JP2018026480A - セラミック配線基板及びセラミック配線基板の製造方法 - Google Patents

セラミック配線基板及びセラミック配線基板の製造方法 Download PDF

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【課題】1000℃以上の高温で抵抗体材料の焼成が可能なセラミック配線基板及びセラミック配線基板の製造方法を提供すること。【解決手段】セラミックと第1ガラスとを含むセラミック基板3に、酸化ルテニウムと第2ガラスとを含む抵抗体11が形成されたセラミック配線基板1である。このセラミック基板3は1000℃以上の焼成温度で焼成される材料からなり、且つ、セラミック基板3中の第1ガラスの成分と抵抗体11中の第2ガラスの成分とが異なり、さらに、第1ガラスの軟化点Tsaと第2ガラスの軟化点Tsbとが、下記の式(1)、式(2)、式(3)を満たす。Tsa≧セラミック基板の焼成温度−70℃ ・・(1)Tsb<Tsa<セラミック基板の焼成温度 ・・(2)|Tsb−Tsa|≦150℃ ・・(3)【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、電子部品のセラミックパッケージ、無線通信モジュール基板、制御回路用基板、半導体検査装置等などに用いることができるセラミック配線基板及びセラミック配線基板の製造方法に関する。
従来、例えばセラミックパッケージ等に用いるために、セラミック基板上に所定の抵抗値を有する抵抗体を備えたセラミック配線基板が知られている。この種のセラミック配線基板は、例えばアルミナからなる(焼成した)セラミック基板の表面に、抵抗体ペーストを塗布して抵抗体パターンを形成し、その後、例えば800〜900℃で焼成することによって製造されていた(特許文献1、2参照)。
なお、前記抵抗体ペーストとしては、導電材料と、抵抗値の調整及び導電材料の結合性を付与するガラス材と、有機ビヒクルとからなるペーストが知られている。
また、これとは別に、近年では、LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)とよばれるガラスセラミックの研究が行われており、このガラスセラミックに関しては、抵抗体等の基板内蔵化のために同時焼成が試みられている。
特開平4−233787号公報 特開2010−103556号公報
しかしながら、上述したように、同時焼成によって、セラミック基板(例えばガラスを含むセラミック基板)に抵抗体を備えたセラミック配線基板を製造する場合には、安定した特性が得られる抵抗体に関する技術は確立されておらず、特に、1000℃以上の高温で焼成できるような抵抗体材料は得られていない。
そこで、本発明は、例えば同時焼成によってセラミック配線基板を製造する場合に、1000℃以上の高温で抵抗体材料の焼成が可能なセラミック配線基板及びセラミック配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
(1)本発明の第1局面は、セラミックと第1ガラスとを含むセラミック基板に、酸化ルテニウムと第2ガラスとを含む抵抗体が形成されたセラミック配線基板に関するものである。
このセラミック配線基板では、セラミック基板は1000℃以上の焼成温度で焼成される材料からなり、且つ、セラミック基板中の第1ガラスの成分と、抵抗体中の第2ガラスの成分とが異なり、さらに、第1ガラスの軟化点Tsaと第2ガラスの軟化点Tsbとが、下記の式(1)、式(2)、式(3)を満たしている。
Tsa≧セラミック基板の焼成温度−70℃ ・・(1)
Tsb<Tsa<セラミック基板の焼成温度 ・・(2)
|Tsb−Tsa|≦150℃ ・・(3)
本第1局面では、後述する実験例からも明らかなように、前記式(1)〜式(3)を満たしているので、抵抗体の変形による断線や短絡(導電体間の短絡)の発生や、ガラス材の発泡等によるボイドの発生等の不具合を抑制できる。また、抵抗体の特性の変化、例えば抵抗値のバラツキや耐電圧特性の低下を抑制できる。
以下、本発明の作用効果について詳細に説明する。
ガラスを含むセラミック基板の材料とガラスを含む抵抗体の材料とを同時焼成する場合、ガラスの軟化点付近の温度域(ガラスが濡れ広がっていく状況)では、酸化ルテニウムがガラスに良く濡れ、抵抗体材料が互いに繋がり(即ち抵抗体ネットワーク)を保ったまた存在することにより、抵抗体として特性を発現することが知られている。
ここで、セラミック基板の材料と抵抗体の材料とに、同種のガラスを含む場合、或いは、セラミック基板の材料中の第1ガラスの軟化点が抵抗体の材料中の第2ガラスの軟化点以下の場合には、下記のような問題がある。
つまり、焼成の際に、セラミック基板の材料中の第1ガラスが抵抗体の材料中に浸漬することによって、抵抗体の材料中で第1ガラスと第2ガラスとが結合することにより、酸化ルテニウムの凝集が発生することがある。また、抵抗体の材料中の第2ガラスがセラミック基板の材料中に浸漬することにより、セラミック基板内に酸化ルテニウムが濡れ広がってしまうことがある。
これによって、抵抗体の変形による断線や短絡の発生、ガラス材の発泡等によるボイドの発生などの不具合が生ずる恐れがある。また、抵抗体ネットワークが不安定になって、抵抗値のバラツキや、耐電圧低下等の不具合が発生する恐れがある。
それに対して、本第1局面では、セラミック基板中の第1ガラスの成分と、抵抗体中の第2ガラスの成分とが異なり、しかも、第1ガラスの軟化点Tsaと第2ガラスの軟化点Tsbとが、前記式(1)、式(2)、式(3)を満たしているので、上述した変形やボイド等の不具合や、それに伴う、抵抗値のバラツキや耐電圧特性の低下のような性能の低下を抑制することができる。
詳しくは、本第1局面では、前記式(1)を満たす第1ガラスの軟化点Tsaが、前記式(2)に示すように、第2ガラスの軟化点Tsbより高いので、同時焼成によって第2ガラスが軟化した際に第1ガラスは軟化していない。よって、先に軟化したセラミック基板の材料中の第1ガラスが、抵抗体の材料中に浸漬して第2ガラスと結合することを抑制でき、その結果、酸化ルテニウムの凝集を抑制できると推定される。
また、上述のように、第1ガラスは第2ガラスより軟化しにくいので、セラミック基板内に酸化ルテニウムが濡れ広がりにくく、その結果、抵抗値のバラツキや、耐電圧低下等の不具合が発生しにくいと推定される。
さらに、前記式(3)に示すように、第1ガラスの軟化点Tsaと第2ガラスの軟化点Tsbとが150℃以下の温度差であるので、同時焼成後の冷却時には、ほぼ同様な又はかなり近い温度で硬化する。よって、抵抗体ネットワークが破損しにくいので、抵抗体の性能が低下しにくいと推定される。
なお、式(1)は、第1ガラスの軟化点Tsaと第2ガラスの軟化点Tsbとが、セラミック基板の焼成温度より低く、焼成温度に達する前に両ガラスが軟化すること、従って、同時焼成が可能であることを示している。
ここで、セラミック基板の焼成温度とは、その温度で焼成することにより、セラミック基板の材料が焼結する温度である。
なお、前記式(3)の温度差は、前記式(1)、(2)を満たす範囲で、小さい方が好ましい。
(2)本発明の第2局面では、セラミック配線基板は、内部及び表面の少なくとも一方に、抵抗体を備えた多層セラミック配線基板である。
本第2局面は、多層セラミック配線基板において、その内部や表面に抵抗体を備えたものを例示している。
(3)本発明の第3局面は、セラミックと第1ガラスとを含むグリーンシートの表面に、酸化ルテニウムと第2ガラスとを含む抵抗体ペーストを用いて抵抗体パターンを形成し、グリーンシートと抵抗体パターンとを同時焼成して、抵抗体を備えたセラミック配線基板を製造するセラミック配線基板の製造方法に関するものである。
このセラミック配線基板の製造方法では、グリーンシートは1000℃以上の焼成温度で焼成される材料からなり、且つ、グリーンシート中の第1ガラスの成分と、抵抗体ペースト中の第2ガラスの成分とが異なり、さらに、第1ガラスの軟化点Tsaと第2ガラスの軟化点Tsbとが、前記式(1)、式(2)、式(3)を満たしている。
本第3局面では、上述した方法でセラミック配線基板を製造することにより、前記第1局面と同様な効果を奏する。
(4)本発明の第4局面では、抵抗体パターンを形成したグリーンシートを複数積層して積層体を形成し、積層体を同時焼成することによって、内部及び表面の少なくとも一方に、抵抗体を備えた多層セラミック配線基板を製造する。
本第4局面では、前記第2局面と同様な効果を奏する。
<以下、本発明の各構成について説明する>
・セラミックとしては、例えば、アルミナ、ムライト、コージェライトなどを採用できる。
・第1ガラスとしては、例えば、ホウケイ酸ガラス、その中でも、SiO、Al、B、CaOを含有するものが挙げられる。また、第2ガラスとしては、例えば、SiO、Al、CaOを含有するものがあげられる。なお、第1ガラス及び第2ガラスのガラス組成としては、これらに限定されるものではない。
・セラミック基板は、前記セラミック及び前記第1ガラスを主成分(即ち最も含有量が多い成分)とする基板である。セラミック及び第1ガラスとしては、例えば40重量%以上を採用できる。
・抵抗体は、酸化ルテニウム及び第2ガラスを主成分(即ち最も含有量が多い成分:例えば40〜53重量%)とする抵抗体である。酸化ルテニウム及び第2ガラスとしては、65重量%以下であると、静電気放電破壊(ESD)が発生しにくいので好ましい。
・グリーンシートは、前記セラミック基板の材料(固体成分)にシートを作製するために材料を含む未焼成のシートである。
・抵抗体ペーストは、前記抵抗体の材料(固体成分)にペーストを作製するための材料を含むペーストである。
・抵抗体パターンは、抵抗体ペーストにより形成された抵抗体となる部分である。
実施形態のセラミック配線基板を厚み方向に破断した断面図である。 TG−DTA曲線を示すグラフである。 T1〜T3を求めるための方法を示す説明図である。 図2の一部を拡大し、転移点、屈服点、軟化点を求めるための方法を示す説明図である。 実施形態のセラミック配線基板の製造方法を示す説明図である。 (a)は実験例1のセラミック配線基板の断面図、(b)は抵抗体等が形成されたセラミック層の表面を示す説明図である。 (a)は実験例2における比較例のセラミック配線基板の断面を示すSEM写真、(b)は実験例2における本発明例のセラミック配線基板の断面を示すSEM写真、(c)は、図7(b)の一部を拡大して示すSEM写真である。
以下、本発明のセラミック配線基板及びセラミック配線基板の製造方法について、図面を用いて説明する。なお、以下に示す実施形態では、セラミック配線基板として多層セラミック配線基板を例に挙げる。
[1.実施形態]
[1−1.セラミック配線基板の構成]
まず、実施形態のセラミック配線基板の構成について説明する。
図1に示す様に、セラミック配線基板1は、複数のセラミック層(セラミック基板)3が厚み方向に積層された構成を有する多層セラミック配線基板である。
このセラミック配線基板1の内部には、隣接するセラミック層3の間に内部配線層5が形成されている。また、セラミック配線基板1の表面(例えば上面及び下面の両方又は一方)には、表面配線層7が形成されている。
さらに、セラミック層3には、(厚み方向に配置された)内部配線層5同士や内部配線層5と表面配線層7とを電気的に接続するビア9や、図示しない空間(キャビティ)が形成されている。
また、一部の内部配線層5と接するように、層状の抵抗体(抵抗体層)11が形成されている。
前記セラミック層3は、アルミナと第1ガラス(例えば、SiO、Al、Bを主成分とするホウケイ酸系ガラス)とから構成されたガラスセラミックである。
この第1ガラスであるホウケイ酸系ガラスとして、例えばSiO−B−Al−CaO系ガラスを用いる場合には、第1ガラスの軟化点Tsaは、950℃である。なお、アルミナと第1ガラスとの割合は、重量比で1:1である。
また、内部配線層5、表面配線層7、ビア9は、例えば金から構成されている。
さらに、抵抗体11は、酸化ルテニウムと第2ガラス(例えば、下記表1に示す各種の第2ガラス)とから構成された抵抗体である。なお、第2ガラスとして、例えばGA33(日本電気硝子製)を用いる場合には、第2ガラスの軟化点Tsbは927℃である。また、酸化ルテニウムと第2ガラスとの重量割合は、1:1である。
特に、本実施形態では、前記セラミック層(即ちセラミック基板)3は1000℃以上の焼成温度で焼成される材料からなる。また、セラミック層3中の第1ガラスの成分と抵抗体11中の第2ガラスの成分とが異なり、さらに、第1ガラスの軟化点Tsaと第2ガ
ラスの軟化点Tsbとが、下記の式(1)、式(2)、式(3)を満たしている。
Tsa≧セラミック基板の焼成温度−70℃ ・・(1)
Tsb<Tsa<セラミック基板の焼成温度 ・・(2)
|Tsb−Tsa|≦150℃ ・・(3)
ここで、ガラスの軟化点の一般的な測定方法の例について説明する。
ガラスの軟化点は、例えば熱分析装置TG−DTA(リガク製)を用いて測定することができる。
具体的には、特定の測定対象のガラス粉末を用意し、白金製試料皿に均一に載せ、熱分析装置内にセットする。そして、熱分析装置を、10℃/minで昇温して測定する。その結果、例えば図2に示すようなTG−DTA曲線を得ることができる。
また、DTAの反応温度曲線のベースラインとピークの最大傾斜の交点がガラス反応温度であり、一般的に、最初の温度変化点が転移点(Tg)、2回目の変化点が屈服点(Td)、3回目の変化点が軟化点(Ts)となる。
ここで、図3に、転移点(Tg)、屈服点(Td)、軟化点(Ts)を求めるために、直線の引き方の例を挙げる。なお、T1〜T3は、下記の意味である。
T1:ピークの立ち上がり温度
T2:ベースラインとピークの最大傾斜の交点
T3:ピーク頂点の温度
例えば前記図2に示すようなDTAの場合には、図4に示すように直線を引くことにより、転移点(Tg):約659.4℃、屈服点(Td):約766.2℃、軟化点(Ts):約928.1℃を求めることができる。
[1−2.セラミック配線基板の製造方法]
次に、セラミック配線基板1の製造方法について説明する。屈服点
<セラミックグリーンシートの作製工程>
セラミック原料粉末として、SiO、Al、Bを主成分とするホウケイ酸系ガラス粉末(詳しくはSiO−B−Al−CaO系ガラス)とアルミナ粉末とを用意した。
なお、アルミナ粉末としては、平均粒径:2μm、比表面積:3.0m/gのものを使用した。ホウケイ酸系ガラス粉末としては、平均粒径:2.8μm、比表面積:5.3m/gのものを使用した。
さらに、シート成形時のバインダー成分及び可塑剤成分として、アクリル系バインダー(アクリル樹脂)及びDOP(ジ・オクチル・フタレート)を用意した。
次に、アルミナ製のポットに、前記ホウケイ酸系ガラス粉末とアルミ粉末とを、重量比で50:50、総量で1kgとなるように秤量して投入した。
これに、前記アクリル樹脂を120gと、適当なスラリー粘度とシート強度を持たせるのに必要な量の溶剤(IPA:トルエン)及び可塑剤(DOP)を、前記ポットに入れ、5時間混合することにより、セラミックスラリーを得た。
次に、図5(a)に示すように、得られたセラミックスラリーを用いて、ドクターブレード法により、例えば厚み0.25mmのセラミックグリーンシート13を得た。
<導電ペーストの作製工程>
内部配線層5、表面配線層7、ビア9を構成する導電材料として、金(金粉末)を使用
した。
導電ペーストのワニス成分は、エチルセルロース樹脂とブチルカルビトール溶剤とを使用した。そして、従来と同様に、ワニス成分と導体材料とを、3本ロールミルにて混錬して、導電ペーストを得た。
<抵抗体ペーストの作製工程>
抵抗体11を作製するために、抵抗体材料の無機成分として、酸化ルテニウム粉末と(例えば後述する実験例に用いるような第2ガラスである)ガラス粉末とを用意し、重量比で50:50となるように秤量した。
また、これらの粉末に、エチルセルロース樹脂とテキサノール溶剤からなる有機ビヒクルとを混合し、混錬して抵抗体ペーストを得た。
<セラミック配線基板の作製工程>
次に、図5(b)に示すように、前記セラミックグリーンシート13にビア9やキャビティ等となる開口部(貫通孔)15を加工した。その後、ビア9となる開口部15に、前記導電ペーストを充填して、ビア導体17を形成した。
次に、図5(c)に示すように、前記導電ペーストを用いて、セラミックグリーンシート13上に、内部配線層5や表面配線層7となる導電パターン19を形成した。
また、図5(d)に示すように、セラミックグリーンシート13上において抵抗体11を形成する箇所に、前記抵抗体ペーストを用いて、抵抗体パターン21を形成した。
次に、図5(e)に示すように、前記(導電パターン19や抵抗体パターン21などを形成した)セラミックグリーンシート13を複数積層して積層体23を形成するとともに、その積層体23の全体の厚みが例えば0.65mmとなるように、適宜調整した。
次に、積層体23を、250℃にて5時間加熱して、脱脂を行った。なお、この加熱の際には、2℃/minで昇温及び降温を行った。次に、脱脂後の積層体23を、1000℃にて1時間の焼成を行い、セラミック配線基板1を得た。
[1−3.実験例1]
次に、本発明の効果を確認するために行った実験例1について説明する。
この実験例1は、下記表1に示す7種のセラミック配線基板の試料(No.1〜7)を製造し、その抵抗体の抵抗値のバラツキを測定し、また、静電気放電破壊(ESD)試験を行ったものである。
なお、試料No.1〜3は本発明例であり、試料No.4〜7は(本発明の範囲外の)比較例である。また、各試料は、抵抗値バラツキ測定用とEDS試験用とに分けて、それぞれ20個ずつ作製した。
実験に使用するセラミック配線基板は、図6に示すように、2層のセラミック層(セラミック基板)3の間に、縦0.3mm×横0.3mm×厚み約15μmとなるように抵抗体11を形成したものである。なお、抵抗体11の両端に接続するように、一対の内部配線層5を形成した。
また、実験に使用するセラミック層の組成及び内部配線層の組成は、前記実施形態と同様であり、抵抗体(即ち抵抗体材料)の組成のみを下記試料1〜7のように変更した。
試料No.1:酸化ルテニウム+ガラス粉末(GA33:日本電気硝子製)
試料No.2:酸化ルテニウム+ガラス粉末(GA47:日本電気硝子製)
試料No.3:酸化ルテニウム+ガラス粉末(GA74:日本電気硝子製)
試料No.4:田中貴金属工業株式会社製の厚膜抵抗体材料(RM−41)
試料No.5:酸化ルテニウム+ガラス粉末(GA55:日本電気硝子製)
試料No.6:酸化ルテニウム+ガラス粉末(GA77:日本電気硝子製)
試料No.7:酸化ルテニウム+ガラス粉末(A:セラミック基板と同じガラス材料)
そして、上述した各20個の試料の抵抗体に対して、下記のようにして、抵抗値を測定し、また、ESD試験を行った。
<抵抗値のバラツキ測定>
前記試料に対して、一対の内部配線層を露出させて、抵抗計(Agilent 34401A)を用いて、抵抗体の抵抗値(一対の内部配線層間の抵抗値)を測定した。
また、表面のセラミック層を除去し、試料の抵抗体の配線長さ(図6(b)の左右方向の長さ)と、配線幅(図6(b)の上下方向の長さ)と、厚みとを測定し、断面積による抵抗値を算出した。
そして、各試料の抵抗値の平均値と標準偏差(σ)とを求め、下記式(4)から、変動係数(CV)を3倍した値(3c.v.)を求めた。
3c.v.=3σ/平均値 ・・・(4)
その結果を、下記表1に記す。なお、表1では、各試料の20個のデータの平均値を示している。
<EDS試験>
JIS IEC−61000−4−2の規定に従って、静電気放電破壊(ESD)試験を行った。
詳しくは、各試料に対して、静電気相当に値する2kVの電圧を5パルス印加した際の抵抗値の変化率を確認した。なお、抵抗値の変化率は、試験前後の抵抗値の変化を試験前の抵抗値で除した比率(%)である。その結果を、下記表1に記す。なお、表1では、各試料の20個のデータの平均値を示している。
なお、表1において、抵抗値の評価が「○」とは、抵抗値のバラツキを示す3C.V.が±20%の範囲内(但し±20%を含まず)であり、バラツキが少ないことを示している。一方、抵抗値の評価が「×」とは、3C.V.が±20%の範囲外(但し±20%を含む)であり、バラツキが多いことを示している。
また、ESDの評価が「○」とは、変化率が2.0%未満であり、抵抗値の変化が少ないことを示している。一方、ESDの評価が「×」とは、変化率が2.0%以上であり、抵抗値の変化が多いことを示している。
また、下記表2に、各試料が前記式(1)、式(2)、式(3)の条件を満たしているか否かの判定と、式(3)の条件である「Tsa−Tsb」の値を示す。
なお、表2において、「○」は各式の条件を満たしていることを示し、「×」は各式の条件を満たしていないことを示す。
この表1及び表2から明らかなように、本発明例である試料No.1〜3は、前記式(1)〜式(3)の条件を満たしている。従って、抵抗値のバラツキが小さく、また、抵抗値の変化率が少ない(即ち耐電圧特性が高い)。つまり、1000℃以上で焼成した場合でも、抵抗体として好適な特性を有していることが分かる。
それに対して、比較例の試料No.4は、1000℃で焼成した場合に、抵抗体として使用できる層を形成できず、そのため、抵抗値やESDの測定ができず、好ましくない。
また、比較例の試料No.5〜7は、前記式(2)又は式(3)の条件を満たしていない。詳しくは、式(3)の条件を満たしていない試料No.5、7は、抵抗値のバラツキが大きく、また、抵抗値の変化率が大きいので(即ち耐電圧特性が低いので)、好ましくない。また、式(2)の条件を満たしていない試料No.6は、抵抗値の変化率はやや小さいものの、抵抗値のバラツキが大きいので、好ましくない。
[1−4.実験例2]
本実験例2では、前記試料No.4の市販の厚膜抵抗体材料(田中貴金属工業株式会社製:RM41 890℃焼成用)を用いて、前記図6に示すように、セラミック配線基板の内部に抵抗体を形成した。
この抵抗体の断面の組織を、走査型電子顕微鏡により観察したところ、図7(a)(倍率500倍のSEM写真)に示すように、抵抗体の変形による断線やガラス材の発泡によるボイドが発生していた。
これとは別に、本発明例である前記試料No.2の抵抗体材料を用いて、同様にセラミック配線基板の内部に抵抗体を形成した。
この抵抗体の断面の組織を、同様に観察したところ、図7(b)(倍率500倍のSEM写真)及び図7(c)(倍率2000倍のSEM写真)に示すように、抵抗体の変形やボイドが見られなかった。
[1−5.効果]
本実施形態では、前記式(1)〜式(3)を満たしているので、抵抗体の変形による断線や短絡の発生や、ガラス材の発泡等によるボイドの発生等の不具合を抑制できる。また、抵抗体の特性の変化、例えば抵抗値のバラツキや耐電圧特性の低下を抑制できる。
つまり、本実施形態では、セラミック層(セラミック基板)3中の第1ガラスの成分と、抵抗体中の第2ガラスの成分とが異なり、しかも、第1ガラスの軟化点Tsaと第2ガラスの軟化点Tsbとが、前記式(1)、式(2)、式(3)を満たしているので、セラミック配線基板1における変形やボイド等の不具合や、それに伴う、抵抗値のバラツキや耐電圧特性の低下のような性能の低下を抑制することができる。
[1−6.特許請求の範囲との対応関係]
ここで、特許請求の範囲と実施形態とにおける文言の対応関係について説明する。
実施形態の、セラミック配線基板1、セラミック層3、抵抗体11、セラミックグリーンシート13、抵抗体パターン21、積層体23が、それぞれ、本発明の、セラミック配線基板、セラミック基板、抵抗体、グリーンシート、抵抗体パターン、積層体の一例に相当する。
[2.その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
(1)例えば、前記実施形態では、内部配線層と表面配線層とを備えた多層セラミック配線基板を例に挙げたが、内部配線層又は表面配線層のどちらか一方を備えた多層セラミック配線基板であってもよい。
(2)また、前記実施形態では、多層セラミック配線基板を例に挙げたが、1層のセラミック層からなるセラミック基板であってもよい。
(3)セラミック基板の組成については、前記実施形態の組成に限定されることなく、各種の組成のセラミック基板を採用できる。
(4)なお、上述した実施形態の構成要素を適宜組み合わせることも可能である。
1…セラミック配線基板
3…セラミック基板(セラミック層)
11…抵抗体
13…セラミックグリーンシート
21…抵抗体パターン
23…積層体

Claims (4)

  1. セラミックと第1ガラスとを含むセラミック基板に、酸化ルテニウムと第2ガラスとを含む抵抗体が形成されたセラミック配線基板において、
    前記セラミック基板は1000℃以上の焼成温度で焼成される材料からなり、
    且つ、前記セラミック基板中の前記第1ガラスの成分と、前記抵抗体中の前記第2ガラスの成分とが異なり、
    さらに、前記第1ガラスの軟化点Tsaと前記第2ガラスの軟化点Tsbとが、下記の式(1)、式(2)、式(3)を満たすことを特徴とするセラミック配線基板。
    Tsa≧セラミック基板の焼成温度−70℃ ・・(1)
    Tsb<Tsa<セラミック基板の焼成温度 ・・(2)
    |Tsb−Tsa|≦150℃ ・・(3)
  2. 前記セラミック配線基板は、内部及び表面の少なくとも一方に、前記抵抗体を備えた多層セラミック配線基板であることを特徴とする請求項1に記載のセラミック配線基板。
  3. セラミックと第1ガラスとを含むグリーンシートの表面に、酸化ルテニウムと第2ガラスとを含む抵抗体ペーストを用いて抵抗体パターンを形成し、前記グリーンシートと前記抵抗体パターンとを同時焼成して、抵抗体を備えたセラミック配線基板を製造するセラミック配線基板の製造方法において、
    前記グリーンシートは1000℃以上の焼成温度で焼成される材料からなり、
    且つ、前記グリーンシート中の前記第1ガラスの成分と、前記抵抗体ペースト中の前記第2ガラスの成分とが異なり、
    さらに、前記第1ガラスの軟化点Tsaと前記第2ガラスの軟化点Tsbとが、下記の式(1)、式(2)、式(3)を満たすことを特徴とするセラミック配線基板の製造方法。
    Tsa≧セラミック基板の焼成温度−70℃ ・・(1)
    Tsb<Tsa<セラミック基板の焼成温度 ・・(2)
    |Tsb−Tsa|≦150℃ ・・(3)
  4. 前記抵抗体パターンを形成した前記グリーンシートを複数積層して積層体を形成し、該積層体を同時焼成することによって、内部及び表面の少なくとも一方に、前記抵抗体を備えた多層セラミック配線基板を製造することを特徴とする請求項3に記載のセラミック配線基板の製造方法。
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