JP2018033421A - 多層状ベーカリー食品及びその製造方法 - Google Patents

多層状ベーカリー食品及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】焼成穀粉生地の層とチョコレートの層とが多層状となり、焼成穀粉生地とチョコレートとの食感のギャップを感じることができ、長期間保存してもチョコレートの層から油脂の浸み出しのない、品質の安定した多層状ベーカリー食品と、その製造方法の提供。【解決手段】焼成穀粉生地の層とチョコレートの層とを含有する多層状ベーカリー食品であって、該チョコレートは0.8〜3質量%の水を含有するチョコレート生地を焼成固化又は冷却固化したチョコレートである多層状ベーカリー食品。また、前記チョコレートの層を2層以上含有してもよい多層状ベーカリー食品。前記食品がバウムクーヘンである多層上ベーカリー食品。【選択図】なし

Description

本発明は、焼成穀粉生地の層とチョコレートの層とが多層状になったベーカリー食品に関するものである。
穀粉を含む生地を焼成して得られる、クッキー、パン、ケーキ等のベーカリー食品は、消費者の嗜好の多様化に伴い、風味、食感、外観等のバリエーションに富んだものが開発されてきた。最近では、チョコレートでコーティングされたベーカリー食品や、チョコレートを包餡したベーカリー食品が多く提供されているが、焼成穀粉生地の層とチョコレートの層とが多層状になったベーカリー食品は、ほとんど提供されていない。特に、ケーキとチョコレートとを多層状にすることは、製造上困難であった。
焼成穀粉生地の層を含む多層状のベーカリー食品に関する技術として、ケーキ層の間に、フルーツジャムなどのケーキ層とは異なる味覚の層を挟んだ、新たな味覚と外観上の変化に富んだバウムクーヘン(特許文献1)や、ケーキ層とゼリー層とを含み、レトルト殺菌することにより製造された、ゼリー層のケーキ層への滲みこみを防いだ多層ケーキ(特許文献2)が報告されているが、焼成穀粉生地の層とチョコレートの層とが多層状になり、それぞれの異なる食感が同時に感じられる新しい食感のベーカリー食品についての報告はない。
また、チョコレートでコーティングされたベーカリー食品は、手で持ったときに、チョコレートが溶けてベタついたり、室温で長期保存すると、チョコレート中の油脂の浸み出しが起こり、包材を汚したりして、商品価値を著しく損なうことがあった。
特開2000−354453号公報 特開2016−63767号公報
従って、本発明は、焼成穀粉生地の層とチョコレートの層とが多層状となり、焼成穀粉生地とチョコレートとの食感のギャップを感じることができ、長期間保存してもチョコレートの層から油脂の浸み出しのない、品質の安定した多層状ベーカリー食品と、その製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、チョコレートの層に特定量の水を含むチョコレート生地を固化して得られるチョコレートを使用することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1)焼成穀粉生地の層とチョコレートの層とを含有する多層状ベーカリー食品であって、該チョコレートは0.8〜3質量%の水を含有するチョコレート生地を焼成固化又は冷却固化したチョコレートであることを特徴とする多層状ベーカリー食品。
(2)前記チョコレートの層を2層以上含有することを特徴とする請求項1に記載の多層状ベーカリー食品。
(3)前記多層状ベーカリー食品がバウムクーヘンであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の多層状ベーカリー食品。
(4)焼成穀粉生地の層とチョコレートの層とを含有する多層状ベーカリー食品の製造方法であって、[1]穀粉生地を焼成する工程、[2][1]の焼成した穀粉生地に、穀粉生地又は0.8〜3質量%の水を含有するチョコレート生地を塗布し、焼成して、焼成穀粉生地の層又はチョコレートの層を得る工程、[3][2]の工程を1回〜複数回繰り返す工程、を含有することを特徴とする多層状ベーカリー食品の製造方法。
(5)焼成穀粉生地の層とチョコレートの層とを含有する多層状ベーカリー食品の製造方法であって、[1]穀粉生地を焼成する工程、[2][1]の焼成した穀粉生地に、穀粉生地又は0.8〜3質量%の水を含有するチョコレート生地を塗布し、穀粉生地は焼成し、チョコレート生地は冷却固化して、焼成穀粉生地の層又はチョコレートの層を得る工程、[3][2]の工程を1回〜複数回繰り返す工程、を含有することを特徴とする多層状ベーカリー食品の製造方法。
本発明によると、焼成穀粉生地の層とチョコレートの層とが多層状となり、焼成穀粉生地とチョコレートとの食感のギャップを感じることができ、長期間保存してもチョコレートの層から油脂の浸み出しのない、品質の安定した多層状ベーカリー食品と、その製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されない。
〔多層状ベーカリー食品〕
本発明の多層状ベーカリー食品は、焼成穀粉生地の層と、チョコレートの層とを含有し、3層〜30層に多層化されたベーカリー食品である。ここで、前記ベーカリー食品は、焼成穀粉生地の層と、チョコレートの層とを含むものであれば、限定されないが、パン、ケーキ、クッキー等が挙げられ、より好ましい態様として、ケーキ類、特にバウムクーヘンが挙げられる。
また、本発明の多層状ベーカリー食品は、チョコレートの層を2層以上含有すると、食感のギャップと外観上の変化に富んだベーカリー食品となるため好ましい。
本発明の多層状ベーカリー食品の焼成穀粉生地及びチョコレートの層の厚さは、特に限定されないが、外観上の観点から0.1〜3mmが好ましく、0.2〜2mmがより好ましく、0.3〜1mmが最も好ましい。
〔焼成穀粉生地〕
本発明で使用する焼成穀粉生地は、穀粉生地を焼成して得られる。前記穀粉生地は、小麦粉と必要に応じて小麦粉以外の穀粉(たとえば米粉、とうもろこし、ライ麦、そば、大豆粉等)に水を加え、必要に応じてマーガリン、ショートニングなどの油脂類、糖類、脱脂粉乳、脱脂乳、牛乳などの乳製品、卵と卵加工品、食塩、かん水、イースト、乳化剤、香料、調味料などの副材料を加えて混捏した生地をいう。穀粉生地全体中の小麦粉の含有量は20質量%以下が好ましい。前記穀粉生地には、パン生地、イースト菓子生地、ケーキ生地、和菓子生地が挙げられる。
また、本発明の多層状ベーカリー食品は、2種以上の異なる焼成穀粉生地の層を含んでも良い。
本発明の多層状ベーカリー食品がバウムクーヘンである場合、本発明で使用する穀粉生地は、一般に使用されているバウムクーヘン用生地であれば、特に限定されない。具体的には、主要原料として小麦粉、卵類、油脂、糖類を含有し、生地の比重が、0.4〜1.0のものが挙げられる。
〔チョコレート〕
本発明で使用するチョコレートは、0.8〜3質量%の水を含有するチョコレート生地を焼成又は冷却固化して得られる。本発明で使用するチョコレート生地は、食用油脂、及び糖類を主原料とし、必要に応じてカカオ成分(カカオマス、ココアパウダー等)、乳製品、香料、乳化剤等を加えて溶解混合した固化前のチョコレートをいう。前記チョコレート生地には、ダークチョコレート及びミルクチョコレートの他に、ホワイトチョコレート及びカラーチョコレートの固化前の生地が挙げられる。
本発明で使用するチョコレートは、チョコレート生地に少量の水を含有することで、該生地中に含まれる糖がネットワーク構造を形成しやすくなる。そして、糖がネットワーク構造を形成したチョコレートは、耐熱性が向上する。本発明で使用するチョコレート生地は、水の含有量が1.0〜2.5質量%が好ましく、1.1〜2.2質量%がより好ましく、1.2〜2.0質量%が最も好ましい。水の含有量が上記の範囲にあると、本発明の多層状ベーカリー食品の製造において、穀粉生地を焼成する工程を繰り返しても、チョコレートの層が再融解せず、焼成穀粉生地の層とチョコレートの層とが均一な多層状となり、綺麗な外観になる。さらに、本発明の多層状ベーカリー食品を食したときに、チョコレートの食感(スナップ性)がしっかり感じられ、また、長期保存時に、チョコレート中の油脂の浸み出しを抑制することができる。他方、チョコレート生地中の水の含有量が3質量%よりも多くなると、チョコレート生地の粘度が高くなり、ハンドリングが悪くなる。
なお、チョコレートの水含有量は、常法に従って、常圧乾熱乾燥法やカールフィッシャー法により測定できる。
本発明で使用するチョコレートは、テンパー型チョコレートとノンテンパー型チョコレートどちらであってもよい。また、本発明の多層状ベーカリー食品は、2種以上の異なるチョコレートの層を含んでも良い。
本発明で使用するチョコレートは糖類を含有する。本発明で使用するチョコレートに含まれる糖類の含有量は、20〜60質量%が好ましく、25〜55質量%がより好ましく、30〜50質量%が最も好ましい。なお、前記糖類は、蔗糖、乳糖、ソルビトールなどとして原材料に配合されるものを意味し、他の原材料(カカオマス、ココアパウダー、全脂粉乳など)由来の糖類は除いたものである。
本発明で使用するチョコレートは油脂を含有する。本発明で使用するチョコレートに含まれる油脂含有量は、25〜60質量%が好ましく、30〜55質量%がより好ましく、30〜45質量%が最も好ましい。なお、前記油脂は、配合される油脂以外に、含油原料(カカオマス、ココアパウダー、全脂粉乳など)由来の油脂(ココアバター、乳脂等)も含む。例えば、一般的に、カカオマスに含まれる油脂(ココアバター)の含有量は55質量%(含油率0.55)であり、ココアパウダーに含まれる油脂(ココアバター)の含有量は11質量%(含油率0.11)であり、全脂粉乳に含まれる油脂(乳脂)含有量は25質量%(含油率0.25)である。よって、チョコレートに含まれる油脂の含有量は、チョコレート中の各原料の配合量(質量%)に含油率を掛け合わせた値を合計した値となる。
本発明で使用するチョコレートに含まれる油脂は、その固体脂含有量(以下、SFCとも表す)が、好ましくは10℃で5〜45%、20℃で3〜30%、30℃で2〜15%、及び40℃0〜6%であり、より好ましくは10℃で5〜34%、20℃で3〜18%、30℃で2〜10%、及び40℃0〜5%である。SFCが上記範囲内にあると、本発明の多層状ベーカリー食品を製造する際に、チョコレート生地のハンドリングが良くなる。
なお、チョコレートに含まれる油脂のSFC(%)は、社団法人日本油化学会編、「基準油脂分析試験法」の2.2.9−2003固体脂含量(NMR法)に従って測定することができる。
本発明のチョコレートに含まれる油脂は、特に制限されない。本発明のチョコレートに含まれる油脂は、通常の食用油脂を使用できる。例えば、ココアバター、パーム油、パーム分別油、シア脂、シア分別油、サル脂、サル分別油、イリッペ脂、コクム脂、マンゴー脂、マンゴー分別油、大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、ひまわり油、米油、コーン油、ゴマ油、オリーブ油、ヤシ油、パーム核油、牛脂、豚脂および乳脂などの動植物油脂、あるいはこれらに混合、分別、エステル交換、水素添加等の1種以上の処理が適用されることにより得られる加工油脂の中から1種以上を選択して使用できる。
〔多層状ベーカリー食品の製造方法〕
本発明の多層状ベーカリー食品の製造方法は、穀粉生地を焼成して焼成穀粉生地の層を得る工程と、チョコレート生地を焼成固化又は冷却固化してチョコレートの層を得る工程とを含み、前記の工程を複数回繰り返して多層化する製造方法である。製造時間を短縮するためには、チョコレート生地を焼成固化する製造方法が好ましい。
本発明において穀粉生地を焼成するときの温度、及びチョコレート生地を焼成固化するときの設定温度は、100℃以上であり、100〜250℃が好ましい。また、穀粉生地及びチョコレート生地の焼成には、オーブン、マイクロ波、過加熱蒸気などが選択でき、焼成時間は、焼成温度や焼成装置の能力、及び焼成される生地の量などにより、適宜調整することができる。
本発明においてチョコレート生地を冷却固化するときの温度は、融液状態のチョコレートが固化する温度であれば特に限定されないが、0〜20℃が好ましく、0〜10℃がより好ましい。また、冷却には、放冷、冷却プレート、冷風吹付等が選択でき、冷却時間は、冷却温度や冷却装置の能力、及びチョコレート生地の量などにより適宜調整することができる。
本発明で使用する焼成穀粉生地の製造方法は特に制限されないが、例えば、シュガーバッター法、フラワーバッター法、オールインミックス法、溶かしバター法、別立て法、後粉法、後油法、湯捏法など一般的な生地の製法を適宜選択し、必要により組み合わせて適用することが可能である。なお、本発明では、オールインミックス法であることが、製造の効率化の点で好ましい。
本発明で使用するチョコレート生地の製造方法は特に制限されないが、例えば、油脂、カカオ成分、糖類、乳製品、及び乳化剤などの原材料を使用して、混合工程、微粒化工程(リファイニング)、精練工程(コンチング)および冷却工程などを経て、製造される。精錬工程の後で、必要に応じて、テンパリング処理が行われてもよい。
本発明で使用するチョコレート生地は、その製造工程において、融液状態にあるチョコレート生地に、水を添加分散する工程(水添加工程)を有する。ここで融液状態とは、チョコレート生地に含まれる油脂が融解された状態を指す。水添加工程における融液状態にあるチョコレート生地の温度は、ノンテンパー型チョコレート生地の場合、好ましくは30〜70℃であり、より好ましくは35〜60℃であり、さらに好ましくは35〜55℃である。また、テンパー型チョコレート生地の場合は、水添加工程後、シーディング処理をする場合は、ノンテンパー型と同様で良いが、テンパリング処理もしくはシーディング処理の後、水添加工程を採る場合は、好ましくは24〜42℃であり、より好ましくは28〜40℃であり、さらに好ましくは30〜38℃である。
水添加工程において添加される水は、水のみであってもよいが、水と共に水以外の成分を含む組成物(以下、このような組成物を「含水材」という)であってもよい。水添加工程において添加する水は、添加量が同じであっても、水と共に添加する成分によって、融液状態のチョコレートの粘度上昇速度が変化し得る。具体的には、水のみ、又は、水分含有量の高い含水材(果汁、牛乳等)を添加すると、チョコレート生地の粘度は急激に上昇しやすい。他方、糖液やタンパク液等の含水材を添加すると、比較的緩やかに粘度が上昇する傾向にある。急激に粘度が上昇すると、水を、融液状態のチョコレート生地中に十分に分散できない可能性があるため、水添加工程における水は、含水材、特に糖液やタンパク液であることが好ましい。
前記糖液としては、果糖、ブドウ糖、蔗糖、麦芽糖、オリゴ糖等の糖と水とを含む、還元水飴や果糖ブドウ糖液糖、ソルビトール液等の溶液が挙げられる。タンパク液としては、卵白メレンゲ、濃縮乳、生クリーム等のタンパク質と、水とを含む溶液が挙げられる。糖液やタンパク液に含まれる水分の含有量は、溶液全体に対して10〜90質量%であってもよく、10〜50質量%であってもよい。水添加工程において、水を含水材の形態で添加する場合は、その添加量は、融液状態のチョコレート生地に含まれる水の量が0.8〜3質量%の範囲となるように添加すればよい。
水添加工程において使用する水や含水材の温度は、特に限定されないが、水や含水材を添加しようとする融液状態のチョコレート生地の温度と同程度であることが、融液状態のチョコレート生地の温度を一定に保ち、水や含水材を均一に分散させやすい点で好ましい。水を融液状態のチョコレート生地に添加した後は、撹拌等により水をチョコレート生地中に均一に分散させてもよい。
本発明の多層状ベーカリー食品が、バウムクーヘンである場合の好ましい実施態様としては、穀粉生地は、ショートニング、砂糖、薄力粉、コーンスターチ、糖アルコール、ベーキングパウダー、サラダ油等の卵以外の原料を混合し、さらに全卵を加えて均一に混合して調製する。混合はミキサーを用い、比重0.6前後になるまでミキシングする。
他方、チョコレート生地は、油脂、カカオ成分、糖類、乳製品、乳化剤等の原材料を使用して、混合工程、微粒化工程(リファイニング)、精練工程(コンチング)、冷却工程等を経て、最後に、チョコレート生地が所望の含水量となるように含水材を添加し混合して調製する。
バウムクーヘンのチョコレート層を焼成固化して製造する場合は、通常のバウムクーヘンの製造方法に準拠して、(1)上記穀粉生地を焼成し、(2)焼成した穀粉生地に、上記穀粉生地又は上記チョコレート生地を塗布した後、焼成し、(3)(2)の工程を1回〜複数回繰り返して層状にすることで本発明のバウムクーヘンを得ることができる。
バウムクーヘンのチョコレート層を冷却固化して製造する場合は、通常のバウムクーヘンの製造方法に準拠して、(1)上記穀粉生地を焼成し、(2)焼成した穀粉生地に、上記穀粉生地又は上記チョコレート生地を塗布した後、穀粉生地は焼成し、チョコレート生地は冷却固化し、(3)(2)の工程を1回〜複数回繰り返して層状にすることで本発明のバウムクーヘンを得ることができる。
次に、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明する。しかし、本発明は、これらになんら制限されるものではない。
(穀粉生地の調製)
表1の配合に従って、ショートニング、砂糖、薄力粉、コーンスターチ、糖アルコール、ベーキングパウダー、サラダ油を混ぜ合わせ、さらに全卵を加えて均一に混合した。混合はミキサーを用い、比重0.6前後になるまで中速でミキシングした。比重0.6前後になった後、ミキシングを停止し、最後に水を混合することで、穀粉生地を調製した。
Figure 2018033421
(チョコレート生地の調製)
表2の配合に従って、融液状態(48℃)のチョコレート生地を製造した。前記チョコレート生地は、常法に従って、混合、微粒化(リファイニング)、精錬(コンチング)の各工程を経て得られた。なお、チョコレート生地中の水含有量は、カールフィッシャー法により測定し、チョコレート中の油脂のSFC(%)は、NMR法により測定した。
Figure 2018033421
(バウムクーヘンの製造−1)
・実施例1:
(1)一辺21cmのスクエア型に、上記穀粉生地を90g流し込み、上火250℃、下火100℃に設定した固定オーブンで5分間焼成した。
(2)(1)の焼成生地に、上記穀粉生地を90g流し込み、同じ条件で焼成する作業を繰り返し、3層の焼成穀粉生地を得た。
(3)別に、融液状態の上記チョコレート生地100質量部に、果糖ブドウ糖液糖(水含有量25質量%)4質量部を添加して均一に混合した。次に、前記チョコレート生地を(2)の焼成穀粉生地の上に140g塗布し、上火250℃、下火100℃に設定した固定オーブンで2分間焼成してチョコレート生地を固化した。なお、前記の果糖ブドウ糖液糖を加えたチョコレート生地中の水の含有量は1.6%であった。
(4)(2)と(3)の作業を繰り返し行い、合計11層で下から4層目と8層目にチョコレートの層が入った板状のバウムクーヘンを得た。
・実施例2:チョコレート生地を10℃の恒温槽中で20分間冷却してチョコレート生地を冷却固化した以外は、実施例1と同様の作業を行い、合計11層からなる板状のバウムクーヘンを得た。
・比較例1:果糖ブドウ糖液糖を添加しないチョコレート生地を用い、それ以外は、実施例1と同様の作業を行ったが、焼成時にチョコレートが固化せず、均一な層状のバウムクーヘンが得られなかった。なお、前記のチョコレート生地中の水の含有量は0.6%であった。
・比較例2:果糖ブドウ糖液糖を添加しないチョコレート生地を用い、それ以外は、実施例2と同様の作業を行い、合計11層からなる板状のバウムクーヘンを得た。
(バウムクーヘンの評価)
上記で製造した、実施例1、実施例2、及び比較例2のバウムクーヘンの、製造時の評価、付着感の評価、食感の評価、及び保存試験の評価について、以下の基準に従って評価した。なお、比較例1のバウムクーヘンは、均一な層状のバウムクーヘンが得られず、商品価値を損なうものであったため、付着感の評価、食感の評価、及び保存試験の評価は行わなかった。
〔製造時の評価〕
バウムクーヘンの製造の可否と製造時間について、下記の評価基準により評価した。なお、評価結果は5名の評価者の総意である。結果を表2に示した。
◎:均一な層状のバウムクーヘンが「○」よりも短い時間で製造できる
○:均一な層状のバウムクーヘンが製造できる
×:均一な層状のバウムクーヘンが製造できない
〔付着感の評価〕
各バウムクーヘンを30mmの幅にカットし、切断面を親指と人差し指で5秒間つまんだ後の、指先へのチョコレートの付着を目視で下記の評価基準により評価した。なお、評価結果は5名の評価者の総意である。結果を表2に示した。
◎:指先にチョコレートが付着しない
×:指先にチョコレートが付着する
〔食感の評価〕
各バウムクーヘンを食したときの食感を下記の評価基準により評価した。なお、評価結果は5名の評価者の総意である。結果を表2に示した。
◎:焼成穀粉生地とチョコレートとの食感のギャップを「○」よりも強く感じる
○:焼成穀粉生地とチョコレートとの食感のギャップを感じる
×:焼成穀粉生地とチョコレートとの食感のギャップを感じない
〔保存試験の評価〕
各バウムクーヘンの切断面に包材を接触させて、30℃の恒温槽で7日間保管後、包材をはがし、チョコレートからの油の浸み出しを目視で下記の評価基準により評価した。なお、評価結果は5名の評価者の総意である。結果を表2に示した。
◎:包材への油の浸み出しが認められない。
×:包材への油の浸み出しが認められる。
Figure 2018033421
表2に示すとおり、水の含有量が1.6質量%であるチョコレート生地を焼成固化したチョコレート層を含むバウムクーヘン(実施例1)は、短時間で製造ができ、指先へのチョコレートの付着もなく、焼成穀粉生地とチョコレートとの食感のギャップに優れ、保存時のチョコレートからの油の浸み出しが抑制されたものであった。
また、水の含有量が1.6質量%であるチョコレート生地を冷却固化したチョコレート層を含むバウムクーヘン(実施例2)は、チョコレートの冷却に時間がかかったが、その他の評価は、実施例1と同等であった。
(バウムクーヘンの製造−2)
実施例3:
(1)バウムクーヘンの焼成装置(BKM−G−50、SCHLEE INTERNATIONAL製)を用いて、該装置の回転軸に上記で調製した穀粉生地を塗布し、設定温度180℃で95秒焼成した。
(2)(1)の焼成生地に、上記穀粉生地を塗布し、同じ条件で焼成する作業を繰り返し、3層の焼成穀粉生地を得た。
(3)別に、融液状態の上記チョコレート生地100質量部に、果糖ブドウ糖液糖(水含有量25質量%)4質量部を添加して均一に混合した。次に、前記チョコレート生地を(2)の焼成穀粉生地に塗布し、設定温度180℃で50秒焼成してチョコレート生地を固化した。なお、前記の果糖ブドウ糖液糖を加えたチョコレート生地中の水の含有量は1.6%であった。
(4)(2)と(3)の作業を繰り返し行い、合計11層で中心から4層目と8層目にチョコレートの層が入った年輪状のバウムクーヘンを得た。
(バウムクーヘンの評価)
上記で製造した実施例3のバウムクーヘンの、製造時の評価、付着感の評価、食感の評価、及び保存試験の評価について、上記と同様に評価した。年輪状のバウムクーヘン(実施例3)は、実施例1と同じ評価結果となった。

Claims (5)

  1. 焼成穀粉生地の層とチョコレートの層とを含有する多層状ベーカリー食品であって、該チョコレートは0.8〜3質量%の水を含有するチョコレート生地を焼成固化又は冷却固化したチョコレートであることを特徴とする多層状ベーカリー食品。
  2. 前記チョコレートの層を2層以上含有することを特徴とする請求項1に記載の多層状ベーカリー食品。
  3. 前記多層状ベーカリー食品がバウムクーヘンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層状ベーカリー食品。
  4. 焼成穀粉生地の層とチョコレートの層とを含有する多層状ベーカリー食品の製造方法であって、
    (1)穀粉生地を焼成する工程、
    (2)(1)の焼成した穀粉生地に、穀粉生地又は0.8〜3質量%の水を含有するチョコレート生地を塗布し、焼成して、焼成穀粉生地の層又はチョコレートの層を得る工程、
    (3)(2)の工程を1回〜複数回繰り返す工程、
    を含有することを特徴とする多層状ベーカリー食品の製造方法。
  5. 焼成穀粉生地の層とチョコレートの層とを含有する多層状ベーカリー食品の製造方法であって、
    (1)穀粉生地を焼成する工程、
    (2)(1)の焼成した穀粉生地に、穀粉生地又は0.8〜3質量%の水を含有するチョコレート生地を塗布し、穀粉生地は焼成し、チョコレート生地は冷却固化して、焼成穀粉生地の層又はチョコレートの層を得る工程、
    (3)(2)の工程を1回〜複数回繰り返す工程、
    を含有することを特徴とする多層状ベーカリー食品の製造方法。
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