JP2018027908A - 新規アミン化合物およびその製造方法並びにその製造方法により得られる中間体 - Google Patents

新規アミン化合物およびその製造方法並びにその製造方法により得られる中間体 Download PDF

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Abstract

【課題】着色がなく、耐熱性に優れる高分子材料に利用し得る化合物、製造方法、反応中間体の提供。【解決手段】式(I)で表されるアミン化合物。[R1〜R18は独立にH、アルキル等;R19〜R22は独立にH、CH2−NH2;R19又はR20及び/或いはR21又はR22の一つはCH2−NH2]【選択図】なし

Description

本発明は、新規アミン化合物およびその製造方法並びにその製造方法により得られる中間体に関する。
ジアミン化合物は、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド等のポリマーの原料として、更には、エポキシ樹脂の硬化剤として有用である。また、ジアミン化合物をホスゲンでイソシアネート化したジイソシアネート化合物はポリウレタン等の原料としても使用されている。上記したような用途においては、芳香族ジアミン化合物が使用されてきたが、芳香環を有する化合物は、一般的に電子密度が高いため誘電率が高く、電子材料分野での不具合があったり、また着色等の問題により樹脂の光透過率が低くなるなどの問題があった。そのため、近年は芳香環を有しない脂環式のジアミン化合物が注目されている。
脂環式ジアミンとして、今まで種々の検討がなされており、例えば特許文献1には、二環式ジアミンであるジアミノメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(以下、NBDAとも言う。)をポリマー原料として使用することが提案されている。
ところで、脂環式ポリオレフィンとして、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン骨格を有する化合物である3a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−4,9−メタノシクロペンタ〔b〕ナフタレン(以下、DCPBとも言う。)が知られており、当該DCPBのジエンをグリシジル化した脂環式エポキシ化合物が知られている(例えば、特許文献2)。
特開2001−181241号公報 特開昭49−126658号公報
上記のNBDAは、ビシクロ環を基本骨格とする脂環式ジアミン化合物であるため、エポキシ樹脂等の硬化剤として用いても硬化物を着色してしまうことがなく、また、鎖状のオレフィン骨格を有するジアミン化合物と比較して耐熱性の優れた硬化物が得られるものの、硬化物の用途によっては、更なる耐熱性が要求されていた。
したがって、本発明の目的は、主として、着色がなく、耐熱性にも優れる高分子材料の提供に有効に利用し得る新規な脂環式アミン化合物およびその製造方法、並びに反応中間体を提供することにある。
本発明者らは、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン骨格を有する化合物のホルミル化誘導体であるアルデヒド化合物の物性を検討する過程で、その誘導体であるアミン化合物が優れた光学特性や耐熱性を有する高分子材料を実現し得る硬化剤として有用であることを見出した。本発明はこの知見に基づくものである。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)下記一般式(I):
[式中、
乃至R18は、それぞれ独立して、水素、アルキル基およびアルコキシ基からなる群より選択され、
19乃至R22は、それぞれ独立して水素または−CH−NHを表すが、R19またはR20の何れか一つおよび/またはR21またはR22の何れか一つは−CH−NHである]
で表されるアミン化合物。
(2)前記式(I)において、R19またはR20の何れか一つおよびR21またはR22の何れか一つが−CH−NHである、(1)に記載のアミン化合物。
(3)前記式(I)において、R乃至R18がいずれも水素である、(1)または(2)に記載のアミン化合物。
(4)前記式(I)で表されるアミン化合物を製造する方法であって、
下記一般式(II):
[式中、R乃至R18は前記定義と同一である]
で表される脂環式オレフィン化合物のヒドロホルミル化を行い、ホルミル基を導入する工程、
続いて、前記ホルミル基を還元的アミノ化することにより、前記式(I)で表されるアミン化合物を得る工程、
を含む、アミン化合物の製造方法。
(5)(4)に記載のアミン化合物の製造方法において用いられる、下記一般式(III):
[式中、
乃至R18は前記定義と同一であり、
23乃至R26は、それぞれ独立して水素または−CHOを表すが、R23またはR24の何れか一つおよび/またはR25またはR26の何れか一つは−CHOである]
で表されるアルデヒド中間体。
(6)前記式(I)において、R23またはR24の何れか一つおよびR25またはR26の何れか一つが−CHOである、(5)に記載のアルデヒド中間体。
(7)前記式(I)において、R乃至R18がいずれも水素である、(5)または(6)に記載のアルデヒド中間体。
(8)アミン化合物と、該アミン化合物と共重合し得るモノマー化合物とを含む硬化性組成物であって、前記アミン化合物が(1)〜(3)のいずれかに記載のアミン化合物である、硬化性組成物。
(9)前記アミン化合物と共重合し得るモノマー化合物がエポキシ化合物である、(8)に記載の硬化性組成物。
(10)(8)または(9)に記載の硬化性組成物の硬化物。
本発明によれば、着色がなく、耐熱性にも優れる硬化物の製造が可能な硬化剤および硬化性組成物を提供することができる点で有利である。また、本発明によれば、上述の優れた硬化剤および硬化性組成物の簡易、安全かつ経済的な製造方法を提供することができる点で有利である。さらに、本発明によれば、着色がなく、耐熱性にも優れる硬化物を提供することができる点で有利である。
図1は、実施例1で合成したアルデヒド化合物(A)のGC−MSのチャートを表す。m/z=246.16である。 図2は、実施例2で合成したアミン化合物(B)のGC−MSのチャートを表す。m/z=248.23である。
1.定義
本明細書において、配合を示す「部」、「%」等は特に断らない限り質量基準である。
2.アミン化合物
本発明によるアミン化合物は、下記一般式(I):
[上記式(I)において、R乃至R18は、それぞれ独立して、水素、アルキル基およびアルコキシ基からなる群より選択され、R19乃至R22は、それぞれ独立して水素または−CH−NHを表すが、R19またはR20の何れか一つおよび/またはR21またはR22の何れか一つは−CH−NHである]で表されるアミン化合物である。
本発明によるアミン化合物は、上記式(I)で表されるように、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン骨格を有する化合物にNH−CH−基が修飾された化学構造を有するものであり、現在まで、当該化学構造を有する脂環式アミン化合物は知られていない。
本発明の一つの実施態様では、本発明のアミン化合物は、前記一般式(I)において、R19またはR20の何れか一つおよびR21またはR22の何れか一つが−CH−NHであるジアミン化合物である。
本発明の好ましい実施態様においては、本発明のアミン化合物は、前記一般式(I)において、R19およびR22が−CH−NHである、もしくはR20およびR21が−CH−NHであるジアミン化合物、またはR19およびR21が−CH−NHである、もしくはR20およびR22が−CH−NHであるジアミン化合物であってもよい。
本発明の一つの実施態様では、本発明のアミン化合物は、前記一般式(I)において、R乃至R18がいずれも水素であるアミン化合物である。
3.アミン化合物の製造方法
本発明におけるアミン化合物は、
下記一般式(II):
[式中、R乃至R18は前記定義と同一である。]
で表される脂環式オレフィン化合物のヒドロホルミル化を行い、ホルミル基を導入する工程、続いて前記ホルミル基を還元的アミノ化することにより、前記式(I)で表されるアミン化合物を得る工程により製造することができる。
本発明のアミン化合物の製造方法におけるヒドロホルミル化反応としては、特に限定されず、例えば、内部オレフィンに対し、8族、9族、10族金属化合物を有機リン化合物などの配位子で修飾してなる8族、9族、10族金属錯体からなる触媒の存在下に水素および一酸化炭素と反応させてアルデヒドに変換する方法が挙げられる。
ヒドロホルミル化反応に用いられる8族、9族、10族金属化合物としては、内部オレフィンのヒドロホルミル化反応を促進させる触媒能を当初から有するか、またはヒドロホルミル化反応条件下でそのような触媒能を獲得する化合物であり、従来からヒドロホルミル化反応において触媒として使用されているロジウム化合物、コバルト化合物、ルテニウム化合物、鉄化合物などが挙げられる。これら化合物の中では、ヒドロホルミル化反応の反応条件が温和である観点から、コバルト化合物やロジウム化合物を使用するのが好ましい。
コバルト化合物としては、例えば、Co2(CO)8があり、ロジウム化合物としては、例えば、RhO、Rh2O、Rh23、RhO2などの酸化ロジウム;硝酸ロジウム、硫酸ロジウム、塩化ロジウム、ヨウ化ロジウム、酢酸ロジウムなどのロジウム塩;Rh4(CO)12、Rh6(CO)16、RhH(CO)(PPh、RhCl(CO)(PPh32、RhCl(PPh33、RhBr(CO)(PPh32、RhCl(CO)(AsPPh32、Rh(acac)(CO)2(ここで、acacはアセチルアセトナト配位子を示す。以下同様)などのロジウム錯化合物などが挙げられる。
ヒドロホルミル化反応に用いられる有機リン化合物としては、特に限定されないが、例えば、トリシクロヘキシルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ−t−ブチルホスフィン、トリベンジルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(パラ−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(パラ−N,N−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン、トリス(パラ−フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(パラ−クロロフェニル)ホスフィン、トリ−オルト−トルイルホスフィン、トリ−メタ−トルイルホスフィン、トリ−パラ−トルイルホスフィン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、ビス(ペンタフルオロフェニル)フェニルホスフィン、ジフェニル(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、シクロヘキシルジフェニルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、2−フリルジフェニルホスフィン、2−ピリジルジフェニルホスフィン、4−ピリジルジフェニルホスフィン、メタ−ジフェニルホスフィノベンゼンスルホン酸またはその金属塩、パラ−ジフェニルホスフィノ安息香酸またはその金属塩、パラ−ジフェニルホスフィノフェニルホスホン酸またはその金属塩などが挙げられ、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン等が好ましい。これらの有機リン化合物は単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
有機リン化合物の使用量は、良好な触媒の安定性及び反応速度を得る観点から、8族、9族、10族金属原子換算で8族、9族、10族金属化合物1モルに対して、リン原子換算で1〜10000モルの範囲であるのが好ましく、1〜1000モルの範囲であるのがより好ましく、1.5〜100モルの範囲がさらに好ましい。
8族、9族、10族金属錯体の調製方法は特に制限はないが、例えばヒドロホルミル化反応に影響を及ぼさない溶媒を用いて別途調製された、8族、9族、10族金属化合物溶液および有機リン化合物溶液をヒドロホルミル化反応系に別個に導入し、その系中で両者を反応させて錯体化することにより調製することができる。また、上記の8族、9族、10族金属化合物溶液に有機リン化合物を入れ、次いでヒドロホルミル化反応に影響を及ぼさない溶媒を添加して均一な溶液とすることにより調製することもできる。
ヒドロホルミル化反応に使用される水素と一酸化炭素との混合ガスのH2/COモル比は、仕込み時のガス組成として、0.1〜10の範囲が好ましく、0.5〜2の範囲が混合ガス組成の維持が容易である観点からより好ましい。反応圧力は、0.1〜10MPaの範囲が好ましく、0.5〜8MPaの範囲が反応速度の観点から好ましい。反応温度は、40〜150℃の範囲が好ましく、60〜140℃の範囲が触媒の失活を抑制する観点などからより好ましい。
ヒドロホルミル化反応は、攪拌型反応槽、液循環型反応槽、ガス循環型反応槽、気泡塔型反応槽などを用いて行うことができる。また、反応は、連続方式またはバッチ方式で行うことができる。
8族、9族、10族金属錯体の使用量は、反応速度及び触媒コストの観点から、原料1000g当たり、8族、9族、10族金属原子換算で0.1〜1000mmolの範囲となるような量を選択するのが好ましく、0.5〜100mmolの範囲となるような量を選択するのがより好ましい。
本発明の8族、9族、10族金属錯体を用いて内部オレフィンをヒドロホルミル化する場合には、反応系に溶媒を存在させてもよい。溶媒としては、例えば、トルエン、ジメチルスルホキシド、1−メチル−2−ピロリジノン、スルホラン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランのような非プロトン性極性溶媒;メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコール、テトラエチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテルなどのポリアルキレングリコール類などを挙げることができる。これらの溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、トルエン、ジメチルスルホキシド、アセトン、テトラヒドロフラン等の非プロトン性極性溶媒を用いるのが好ましい。これらの溶媒の使用量は、ヒドロホルミル化反応混合液中50容量%以下の範囲となるような量を選択するのが好ましく、20容量%以下の範囲となるような量を選択するのがより好ましい。
ヒドロホルミル化反応における原料の仕込み方法に特に制限はないが、内部オレフィン、別途調製された8族、9族、10族金属錯体溶液および必要に応じて溶媒を仕込み、次いで、水素と一酸化炭素との混合ガスを所定圧力で導入し、所定温度で撹拌して均一系で反応を行うのが好ましい。
上記のようにして一般式(II)で表される脂環式オレフィン化合物のヒドロホルミル化を行うと、反応の程度や触媒の選択性によって、シクロヘキセン環側のみにホルミル基(―CH=O)が導入され、シクロペンテン環側にはホルミル基が導入されない場合や、逆にシクロペンテン環側にのみホルミル基が導入され、シクロヘキセン環側にはホルミル基が導入されない場合のように、脂環式オレフィン化合物に対してホルミル基が1つのみ導入されることがある。また、シクロヘキセン環側のジエンとシクロペンテン環のジエンの両方にホルミル基が導入される場合のように、脂環式オレフィン化合物に対して2つのホルミル基が導入される場合がある。従って、後記するように、脂環式オレフィン化合物導入されたホルミル基を還元的アミノ化反応によりアミノ基に変換すると、前者(即ち、ホルミル基が一つの場合)では、モノアミン化合物となり、後者(即ち、ホルミル基が二つの場合)では、ジアミン化合物となる。
また、ホルミル基が二つ導入される場合においても、一般式(III)において、R24およびR25にホルミル基が導入される場合や、R23およびR26にホルミル基が導入される場合のように、ジアミン化合物が得られる場合や、R24およびR26にホルミル基が導入される場合や、R23およびR25にホルミル基が導入される場合のように、ジアミン化合物が得られる場合がある。
本発明におけるアミン化合物の製造方法における還元的アミノ化としては、(1)不均一系触媒として、Raney Ni、Raney Co、Pt/活性炭、Pd/活性炭などの固体触媒を用いた水素化反応による方法、(2)NaBHCNやNaBH(OAc)などのホウ素系反応剤をヒドリド還元剤として用いる方法、(3)均一系触媒として金属錯体触媒を用いる方法、などが知られている。
1)の方法は、例えば、J. Am. Chem. Soc. 1941, 63, 749.やJ. Org. Chem. 1962, 27, 2205.などに記載されている。
また、2)の方法としては、例えば、a)J. Am. Chem. Soc. 1971, 93, 2897.に記載されているNaBHCNを用いる方法、b)J. Org. Chem. 1996, 61, 3849.に記載されているNaBH(OAc)を用いる方法、c)J. Org. Chem. 1995, 60, 5995.に記載されているピリジンボランを用いる方法、d)特開2004−256511(特許文献1)に記載されている2−ピコリンボランを用いる方法、e)Tetrahedron Letters 2008, 49, 5152-5155.に記載されている5−エチル−2−メチルピリジンボランを用いる方法などが知られている。
さらに、3)の方法として、例えば、特許第4059978号には水素化触媒存在下、カルボニル化合物、アンモニア、および水素を反応させることにより一級アミンを得る製造方法、Chem. Comm., 2000, 1867-1868.にはホスフィン配位子を有するロジウム錯体を用いた水素化反応による方法、Org. Lett. 2002, 4, 2055-2058.には[Rh(cod)Cl]2錯体とTPPTS配位子の組み合わせによる水素化反応による方法、J. Org. Chem. 2002, 67, 8685-8687.には[Cp*RhCl]を錯体触媒に用い、ギ酸アンモニウムをアミン源、および水素源とする方法、特表2004−537588には還元剤として水素供与体、およびRu、Rh、Irからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含有する遷移金属錯体触媒の存在下で、カルボニル化合物とアミン化合物との還元的ヒドリド移動アミノ化による方法が知られている。
4.アルデヒド化合物
本発明のアルデヒド化合物は、本発明のアミン化合物の製造方法において用いられる中間体として、当該アルデヒド中間体の誘導体であるアルコール化合物もしくはカルボン酸化合物の製造方法において用いられる中間体として、または香料原料として有用であり、
下記一般式(III):
[式中、
乃至R18は前記定義と同一であり、
23乃至R26は、それぞれ独立して水素または−CHOを表すが、R23またはR24の何れか一つおよび/またはR25またはR26の何れか一つは−CHOである]
で表されるアルデヒド化合物である。
本発明によるアルデヒド化合物は、上記式(III)で表されるように、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン骨格を有する化合物にホルミル基が修飾された化学構造を有するものであり、現在まで、当該化学構造を有する脂環式アルデヒド化合物は知られていない。
本発明の一つの実施態様では、本発明のアルデヒド化合物は、前記式(III)において、R23またはR24の何れか一つおよびR25またはR26の何れか一つが−CHOであるジアルデヒド化合物である。
本発明の好ましい実施態様においては、本発明のアルデヒド化合物は、前記一般式(III)において、R23およびR26が−CHOである、もしくはR24およびR25が−CHOであるジアルデヒド化合物、またはR23およびR25が−CHOである、もしくはR24およびR26が−CHOであるジアルデヒド化合物であってもよい。
本発明の一つの実施態様では、本発明のアルデヒド化合物は、前記式(I)において、R乃至R18がいずれも水素であるアルデヒド化合物である。
上記したアミン化合物の製造方法における中間体生成物である一般式(III)で表されるアルデヒド中間体は、ホルミル基(−CH=O)を水素還元反応によりアルコキシ基に変換することにより、アルコール化合物とすることができる。一般式(III)で表されるアルデヒド中間体から誘導されたアルコール化合物は、アルコール化合物は、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、アクリル酸、メタクリル酸樹脂等の原料として、または香料原料として有用である。
水素還元反応としては、特に限定されず、公知の方法で水素還元を行えばよく、例えば、NaBH4(水素化ホウ素ナトリウム)を加え、還元する方法、金属触媒の存在下、水素ガスにより還元する方法などが挙げられる。
NaBH4を加えて水素還元する方法では、NaBH4の添加量は、アルデヒドに対して等モル以上加えるのが好ましく、1〜3倍モル添加がより好ましく、1.2〜1.5倍モル添加がさらに好ましい。また、反応温度は0〜100℃が好ましく、10〜50℃がより好ましく、10〜30℃がさらに好ましい。
金属触媒を用い水素ガスにより還元する方法において、水素還元に用いる金属触媒としては、特に限定されないが、Ru、Pd、Rh、Ptをアルミナ、活性炭、シリカ、ジルコニア、シリカアルミナなどに担持した触媒や、Cu−Cr、Cu−Fe、Cu−ZnなどCu系触媒やRaney Ni、ニッケル/ケイソウ土、ニッケル/シリカアルミナなどNi系触媒などが好ましい。また、金属触媒の添加量はアルデヒドに対し20重量%以下が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましい。反応温度は使用する触媒により異なるが、300℃以下が好ましく、20〜250℃がより好ましく、20〜150℃がさらに好ましい。水素ガスの圧力は常圧〜30MPaが好ましく、常圧〜25MPaがより好ましい。
また、アルデヒド中間体は、ホルミル基を酸化させてカルボキシル基(−COOH)に変換することにより、カルボン酸化合物とすることができる。一般式(III)で表されるアルデヒド中間体から誘導されたカルボン酸化合物は、塗料、合成樹脂調製物、可塑剤および潤滑油中の成分として、または香料原料として有用である。
ホルミル基をカルボン酸とする際の酸化反応としては、特に限定されず、公知の方法で酸化反応を行えばよく、例えば、本発明のアルデヒド化合物を酸素または酸素含有ガスと、または一般的な酸化剤、例えば過酸化水素、アルカリ金属次亜塩素酸塩または過マンガン酸カリウムの存在下に反応させる。酸素または酸素含有ガスを酸化触媒の非存在下にまたは存在下に使用するのが有利である。この種類のガス混合物の別の成分は不活性ガス、例えば窒素、希ガスおよび二酸化炭素である。酸素含有ガス混合物の不活性成分の割合は90容量%まで、特に30〜80容量%までである。特に有利な酸化剤は酸素または空気である。酸化段階のための触媒としては好ましくは遷移金属の塩が適し、特にコバルトおよびマンガンの塩並びにドイツ特許第10,010,771(C1)号明細書から公知のクロム、鉄、銅、ニッケル、銀およびバナジウムの塩が適する。
5.アミン化合物の用途
本発明のアミン化合物は、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド等のポリマーの原料として有用である。また、本発明のアミン化合物をホスゲンでイソシアネート化したジイソシアネート化合物は、ポリウレタン等の原料として有用である。さらに、着色がなく、耐熱性にも優れる硬化物の製造が可能な硬化剤として利用できる点で有用である。
よって、本発明の他の態様によれば、本発明のアミン化合物を含んでなる硬化剤が提供される。さらに、本発明の別の態様によれば、硬化剤の製造のための、本発明のアミン化合物の使用が提供される。本発明の硬化剤の製造においては、当業者に広く知られた技術常識に従い、硬化剤にさらに含有させる成分、および硬化剤の調製方法を適宜選択することができる。
6.硬化性組成物
本発明の硬化性組成物は、本発明のアミン化合物と、該アミン化合物と共重合し得るモノマー化合物とを含む。該アミン化合物と共重合し得るモノマー化合物としては、該アミン化合物と共重合し得るモノマー化合物であれば、適宜選択して使用することができるが、好ましくは例えばエポキシ化合物が挙げられる。即ち、本発明のアミン化合物は、エポキシ化合物の硬化剤として有用である。
エポキシ化合物としては、例えば、グリシジルエーテル型エポキシド、グリシジルエステル型エポキシド、グリシジルアミン型エポキシドおよび脂環式エポキシド等、並びにそれらのオリゴマーおよびポリマーが挙げられる。
グリシジルエーテル型エポキシドとしては、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル等の二価フェノールのグリシジルエーテル、ジヒドロキシナフチルクレゾールトリグリシジルエーテル、トリス(ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジルエーテル、ジナフチルトリオールトリグリシジルエーテル、フェノールノボラックグリシジルエーテル、クレゾールノボラックグリシジルエーテル等の多価フェノールのグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等の二価アルコールのグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールヘキサグリシジルエーテルおよびポリグリセリンポリグリシジルエーテル等の多価アルコールのグリシジルエーテル等が挙げられる。
グリシジルエステル型エポキシドとしては、グリシジルメタクリレート、フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステルおよびトリメット酸トリグリシジルエステル等のカルボン酸のグリシジルエステルやグリシジルエステル型のポリエポキシド等が挙げられる。
グリシジルアミン型エポキシドとしては、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルスルホン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジエチルジフェニルメタン等のグリシジル芳香族アミン、ビス(N,N−ジグリシジルアミノシクロヘキシル)メタン(N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン)の水添加物やN,N,N’,N’−テトラグリシジルジメチルシクロヘキシレンジアミン(N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミン)の水添加物等のグリシジル脂環式アミンやトリスグリシジルメラミンおよびN−グリシジル−4−グリシジルオキシピロリドン等のグリシジル複素環式アミン等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、ジシクロペンタジエンジエポキシド、ビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチルエーテル、3,4−エポキシ−6−メチルシクロへキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロへキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロへキシル−3,4−エポキシ−1−メチルヘキサンカルボキシレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロへキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−3−メチルシクロへキシルメチル−3,4−エポキシ−3−メチルヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロへキシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロへキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタジオキサン、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、(3,3’,4,4’−ジエポキシ)ビシクロヘキシルおよびシクロヘキサンジメチロールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
(硬化促進剤)
本発明の硬化性組成物は、上記したアミン化合物と併用する硬化促進剤をさらに含んでいてもよい。硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルベンジルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムジエチルホスホロジチオエート、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムベンゾトリアゾレート、テトラ−n−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムアイオダイド、エチルトリフェニルホスホニウムアセテート、n−ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のホスフィン類とその第四級塩、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2−メチルイミダゾリル−(1)]エチル−s−トリアジン、2−フェニルイミダゾリン、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール等のイミダゾール類、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミン等の3級アミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5等の超強塩基性の有機化合物、オクチル酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸錫等の有機カルボン酸金属塩、ベンゾイルアセトン亜鉛キレート、ジベンゾイルメタン亜鉛キレートおよびアセト酢酸エチル亜鉛キレート等の金属−有機キレート化合物等の公知の化合物が挙げられる。硬化性組成物は、上記したような硬化促進剤を1種または2種以上含んでいてもよい。
硬化性組成物における硬化促進剤の含有量は、硬化性組成物の総量100質量部に対し、0.1〜6質量部であることが好ましい。
(オキセタン化合物)
硬化性組成物は、オキセタン化合物を含んでいてもよい。オキセタン化合物としては、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ジ[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(シクロヘキシルオキシメチル)オキセタン、フェノールノボラックオキセタン、1,3−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)]メトキシベンゼン、オキセタニルシルセスキオキサン、オキセタニルシリケート、ビス[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、4,4’−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ビフェニル、エチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)ジフェノエート、トリメチロールプロパンプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、オキセタニルシリケート、フェノールノボラック型オキセタン等が挙げられる。硬化性組成物は、上記したようなオキセタン化合物を1種または2種以上含んでいてもよい。
硬化物の耐熱性という観点からは、硬化性組成物におけるオキセタン化合物の含有量は、1〜90質量%であることが好ましく、5〜85質量%であることがより好ましい。
(ビニルエーテル化合物)
硬化性組成物は、ビニルエーテル化合物を含んでいてもよい。ビニルエーテル化合物としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテルなどの単官能ビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、グリセロールトリビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル等の多官能ビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、シクロヘキサンジオールモノビニルエーテル、9−ヒドロキシノニルビニルエーテル、プロピレングリコールモノビニルエーテル、ネオペンチルグリコールモノビニルエーテル、グリセロールジビニルエーテル、グリセロールモノビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル、トリメチロールプロパンモノビニルエーテル、ペンタエリスリトールモノビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、テトラエチレングリコールモノビニルエーテル、トリシクロデカンジオールモノビニルエーテル、トリシクロデカンジメタノールモノビニルエーテル等の水酸基を有するビニルエーテル化合物、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、メタクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル等の異種の官能基を有するビニルエーテルが挙げられる。硬化性組成物は、上記したようなビニルエーテル化合物を1種または2種以上含んでいてもよい。
硬化物の耐熱性という観点からは、硬化性組成物におけるビニルエーテル化合物の含有量は、1〜90質量%であることが好ましく、5〜85質量%であることがより好ましい。
硬化性組成物は、その特性を損なわない範囲において、各種添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、充填剤、シランカップリング剤、消泡剤、酸化防止剤、光安定剤、顔料や染料等の着色剤、可塑剤、pH調整剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤等が挙げられる。上記したような添加剤を1種または2種以上含んでいてもよい。
(硬化性組成物の製造)
本発明の硬化性組成物の製造においては、当業者に広く知られた技術常識に従い、硬化性組成物にさらに含有させる成分、および硬化性組成物の調製方法を適宜選択することができる。
7.硬化物
(硬化の条件)
本発明の硬化物は、上記硬化性組成物を硬化させることにより得られる。硬化性組成物の硬化方法は特に限定されるものではないが、加熱により適宜行うことができる。
加熱により、硬化性組成物を硬化させる場合、エポキシ化合物の反応性の高さを考慮し、多段階的に硬化性組成物を加熱することが好ましい。これにより、硬化反応を十分に進めることができる。例えば、100〜130℃で10〜150分の一次加熱と、140〜160℃で10〜150分の二次加熱と、170〜200℃で60〜180分の三次加熱と、210〜250℃で10〜150分の四次加熱とにより硬化反応を行うことができる。しかしながら、これに限定されるものではなく、本発明のアミン化合物の含有量、エポキシ化合物の含有量、硬化性組成物に含まれるその他の化合物などの特性を考慮し、適宜変更して行うことが好ましい。
(硬化物の用途)
本発明の硬化性組成物および硬化物の用途としては、具体的には、金属、樹脂フィルム、ガラス、紙、木材等の基材上に塗布する塗料、半導体素子や有機薄膜素子(例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子や有機薄膜太陽電池素子)の表面保護膜、ハードコート剤、防汚膜および反射防止膜等のコーティング剤、接着剤、粘着剤、レンズ、プリズム、フィルター、画像表示材料、レンズアレイ、光半導体素子の封止材やリフレクター材料、半導体素子の封止材、光導波路、導光板、光拡散板、回折素子および光学用接着剤等の各種光学部材、注型材料、層間絶縁体、プリント配向基板用保護絶縁膜および繊維強化複合材料等の材料等が挙げられる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1.アルデヒド化合物(A)の合成
アルゴン気流下、300mLオートクレーブに、50.0gのDCPB、135.7mgのRhH(CO)(PPh、および0.7gのPPhを仕込んだ。この容器内にH/COガス(4.0MPa)を導入し、内温135℃で4日間反応を行なった。その後、反応液をテトラヒドロフラン(THF)で希釈し、300mLの飽和NaHCO水溶液を加えて、アルゴン雰囲気下50℃で終夜反応を行なった。室温まで冷却した後、分液操作によりTHF層を除去し、得られた水層をクロロホルムで3回洗浄した。得られた水層に飽和NaCO水溶液を加えることでpH9とし、得られた懸濁液をクロロホルムで3回抽出した。この有機層をまとめてMgSOで乾燥し、濃縮することで粗体54.1gを得た。
得られた粗体を0.1〜0.2mmHgにて蒸留精製し、塔頂温度153℃で10.47gのアルデヒド化合物(A)を得た。得られたアルデヒド化合物(A)のGC−MSのチャートを図1に示す。
実施例2.アミン化合物(B)の合成
300mLオートクレーブに51.3mLメタノール、実施例1により製造された、10.47gのアルデヒド化合物(A)、および0.119mLのトリエチルアミンを仕込み溶解させ、容器内をアルゴンにより置換した。室温でこの容器内に、0.6MPaのアンモニアガスを導入し、1時間反応させた。その後、3.1gのRaney Niを加え、0.5MPaのアンモニアガス、および2.1MPaの水素ガスを導入した後に、容器内の温度を125℃まで加熱し終夜反応を行なった。反応終了後、この反応液をろ過して得られたろ液を濃縮し、粗体11.1gを得た。
得られた粗体を0.03mmHgにて蒸留精製し、塔頂温度142℃で6.91gのアミン化合物(B)を得た。得られたアミン化合物(B)のGC−MSのチャートを図2に示す。
実施例3.硬化性組成物の製造と物性評価
(1)実施例3−1:硬化性組成物の製造
実施例2により製造されたアミン化合物(B)および市販のエポキシ化合物(C)を、下記の組成となるように混合して、硬化性組成物を得た。
(硬化性組成物の組成)
・アミン化合物(B) 32質量部
・エポキシ化合物(C) 100質量部
(ここで、エポキシ化合物(C)として、市販されているビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、新日鉄住金化学製、商品名YD−128を使用した。)
(2)比較例3−1
市販のアミン化合物(B−1)および上記エポキシ化合物(C)を、表1の組成となるよう混合して、比較例3−1の硬化性組成物を得た。ここで、アミン化合物(B−1)として、市販されている脂環式ジアミン類、三井化学製、商品名NBDAを使用した。
(3)比較例3−2
市販のアミン化合物(B−2)および上記エポキシ化合物(C)を、表1の組成となるよう混合して、比較例3−2の硬化性組成物を得た。ここで、アミン化合物(B−2)として、市販されている脂環式ジアミン類、東京化成製、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンを使用した。
(4)物性評価
上記の実施例3−1、並びに比較例3−1および3−2により得られた硬化性組成物を、熱風循環オーブンにより、80℃にて2時間、次に140℃にて2時間、さらに150℃にて2時間加熱し、硬化物を得た。
得られた硬化物のガラス転移温度を、株式会社日立ハイテクサイエンス製示差走査熱量計DSC7020により、30〜300℃まで10℃/minで昇温して測定し、硬化物の耐熱性とした。なお、ここでいうガラス転移温度は、JIS K7121「プラスチックの転移温度測定法」に記載されているうち「中間点ガラス転移温度:Tmg」に基づいて測定した。測定結果を表1にまとめた。

Claims (10)

  1. 下記一般式(I):
    [式中、
    乃至R18は、それぞれ独立して、水素、アルキル基およびアルコキシ基からなる群より選択され、
    19乃至R22は、それぞれ独立して水素または−CH−NHを表すが、R19またはR20の何れか一つおよび/またはR21またはR22の何れか一つは−CH−NHである]
    で表されるアミン化合物。
  2. 前記式(I)において、R19またはR20の何れか一つおよびR21またはR22の何れか一つが−CH−NHである、請求項1に記載のアミン化合物。
  3. 前記式(I)において、R乃至R18がいずれも水素である、請求項1または2に記載のアミン化合物。
  4. 前記式(I)で表されるアミン化合物を製造する方法であって、
    下記一般式(II):
    [式中、R乃至R18は前記定義と同一である]
    で表される脂環式オレフィン化合物のヒドロホルミル化を行い、ホルミル基を導入する工程、
    続いて、前記ホルミル基を還元的アミノ化することにより、前記式(I)で表されるアミン化合物を得る工程、
    を含む、アミン化合物の製造方法。
  5. 請求項4に記載のアミン化合物の製造方法において用いられる、下記一般式(III):
    [式中、
    乃至R18は前記定義と同一であり、
    23乃至R26は、それぞれ独立して水素または−CHOを表すが、R23またはR24の何れか一つおよび/またはR25またはR26の何れか一つは−CHOである]
    で表されるアルデヒド中間体。
  6. 前記式(I)において、R23またはR24の何れか一つおよびR25またはR26の何れか一つが−CHOである、請求項5に記載のアルデヒド中間体。
  7. 前記式(I)において、R乃至R18がいずれも水素である、請求項5または6に記載のアルデヒド中間体。
  8. アミン化合物と、該アミン化合物と共重合し得るモノマー化合物とを含む硬化性組成物であって、前記アミン化合物が請求項1〜3のいずれか一項に記載のアミン化合物である、硬化性組成物。
  9. 前記アミン化合物と共重合し得るモノマー化合物がエポキシ化合物である、請求項8に記載の硬化性組成物。
  10. 請求項8または9に記載の硬化性組成物の硬化物。
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