JP2012030730A - 車両の動力伝達制御装置 - Google Patents

車両の動力伝達制御装置 Download PDF

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Kazuki Kobayashi
和貴 小林
Takumi Nishimura
拓海 西村
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Abstract

【課題】分配トルクが調整可能なトランスファを備えた車両の動力伝達制御装置において、タイトコーナーブレーキング現象を抑制し得るものを提供すること。
【解決手段】車両のトランスファに設けられた多板クラッチ機構により調整される分配トルクTc=0のとき2輪駆動状態が得られ、Tc>0のとき4輪駆動状態が得られる。Tcは、アクセル開度及びエンジン回転速度に基づいて得られる基本値Tc1に、車速V、舵角θs、及び路面摩擦係数μに基づいて得られる補正ゲインGを乗じることで決定される。θs=0(直進時)のとき、G=1となり、Tc=Tc1となる。θs>0(旋回時)のとき、Gは、0<G<1の値であって、θsが大きいほど、Vが大きいほど、且つ、μが大きいほど、より小さい値に決定される。この結果、分配トルクTcは、θsが大きいほど、Vが大きいほど、且つ、μが大きいほど、より小さい値に決定される。
【選択図】図3

Description

本発明は、トランスファを備えた車両の動力伝達制御装置に関する。
従来より、入力軸と、第1出力軸と、第2出力軸とを備えたトランスファが広く知られている(例えば、特許文献1を参照)。入力軸は、車両のエンジンに接続された変速機の出力軸と接続される。第1出力軸は、左右後輪(第1左右輪)と接続され、第2出力軸は、左右前輪(第2左右輪)と接続される。
このトランスファは、入力軸の駆動トルクの一部であって第2出力軸に分配されるトルク(分配トルク)を調整可能なクラッチ機構を備える。第2出力軸には、クラッチ機構により調整された分配トルクが伝達され、第1出力軸には、「入力軸の駆動トルクから分配トルクを減じて得られるトルク」が伝達される。
この「分配トルク」は、車両の走行状態に応じて調整される。分配トルクがゼロに調整される場合、エンジンの駆動トルクが左右後輪(第1左右輪)のみに伝達される「2輪駆動状態」が得られる。分配トルクがゼロより大きい値に調整される場合、エンジンの駆動トルクが左右後輪(第1左右輪)及び左右前輪(第2左右輪)にそれぞれ伝達される「4輪駆動状態」が得られる。4輪駆動状態では、「分配トルク」が大きければ大きいほど、エンジンの駆動トルクの左右前輪(第2左右輪)への分配比率が大きくなる(エンジンの駆動トルクの左右後輪(第1左右輪)への分配比率が小さくなる)。
特許第3650255号公報
ところで、所謂センターディファレンシャルが設けられていない車両においては、4輪駆動状態において操舵輪が転舵された状態で車両が走行すると、前後輪の間の回転速度差が発生することに起因して、所謂タイトコーナーブレーキング現象(滑らかな旋回が阻害されて曲がり難くなる現象)が発生する。上述のような「分配トルクが調整可能なトランスファ」が搭載された車両において、このタイトコーナーブレーキング現象を抑制することが望まれていたところである。
即ち、本発明の目的は、分配トルクが調整可能なトランスファを備えた車両の動力伝達制御装置において、タイトコーナーブレーキング現象を抑制し得るものを提供することにある。
本発明による車両の動力伝達制御装置は、車両の動力源に接続された変速機の出力軸と接続される入力軸と、左右前輪及び左右後輪のうち一方である第1左右輪と接続された第1出力軸と、左右前輪及び左右後輪のうち他方である第2左右輪と接続された第2出力軸と、前記入力軸の駆動トルクの一部であって前記第2出力軸に分配されるトルクである分配トルクを調整可能なクラッチ機構と、を備え、前記第2出力軸には前記クラッチ機構により調整された前記分配トルクが伝達され、前記第1出力軸には前記入力軸の駆動トルクから前記分配トルクを減じて得られるトルクが伝達されるように構成された(センターディファレンシャルを備えていない)トランスファと、前記車両の走行状態に応じて、前記クラッチ機構を制御して前記分配トルクを調整する制御手段とを備える。ここにおいて、前記分配トルクの調整可能範囲は、ゼロから、前記入力軸の駆動トルクの半分(即ち、前記入力軸の駆動トルクの第2左右輪への分配比率が0〜50%)であることが好適である。
この動力伝達制御装置の特徴は、前記制御手段が、前記車両の操舵輪の舵角に応じて前記分配トルクを調整するように構成されたことにある。この場合、前記舵角が大きければ大きいほど、前記分配トルクをより小さい値に調整するように構成されることが好適である。
一般に、動力源の駆動トルクの前後輪への分配比率が一定の状況下、操舵輪の舵角が大きければ大きいほど、タイトコーナーブレーキング現象が強まる。即ち、操舵輪の舵角が大きければ大きいほど、タイトコーナーブレーキング現象を抑制する要求度合が高くなる。他方、前記「分配トルク」が小さければ小さいほど(即ち、2輪駆動状態に近づけば近づくほど)、タイトコーナーブレーキング現象が抑制される。
上記構成は係る知見に基づく。これによれば、操舵輪の舵角が大きい場合、前記「分配トルク」が小さくされる。即ち、動力源の駆動トルクの第2左右輪への分配比率が0%に近づき(且つ、動力源の駆動トルクの第1左右輪への分配比率が100%に近づき)、2輪駆動状態に近づく。従って、操舵輪の舵角が大きい場合に、タイトコーナーブレーキング現象が抑制され得る。即ち、タイトコーナーブレーキング現象を抑制する要求度合が高い場合に、タイトコーナーブレーキング現象を十分に抑制することができる。
上記本発明に係る動力伝達制御装置においては、車両の速度が小さければ小さいほど、前記分配トルクをより大きい値に調整することが好適である。路面摩擦係数が小さい路面上にて車両が発進するような場合(即ち、車両の速度が小さい場合)において、スリップの発生を抑制して車両を確実に発進させるためには、路面に対して与えられる駆動力の総和を大きくする必要がある。このためには、動力源の駆動トルクの前後輪への分配比率をなるべく50%に近づけることが好ましい。
上記構成は係る知見に基づく。これによれば、車両の速度が小さい場合、前記「分配トルク」が大きくされる。即ち、動力源の駆動トルクの前後輪への分配比率が50%に近づく。従って、特に、路面摩擦係数が小さい路面上にて車両が発進するような場合において、車両を確実に発進させることができる。
また、上記本発明に係る動力伝達制御装置においては、前記車両が走行する路面の路面摩擦係数が大きければ大きいほど、前記分配トルクをより小さい値に調整することが好適である。一般に、路面摩擦係数が大きければ大きいほど、タイトコーナーブレーキング現象が強まる。即ち、路面摩擦係数が大きければ大きいほど、タイトコーナーブレーキング現象を抑制する要求度合が高くなる。
上記構成は係る知見に基づく。これによれば、路面摩擦係数が大きい場合、前記「分配トルク」が小さくされる。即ち、2輪駆動状態に近づく。従って、路面摩擦係数が大きい場合に、タイトコーナーブレーキング現象が抑制され得る。即ち、タイトコーナーブレーキング現象を抑制する要求度合が高い場合に、タイトコーナーブレーキング現象を十分に抑制することができる。
以上、説明した制御手段は、前記車両の走行状態に基づいて前記分配トルクの基本値(Tc1)を演算する基本値演算手段と、前記舵角に基づいて前記分配トルクの補正ゲイン(G)を演算する補正ゲイン演算手段と、を備え、前記基本値に前記補正ゲインを乗じることにより前記分配トルク(Tc)を決定するように構成され得る。ここにおいて、前記基本値は、例えば、動力源の駆動トルク、加速操作部材の操作量(アクセル開度)、動力源の運転速度等のように、上記3つのパラメータ(操舵輪の舵角、車両の速度、及び、路面摩擦係数)以外のパラメータに基づいて演算され得る。
この場合、前記舵角が大きければ大きいほど、前記補正ゲインがより小さい値に演算され得る。また、前記車両の速度が小さければ小さいほど、前記補正ゲインがより大きい値に演算され得る。また、路面摩擦係数が大きければ大きいほど、前記補正ゲインがより小さい値に演算され得る。
本発明の実施形態に係る車両の動力伝達制御装置を搭載した車両の動力伝達系統を模式的に示した図である。 図1に示す多板クラッチ機構についてのクラッチ駆動電流と分配トルクとの関係を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る車両の動力伝達制御装置が分配トルクを演算する際の機能ブロック図である。 図3に示す分配トルク補正値演算ブロックにおいて参照される、操舵輪の舵角と補正値との関係を示したグラフである。 図3に示す分配トルク補正値演算ブロックにおいて参照される、車両の速度と補正係数との関係を示したグラフである。 図3に示す分配トルク補正値演算ブロックにおいて参照される、路面摩擦係数と補正係数との関係を示したグラフである。
以下、本発明の実施形態に係る車両の動力伝達制御装置(以下、「本装置」とも呼ぶ。)について図面を参照しつつ説明する。図1は、本装置を搭載した車両の駆動システムの動力伝達系統を示す。この駆動システムは、トランスファT/Fと、後輪側ディファレンシャルD/Frと、前輪側ディファレンシャルD/Ffと、車輪速度センサVfr,Vfl,Vrr,Vrlと、前後加速度センサS1と、アクセル開度センサS2と、舵角センサS3と、2駆・4駆切換スイッチSWと、電子制御装置ECUと、を備える。
トランスファT/Fは、入力軸A1と、第1出力軸A2と、第2出力軸A3とを備える。入力軸A1は、エンジンE/Gと接続された変速機T/Mの出力軸と接続され、入力軸A1とエンジンE/Gとの間で動力伝達系統が形成されている。第1出力軸A2は、後輪側プロペラシャフトArpを介して後輪側ディファレンシャルD/Frと接続され、第1出力軸A2と後輪側ディファレンシャルD/Frとの間で動力伝達系統が形成されている。第2出力軸A3は、前輪側プロペラシャフトAfpを介して前輪側ディファレンシャルD/Ffと接続され、第2出力軸A3と前輪側ディファレンシャルD/Ffとの間で動力伝達系統が形成されている。
また、トランスファT/Fは、副変速機構Zと、多板クラッチ機構C/Tとを備える。副変速機構Zは、周知の構成の1つを有していて、入力軸A1の回転速度に対する第1出力軸A2の回転速度の割合が「1」となるHIGHモードと、同割合が「1」未満の一定値となるLOWモードと、を選択的に切り換え可能に構成されている。
多板クラッチ機構C/Tは、周知の構成の1つを有していて、第1出力軸A2の駆動トルクの一部(即ち、入力軸A1の駆動トルクの一部)であって第2出力軸A3に分配されるトルク(以下、「分配トルクTc」と呼ぶ)を調整可能となっている。より正確には、分配トルクTcは、第2出力軸A3に分配され得るトルクの最大値である。
分配トルクTcは、多板クラッチ機構C/T内の図示しないアクチュエータを駆動するための電流(以下、「クラッチ駆動電流I」と呼ぶ)を調整することにより調整可能となっている。具体的には、図2に示すように、分配トルクTcは、クラッチ駆動電流Iが「0」から増大するにつれて「0」から増大するように調整される。クラッチ駆動電流Iが最大値Imaxであるとき、分配トルクTcが最大値Tcmaxを採る。
後輪側ディファレンシャルD/Frは、周知の構成の1つを有していて、後輪側プロペラシャフトArpのトルクを右後輪の車軸Arr及び左後輪の車軸Arlを介して左右後輪に分配するようになっている。同様に、前輪側ディファレンシャルD/Ffは、周知の構成の1つを有していて、前輪側プロペラシャフトAfpのトルクを右前輪の車軸Afr及び左前輪の車軸Aflを介して左右前輪に分配するようになっている。
以上、この駆動システムは、センターディファレンシャルを備えていない。この駆動システムは、多板クラッチ機構C/Tにより調整される分配トルクTcがゼロのとき、2輪駆動状態(後輪駆動状態)となり、多板クラッチ機構C/Tにより調整される分配トルクTcがゼロより大きいとき、4輪駆動状態となる。
4輪駆動状態においては、分配トルクTcが大きければ大きいほど、エンジンE/Gの駆動トルクの左右前輪への分配比率が大きくなる。換言すれば、エンジンE/Gの駆動トルクの左右後輪への分配比率が小さくなる。分配トルクTcの調整可能範囲は、第1出力軸A2の駆動トルク(入力軸A1の駆動トルク)よりも小さい範囲で設定され、好ましくは、ゼロから、第1出力軸A2の駆動トルク(入力軸A1の駆動トルク)の半分に設定され得る。即ち、エンジンE/Gの駆動トルクの左右前輪への分配比率が0〜50%(即ち、左右後輪への分配比率が100〜50%)に設定され得る。以下、2輪駆動を「2駆」、4輪駆動を「4駆」と呼ぶこともある。
車輪速度センサVfr,Vfl,Vrr,Vrlは、対応する車輪の車輪速度をそれぞれ検出するようになっている。前後加速度センサS1は、車両の前後方向の加速度(前後加速度)Gxを検出するようになっている。アクセル開度センサS2は、アクセルペダルAPの操作量(アクセル開度)Accpを検出するようになっている。舵角センサS3は、操舵輪(左右前輪)の舵角θs(中立位置からの相対舵角)を検出するようになっている。2駆・4駆切換スイッチSWは、車両の乗員の操作により、「2駆モード」と「4駆モード」とを選択可能に構成されている。
電子制御装置ECUは、周知の構成の1つを有するマイクロコンピュータである。電子制御装置ECUは、車両の状態に応じて、エンジンE/G、及び自動変速機A/Tの状態を制御するようになっている。また、電子制御装置ECUは、運転者により操作される操作部材(図示せず)の状態(位置)に基づいて、副変速機構Zの状態(HIGHモードかLOWモードか)を制御するためのアクチュエータ(図示せず)を制御するようになっている。
加えて、電子制御装置ECUは、4輪の回転速度、及び2駆・4駆切換スイッチSWの状態等に応じて、多板クラッチ機構C/Tの状態(分配トルクTc)を制御するためのアクチュエータ(図示せず)を制御するようになっている。
具体的には、2駆・4駆切換スイッチSWが「2駆モード」に設定されている場合、駆動システムは常に2輪駆動状態(Tc=0)に維持される。一方、2駆・4駆切換スイッチSWが「4駆モード」に設定されている場合、通常は駆動システムが2輪駆動状態(Tc=0)とされ、左右後輪に加速方向のスリップ(加速スリップ)が発生したと判定された場合にのみ、駆動システムが2輪駆動状態(Tc=0)から4輪駆動状態(Tc>0)へと切り換えられるようになっている。そして、駆動システムが4輪駆動状態へと切り換えられた後、周知の条件の1つが成立すると、駆動システムが4輪駆動状態から2輪駆動状態へと戻される。
このように、本装置は、スリップが発生した場合にのみ4輪駆動状態となる所謂オンデマンド式4WD装置である。車輪に加速スリップが発生したか否かの判定は、例えば、「車輪速度の平均値が車両の前後加速度Gxの積分値から得られる推定車速よりも大きく且つその差が所定値以上」であるか否か等に基づいてなされ得る。
(4輪駆動状態における分配トルクTcの調整)
次に、4輪駆動状態における本装置による分配トルクTcの調整について、図3〜図6を参照しながら説明する。図3に示すように、4輪駆動状態において、本装置は、分配トルク基本値演算ブロックにて、分配トルクの基本値Tc1を演算する。基本値Tc1は、例えば、アクセル開度Accp、及び、エンジンE/Gの回転速度NEに基づいて決定される。基本値Tc1は、例えば、車両直進時において駆動トルクの前後輪への分配比率が最適となるように決定される。回転速度NEは、図示しないエンジン回転速度センサ等から取得され得る。なお、基本値Tc1は、周知の手法の1つに従って推定される現在のエンジンE/Gの駆動トルクの推定値に基づいて決定されてもよい。
また、本装置は、分配トルク補正ゲイン演算ブロックにて、分配トルクの補正ゲインGを演算する。補正ゲインGは、車両の速度(車速)V、舵角θs、及び、路面摩擦係数μに基づいて決定される。車速Vは、4輪の車輪速度に基づいて演算され得る。路面摩擦係数μは、周知の手法の1つに従って取得される。具体的には、補正ゲインGは、車両の速度(車速)V、舵角θs、及び、路面摩擦係数μの3次元マップにより決定される。
図4から理解できるように、μ=一定、及び、V=一定の場合、θs=0のときにG=1となり、θs>0ではθsが増大するにつれてGが「1」から減少する。図5から理解できるように、θs=一定、及び、μ=一定の場合、Vが「0」から増大するにつれてGが減少する。図6から理解できるように、θs=一定、及び、V=一定の場合、μが増大するにつれてGが減少する。
再び、図3を参照すると、本装置は、基本値Tc1に補正ゲインGを乗じることによって、分配トルク指令値Tctを演算する。そして、本装置は、多板クラッチ機構C/Tの分配トルクTcが分配トルク指令値Tctに一致するように、多板クラッチ機構C/Tのアクチュエータを制御する。
以上より、舵角θsが「0」の場合(車両直進時)、補正ゲインGが「1」に維持されるので、分配トルクTcは、基本値Tc1と等しい値に調整される。この結果、車両直進時において、駆動トルクの前後輪への分配比率が最適となるように調整され得る。
一方、舵角θsが「0」より大きい場合(車両旋回時)、補正ゲインGが「1」より小さい値(0<G<1)に決定されるので、分配トルクTcは、基本値Tc1よりも小さい値に調整される。具体的には、分配トルクTcは、θsが大きければ大きいほどより小さい値に調整され、Vが大きければ大きいほどより小さい値に調整され(即ち、Vが小さければ小さいほどより大きい値に調整され)、μが大きければ大きいほどより小さい値に調整される。
(作用・効果)
以下、舵角θsが「0」より大きい場合(車両旋回時)において、分配トルクTcが上記のように調整されることによる作用・効果について説明する。
(観点1)θsが大きければ大きいほどTcがより小さい値に調整される点
この駆動システムでは、所謂センターディファレンシャルが設けられていない。従って、4輪駆動状態において舵角θsが「0」より大きい状態(即ち、操舵輪が転舵された状態)で車両が走行すると、タイトコーナーブレーキング現象が発生する。ここで、エンジンE/Gの駆動トルクの前後輪への分配比率が一定の場合、舵角θsが大きければ大きいほど、タイトコーナーブレーキング現象が強まる。従って、舵角θsが大きければ大きいほど、タイトコーナーブレーキング現象を抑制する要求度合が高い。他方、分配トルクTcが小さければ小さいほど(即ち、2輪駆動状態に近づけば近づくほど)、タイトコーナーブレーキング現象が抑制される。(観点1)はこのような観点に基づく。(観点1)によれば、舵角θsが大きい場合、舵角θsが小さい場合に比して、分配トルクTcが小さくされる。即ち、駆動トルクの左右前輪への分配比率が0%に近づき(且つ、駆動トルクの左右後輪への分配比率が100%に近づき)、2輪駆動状態に近づく。従って、舵角θsが大きくてタイトコーナーブレーキング現象を抑制する要求度合が高い場合に、タイトコーナーブレーキング現象を十分に抑制することができる。
(観点2)Vが小さければ小さいほどTcがより大きい値に調整される点
例えば、路面摩擦係数が小さい路面上にて車両が発進するような場合(即ち、車速Vが小さい場合)を想定する。この場合、スリップの発生を抑制して車両を確実に発進させるためには、路面に対して与えられる駆動力の総和を大きくする必要がある。このためには、駆動トルクの前後輪への分配比率をなるべく50%に近づけることが好ましい。(観点2)はこのような観点に基づく。(観点2)によれば、車速Vが小さい場合、車速Vが大きい場合に比して、分配トルクTcが大きくされる。即ち、駆動トルクの前後輪への分配比率が50%に近づく。従って、特に、路面摩擦係数が小さい路面上にて車両が発進するような場合において、車両を確実に発進させることができる。
(観点3)μが大きければ大きいほどTcがより小さい値に調整される点
一般に、路面摩擦係数μが大きければ大きいほど、タイトコーナーブレーキング現象が強まる。従って、路面摩擦係数μが大きければ大きいほど、タイトコーナーブレーキング現象を抑制する要求度合が高い。(観点3)はこのような観点に基づく。(観点3)によれば、路面摩擦係数μが大きい場合、路面摩擦係数μが小さい場合に比して、分配トルクTcが小さくされる。即ち、2輪駆動状態に近づく。従って、路面摩擦係数μが大きくてタイトコーナーブレーキング現象を抑制する要求度合が高い場合に、タイトコーナーブレーキング現象を十分に抑制することができる。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態では、2輪駆動状態として後輪駆動状態が採用されている。これに対し、2輪駆動状態として前輪駆動状態が採用されてもよい。この場合、トランスファT/Fの第1出力軸A2が前輪側プロペラシャフトAfpと接続され、トランスファT/Fの第2出力軸A3が後輪側プロペラシャフトAfpと接続されるように構成すればよい。また、上記実施形態においては、トランスファT/F内に副変速機構Zが備えられているが、副変速機構がなくてもよい。
また、上記実施形態では、変速機M/Tとしては、自動変速機A/Tが使用されてもよいし、手動変速機M/Tが使用されてもよい。また、上記実施形態では、2駆・4駆切換スイッチSWが「4駆モード」に設定されている場合においてスリップが発生した場合にのみ4輪駆動状態となる所謂オンデマンド式4WD装置が採用されているが、2駆・4駆切換スイッチSWが「4駆モード」に設定されていることを条件に常に4輪駆動状態となる所謂パートタイム式4WD装置が採用されてもよい。また、2駆・4駆切換スイッチSWが設けられておらず、常に4輪駆動状態となる所謂フルタイム式4WD装置(ただし、センターディファレンシャルなし)が採用されてもよい。
加えて、上記実施形態では、分配トルク基本値Tc1及び分配トルク補正値Tc2がそれぞれ演算され、分配トルク基本値Tc1に分配トルク補正ゲインGを乗じることにより分配トルクTc(より正確には、分配トルク指令値Tct)が演算されているが、マップ、関数等を使用して、アクセル開度Accp、エンジンE/Gの回転速度NE、舵角θs、車速V、及び路面摩擦係数μに基づいて、上記(観点1)〜(観点3)が実現されるように、分配トルクTc(より正確には、分配トルク指令値Tct)が一時に演算されてもよい。また、分配トルク基本値Tc1から、舵角θs、車速V、及び路面摩擦係数μに基づいて演算された補正量を減じることにより、分配トルクTc(より正確には、分配トルク指令値Tct)が演算されてもよい。
E/G…エンジン、T/M…変速機、T/F…トランスファ、C/T…多板クラッチ機構、A1…入力軸、A2…第1出力軸、A3…第2出力軸、Vfr,Vfl,Vrr,Vrl…車輪速度センサ、S1…前後加速度センサ、S2…アクセル開度センサ、S3…舵角センサ、ECU…電子制御装置

Claims (8)

  1. 車両の動力源(E/G)に接続された変速機(T/M)の出力軸と接続される入力軸(A1)と、左右前輪及び左右後輪のうち一方である第1左右輪と接続された第1出力軸(A2)と、左右前輪及び左右後輪のうち他方である第2左右輪と接続された第2出力軸(A3)と、前記入力軸の駆動トルクの一部であって前記第2出力軸に分配されるトルクである分配トルク(Tc)を調整可能なクラッチ機構(C/T)と、を備え、前記第2出力軸には前記クラッチ機構により調整された前記分配トルクが伝達され、前記第1出力軸には前記入力軸の駆動トルクから前記分配トルクを減じて得られるトルクが伝達されるように構成されたトランスファ(T/F)と、
    前記車両の走行状態に応じて、前記クラッチ機構を制御して前記分配トルクを調整する制御手段(ECU)と、
    を備えた車両の動力伝達制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記車両の操舵輪の舵角(θs)に応じて前記分配トルクを調整するように構成された車両の動力伝達制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両の動力伝達制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記舵角が大きければ大きいほど、前記分配トルクをより小さい値に調整するように構成された車両の動力伝達制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両の動力伝達制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記車両の速度(V)が小さければ小さいほど、前記分配トルクをより大きい値に調整するように構成された車両の動力伝達制御装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の車両の動力伝達制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記車両が走行する路面の路面摩擦係数(μ)が大きければ大きいほど、前記分配トルクをより小さい値に調整するように構成された車両の動力伝達制御装置。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の車両の動力伝達制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記車両の走行状態に基づいて前記分配トルクの基本値(Tc1)を演算する基本値演算手段と、
    前記舵角に基づいて前記分配トルクの補正ゲイン(G)を演算する補正ゲイン演算手段と、
    を備え、
    前記基本値に前記補正ゲインを乗じることにより前記分配トルク(Tc)を決定するように構成された車両の動力伝達制御装置。
  6. 請求項5に記載の車両の動力伝達制御装置において、
    前記補正ゲイン演算手段は、
    前記舵角が大きければ大きいほど、前記補正ゲインをより小さい値に演算するように構成された車両の動力伝達制御装置。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の車両の動力伝達制御装置において、
    前記補正ゲイン演算手段は、
    前記車両の速度(V)が小さければ小さいほど、前記補正ゲインをより大きい値に演算するように構成された車両の動力伝達制御装置。
  8. 請求項5乃至請求項7の何れか一項に記載の車両の動力伝達制御装置において、
    前記補正ゲイン演算手段は、
    前記車両の走行する路面の路面摩擦係数(μ)が大きければ大きいほど、前記補正ゲインをより小さい値に演算するように構成された車両の動力伝達制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020199804A (ja) * 2019-06-06 2020-12-17 井関農機株式会社 作業車両

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