムでは、油圧式多板クラッチが解除(切断)されているときには、プロペラシャフトの回転が後輪側に伝達されず、エンジンのトルクがすべて前輪に伝達されることで、前輪駆動(2WD)状態となる。一方、油圧式多板クラッチが接続されているときには、プロペラシャフトの回転が後輪側に伝達されることで、エンジンのトルクが前輪と後輪の両方に配分されて四輪駆動(4WD)状態となる。また、クラッチ締結圧を変えることにより、後輪側へ伝達されるリアトルク配分を変えることが可能となる。
上記四輪駆動システムのリアトルク配分に係るリアトルク指令は、図5に示されるトルク配分制御構造を有する制御ユニット(ECU)によって行われている。制御ユニットは、先ず(1)エンジンのアクセルペダル開度等のユーザー操作に基づいて四輪に必要となる推定総駆動トルクを算出し、算出した推定総駆動トルクに基本配分比を掛けて後輪に伝達すべき基本配分トルクを算出する。次に、(2)前後輪間の差回転(クラッチ差回転)を検知して、前後輪の差動を制限する差動制限トルク(LSDトルク)を算出する。そして、(3)基本配分トルクとLSDトルクとを加えた値を指令リアトルクとして出力する。すなわち、指令リアトルクは、推定総駆動トルクを基に算出される基本配分トルクと、LSDトルクとによって決定される。
特開2013−67326号公報
図6は、前輪がフリーローラー状態(無負荷空転状態)でスタックする路面状況における上記制御ユニットに係る指令リアトルクの時系列変化を示すタイムチャート図である。なお、横軸は共通した時間軸を示し、縦軸は上から順にアクセルペダル開度、推定総駆動トルク、各車輪速、指令リアトルク及びLSDトルク等をそれぞれ示している。
先ず、制御側の問題として、図6(a)(b)に示されるように、推定総駆動トルクはアクセルペダル開度(エンジントルクカーブ)に応じて緩やかに立ち上がる。その結果、指令リアトルクの立ち上がりが遅くなり(応答性が悪くなり)、後輪に駆動トルクを瞬時に伝達することが出来ないという問題がある。
また、図6(b)の点線(平地)と実線(ローラー)に示されるように、同じアクセルペダル開度に対し、前輪がフリーローラー状態でスタックしている場合の推定総駆動トルクは、平地走行時の推定総駆動トルクに比べ低く見積もられる。つまり、前輪がフリーローラー状態でスタックしている場合、後輪に配分すべき駆動トルクについての推定精度が悪くなる。これは、前輪がフリーローラー状態でスタックしている場合、エンジン及びトルクコンバータが無負荷回転状態となることにより、エンジン/トルクコンバータ保護制御が介入するためである。
更に、図6(c)(d)に示されるように、LSDトルクは前輪と後輪との間で差回転が検知された後に、基本配分トルクに加算される。つまり、クラッチ差回転がついてからLSDトルクが決定される。その結果、指令リアトルクの立ち上がりが遅くなり(応答性が悪くなり)、後輪に駆動トルクを瞬時に伝達することが出来なかった。
一方、機構側の問題として、LSDトルクは、クラッチ差回転入力後にクラッチが締結される過程でリアデフ側に伝達されるトルクであるため、クラッチ締結後にクラッチ差回転が入力される過程でリアデフ側に伝達される、いわゆるスタンバイトルクに比べ、押し付け時の効率から、必然的に低いトルク値がリアデフ側に出力される。
また、時間の経過と共に、クラッチ発熱によりリアデフ側に伝達されるトルクの出力(クラッチの伝達トルク容量)が低下する。従って、上記制御及び機構側の問題が要因となり、図6(d)に示されるように、指令リアトルクそのものが車両の発進に最低限必要な定格トルクに到達することができず、定格トルクを下回る場合があった。この場合、上記四輪駆動システムは定格トルク以上の実トルクを後輪に出力することが出来ないため、車両の走破性を満足させることが出来なかった。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであり、その目的は、主駆動輪がフリーローラー状態でスタックする路面状況又はそれと同等な路面状況において車両の発進に最低限必要なトルクを副駆動輪側に安定して出力することが可能な四輪駆動車両のトルク制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の四輪駆動車両のトルク制御装置は、車両の駆動源(3)からの駆動トルクが常時伝達される主駆動輪(Wf1、Wf2)と、前記駆動トルクが必要に応じ伝達される副駆動輪(Wr1、Wr2)と、前記駆動トルクを前記副駆動輪(Wr1、Wr2)に伝達するための駆動トルク伝達経路(20)と、前記駆動トルク伝達経路(20)を切断/接続するクラッチ(10)と、前記クラッチ(10)を制御することにより前記副駆動輪に配分される配分駆動トルクを制御する制御手段(50)とを備え、前記制御手段(50)は、前記配分駆動トルクの指令値である指令配分駆動トルク(TrCMD)を出力する指令トルク出力部(50A)を備え、該制御手段(50)は、前記副駆動輪(Wr1、Wr2)が停止した状態で前記クラッチ(10)に差回転(ΔN)が生じた状態で第1閾値時間(T1)が経過したら直ちに前記クラッチ(10)に対する現在の指令配分駆動トルク(TrCMD)をステップ状に引き上げるように構成されていることを特徴とする。
上記構成では、副駆動輪(Wr1、Wr2)が停止した状態でクラッチ(10)に差回転(ΔN)が生じた状態で第1閾値時間(T1)が経過したことをもって主駆動輪(Wf1、Wf2)がスタック状態であると判定し、直ちにクラッチ(10)に対する現在の指令配分駆動トルク(TrCMD)がステップ状に引き上げられる。これにより、指令配分駆動トルク(TrCMD)の立ち上がりが速くなり、実駆動トルクの出力に要する時間が大幅に短縮される。また、指令配分駆動トルク(TrCMD)がステップ状に引き上げられることにより、指令配分駆動トルク(TrCMD)が低く出力されることがなくなる。その結果、クラッチ差回転入力後にクラッチ(10)が締結される、いわゆるLSDトルク状態において定格トルク以上の実トルクを副駆動輪(Wr1、Wr2)側に容易に伝達することが可能となる。したがって、主駆動輪がフリーローラー状態でスタックする路面状況又はそれと同等な路面状況において車両の発進に最低限必要なトルクを副駆動輪側に安定して出力することが可能となり、主駆動輪のスタック状態をより早期に脱することができるようになる。
本発明の四輪駆動車両のトルク制御装置に係る第2の特徴は、前記制御手段(50)は、前記指令配分駆動トルク(TrCMD)をステップ状に引き上げた後に、前記主駆動輪及び副駆動輪の回転を制動するブレーキが作動され且つ該主駆動輪及び副駆動輪が停止するとき、前記指令配分駆動トルク(TrCMD)を開放するように構成されていることである。
上記構成では、指令配分駆動トルク(TrCMD)がステップ状に引き上げられた後にブレーキが作動し且つ主駆動輪と副駆動輪が停止するとき、指令配分駆動トルク(TrCMD)を開放することでクラッチ(10)を一度完全に切断した状態とすることができる。これにより、クラッチに入力している差回転を無くすことができるので、その後のクラッチの締結によって、クラッチ締結後にトルクが入力される(前後輪間の差回転が入力される)、いわゆるスタンバイトルク状態を形成することが可能となる。
本発明の四輪駆動車両のトルク制御装置に係る第3の特徴は、前記制御手段(50)は、前記指令配分駆動トルク(TrCMD)を開放した後に所定時間が経過したら前記指令配分駆動トルク(TrCMD)をステップ状にかけるように構成されていることである。
上記構成では、クラッチ(10)が所定時間にわたり開放されたことで、クラッチ差回転が発生していない状態でクラッチ(10)が締結される。これにより、クラッチ(10)にスタンバイトルク状態が形成される。その結果、クラッチ(10)を介して副駆動輪に伝達される実駆動トルクが、指令配分駆動トルク(TrCMD)に好適に追従するようになる。これにより、定格トルク以上の実駆動トルクを副駆動輪(Wr1、Wr2)に伝達することが可能となる。
本発明によれば、車両の駆動源から副駆動輪に配分される配分駆動トルクを変える四輪駆動車両のトルク制御装置において、主駆動輪がフリーローラー状態でスタックしたと判断する場合、車両の発進に最低限必要となる定格トルク以上の実駆動トルクを副駆動輪に直ちに伝達することが可能となる。これにより、主駆動輪(Wf1、Wf2)がフリーローラー状態でスタックする路面状況又はそれと同等な路面状況において車両の走破性を高めることが可能となる。
本発明の一実施形態にかかる駆動トルク配分装置を備えた四輪駆動車両の概略構成を示す図である。 クラッチに対するリアトルク指令に係る制御ユニットの指令リアトルク出力部を示すブロック図である。 前輪がフリーローラー状態でスタックする路面状況における制御ユニットによるリアトルク指令の時系列変化を示すタイムチャート図である。 前輪がフリーローラー状態でスタックする路面状況における制御ユニットによるリアトルク指令の流れを説明するためのフロー図である。 従来のクラッチに対するリアトルク指令に係る制御ユニットの制御構造を示すブロック図である。 前輪がフリーローラー状態でスタックする路面状況における上記従来の制御ユニットに係る指令リアトルクの時系列変化を示すタイムチャート図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかるトルク制御装置を備えた四輪駆動車両の概略構成を示す図である。同図に示す四輪駆動車両1は、車両の前部に横置きに搭載したエンジン(駆動源)3と、エンジン3と一体に設置された自動変速機4と、エンジン3からの駆動トルクを前左右輪(以下、「前輪」という。)Wf1,Wf2及び後左右輪(以下、「後輪」という。)Wr1,Wr2に伝達するための駆動トルク伝達経路20とを備えている。
エンジン3の出力軸(図示せず)は、自動変速機4、フロントディファレンシャル(以下「フロントデフ」という)5、左右のフロントドライブシャフト6,6を介して、主駆動輪である左右の前輪Wf1,Wf2に連結されている。さらに、エンジン3の出力軸は、自動変速機4、フロントデフ5、プロペラシャフト7、リアデファレンシャルユニット(以下「リアデフユニット」という)8、左右のリアドライブシャフト9,9を介して副駆動輪である左右の後輪Wr1,Wr2に連結されている。
リアデフユニット8には、左右のリアドライブシャフト9,9に駆動トルクを配分するためのリアデファレンシャル(以下、「リアデフ」という。)19と、プロペラシャフト7からリアデフ19への駆動トルク伝達経路を接続・切断するための前後トルク配分用クラッチ10とが設けられている。前後トルク配分用クラッチ10は、駆動トルク伝達経路20において後輪Wr1,Wr2に配分する駆動トルクを制御するための油圧式クラッチからなるアクチュエータである。また、前後トルク配分用クラッチ10に作動油を供給するための油圧回路30と、油圧回路30による供給油圧を制御するための制御手段である4WD・ECU(以下、「制御ユニット」と記す。)50を備えている。制御ユニット50は、マイクロコンピュータなどで構成されている。上記の制御ユニット50と油圧回路30とで油圧制御装置(トルク制御装置)60が構成されており、油圧制御装置60と前後トルク配分用クラッチ10とで駆動トルク配分装置70が構成されている。
図2は、クラッチ10に対するリアトルク指令に係る制御ユニット50の指令リアトルク出力部50Aを示すブロック図である。なお、クラッチ締結に係る油圧とクラッチ締結に係るトルクは1対1に対応している。従って、以降において、クラッチ10に係るトルクは、クラッチ10に係る油圧と同義で用いられている。
上記制御ユニット50の指令リアトルク出力部50Aは、推定総駆動トルクTrDを出力する総駆動トルク出力部51と、基本配分トルクTrBを出力する基本配分トルク出力部52と、PID制御量CXを出力するPID制御量出力部53と、推定総駆動トルクTrDから基本配分トルクTrBを減算する減算部54と、減算部54から出力される残駆動トルクΔTrに対しPID制御量CXを乗じる乗算部55と、乗算部55から出力されるLSDトルクTr1と基本配分トルクTrBとを加算する加算部56と、加算部56から出力される加算駆動トルクΣTrと最大配分トルクTrMのうち小さい方のトルクを出力するトルク制限部57とから構成される。
基本配分トルクTrBは、例えば前輪Wf1,Wf2と後輪Wr1,Wr2との間に差回転が発生している場合に既定値(初期値)として後輪Wr1,Wr2に配分される駆動トルクである。従って、基本配分トルクTrBは、車両1の発進に最低限必要となる定格トルク以上のトルク値が望ましい。
推定総駆動トルクTrDは、ユーザーの操作に対し車両1が安定走行するために必要と推定される4輪全体の総駆動トルクである。従って、推定総駆動トルクTrDは、アクセルペダル開度APD、ブレーキBRK、変速位置、舵角、前後車輪速VWf1,VWf2,VWr1,VWr2およびクラッチ差回転ΔNのうちの全部又は一部に基づいて算出される。
PID制御量CXは、クラッチ差回転ΔNに応じて決定される比例ゲイン(P項ゲイン)、積分ゲイン(I項ゲイン)及び微分ゲイン(D項ゲイン)が適宜組み合わされた合算値である。従って、前輪Wf1,Wf2がフリーローラー状態でスタックしていると判断される場合、制御ユニット50は、PID制御量RXを操作してLSDトルクTr1を引き上げることにより、現在の指令リアトルクTrCMDを引き上げている。
トルク制限部57は、加算駆動トルクΣTr(=Tr1+TrB)と、予め設定されている最大配分トルクTrUとのうちで小さい方のトルクを選択して出力する。つまり、加算駆動トルクΣTrが最大配分トルクTrUを超える場合、最大配分トルクTrUを超える超過分は、トルク制限部57によってカットされる。これにより、指令リアトルクTrCMDは、常に最大配分トルクTrU以下に抑えられる。なお、最大配分トルクTrUは、推定総駆動トルクTrDに所定の配分比を乗じたものである。
そして、本実施形態の四輪駆動車両1の駆動トルク制御装置では、副駆動輪Wr1、Wr2が停止した状態でクラッチ10の差回転ΔNが第1閾値時間T1継続するとき、主駆動輪Wf1、Wf2がスタック状態であると判定し、クラッチ10に対するリアトルク指令値をステップ状に引き上げる制御を行うようになっている。以下、この制御の内容を詳細に説明する。
図3は、前輪Wf1,Wf2がフリーローラー状態でスタックする路面状況において制御ユニット50によるリアトルク指令の内容の流れを示すフロー図である。
図3のステップS1では、前輪Wf1,Wf2がフリーローラー状態でスタックしている状態であるか否かを判定する。判定基準として、例えばクラッチ差回転ΔNが所定回転N1以上であり、且つ後輪Wr1,Wr2が停止した状態であり、且つその状態が第1閾値時間T1継続する場合は、前輪Wf1,Wf2はフリーローラー状態でスタックしている状態であると判定する。なお、後述する図4(c)のフリーローラー/スタック判定フラグが時刻t2において0→1になることがこのステップS1に対応している。
なお、ここでいうクラッチ差回転Nとは、クラッチ10の入力回転数とクラッチ10の出力回転数との回転数差のことである。このクラッチ差回転Nは、クラッチ10の手前側(エンジン3側)のプロペラシャフト7の回転数とクラッチ10の後側(リアデフ19側)のプロペラシャフト7の回転数との差でもある。
ステップS2では、LSDトルクTr1を出力するか否かを判定する。制御ユニット50は、前輪Wf1,Wf2がフリーローラー状態でスタックしている状態であると判断すると直ちに、指令リアトルクTrCMDをステップ状に引き上げる。そして、制御ユニット50は上記指令リアトルクTrCMDをLSDトルクTr1として出力し続ける。なお、後述する図4(f)の指令リアトルクが時刻t2及び時刻t4においてステップ状に上昇してTr1になることがこのステップS2に対応している。
ステップS3では、指令リアトルクTrCMDを開放するか否かを判定する。制御ユニット50は、ブレーキが作動し且つ4輪全てが停止した状態(以下、「強制的四輪停止状態」という。)となる場合、現在の指令リアトルクTrCMDを強制的に開放する。すなわち、クラッチ10のトルクを強制的にゼロにする。なお、後述する図4(f)の指令リアトルクが時刻t3、t5、t8において開放されて0になることがこのステップS3に対応している。
ステップS4では、スタンバイトルクTr2を出力するか否かを判定する。強制的四輪停止状態が第2閾値時間T2継続する場合、制御ユニット50は直ちに現在の指令リアトルクTrCMDをステップ状に引き上げる。そして、制御ユニット50は、その指令リアトルクTrCMDをスタンバイトルクTr2として出力し続ける。なお、後述する図4(f)の指令リアトルクが時刻t6、t9においてステップ状に上昇してTr2になることがこのステップS4に対応している。
図4は、前輪Wf1,Wf2がフリーローラー状態でスタックする路面状況における制御ユニット50によるリアトルク指令の時系列変化を示すタイムチャート図である。なお、各横軸は統一した時間軸を表し、各縦軸は、上から順に、(a)アクセルペダル開度APD/ブレーキBRK、(b)前後車輪速VWf1,VWf2,VWr1,VWr2、(c)フリーローラー/スタック判定フラグ、(d)トルク開放判定フラグ、(e)スタンバイトルク判定フラグ、(f)指令リアトルクTrCMDをそれぞれ表している。
図4(a)に示されるように、時刻t1において、後輪Wr1,Wr2が停止した状態で前輪Wf1,Wf2が回転し始める。また、図4(f)に示されるように、前後輪間の差回転(クラッチ差回転ΔN)に応じて、指令リアトルクTrCMDが増加し始める。
時刻t2(=t1+T1)において、後輪Wr1,Wr2が停止した状態で前輪Wf1,Wf2が回転し始めてから第1閾値時間T1が経過する。その結果、図4(c)に示されるように、フリーローラー/スタック判定フラグが”0”から”1”に切り替わり、図4(f)に示されるように、指令リアトルクTrCMDがTr1までステップ状に引き上げられる。そして、その指令リアトルクTrCMDがLSDトルクTr1として出力される。
時刻t3において、図4(a)に示されるように、ブレーキBRKがオン状態となる。この場合、フリーローラー/スタック判定フラグが”1”であり且つ4輪全てが停止した状態である。そして、図4(d)に示されるように、トルク開放判定フラグが”1”になることで、図4(f)に示されるように、指令リアトルクTrCMDがステップ状にゼロになる。すなわち、クラッチ10において駆動トルク(油圧)が開放される。
時刻t4において、ブレーキBRKがオフ状態となり、図4(d)に示されるように、トルク開放判定フラグが”0”となる。このときは、時刻t3に駆動トルクが開放されてから第2閾値時間T2が経過していないため、図4(f)に示されるように、指令リアトルクTrCMDがステップ状にTr1まで引き上げられ、LSDトルクTr1として出力される。
時刻t5において、図4(a)に示されるように、ブレーキBRKがオン状態となり、トルク開放判定フラグが”0”から”1”に切り替わる。この場合、時刻t3と同様に、フリーローラー/スタック判定フラグが”1”であり且つ4輪全てが停止した状態である。そのため、指令リアトルクTrCMDがステップ状にゼロになり、クラッチ10において駆動トルク(油圧)が開放される。
時刻t6(=t5+T2)において、時刻t5に駆動トルクが開放されてから第2閾値時間T2が経過したことで、図4(e)に示されるように、スタンバイトルク判定フラグが”0”から”1”に切り替わる。これにより、指令リアトルクTrCMDがTr2(<Tr1)までステップ状に引き上げられる。そしてその指令リアトルクTrCMDがスタンバイトルクTr2として出力され続ける。なお、スタンバイトルク状態では、クラッチ10が所定のトルクで締結された後にクラッチ差回転ΔNが発生している状態である。
時刻t7において、図4(a)(b)に示されるように、ブレーキBRKがオフ状態となると共にアクセルペダルが開き始め、エンジン3からの駆動トルクがクラッチ10に伝達され始める。これにより、図4(d)に示されるように、トルク開放判定フラグは”1”から”0”に切り替わる。
時刻t8において、図4(a)(b)に示されるように、ブレーキBRKがオン状態となると共にアクセルペダルが閉じる。この場合、フリーローラー/スタック判定フラグが”1”であり且つ4輪全てが停止した状態である。そして、図4(d)に示されるようにトルク開放判定フラグが”0”から”1”に切り替わる。それと同時に、スタンバイトルク判定フラグが”1”から”0”に切り替わる。これらにより、図4(f)に示されるように、指令リアトルクTrCMDがステップ状にゼロになり、クラッチ10の駆動トルク(油圧)が開放される。
時刻t9(=t8+T2)において、時刻t8に駆動トルクが開放されてから第2閾値時間T2が経過する。この場合、図4(e)に示されるように、スタンバイトルク判定フラグが”0”から”1”に切り替わる。これにより、図4(f)に示されるように指令リアトルクTrCMDがステップ状にTr2まで引き上げられ、スタンバイトルク状態が再度形成される。
時刻t10において、図4(a)に示されるように、アクセルペダルが開き始め、エンジン3からのトルクがクラッチ10に伝達され始める。この場合、図4(d)に示されるように、トルク開放判定フラグが”1”から”0”に切り替わる。
時刻t11において、前輪の回転数VWf1,VWf2がゼロから立ち上がる。続けて時刻t12において後輪の回転数VWr1,VWr2がゼロから立ち上がる。
時刻t13(=t12+T3)において、後輪Wr1,Wr2が回転し始めてから第3閾値時間T3が経過することで、図4(c)に示されるように、フリーローラー/スタック判定フラグが”1”から”0”に切り替わる。また、図4(e)に示されるように、スタンバイトルク判定フラグが”1”から”0”に切り替わる。これにより、制御ユニット50は、クラッチ10に対するリアトルク指令を通常のリアトルク指令に戻し始める。なお、通常のリアトルク指令とは、図4(f)に点線で示すように、図4の時刻t2、t6などにおけるステップ状のリアトルク指令をかけない状態のことであり、例えば、図5に示されるリアトルク指令(基本配分トルク+LSDトルク)を意味している。
時刻t14以後、制御ユニット50は、通常のリアトルク指令を実行する。
以上の通り、本発明の制御ユニット50は、駆動輪である前輪Wf1,Wf2がフリーローラー状態でスタックしていると判断すると直ちに、指令リアトルクTrCMDを、ステップ状に引き上げる。そして、フリーローラー/スタック判定フラグが”1”の状態でブレーキBRKが作動し且つ4輪全てが停止した状態になると直ちに、指令リアトルクTrCMDをステップ状にゼロにし、クラッチ10の駆動トルク(クラッチ締結圧)を開放する。そして駆動トルクが開放されてから第2閾値時間T2が経過すると直ちに、指令リアトルクTrCMDをステップ状に引き上げ、スタンバイトルク状態を形成する。スタンバイトルク状態を形成することにより、車両1の発進に最低限必要な定格トルク以上の実トルクを後輪Wr1,Wr2に伝達することが可能となる。これにより、車両1は前輪Wf1,Wf2がフリーローラー状態でスタックしている走行状況を脱出することが出来るようになる。
また、本発明に係る指令リアトルクTrCMDは、推定総駆動トルクTrDに対する依存度が全体的に小さくなっている。その結果、前輪Wf1,Wf2がフリーローラー状態でスタックする路面状況において、指令リアトルクTrCMDが低く見積もられる(低い指令リアトルクTrCMDが出力される)ことがなくなる。また、指令リアトルクTrCMDの立ち上がりが速くなる。これにより、現在の指令リアトルクTrCMDを瞬時にステップ状に引き上げ、LSDトルク状態又はスタンバイトルク状態で車両1の発進に最低限必要な定格トルクを後輪Wr1,Wr2に伝達することが可能となる。
また、指令リアトルクTrCMDの立ち上がりが速くなることにより、クラッチ10の締結時間が短縮される。これにより、クラッチ(10)の発熱による伝達トルクの出力低下が発生しなくなる。
従って、本発明によれば、前後トルク配分用クラッチ10を制御することにより副駆動輪Wr1、Wr2に配分されるトルクを変える四輪駆動車両の駆動トルク配分装置において、主駆動輪である前輪Wf1、Wf2がフリーローラー状態でスタックする場合、車両の発進に最低限必要となる定格トルク以上の実トルクを副駆動輪である後輪Wr1、Wr2に瞬時に伝達することが可能となる。これにより、主駆動輪Wf1、Wf2がフリーローラー状態でスタックする路面状況又はそれと同等な路面状況において車両の走破性を高めることが可能となる。
1 四輪駆動車両
3 エンジン
4 自動変速機
5 フロントデフ
6,6 フロントドライブシャフト
7 プロペラシャフト
8 リアデフユニット
9,9 リアドライブシャフト
10 前後トルク配分用クラッチ(油圧式多板クラッチ)
19 リアデフ
20 駆動トルク伝達経路
30 油圧回路
50 制御ユニット(4WD・ECU:制御手段)
50A 指令リアトルク出力部(指令トルク出力部)
51 総駆動トルク出力部
52 基本配分トルク出力部
53 PID制御量出力部
54 減算部
55 乗算部
56 加算部
57 トルク制限部
60 油圧制御装置(トルク制御装置)
70 駆動トルク配分装置
CX PID制御量
TrCMD 指令リアトルク(指令配分駆動トルク)
T1 第1閾値時間
T2 第2閾値時間
T3 第3閾値時間
TrB 基本配分駆動トルク
TrD 推定総駆動トルク
Tr1 LSDトルク
Tr2 スタンバイトルク
ΔTr 残駆動トルク
ΣTr 加算駆動トルク
TrM 最大配分トルク
Wf1,Wf2 前輪(主駆動輪)
Wr1,Wr2 後輪(副駆動輪)

Claims (3)

  1. 車両の駆動源からの駆動トルクが常時伝達される主駆動輪と、
    前記駆動トルクが必要に応じ伝達される副駆動輪と、
    前記駆動トルクを前記副駆動輪に伝達するための駆動トルク伝達経路と、
    前記駆動トルク伝達経路を切断/接続するクラッチと、
    前記クラッチを制御することにより前記副駆動輪に配分される配分駆動トルクを制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記配分駆動トルクの指令値である指令配分駆動トルクを出力する指令トルク出力部を備え、
    該制御手段は、前記副駆動輪が停止した状態で前記クラッチの差回転が第1閾値時間継続するとき、前記クラッチに対する現在の指令配分駆動トルクをステップ状に引き上げるように構成されていることを特徴とする四輪駆動車両のトルク制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記指令配分駆動トルクをステップ状に引き上げた後に、前記主駆動輪及び副駆動輪の回転を制動するブレーキが作動され、且つ前記主駆動輪及び副駆動輪が停止するとき、前記指令配分駆動トルクを開放するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の四輪駆動車両のトルク制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記指令配分駆動トルクを開放してから所定時間が経過したら前記指令配分駆動トルクをステップ状にかけるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の四輪駆動車両のトルク制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003139165A (ja) * 2001-10-31 2003-05-14 Toyoda Mach Works Ltd 4輪駆動車の駆動力配分制御装置
JP2007196929A (ja) * 2006-01-30 2007-08-09 Gkn ドライブライン トルクテクノロジー株式会社 スタック脱出制御装置

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