JP2018028081A - カチオン型水溶性高分子およびそれよりなるハイドロゲル - Google Patents
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Abstract
Description
室温で混合することで製造できる自己支持性の有機無機複合ハイドロゲルとして、ポリカチオン性の末端基を有するデンドリマー型バインダーと層状粘土鉱物を含有するハイドロゲルが知られている(特許文献3)。該デンドリマーのデンドロン部は、多段階の合成反応によって製造されるため、製造コストが高いという課題がある。そこで、デンドリマー型バインダーの合成法を簡素化したブロックポリマー型バインダーが報告されている(非特許文献1)。
最近では、水膨潤性ケイ酸塩粒子とその分散剤、ポリアクリル酸塩とを混合するだけで作製可能な汎用性の高い有機無機複合ハイドロゲルも報告されている(非特許文献2)。
即ち、本発明は、当該バインダーとケイ酸塩を混合して作製されるハイドロゲルを提供
するものである。
本発明は第1観点として、線状分子鎖と分岐分子鎖とが交互に結合して主鎖を形成し、末端基がカチオン性官能基である側鎖を有するカチオン型水溶性高分子に関する。
第2観点として前記側鎖が、ポリエーテル構造を有する側鎖である第1観点に記載のカチオン型水溶性高分子に関する。
第3観点として前記カチオン性官能基がグアニジン基、チオ尿素基、イソチオ尿素基、及びイソ尿素基からなる群より選択される少なくとも1種と酸との付加塩である第1観点又は第2観点に記載のカチオン型水溶性高分子に関する。
第4観点として前記酸との付加塩が塩酸塩、臭化水素塩、フッ化水素塩、トリフルオロ酢酸塩、酢酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、及びp−トルエンスルホン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種である第3観点に記載のカチオン型水溶性高分子に関する。
第5観点として前記線状分子鎖と分岐分子鎖とがエーテル(―O―)結合、アミノ(―NH―)結合、チオエーテル(―S―)結合、炭酸エステル(―OCOO―)結合、カルバメート(―OCONH―)結合、及び尿素(―NHCONH―)結合からなる群より選択される少なくとも1種で結合された第1観点乃至第4観点のいずれか一項に記載のカチオン型水溶性高分子に関する。
第6観点として前記ポリエーテル構造がポリアルキレングリコール構造である第2観点乃至第5観点のいずれか一つに記載のカチオン型水溶性高分子に関する。
第7観点として前記分岐分子鎖が多価アルコール由来の分岐点を有する第1観点乃至第6観点のいずれか一つに記載のカチオン型水溶性高分子に関する。
第8観点として、前記カチオン型水溶性高分子が、一般式1
い炭素原子数1乃至20のアルキレン基を表し、kは1乃至10の整数を表す。)で表される基を表す。]で表される第6観点又は第7観点に記載のカチオン型水溶性高分子に関する。
第9観点として、一般式1におけるX−Y−Zで表される構造が式2乃至式6で表される分岐点を有する構造を表す第8観点に記載のカチオン型水溶性高分子に関する。
第10観点として前記カチオン型水溶性高分子が式8
第11観点として第1観点乃至第10観点のいずれか一つに記載のカチオン型水溶性高分子およびケイ酸塩粒子を含有してなるハイドロゲル材料に関する。
第12観点として前記ハイドロゲル材料が、さらにカルボン酸塩構造又はカルボキシアニオン構造を有する水溶性有機高分子を含有してなる第11観点に記載のハイドロゲル材料に関する。
第13観点として前記水溶性有機高分子が、完全中和又は部分中和ポリアクリル酸塩である第12観点に記載のハイドロゲル材料に関する。
第14観点として前記水溶性有機高分子が、重量平均分子量100万乃至1,000万の完全中和又は部分中和ポリアクリル酸塩である第13観点に記載のハイドロゲル材料に関する。
第15観点として前記ケイ酸塩粒子が、水膨潤性ケイ酸塩粒子である第11観点乃至第14観点のいずれか一つに記載のハイドロゲル材料に関する。
第16観点として前記ケイ酸塩粒子が、スメクタイト、ベントナイト、バーミキュライト、及び雲母からなる群より選ばれる水膨潤性ケイ酸塩粒子である第15観点に記載のハイドロゲル材料に関する。
第17観点として第11観点乃至第16観点のいずれか一つに記載のハイドロゲル材料に水を含有させてなるハイドロゲルに関する。
第18観点として前記水の含有量が、前記ハイドロゲル材料に対して80%以上である第17観点に記載のハイドロゲルに関する。
ここで、本発明の好ましい態様のうち一つは、一般式1
すなわち、本発明のカチオン型水溶性高分子をハイドロゲル材料として適用することにより、自立性のハイドロゲルを簡便かつ迅速に製造することができる。
前記線状分子鎖としては、特に限定されるものではないが、ポリエーテル構造を有する線状分子鎖であることが好ましい。ポリエーテル構造としてはポリアルキレングリコール構造が好ましく、より好ましくはポリエチレングリコール構造である。
また、前記線状分子鎖は親水性である必要があり、アルキレングリコールの繰り返し数(l)としては、特に制限はないが、20乃至100000、好ましくは100乃至1000、より好ましくは150乃至1000、更に好ましくは200乃至500である。
そして、線状分子鎖と分岐分子鎖は、エーテル(―O―)結合、アミノ(―NH―)結合、チオエーテル(―S―)結合、炭酸エステル(―OCOO―)結合、カルバメート(―OCONH―)結合、尿素(―NHCONH―)結合及びアミド結合等から選択される少なくとも1種の任意の結合を介して結合することができる。
また、本発明のカチオン型水溶性高分子において主鎖を形成する線状高分子鎖と分岐分子鎖を含む繰り返し単位の個数(n)としては、特に限定されるものでないが、好ましくは1乃至10、より好ましくは1乃至5である。
側鎖におけるアルキレングリコールの繰り返し数(k)としては、特に制限はないが、1乃至10、好ましくは2乃至5である。
また、側鎖の末端に結合する前記カチオン性官能基としては、酸との付加塩の形態である、グアニジン基、チオ尿素基、イソチオ尿素基及びイソ尿素基が挙げられるが、これに限定されるものでない。前記酸との付加塩としては、特に限定されるものでないが、塩酸塩、臭化水素塩、フッ化水素塩、トリフルオロ酢酸塩、酢酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩又はp−トルエンスルホン酸塩が好ましい。
また、一般式1において、Qは式7で表される基を表す。
また、一般式1のlは20乃至100000の整数を表し、好ましくは100乃至1000の整数を表し、nは1乃至10の整数を表し、好ましくは1乃至5の整数である。式7のkは1乃至10の整数を表し、好ましくは2乃至5の整数である。
Z−Y−Xは、好ましくは式3においてpが1であるトリペンタエリスリトール由来の多分岐構造を表す。
一般式1のY部の製造は、以下の反応式に示す方法で製造できる。
ハイドロゲル製造に使用するカチオン型水溶性高分子の使用量はハイドロゲル100部の質量に基いて0.001質量部から10質量部の範囲であり、好ましくは0.01質量部から5質量部である。
状、針状、棒状、無定形等が挙げられ、直径5nm乃至1000nmの円盤状又は板状のものが好ましい。
ケイ酸塩の好ましい具体例としては、層状ケイ酸塩が挙げられ、市販品として容易に入手可能な例として、ロックウッド・アディティブズ社製のラポナイト(LAPONITE、ロックウッド・アディティブス社登録商標)XLG(合成ヘクトライト)、XLS(合成ヘクトライト、分散剤としてピロリン酸ナトリウム含有)、XL21(ナトリウム・マグネシウム・フルオロシリケート)、RD(合成ヘクトライト)、RDS(合成ヘクトライト、分散剤として無機ポリリン酸塩含有)、及びS482(合成ヘクトライト、分散剤含有);コープケミカル株式会社製のルーセンタイト(コープケミカル株式会社登録商標)SWN(合成スメクタイト)及びSWF(合成スメクタイト)、ミクロマイカ(合成雲母)、及びソマシフ(コープケミカル株式会社登録商標、合成雲母);クニミネ工業株式会社製のクニピア(クニミネ工業株式会社登録商標、モンモリロナイト)、スメクトン(クニミネ工業株式会社登録商標)SA(合成サポナイト);株式会社ホージュン製のベンゲル(株式会社ホージュン登録商標、天然ベントナイト精製品)等が挙げられる。
ケイ酸塩の使用量はハイドロゲル100部の質量に基いて0.01質量部乃至20質量部の範囲であり、好ましくは0.1質量部乃至5質量部である。
ポリアクリル酸又はその塩の平均分子量としては100万以上(100万乃至1000万)であり、好ましくは平均分子量が250万以上500万以下の高重合ポリアクリル酸又はその塩である。
高重合ポリアクリル酸塩としては完全中和物から部分中和物のいずれも使用できる。
高重合ポリアクリル酸又はその塩の使用量はハイドロゲル100部の質量に基いて0.001質量部乃至10質量部の範囲であり、好ましくは0.01質量部乃至5質量部である。
カチオン型水溶性高分子、ケイ酸塩、高重合ポリアクリル酸又はその塩の混合方法は、予め調製した粘土鉱物の水分散液に高重合ポリアクリル酸又はその塩の水溶液を混合させたのち、バインダーを加えて1乃至30秒撹拌するとハイドロゲルが作製できる。
撹拌は撹拌羽根や撹拌子による撹拌のほかに振盪機(ボルテックスミキサー)や自転・公転ミキサーを使用することにより行っても良い。
混合の際の温度は0℃乃至100℃の範囲であり、好ましくは5℃乃至50℃である。
本発明のハイドロゲルは乾燥させることも可能で、これにより高い吸水性、膨潤性を示すことができる。
化合物1をH.Al−Mughaid,T.B.Grindley,Can.J.Chem.84,516−521(2006)に記載の方法により製造した。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ:3.68(s,8H),3.66(s,4H),3.59(s,4H),3.53(s,4H),3.44(s,4H),1.40−1.75(m,30H).
化合物1 1.9gをジクロロメタン 50mLに溶解し、次いでトリエチルアミン 1.8mLを加えた。溶液を氷浴にて0℃に調整した後、メタンスルホニルクロリド 0.7mLを滴下した。氷浴をはずし、室温にて2時間攪拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムにて抽出を行い、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後の粗物溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム→クロロホルム/メタノール=100/5)により精製し化合物2を含む混合物を2.7g得た。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ:4.35(s,4H),3.81(d,4H,J=12.6),3.69(s,4H),3.67(d,4H,J=12.6),3.38(s,4H),3.32(s,4H),3.03(s,6H),1.41−1.80(m,30H).
化合物2を含む混合物 2.7gとアジ化ナトリウム 0.8gをジメチルスルホキシド 15mLに溶解し、100℃で12時間攪拌した。攪拌後の溶液を室温まで放冷し、ジクロロメタン及びイオン交換水を加え抽出を行った。得られた粗物溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン/メタノール=100/3)により精製し化合物3を2.0g(化合物1からの2段階収率95%)で得た。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ:3.73(d,4H,J=12.1),3.70(s,4H),3.62(d,4H,J=12.1),3.50(s,4H),3.39(s,4H),3.30(s,4H),1.40−1.76(m,30H).
化合物3 2.0gとトリフェニルホスフィン 2.1gをTHF 15mLに溶解し、室温下14.5時間攪拌した。次いで、イオン交換水 3mLを加え、40℃に加温して21時間攪拌した。反応液を無水硫酸マグネシウムにより乾燥させた後、ろ過を行い、得られた粗物溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=10/1→クロロホルム/メタノール/トリエチルアミン=100/10/2)により精製し化合物4を1.5g(収率85%)で得た。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ:3.70−3.72(m,8H),3.64(d,4H,J=12.1),3.39(s,4H),3.38(s,4H),2.76(s,4H),1.40−1.74(m,30H).
1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン 1.9gをジクロロメタン 3mLに溶解し、別途予め調製しておいた1,3−ジ−(tert−ブトキシカルボニル)−2−(トリフルオロメチルスルホニル)グアニジン 0.5gのジクロロメタン溶液 1mLを滴下し、室温下3時間攪拌した。反応液にイオン交換水を加え抽出により精製した後、減圧条件下乾燥を行い、化合物5を0.49g(収率98%)で得た。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ:3.66−3.61(m,8H),3.53(t,2H,J=5.2),2.87(t,2H,J=5.2),1.50(s,18H).
ポリエチレングリコール(Mw=10,000:l=226) 5.1gとp−ニトロフェニルクロロホルメート 0.62gをジクロロメタン 25mLに溶解した後、ピリジン 400μLを滴下し、室温下で19時間攪拌した。反応液をジエチルエーテル中に注ぎ、得られた沈殿物を回収した後、ジクロロメタンに溶解し、1M 硫酸水素ナトリウム水溶液を加えて抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣に少量のジクロロメタンを加えた後、ジエチルエーテル中に注ぎ化合物6を3.8g(収率73%)得た。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ:8.28(d,4H,J=9.2),7.40(d,4H,J=9.2),4.44(m,4H),3.44−3.82(m,〜1000H).
化合物6 0.43gと化合物4を0.050mmol含む混合物66mg及びN,N−ジメチルアミノピリジン 6mgをジクロロメタン 2mLに溶解し、室温下で4日間攪拌した。反応液をジエチルエーテル中に注ぎ化合物7を0.41g(収率:92%)得た。
得られた化合物7はサイズ排除クロマトグラフィーによる分子量測定からn=3と決定した。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ:5.32(m),4.20(s),3.41−3.78(m),3.22−3.23(m),1.40−1.74(m).
化合物7 0.18gをジクロロメタン 5mLに溶解し、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール 0.14g、p−トルエンスルホン酸一水和物を5.2mg加え、室温下で4日間攪拌した。反応液をジエチルエーテル中に注ぎ化合物8を0.17g(収率98%)得た。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ:6.02(m),4.22(s),3.
46−3.79(m),3.39(s),3.31(s),3.24(m).
化合物8 0.17gにジクロロメタン 8mLを加え攪拌し完全に溶解させたあと、ピリジン0.11mL、p−ニトロフェニルクロロホルメート 0.11gのジクロロメタン(1mL)溶液の順に滴下し、室温下で13.5時間攪拌した。反応液をジエチルエーテル中に注ぎ、得られた沈殿物を回収した後、ジクロロメタンに溶解し、1M 硫酸水素ナトリウム水溶液を加えて抽出を行った。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣に少量のジクロロメタンを加えた後、ジエ
チルエーテル中に注ぎ化合物9を0.15g(収率78%)得た。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ:8.20−8.25(m),7.34−7.37(m),5.40(m),4.44(s),4.32−4.38(m),4.20(m),3.43−3.79(m).
化合物9 0.14gとN,N−ジメチルアミノピリジン 25mgをジクロロメタン3mLに溶解し、別途予め調製しておいた化合物5 0.24gのジクロロメタン(0.5mL)溶液を滴下し、室温下3日間攪拌した。反応液をジエチルエーテル中に注ぎ化合物10を0.15g(収率89%)得た。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ:5.61(br s),3.39−3.78(m),1.44−1.50(m).
化合物10 20mgをジクロロメタン 0.5mL及びトリフルオロ酢酸 0.25mLからなる混合溶媒に溶かし、室温下14時間攪拌し、化合物11(p−PEG10k−GN)を得た。反応液は高真空下で溶媒と副生成物を除去した後、1.24mLのイオン交換水を加えグアニジニウム濃度0.5mMのp−PEG10k−GN水溶液として、ハイドロゲルの製造にそのまま使用した。
化合物6 0.16gと化合物4 0.31mmol含む混合物0.47g及びN,N−ジメチルアミノピリジン 38mgをジクロロメタン 2mLに溶解し、室温下で14時間攪拌した。反応液をジエチルエーテル中に注ぎ化合物12を0.15g(収率88%)得た。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ:4.20(m,4H),3.20−3.79(m,〜1000H),3.21(m,4H),1.40−1.65(m,60H).
化合物12 0.15gをジクロロメタン 2mLに溶解し、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール 0.18g、p−トルエンスルホン酸一水和物を5mg加え、室温下で4日間攪拌した。反応液をジエチルエーテル中に注ぎ化合物13を0.13g(収率91%)得た。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ:4.21(m,4H),3.40−3.79(m,〜1200H),2.35(s,4H).
化合物13 0.12gをジクロロメタン 6mLに溶解した後、ピリジン 126μ
L及び、別途予め調製しておいたp−ニトロフェニルクロロホルメート 0.19gのジクロロメタン 1mL溶液をそれぞれ滴下し、室温下で13.5時間攪拌した。反応液をジエチルエーテル中に注ぎ、得られた沈殿物を回収した後、ジクロロメタンに溶解させ、1M 硫酸水素ナトリウム水溶液を加えて抽出を行った。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣に少量のジクロロメタンを加えた後、ジエチルエーテル中に注ぎ化合物14を0.11g(収率 75%)得た。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ:8.18−8.24(m,28H),7.31−7.47(m,28H),4.21−4.46(m,28H),3.43−3.79(m,〜1200H).
化合物14 0.10gとN,N−ジメチルアミノピリジン 26mgをジクロロメタン2.5mLに溶解し、別途予め調製しておいた化合物5 0.26gのジクロロメタン溶液 0.5mLを滴下し、室温下3日間攪拌した。反応液をジエチルエーテル中に注ぎ化合物15を0.10g(収率 80%)得た。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ:4.04−4.17(m,16H),3.49−3.79(m,〜940H),3.35(m,4H),1.46−1.53(m,126H).
化合物15 10mgをジクロロメタン 0.5mL及びトリフルオロ酢酸 0.25mLからなる混合溶媒に溶かし、室温下14時間攪拌し、化合物16を得た。反応液は高真空下で溶媒と副生成物を除去した後、0.84mLのイオン交換水を加えグアニジニウム濃度0.5mMのPEG10k−GN水溶液として、ハイドロゲルの製造にそのまま使用した。
ハイドロゲルの製造(バインダー:p−PEG10k−GN)
0.3重量%のポリアクリル酸ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製:重合度22,000〜70,000)1.6mLと2.5重量%の水膨潤性ケイ酸塩(ロックウッド・アディティブズ社製ラポナイトXLG)を含有する水溶液を攪拌して透明な粘凋液を得た。該粘凋液に実施例4の(3)で調製したグアニジニウムイオン濃度0.5mMの化合物11(p−PEG10k−GN)水溶液を0.1mL加え、ボルテックスミキサーで攪拌したところ、30分以内にハイドロゲルを形成した。このハイドロゲルをp−PEG10k−GNゲルと命名する。
ハイドロゲルの製造(バインダー:PEG10k−GN)
0.3重量%のポリアクリル酸ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製:重合度22,000〜70,000)1.6mLと2.5重量%の水膨潤性ケイ酸塩(ロックウッド・アディティブズ社製ラポナイトXLG)を含有する水溶液を攪拌して透明な粘凋液を得た。該粘凋液に実施例6の(3)で調製したグアニジニウムイオン濃度0.5mMの化合物16(PEG10k−GN)水溶液を0.1mL加え、ボルテックスミキサーで攪拌したところ、30分以内にハイドロゲルを形成した。このハイドロゲルをPEG10k−GNゲルと命名する。
動的粘弾性の測定
実施例7で製造したp−PEG10k−GNゲル、及び実施例8で製造したPEG10k−GNゲルの動的粘弾性を25mmの平行円盤を備えたAnton Paar MCR
−301レオメーター(Anton Paar社製)を用いて歪み一定(γ=0.5%)の条件で測定し、図1に示す周波数分散を得た。これらのハイドロゲルの貯蔵弾性率(G’)及び損失弾性率(G’’)は周波数に依存しない平坦部を有しており、この領域でG’>G’’であって、擬固体状態のゲルの特徴を表した。また、これらのハイドロゲルの強度を表すG’は、ハイドロゲルの製造に用いたPEG末端に分岐部を有するポリエチレングリコールの分岐部のグアニジニウムイオンの濃度が同一であるにも拘わらず、両末端タイプ(PEG10k−GN)のバインダーから製造されるハイドロゲルよりも交差タイプ(p−PEG10k−GN)のバインダーから製造されるハイドロゲルの方が高い値を示した。すなわちこの結果は、本発明のカチオン型水溶性高分子における線状分子鎖と分岐分子鎖との交互の繰り返し構造が、該水溶性高分子から得られるハイドロゲルの強度を高め得ることを示すものである。
Claims (10)
- 一般式1
- 請求項1又は請求項2に記載のカチオン型水溶性高分子およびケイ酸塩粒子を含有してなるハイドロゲル材料。
- 前記ハイドロゲル材料が、さらにカルボン酸塩構造又はカルボキシアニオン構造を有する水溶性有機高分子を含有してなる請求項3に記載のハイドロゲル材料。
- 前記水溶性有機高分子が、完全中和又は部分中和ポリアクリル酸塩である請求項4に記載のハイドロゲル材料。
- 前記水溶性有機高分子が、重量平均分子量100万乃至1,000万の完全中和又は部分中和ポリアクリル酸塩である請求項5に記載のハイドロゲル材料。
- 前記ケイ酸塩粒子が、水膨潤性ケイ酸塩粒子である請求項3乃至請求項6のいずれか一項に記載のハイドロゲル材料。
- 前記ケイ酸塩粒子が、スメクタイト、ベントナイト、バーミキュライト、及び雲母からなる群より選ばれる水膨潤性ケイ酸塩粒子である請求項7に記載のハイドロゲル材料。
- 請求項3乃至請求項8のいずれか一項に記載のハイドロゲル材料に水を含有させてなるハイドロゲル。
- 前記水の含有量が、前記ハイドロゲル材料に対して80%以上である請求項9に記載のハイドロゲル。
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