JP2018030734A - 坩堝 - Google Patents

坩堝 Download PDF

Info

Publication number
JP2018030734A
JP2018030734A JP2016161843A JP2016161843A JP2018030734A JP 2018030734 A JP2018030734 A JP 2018030734A JP 2016161843 A JP2016161843 A JP 2016161843A JP 2016161843 A JP2016161843 A JP 2016161843A JP 2018030734 A JP2018030734 A JP 2018030734A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crucible
single crystal
region
peripheral wall
wall surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016161843A
Other languages
English (en)
Inventor
佐々木 将
Susumu Sasaki
将 佐々木
俊策 上田
Shunsaku Ueta
俊策 上田
直樹 梶
Naoki Kaji
直樹 梶
原田 真
Makoto Harada
真 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2016161843A priority Critical patent/JP2018030734A/ja
Publication of JP2018030734A publication Critical patent/JP2018030734A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】異種ポリタイプの混入を抑制することが可能な坩堝を提供する。
【解決手段】グラファイトからなり、昇華法による炭化珪素の単結晶の成長に用いられる坩堝1は、種結晶81を保持するための保持部11と、保持部11から単結晶の成長方向に沿って延在する成長空間30,40,50を取り囲む周壁面20Bと、を備える。周壁面20Bは、成長空間30,40,50の単結晶83の成長方向に垂直な断面積が保持部11から離れるにしたがって大きくなる拡径部40を取り囲むテーパ領域42Aを含む。周壁面20Bには、金属炭化物からなる被膜32B,52Bが形成されている。テーパ領域42Aの少なくとも一部において、坩堝1を構成するグラファイトが露出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、坩堝に関し、より特定的には昇華法による炭化珪素の単結晶の成長に用いられる坩堝に関するものである。
坩堝内において原料粉末を昇華させて種結晶上に再結晶化させる方法(昇華法)により、炭化珪素の単結晶を製造することができる。このような単結晶の製造方法において、内壁に炭化タンタルなどの金属炭化物を配置したグラファイト製の坩堝が提案されている。これにより、高品質な炭化珪素の単結晶が得られるとされている(たとえば、特許文献1および2参照)。
特開2008−169111号公報 特開2011−219336号公報
しかしながら、上記特許文献1〜2に開示された坩堝を採用するのみでは、得られる結晶中に異種ポリタイプが混入する場合がある。
そこで、異種ポリタイプの混入を抑制することが可能な坩堝を提供することを目的の1つとする。
本発明に従った坩堝は、グラファイトからなり、昇華法による炭化珪素の単結晶の成長に用いられる坩堝である。この坩堝は、種結晶を保持するための保持部と、保持部から単結晶の成長方向に沿って延在する成長空間を取り囲む周壁面と、を備える。周壁面は、成長空間の単結晶の成長方向に垂直な断面積が保持部から離れるにしたがって大きくなる拡径部を取り囲むテーパ領域を含む。周壁面には、金属炭化物からなる被膜が形成されている。テーパ領域の少なくとも一部において、坩堝を構成するグラファイトが露出する。
上記坩堝によれば、結晶への異種ポリタイプの混入を抑制することができる。
坩堝の構造の一例を示す概略断面図である。 単結晶の製造方法の概略を示すフローチャートである。 単結晶の製造方法を説明するための概略断面図である。 単結晶の製造方法を説明するための概略断面図である。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施態様を列記して説明する。本願の坩堝は、グラファイトからなり、昇華法による炭化珪素の単結晶の成長に用いられる坩堝である。この坩堝は、種結晶を保持するための保持部と、保持部から単結晶の成長方向に沿って延在する成長空間を取り囲む周壁面と、を備える。周壁面は、成長空間の単結晶の成長方向に垂直な断面積が保持部から離れるにしたがって大きくなる拡径部を取り囲むテーパ領域を含む。周壁面には、金属炭化物からなる被膜が形成されている。テーパ領域の少なくとも一部において、坩堝を構成するグラファイトが露出する。
本願の坩堝においては、周壁面に金属炭化物からなる被膜が形成されている。これにより、原料粉末が昇華して形成された原料気体により、周壁面が浸食されることが抑制される。その結果、周壁面の浸食の結果生じた異物が単結晶中に取り込まれることが抑制される。また、本願の坩堝においては、テーパ領域の少なくとも一部において、坩堝を構成するグラファイトが露出する。これにより、原料気体が保持部に保持された種結晶へと向かう経路において、適度にグラファイトに接触する。これにより、原料気体に適量のカーボンが導入され、異種ポリタイプの混入が抑制される。このように、本願の坩堝によれば、結晶への異種ポリタイプの混入を抑制することができる。
上記坩堝において、保持部とテーパ領域との距離は30mm以上であってもよい。このようにすることにより、テーパ領域において露出するグラファイトの浸食の結果生じた異物が単結晶中に取り込まれることが抑制される。異物が単結晶中に取り込まれることをより確実に抑制する観点から、保持部とテーパ領域との距離は40mm以上としてもよい。
上記坩堝において、単結晶の成長方向とテーパ領域とのなす角は20°を超え90°未満であってもよい。このようにすることにより、より確実に原料気体に適量のカーボンを導入することができる。さらに確実に原料気体に適量のカーボンを導入する観点から、単結晶の成長方向とテーパ領域とのなす角は、30°以上60°以下としてもよい。
上記坩堝において、周壁面は、テーパ領域から見て保持部側に位置し、成長空間の単結晶の成長方向に垂直な断面積が単結晶の成長方向において一定である円筒部を取り囲む直線領域をさらに含んでいてもよい。直線領域は全域にわたって上記被膜に覆われていてもよい。テーパ領域では、全域にわたって坩堝を構成するグラファイトが露出していてもよい。このように直線領域を被膜で覆い、テーパ領域の全域においてグラファイトが露出するようにすることで、より確実に周壁面の浸食の結果生じた異物が結晶中に取り込まれることを抑制しつつ、原料気体に適量のカーボンを導入することができる。
上記坩堝において、直線領域を取り囲む第1の中空部と、テーパ領域を取り囲む第2の中空部が形成されていてもよい。第1の中空部には断熱材が配置されていてもよい。第2の中空部は空であってもよい。
第1の中空部に断熱材を配置することにより、外部から坩堝を加熱した場合の坩堝内での熱伝導率が低下する。その結果、単結晶の成長方向に垂直な方向における温度差を低減し、歪みの小さい単結晶を得ることができる。また、第2の中空部が空であることにより、外部から坩堝を加熱した場合の坩堝内での熱伝導率が上昇する。その結果、原料気体に十分な量のカーボンを導入することが容易となる。
[本願発明の実施形態の詳細]
次に、本発明にかかる坩堝の一実施の形態を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
図1を参照して、本実施の形態における坩堝1は、グラファイトからなり、原料粉末を昇華させて種結晶上に再結晶させることにより、種結晶上に単結晶を成長させる、昇華法による炭化珪素の単結晶の成長に用いられる坩堝である。坩堝1は、一方の端部に底部を有し、他方の端部に開口部を有する中空円筒状の本体部20と、本体部20の上記他方の端部に形成された開口部を閉塞する円盤状の蓋部10とを備えている。蓋部10および本体部20は、グラファイトからなっている。蓋部10は、本体部20に対して着脱自在となっている。蓋部10の外周に形成された蓋結合面12と本体部20の内周に形成された本体部結合面21とが接触することにより、蓋部10は本体部20に対して固定される。蓋結合面12および本体部結合面21には、たとえばらせん状のねじ溝が形成されていてもよい。蓋部10の一方の主面には、当該主面の中央部から突出する保持部11が形成されている。蓋部10を本体部20に取り付けた状態において、保持部11は、円筒状の形状を有する本体部20の中心軸Aを含むように位置する。中心軸Aは、単結晶の成長方向に沿って延びる。保持部11の先端には、種結晶を保持する保持面11Aが形成されている。
坩堝1内には、保持部11から単結晶の成長方向(中心軸Aの延びる方向)に沿って延在する空間である第1領域30が形成される。この第1領域30は、本体部20の内周面から中心軸Aに向けて突出するように形成された第1壁部32により取り囲まれる空間である。互いに対向する第1壁部32間の距離、すなわち互いに対向する第1壁部32の内壁面32A同士の距離は、単結晶の成長方向(中心軸Aの延びる方向)において一定である。すなわち、第1壁部32の内壁面32Aは、単結晶の成長方向に垂直な断面積が単結晶の成長方向において一定である円筒部としての第1領域30を取り囲む直線領域である。第1壁部32の内壁面32Aには、金属炭化物からなる被膜32Bが形成されている。被膜32Bを構成する金属炭化物としては、たとえば炭化タンタル(TaC、TaC)、炭化ニオブ(NbC、NbC)、炭化モリブデン(MoC、MoC)、炭化タングステン(WC)などを採用することができる。本実施の形態においては、第1壁部32の内壁面32Aは全域にわたって被膜32Bに覆われている。
坩堝1内には、第1領域30から単結晶の成長方向(中心軸Aの延びる方向)に沿って保持部11とは反対側に延在する空間である第2領域40が形成されている。この第2領域40は、本体部20の内周面から中心軸Aに向けて突出するように形成された第2壁部42により取り囲まれる空間である。中心軸Aに垂直な方向において互いに対向する第2壁部42間の距離、すなわち互いに対向する第2壁部42の内壁面42A同士の距離は、第1領域30から離れるにしたがって徐々に大きくなっている。別の観点から説明すると、中心軸Aに垂直な断面における第2領域40の断面積は、第1領域30から離れるにしたがって徐々に大きくなっている。すなわち、第2壁部42の内壁面42Aは、単結晶の成長方向に垂直な断面積が保持部11から離れるにしたがって大きくなる拡径部としての第2領域40を取り囲むテーパ領域である。
第2壁部42の内壁面42Aの少なくとも一部において、坩堝1を構成するグラファイトが露出する。本実施の形態においては、第2壁部42の内壁面42Aでは、全域にわたって坩堝1を構成するグラファイトが露出する。すなわち、第2壁部42の内壁面42Aには、金属炭化物からなる被膜が形成されていない。中心軸Aを含む断面において、第2壁部42の内壁面42Aと単結晶の成長方向(中心軸Aの延在方向)とのなす角である角度αは20°を超え90°未満である。また、保持部11と第2壁部42の内壁面42Aとの距離Lは30mm以上である。
坩堝1内には、第2領域40から単結晶の成長方向(中心軸Aの延びる方向)に沿って第1領域30とは反対側に延在し、原料粉末を保持すべき空間である第3領域50が形成されている。第3領域50は、本体部20の側壁である第3壁部52により取り囲まれる空間である。互いに対向する第3壁部52間の距離、すなわち互いに対向する第3壁部52の内壁面52A同士の距離は中心軸Aの延在方向において一定である。別の観点から説明すると、中心軸Aに垂直な断面における第3領域50の断面積は、中心軸Aの延在方向において一定である。第3壁部52と第2壁部42とは全周にわたって隙間なく接続されている。第3壁部52の内壁面52Aには、金属炭化物からなる被膜52Bが形成されている。被膜52Bを構成する金属炭化物としては、被膜32Bと同種の材料、たとえば炭化タンタル(TaC、TaC)、炭化ニオブ(NbC、NbC)、炭化モリブデン(MoC、MoC)、炭化タングステン(WC)などを採用することができる。本実施の形態においては、第3壁部52の内壁面52Aは全域にわたって被膜52Bに覆われている。第1壁部32の内壁面32A、第2壁部42の内壁面42Aおよび第3壁部52の内壁面52Aは、保持部11から単結晶の成長方向(中心軸Aの延びる方向)に沿って延在する単結晶の成長空間を取り囲む周壁面20Bを構成する。
坩堝1内には、保持部11の外周側を取り囲む空間である第4領域60が形成されている。第4領域60と第1領域30とは、チャネル空間61により接続されている。
第1壁部32の内部には、第1の中空部としての中空部31が形成されている。中空部31は、第1領域30を取り囲むように配置される環状の空間である。そして、この中空部31内には、断熱材91が配置されている。つまり、第1壁部32の内部には断熱材91が配置されている。断熱材91としては、たとえばカーボンフェルトを採用することができる。本実施の形態では、帯状の断熱材91の両端を合わせて環状としたものを複数個(図1では5個)積層することにより、中空部31内が断熱材91により満たされている。これら複数の断熱材91は、単結晶の成長方向(中心軸Aの延在方向)に垂直な方向に積層されるように配置されている。なお、帯状の一の断熱材91を複数周巻き付けることにより、単結晶の成長方向(中心軸Aの延在方向)に垂直な方向に積層されるように断熱材91を配置してもよい。
また、第2壁部42の内部には内壁41Aの各領域が空の空間を挟んで反対側の内壁41Aの領域に対向する第2の中空部としての中空部41が形成されている。中空部41は、第2領域40を取り囲むように配置される環状の空間である。中空部41内には、断熱材は配置されない。中空部41内は、空の状態となっている。
次に、上記坩堝1を用いた炭化珪素単結晶の製造方法を説明する。図2を参照して、本実施の形態における炭化珪素単結晶の製造方法では、まず工程(S10)として坩堝準備工程が実施される。この工程(S10)では、図1に基づいて説明した坩堝1が準備される。
次に、工程(S20)として原料粉末配置工程が実施される。この工程(S20)では、図3を参照して、坩堝1の第3領域50内に、炭化珪素の粉末である原料粉末82が配置される。具体的には、蓋部10を取り外した状態で、本体部20内に原料粉末82を配置する。
次に、工程(S30)として種結晶配置工程が実施される。この工程(S30)では、保持部11に種結晶81が配置される。具体的には、たとえば本体部20から取り外された蓋部10の保持部11に、種結晶81を貼り付ける。次に、蓋部10を本体部20に取り付ける。これにより、種結晶81は、坩堝1の中心軸Aと交差する領域に配置される。上記工程(S10)〜(S30)により、坩堝1内に原料粉末82および種結晶81が配置される。
次に、工程(S40)として昇華−再結晶化工程が実施される。この工程(S40)では、原料粉末82を昇華させて種結晶81上に再結晶化させることにより、種結晶81上に単結晶を成長させる。具体的には、たとえば原料粉末82および種結晶81が内部に配置された坩堝1を、誘導加熱装置を備えた加熱炉(図示しない)内にセットする。そして、加熱炉による加熱を開始すると、図4を参照して、炭化珪素の粉末である原料粉末82が昇華し、気体状態の炭化珪素である原料気体が生成する。この原料気体は、第3領域50を離脱し、第2領域40を通って第1領域30へと到達する。このとき、互いに対向する第2壁部42間の距離、すなわち互いに対向する第2壁部42の内壁面42A同士の距離は、第3領域50側から第1領域30側に近づくにしたがって徐々に小さくなっている。そのため、原料気体は中心軸Aに近づくように徐々に集約されて第1領域30に到達する。
第1領域30に到達した原料気体は、種結晶81上に供給される。その結果、種結晶81上で原料気体が再結晶化し、種結晶81上に炭化珪素の単結晶83が形成される。そして、この状態が維持されることにより、単結晶83は中心軸Aに沿った方向に成長する。その後、予め設定された加熱時間が経過することにより加熱が終了し、工程(S40)が完了する。
次に、工程(S50)として単結晶採取工程が実施される。この工程(S50)では、工程(S40)において坩堝1内に成長した単結晶が、坩堝1から取り出される。具体的には、工程(S40)における加熱終了後、加熱炉から坩堝1が取り出される。その後、坩堝1の蓋部10が本体部20から取り外される。そして、蓋部10から単結晶83が採取される。以上の工程により、本実施の形態における炭化珪素単結晶の製造方法は完了する。採取された単結晶は、たとえばスライスされて基板に加工され、半導体装置の製造などに使用される。
ここで、上述のように、本実施の形態の坩堝1においては、周壁面20Bに金属炭化物からなる被膜32B,52Bが形成されている。これにより、原料粉末82が昇華して形成された原料気体により、周壁面20Bが浸食されることが抑制される。その結果、周壁面20Bの浸食の結果生じた異物が単結晶83中に取り込まれることが抑制される。特に、本実施の形態の坩堝1においては、単結晶83に近い第1壁部32の内壁面32Aに被膜32Bが形成されている。これにより、より確実に周壁面20Bの浸食によって生じた異物が単結晶83中に取り込まれることが抑制される。
また、坩堝1においては、第2壁部42の内壁面42Aの少なくとも一部において、坩堝1を構成するグラファイトが露出する。これにより、原料気体が保持部11に保持された種結晶81へと向かう経路において、適度にグラファイトに接触する。これにより、原料気体に適量のカーボンが導入され、異種ポリタイプの混入が抑制される。特に、本実施の形態の坩堝1においては、第2壁部42の内壁面42Aの全域にわたって坩堝1を構成するグラファイトが露出している。そのため、原料気体に適量のカーボンを導入することが容易となっている。このように、坩堝1を用いることによって、単結晶83への異種ポリタイプの混入が抑制される。
また、本実施の形態の坩堝1においては、保持部11と第2壁部42の内壁面42Aとの距離Lは30mm以上とされている。これにより、第2壁部42の内壁面42Aにおいて露出するグラファイトの浸食の結果生じた異物が単結晶83中に取り込まれることが抑制される。
また、本実施の形態の坩堝1においては、単結晶の成長方向(中心軸Aの延在方向)と第2壁部42の内壁面42Aとのなす角である角度αは20°を超え90°未満とされている。これにより、より確実に原料気体に適量のカーボンを導入することができる。本発明者による実験において種結晶81の直径を3インチ(76.2mm)、距離Lを50〜60mm、角度αを45°として単結晶83の成長を行ったところ、異物の混入、ポリタイプの混入ともに確認されない単結晶83が得られた。
また、本実施の形態の坩堝1においては、第1壁部32の内壁面32Aを取り囲む環状の空間である中空部31と、第2壁部42の内壁面42Aを取り囲む環状の空間である中空部41が形成されている。中空部31内には断熱材91が配置されており、中空部41内には断熱材が配置されていない。中空部31内に断熱材91を配置することにより、外部から坩堝1を加熱した際の第1壁部32内での熱伝導率が低下する。その結果、単結晶83の成長方向に垂直な方向における温度差が低減され、歪みの小さい単結晶83が得られる。また、中空部41内に断熱材が配置されないことにより、外部から坩堝1を加熱した際の第2壁部42内での熱伝導率が上昇する。その結果、原料気体に十分な量のカーボンを導入することが容易となっている。
また、坩堝1は第4領域60を備えている。これにより、正常な成長に寄与しなかった原料気体がチャネル空間61を通って第4領域60へと流入する。第4領域60へと流入した原料気体は第4領域60内において再結晶化する。これにより、正常な成長に寄与しなかった原料気体が単結晶83の側面等において再結晶化し、単結晶83に付着する多結晶となることが抑制される。その結果、高品質な単結晶83を成長させることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本願の坩堝は、グラファイトからなり、昇華法による炭化珪素の単結晶の成長に用いられる坩堝に、特に有利に適用され得る。
1 坩堝
10 蓋部
11 保持部
11A 保持面
12 蓋結合面
20 本体部
20B 周壁面
21 本体部結合面
30 第1領域
31 中空部
32 第1壁部
32A 内壁面
32B 被膜
40 第2領域
41 中空部
41A 内壁
42 第2壁部
42A 内壁面
50 第3領域
52 第3壁部
52A 内壁面
52B 被膜
60 第4領域
61 チャネル空間
81 種結晶
82 原料粉末
83 単結晶
91 断熱材

Claims (5)

  1. グラファイトからなり、昇華法による炭化珪素の単結晶の成長に用いられる坩堝であって、
    種結晶を保持するための保持部と、
    前記保持部から前記単結晶の成長方向に沿って延在する成長空間を取り囲む周壁面と、を備え、
    前記周壁面は、前記成長空間の前記単結晶の成長方向に垂直な断面積が前記保持部から離れるにしたがって大きくなる拡径部を取り囲むテーパ領域を含み、
    前記周壁面には、金属炭化物からなる被膜が形成されており、
    前記テーパ領域の少なくとも一部において、前記坩堝を構成するグラファイトが露出する、坩堝。
  2. 前記保持部と前記テーパ領域との距離は30mm以上である、請求項1に記載の坩堝。
  3. 前記単結晶の成長方向と前記テーパ領域とのなす角は20°を超え90°未満である、請求項1または請求項2に記載の坩堝。
  4. 前記周壁面は、前記テーパ領域から見て前記保持部側に位置し、前記成長空間の前記単結晶の成長方向に垂直な断面積が前記単結晶の成長方向において一定である円筒部を取り囲む直線領域をさらに含み、
    前記直線領域は全域にわたって前記被膜に覆われており、
    前記テーパ領域では、全域にわたって前記坩堝を構成するグラファイトが露出する、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の坩堝。
  5. 前記直線領域を取り囲む第1の中空部と、前記テーパ領域を取り囲む第2の中空部が形成されており、
    前記第1の中空部には断熱材が配置されており、
    前記第2の中空部は空である、請求項4に記載の坩堝。
JP2016161843A 2016-08-22 2016-08-22 坩堝 Pending JP2018030734A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016161843A JP2018030734A (ja) 2016-08-22 2016-08-22 坩堝

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016161843A JP2018030734A (ja) 2016-08-22 2016-08-22 坩堝

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018030734A true JP2018030734A (ja) 2018-03-01

Family

ID=61304579

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016161843A Pending JP2018030734A (ja) 2016-08-22 2016-08-22 坩堝

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018030734A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018048053A (ja) * 2016-09-23 2018-03-29 昭和電工株式会社 SiC単結晶成長用坩堝
RU2768938C1 (ru) * 2021-10-14 2022-03-25 Санкт-Петербургский государственный электротехнический университет ЛЭТИ им. В.И. Ульянова (Ленина) Способ получения монокристаллического SiC политипа 4H

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018048053A (ja) * 2016-09-23 2018-03-29 昭和電工株式会社 SiC単結晶成長用坩堝
RU2768938C1 (ru) * 2021-10-14 2022-03-25 Санкт-Петербургский государственный электротехнический университет ЛЭТИ им. В.И. Ульянова (Ленина) Способ получения монокристаллического SiC политипа 4H

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4388538B2 (ja) 炭化珪素単結晶製造装置
JP5271601B2 (ja) 単結晶の製造装置及び製造方法
JP5925319B2 (ja) SiC単結晶の製造装置及びSiC単結晶の製造方法
JP2013212952A (ja) 炭化珪素単結晶の製造方法
JP2011098870A (ja) SiC単結晶の製造装置及び製造方法
WO2014137072A1 (en) Apparatus and method for growing silicon carbide single crystals
KR20120138445A (ko) 잉곳 제조 장치
JP2018030734A (ja) 坩堝
JP4459211B2 (ja) 単結晶の成長装置および成長方法
JP2016037441A (ja) 単結晶の製造方法
JP5602093B2 (ja) 単結晶の製造方法および製造装置
JP6223290B2 (ja) 単結晶の製造装置
JP2016117624A (ja) 坩堝
US7491270B2 (en) Heat shield member and single crystal pulling device
JP6394124B2 (ja) 坩堝および単結晶の製造方法
WO2010050362A1 (ja) 炭化ケイ素単結晶の製造方法
JP2006290685A (ja) 炭化ケイ素単結晶の製造方法
JP6354399B2 (ja) 坩堝および単結晶の製造方法
JP2018083733A (ja) SiC単結晶成長方法、SiC単結晶成長装置及びSiC単結晶インゴット
JP5831339B2 (ja) 炭化珪素単結晶の製造方法
JP2021102531A (ja) SiC単結晶製造装置およびSiC単結晶の製造方法
WO2022123957A1 (ja) 単結晶製造装置
US11453959B2 (en) Crystal growth apparatus including heater with multiple regions and crystal growth method therefor
JP2018062451A (ja) 炭化珪素単結晶の製造方法
JP6248832B2 (ja) 坩堝および単結晶の製造方法