JP2018031963A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ジャムリカバリ処理時に、ユーザによるシート検査装置に対する再検査開始ページの設定の要否の判定が容易な画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置100は、画像を形成してシートPに印刷する画像形成ユニット200、シートPを搬送するシート搬送パス233等、シート搬送パスに設けられたカメラ231、搬送されるシートを検査するシート検査装置150、ユーザに情報を表示する操作パネル120、及び、シート搬送パス内でジャムが発生した場合に、ジャムシートに形成されていた画像から印刷を再開させるジャムリカバリ装置とを備え、ジャムリカバリ装置は、先頭のジャムシートが、シート検査装置150よりも下流側にある場合は、ユーザからの印刷再開の指示を条件に、先頭のジャムシートに形成されていた画像から印刷を再開させる。【選択図】 図9

Description

本発明は、シート検査装置を備えた画像形成装置に関する。
近年、印刷装置によって印刷されたシートを搬送中にシート検査装置によって検査する印刷システムが知られている。印刷シートの検査では、搬送される印刷シートの画像をシート検査装置によって読み取り、読み取った画像を画像解析して印刷シートが正常であるか否かが判定される。
シート検査装置では、例えば、バーコード又は罫線の欠け、画像抜け、印刷不良、シート重複、シート抜け、色ずれなどが検査される。そして、検査の結果、印刷シートが不良シートであると判定された場合は、印刷を中断するとともに、不良シート以降の既に給紙された用紙が正常シートとは別の排紙先に排紙される。これによって、不良シートが正常シートに混入することが防止されている。不良シートが検出された場合、ユーザが、シート検査装置に対して不良が発生したページから再度検査するように新たな設定を行った後、印刷装置によるジャムリカバリ処理を開始させることによって、不良シートのページから印刷が再開される。
シートを搬送するシート搬送パスに設けられたシート検査装置によって搬送中のシートを検査する場合、シート検査装置よりもシート搬送方向の下流側(以下、単に「下流側」という。)のシート搬送パスでシートのジャムが発生する可能性がある。この場合、シート検査装置によって検査が正常であると判定されたシートがジャムシートとなる。ジャムシートに印刷された画像は、ジャムリカバリ処理によって再度印刷されるので、シート検査装置による検査も再度行われる。従って、シート検査装置に対して新たな設定を何も行わずにジャムリカバリ処理を行うと、ジャム位置によっては、同じ印刷内容のシートが2度検査されることとなり、シート重複検査において不良シートと判定されてしまう。
このような問題を回避するためには、ジャムシートを取り除いた後、自動的にジャムリカバリ処理を開始するのではなく、ユーザの指示を待って、ユーザの指示に基づいてジャムリカバリ処理を開始することが考えられる。こうすることによって、ユーザは、ジャムリカバリ処理における印刷開始ページを確認し、又はシート検査装置の設定をし直して自由なタイミングでジャムリカバリ処理を開始することが可能となる。このような従来技術に関する文献として、例えば、特許文献1が挙げられる。
特開2005−001837号公報
しかしながら、ジャムリカバリ処理時に、同一シートが重複したとして不良シートが検出されるのは、シート検査装置よりも下流側でジャムが発生した場合であり、シート検査装置よりも上流側でジャムが発生した場合はシート検査装置の新たな設定は不要である。
すなわち、ジャムの発生位置に関わらず、ジャムリカバリ処理時の取り扱いを同じ設定にしたのでは、ユーザによるシート検査装置に対する再検査開始ページの設定が不要な場合であってもユーザの指示を待ってジャムリカバリ処理が開始されることになる。
このため、ユーザは、ジャムが発生した際は、常に、取り除いたジャムシートや、排紙トレイ上の最終シート画像を確認してシート検査装置に対する再検査開始ページの設定が必要か否かを判断しなければならず、ジャム処理操作が煩雑になるという問題があった。
本発明は、ジャムリカバリ処理時に、ユーザによるシート検査装置に対する再検査開始ページの設定の要否の判定が容易で、ジャム処理効率を向上させることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1記載の画像形成装置は、画像を形成してシートに印刷する画像出力手段と、前記画像出力手段から出力されたシートを搬送する搬送路と、前記搬送路に設けられ、搬送されるシートを検査する検査手段と、ユーザに対して情報を表示する表示手段と、前記搬送路内でジャムが発生した場合に、ジャムシートに形成されていた画像から印刷を再開させるジャムリカバリ手段と、を備え、前記ジャムリカバリ手段は、先頭のジャムシートが前記検査手段よりも下流側にある場合は、ユーザからの印刷再開の指示を条件に、前記先頭のジャムシートに形成されていた画像から印刷を再開させることを特徴とする。
本発明によれば、先頭のジャムシートが検査手段の下流側にある場合、ユーザからの印刷再開の指示を条件に印刷が再開される。これによって、ユーザによるシート検査装置に対する新たな設定の要否の判定が容易となり、ジャム処理効率を向上させることができる。
実施の形態に係る印刷装置のプリンタエンジンの概略構成を示す断面図である。 実施の形態に係る印刷装置を備えた画像形成システムの概略装置構成及び制御構成を示すブロック図である。 図2の印刷装置で実行されるジャム発生に伴う印刷停止処理の手順を示すフローチャートである。 図2の印刷装置で実行されるシート検査・排紙処理の手順を示すフローチャートである。 印刷装置におけるシートセンサの配置位置を示す図である。 シート検査装置による検査画像及び検査項目のデータベースを示す図である。 不良シート検出信号を示す図である。 検査印刷再開画面の一例を示す図である。 ジャムリカバリ処理の手順を示すフローチャートである。 印刷装置におけるジャムシートと検査完了境界部との位置関係を示す図である。 ジャムリカバリ処理時に発生する問題を説明するための図である。 ジャムリカバリ画面及びジョブキャンセル画面を示す図である。 不良シートの検出とシートジャムが同時に発生した場合の印刷装置の状態を示す図である。 不良シートの検出とシートジャムが同時に発生した場合のリカバリ処理の手順を示すフローチャートである。 検査再開シートの確認が不要の場合のジャムリカバリ画面を示す図である。 印刷再開ページのプレビュー画面を示す図である。
以下、実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、実施の形態に係る印刷装置100のプリンタエンジン130の概略構成を示す断面図である。
図1において、プリンタエンジン130は、画像形成システム300(図2参照)を構成する画像形成装置としての印刷装置100のプリンタエンジンである。プリンタエンジン130は、画像形成ユニット200、画像定着ユニット210、インサータ220、カメラユニット230、大容量スタッカ240、及び後処理装置(フィニッシャー)250から主として構成されている。
画像形成ユニット200は、画像出力手段として機能し、画像を形成してシートに出力する。画像形成ユニット200は、4つの画像形成ステーション204〜207と、その下方に配置された中間転写ベルト208、シート搬送パス203、並びに給紙デッキ201及び202を備えている。中間転写ベルト208と、シート搬送パス203とが接触する位置に2次転写ローラ209が配置されており、ここが2次転写位置(以下、符号「209」で表す。)となる。
給紙デッキ201及び202は、それぞれ各種シートを収容する。給紙デッキ201及び202は、それぞれ収容されたシート束の最上部のシートPを1枚ずつ分離してシート搬送パス203へ搬出する。画像形成ステーション204〜207は、それぞれ、例えば、Y(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)、K(ブラック)の有色トナーを用いてトナー像を形成する。形成されたトナー像は、それぞれ中間転写ベルト208に一次転写され、重畳してカラー画像を形成する。
中間転写ベルト208は、図1中、例えば、時計回りに回転し、中間転写ベルト208に転写されたトナー画像は、2次転写位置209でシート搬送パス203から搬送されてきたシートPへ転写される。トナー像が転写されたシートPは、下流側の画像定着ユニット210へ搬入される。
画像定着ユニット210は、シートPに転写されたトナー画像を当該シートPに定着する。画像定着ユニット210は、画像形成ユニット200のシート搬送パス203に接続されたシート搬送パス214と、該シート搬送パス214に設けられた第1の定着ユニット211及び第2の定着ユニット213を備えている。
画像定着ユニット210は、また、第1の定着ユニット211の下流側で分岐され、第2の定着ユニット213をバイパスするシート搬送パス212を備えている。また、画像定着ユニット210は、シート搬送パス214の下流側のシート搬送パス215、及びシート搬送パス214から分岐されたシート反転パス216、及びシート反転パス216に接続された両面搬送パス217を備えている。定着ユニット211及び213は、それぞれ加圧ローラと加熱ローラを備え、ローラ間をシートPが通過することにより、トナーを溶融・圧着することによってシートPにトナー像を定着させる。
画像形成ユニット200から搬入され、定着ユニット211でトナー像が定着されたシートPは、シート搬送パス212を通ってシート搬送パス215へと搬送される。シートの種類によって定着のためにさらに溶融・圧着が必要な場合は、定着ユニット211を通過した後、第2の定着ユニット213へと搬送され、追加の溶融・圧着が施された後、シート搬送パス214を通ってシート搬送パス215へと搬送される。
画像形成モードが両面印刷モードである場合、シートPは、シート反転パス216へ搬入され、当該シート反転パス216で表裏反転された後、両面搬送パス217へ搬送され、その後、2次転写位置209まで搬送され、ここで2面目に画像が転写される。
画像定着ユニット210の下流側に配置されたインサータ220は、シート搬送パスに新たなシートを挿入するためのインサータである。インサータ220は、インサータトレイ221及びインサータパス222を備えている。インサータ220は、画像定着ユニット210のシート搬送パス215に接続されたシート搬送パス223にインサータパス222を介してシートPを給紙する。これにより、画像定着ユニット210から搬入される一連のシート群に、任意の位置で新たなシートPを挿入させて後続装置へ搬送することが可能となる。インサータトレイ221は、一連のシート群に挿入するためのシートを収容する。
インサータ220の下流側に配置されたカメラユニット230は、インサータ220のシート搬送パス223に接続されたシート搬送パス233、及び該シート搬送パス233の上下に対向するように設けられたカメラ231及び232を備えている。カメラ231はシートPの上面を読み取るためのカメラであり、カメラ232はシートPの下面を読み取るためのカメラである。カメラユニット230は、シート搬送パス233に搬入されたシートPが所定の位置に到達したタイミングで、カメラ231、232を用いてシートの画像を読み取り、読み取ったシート画像を図示省略したシート検査装置150(図2参照)へ送る。なお、カメラ231、232は、実質的に、シート検査装置150の一部を構成する。
カメラユニット230の下流側に配置された大容量スタッカ240は、大容量のシートを積載することができるスタッカである。大容量スタッカ240は、シート搬送パス244、245、247、248、249及びシートを積載するトレイとしてのスタックトレイ241を有する。スタックトレイ241は、リフトテーブル242と、イジェクトテーブル243とで構成されている。
カメラユニット230を通過したシートPは、シート搬送パス244を経て大容量スタッカ240に搬入される。大容量スタッカ240に搬入されたシートPは、シート搬送パス244からシート搬送パス245を経由してスタックトレイ241のリフトテーブル242に積載される。シート束が積載されていない状態のリフトテーブル242は、図1中、上側の位置にある。リフトテーブル242は、シート束の積載が進むとシート束の高さ分だけ下降し、常に積載するシート束の上端が一定の高さになるように制御される。
シート束の積載が完了するか満積載になった場合、リフトテーブル242は、イジェクトテーブル243の位置まで下降する。リフトテーブル242とイジェクトテーブル243は、シート束を支持するバーが互い違いの位置に存在するように構成されている。このため、リフトテーブル242が下降してイジェクトテーブル243より低い位置に到達した時点で、シート束はイジェクトテーブル243に積み替えられた状態となる。
また、大容量スタッカ240は、排紙トレイとしてのエスケープトレイ246を有する。エスケープトレイ246は、シート検査装置150によって不良シートと判定されたシートを排出するために使用されるトレイである。
本明細書において、不良シートとは、シートに転写された画像が、本来シートに形成されるべき画像とは異なる画像となったシート、及び一部が折れ曲がったシートをいう。例えば、バーコード等の画像の一部が欠落したシートや、印刷内容が本来シートに形成されるべき画像とは異なったシートが含まれる。また、不良シートには、本来シートに形成されるべき画像の順序とは異なる順序で形成された画像シートや、同一画像が複数のシートに重複して形成された場合の余剰のシートが含まれる。なお、本来形成されるべき画像が脱落し、シートに画像として形成されたかった場合は、シート検査装置150によって、不良と判定される。
不良シートは、シート搬送パス244からシート搬送パス247を経由してエスケープトレイ246へ搬送される。また、大容量スタッカ240の下流側に設けられた後述する後処理装置(フィニッシャー)250へシートPを搬送する場合には、シート搬送パス248を経由してシートPが搬送される。シートPを反転するための反転部249は、シート搬送パス244に接続されている。
反転部249も、シートPをスタックトレイ241に積載する場合に使用される。すなわち、シートPがスタックトレイ241に積載される場合は、シートPがリフトテーブル242上にフリップして積載されるメカニカルな構成となっているため、シートPの上下の向きが逆になる。このため、入力時点でのシートPの向きと出力時点でのシートPの向きを同じにする必要がある場合は、スタックトレイ241に積載する前に反転部249で一度シートPが反転される。シートPをエスケープトレイ246や、後続のフィニッシャ250へ搬送する場合は、積載時にフリップせずにそのままシートPが排出されるので、反転部249での反転動作は行われない。
大容量スタッカ240の下流側に配置されたフィニッシャ250は、搬送されてきたシートPに対し、ユーザによって指定された機能に応じてフィニッシング処理を加えるための装置である。フィニッシャ250は、例えば、ステープル処理(1個所・2箇所綴じ)、パンチ処理(2穴・3穴)、中とじ製本処理等のフィニッシング機能を有する。
フィニッシャ250は、大容量スタッカ240のシート搬送パス248に接続されたシート搬送パス259、253、254及び257と、排紙トレイ251及び252と、中とじ製本トレイ258を備えている。フィニッシャ250に搬入されたシートPは、例えば、シート搬送パス259及び253を経由して排紙トレイ251に排紙される。但し、シート搬送パス253ではステイプル等のフィニッシング処理は行われない。ステイプル等のフィニッシング処理が行われる場合、シートPは、シート搬送パス259及び254を経由して処理部255に搬入される。処理部255に搬入されたシートPに対し、ユーザによって指定されたフィニッシング処理が施され、その後、シートPは、排紙トレイ252へ出力される。
排紙トレイ251及び252は、それぞれ昇降可能であり、排紙トレイ251を下降させ、処理部255でフィニッシング処理を施したシートPを排紙トレイ251へ積載するように動作させることも可能である。中とじ製本処理が指定された場合は、中とじ処理部256で、シート中央にステイプル処理が施され、その後、シートPが二つ折りされ、シート搬送パス257を経由して中とじ製本トレイ258へ出力される。中とじ製本トレイ258は、ベルトコンベア構成になっており、中とじ製本トレイ258上に積載された中とじ製本束は、図1中、例えば、左方向に向けて搬出される。
図2は、実施の形態に係る印刷装置100を備えた画像形成システム300の概略装置構成(ハードウェア)及び制御構成を示すブロック図である。
図2において、画像形成システム300は、画像形成装置としての印刷装置100、ホストコンピュータ101、及びシート検査装置150から主として構成されている。印刷装置100、ホストコンピュータ101、及びシート検査装置150は、それぞれ通信回線105によって互いに接続されている。図2において、ホストコンピュータ101、印刷装置100、シート検査装置150は、それぞれ1台としたが、複数台設置することもできる。
ホストコンピュータ101は、図示省略した入力装置によるユーザからの入力情報を取得し、印刷装置100に送信するためのプリントジョブを作成し、印刷装置100へ送信する。また、ホストコンピュータ101は、帳票などのデータベースも兼ねており、シート検査装置150からの問い合わせにより、データベースの照合を行うこともできる。なお、データベースのサーバを、ホストコンピュータ101とは別に仕立てることもできる。
印刷装置100は、コントローラ110、操作パネル120及びプリンタエンジン130を有する。プリンタエンジン130は、カメラユニット230を備えている。コントローラ110は、各種データ処理を行い、印刷装置100の動作を制御する。ここではコントローラ110が、印刷装置100内に内蔵されるようにしたが、コントローラ110を印刷装置100に対して独立に設け、通信回線によって接続された構成とすることもできる。コントローラ110の詳細構成については後述する。
操作パネル120は、例えば、タッチパネル方式でユーザからの各種操作を受け付け、且つ、装置からの情報をユーザに対して表示する操作パネルである。プリンタエンジン130は、図1で説明した構成であり、コントローラ110で制御され、生成した画像データを印刷用紙であるシートPに物理的に印刷する。
シート検査装置150は、プリンタエンジン130のカメラユニット230によって撮影されたたシートの撮影画像を用いて画像検査する装置である。シート検査装置150は、通信回線105に接続され、ホストコンピュータ101から検査項目設定や比較元画像などを受け取る。また、シート検査装置150は、ホストコンピュータ101から検査開始、検査終了、検査一次停止、検査再開等の検査に関するトリガイベントを受信し、検査再開の場合は検査再開ページの設定も可能である。シート検査装置150が、カメラユニット230を備えることにより、シート検査の精度が向上する。
次に、コントローラ110の構成について詳しく説明する。コントローラ110は、ネットワーク通信コントローラ111、不揮発メモリ112、RAM113、CPU114、HDD115、及び通信ポート116を備えており、各モジュールはそれぞれシステムバス117を介して相互に接続されている。
ネットワーク通信コントローラ111は、通信回線105に接続された外部ネットワークとの通信制御を行う。不揮発メモリ112は、不揮発性の記憶装置であり、起動時の制御プログラムなどが記憶されている。RAM113は、各種制御プログラムを読み出して記録する。CPU114は、RAM113に読み出された制御プログラムを実行し、画像信号や各種デバイスを統括的に制御する。HDD115は、画像データや各種設定データなどの大容量のデータを一時的又は長期的に保持する目的で使用される。通信ポート116は、シート検査装置150から検査結果を示す電気信号を受信するためのポートである。
システムバス117は、コントローラ110と、印刷装置100内の各デバイス、例えば、操作パネル120、プリンタエンジン130とを互いに接続する。なお、RAM113は、CPU114の主メモリ、ワークメモリとしても機能する。また、制御プログラム及びオペレーティングシステムは、不揮発メモリ112の他にもHDD115にも格納される場合がある。また、図示省略したNVRAMを備え、該NVRAMによって操作パネル120からの印刷装置のモード設定情報を記憶するようにしてもよい。
以下、図2の印刷装置100のプリンタエンジン130(以下、単に「印刷装置100」という。)で実行されるジャム発生に伴う印刷停止処理について説明する。
図3は、印刷装置100で実行されるジャム発生に伴う印刷停止処理の手順を示すフローチャートである。この印刷停止処理は、印刷装置100のCPU114が、HDD115に格納され、RAM113にロードされた印刷停止処理プログラムに従って実行する。
図3において、ジャムの発生に伴って印刷停止処理が開始されると、CPU114は、先ず、ジャムの原因となったジャムシートよりも上流側のシートの搬送を停止する(ステップS101)。ジャムシートよりも上流側のシートの新たな搬送を停止することにより、ジャムシートよりも上流側で既に搬送が開始されたシートが全てジャムシートとなり、例えば、ユーザが手作業で取り除かなければならないシートとなる。
次いで、CPU114は、シート搬送パス上の最も下流側のジャムシートを内部パラメータの先頭ジャムシートに設定する(ステップS102)。最も下流側のジャムシートは、後述するジャムリカバリ処理における印刷再開ページとなる。これによって、ジャムシートをリカバリーすることができる。
次いで、CPU114は、印刷装置100が、シート検査機能を備えており、シートPの検査を行う設定になっているか否かを判定する(ステップS103)。シート検査をするしないの設定は、ユーザが、操作パネル120からコントローラ110の不揮発メモリ112に設定する構成とすることもでき、ホストコンピュータ101からの印刷ジョブに設定する構成とすることもできる。
ステップS103の判定の結果、印刷装置100が、シートPの検査を行う設定になっている場合(ステップS103で「YES」)、)CPU114は、処理をステップS104に進める。すなわち、CPU114は、先頭ジャムシートよりも下流のシートを有効シートとして検査及び排紙を開始する(ステップS104)。シート検査及びシート検査に伴う排紙処理については、図4を用いて後述する。
シート検査及び排紙処理を開始した後(ステップS104)、CPU114は、排紙中にジャムが発生したか否か判定する(ステップS106)。ステップS106の判定の結果、ジャムが発生していた場合(ステップS106で「YES])、CPU114は、処理をステップS107に進める。すなわち、CPU114は、ステップS102で設定した先頭ジャムシートを新たに発生したジャムシートに更新する(ステップS107)。この場合、ステップ102で設定した先頭ジャムシートよりさらに下流でジャムが発生したこととなるため、先頭ジャムシートを更新する必要があるからである。
先頭ジャムシートを更新した後(ステップS107)、CPU114は、操作パネル120にジャム処理用の画面を表示し(ステップS108)、その後、本印刷停止処理を終了する。なお、操作パネル120に表示されたジャム処理用の画面に基づいて後述するジャムリカバリ処理(図9)が実行される。
一方、ステップS106の判定の結果、ジャムが発生していなかった場合(ステップS106で「NO」)、CPU114は、処理をステップS108に進める。すなわち、CPU114は、操作パネル120に、ステップS102の設定のままのジャム処理用の画面を表示し(ステップS108)、その後、本処理を終了する。
また、ステップS103の判定の結果、シートPを検査する設定になっていない場合(ステップS103で「NO」)、CPU114は、処理をステップS105に進める。すなわち、シート検査を実行しない設定になっているので、CPU114は、シート検査を行うことなく、先頭ジャムシートよりも下流のシートを有効シートとして排紙し(ステップS105)、その後、処理をステップS106に進める。
図3の処理によれば、ジャム発生に伴って停止した印刷処理において、先頭ジャムシートよりも下流側のシートを排紙する際、新たなジャムが発生したか否か判定する(ステップS106)。そして、新たなジャムが発生した場合は、登録した先のジャムシートに対応する先頭ジャムシートを新たなジャムシートに更新する(ステップS107)。これによって、ジャムリカバリ処理を最適なジャムシートに対応する画像から開始させることができる。
ここで、図3のステップS104で実行されるシート検査・排紙処理について説明する。
図4は、図2の印刷装置100で実行されるシート検査・排紙処理の手順を示すフローチャートである。このシート検査・排紙処理は、印刷装置100のコントローラ110のCPU114が、HDD115に格納され、RAM113にロードされたシート検査・排紙処理プログラムに従って実行する。
シート検査・排紙処理が開始されると、CPU114は、先ず、大容量スタッカ240(図1参照)の入口に配置されたシートセンサが、搬送されるシートPの先端を検知したか否か判定し、シートPの先端を検知するまで待機する(ステップS601)。
図5は、印刷装置100におけるシートセンサの配置位置を示す図である。
図5において、シートPを搬送するシート搬送パスにおける大容量スタッカ240の入口、及びカメラユニット230の入口にそれぞれシートセンサ504及び505が配置されている。シートセンサ504及び505は、シート搬送パスを通過するシートPを検出する。
図1で説明したように、カメラユニット230のカメラ231及び232が、シート搬送パスを搬送されるシートPの画像を撮影し、撮影画像に基づいてシート検査装置150が予め設定された検査項目に従ってシートPを検査する。
図6は、シート検査装置による検査画像及び検査項目のデータベースを示す図である。図6(a)は、カメラユニット230で撮影された撮影画像であり、検査の対象となる検査エリア310〜313が示されている。
シート検査装置150の検査項目として、例えば、バーコード可読検査、印刷内容検査、シート重複検査、シート抜け検査が挙げられる。すなわち、シート検査装置150は、検査エリア310内に存在するバーコードが可読か否かに基づいてシートPについて不良の有無を判定する。可読であった場合、バーコードが正常に印刷されていると判定され、不可読であった場合はバーコードの印刷に不良があると判定される。
また、シート検査装置150は、検査エリア311内に存在するQRコード(登録商標)を読み取って解析し、ホストコンピュータ101上のデータベースと照合することにより、読み取ったシートのデータの特定を行う。例えば、検査エリア311のQRコード(登録商標)から図3(b)に示すホストコンピュータ上のデータベースのレコード番号321が導出される。
また、シート検査装置150は、OCR(Optical Character Recognition)によって、検査エリア312及び313に含まれる値を文字データとして抽出する。シート検査装置150は、抽出された文字データをQRコード(登録商標)から特定したデータベースのデータの氏名レコード322又は金額レコード323と照合することにより、印刷内容が正しいか否かを判定する。
図6において、図6(a)の検査エリア312は、図6(b)の氏名レコード322と照合され、図6(a)検査エリア313は、図6(b)の金額レコード323と照合され、それぞれ一致しなかった場合は不良があると判定される。シート検査装置150は、印刷ジョブ開始時にホストコンピュータ101から検査開始イベントで印刷するレコード番号リストを受け取っている。シート検査装置150は、印刷ジョブ終了までの間にQRコード(登録商標)311から同じレコード番号が導出された場合は、シート重複と判断し、不良があると判定する。また、シート検査装置150は、検査終了イベントをホストコンピュータ101から受け取った時点で、印刷ジョブ開始時に受け取ったレコード番号リスト内に導出されていないレコード番号が存在する場合、シート抜けと判断し、不良があると判定する。
シート検査装置150は、バーコード可読検査、印刷内容検査、シート重複検査等において不良があると判定した場合に、印刷装置100に対して通信ポート116を介して不良シート検出信号を出力することにより、印刷を中断させる。
図7は、不良シート検出信号を示す図である。不良シート検出信号は、印刷装置100のコントローラ110が通信ポート116を介してシート検査装置150から受け取る。
図7において、印刷を中断させるための不良シート検出信号は、コントロール信号(a)と、リジェクト信号(b)とで構成されている。コントロール信号(a)は、シートPがカメラユニット230を通過した際に読み取られたシート画像がシート検査装置150に転送されたことを表す信号である。通常の信号値はLOW状態であるが、シート画像がシート検査装置150に転送されると一定時間HIGH状態のパルス信号となる。パルス信号401〜404によって4枚のシートのシート画像がカメラユニット230からシート検査装置150に転送されたことが分かる。
両面印刷ジョブの場合、シート画像はカメラ231と232の2つのカメラで読み取られるが、パルス信号はシート毎に出力されるため、両面でも1パルス信号の出力となる。なお、両面の画像を読み取り、2つの画像をシート検査装置150に転送する場合には連続して2つのパルス信号が出力されるように構成することもできる。コントローラ110は、コントロール信号(a)のパルス信号をカウントすることにより、各パルス信号が印刷中のどのシートに対応するかを特定する。
一方、リジェクト信号(b)は、不良シートが検出されたか否かを表す信号である。コントロール信号(a)がHIGH状態となっている間に、リジェクト信号(b)がHIGH状態からLOW状態に落ちた場合、対応するシートPで不良が検出されたことを表す。図7中、パルス信号403に対応するシートで不良が検出されたことが分かる。なお、本実施の形態では、不良シートを検出した際、シート検査装置150は、後続のシートに対する検査を一時中断する。そして、ホストコンピュータ101から検査再開イベントもしくは検査終了イベントが通知されるまで、リジェクト信号(b)は、LOW状態に落ちたままになるものとする。
シート検査装置150は、他にも、色ずれ検査、色味検査、読み取った画像とオリジナルデータのフル画像比較検査など、様々な検査を行うことができる、検査内容は、特に、限定されるものではない。なお、本実施の形態では、シート検査装置150に対する検査エリアや検査内容の設定は、通信回線105を通じてホストコンピュータ101などから設定される。フル画像比較検査が行われる場合には、シート検査装置150は、比較元画像をホストコンピュータ101などから受け取る。また、別の構成として、シート検査装置150が操作部を有し、操作部から検査エリアや検査内容が設定されるように構成することもできる。
ここで、上述した図5を用いてシート検査に伴うシート排紙動作について説明する。
上述したように、コントロール信号(a)がHIGH状態のとき、リジェクト信号(b)がLOW状態とならず、HIGH状態のままであれば、コントロール信号(a)のパルスに対応するシートは正常シートと認識される。正常シートは、フィニッシャ250の排紙トレイ252に排紙され、シート束501として積載される。
一方、コントロール信号(a)がHIGH状態のとき、リジェクト信号(b)がHIGH状態からLOW状態に落ちた場合、コントローラ110はそのパルス信号に対応するシートを不良シートと認識する。シート検査装置150から不良シートである旨の信号を受け取ったコントローラ110は、コントロール信号のパルス信号をカウントすることにより、どのパルス信号がどのシートに対応するかの対応をとっており、どのシートが不良シートであるかを認識する。
ここで、シート502を不良シートとする。コントローラ110は、不良シート502が正常シートの束501に混ざらないように、大容量スタッカ240の搬送路をシート搬送パス247に切り替え、不良シート502を、排紙トレイ252とは別の排紙トレイであるエスケープトレイ246に排出する。シート検査装置150は、不良シート502を検出した際、後続シートに対する検査を中断するので、後続シート503は、未検査シートとして、不良シート502と同様、エスケープトレイ246に排出される。このとき、コントローラ110は、シートセンサ504をシートPの先端が通過したことを検知したタイミングでリジェクト信号を参照し、リジェクト信号がLOW状態だった場合、搬送先がシート搬送パス247に切り替えられる。これによって、不良シート以降のシートが全てエスケープトレイ246に排出される。
シートセンサ504は、当該シートセンサ504をシート先端が通過したタイミングで当該シートに対する検査が完了していることが保証され、且つ搬送先をシート搬送パス247に切り替えることが間に合う位置に配置されている。
また、図10を用いて後述するが、シートセンサ505は、当該シートセンサ505をシートPの後端が通過したタイミングで当該シートPに対する検査が完了することが保証される位置に配置されている。コントローラ110は、リジェクト信号がLOW状態に落ちた時点で給紙を停止させ、既に給紙されている後続シート503をエスケープトレイ246に全て排出した時点で印刷ジョブを一時停止させる。
図4に戻り、シートセンサ504が、シートPの先端を検知した後(ステップS601で「YES」)、CPU114は、シートPに対応するリジェクト信号(b)がLOW状態であるか否か判定する(ステップS602)。シートPに対応するリジェクト信号(b)がLOW状態であれば、シートPは不良シートと判定される。
ステップS602の判定の結果、リジェクト信号がLOW状態である場合(ステップS602で「YES」)、CPU114は、処理をステップS603に進める。すなわち、CPU114は、シートPをエスケープトレイ246に排紙させるために、シートPの搬送先をシート搬送パス247に切り替える(ステップS603)。
シートPの搬送先をシート搬送パス247に切り替えた後(ステップS603)、CPU114は、内部パラメータに不良ページが登録されているか否かを判定する(ステップS604)。ステップS604の判定の結果、内部パラメータに不良ページが登録されていない場合(ステップS604で「NO」)、CPU114は、処理をステップS605に進め、内部パラメータに不良ページを登録する(ステップS605)。この不良ページの登録は、印刷再開時に不良があったページから印刷する必要があるため、どのページから印刷を再開するかを記憶するために行われる。
不良ページを登録した後(ステップS605)、CPU114は、シートPを排紙する(ステップS607)。このとき、ステップS602の判定によりリジェクト信号はLOW状態であったことから、シートPは、排紙トレイ252とは別のエスケープトレイ246に排紙される。
次いで、CPU114は、既に給紙されている給紙済みシートが印刷装置100のシート搬送パス内に存在するか否か判定する(ステップS608)。ステップS608の判定の結果、給紙済みシートが存在しない場合(ステップS608で「NO」)、CPU114は、処理をステップS609に進める。すなわち、CPU114は、内部パラメータに不良ページが登録されているか否か判定する(ステップS609)。ステップS609の判定の結果、内部パラメータに不良ページが登録されている場合(ステップS609で「YES」)、CPU114は、操作パネル120に、図8に示す検査印刷再開画面を表示し(ステップS610)、その後、シート検査・排紙処理を終了する。
図8は、検査印刷再開画面の一例を示す図である。図8において、表示画面に、「不良シートが検出されました。印刷を再開しますか?」と表示され、その下に、「印刷再開」キー701及び「ジョブキャンセル」キー702が表示されている。
ユーザが、印刷再開キー701にタッチすると、コントローラ110は、印刷ジョブを継続したまま不良シートから再度印刷を開始させる。また、ユーザが、ジョブキャンセルキー702にタッチすると、コントローラ110は、印刷ジョブをキャンセルする。すなわち、シート検査装置150が不良シートを検出した際、印刷ジョブは一次停止され、ホストコンピュータ101がシート検査装置150に対して検査再開ページを設定する。そして、その後、ユーザによって、図8に示した検査印刷再開画面の印刷再開キーが押下されることによって、不良シートから再度印刷動作が開始される。なお、このとき、シート検査装置150に対する検査再開ページの設定を、ユーザが、ホストコンピュータ101を操作することによって、不良シート以外のシートから検査の再開を設定できるようにしてもよい。これによって、再検査時の検査対象のバリエーションが広がる。
図4に戻り、ステップS609の判定の結果、内部パラメータに不良ページが登録されていない場合(ステップS609で「NO」)、CPU114は、本処理を終了する。不良ページが登録されていない場合は、どのシートから印刷動作を再開したらいいか分からないので、処理を終了する。
また、ステップS608の判定の結果、給紙済みシートが存在する場合(ステップS608で「YES」)、CPU114は、処理をステップS601に戻し、ステップS601〜S608の処理を繰り返す。また、ステップS602の判定の結果、リジェクト信号がLOW状態でなくHIGH状態の場合(ステップS602で「NO」)、CPU114は、処理をステップS607に進める。このとき、ステップS602の判定により、リジェクト信号は、LOW状態でなくHIGH状態であることから、シートPは、正常シートを排紙するための排紙トレイ252に排紙される。
また、ステップS604の判定の結果、不良ページが登録されている場合(ステップS604で「YES」)、CPU114は、処理をステップS607に進め、シートPを排紙する。このとき、ステップS602の判定によりリジェクト信号はLOW状態であることから、シートPは、エスケープトレイ246に排紙される。
図4の処理によれば、シートPが不良シートであると判定された場合(ステップS602で「YES」)、当該不良シートに対応する画像のページを登録した後、排紙し(ステップS607)、不良ページが登録された検査印刷再開画面を表示する。これによって、ユーザは、不良シートに対応する画像が形成されたシートからシート検査が再開されることを確認した上でシート検査を開始せることができる。
次いで、図3の印刷停止処理に引き続いて実行されるジャムリカバリ処理について説明する。
図9は、ジャムリカバリ処理の手順を示すフローチャートである。このジャムリカバリ処理は、印刷装置100のCPU114が、HDD115に格納され、RAM113にロードされたジャムリカバリ処理プログラムに従って実行する。ジャムリカバリ処理は、図3の印刷停止処理が終了した後、開始される。
図9において、ジャムリカバリー処理が開始されると、CPU114は、先ず、図3のステップS102又はS107で設定された先頭ジャムシートに印刷されている最下流ジャム紙のページを、ジャム処理後の再印刷先頭ページに設定する(ステップS111)。次いで、CPU114は、印刷装置100が、シート検査を実行する設定になっているか否かを判定する(ステップS112)。
ステップS112の判定の結果、印刷装置100が、シート検査を実行する設定になっている場合(ステップS112で「YES」)、CPU114は、処理をステップS113に進める。すなわち、CPU114は、搬送路内で発生したジャムシートが、シート検査装置150の一部を構成するミラー231、232よりも下流側にあるか否か判定する(ステップS113)。具体的には、ミラー231、232の上流側に配置されたシートセンサ505の位置である検査完了境界部801を基準に、その下流側にジャムシートがあるか否かが判定される。検査完了境界部801とは、シートPの後端部が当該境界を通過していれば、当該シートについてシート検査が完了していることが保障される境界をいう。
図10は、印刷装置100におけるジャムシートと検査完了境界部801との位置関係を示す図であり、図10(a)は、シート検査装置150に接続されたカメラ231、232(以下、単に「シート検査装置150」という。)よりも上流側でジャムが発生して運転を停止した状態の印刷装置100の断面を示す図である。
図10(a)において、シート検査装置150よりも上流側にジャムシート802があり、当該ジャムシート802のさらに上流側で既に給紙されているシート803〜805もジャムシートして扱われる。従って、ジャム処理でジャムシートが取り除かれた後に印刷ジョブが再開されると、ジャムの原因となったシート802に印刷されている画像から印刷が再開される。
印刷装置100は、ジャムが発生したタイミングですぐに停止するのではなく、ジャムシート802よりも下流のシートについては、有効シートとしてカメラ231及び232を用いた検査が行われる。そして、シート検査の結果、シートが正常なシートであると判定されれば、排紙トレイ252に排紙され、その後、印刷装置100が停止する。
本実施の形態において、検査完了境界部801の位置に配置されたシートセンサ505をシートPの後端が通過した時点でシートPの検査が完了しており、シート後端が通過していなければシートPの検査は完了していない。図10(a)の状態の場合、ジャムシート802〜805は、全て検査完了境界部801よりも上流側にあり、シート検査前であるために、重複検査の問題は、特に発生しない。
一方、図10(b)は、シート検査装置150よりも下流側でジャムが発生して停止した状態の印刷装置100の断面を示す図である。
図10(b)において、シート検査装置150よりも下流側にジャムシート812があり、当該ジャムシート812の上流側で既に給紙されているシート813〜823もジャムシートして扱われる。従って、ジャム処理でジャムシートが取り除かれた後に印刷ジョブが再開されると、ジャムの原因となったシート812に印刷されている画像から印刷が再開される。
図10(b)の場合、シート812〜817は検査完了境界部801を通過しているため、検査済みシートである。例えば、シート812〜817が検査正常シートと判定されたものであってもジャム処理後のリカバリ処理によって再度印刷がなされ、且つ再度検査されるために、以下のような問題が発生する。
図11は、ジャムリカバリ処理時に発生する問題を説明するための図である。
図11において、(a)は、印刷装置100で実行される印刷ジョブにおける印刷ページを示しており、当該印刷ジョブは、8ページの片面ジョブとする。図11の(a)において、1〜8ページの印刷ページは、それぞれP1〜P8と表されている。
図11の(b)は、ジャム状態の一例を示している。P1〜P4は、検査完了境界部801を通過しており、シート検査が完了している。P1及びP2は、シート検査で正常シートと判定され、既に排紙トレイ252に排紙されている。P3〜P8は、全てジャムシートであり、P3及びP4は、シート検査によって正常シートと判定されており、P5〜P8は、未検査シートである。
図11(b)の状態からジャムリカバリ処理を行うと、図11(c)のように、P3から印刷が再開される。シート検査装置150を通過するシートは、図11(d)に示すようになり、この順でシート検査が行われ、従って、P3及びP4については2回検査が行われることになる。すなわち、ジャムシートとなったP3(901)及びP4(902)は、ジャム発生前に既にシート検査によって検査正常シートと判定されているが、ジャム処理後の印刷再開によって903及び904として再度検査されることになる。従って、P3及びP4についてはシート検査が2回実施されることになり、シート検査装置150による重複検査によって不良シートと判定されてしまう。
このような重複検査の問題を解決するために、本実施の形態では、シート検査装置150よりも下流側でジャムが発生した場合は、シート検査装置150よりも上流側でジャムが発生した場合に比べて、以下に説明するように、異なる取り扱いをする。
図9に戻り、ステップS113の判定の結果、シート検査装置150、より詳しくは、検査完了境界部801よりも下流にジャムシートがある場合(ステップS113で「YES」)、CPU114は、処理をステップS114に進める。すなわち、CPU114は、ユーザによって手作業によってジャムシートを取り除ぞかせる(ステップS114)。次いで、CPU114は、印刷装置100が、先頭ジャムシートが検査完了境界部801よりも下流側にある場合に、操作パネル120にジャム再開画面(ジャムリカバリ画面)を表示する設定であるか否か判定する(ステップS116)。なお、操作パネル120にジャムリカバリ画面を表示するか否かの設定は、ユーザが、操作パネル120を操作してコントローラ110の不揮発メモリ112に設定するようにすることができる。また、ユーザが、ホストコンピュータ101を用いて印刷ジョブに設定するようにしてもよい。
ステップS116の判定の結果、ジャムリカバリ画面を表示する設定である場合(ステップS116で「YES」)、CPU114は、処理をステップS117に進める。すなわち、CPU114は、ジャムリカバリ後の印刷動作をユーザの判断によって再開させるために、操作パネル120に、ジャムリカバリ画面を表示し(ステップS117)、その後、本処理を終了する。
図12は、ジャムリカバリ画面(ジャム再開画面)及びジョブキャンセル画面を示す図である。図12において、図12(a)はジャムリカバリ画面120−2であり、「検査開始ページを確認してください。印刷を再開しますか?」と表示され、印刷再開キー1201及びジョブキャンセルキー1202が表示されている。
このとき、ユーザは、ホストコンピュータ101を用いてシート検査装置150対してシート検査再開ページを確認又は新たに設定し直した後、印刷再開キー1201にタッチすることによって重複検査に基づく不良を回避しつつ印刷を再開させることができる。また、このとき、ユーザは、シート検査装置150に対し、シート検査再開ページとしてP3を指定する。図12のジャムリカバリ画面120−2を表示することにより、ユーザは、シート検査装置150に対して検査再開ページをホストコンピュータ101から設定することが可能となる。これによって、図11で説明したシート重複検査による不良シートの発生を防止することができる。
一方、図12(a)のジャムリカバリ画面において、印刷を継続しない場合、ユーザは、ジョブキャンセルキー1202を押下する。これによって、ジョブは、キャンセルされる。
図9に戻り、ステップS116の判定の結果、印刷装置100が、ジャムリカバリ画面を表示する設定でない場合(ステップS116で「NO」)、CPU114は、処理をステップS118に進める。すなわち、CPU114は、内部的にジョブキャンセルを行うとともに、操作パネル120に図12(b)のキャンセル画面を表示させ(ステップS118)、その後、本処理を終了する。
図12(b)は、ジョブキャンセル画面120−3である。ジョブキャンセル画面120−3は、シート検査装置150が検査再開ページを設定できない仕様だった場合や、何らかの理由により検査開始ページを設定できない場合に用いられる画面である。シート検査装置150に検査再開ページを設定できない構成では、シート重複に基づく不良シートが検出されてしまうため、ジョブの継続ができなくなる。従って、かかる場合は、ジョブをキャンセルするために、図12(b)のジョブキャンセル画面が用意されている。
ジョブキャンセル画面には、「検査を継続できないため、ジョブキャンセルしました。ジョブを再投入してください。」と表示され、OKキー1203が表示されている。ユーザは、ジョブキャンセル画面120−3において、OKキー1203にタッチすることによってジョブをキャンセルする。
ジョブキャンセル画面120−3は、自動的にジョブをキャンセルしたことをユーザに報知するために表示される。従って、ユーザが行うことができる操作はOKキー1203をタッチすることによって画面を閉じることのみである。
なお、本実施の形態においては、ステップS118で自動的にジョブがキャンセルされた後、確認的に、図12(b)のジョブキャンセル画面が表示されるが、OKキー1203を押下した後、ジョブがキャンセルされるように構成することもできる。
図9に戻り、ステップS112の判定の結果、印刷装置100が、シート検査を実行する設定になっていない場合(ステップS112で「NO」)、CPU114は、処理をステップS115に進める。また、ステップS113の判定の結果、シート検査装置よりも下流側にジャムシートがない場合(ステップS113で「NO」)、CPU114は、処理をステップS115に進める。ステップS115では、CPU114は、ユーザに手作業によってジャムシートを取り除ぞかせる。次いで、CPU114は、シート検査装置150に検査再開ページを設定する必要がないので、ステップS111で設定した再印刷先頭ページから自動的に印刷を再開させ(ステップS119)、その後、本処理を終了する。
図9の処理によれば、ジャムシートがシート検査装置150よりも下流側にあるか上流側にあるかで異なる取り扱いがなされる。従って、ユーザは、シート検査装置150に対する設定の要否の判定が容易となる。すなわち、ジャムシートがシート検査装置150よりも下流側にあり、ジャムリカバリ処理において、ユーザがシート検査装置150の設定を行わなければならない場合のみ操作パネル120に図7や図12(a)のリカバリ処理画面が表示される。従って、シート検査装置に対する設定の要否の判定が容易となり、ジャム処理効率を向上させることができる。ここで、ユーザがシート検査装置150の設定を行わなければならない場合とは、たとえば、シート検査を再開する画像のページを設定しなければ、重複検査による不良シートと判定される虞がある場合をいう。
本実施の形態によれば、図3のステップS104で実行されるシート検査・排紙処理においても、ユーザがシート検査装置150の設定を行わなければならない場合に、操作パネル120に検査印刷再開画面が表示される(ステップS610)。これによっても、シート検査装置に対する設定の要否の判定が容易となり、ジャム処理効率を向上させることができる。
本実施の形態において、図4のシート検査・排紙処理は、ジャム発生に伴う印刷停止処理の一部として説明したが、ジャム処理とは別個独立に、印刷装置100のシート搬送パスを搬送されるシートに対し、シート検査を実施する際にも適用される。この場合、図4のステップS605とステップS607の間に、その後の新たな給紙を停止させるための給紙停止ステップ(ステップS606)を挿入することが好ましい。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態では、不良シート検出時と、ジャム発生時のそれぞれの印刷再開方法について説明した。しかしながら、タイミングによっては不良シートの検出と、シートジャムが同時に発生する場合がある。不良シートの検出とシートジャムが同時に発生した場合、別々の画面で別々に処理して印刷ジョブを再開させることもできるが、ユーザの煩雑な作業を減らすためには、まとめて処理した方が効率が良い。
そこで、第2の実施の形態では、不良シートの検出と、シートジャムが同時に発生した場合に、まとめて処理できるようにした。
シート検査装置150による不良シートの検出と、シートジャムは非同期で発生する。従って、不良シートの検出と、シートジャムはどちらか片方だけ発生する状態もあり、両方同時に発生する状態もあり得る。不良シートの検出と、シートジャムが同時に発生した場合、先頭のジャムシートが検査完了境界部801よりも上流側にあるか下流側にあるかで印刷再開時の印刷開始ページが異なってくる。
図13は、不良シートの検出とシートジャムが同時に発生した場合の印刷装置100の状態を示す図である。図13(a)は、先頭のジャムシートが検査完了境界部801よりも上流側の場合を示し、図13(b)は、先頭のジャムシートが検査完了境界部801よりも下流側の場合を示す。
図13(a)のように、先頭のジャムシートが検査完了境界部801よりも上流側にあり、且つ不良シートの検出とシートジャムが同時に発生する場合として、以下のパターンが挙げられる。
すなわち、(1)シート検査装置150がシート1302を不良シートと判定し、後続シート1303〜1307をエスケープトレイ246に排出しているときに、画像定着ユニット210内でシート1304のジャムが発生し、印刷装置100が停止した場合。(2)シート1304のジャムが発生し、シート1304よりも下流側のシートを有効シートとしてシート検査装置150で検査する。そして、検査した結果、シート1302、1303が不良シートと判定され、シート1302、1303がエスケープトレイ246に排出された後、印刷装置100が停止した場合。
(1)及び(2)のいずれの場合も、ジャム処理後の印刷再開は先頭ジャムシートであるシート1304からではなく、不良シート1302に印刷された画像から印刷を再開する必要がある。
一方、図13(b)に示したように先頭のジャムシートが検査完了境界部801よりも下流側にあり、不良シートの検出とシートジャムが同時に発生する場合は、図13(a)と同様、不良シート検出が先に発生する場合とシートジャムが先に発生する場合がある。
しかし、シート1312のジャムが発生すると即時にシート搬送が停止するため、後続のシートに対して不良シートが検出されても、図13(b)のように、不良シートとしてエスケープトレイ246に排紙されることは少ない。もちろん、なるべくジャムシートを減らすために、不良シート以降のシートをエスケープトレイ246に排紙するよう構成してもかまわない。
先頭のジャムシートが検査完了境界部801よりも下流側の場合、ジャム処理後の再印刷は、ジャムシート1312に印刷された画像から印刷する必要がある。
以下、不良シートの検出と、シートジャムが同時に発生した際のジャムリカバリ処理について説明する。
図14は、不良シートの検出とシートジャムが同時に発生した場合のリカバリ処理の手順を示すフローチャートである。このリカバリ処理は、印刷装置100のCPU114が、HDD115に格納され、RAM113にロードされたリカバリプログラムに従って実行する。このリカバリ処理も、図9のジャムリカバリ処理と同様、図3の印刷停止処理が終了した後、開始される。
図14において、リカバリ処理が開始されると、CPU114は、内部パラメータのジャム処理後の印刷再開先頭ページとして、先頭ジャムシートである最も下流側のジャムシートに印刷されているページを設定する(ステップS141)。このページは、図3のステップS102又はステップS107で設定されたページである。次いで、CPU114は、印刷装置100が、シート検査を実行する設定になっているか否かを判定する(ステップS142)。
ステップS142の判定の結果、印刷装置100が、シート検査を実行する設定である場合(ステップS142で「YES」)、CPU114は、処理をステップS143に進める。すなわち、CPU114は、検査完了境界部801(シート検査装置150)よりも下流側にジャムシートがあるか否か判定する(ステップS143)。
ステップS143の判定の結果、検査完了境界部801(シート検査装置150)よりも下流側にジャムシートがない場合(ステップS143で「NO」)、CPU114は、処理をステップS144に進める。すなわち、CPU114は、シート検査による不良ページ(図3のステップS104(図4のステップS605)が内部パラメータに登録されているか否か判定する(ステップS144)。
ステップS144の判定の結果、不良ページが内部パラメータに登録されている場合(ステップS144で「YES」)、CPU114は、処理をステップS145に進める。すなわち、CPU114は、この場合は、不良シートの方が先頭ジャムシートより先行するシートであることから、不良シートのページを再印刷先頭ページに設定する(ステップS145)。印刷を再開するシートとして、ジャムシート及びシート検査における不良シートのうち、最も下流側のシートを選択する必要があるからである。
次いで、CPU114は、ユーザに、手作業にてジャムシートを取り除かせる(ステップS146)。次いで、CPU114は、不良ページが内部パラメータに登録されているか否かを確認的に判定する(ステップS148)。ステップS148の判定の結果、不良ページが内部パラメータに登録されている場合(ステップS148で「YES」)、CPU114は、操作パネル120に、検査印刷再開画面120−1を表示する(ステップS150)。
このとき、検査印刷再開画面120−1に基づいて不良シートから再印刷が開始される。すなわち、ユーザは、シート検査装置150に対し、ホストコンピュータ101を用いてシート検査再開ページを確認又は新たに設定し直した後、印刷再開キー701にタッチする。これにより、シート重複に基づく不良シートの検出を回避しつつ印刷動作を再開させることができる。次いで、CPU114は、本処理を終了する。
一方、ステップS148の判定の結果、不良ページが内部パラメータに登録されていない場合(ステップS148で「NO」)、CPU114は、処理をステップS149に進める。すなわち、CPU114は、先頭ジャムシートが検査完了境界部801より下流側にある場合に、操作パネル120に図12(a)のジャム再開画面を表示する設定なのか否か判定する(ステップS149)。なお、ジャム再開画面を表示する設定は、操作パネル120からコントローラ110の不揮発メモリ112に設定するようにしても良いし、ホストコンピュータ101からの印刷ジョブに設定するようにしてもかまわない。
ステップS149の判定の結果、ジャム再開画面を表示する設定の場合(ステップS149で「YES」)、CPU114は、操作パネル120に、図12(a)のジャム再開画面を表示する(ステップS151)。このとき、ユーザの操作によって、ジャムリカバリ後の印刷が再開される。すなわち、ユーザは、ホストコンピュータ101を用いてシート検査装置150対してシート検査再開ページを確認又は新たに設定し直した後、印刷再開キー1201を押下する。これにより、シート重複に基づく不良シートの検出を回避しつつ印刷動作を再開させることができる。
また、ステップS149の判定の結果、印刷装置100が、ジャム再開画面を表示する設定でない場合(ステップS149で「NO」)、CPU114は、処理をステップS152に進める。すなわち、CPU114は、内部的にジョブキャンセルを行うとともに、操作パネル120に、図12(b)のキャンセル画面を表示させる(ステップS152)。ユーザは、ジョブキャンセル画面120−3において、OKキー1203にタッチすることによってジョブをキャンセルすることができる。
図12(b)のジョブキャンセル画面は、シート検査装置150が検査再開ページを設定できない仕様だった場合や、何らかの理由により検査開始ページを設定できない場合に表示される。シート検査装置150に検査再開ページを設定できないと、シート重複検査で不良シートが検出されてしまうため、ジョブの継続ができなくなってしまうことから、図12(b)の画面が用意されている。
一方、ステップS142の判定の結果、シート検査を実行する設定でない場合(ステップS142で「NO」)、CPU114は、処理をステップS147に進める。また、ステップS144の判定の結果、不良ページが内部パラメータに登録されていない場合(ステップS144で「NO」)、CPU114は、処理をステップS147に進める。すなわち、CPU114は、ユーザによって手作業にてジャムシートを取り除かせる(ステップS147)。次いで、CPU114は、シート検査装置150に検査再開ページを設定する必要がないので、ステップS141で設定した再印刷先頭ページから自動的に印刷を再開させ(ステップS153)、その後、本処理を終了する。
なお、ステップS143の判定の結果、シート検査装置150よりも下流側にジャムシートがある場合(ステップS143で「YES」)、CPU114は、処理をステップS146に進める。
図14の処理によれば、ジャムが発生した場合において、ユーザがシート検査装置150の設定を行わなければならないときのみ操作パネル120に図8の検査印刷再開画面120−1又は12(a)のジャム再開画面120−2が表示される。これによって、ユーザは、必要な時だけに印刷再開シート又は画面を確認することができ、常時、印刷再開シート又は画面を確認するという煩雑な操作が不要となる。
本実施の形態において、ステップS150で表示される検査印刷再開画面と、ステップS151で表示されるジャム再開画面は、印刷再開時の再開ページが不良シートか先頭ジャムシートかの違いはあるが、印刷を再開させる動作としては同じである。従って、再開ページが不良シートか先頭ジャムシートか判断する必要がなければ、画面表示を分けず、共通の画面を適用することもできる。
本実施の形態において、ジャムシートが、シート検査装置150よりも上流側にあるか下流側にあるか(ステップS143)によって、印刷を再開させる場合の処理内容を異ならせる。これによって、ジャムシートの発生位置に応じて適切に印刷を再開させることができる。
(第1の変形例)
第1及び第2の実施の形態では、ジャム発生時において、ユーザがシート検査装置150の設定を行わなければならない場合だけ、図12(a)の画面を表示し、検査完了境界部801よりも上流側のジャムの場合は印刷自動再開とした。ユーザが、シート検査装置150の設定を行わなければならない場合とは、検査完了境界部801よりも下流側でジャムが発生した場合である。ただし、操作フローとして、ユーザの指示を条件に印刷を再開させるために、検査完了境界部801よりも上流側のジャムの場合に印刷自動再開でなく、図12(a)の代わりに表示文章を変更した図15の画面を表示するよう構成することも可能である。
図15は、検査再開シートの確認が不要の場合のジャムリカバリ画面を示す図である。
このジャムリカバリ画面120−4は、図12(a)のジャムリカバリ画面120−2と異なり、検査開始ページを確認する必要がないことをメッセージで示すことにより、そのまま印刷再開可能であることを示している。この画面で、ユーザが、印刷再開キー1501にタッチすることによって印刷が再開され、ジョブキャンセルキー1502にタッチすることによってジョブキャンセルされる。
(第2の変形例)
上述の各実施の形態では、検査完了境界部801よりも下流側のジャム時に、シート検査装置150に対して検査開始ページを設定するために、ユーザは取り出したジャムシートや、排紙トレイに出力されている最終シートの画像を確認する必要がある。ただ、ジャムシートは破れている可能性や、取り出したときに順番がわからなくなる可能性がある。また、排紙されているシートを確認する場合、大容量スタッカなどはドアを開けないと見ることができないものもある。
そこで、第2の変形例では、ユーザのそのような作業の手間や、ユーザの間違いなどを軽減するために、ジャムリカバリ画面から印刷再開ページをプレビューできるようにした。なお、検査印刷再開画面からプレビューできるようにしてもよい。
図16は、印刷再開ページのプレビュー画面を示す図である。図16において、(a)印刷再開ページプレビュー画面120−5は、図12(a)のリカバリ画面120−2に、再開ページプレビューキー1601を追加した画面である。ユーザが、再開ページプレビューキー1601にタッチすることによって、表示画面が、印刷が再開される際の最初の画像を表示する(b)の印刷再開ページ画面120−6に遷移する。また、印刷再開キー1602にタッチすることによって印刷が再開され、ジョブキャンセルキー1603にタッチすることによってジョブがキャンセルされる。
図16の(b)は、印刷再開ページ画面120−6である。1604は、印刷再開(プレビュー)画像であり、図9のステップS111、図14のステップS141及びS145で設定した再印刷先頭ページの画像がサムネイルで表示されている。ユーザはこの表示された画像を確認した後、シート検査装置150対して検査再開ページとしてホストコンピュータ101から設定すれば良い。なお、印刷再開ページ画面120−6において、ユーザが、OKキーにタッチすることによって、図16(a)の印刷再開ページプレビュー画面に戻る。
本変形例によれば、印刷が再開される画像を印刷再開(プレビュー)画像としてプレビュー表示するようにした。これによって、ユーザは、印刷再開ページを確認し、適正であるか否かの判断が容易となる。本変形例において、印刷再開画像をプレビューする代わりに、操作部120に、番号表示部によって、印刷が再開されるページ番号を表示するようにすることもできる。本変形例において、印刷再開ページのプレビュー画面は、ユーザの要求に従って表示させることができる。これによって、印刷再開時におけるユーザの作業の手間を軽減し、且つ間違いなどを防止できる。
(第3の変形例)
本発明において、先頭のジャムシートがシート検査手段よりも下流側にある場合、印刷再開時に、シート検査装置150に対し、同じ画像が形成されたシートが複数枚重複したことを検知するシート重複検査を検査項目から除外するように設定にすることができる。これによって、シート検査後にジャム原因となったシートの画像と同じ画像が形成された再印刷シートについてもシート検査が可能となり、画像の良否を判定することができる。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100 印刷装置
101 ホストコンピュータ
110 コントローラ
114 CPU
120 操作パネル
130 プリンタエンジン
150 シート検査装置
200 画像形成ユニット
203 シート搬送パス(搬送路)
210 画像定着ユニット
230 カメラユニット
240 大容量スタッカ
250 フィニッシャー
300 画像形成システム
801 検査完了境界部

Claims (15)

  1. 画像を形成してシートに印刷する画像出力手段と、
    前記画像出力手段から出力されたシートを搬送する搬送路と、
    前記搬送路に設けられ、搬送されるシートを検査する検査手段と、
    ユーザに対して情報を表示する表示手段と、
    前記搬送路内でジャムが発生した場合に、ジャムシートに形成されていた画像から印刷を再開させるジャムリカバリ手段と、を備え、
    前記ジャムリカバリ手段は、先頭のジャムシートが、前記検査手段よりも下流側にある場合は、ユーザからの印刷再開の指示を条件に、前記先頭のジャムシートに形成されていた画像から印刷を再開させることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記ジャムリカバリ手段は、前記表示手段に、前記検査手段による検査再開ページを確認するための画面を表示させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記検査手段によって検査が再開されるシートを設定するための設定手段を備えており、
    前記ジャムリカバリ手段は、前記設定手段に前記先頭のジャムシートに形成されていた画像が形成されたシートから検査を再開する設定がなされており、且つ、前記ユーザから印刷再開の指示があった場合に、前記印刷を再開することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 前記ジャムリカバリ手段は、前記印刷の再開の指示が入力されて印刷を再開するまでの間に、前記表示手段に、前記印刷が再開される際の最初の画像を表示するプレビュー手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記プレビュー手段は、ユーザの要求に従って前記最初の画像を表示することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
  6. 前記ジャムリカバリ手段は、前記印刷の再開の指示が入力されて印刷を再開するまでの間に、前記表示手段に、印刷が再開される際の最初の画像の番号を表示する番号表示手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記番号表示手段は、ユーザの要求に従って前記画像の番号を表示することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
  8. 前記検査手段は、前記搬送されるシートに対し、バーコード可読検査、印刷内容検査、シート重複検査及びシート抜け検査のうち、少なくとも1つを実施することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に画像形成装置。
  9. 前記検査手段は、前記シートに形成された画像を撮影するカメラを有し、撮影画像を用いて前記シートに形成された画像について前記検査を実施することを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
  10. 前記ジャムリカバリ手段は、前記ユーザからの印刷再開の指示がなかった場合、印刷ジョブをキャンセルすることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 画像を形成してシートに印刷する画像出力手段と、
    前記画像出力手段から出力されたシートを搬送する搬送路と、
    前記搬送路に設けられ、搬送されるシートを検査する検査手段と、
    ユーザに対して情報を表示する表示手段と、
    前記搬送路内でジャムが発生した場合に、ジャムシートに形成されていた画像から印刷を再開させるジャムリカバリ手段と、を備え、
    前記ジャムリカバリ手段は、先頭のジャムシートが、前記検査手段よりも上流側にある場合は、前記先頭のジャムシートに形成されていた画像から印刷を再開させることを特徴とする画像形成装置。
  12. 前記ジャムリカバリ手段は、前記表示手段に、前記検査手段による検査再開ページを確認するための画面を表示させることなく、前記印刷を再開させることを特徴とする請求項11記載の画像形成装置。
  13. 前記ジャムリカバリ手段は、前記検査手段の検査項目がシート重複検査の場合に、前記先頭のジャムシートが、前記検査手段よりも上流側にあるか下流側にあるかによって、前記印刷を再開させる場合の処理内容を異ならせることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  14. 画像を形成してシートに印刷する画像出力手段と、
    前記画像出力手段から出力されたシートを搬送する搬送路と、
    前記搬送路に設けられ、搬送されるシートを検査する検査手段と、
    ユーザに対して情報を表示する表示手段と、
    前記搬送路内でジャムが発生した場合に、ジャムシートに形成されていた画像から印刷を再開させるジャムリカバリ手段と、を備え、
    前記ジャムリカバリ手段は、先頭のジャムシートが前記検査手段よりも下流側にある場合は、前記検査手段に対し、特定の画像が形成されたシートが複数枚重複したことを検知するシート重複検査を検査項目から除外するように設定にすることを特徴とする画像形成装置。
  15. 前記ジャムシートが前記検査手段の上流側にあるか下流側にあるかの判定は、前記検査手段における検査完了境界部を基準に実施されることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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