JP6262334B2 - ポリ(グルタミル−グルタマート)結合体を製造するための大規模な方法 - Google Patents

ポリ(グルタミル−グルタマート)結合体を製造するための大規模な方法 Download PDF

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Description

背景
分野
本出願は一般的に、生体適合性の水溶性ポリマー結合体を作製する方法に関する。特に、本出願は、様々な薬剤送達用途に有用であり得るポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)結合体を作製する大規模な方法に関する。
説明
アミノ酸ベースのポリマーは、新規な生体材料の潜在的な供給源として考えられてきた。良好な生体適合性を有するポリアミノ酸は、低分子量化合物を送達するために検討されてきた。比較的少数のポリグルタミン酸およびコポリマーが、薬剤送達用の候補材料として特定されている。
概要
本明細書に記載のいくつかの態様は、一般に、ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体のバッチを製造するための製造の方法に関するものであって、該方法は、式(A)で表される化合物を重合させ、式(I)で表される繰り返し単位を有するポリマーを形成すること、式中Rは、C1〜6アルキル、任意に置換されたフェニルおよび任意に置換されたベンジルから選択することができ;

式(I)で表される繰り返し単位のアルカリ金属塩を形成すること;式(I)で表される繰り返し単位のアルカリ金属塩を式(B)で表される化合物と反応させ、式(II)で表される繰り返し単位を有するポリマーを形成すること、式中各Rは、C1〜6アルキル、任意に置換されたフェニルおよび任意に置換されたベンジルから独立して選択することができ;

式(II)で表される繰り返し単位からR基を除去し、式(III)で表される繰り返し単位を有するポリマーを形成すること;および

抗がん剤を式(III)で表される一部の繰り返し単位と反応させ、ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体を形成すること、ここでポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体は、式(IV)で表される繰り返し単位および式(V)で表される繰り返し単位:

を含むことができ、
式中:各Rは、独立して、水素またはアルカリ金属であり得;および各Rは、少なくとも1つのRが抗がん剤である場合、独立して、水素、アルカリ金属または抗がん剤であり得る、
を含むことができ;ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体の少なくとも3つのバッチが製造され;各バッチが、ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体の約300グラム超または約300グラムと等しい量を提供することができ;および、ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体の各バッチが、互いのバッチと比較してある数値範囲内のkDaである重量平均分子量、同様の多分散性および低エンドトキシン含有量から選択される1または2以上の特性を有する。
詳細な説明
特に定義しない限り、本明細書中で使用されるすべての技術的および科学的な用語は、当業者に共通して理解されるものと同じ意味を有する。本明細書中で参照されたすべての特許、出願、公開された出願および他の刊行物は、特に明記しない限り、それらの全体が参照によって組み込まれる。用語について複数の定義が存在する場合、特に明記しない限り、この節のものが優先する。
用語「ポリマー結合体」は、本明細書中でその通常の意味で使用され、したがって、1または2以上の種類の生物学的に活性な剤または薬剤、例えばパクリタキセルなど、に付加されたポリマーを含む。例えば、本明細書中に記載されたPGGA−PTXは、ポリ−(γ−L−グルタミル−グルタマート)(PGGA)がパクリタキセル(PTX)に付加されたポリマー結合体である。ポリマー(例えば、PGGA)は、生物学的に活性な剤または薬剤(例えば、PTX)に直接的に付加されてもよく、またはリンカー基を介して付加されてもよい。リンカー基は、比較的小さな化学的部分、例えばエステルまたはアミド結合など、であってもよく、またはより大きい化学的部分、例えばアルキルエステル結合またはアルキレンオキシド結合、であってもよい。
本明細書中で使用されるとおり、「C〜C」、式中「m」および「n」は、基における炭素原子の数または環(単数または複数)における炭素の数を示す整数である。すなわち、基または環は、「m」〜「n」、両端を含む、の炭素原子を含有することができる。したがって、例えば、「C〜Cアルキル」基は、1〜4個の炭素を有するすべてのアルキル基、すなわち、CH−、CHCH−、CHCHCH−、(CHCH−、CHCHCHCH−、CHCHCH(CH)−、CHCH(CH)CH−および(CHC−を示す。「m」および「n」が指定されない場合、本明細書中で提供される定義における最も広い範囲が想定されるべきである。
本明細書中で使用されるとおり、「アルキル」は、直鎖または分枝の完全飽和(二重結合または三重結合が存在しない)炭化水素基、例えば一般式−C2n+1、を示す。アルキル基は、1〜50個の炭素原子を有してもよい(それが本明細書中で出現するたびに、数値範囲、例えば「1〜50」など、は与えられた範囲における各整数を示し;例えば「1〜50個の炭素原子」は、アルキル基が1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子など、50個までおよび50個を含む炭素原子からなってもよいことを意味するが、本定義は用語「アルキル」、ここで数値範囲は指定されていない、の出現もまたカバーする)。アルキル基は、1〜30個の炭素原子を有する中型のアルキルでもあってもよい。アルキル基は、1〜5個の炭素原子を有する低級アルキルでもあり得るであろう。化合物のアルキル基は、「C〜Cアルキル」または同様な指定として指定してもよい。ほんの一例として、「C〜Cアルキル」は、1〜4個の炭素原子がアルキル鎖において存在すること、すなわち、アルキル鎖がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびt−ブチルからなる群から選択されることを示す。典型的なアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第三級ブチル、ペンチル、ヘキシルなどを含むが、これらに限定されない。
アルキル基は、置換または非置換されてもよい。置換されたとき、置換基(単数または複数)は、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリシクリル、アラルキル、ヘテロアラルキル、(ヘテロアリシクリル)アルキル、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、アシル、エステル、メルカプト、シアノ、ハロゲン、カルボニル、チオカルボニル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、C−アミド、N−アミド、S−スルホンアミド、N−スルホンアミド、C−カルボキシ、保護されたC−カルボキシ、O−カルボキシ、イソシアナート、チオシアナート、イソチオシアナート、ニトロ、シリル、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、および、単置換および二置換されたアミノ基を含むアミノ、および、それらの保護された誘導体から個別におよび独立して選択される1または2以上の基(単数または複数)である。
本明細書中で使用されるとおり、「アリール」は、すべての環において完全に非局在化したパイ電子系を有する炭化水素単環式または多環式芳香族環系を示す。アリール基の例は、ベンゼン(フェニル)、ナフタレンおよびアズレンを含むが、これらに限定されない。アリール基の環(単数または複数)は、5〜50個の炭素原子を有してもよい。アリール基は、置換されているか、または非置換であってもよい。
本明細書中で使用されるとおり、「アラルキル」および「アリール(アルキル)」は、置換基として低級アルキレン基を介して結合したアリール基を示す。アラルキルの低級アルキレンおよびアリール基は、置換されているか、または非置換であってもよい。例として、ベンジル、2−フェニルアルキル、3−フェニルアルキルおよびナフチルアルキルを含むが、これらに限定されない。
特に断りのない限り、置換基が「任意に置換された」または「置換された」ものであるとき、それは、置換基が、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリシクリル、アラルキル、ヘテロアラルキル、(ヘテロアリシクリル)アルキル、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アシル、エステル、メルカプト、シアノ、ハロゲン、カルボニル、チオカルボニル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、C−アミド、N−アミド、S−スルホンアミド、N−スルホンアミド、C−カルボキシ、保護されたC−カルボキシ、O−カルボキシ、イソシアナート、チオシアナート、イソチオシアナート、ニトロ、シリル、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、および、単置換および二置換されたアミノ基を含むアミノ、および、それらの保護された誘導体から個別におよび独立して選択される1種または2種以上の基(単数または複数)で置換されてもよい基であることを意味する。上記の置換基の保護誘導体を形成し得る保護基は当業者に知られており、参考文献、例えばGreene and Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Ed., John Wiley & Sons, New York, NY, 1999、当該文献はその全体が参照によって組み込まれる、などにおいて見つけることができる。
本明細書中に記載された1または2以上のキラル中心を有するあらゆる化合物において、絶対立体化学が明確に示されていない場合、各中心は独立してR配置またはS配置またはその混合物であってもよいと理解される。次いで、本明細書中で提供された化合物は、鏡像異性的に純粋であってもよく、または立体異性の混合物であってもよい。さらに、EまたはZとして定義することができる幾何異性体を生じる1または2以上の二重結合(単数または複数)を有するあらゆる化合物において、各二重結合は独立してEまたはZまたはそれらの混合物であってもよいと理解される。同様に、すべての互変異性型もまた含まれることが意図される。
本明細書中で使用されるとおり、あらゆる保護基、アミノ酸および他の化合物の略称は、特に断りのない限り、それらの共通の使用、認識された略称、またはIUPAC-IUP Commission on Biochemical Nomenclature(Biochem. 11:942-944 (1972)を参照)に従う。
本明細書に記載のいくつかの態様は、一般に、式(IV)で表される繰り返し単位および式(V)で表される繰り返し単位を含むことができるポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体の複数のバッチを製造するための製造の方法に関するものであり、各バッチは、約300グラム超または約300グラムと等しい量で提供することができ、および、ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体、ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体の各バッチは、互いのバッチと比較してある数値範囲内のkDaである重量平均分子量、同様の多分散性および低エンドトキシン含有量から選択される1または2以上の特性を有する。
本明細書中に記載された方法は、本明細書中で記載されたポリマー結合体(例えば、式(IV)で表される繰り返し単位および式(V)で表される繰り返し単位を含むポリマー結合体)を製造するために大規模に使用することができる。いくつかの態様において、本明細書中に記載された方法は、約300グラム超の量でポリマー結合体の単一のバッチを製造するために使用することができる。いくつかの態様において、本明細書中に記載された方法は、約0.8キログラム超の量でポリマー結合体の単一のバッチを製造するために使用することができる。いくつかの態様において、本明細書中に記載された方法は、約1.0キログラム超の量でポリマー結合体の単一のバッチを製造するために使用することができる。いくつかの態様において、本明細書中に記載された方法は、約300グラム〜約1.5キログラムの範囲の量でポリマー結合体の単一のバッチ製造するために使用することができる。他の態様において、本明細書に記載の方法は、約0.5kg〜約5キログラムの範囲の量でポリマー結合体の単一のバッチを製造するために使用することができる。さらに他の態様において、本明細書中に記載された方法は、約0.8キログラム〜約3キログラムの範囲の量でポリマー結合体の単一のバッチを製造するために使用することができる。
本明細書に記載の方法は、ポリマー結合体(例えば、式(IV)で表される繰り返し単位および式(V)で表される繰り返し単位を含むポリマー結合体)の高度に一貫性のあるバッチを提供することができる。本明細書に記載のいくつかの態様は、一般に、本明細書中で記載されたポリマー結合体(例えば、式(IV)で表される繰り返し単位および式(V)で表される繰り返し単位を含むポリマー結合体)のバッチを製造することを含むことができる高度に再現可能な製造の方法に関するものであり、ここでポリマー結合体の各バッチは、互いのバッチと比較してある数値範囲内のkDaである重量平均分子量、同様の多分散性および/または低エンドトキシン含有量を有する。例えば、5バッチのポリマー結合体は、本明細書中に記載された方法を使用して製造され、ここで5バッチの各々は、それぞれ70kDa、76kDa、72kDa、77kDaおよび78kDaの重量平均分子量、および互いに±8kDa以内の重量平均分子量を有する。いくつかの態様において、ポリマー結合体の少なくとも3バッチを製造することができる。いくつかの態様において、ポリマー結合体の少なくとも10バッチを製造することができる。いくつかの態様において、ポリマー結合体の少なくとも25バッチを製造することができる。いくつかの態様において、ポリマー結合体の3〜100の範囲のバッチを製造することができる。
いくつかの態様において、ポリマー結合体のバッチは、互いの±10kDa以内の重量平均分子量を有することができる。いくつかの態様において、ポリマー結合体のバッチは、互いの±5kDa以内の重量平均分子量を有することができる。いくつかの態様において、ポリマー結合体のバッチは、互いの±2kDa以内の重量平均分子量を有することができる。いくつかの態様において、ポリマー結合体のバッチは、互いの±1kDa以内の重量平均分子量を有することができる。
ポリマー結合体の様々な分子量は、本明細書中に記載された方法から得ることができる。いくつかの態様において、本明細書中に記載された方法から得られたポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体の各バッチは、約10kDa〜約150kDaの範囲において重量平均分子量を有することができる。他の態様において、本明細書中に記載された方法から得られたポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体の各バッチは、約30kDa〜約120kDaの範囲において重量平均分子量を有することができる。さらに他の態様において、本明細書中に記載された方法から得られたポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体の各バッチは、約60kDa〜約100kDaの範囲において重量平均分子量を有することができる。さらに他の態様において、本明細書中に記載された方法から得られたポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体の各バッチは、約100kDaと等しいかまたは約100kDa未満の重量平均分子量を有することができる。いくつかの態様において、本明細書中に記載された方法から得られたポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体の各バッチは、約60kDaと等しいかまたは約60kD超の重量平均分子量を有することができる。
本明細書中で記載されたポリマー結合体を製造する方法は、狭い多分散性指数を有するポリマー結合体(例えば、式(IV)および(V)で表される繰り返し単位を含むポリマー結合体)を提供することができる。例えば、いくつかの態様において、本明細書中に記載された方法から得られたバッチのポリマー結合体(例えば、ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体)の多分散性指数は、2.0未満であり得る。いくつかの態様において、本明細書中に記載された方法から得られたポリマー結合体の各バッチは、1.7未満の多分散性指数であり得る。いくつかの態様において、本明細書中に記載された方法から得られたポリマー結合体の各バッチは、1.5未満の多分散性指数であり得る。他の態様において、本明細書中に記載された方法から得られたポリマー結合体の各バッチは、約1.0〜約2.0の範囲の多分散性指数であり得る。いくつかの態様において、本明細書中に記載された方法から得られたポリマー結合体の各バッチは、1.0〜1.5の範囲の多分散性指数であり得る。いくつかの態様において、ポリマー結合体のバッチは、互いに±0.5以内の多分散性を有することができる。他の態様において、ポリマー結合体のバッチは、互いに±0.1以内の多分散性を有することができる。さらに他の態様において、ポリマー結合体のバッチは、互いに±0.05以内の多分散性を有することができる。
さらに、本明細書中で記載されたポリマー結合体(例えば、ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体)を製造する方法は、低エンドトキシン含有量を有するポリマー結合体を提供することができる。エンドトキシン、リポポリサッカリド(LPS)とも称される、は商業的に入手可能なタンパク質または生物学的に活性な物質において見出された混入物である。組み換えタンパク質の製造における少量のエンドトキシンの存在は、宿主生物における副作用、例えばエンドトキシンショック、組織傷害、およびさらに死など、を生じさせ得る。これらの副作用のために、生物学的製品および医薬製品において存在するエンドトキシンの量を低減することは望ましい。いくつかの態様において、本明細書中に記載された方法は、0.25EU/mg未満のエンドトキシン含有量を有するポリマー結合体(例えば、ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体)のバッチを提供することができる。いくつかの態様において、本明細書中に記載された方法は、0.20EU/mg未満のエンドトキシン含有量を有するポリマー結合体のバッチを提供することができる。いくつかの態様において、本明細書中に記載された方法は、0.15EU/mg未満のエンドトキシン含有量を有するポリマー結合体のバッチを提供することができる。いくつかの態様において、本明細書中に記載された方法は、0.1EU/mg未満のエンドトキシン含有量を有するポリマー結合体(例えば、ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体)のバッチを提供することができる。エンドトキシン含有量を測定するための方法は、当業者に知られている。一例は、カブトガニ血球抽出成分(LAL)アッセイである。いくつかの態様において、本段落のそれらを含む、本明細書中で記載されたポリマー結合体(例えば、ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体)に存在するエンドトキシンの量は、LALアッセイを使用して測定することができる。
ポリマー結合体における式(IV)で表される繰り返し単位および式(V)で表される繰り返し単位のパーセンテージは、繰り返し単位の総数に基づき、広い範囲にわたって変わり得る。いくつかの態様において、式(IV)で表される繰り返し単位および式(V)で表される繰り返し単位のパーセンテージは、ポリマー結合体における繰り返し単位の総モルに基づき、約80モル%〜約99モル%の範囲であり得る。他の態様において、式(IV)で表される繰り返し単位および式(V)で表される繰り返し単位のパーセンテージは、ポリマー結合体における繰り返し単位の総モルに基づき、約90モル%〜約99モル%の範囲であり得る。さらに他の態様において、式(IV)で表される繰り返し単位および式(V)で表される繰り返し単位のパーセンテージは、ポリマー結合体における繰り返し単位の総モルに基づき、約95モル%〜約99モル%の範囲であり得る。さらに他の態様において、式(IV)で表される繰り返し単位および式(V)で表される繰り返し単位のパーセンテージは、ポリマー結合体における繰り返し単位の総モルに基づき、約99モル%超のものであり得る。いくつかの態様において、ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体は、式(IV)で表される繰り返し単位および式(V)で表される繰り返し単位からなり得るか、または本質的になり得る。
いくつかの態様において、本明細書中に記載されたポリマー結合体は、アルカリ金属を含むことができる。アルカリ金属の例は、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)およびセシウム(Cs)を含む。いくつかの態様において、アルカリ金属はナトリウムであり得る。
いくつかの態様において、ポリマー結合体は、酸性型であり得る。他の態様において、ポリマー結合体は、アルカリ金属塩の形態であり得る。いくつかの態様において、R基の少なくとも90%は水素であり得、抗がん剤ではないR基の少なくとも90%は水素であり得る。いくつかの態様において、R基の少なくとも95%は水素であり得、抗がん剤ではないR基の少なくとも95%は水素であり得る。いくつかの態様において、R基の98%超は水素であり得、抗がん剤ではないR基の98%超は水素であり得る。他の態様において、R基の少なくとも90%はアルカリ金属であり得、抗がん剤ではないR基の少なくとも90%は、アルカリ金属であり得る。他の態様において、R基の少なくとも95%はアルカリ金属であり得、抗がん剤ではないR基の少なくとも95%はアルカリ金属であり得る。他の態様において、R基の98%超はアルカリ金属であり得、抗がん剤ではないR基の98%超はアルカリ金属であり得る。
様々な抗がん剤をポリマーに付加し、ポリマー結合体を形成することができる。いくつかの態様において、抗がん剤は、タキサン、カンプトテカおよびアントラサイクリンから選択することができる。いくつかの態様において、カンプトテカは、カンプトテシンであり得る。いくつかの態様において、アントラサイクリンはドキソルビシンであり得る。タキサンの例は、パクリタキセルおよびドセタキセルを含むが、これらに限定されない。いくつかの態様において、タキサンはパクリタキセルであり得る。いくつかの態様において、抗がん剤がパクリタキセルであるとき、パクリタキセルを、式(V)で表される繰り返し単位においてC2’炭素に付加された酸素原子に付加することができる。他の態様において、パクリタキセルを、式(V)で表される繰り返し単位においてC7炭素に付加された酸素原子に付加することができる。
ポリマー結合体において存在する抗がん剤の量は、広い範囲にわたって変化し得る。いくつかの態様において、ポリマー結合体は、ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体に対する抗がん剤の質量比に基づき、抗がん剤の約5%〜約50%(重量/重量)の範囲において抗がん剤の総量を含むことができる。他の態様において、ポリマー結合体は、ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体に対する抗がん剤の質量比に基づき、抗がん剤の約10%〜約40%(重量/重量)の範囲において抗がん剤の総量を含むことができる。さらに他の態様において、ポリマー結合体は、ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体に対する抗がん剤の質量比に基づき、抗がん剤の約20%〜約40%(重量/重量)の範囲において抗がん剤の総量を含むことができる。さらに他の態様において、ポリマー結合体は、ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体に対する抗がん剤の質量比に基づき、抗がん剤の約30%〜約40%(重量/重量)の範囲において抗がん剤の総量を含むことができる。
本明細書中で記載されたポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体において存在する式(IV)および(V)で表される繰り返し単位の総数は変化し得る。ポリマー結合体における式(IV)および(V)で表される繰り返し単位の総数は、広い範囲、例えば約40〜約1,000の範囲または約50〜約500の範囲など、にわたって変化し得る。
いくつかの態様において、本明細書中に記載されたポリマー結合体は、ポリマー結合体がコポリマー結合体であるように、式(IV)および(V)で表されない他の繰り返し単位を含むことができる。広く多様な他の繰り返し単位は、本明細書中で記載されたポリマー結合体に含まれてもよい。好適な繰り返し単位の例は、以下:

であって、式中Rは、水素またはアルカリ金属(例えば、本明細書中に記載されたアルカリ金属)であり得る。
本明細書中に記載されるとおり、ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体は、式(A)で表される化合物から製造することができる。式(A)で表される化合物は、当業者に知られたものを含む様々な方法を使用して製造することができる。当業者は、式(A)で表される化合物がα−アミノ酸−N−カルボキシ無水物(NCA)−エステルであることを理解する。いくつかの態様において、式(A)で表される化合物を式(1):

で表される化合物から製造することができ、
式中Rは、C1〜6アルキル、任意に置換されたフェニルおよび任意に置換されたベンジルから選択することができる。式(1)で表される化合物から式(A)で表される化合物を製造するための好適な試薬の例は、トリホスゲンおよびホスゲンを含む。反応は、1または2以上の好適な溶媒、例えば水混和性の溶媒(単数または複数)において行うことができる。いくつかの態様において、溶媒はテトラヒドロフラン(THF)であり得る。
式(A)で表される化合物を重合し、式(I)で表される繰り返し単位を有するポリマーを形成することができる。式(A)で表される化合物の重合は、求核試薬、塩基および/または遷移金属錯体によって開始することができる。いくつかの態様において、開始剤は、アミン(例えば第一級アミン、第二級アミンおよび/または第三級アミンなど)であり得る。他の態様において、開始剤は、アルコキシド(例えば、NaOMe)であり得る。ポリマーは、求核開環連鎖成長(nucleophilic ring-opening chain growth)方法を介して、および/または、式(A)で表される化合物を脱保護し、前記連鎖成長方法を開始する求核試薬を形成することによって、形成することができる。NCAの重合は、いくつかの障害、例えば連鎖停止および/または連鎖移動などの副反応の存在を含む、を有する。これらの副反応は、得られたポリマーの分子量を制御し、および/または広い重量分布を提供する能力を阻害することができる。さらに、NCA開始材料における不純物は、ポリマー連鎖を停止させることによって重合化に干渉し得る。不純物の例は、酸、酸塩化物およびイソシアン酸の痕跡(trace)を含む。
いくつかの態様において、式(A)で表される化合物のRおよび/または式(I)で表される繰り返し単位は、C1〜6アルキルであり得る。他の態様において、式(A)で表される化合物のRおよび/または式(I)で表される繰り返し単位は、任意に置換されたフェニルであり得る。さらに他の態様において、式(A)で表される化合物のRおよび/または式(I)で表される繰り返し単位は、任意に置換されたベンジルであり得る。
基は、様々な方法によって除去できる。例えば、Rは、酸性溶液を使用して切断することができる。いくつかの態様において、酸性溶液は、1種または2種以上の酸を含むことができる。いくつかの態様において、酸性溶液は、少なくとも2種の酸を含むことができる。例として、酸性溶液は、臭化水素酸および酢酸の溶液であり得る。他の態様において、酸性溶液は1種の酸を含むことができる。R基を除去するための好適な酸は以下を含むが、これらに限定されない:塩酸、臭化水素酸、硝酸、亜硝酸、硫酸、スルホン酸、酢酸、ギ酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、クロロ酢酸、グリオキシル酸、シュウ酸、グリコール酸、リン酸、亜リン酸、マロン酸およびトリフルオロ酢酸。
ポリ(グルタミン)酸(PGA)のアルカリ金属塩は、アルカリ金属塩基を使用して形成することができる。いくつかの態様において、形成することができるPGAのアルカリ金属塩は、ポリ(グルタマートナトリウム塩)(PGA−Na)である。様々なアルカリ金属塩基を使用することができる。好適なアルカリ金属塩基の例は、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ金属炭酸塩およびアルカリ金属水酸化物を含む。いくつかの態様において、アルカリ金属塩基は、重炭酸ナトリウムであり得る。他の態様において、アルカリ金属塩基は、水酸化ナトリウムであり得る。

式中Mは、アルカリ金属である。
ポリ(グルタミル−グルタマート)(PGGA)の形成は、様々な方法を使用して達成できる。いくつかの態様において、式(B)で表される化合物は、式(I)で表される繰り返し単位を有するポリマーと反応させ、式(II)で表される繰り返し単位を含むことができるポリマーを形成することができ、式中各Rは、独立して、C1〜6アルキル、任意に置換されたフェニルおよび任意に置換されたベンジルから選択することができる。いくつかの態様において、Rは、C1〜6アルキルであり得る。例えば、Rはt−ブチルであり得る。他の態様において、Rは任意に置換されたフェニルであり得る。さらに他の態様において、Rは任意に置換されたベンジルであり得る。
本明細書中で議論されるとおり、ポリマー結合体は、式(IV)および(V)で表される繰り返し単位の他に他の繰り返し単位、例えば式(VI)で表される繰り返し単位を含むことができる。式(IV)、(V)および(VI)で表される繰り返し単位を含むポリマーを形成するための1つの方法は、式(I)で表される繰り返し単位を含むポリマーのアルカリ金属塩を式(B)で表される化合物の1.0当量未満と反応させることによるものである。例えば、式(I)で表される繰り返し単位を含むポリマーのアルカリ金属塩は、式(B)で表される化合物の0.85当量と反応させることができる。
いくつかの態様において、式(I)で表される繰り返し単位を含むことができるポリマーのアルカリ金属塩の式(B)で表される化合物との反応は、カップリング剤の使用をさらに含むことができる。好適なカップリング試薬の例は、以下を含む:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC)、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1,1’−カルボニル−ジイミダゾール(CDI)、炭酸N,N’−ジスクシンイミジル(DSC)、N−[(ジメチルアミノ)−1H−1,2,3−トリアゾロ−[4,5−b]ピリジン−1−イル−メチレン]−N−メチルメタンアミニウムヘキサフルオロホスファートN−オキシド(HATU)、2−[(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルアミニウムヘキサフルオロホスファート(HBTU)、2−[(6−クロロ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルアミニウムヘキサフルオロホスファート(HCTU)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(PyBOP(登録商標))、ブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(PyBroP(登録商標))、2−[(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルアミニウムテトラフルオロホウ酸(TBTU)およびベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(BOP)。反応は、好適な溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピリドン(NMP)およびN,N−ジメチルアセトアミド(DMA)などにおいて行うことができる。いくつかの態様において、溶媒はDMFであり得る。
式(III)で表される繰り返し単位を有するポリマーは、式(II)で表される繰り返し単位からR基を除去することによって得ることができる。様々な方法および条件は、R基を除去するために使用することができる。例えば、R基は、酸または塩基を使用して加水分解によって除去することができる。好適な酸は、塩酸、臭化水素酸、硝酸、亜硝酸、硫酸、スルホン酸、酢酸、ギ酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、クロロ酢酸、グリオキシル酸、シュウ酸、グリコール酸、リン酸、亜リン酸、マロン酸およびトリフルオロ酢酸を含むが、これらに限定されない。いくつかの態様において、R基は、トリフルオロ酢酸を使用して除去することができる。好適な塩基は、水酸化ナトリウム、アンモニア、水酸化カリウムおよび水酸化リチウムを含むが、これらに限定されない。
ポリマー結合体(例えば、式(IV)で表される繰り返し単位および式(V)で表される繰り返し単位を含むポリマー結合体)は、抗がん剤を式(III)で表される繰り返し単位の部分と反応させることによって形成することができる。本明細書中で提供されるとおり、抗がん剤は、タキサン、カンプトテシン、およびドキソルビシンから選択することができる。式(III)で表される繰り返し単位に結合することができるタキサンの例は、パクリタキセルおよびドセタキセルを含む。
抗がん剤は、多くの種々の方法でポリマーに結合してもよい。いくつかの態様において、抗がん剤は、剤の酸素、硫黄、窒素および/または炭素原子を通じてポリマーに直接的に付加することができる。例えば、抗がん剤は、式(III)で表される繰り返し単位に直接的に付加し、式(V)で表される繰り返しを形成することができる。他の態様において、抗がん剤は、リンカー基をさらに含むことができる。リンカー基は、抗がん剤をポリマーに付加させる基である。いくつかの態様において、抗がん剤は、リンカー基を介して式(III)で表される繰り返し単位に付加し、式(V)で表される繰り返し単位を形成することができる。リンカー基は、比較的小さくてもよい。例えば、リンカー基は、アミン、アミド、エーテル、エステル、ヒドロキシル基、カルボニル基またはチオール基を含んでもよい。代替的に、リンカー基は、比較的大きくてもよい。例えば、リンカー基は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリール(C1〜6アルキル)基、ヘテロアリール基またはヘテロアリール(C1〜6アルキル)基を含んでもよい。一態様において、リンカーは、−NH(CH1〜4−NH−であり得る。いくつかの態様において、リンカーは、−(CH1〜4−アリール−NH−であり得る。リンカー基は、あらゆる好適な位置で抗がん剤に付加することができる。例えば、リンカー基は、抗がん剤の炭素における水素の場所において付加することができる。リンカー基は、当業者に知られた方法を使用して抗がん剤に加えることができる。いくつかの態様において、抗がん剤がパクリタキセルであるとき、パクリタキセルは、式(V)で表される繰り返し単位のC2’炭素に付加された酸素原子を介して結合することができる。いくつかの態様において、抗がん剤がパクリタキセルであるとき、パクリタキセルは、式(V)で表される繰り返し単位のC7炭素に付加された酸素原子を介して結合することができる。
抗がん剤は、様々な方法を使用して式(III)で表される繰り返し単位に結合することができる。いくつかの態様において、式(III)で表される繰り返し単位を含むポリマーは、溶媒に少なくとも部分的に溶解することができる。好適な溶媒の例は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピリドン(NMP)、およびN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)を含むが、これらに限定されない。いくつかの態様において、溶媒はDMFであり得る。式(III)で表される繰り返し単位を含むポリマーの溶液は、抗がん剤と組み合わせることができる。いくつかの態様において、カップリング剤は、式(III)で表される繰り返し単位および抗がん剤を含むポリマーの溶液と組み合わせることもできる。カップリング剤の非限定的な列記は、以下を含む:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC)、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1,1’−カルボニル−ジイミダゾール(CDI)、炭酸N,N’−ジスクシンイミジル(DSC)、N−[(ジメチルアミノ)−1H−1,2,3−トリアゾロ−[4,5−b]ピリジン−1−イル−メチレン]−N−メチルメタンアミニウムヘキサフルオロホスファートN−オキシド(HATU)、2−[(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルアミニウムヘキサフルオロホスファート(HBTU)、2−[(6−クロロ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルアミニウムヘキサフルオロホスファート(HCTU)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(PyBOP(登録商標))、ブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロリン酸(PyBroP(登録商標))、2−[(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルアミニウムテトラフルオロボラート(TBTU)およびベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(BOP)。いくつかの態様において、カップリング剤はEDCであり得る。いくつかの態様において、触媒は、式(III)で表される繰り返し単位および抗がん剤を含むポリマーの溶液と組み合わせることもできる。好適な触媒の一例は、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)である。
ポリマー結合体(例えば、式(IV)で表される繰り返し単位および式(V)で表される繰り返し単位を含むポリマー結合体)は、酸性型またはアルカリ金属塩の形態で得ることができる。式(IV)で表される繰り返し単位および式(V)で表される繰り返し単位を含むポリマーの酸型およびアルカリ金属塩型の例は、本明細書中で示されている。
酸性型は、酸を使用して得ることができる。例えば、式(III)で表される繰り返し単位のポリマーおよび抗がん剤の溶液は、酸と組み合わせることができる。好適な酸は、塩酸、臭化水素酸、硝酸、亜硝酸、硫酸、スルホン酸、酢酸、ギ酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、クロロ酢酸、グリオキシル酸、シュウ酸、グリコール酸、リン酸、亜リン酸、マロン酸およびトリフルオロ酢酸を含むが、これらに限定されない。いくつかの態様において、酸はHClであり得る。ポリマー結合体の酸性型は、酸性型を好適なアルカリ金属塩基、例えば本明細書中に記載されたものなどと反応させることによってアルカリ金属塩の形態に変換することができる。いくつかの態様において、塩基は重炭酸ナトリウムであり得る。ポリマー結合体は、様々な方法を使用して単離することができる。例えば、ポリマー結合体は、遠心分離または濾過によって単離することができる。
ポリマー結合体は、様々な方法によって精製することができる。いくつかの態様において、ポリマー結合体(例えば、PGGA−PTX)は、好適な溶媒にポリマー結合体を溶解させ、次いで得られた混合物を溶液に加えることによって精製することができる。いくつかの態様において、好適な溶媒はDMFであり得る。いくつかの態様において、溶液は、酸性溶液、例えばHCl溶液などであり得る。ポリマー結合体は、本明細書中に記載された1または2以上の方法を使用して単離することができ、次いで1または2以上の溶媒系で洗浄する。いくつかの態様において、1または2以上の溶媒系は、HClの溶液(例えば、0.2N HCl)および水(例えばMilliQ水など)であり得る。
本明細書中に記載されたあらゆる態様において、ポリマーおよび/またはポリマー結合体は、当業者に知られた方法を使用して乾燥することができる。例えば、ポリマーおよび/またはポリマー結合体は、風乾、真空乾燥および/または凍結乾燥することができる。

例1
(5−ベンジルエステルグルタミン酸−N−カルボキシ無水物)(NCA−エステル)の合成
100LのRot−エバポレート系に対して、γ−ベンジル−L−グルタマート(3.0kg)および無水THF(30L)を加えた。混合物を窒素雰囲気下で10分間撹拌した。トリホスゲン(1.5kg)を一度に加え、混合物を窒素雰囲気下50℃で4時間撹拌した。次いで撹拌を停止させ、混合物を室温まで冷却した。N−ヘキサン(50L)を撹拌しながら加えた。添加が完了した後、混合物を30分間撹拌し、得られた懸濁液を−20℃で24時間保存した。産物を濾過によって白色沈殿として単離した。次いで産物をn−ヘキサンで洗浄し、過剰なトリホスゲンを除去した。産物を酢酸およびn−ヘキサンから再結晶化し、NCA−エステル(2.6kg、収量78%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 2.11 (m, 1H), 2.13 (m, 1H), 2.58 (m, 2H), 4.36 (m, 1H), 5.12 (s, 2H), 6.61 (s, 1H), 7.35 (m, 5H)。
例2
ポリ−L−グルタマートベンジルエステル(PGA−Bnエステル)の合成
100Lのリアクターにおける無水ジオキサン(37L)の溶液に対して、NCA−エステル(3.0kg)を加えた。前記固体が溶解するまで混合物を撹拌した。ジオキサン(2325mL)を有する無水MeOH(232.5mL)におけるNaOMe(12.32g)の溶液を室温で勢いよく撹拌しながら一度に加えた。1時間後、混合物を室温で72時間静置し、濃厚、透明、無色、粘性の溶液を得た。この溶液を撹拌しながらゆっくりとEtOH(400L)へ注いだ。繊維性ポリマーを濾過によって単離し、EtOH(3×10L)で洗浄した。次いでポリマーを細かく裂き、室温で終夜風乾した。ポリマーをさらに高真空下で終夜乾燥し、白色の繊維性固体(2.22kg、89%)として産物を得た。1H NMR (400 MHz, d-TFA) δ: 6.67 (m, 5H), 4.57-4.48 (m, 2H), 4.12 (m, 1H), 1.90 (m, 2H), 1.59 (m,1H), 1.40 (m, 1H)。
例3
ポリ−L−グルタマートベンジルエステル(PGA−Na塩)の合成
テフロンコ−ティングされた撹拌棒を備えた乾燥した100Lリアクター中のジクロロ酢酸(40L)に対して、PGA−Bnエステル(1.0kg)を加えた。溶液を窒素雰囲気下で28.0oCで終夜保持した。透明な粘性溶液が形成された。次いでHBr溶液(HOAc中33%)(3.5L)を一度に加えた。混合物を予め決めておいた時間、この場合は約4時間、撹拌した。熱を除去し、(−20℃まで予め冷却された)ヘキサン(40L)を一度に加えた。PGAは白色の固体として沈殿した。30分後に撹拌を停止し、混合物を室温で30分間静置した。上清を、カニューレを使用して真空によって除去した。沈殿物をアセトン(40L)で30分間懸濁および撹拌した。繊維性ポリマーを濾過によって単離し、産物をアセトン(3×10L)で洗浄し、1時間風乾した。
得られた残基を1NのNaHCO(aq)(12L)を含有する50Lフラスコへ移した。混合物を前記固体が溶解するまで終夜撹拌した。溶液を濾過し、透明な溶液を得、次いで接線流濾過(TFF)システムによって精製した。産物を凍結乾燥し、PGA−Na塩(1.04kg、93%)を得た。1H NMR (400 MHz, D2O) δ: 4.25-4.20 (m, 1H), 2.27-2.09 (m, 2H), 2.00-1.79 (m, 2H)。
例4
ポリ−(γ−L−グルタミル−グルタマート)t−ブチルエステル(PGGA−エステル)の合成
100Lリアクター中の無水DMF(25L)の溶液に対して、PGA−Na塩(500g)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。L−グルタミン酸ジ−t−ブチルエステル塩酸塩(H−Glu(OtBu).HCl)(1959g)、HOBt(608g)およびEDC(1904g)を勢いよく撹拌しながら順序通り加えた。混合物を室温で36時間撹拌し、次いで混合物を、MilliQ水(40L)を含有する100Lフラスコへゆっくりと注いだ。混合物を30分間撹拌した。産物を濾過によって単離し、MilliQ水で洗浄し、精製されたPGG−エステル(1.2kg、92%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.80 (bs, 1H), 8.47 (bs, 1H), 4.46 (bs, 1H), 4.09 (bs, 1H), 2.39-2.24 (m, 4H), 1.93-1.62 (m, 4H), 1.57-1.25 (m, 18H)。
例5
ポリ−(γ−L−グルタミル−グルタマート)(PGGA−酸)の合成
50LのRot−vaporフラスコに対して、PGGA−エステル(1100g)およびTFA(8.8L)を加えた。混合物を室温で4時間撹拌した。次いでTFAを減圧下40℃で除去し、淡黄色のガラス状のフィルムを形成した。残渣をTFA(4.4)中に再溶解し、混合物を16時間撹拌した。TFAを減圧下40℃で除去し、残渣をMilliQ水(50L)中に溶解し、淡黄色の溶液を得た。溶液を吸引濾過によって濾過し、濾過液をMilliQ水で150Lまで希釈した。溶液を次いでTFFシステムによって透析した。溶液を凍結乾燥し、白色の固体として精製されたPGGA酸(690g、94%)を得た。1H NMR (400 MHz, D2O) δ: 8.45 (bs, 1H), 4.38 (bs, 1H), 4.14 (bs, 1H), 2.43 (m, 4H), 2.15 (m, 2H), 1.94 (m, 2H)。
例6
ポリ−(γ−L−グルタミル−グルタマート)−PTX結合体(PGGA−PTX)の合成
100Lのリアクター中の無水DMF(50L)の溶液に対して、PGGA−酸(1kg)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、透明な溶液が形成された。EDC(966g)およびDMAP(142g)を勢いよく撹拌しながら順序通り加えた。混合物を窒素雰囲気下で1時間撹拌した。透明な溶液が形成された。PTX(538.5g)を一度に加え、得られた溶液を周囲温度で28時間撹拌した。
次いで混合物を撹拌しながらゆっくりと0.2NのHCl溶液(120L)に注いだ。30分間の撹拌後、酸性型のPGGA−PTXを遠心分離によって単離した。産物を0.2NのHClおよびMilliQ水で洗浄し、白色の固体として粗産物を得た。
酸性型の粗PGGA−PTXを無水DMF(26L)中に撹拌しながら溶解し、透明な溶液を形成させた。溶液を撹拌しながらゆっくりと0.2NのHCl溶液(69L)中に注いだ。30分間の撹拌の後、酸性型のPGGA−PTXを遠心分離によって単離した。産物を0.2NのHClおよびMilliQ水で洗浄し、精製された酸性型のPGGA−PTXを白色の固体として得た。
精製された酸型のPGGA−PTXをゆっくりと0.3NのNaHCO(aq)溶液(120L)に移した。混合物を固体が溶解するまで終夜撹拌した。溶液のpHを重炭酸ナトリウムまたは1HのHClのいずれかを使用して、8.3〜8.5の範囲のpHまで調節した。溶液を濾過し、透明な溶液を得、次いでTFFシステムによって精製した。産物を凍結乾燥し、PGGA−PTX(1.5kg、97%)を得た。1H NMR (400 MHz, D2O) δ: 7.95-7.30 (m, 16H), 5.85-4.85 (m, 4H), 4.45-4.01 (m, 18H), 3.03-2.79 (m, 23H), 2.29-1.51 (m, 85H), 1.05 (m, 6H)。
表1は、300グラム超の規模において本明細書中に記載された方法から得られたPGGA−PTXの3分離バッチの一覧である。
表1に示されるとおり、本明細書中に記載された方法は、一貫性のある重量平均分子量、低エンドトキシン含有量、狭い範囲の多分散性指数および集中した薬剤負荷を有する、300グラム超の量のポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)抗がん剤結合体を提供する。
表2は、3〜10グラムの規模において本明細書中に記載された方法から得られたPGGA−PTXの7分離バッチの一覧である。
表2に示されるとおり、300グラム未満の規模において、重量平均分子量は35kDa超で異なる。表1〜表2の比較は、本明細書中に記載された方法が、一貫性のある重量平均分子量、低エンドトキシン含有量、狭い範囲の多分散性指数および集中した薬剤負荷を有するポリマー結合体のバッチを大規模に生産することを示す。
上記は明瞭さと理解の目的のために例示および例によっていくらか詳細に記載されているが、多数および様々な変更が本開示の精神から逸脱することなく行うことができることは、当業者によって理解されるであろう。したがって、本明細書中で開示された形態は例示に過ぎず、本開示の範囲を限定するものではなく、むしろ本発明の真の範囲および精神とともにすべての変更および代替物を含むことが理解されるべきである。

Claims (44)

  1. ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体のバッチを製造するための製造の方法であって、該方法は以下:
    式(A)で表される化合物を重合させ、式(I)で表される繰り返し単位を有するポリマーを形成すること、式中Rは、C1〜6アルキル、任意に置換されたフェニルおよび任意に置換されたベンジルからなる群から選択され;
    式(I)で表される繰り返し単位のアルカリ金属塩を形成すること;
    式(I)で表される繰り返し単位のアルカリ金属塩を式(B)で表される化合物と反応させ、式(II)で表される繰り返し単位を有するポリマーを形成すること、式中各Rは、独立して、C1〜6アルキル、任意に置換されたフェニルおよび任意に置換されたベンジルからなる群からから選択され;
    式(II)で表される繰り返し単位からR基を除去し、式(III)で表される繰り返し単位を有するポリマーを形成すること;および
    抗がん剤を式(III)で表される一部の繰り返し単位と反応させ、ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体を形成すること、ここでポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体が、式(IV)で表される繰り返し単位および式(V)で表される繰り返し単位:
    を含み、式中:
    各Rは、独立して、水素またはアルカリ金属であり;および
    各Rは、独立して、水素、アルカリ金属または抗がん剤であり、ただし少なくとも1つのRが抗がん剤である、
    を含み;
    ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体の少なくとも3バッチが製造され;
    各バッチが、約1.0kg超または約1.0kgと等しい量のポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体を提供し;および
    ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体の各バッチが、互いのバッチと比較して±10kDa以内である重量平均分子量を有する、前記方法。
  2. ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体の各バッチが、互いのバッチと比較して±2kDa以内である重量平均分子量を有する、請求項1に記載の方法。
  3. ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体の各バッチが、2.0未満の多分散性指数を有する、請求項1または2に記載の方法。
  4. ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体の各バッチが、約1.2〜約2.0の範囲の多分散性指数を有する、請求項1または2に記載の方法。
  5. ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体の各バッチが、0.25EU/mg未満のエンドトキシン含有量を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体の各バッチが、0.10EU/mg未満のエンドトキシン含有量を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  7. ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体の各バッチが、約10kDa〜約150kDaの範囲の重量平均分子量を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体の各バッチが、約60kDa〜約100kDaの範囲の重量平均分子量を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  9. ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体が、ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体に対する抗がん剤の質量比に基づき、約5%〜約50%(重量/重量)の抗がん剤を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体が、ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体に対する抗がん剤の質量比に基づき、約30%〜約40%(重量/重量)の抗がん剤を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  11. 各Rが、酸性溶液を使用して切断され、およびアルカリ金属塩が、アルカリ金属塩基を使用して形成される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. アルカリ金属塩基が、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ金属炭酸塩またはアルカリ金属水酸化物である、請求項11に記載の方法。
  13. アルカリ金属重炭酸塩が、重炭酸ナトリウムである、請求項11に記載の方法。
  14. アルカリ金属水酸化物が、水酸化ナトリウムである、請求項11に記載の方法。
  15. 酸性溶液が、1種または2種以上の酸を含む、請求項11〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 酸性溶液が、少なくとも2種の酸を含む、請求項11〜14のいずれか一項に記載の方法。
  17. 1種または2種以上の酸または少なくとも2種の酸が、独立して、塩酸、臭化水素酸、硝酸、亜硝酸、硫酸、スルホン酸、酢酸、ギ酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、クロロ酢酸、グリオキシル酸、シュウ酸、グリコール酸、リン酸、亜リン酸、マロン酸およびトリフルオロ酢酸から選択される、請求項15または16に記載の方法。
  18. 酸性溶液が、臭化水素酸および酢酸を含む、請求項11〜14のいずれか一項に記載の方法。
  19. 式(I)で表される繰り返し単位のアルカリ金属塩を式(B)で表される化合物と反応させることが、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC)、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1,1’−カルボニル−ジイミダゾール(CDI)、炭酸N,N’−ジスクシンイミジル(DSC)、N−[(ジメチルアミノ)−1H−1,2,3−トリアゾロ−[4,5−b]ピリジン−1−イル−メチレン]−N−メチルメタンアミニウムヘキサフルオロホスファートN−オキシド(HATU)、2−[(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルアミニウムヘキサフルオロホスファート(HBTU)、2−[(6−クロロ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルアミニウムヘキサフルオロホスファート(HCTU)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(PyBOP(登録商標))、ブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(PyBroP(登録商標))、2−[(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルアミニウムテトラフルオロボラート(TBTU)およびベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(BOP)からなる群から選択されるカップリング剤をさらに含む、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 基が、酸または塩基を使用して加水分解によって除去される、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 酸が、塩酸、臭化水素酸、硝酸、亜硝酸、硫酸、スルホン酸、酢酸、ギ酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、クロロ酢酸、グリオキシル酸、シュウ酸、グリコール酸、リン酸、亜リン酸、マロン酸およびトリフルオロ酢酸から選択される、請求項20に記載の方法。
  22. 酸がトリフルオロ酢酸である、請求項21に記載の方法。
  23. 塩基が、水酸化ナトリウム、アンモニア、水酸化カリウムおよび水酸化リチウムから選択される、請求項20に記載の方法。
  24. 抗がん剤が、タキサン、カンプトテシンおよびドキソルビシンから選択される、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. タキサンが、パクリタキセルおよびドセタキセルからなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
  26. パクリタキセルが、式(V)で表される繰り返し単位に、C2’炭素に付加された酸素原子において、結合されている、請求項25に記載の方法。
  27. パクリタキセルが、式(V)で表される繰り返し単位に、C7炭素に付加された酸素原子において、結合されている、請求項25に記載の方法。
  28. 抗がん剤を式(III)で表される一部の繰り返し単位と反応させることが、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC)、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1,1’−カルボニル−ジイミダゾール(CDI)、炭酸N,N’−ジスクシンイミジル(DSC)、N−[(ジメチルアミノ)−1H−1,2,3−トリアゾロ−[4,5−b]ピリジン−1−イル−メチレン]−N−メチルメタンアミニウムヘキサフルオロホスファートN−オキシド(HATU)、2−[(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルアミニウムヘキサフルオロホスファート(HBTU)、2−[(6−クロロ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルアミニウムヘキサフルオロホスファート(HCTU)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(PyBOP(登録商標))、ブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(PyBroP(登録商標))、2−[(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルアミニウムテトラフルオロボラート(TBTU)およびベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(BOP)からなる群から選択されるカップリング剤をさらに含む、請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 抗がん剤を式(III)で表される一部の繰り返し単位と反応させることが、触媒をさらに含む、請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 触媒が、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)である、請求項29に記載の方法。
  31. が、C1〜6アルキルである、請求項1〜30のいずれか一項に記載の方法。
  32. が、任意に置換されたフェニルである、請求項1〜30のいずれか一項に記載の方法。
  33. が、任意に置換されたベンジルである、請求項1〜30のいずれか一項に記載の方法。
  34. が、C1〜6アルキルである、請求項1〜33のいずれか一項に記載の方法。
  35. が、任意に置換されたフェニルである、請求項1〜33のいずれか一項に記載の方法。
  36. が、任意に置換されたベンジルである、請求項1〜33のいずれか一項に記載の方法。
  37. 各Rが、水素である、請求項1〜36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 各Rが、アルカリ金属である、請求項1〜36のいずれか一項に記載の方法。
  39. 1つのRが水素であり、および、その他のRが抗がん剤である、請求項1〜38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 1つのRがアルカリ金属であり、および、その他のRが抗がん剤である、請求項1〜38のいずれか一項に記載の方法。
  41. アルカリ金属がナトリウムである、請求項1〜40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 式(1)で表される化合物をトリホスゲンまたはホスゲンと反応させ、式(A)で表される化合物を形成することをさらに含み、ここで、式(1)で表される化合物が構造:
    を有する、請求項1〜41のいずれか一項に記載の方法。
  43. ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体が、約80モル%〜約99モル%の式(IV)で表される繰り返し単位および式(V)で表される繰り返し単位を含む、請求項1〜42のいずれか一項に記載の方法。
  44. ポリ(L−γ−グルタミル−グルタマート)−抗がん剤結合体が、式(IV)で表される繰り返し単位および式(V)で表される繰り返し単位からなるか、または本質的にそれらからなる、請求項1〜42のいずれか一項に記載の方法。
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