JP2018031849A - 低硬度微細セルローラ及び当該低硬度微細セルローラを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の一例であるシリコーンスポンジローラ1は、図1に示されるように、芯金とも称される軸体2と、軸体2の外周面に形成された弾性層3とを有する。弾性層3の表面にはフッ素樹脂層4が形成されたものでもよい。
軸体2は、通常、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、真鍮等で形成されたいわゆる芯金と称される長尺状円柱体である。軸体2は装着される画像形成装置30に応じて適宜の直径及び軸線方向の長さに調整される。
弾性層3は、ミラブル型シリコーンゴムと未膨張マイクロバルーンと化学発泡剤とで形成される。
ミラブル型シリコーンゴムは、硬化する前の状態が天然ゴムや通常の合成ゴムの未加硫配合ゴムに類似していて、練りロール機あるいは密閉式の混合機などで可塑化・混合することができるシリコーンゴムコンパウンドである。
R1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換若しくは置換の一価炭化水素基を示し、aは1.95から2.05の正数である。)
(B)BET吸着法による比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ
(C)下記一般式(II)で示されるアルコキシシラン
R2mSi(OR3)4-m (II)
(式中、R2は独立に水素原子又は非置換若しくは置換の一価炭化水素基であり、R3は同
一又は異種の非置換若しくは置換のアルキル基であり、mは0,1,2又は3である。)
(D)水
(E)下記一般式(III)で示されるヘキサオルガノジシラザン
R4 3SiNHSiR4 3 (III)
(式中、R4は同一又は異種の一価炭化水素基を示す。)
本発明のスポンジローラにおいては、弾性層の形成に未膨張マイクロバルーンを用いる。本発明における未膨張マイクロバルーンは、膨張していない樹脂マイクロバルーンを挙げることができる。
本発明における化学発泡剤としては、従来、弾性層の形成に用いられる発泡剤であればよく、例えば、無機系発泡剤として、重炭酸ソーダ、炭酸アンモニウム等が挙げられ、有機系発泡剤として、ジアゾアミノ誘導体、アゾニトリル誘導体、アゾジカルボン酸誘導体等の有機アゾ化合物等が挙げられる。有機アゾ化合物の中でも、アゾジカルボン酸アミド、アゾビス−イソブチロニトリル等が好適に使用される。特に、アゾビス−イソブチロニトリルが好適に使用できる。
本発明に係るシリコーンスポンジローラ1は、上記ミラブル型シリコーンゴムと未膨張マイクロバルーンと化学発泡剤とから形成された弾性層3を有する。弾性層3のアスカーC硬度は、10度以上45度以下、好ましくは10度以上40度以下、更に好ましくは10度以上35度以下であるのが好ましい。低硬度とすることで、例えば、シリコーンスポンジローラ1が定着装置35に装着されたときに、定着ローラ53と加圧ローラ56とのニップ幅を大きくすることができ、高い現像剤定着性を発揮できる。
また、弾性層3における、未膨張マイクロバルーン及び化学発泡剤によって形成された平均セル径は、50μm以上250μm以下であることが好ましい。具体的には、未膨張マイクロバルーンによって形成された平均セル径が200μm以下、好ましくは20μm以上200μm以下、特に好ましくは30μm以上150μm以下、更に好ましくは50μm以上150μm以下であるセルと、化学発泡剤によって形成された平均セル径が300μm以下、好ましくは50μm以上300μm以下、特に好ましくは60μm以上250μm以下、更に好ましくは80μm以上250μm以下であるセルとの複合セルを有する。なお、本発明においては、化学発泡剤により形成されたセルの平均セル径は、未膨張マイクロバルーンにより形成されたセルの平均セル径よりも大きい。また、弾性層3が、化学発泡剤を含有することにより化学発泡剤により生じたセルを有するが、未膨張マイクロバルーンを含有しないことにより未膨張マイクロバルーンによるセルを有していない場合、セル径が大きくなり表面平滑性が低下する。そのため、本発明のシリコーンスポンジローラ1における弾性層3において、未膨張マイクロバルーン由来のセルによって、化学発泡剤由来のセルが大きくなることを抑制する。特に、未膨張マイクロバルーンの膨張開始温度が、併用する化学発泡剤の分解温度と同等又は低い場合、化学発泡剤の分解よりも早期に未膨張マイクロバルーンが膨張するため、化学発泡剤由来のセルが大きくなることを抑制するのに効果的である。
また、弾性層3の中心軸線に直交する方向で弾性層3を切断したときに現れる、弾性層3の断面は、未膨張マイクロバルーンと化学発泡剤によって形成されたセルの面積比が95対5〜10対90であって、好ましくは95対5〜25対75であり、より好ましくは90対10〜40対60である。未膨張マイクロバルーンによる小径セルは、繰り返し圧縮による硬度低下は小さいが、圧縮永久歪みが大きく、一方で、化学発泡剤による大径セルは、圧縮永久歪みは小さいが、繰り返し圧縮による硬度低下が大きい。上記セル面積比が上記範囲内にあると、未膨張マイクロバルーンの影響で化学発泡剤のセル径が過度に大きくならず、表面平滑性に優れた弾性層3を得ることができる。また、未膨張マイクロバルーンと化学発泡剤との混合比率を調整し上記セル面積比を最適にすることで、繰り返し圧縮による硬度低下と圧縮永久歪みの両方を小さくすることができる。
また、弾性層3の表面は、軸方向における表面粗さRzが5μm以上15μm以下であることが好ましい。表面粗さは、弾性層3を形成するためのミラブル型シリコーンゴムと未膨張マイクロバルーンと化学発泡剤とを含む混合物の加硫条件を適切に設定することにより、調整することができる。
未膨張マイクロバルーン及び化学発泡剤によって形成されたセルを有する弾性層3の圧縮永久歪みは、以下のようにして評価することができる。
図2に示されるように、シリコーンスポンジローラ1の上下を鉄板20で挟み、万力で固定する。その際、上下の鉄板20の間にスペーサー21を挟み、鉄板20の間隔が一定の距離を保つように調整する。その状態のまま、180℃の乾燥機中で5時間放置する。その後、シリコーンスポンジローラ1を挟んでいた鉄板20を外し、室温で16時間放置する。そのシリコーンスポンジローラ1の直径を測定し、以下の式で圧縮永久歪みを計算する。
試験前のシリコーンスポンジローラ1の直径 D1
試験後のシリコーンスポンジローラ1の直径 D2
芯金の直径 L
スペーサー21の高さ H
圧縮永久歪み(%)= ( D1 − D2 )/( D1 − H )×100
圧縮率(%) = ( D1 − H )/( D1 − L )×100
弾性層3は、軸体2の外周面に円柱状に形成され、弾性層3の厚みは通常0.5mm以上30mm以下であり、好ましくは1mm以上15mm以下である。弾性層3の比重は、0.15以上0.9以下であることが好ましい。
本発明に係るシリコーンスポンジローラ1は、以下で説明する製造方法により製造することができる。
本発明に係るシリコーンスポンジローラ1を備えた定着装置35を内装する画像形成装置30(以下、本発明に係る画像形成装置30と称することがある。)の一例を、図3を参照して、説明する。
実施例1〜6及び比較例1〜7にあっては、表1に示されるベースゴム材料と、表1に示される架橋剤と、表1に示される触媒と、表1に示される未膨張マイクロバルーンと、表1に示される化学発泡剤とを、表1に示される配合量をもって、二本ロールで十分に混練して混合物を得た。
2 軸体
3 弾性層
4 フッ素樹脂層
20 鉄板
21 スペーサー
30 画像形成装置
31 像担持体
32 帯電手段
33 露光手段
34 転写手段
35 定着装置
36 被転写体
37 クリーニング手段
40 現像手段
41 現像剤収納部
42 現像剤
43 現像剤供給手段
44 現像剤担持体
45 現像剤規制部材
50 筐体
52 開口
53 定着ローラ
54 無端ベルト支持ローラ
55 無端ベルト
56 加圧ローラ
Claims (5)
- 軸体とその軸体の外周面に形成された弾性層とを有するシリコーンスポンジローラであって、
前記弾性層が、ミラブル型シリコーンゴムと未膨張マイクロバルーンと化学発泡剤とから形成され、
前記未膨張マイクロバルーンの膨張開始温度が、併用する前記化学発泡剤の分解温度と同等又はそれより低い温度であり、
前記弾性層におけるアスカーC硬度が、10度以上45度以下であり、
前記未膨張マイクロバルーン及び前記化学発泡剤によって形成された平均セル径が50μm以上250μm以下であることを特徴とするシリコーンスポンジローラ。 - 前記弾性層の断面において、前記未膨張マイクロバルーンと前記化学発泡剤によるセル面積比が95対5〜10対90であって、
前記弾性層は、前記未膨張マイクロバルーンの添加量と前記化学発泡剤の添加量とを合わせた添加量と同一の添加量の未膨張マイクロバルーンのみで形成された弾性層よりも低硬度であり、
前記弾性層における平均セル径は、前記未膨張マイクロバルーンの添加量と前記化学発泡剤の添加量とを合わせた添加量と同一の添加量の化学発泡剤のみで形成された弾性層における平均セル径よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載のシリコーンスポンジローラ。 - 前記弾性層の比重が0.15以上0.9以下であり、
前記未膨張マイクロバルーンによって形成された平均セル径が150μm以下、かつ前記化学発泡剤によって形成された平均セル径が300μm以下の複合セルを有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のシリコーンスポンジローラ。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載のスポンジローラであって、
前記弾性層は、25%圧縮永久歪みが15%以下であり、かつスポンジ表面の粗さがRz94で15μm以下であり、
前記弾性層の表面には、フッ素樹脂層が形成された画像形成装置用ローラ。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載のシリコーンスポンジローラ、又は請求項4に記載の画像形成装置用ローラを備えてなることを特徴とする画像形成装置。
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