JP2018024606A - 酸化剤含有組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸化染毛剤において、高度に色調を調整するというニーズの高まりから第1剤の種類が増加しつつあり、それに伴い既染部用の第1剤の種類が増加していく傾向にある。そのため、各色調における第1剤の消費量が減少し、開封後、使い切る前に品質が劣化するという問題が生じていた。そこで、本発明は、既染部用の第1剤の種類の増加を抑制することを課題とする。
【解決手段】上記課題を解決するために、毛髪処理剤の第2剤として使用される酸化剤含有組成物において、(A)酸及び(B)酸化剤を含有し、前記(A)酸を0.4質量%以上含有することを特徴とする酸化剤含有組成物を提供する。この酸化剤含有組成物によれば、新生部用の第1剤を使用しても、毛髪へのダメージの蓄積を抑制することができる。そのため、新生部用の第1剤を既染部用として利用することが可能となり、第1剤の種類を減少することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、酸化染毛剤又は毛髪脱色・脱染剤等の毛髪処理剤の第2剤として使用する酸化剤含有組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、毛髪の既染部等のダメージ毛に好適に利用される毛髪処理剤の第2剤として使用する酸化剤含有組成物に関する。
酸化染毛剤、毛髪脱色剤、毛髪脱染剤等の毛髪処理剤は、一般的に、アルカリ剤を含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤により構成されている。例えば、酸化染毛剤では、アルカリ剤を含む第1剤に毛髪の色調を調整するための酸化染料が配合されており、酸化剤を含有する第2剤と混合すると、酸化染料が酸化されて発色する。
美容室等では、カラーバリエーションに応じた数十種類の第1剤を用意しており、顧客の所望する色調に合わせて第1剤を選択している。一方で、酸化剤を含有する第2剤では、色調の種類を問わず共通のものを使用するため、多くの種類を用意する必要がない。
また、酸化染毛剤による染毛処理では、過去に染毛処理を行った既染部と、染毛処理後に新たに生えた新生部が混在する毛髪に対して、それぞれpHの異なる染毛剤を適用するという染毛処理が知られている。強アルカリ性の染毛剤で染毛処理を繰り返し行うと、毛髪がダメージを受けやすくなるため、既染部に適用する染毛剤では、アルカリ剤の量を減量して既染部のダメージを低減している。
例えば、特許文献1には、新生部に対して、使用時のpHが9.5〜11.0のアルカリ性酸化染毛剤組成物を塗布し、既染部に対して、使用時のpHが7.5〜9.4の微アルカリ性酸化染毛剤組成物を塗布する染毛方法が開示されている。この染毛処理方法において、微アルカリ性酸化染毛剤組成物では、アルカリ剤の量を減量した第1剤が利用されている。
特開2002−241248号公報
高度に色調を調整するというニーズの高まりから第1剤の種類が増加しつつあり、それに伴い既染部用の第1剤の種類が増加していく傾向にある。そのため、各色調における消費量が減少し、開封後、使い切る前に品質が劣化するという問題が生じていた。
そこで、本発明の課題は、既染部用の第1剤の種類を低減することにある。
発明者は、上記課題に対して鋭意検討した結果、アルカリ剤の含有量を低減した既染部用の第1剤を用意するという従来の思想を変え、酸の含有量を増加した第2剤を用意することにより、毛髪へのダメージの蓄積を抑制するという新たな態様を着想するに至った。この態様によれば、既染部の染毛処理等において、従来の新生部用の第1剤を使用することができるため、第1剤の種類を低減することができる。
また、pHを低下した第2剤を調製したところ、単にpHを低下しただけでは毛髪へのダメージの蓄積を十分に抑制することができないという課題があった。そこで、更なる検討の結果、第2剤の酸の含有量を0.4質量%以上とすることにより、毛髪へのダメージの蓄積を十分に低減できることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の酸化剤含有組成物および毛髪処理方法である。
上記課題を解決するための本発明の酸化剤含有組成物は、毛髪処理剤の第2剤として使用される酸化剤含有組成物であって、(A)酸及び(B)酸化剤を含有し、前記(A)酸を0.4質量%以上含有することを特徴とするものである。
この酸化剤含有組成物を毛髪処理剤の第2剤として利用することにより、毛髪に与えるダメージを十分に抑制することができる。これにより、新生部用の第1剤を、既染部用として利用することができるため、第1剤の種類を低減することが可能となる。
更には、多様なカラーバリエーションを有する新生部用の第1剤を、既染部用の毛髪処理剤に利用することができるため、既染部用の毛髪処理剤のカラーバリエーションを多様化できるという効果もある。
更に本発明の酸化剤含有組成物の一実施態様によれば、(C)カチオン性界面活性剤を0.1〜1.5質量%含有するという特徴を有する。
(A)酸の含有量を増加すると、乳化安定性が低下するという別の課題も生じる。しかし、(C)カチオン性界面活性剤を含有することにより乳化安定性の低下を抑制することができる。また、(C)カチオン性界面活性剤を0.1〜1.5質量%含有することにより、乳化安定性及び塗布操作性をバランスよく向上することができる。更には、(C)カチオン性界面活性剤の含有量を0.1〜1.5質量%とすることにより、毛髪の感触や耐褪色性を向上するという効果も発揮される。
更に本発明の酸化剤含有組成物の一実施態様によれば、(A)酸が、三価以上の酸を含有するという特徴を有する。
この特徴によれば、毛髪の感触、耐褪色性、乳化安定性および塗布操作性において、より優れた効果を発揮する。
また、酸を含有すると、色調に変化が生じるため、既染部と新生部の色の繋がりが悪くなる。しかしながら、三価以上の酸を使用することにより、色調の変化が抑えられるため、既染部と新生部に同じ第1剤を使用することができる。
更に本発明の酸化剤含有組成物の一実施態様によれば、酸化剤含有組成物は、既染部用であるという特徴を有する。
この特徴によれば、本発明の効果をより発揮することができる。
上記課題を解決するための本発明の毛髪処理方法は、新生部に用いる第1剤と、本発明の酸化剤含有組成物からなる第2剤と、を混合して既染部用の毛髪処理剤を調製する工程、及び前記毛髪処理剤を毛髪の既染部に適用する工程、を備えたことを特徴とする。
この毛髪処理方法によれば、新生部用の第1剤を利用して既染部用の毛髪処理剤を調製することができるため、既染部用の第1剤を用意しなくても多様なカラーバリエーションに対応することができる。また、既染部のダメージの蓄積を抑えた毛髪処理方法を提供することができる。
本発明によれば、毛髪に与えるダメージの蓄積を十分に抑制することができる。よって、新生部用の第1剤を、既染部用として利用することができるため、第1剤の種類を低減することが可能となる。
更には、本発明によれば、多様なカラーバリエーションを有する新生部用の第1剤を、既染部用の第1剤として利用することができるため、既染部用の毛髪処理剤のカラーバリエーションを多様化できるという効果もある。
次に、本発明を実施するための最良の形態を含めて説明する。
本発明の酸化剤含有組成物は、毛髪処理剤の第2剤として使用される酸化剤含有組成物であって、(A)酸及び(B)酸化剤を含有し、前記(A)酸を0.4質量%以上含有することを特徴とするものである。
〔毛髪処理剤〕
本発明における毛髪処理剤とは、酸化染毛剤、毛髪脱色剤又は毛髪脱染剤であり、アルカリ剤を含有する第1剤と、本発明の酸化剤含有組成物を第2剤として備えたものである。なお、毛髪処理剤は、第1剤及び第2剤からなる2剤式であっても、3剤以上からなる多剤式であってもよい。
酸化染毛剤は、アルカリ剤と酸化染料を含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤とを混合して、酸化染料を酸化剤により発色させて毛髪を染色させるものである。アルカリ剤は、毛髪を膨潤させて、染料や酸化剤の浸透を促進する作用を有し、酸化剤は、酸化染料を酸化する作用の他、毛髪の内部のメラニンを分解する作用を有している。
毛髪脱色剤及び毛髪脱染剤は、第1剤に酸化染料を含まず、毛髪を脱色するものである。毛髪脱色剤は、毛髪中のメラニンを酸化分解することにより、毛髪を脱色するものであり、毛髪脱染剤は、染毛した毛髪から染料とメラニンを脱色するものである。
本発明における毛髪処理剤のpHは、好ましくは9.7以下であり、より好ましくは9.5以下であり、更に好ましくは9.3以下である。
本発明における毛髪処理剤によると、毛髪へのダメージの蓄積を抑制することができるため、既染部やダメージ毛に利用することが好ましい。
毛髪処理剤は、どのような形態でもよく、例えば、液体、乳液、クリーム、ジェル等が挙げられる。また、油性成分を含有する場合には、O/W型、W/O型、W/O/W型等の形態は特に限定されないが、O/W型の乳液、クリーム又はジェルであることが好ましい。更には、使用時に泡状やミスト状としてもよい。泡状とする場合には、エアゾールフォーマー容器、ノンエアゾールフォーマー容器を使用すればよい。
〔酸化剤含有組成物について〕
本発明の酸化剤含有組成物は、毛髪処理剤の第2剤として利用されるものである。本発明の酸化剤含有組成物を第2剤として利用することにより、新生部用の第1剤のようにアルカリ剤の量が多い第1剤を用いた場合であっても、毛髪へのダメージの蓄積を抑制することができる。
本発明の酸化剤含有組成物は、新生部や既染部、ダメージ毛等、どのような用途に利用してもよい。本発明の酸化剤含有組成物は、毛髪へのダメージが低減されるという効果を鑑みると、既染部用やダメージ毛用に好適に利用することができる。特に好ましくは、既染部用である。
本発明の酸化剤含有組成物の形態は、どのような形態でもよく、例えば、液体、乳液、クリーム、ジェル等が挙げられる。また、油性成分を含有する場合には、O/W型、W/O型、W/O/W型等の形態は特に限定されないが、O/W型の乳液、クリーム又はジェルであることが好ましい。更には、使用時に泡状やミスト状としてもよい。泡状とする場合には、エアゾールフォーマー容器、ノンエアゾールフォーマー容器を使用すればよい。
次に、本発明の酸化剤含有組成物に配合される各成分について詳述する。
なお、各成分の含有量については、別段の記載がない限り、酸化剤含有組成物における含有量である。
また、本明細書において、POEはポリオキシエチレン鎖、POPはポリオキシプロピレン鎖を示し、これに続くカッコ内の数字は、その付加モル数を示している。アルキルに続くカッコ内の数字は、脂肪酸鎖の炭素数を示している。
<(A)酸>
酸は、第1剤のアルカリ剤を中和する効果を示すものであり、例えば、リン酸、ピロリン酸等のリン酸類、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸類、クエン酸、酢酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、グリコール酸、レブリン酸、グルコン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、アスコルビン酸等の有機酸類である。好ましくは、リン酸類やクエン酸等の価数が三価以上の酸であり、より好ましくはリン酸類であり、特に好ましくはリン酸である。
三価以上の酸を含有することにより、毛髪の感触、耐褪色性、乳化安定性、塗布操作性を向上することができる。更に、酸の添加による色調の変化が抑制されるという効果も奏する。
本発明の酸化剤含有組成物における酸の含有量は、0.4質量%以上である。下限値として、より好ましくは0.5質量%であり、更に好ましくは1.0質量%であり、特に好ましくは1.2質量%以上である。酸の含有量を0.4質量%以上とすることにより、毛髪処理剤の第1剤として新生部用の第1剤を利用した場合でも、毛髪へのダメージの蓄積を十分に抑制することができる。そのため、新生部用の第1剤を既染部用として利用することが可能となり、第1剤の種類を低減することができる。
また、酸の含有量の上限値は、特に制限されないが、好ましくは5.0質量%以下であり、より好ましくは3.0質量%であり、更に好ましくは2.5質量%であり、特に好ましくは2.0重量%であり、一層好ましくは1.5質量%である。5.0質量%以下とすることにより、酸化剤含有組成物の乳化安定性や、染毛力や塗布操作性等の毛髪処理剤としての性能を向上することができる。
なお、本発明の酸化剤含有組成物は、アルカリ剤の添加を妨げないが、アルカリ剤を含有しないことが好ましい。アルカリ剤を含有する場合には、上記酸の含有量は、アルカリ剤の塩基の量に相当する酸の量を除いた後の含有量とすればよい。
本発明の酸化剤含有組成物のpHは、特に制限されないが、好ましくはpH1〜4であり、より好ましくはpH1〜3であり、更に好ましくはpH1〜2.5であり、特に好ましくはpH1〜2である。なお、酸の含有量とpHの間には明瞭な相関関係が認められないため、酸の含有量を調整することにより本発明の効果をより発揮することができる。
<(B)酸化剤>
酸化剤は、酸化染料を酸化して発色させる作用や、毛髪の内部のメラニンを分解する作用を有するものである。具体的には、例えば、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物、過酢酸及びその塩、過ギ酸及びその塩、過マンガン酸塩、臭素酸塩等が例示される。これらの中でも、過酸化水素が好ましい。また、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩等を酸化助剤として含有してもよい。
本発明の酸化剤含有組成物における酸化剤の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.1〜5質量%であり、特に好ましくは1〜3質量%である。
酸化剤の含有量を低減すると、毛髪へのダメージをより低減することができる。
酸化剤として過酸化水素を含有する場合、その安定性を向上させる安定化剤として、エチレングリコールフェニルエーテル(フェノキシエタノール)、ヒドロキシエタンジホスホン酸、又はその塩等を配合することが好ましい。
<(C)カチオン性界面活性剤>
カチオン性界面活性剤は、水に溶解してイオン解離をする親水基が陽イオンとなる界面活性剤である。
例えば、モノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩、トリアルキル型4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム型4級アンモニウム塩、モノアルキルエーテル型4級アンモニウム塩等のアルキル4級アンモニウム塩類、アルキルアミン塩、脂肪酸アミドアミン塩、エステル含有3級アミン塩、アーコベル型3級アミン塩等のアミン塩類、アルキルピリジニウム塩、アルキルイソキノリウム塩等の環式4級アンモニウム塩類、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
好ましくは、アルキル4級アンモニウム塩類であり、更に好ましくは、モノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩であり、特に好ましくは、モノアルキル型4級アンモニウム塩である。
モノアルキル型4級アンモニウム塩としては、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキル(16,18)トリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化アルキル(28)トリメチルアンモニウム、塩化ジPOE(2)オレイルメチルアンモニウム、塩化ジPOEステアリルメチルアンモニウム、塩化POE(1)POP(25)ジエチルメチルアンモニウム、塩化POPメチルジエチルアンモニウム、塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。特に好ましくは、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキル(16,18)トリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウムである。
ジアルキル型4級アンモニウム塩としては、例えば、塩化ジアルキル(12〜15)ジメチルアンモニウム、塩化ジアルキル(12〜18)ジメチルアンモニウム、塩化ジアルキル(14〜18)ジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化イソステアリルラウリルジメチルアンモニウム等が挙げられる。
本発明の酸化剤含有組成物は、(A)酸を0.4質量%以上含有することにより、毛髪への感触や耐褪色性の向上という本発明の効果を得られる一方、乳化安定性が低下するという現象が認められる。しかし、(C)カチオン性界面活性剤を含有することにより、乳化安定性が向上し、(A)酸の添加により生じる課題を解決することができる。
更に(C)カチオン性界面活性剤を含有することにより、毛髪の感触を向上するという効果も認められ、当該効果において(A)酸と相乗的に作用するといえる。
酸化剤含有組成物における(C)カチオン性界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.001〜10質量%であり、より好ましくは0.01〜5質量%であり、更に好ましくは0.05〜3質量%であり、特に好ましくは0.5〜1.5質量%である。カチオン性界面活性剤の含有量を0.001質量%以上とすることにより、乳化安定性や毛髪の感触を向上することができる。一方、カチオン性界面活性剤の含有量を10質量%以下とすることにより、塗布操作性や耐褪色性を向上することができる。
(A)酸と(C)カチオン性界面活性剤の含有量比(A/C)は、特に制限されないが、好ましくは0.5〜30であり、より好ましくは1.5〜20であり、特に好ましくは3〜10である。この範囲内とすることにより、(A)酸と(C)カチオン性界面活性剤がバランスよく作用し、毛髪の感触、耐褪色性、乳化安定性、塗布操作性において優れた効果が認められる。
<ノニオン性界面活性剤>
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、POEアルキルエーテル類、POEラノリン・ラノリンアルコール誘導体類、POEステロール・水素添加ステロール類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・POPアルキルエーテル類、POEソルビタン脂肪酸エステル類、POEモノ脂肪酸エステル類、POEグリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、モノグリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類、アルキルポリグルコシド類等が挙げられる。好ましくは、POEアルキルエーテル類、POEラノリン・ラノリンアルコール誘導体類、POEステロール・水素添加ステロール類である。
酸化剤含有組成物におけるノニオン性界面活性剤の総含有量としては、特に限定されないが、好ましくは0.001〜40質量%であり、更に好ましくは0.01〜30質量%であり、特に好ましくは0.05〜20質量%である。ノニオン性界面活性剤を含有することにより乳化安定性が向上する。
((D)POEアルキルエーテル類)
本発明の酸化剤含有組成物は、乳化安定性や塗布操作性を向上するという観点から、POEアルキルエーテル類を含有することが好ましい。
POEアルキルエーテル類としては、例えば、POE(2)アルキル(12〜15)エーテル(HLB値9.0)、POE(3)アルキル(12〜14)エーテル(HLB値8.0)、POE(4)アルキル(12〜15)エーテル(HLB値10.5)、POE(10)アルキル(12〜15)エーテル(HLB値15.5)、POE(2)ラウリルエーテル(HLB値9.5)、POE(4.2)ラウリルエーテル(HLB値11.5)、POE(9)ラウリルエーテル(HLB値14.5)、POE(21)ラウリルエーテル(HLB値19.0)、POE(25)ラウリルエーテル(HLB値19.5)、POE(2)セチルエーテル(HLB値8.0)、POE(5.5)セチルエーテル(HLB値10.5)、POE(7)セチルエーテル(HLB値11.5)、POE(10)セチルエーテル(HLB値13.5)、POE(15)セチルエーテル(HLB値15.5)、POE(20)セチルエーテル(HLB値17.0)、POE(23)セチルエーテル(HLB値18.0)、POE(25)セチルエーテル(HLB値18.5)、POE(30)セチルエーテル(HLB値19.5)、POE(40)セチルエーテル(HLB値20.0)、POE(2)ステアリルエーテル(HLB値8.0)、POE(4)ステアリルエーテル(HLB値9.0)、POE(20)ステアリルエーテル(HLB値18.0)、POE(21)ステアリルエーテル(HLB値18.0)、POE(150)ステアリルエーテル(HLB値19.2)、POE(2)オレイルエーテル(HLB値7.5)、POE(7)オレイルエーテル(HLB値10.5)、POE(10)オレイルエーテル(HLB値14.5)、POE(15)オレイルエーテル(HLB値16.0)、POE(20)オレイルエーテル(HLB値17.0)、POE(50)オレイルエーテル(HLB値18.0)、POE(5)ベヘニルエーテル(HLB値7.0)、POE(10)ベヘニルエーテル(HLB値10.0)、POE(20)ベヘニルエーテル(HLB値16.5)、POE(30)ベヘニルエーテル(HLB値18.0)、POE(5)2級アルキルエーテル(HLB値10.5)、POE(7)2級アルキルエーテル(HLB値12.0)、POE(9)アルキルエーテル(HLB値13.5)、POE(12)アルキルエーテル(HLB値14.5)等が挙げられる。
(D)POEアルキルエーテル類のPOE鎖の付加モル数は、特に限定されないが、好ましくは2〜100であり、より好ましくは2〜80であり、特に好ましくは2〜60である。この範囲内とすることにより、乳化安定性や塗布操作性を向上するという効果がより発揮される。
(D)POEアルキルエーテル類のHLBは、特に限定されないが、好ましくは2〜19.5であり、より好ましくは4〜18であり、特に好ましくは6〜16である。この範囲内とすることにより、乳化安定性や塗布操作性を向上するという効果がより発揮される。
なお、HLBの測定は、「ハンドブック−化粧品・製剤原料−改訂版(昭和52年2月1日発行、日光ケミカルズ株式会社)」に記載された「20・3・1 乳化法によるHLB値の実測」(854〜855頁)に従って測定すればよい。以下、本明細書において、HLBの測定法は、この方法に準じる。
酸化剤含有組成物における(D)POEアルキルエーテル類の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.005〜10質量%であり、より好ましくは0.01〜5質量%であり、更に好ましくは0.05〜2質量%であり、特に好ましくは0.1〜1質量%である。この範囲内とすることにより、乳化安定性や塗布操作性を向上するという効果がより発揮される。
(D)POEアルキルエーテル類と(C)カチオン性界面活性剤の含有量比(D/C)は、特に制限されないが、好ましくは0.1〜12であり、より好ましくは0.4〜6であり、特に好ましくは0.7〜1.9である。この範囲内とすることにより、(D)POEアルキルエーテル類と(C)カチオン性界面活性剤がバランスよく作用し、毛髪の感触、耐褪色性、乳化安定性、塗布操作性において優れた効果が認められる。
(POEラノリン・ラノリンアルコール誘導体類)
本発明の酸化剤含有組成物は、乳化安定性や塗布操作性を向上するという観点から、POEラノリン・ラノリンアルコール誘導体類を含有することが好ましい。
POEラノリン・ラノリンアルコール誘導体類としては、例えば、POE(10)ラノリン(HLB値12.0)、POE(20)ラノリン(HLB値13.0)、POE(30)ラノリン(HLB値15.0)、POE(5)ラノリンアルコール(HLB値12.5)、POE(10)ラノリンアルコール(HLB値15.5)、POE(20)ラノリンアルコール(HLB値16.0)、POE(40)ラノリンアルコール(HLB値17.0)、POE(40)還元ラノリン等が挙げられる。
POEラノリン・ラノリンアルコール誘導体類のPOE鎖の付加モル数は、特に限定されないが、好ましくは2〜60であり、より好ましくは5〜50であり、特に好ましくは10〜40である。この範囲内とすることにより、乳化安定性や塗布操作性を向上するという効果がより発揮される。
POEラノリン・ラノリンアルコール誘導体類のHLBは、特に限定されないが、好ましくは8以上であり、更に好ましくは10以上であり、特に好ましくは13以上である。この範囲内とすることにより、乳化安定性や塗布操作性を向上するという効果がより発揮される。
酸化剤含有組成物におけるPOEラノリン・ラノリンアルコール誘導体類の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.001〜10質量%であり、更に好ましくは0.005〜5質量%であり、特に好ましくは0.01〜3質量%である。この範囲内とすることにより、乳化安定性や塗布操作性を向上するという効果がより発揮される。
(POEステロール・水素添加ステロール類)
本発明の酸化剤含有組成物は、乳化安定性や塗布操作性を向上するという観点から、POEステロール・水素添加ステロール類を含有してもよい。
POEステロール・水素添加ステロール類としては、例えば、POE(5)フィトステロール(HLB値9.5)、POE(10)フィトステロール(HLB値12.5)、POE(20)フィトステロール(HLB値15.5)、POE(30)フィトステロール(HLB値18.0)、POE(25)フィトスタノール(HLB値14.5)、POE(30)コレスタノール(HLB値17.0)等が挙げられる。
POEステロール・水素添加ステロール類のPOE鎖の付加モル数は、特に限定されないが、好ましくは50以下であり、より好ましくは、40以下であり、更に好ましくは30以下であり、特に好ましくは23以下である。この範囲内とすることにより、乳化安定性や塗布操作性を向上するという効果がより発揮される。
POEステロール・水素添加ステロール類のHLBは、特に限定されないが、好ましくは8以上であり、更に好ましくは10以上であり、特に好ましくは13以上である。この範囲内とすることにより、乳化安定性や塗布操作性を向上するという効果がより発揮される。
酸化剤含有組成物におけるPOEステロール・水素添加ステロール類の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.001〜10質量%であり、更に好ましくは0.01〜5質量%であり、特に好ましくは0.05〜3質量%である。この範囲とすることにより、乳化安定性や塗布操作性を向上するという効果がより発揮される。
<その他の界面活性剤>
本発明の酸化剤含有組成物には、上述した(C)カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤以外の界面活性剤を配合してもよい。
その他の界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
<アニオン性界面活性剤>
アニオン性界面活性剤として、アルキルエーテル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニル エーテルカルボン酸塩、α−スルホン脂肪酸塩、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、及びスルホコハク酸エステルが例示される。これらの界面活性剤のアニオン基の対イオンは、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、及びトリエタノールアミンのいずれであってもよい。
より具体的には、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、セチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリルエーテル硫酸アンモニウム、POEステアリルエーテル硫酸ナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、POEラウリルエーテルリン酸及びその塩、N−ラウロイルグルタミン酸塩類(ラウロイルグルタミン酸ナトリウム等)、N−ラウロイルメチル−β−アラニン塩、N−アシルグリシン塩、N−アシルグルタミン酸塩、高級脂肪酸であるラウリン酸、ミリスチン酸及びこれらの高級脂肪酸の塩が例示され、1又は2種以上を使用することができる。
酸化剤含有組成物におけるアニオン性界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.05〜3質量%、さらに好ましくは0.1〜1.5質量%である。
<両性界面活性剤>
両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤が挙げられる。
アミノ酸型両性界面活性剤の具体例としては、例えば、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム(ラウロアンホ酢酸Na)、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ウンデシルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N'−カルボキシエチル−N'−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N'−カルボキシエトキシエチル−N'−カルボキシエチルエチレンジアミン二ナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N'−カルボキシメトキシエチル−N'−カルボキシメチルエチレンジアミン二ナトリウム、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、パーム油脂肪酸アシル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウムなどのグリシン型両性界面活性剤、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸トリエタノールアミンなどのアミノプロピオン酸型両性界面活性剤などが挙げられる。
ベタイン型両性界面活性剤の具体例としては、例えば、ヤシ油アルキルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルベタインナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、パーム油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、リシノレイン酸アミドプロピルベタイン、ステアリルジヒドロキシエチルベタインなどのアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤、ラウリルヒドロキシスルホベタインなどのスルホベタイン型両性界面活性剤などが挙げられる。
酸化剤含有組成物における両性界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.001〜5質量%、より好ましくは0.005〜3質量%、さらに好ましくは0.01〜2.5質量%である。
<その他の成分>
本発明の酸化剤含有組成物には、その他任意の成分を配合することができる。例えば、油性成分、安息香酸ナトリウム等の防腐剤、エタノール等の有機溶剤、ソルビトール、マルトース等の糖類、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー等の水溶性高分子、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム液、塩化ジアリルジメチルアンモニウム・ヒドロキシエチルセルロース等のカチオン化水溶性高分子、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム二水塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸四ナトリウム液等のキレート剤、塩化ナトリウム等の無機塩、炭酸水素アンモニウム等のpH調整剤、直接染料、育毛成分、植物抽出物、生薬抽出物、アミノ酸・ペプチド、尿素、ビタミン類、香料、及び紫外線吸収剤等が挙げられる。
なお、本発明の酸化剤含有組成物において、カチオン化水溶性高分子を1質量%以上含有することにより、乳化安定性が低下するため、カチオン化水溶性高分子は、1質量%未満とすることが好ましい。
<油性成分>
油性成分は、水、エタノール等の水性成分及び界面活性剤と共に混合されて乳化する成分である。例えば、高級アルコール、油脂、ロウ類、炭化水素、高級脂肪酸、エステル類、シリコーン油、フッ素油等が例示される。これらの油性成分から、1種又は2種以上を選んで用いることができる。
高級アルコールとしては、例えば、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、フィトステロール、フィトスタノール、コレステロール、コレスタノール、ラノステロール、エルゴステロール等が挙げられる。
油脂は、トリグリセリドすなわち脂肪酸とグリセリンとのトリエステルである。例えば、オリーブ油、ローズヒップ油、ツバキ油、シア脂、マカデミアナッツ油、アーモンド油、茶実油、サザンカ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、牛脂、カカオ脂、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、ブドウ種子油、アボカド油、カロット油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油、ミンク油、卵黄油等が挙げられる。
ロウ類は、高級脂肪酸と高級アルコールのエステルである。例えば、ミツロウ(蜜蝋)、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン、鯨ロウ、コメヌカロウ、サトウキビロウ、パームロウ、モンタンロウ、綿ロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、カポックロウ、セラックロウ等が挙げられる。
炭化水素は、炭素と水素よりなる化合物である。例えば、流動パラフィン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、イソパラフィン類、オゾケライト、セレシン、ポリエチレン、α−オレフィンオリゴマー、ポリブテン、合成スクワラン、スクワレン、水添スクワラン、リモネン、テレビン油等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。
エステル類は、脂肪酸とアルコールとの脱水反応によって得られる化合物である。例えば、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、セバシン酸ジイソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルへキシル、エチルヘキサン酸セチル、ステアリン酸ブチル、イソステアリン酸イソセチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、脂肪酸(C10−30)(コレステリル/ラノステリル)、乳酸ラウリル、乳酸オクチルドデシル、酢酸ラノリン、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ラノリン誘導体等が挙げられる。
シリコーン油は、有機基のついたケイ素と酸素が化学結合により交互に連なった合成高分子である。例えば、ジメチルポリシロキサン(INCI名:ジメチコン)、ヒドロキシ末端基を有するジメチルポリシロキサン(INCI名:ジメチコノール)、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、平均重合度が650〜10000の高重合シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等が挙げられる。
上記のうち、アミノ変性シリコーンとしては、例えば、アミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(INCI名:アミノプロピルジメチコン)、アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(INCI名:アモジメチコン)、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(INCI名:トリメチルシリルアモジメチコン)等が挙げられる。
酸化剤含有組成物における油性成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは0.5〜20質量%、さらに好ましくは1〜10質量%である。
〔第1剤について〕
第1剤は、本発明の酸化剤含有組成物からなる第2剤と混合されて毛髪処理剤を構成するものであり、アルカリ剤を含む組成物である。また、酸化染毛剤、毛髪脱色剤又は毛髪脱染剤等の毛髪処理剤の用途に応じて適宜酸化染料等を配合する。例えば、酸化染毛剤では、酸化染料及びアルカリ剤を含有している。
第1剤の形態は、どのような形態でもよく、例えば、液体、乳液、クリーム、ジェル等が挙げられる。また、油性成分を含有する場合には、O/W型、W/O型、W/O/W型等の形態は特に限定されないが、O/W型の乳液、クリーム又はジェルであることが好ましい。更には、使用時に泡状やミスト状としてもよい。泡状とする場合には、エアゾールフォーマー容器、ノンエアゾールフォーマー容器を使用すればよい。
次に、第1剤に含有する各成分について詳細に説明する。
<アルカリ剤>
アルカリ剤は、毛髪を膨潤させて、染料や酸化剤の浸透を促進する作用を有するものである。アルカリ剤としては、例えば、アンモニア、アルカノールアミン、ケイ酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、メタケイ酸塩、リン酸塩、塩基性アミノ酸、水酸化物等が例示される。具体的には、アルカノールアミンとしてはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、アミノメチルプロパノール、イソプロピルアミン等が例示され、ケイ酸塩としてはケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等が例示され、炭酸塩としては炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸マグネシウム、炭酸グアニジン等が例示され、炭酸水素塩としては炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が例示され、メタケイ酸塩としてはメタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム等が例示され、リン酸塩としてはリン酸第1アンモニウム、リン酸第2アンモニウム、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム等が例示され、塩基性アミノ酸としてはアルギニン、リジン及びそれらの塩等が例示され、水酸化物としては水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が例示される。これらの中でも、アンモニア及びアルカノールアミンが好ましい。
第1剤におけるアルカリ剤の含有量は、特に制限されないが、好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.1〜15質量%である。
<酸化染料>
酸化染料は、酸化剤により酸化重合して発色する染料である。酸化染料には、自身の酸化により発色する染料中間体と、染料中間体との組み合わせにより種々の色調となるカプラーがある。
染料中間体は、主としてo−又はp−のフェニレンジアミン類あるいはアミノフェノール類である染料先駆物質であり、通常、それ自体は無色か又は弱く着色した化合物である。
具体的には、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、p−メチルアミノフェノール、p−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン、o−クロル−p−フェニレンジアミン、4−アミノ−m−クレゾール、2−アミノ−4−ヒドロキシエチルアミノアニソール、2,4−ジアミノフェノール、2,2’−[(4−アミノフェニル)イミノ]ビスエタノール、及びそれらの硫酸塩、塩酸塩等の塩類等が例示される。
カプラーとしては、主としてm−のジアミン類、アミノフェノール類又はジフェノール類が挙げられ、具体的には、m−アミノフェノール、5−アミノ−o−クレゾール、レゾルシン、カテコール、ピロガロール、フロログルシン、没食子酸、ハイドロキノン、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、トルエン−3,4−ジアミン、α−ナフトール、2,6−ジアミノピリジン、ジフェニルアミン、3,3’−イミノジフェニール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、タンニン酸、1−ヒドロキシエチル−4,5−ジアミノピラゾール、及びそれらの硫酸塩、塩酸塩等の塩類が例示される。
これらの酸化染料は、所望する色調に応じて1種又は2種以上を選択して使用することができる。
毛髪処理剤における酸化染料の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.01〜10質量%であり、更に好ましくは0.05〜7質量%である。
<その他の成分>
第1剤には、酸化剤以外であれば、その他の成分を必要に応じて適宜配合することができる。例えば、酸化剤含有組成物の項に記載した「カチオン性界面活性剤」、「ノニオン性界面活性剤」、「両性界面活性剤」、「その他の成分」、「油性成分」等を任意の成分として配合することができる。また、アスコルビン酸等の酸化防止剤を配合してもよい。
〔毛髪処理方法について〕
本発明の毛髪処理方法は、新生部に用いる第1剤と、本発明の酸化剤含有組成物からなる第2剤と、を混合して既染部用の毛髪処理剤を調製する工程、及び、既染部用の毛髪処理剤を毛髪の既染部に適用する工程、とを備える。
また、本発明の毛髪処理方法は、新生部に用いる第1剤と、酸の含有量が0.4質量%未満の従来の第2剤と、を混合して新生部用の毛髪処理剤を調製する工程、及び、新生部用の毛髪処理剤を毛髪の新生部に適用する工程とを、更に備えてもよい。
ここで、新生部に用いる第1剤とは、新生部に染毛処理を施す際に、十分な染毛力を有するものである。アルカリ剤の含有量は、新生部に対して十分な染毛力を有するように適宜調整され、通常は、0.1〜12質量%である。また、新生部に用いる第1剤のpHは、特に制限されないが、8〜12である。
従来の第2剤とは、酸の含有量が0.4質量%未満であり、そのpHは、特に制限されないが、通常は、3〜7である。
また、既染部用の毛髪処理剤のpHは、9.7以下であり、新生部用の毛髪処理剤のpHは、9.8〜11.0とすることが好ましい。
第1剤と第2剤を混合する操作は、どのような手法により混合してもよく、例えば、第1剤と第2剤を容器に投入して、容器を振とうして混合する方法や、攪拌棒や、撹拌羽根等により混合する方法や、刷毛等の塗布具により混合する方法等が挙げられる。
毛髪処理剤を毛髪に塗布する工程は、どのような手法により塗布してもよく、例えば、刷毛、クシ等の塗布具により毛髪へ塗布する方法や、手袋を着用した手で毛髪へ塗布する方法等が挙げられる。塗布むらの発生を抑制するという観点では、刷毛により毛髪へ塗布する方法が好ましく、また、塗布操作の簡便性の観点では、手袋を着用した手で毛髪へ塗布する工程が好ましい。
以下の実施例では、毛髪処理剤として、本発明の酸化剤含有組成物を備えた毛髪脱色剤および酸化染毛剤を調製し、本発明を具体的に説明する。但し、これらの実施例により本発明の技術範囲が限定されるものではない。
[酸化剤含有組成物の調製(第2剤)]
酸化染毛剤の第2剤として、以下の表1〜4に示す組成の酸化剤含有組成物を調製した。酸化剤含有組成物の製造方法は、過酸化水素及びフェノキシエタノール以外の各成分を容器に入れ、80℃で溶解、乳化し、40℃に冷却させる。その後、過酸化水素及びフェノキシエタノールを添加し、合計100質量%となるように水で調製する。なお、混合機については「乳化試験器ET−SA型」(日光ケミカルズ社製)を用いた。
次に、各例の酸化剤含有組成物のpHを測定し、表1〜4の「第2剤のpH」の項に示した。なお、pHの測定は、堀場製作所(株)製「pHメータ F−52」を用いて測定した。第2剤は、希釈等を行わず、そのままpHメータで測定した。
[第1剤]
(毛髪脱色剤)
毛髪脱色剤の第1剤は、ホーユー(株)製「プロマスターEX LT」を用いた。
(酸化染毛剤)
酸化染毛剤の第1剤は、ホーユー(株)製「プロマスターEX R 7/6」を用いた。
なお、これらの第1剤は、十分なアルカリ剤を含有しており、「新生部用」として利用されているものである。
[毛髪脱色剤および酸化染毛剤の調製]
上記の第1剤と、各例の酸化剤含有組成物からなる第2剤を1:1で混合して毛髪脱色剤および酸化染毛剤を調製した。
次に、酸化染毛剤についてpHを測定し、表1〜4の「酸化染毛剤のpH」の項に示した。なお、酸化染毛剤のpHの測定は、精製水で1質量%に希釈し、低粘度化したものを第2剤と同様に測定した。
[評価方法]
各例の酸化染毛剤について、毛髪への塗布操作性、染毛処理後の毛髪の感触、染毛処理後の毛髪の耐褪色性を評価した。また、第2剤として使用した各例の酸化剤含有組成物について乳化安定性を評価し、毛髪への塗布操作性と共に総合的に評価した。
これらの評価項目について、評価方法を以下に示す。
<毛髪の感触についての評価>
以下の脱色処理方法および染毛処理方法に従って、白毛毛束に対して脱色処理を10回行い、更に染毛処理を1回行った。得られた染毛毛束について、毛髪の感触を専門とするパネラー20名が指を通した際の感触を評価した。評価基準は、毛髪のダメージが感じられなく非常に滑らかで指どおりも非常に良いと評価したパネラーが18名以上の場合を6点、13〜17名の場合を5点、10〜12名の場合を4点、7〜9名の場合を3点、4〜6名の場合を2点、3〜1名以下の場合を1点とした。結果を、表1〜3の「毛髪の感触」の項に示す。
(脱色処理方法)
毛髪脱色剤3gを毛束1gに対して塗布し、30℃で30分間放置した。その後、毛束をすすいで毛髪脱色剤を洗い流し、更にシャンプー(ホーユー(株)製 プロマスターカラーケア スタイリッシュシャンプー)で2回洗浄し、毛髪脱色剤を洗い落した。次に、毛束にトリートメント(ホーユー(株)製 プロマスターカラーケア スタイリッシュヘアトリートメント)を塗布した。毛束をすすいでトリートメントを洗い流した後、毛束の水分をタオルで拭き取り、最後にドライヤーで乾燥した。
(染毛処理方法)
酸化染毛剤3gを毛束1gに対して塗布し、25℃で20分間放置した。その後、毛束をすすいで酸化染毛剤を洗い流し、更にシャンプー(ホーユー(株)製 プロマスターカラーケア スタイリッシュシャンプー)で2回洗浄し、酸化染毛剤を洗い落した。次に、毛束にトリートメント(ホーユー(株)製 プロマスターカラーケア スタイリッシュヘアトリートメント)を塗布した。毛束をすすいでトリートメントを洗い流した後、毛束の水分をタオルで拭き取り、最後にドライヤーで乾燥した。
<耐褪色性の評価>
上記「毛髪の感触」と同様に、白毛毛束に対して脱色処理を10回、染毛処理を1回行った染毛毛束について以下の褪色処理を行った。
(褪色処理)
上記脱色処理及び染毛処理を行った染毛毛束を、50℃のラウリル硫酸ナトリウム1%水溶液へ10分間浸漬し、褪色処理を施した。次いでしっかりと水洗してからドライヤーで乾燥させた。
(耐褪色性の評価)
褪色処理された各例の毛束を並べて比較し、専門のパネラー20名が目視にて評価した。評価基準は、褪色処理による色落ちが少なく、毛髪の色持ちが非常に優れると評価したパネラーが18名以上の毛束を6点、13〜17名の毛束を5点、10〜12名の毛束を4点、7〜9名の毛束を3点、4〜6名の毛束を2点、3名以下の毛束を1点とし、評価結果とした。結果を、表1〜3の「耐褪色性」の項に示す。
<乳化安定性と塗布操作性の両立の評価>
乳化安定性と塗布操作性について、それぞれ下記の評価方法を用いて評価した。次に、各評価の平均点の合計を算出し、合計点が11点以上の場合を評価6、9点〜10点の場合を評価5、7点〜8点の場合を評価4、5点〜6点の場合を評価3、3点〜4点の場合を評価2、2点以下の場合を評価1とし、評価結果とした。なお、合計点の小数点第1位は、四捨五入した。結果を、表1〜3の「乳化安定性と塗布性の両立」の項に示す。
(乳化安定性の評価方法)
各例の酸化剤含有組成物を、透明の4号規格ビン(約37mL容量)の約8分目まで充填し、密栓した。これを25℃の恒温槽に静置し、24時間後の乳化状態を10名のパネラーが目視により評価した。評価基準は、まったく分離が認められないものを6点、ほとんど分離が認められないものを5点、あまり分離が認められないものを4点、僅かに分離が認められるものを3点、やや分離が認められるものを2点、かなり分離が認められるものを1点とした。各パネラーの採点結果について平均点を算出した。
(塗布操作性の評価方法)
上記染毛処理方法に使用した酸化染毛剤を、刷毛を用いてヒトの頭髪に塗布し、各酸化染毛剤の塗布操作性について10名のパネラーにより評価した。評価方法は、酸化染毛剤の刷毛での取りやすさ、頭髪へ塗布した際の伸び及び毛髪への喰い付きの各項目について評価し、いずれの項目も非常に良好である場合を6点、いずれか項目のうち2つが非常に良好で、残り1つが良好である場合を5点、いずれかの項目のうち1つが非常に良好で、残り2つが良好である場合を4点、いずれの項目も良好である場合を3点、いずれかの項目のうち2つは良好で、残り1つが不十分である場合を2点、いずれかの項目のうち2つ以上が不十分の場合を1点とした。各パネラーの採点結果について平均点を算出した。
Figure 2018024606
表1を参照すると、酸化剤含有組成物における(A)リン酸の含有量を0.4質量%以上とすることにより、「毛髪の感触」の評価において優れた効果が認められた。すなわち、(A)リン酸を0.4質量%以上含有する酸化剤含有組成物を第2剤として利用することにより、染毛処理による毛髪のダメージが低減されるため、既染部に適した第2剤を提供することができる。
また、酸化剤含有組成物における(A)リン酸の含有量を0.4質量%以上とすることにより、耐褪色性に優れるという効果も認められた。
次に、第2剤のpHについて詳細に検討すると、(A)リン酸の添加量が少量の場合には、第2剤のpHが急激に低下するが、(A)リン酸を多量に添加した場合には、pHが略1.5付近において低下が鈍くなるという現象が見られた。そして、酸化剤含有組成物における(A)リン酸の添加量を1.3質量%とした実施例1では、リン酸の添加量を0.42質量%とした実施例2と比べて、第2剤のpHがほとんど低下しないにもかかわらず、毛髪の感触及び耐褪色性において極めて優れた効果が認められた。すなわち、本発明の効果は、単に第2剤のpHに依存するのではなく、酸の添加量に依存して発揮されるといえる。
以上の結果から、(A)リン酸を0.4質量%以上含有する酸化剤含有組成物を第2剤として利用することにより、新生部用の第1剤を用いて既染部用の酸化染毛剤を得ることができる。よって、アルカリ剤の量を減量した既染部用の第1剤を用意する必要がないため、既染部用の第1剤の種類を低減することができる。
Figure 2018024606
表2の実施例3〜8では、他の酸として、クエン酸、酒石酸、乳酸を含有する酸化剤含有組成物を評価した。これによれば、他の酸についてもリン酸と同様、酸化剤含有組成物における(A)酸の含有量を0.4質量%以上とすることにより、毛髪の感触及び耐褪色性の向上が認められる。
また、実施例3、4と、表1の比較例3を対比すると、酸化染毛剤のpHはいずれも9.7であるのに対して、実施例3、4では、毛髪の感触及び耐色性の向上が認められる。この結果からも、本発明の効果は、酸化染毛剤のpHに依存するのではなく、酸の含有量に依存することがわかる。
なお、(A)酸の含有量を増加することにより、毛髪の感触及び耐褪色性が向上する一方、乳化安定性が低下する傾向が認められたため、酸化剤含有組成物における(A)酸の含有量は、2.5質量%以下とすることが好ましい。
更に、実施例1、7、8を対比すると、酸の価数が大きくなるにつれて、毛髪の感触及び耐褪色性が向上するだけでなく、乳化安定性や塗布操作性も向上することが認められた。
また、実施例8では、室温(25℃)保存2か月後において分離が認められた。すなわち、酸の価数が大きくなるにつれて長期保存安定性も向上するといえる。
Figure 2018024606
表3の実施例1、9〜14を見ると、(C)カチオン性界面活性剤を含有することにより、毛髪の感触において優れた効果が認められた。
また、(C)カチオン性界面活性剤を含有することにより、乳化安定性を向上するという効果が認められた。
更に、(C)カチオン性界面活性剤の含有量が多い場合には、毛髪の感触及び乳化安定性を向上する作用が高くなり、(C)カチオン性界面活性剤の含有量が少ない場合には、耐褪色性及び塗布操作性を向上する作用が高くなる傾向が認められた。よって、(C)カチオン性界面活性剤の含有量を0.1〜1.5質量%の範囲内とすることにより、毛髪の感触、耐褪色性、乳化安定性及び塗布操作性について、バランスよく効果を発揮することができる。
<色調変化の評価>
次に、実施例1、6〜8の酸化剤含有組成物について、酸の添加による色調の変化を評価した。評価は以下のとおり行い、結果を表4の「色調変化抑制」の項に示した。
(既染部モデル毛束の作製)
上記「耐褪色性」の試験と同様に、白毛毛束に対して脱色処理を10回、染毛処理を1回、褪色処理を1回行い、既染毛毛束を作製した。
更に、この既染毛毛束に対して、上記の第1剤(ホーユー(株)製 プロマスターEX R 7/6)と、実施例1、6〜8の酸化剤含有組成物からなる第2剤を用いて染毛処理し、既染部モデル毛束を作製した。この染毛処理の操作は、上記の「毛髪の感触」の評価と同様に行った。
(新生部モデル毛束の作製)
白毛毛束に対して、上記の第1剤(ホーユー(株)製 プロマスターEX R 7/6)と、比較例5の酸化剤含有組成物からなる第2剤を用いて染毛処理し、新生部モデル毛束を作製した。この染毛処理の操作は、酸染毛剤を塗布後の放置する条件を、30℃で30分間とした以外、上記の「毛髪の感触」の評価と同様に行った。
(色調変化の評価方法)
各例の既染部モデル毛束(以下、「毛束A」という。)と、上記新生部モデル毛束(以下、「毛束B」という。)との色調の差異を評価した。評価方法は、標準光源下に毛束Aと毛束Bを並べて置き、20名のパネラーにより観察した。評価基準は、毛束Aと毛束Bとの色調の差異が小さく、自然なつながりを形成すると評価したパネラーが18名以上の場合を6点、13〜17名の場合を5点、10〜12名の場合を4点、7〜9名の場合を3点、4〜6名の場合を2点、3〜1名以下の場合を1点とし、評価結果とした。
Figure 2018024606
実施例1、6〜8の色調変化抑制の評価を対比すると、三価以上の酸を含有することにより色調変化抑制効果が認められ、リン酸を含有することにより特に優れた効果が認められた。なお、この色調変化抑制効果は、実施例の暖色系のカラー以外に、寒色系やナチュラル系の第1剤を用いた場合でも同様の効果を確認した。
本発明の酸化物含有組成物は、染毛剤、毛髪脱色剤又は毛髪脱染剤等の毛髪処理剤の第2剤として利用され、毛髪の既染部等のダメージ毛用の毛髪処理剤に好適に利用することができる。毛髪としては、ヒトの頭髪、髭、眉毛、すね毛等の体毛の他、ペット等の動物の体毛でもよい。
また、本発明の酸化物含有組成物は、美容室用又は理容室用の毛髪処理剤の第2剤や、セルフカラーリング用の毛髪処理剤の第2剤に利用することができる。
本発明の毛髪処理方法は、既染部を有する毛髪に対して、既染部の染毛処理、脱色処理又は染毛処理に好適に利用することができる。
また、本発明の粉末染毛剤組成物の使用方法は、美容室や理容室等における毛髪の染毛処理、セルフカラーリングに利用することができる。

Claims (5)

  1. 毛髪処理剤の第2剤として使用される酸化剤含有組成物において、(A)酸及び(B)酸化剤を含有し、前記(A)酸を0.4質量%以上含有することを特徴とする酸化剤含有組成物。
  2. 更に(C)カチオン性界面活性剤を0.1〜1.5質量%含有することを特徴とする請求項1に記載の酸化剤含有組成物。
  3. 前記(A)酸が、三価以上の酸を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化剤含有組成物。
  4. 前記酸化剤含有組成物は、既染部用であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の酸化剤含有組成物。
  5. 新生部に用いる第1剤と、請求項1〜4のいずれかに記載の酸化剤含有組成物からなる第2剤と、を混合して既染部用の毛髪処理剤を調製する工程、及び
    前記毛髪処理剤を毛髪の既染部に適用する工程、
    を備えたことを特徴とする毛髪処理方法。
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