JP2018024119A - 真空成型装置及び真空成型方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被成形物における変形制御の精度を高めること、および設備の省スペース化が可能な真空成型装置及び真空成型方法を提供すること。【解決手段】減圧下で加熱されたシート状の被成形物2に対し型部材21を接触させ成形する真空成型装置1であって、前記被成形物の上方に配置される逆凹形状の上成形型4と、前記被成形物の下方に配置され、前記被成形物を挟んで前記上成形型と接合可能な凹形状の下成形型5と、前記上成形型内および前記下成形型内の空間を減圧させる減圧装置26と、前記上成形型内および前記下成形型内の空間を連通させる連通管24とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、真空成型装置及び真空成型方法に関し、特に、被成形物のドローダウンを抑えるとともに省スペース化が可能な真空成型装置及び真空成型方法に関する。
近年、塗装に代わる装飾手段として、樹脂シートを用いた手段が提案されている。そのような手段に係る真空成型装置の一例を、図10に示す(特許文献1参照)。
図10に示す真空成型装置50は、シート状の被成形物2を保持する保持部材3と、被成形物2の上側に配置された逆凹形状の上成形型4と、被成形物2の下側に配置された凹形状の下成形型5と、上成形型4を昇降させる駆動装置6とを備えている。保持部材3は、被成形物2の外周部分を把持することが可能な環状の部材である。
図10に示す真空成型装置50は、シート状の被成形物2を保持する保持部材3と、被成形物2の上側に配置された逆凹形状の上成形型4と、被成形物2の下側に配置された凹形状の下成形型5と、上成形型4を昇降させる駆動装置6とを備えている。保持部材3は、被成形物2の外周部分を把持することが可能な環状の部材である。
また、真空成型装置50は、下成形型5の凹部内に設けられたテーブル7と、テーブル7上に配置された芯材8と、テーブル7をその下側から支えると共に昇降を可能とするエアシリンダ等の駆動装置9とを備える。
また、上成形型4内において、その上部には被成形物2を加熱するための加熱装置10(例えば赤外線ヒータ)が配置される。
また、上成形型4内において、その上部には被成形物2を加熱するための加熱装置10(例えば赤外線ヒータ)が配置される。
また、真空成型装置50は、成形型内を真空引きするための真空ポンプ(図示せず)と、前記成形型内に圧縮空気を供給するための圧空装置(図示せず)とを備えている。さらに、複数の気体供給室11と、これらの気体供給室11を個別に開放する弁12を備えている。この複数の気体供給室11には、試行により予め設定した一定容量の気体が封入されている。具体的には、加熱により軟化した被成形物2の変形量に応じた気体が、気体供給室11に封入されている。
このような真空成型装置50においては、まず、上成形型4を駆動装置6によって下降させ、上成形型4および下成形型5を被成形物2を介して接合させる。その後、前記真空ポンプによる真空引きを行い、上成形型4内および下成形型5内を真空状態にする。そして、加熱装置10により、被成形物2を加熱する。
被成形物2は、加熱されると自重により垂れ下がる(図中の二点鎖線)。このとき、適当な弁12を開放する。そうすると、下成形型5内および気体供給室11の差圧によって、気体供給室11から下成形型5内に気体が吸引される。
そして、上成形型4内および下成形型5内の差圧(この場合は、下成形型5内の圧力が、上成形型4内の圧力よりも高くなる)によって、被成形物2が下側から押し上げられ、前記垂れ下がりが軽減される。
そして、この状態でテーブル7を上昇させ、被成形物2を芯材8に密着させ変形させる。
そして、上成形型4内および下成形型5内の差圧(この場合は、下成形型5内の圧力が、上成形型4内の圧力よりも高くなる)によって、被成形物2が下側から押し上げられ、前記垂れ下がりが軽減される。
そして、この状態でテーブル7を上昇させ、被成形物2を芯材8に密着させ変形させる。
このような真空成型装置50(真空成型方法)によれば、試行により予め設定した一定容量の気体が複数の気体供給室11に封入されているため、弁12の開放という簡易な操作で、被成形物2の垂れ下がり(ドローダウン)を抑えることができる。
一方、特許文献2には、上成形型内および下成形型内の圧力を検出するセンサと被成形物の温度を検出するセンサとを有し、検出した被成形物の温度に応じて、バルブの開閉動作を制御し、上成形型内および下成形型内の圧力を個別に調整する真空成形装置(図示せず)が開示されている。
このような構成によれば、被成形物の垂れ下がりを抑制することができる。
このような構成によれば、被成形物の垂れ下がりを抑制することができる。
しかしながら、特許文献1に開示された真空成型装置50にあっては、複数の気体供給室11とそれに対応する弁12とを備えるため、コストがかかるとともに大きなスペースが必要となるという課題があった。また、上成形型4内および下成形型5内の差圧を調整するため、その分の作業工数が増えるという課題があった。
また、特許文献2に開示された真空成型装置にあっては、温度情報もしくは圧力情報に基づいて、上成形型内および下成形型内の圧力を制御するため、被成形物の形状を直接、測定するものではなかった。
このため、被成形物の垂れ下がりを抑制する精度が低いという課題があった。
このため、被成形物の垂れ下がりを抑制する精度が低いという課題があった。
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、真空成形において、被成形物を高精度に変形制御し、且つ設備の省スペース化が可能な真空成型装置及び真空成型方法を提供することを課題とする。
上記目的を達成するためになされた本発明にかかる真空成型装置は、減圧下で加熱されたシート状の被成形物に対し型部材を接触させ成形する真空成型装置であって、前記被成形物の上方に配置される逆凹形状の上成形型と、前記被成形物の下方に配置され、被成形物を挟んで前記上成形型と接合可能な凹形状の下成形型と、前記上成形型内および前記下成形型内の空間を減圧させる減圧装置と、前記上成形型内および前記下成形型内の空間を連通させる連通管とを備えることに特徴を有する。
このような構成の真空成型装置によれば、上成形型内および下成形型内の空間を連通させる連通管を備えているため、真空引きにおいて、前記上成形型内および前記下成形型内の空間の差圧が発生するのを抑えることができる。したがって、前記差圧により発生する被成形物のドローダウンを抑えることができる。
また、前記差圧の発生を、前記連通管により抑えることができるため、省スペース化が可能である。
また、前記差圧の発生を、前記連通管により抑えることができるため、省スペース化が可能である。
また、より好ましい形態においては、前記被成型物の高さ位置を測定する距離センサを、さらに備える。なお、前記距離センサは、前記上成形型内の上面側に取付けられていてよい。
このような構成の真空成型装置によれば、被成型物の位置を測定する距離センサを備えることにより、前記被成型物の位置を直接、確認しつつ、前記上成形型内および前記下成形型内の差圧を調整できる。
このような構成の真空成型装置によれば、被成型物の位置を測定する距離センサを備えることにより、前記被成型物の位置を直接、確認しつつ、前記上成形型内および前記下成形型内の差圧を調整できる。
さらに、好ましい形態においては、前記距離センサは、複数かつ等間隔で設けられている。
このような構成の真空成型装置によれば、距離センサが複数、設けられているため、より精度良く前記被成型物の位置を測定することができる。
このような構成の真空成型装置によれば、距離センサが複数、設けられているため、より精度良く前記被成型物の位置を測定することができる。
また、好ましい形態においては、前記連通管は、上下に伸縮可能な蛇腹状に形成される。なお、前記連通管には、この連通管を開閉する連通管開閉バルブが取り付けられていることが好ましい。
このような構成の真空成型装置によれば、前記連通管が蛇腹状であるため、前記上成形型の昇降に追従した伸縮が可能である。このため、前記上成形型の昇降を容易に行うことができる。
このような構成の真空成型装置によれば、前記連通管が蛇腹状であるため、前記上成形型の昇降に追従した伸縮が可能である。このため、前記上成形型の昇降を容易に行うことができる。
さらに、好ましい形態においては、前記下成形型内を大気と連通可能にする下成形型圧力調整バルブを備えている。
このような構成の真空成型装置によれば、前記下成形型圧力調整バルブの開閉により前記下成形型内の圧力を短時間に調整できる。
このような構成の真空成型装置によれば、前記下成形型圧力調整バルブの開閉により前記下成形型内の圧力を短時間に調整できる。
また、上記目的を達成するためになされた本発明にかかる真空成型方法は、減圧下で加熱されたシート状の被成形物に対し型部材を接触させ成形する真空成型方法であって、前記被成形物を挟んで上成形型と下成形型とを接合するステップと、前記上成形型内および下成形型内の空間を真空引きするステップと、前記上成形型内および下成形型内の空間を連通可能な連通管により、前記上成形型内および下成形型内の空間の差圧を調整するステップと、前記型部材を上昇させるとともに、前記上成形型内の空間に空気を圧送し前記被成形物を前記型部材に圧着させるステップと、を含むことを特徴とする。
このようなステップを含む真空成型方法によれば、前記上成形型内および前記下成形型内の空間を連通させる連通管により、真空引きにおいて、前記上成形型内および前記下成形型内の空間の差圧が発生するのを抑えることができる。したがって、前記差圧により発生する被成形物のドローダウンを抑えることができる。
また、前記差圧の発生を、前記連通管により抑えることができるため、省スペース化が可能である。
また、前記差圧の発生を、前記連通管により抑えることができるため、省スペース化が可能である。
なお、より好ましくは、前記型部材を上昇させるとともに、前記上成形型内の空間に空気を圧送し前記被成形物を前記型部材に圧着させる前記ステップの前に、前記被成形物の位置を測定できる距離センサにより、前記被成形物と前記距離センサとの距離を測定するステップを、さらに含むことである。
前記被成型物の位置を測定する距離センサにより、前記被成形物と前記距離センサとの距離を測定するステップを含むため、前記被成型物の位置を直接、確認しつつ、前記上成形型内および前記下成形型内の空間の差圧を調整できる。このため、被成形物の変位を抑えた状態で、その成形を行うことができる。
本発明によれば、真空成形において、被成形物を高精度に変形制御し、且つ設備の省スペース化が可能な真空成型装置及び真空成型方法を提供することができる。
以下に、実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態に係る真空成型装置1の断面図を模式的に示す。なお、図1には、被成形物2も合わせて示している。被成形物2として、例えば樹脂シートを用いることができる。
また、以下の説明において、図10を用いて既に説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付す。
図1に、本実施形態に係る真空成型装置1の断面図を模式的に示す。なお、図1には、被成形物2も合わせて示している。被成形物2として、例えば樹脂シートを用いることができる。
また、以下の説明において、図10を用いて既に説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付す。
真空成型装置1は、上成形型4と、上成形型4を昇降させる駆動装置20とを備える。上成形型4内には、その上部に取り付けられた複数(本実施形態では4つ)の加熱装置(ヒータ)22と、上成形型4内の上面に取り付けられた複数(本実施形態では3つ)の距離センサ23とを備える。
前記4つの加熱装置22は、互いに等間隔に設けられている。加熱装置22は、被成形物2を加熱するものである。加熱装置22は、例えば、遠赤外線ヒータである。
3つの距離センサ23は、距離センサ23と被成形物2との距離を図るためのセンサである。距離センサ23は、例えば、レーザ変位計により構成される。これらの距離センサ23は、複数の加熱装置22の間に設けられている。尚、3つの距離センサ23のうち、端から順番に第1距離センサ23a、第2距離センサ23b、および第3距離センサ23cとする。
3つの距離センサ23は、距離センサ23と被成形物2との距離を図るためのセンサである。距離センサ23は、例えば、レーザ変位計により構成される。これらの距離センサ23は、複数の加熱装置22の間に設けられている。尚、3つの距離センサ23のうち、端から順番に第1距離センサ23a、第2距離センサ23b、および第3距離センサ23cとする。
一方、下成形型5においては、駆動装置9により昇降可能なテーブル7の上側に配置された型部材21を備える。
また、真空成型装置1は、上成形型4と下成形型5とを連通させる連通管24と、この連通管24を開閉する連通管開閉バルブ25とを備える。
連通管24は、伸縮可能な蛇腹状に形成されており、上成形型4の昇降に伴って伸縮することができる。なお、連通管24の材質としては、例えば、SUSを用いることができる。
連通管24は、伸縮可能な蛇腹状に形成されており、上成形型4の昇降に伴って伸縮することができる。なお、連通管24の材質としては、例えば、SUSを用いることができる。
また、真空成型装置1は、上成形型4内および下成形型5内を減圧する減圧装置26と、上成形型4内および下成形型5内に圧縮空気を供給する圧空装置27とを備える。さらに、真空成型装置1は、減圧装置26および圧空装置27の圧力を調整するための第1バルブ28および第2バルブ29と、下成形型5内の圧力を調整する下成形型圧力調整バルブ30とを備える。
図1に示すように、第1バルブ28を開くことにより、減圧装置26と下成形型5とが連通する。第2バルブ29を開くことにより、減圧装置26と上成形型4とが連通する。
また、第1バルブ28および第2バルブ29を開くことにより、圧空装置27と下成形型5とが連通する。圧空装置27と上成形型4とは、第1バルブ28および第2バルブ29の開閉に関係なく連通している。
また、下成形型圧力調整バルブ30を開くことにより、下成形型5が大気と連通し、下成形型5内の圧力を短時間のうちに調整することができる。
また、第1バルブ28および第2バルブ29を開くことにより、圧空装置27と下成形型5とが連通する。圧空装置27と上成形型4とは、第1バルブ28および第2バルブ29の開閉に関係なく連通している。
また、下成形型圧力調整バルブ30を開くことにより、下成形型5が大気と連通し、下成形型5内の圧力を短時間のうちに調整することができる。
また、真空成型装置1は、装置全体の動作を制御する制御装置17を備える。この制御装置17は、駆動装置20による上成形型4の昇降の制御、或いは駆動装置9による型部材21の昇降制御などを行う。
さらに、制御装置17は、距離センサ23の出力信号に基づき、連通管開閉バルブ25、第1バルブ28、第2バルブ29、および下成形型圧力調整バルブ30の開閉状態を制御する。更には、加熱装置22による加熱温度を制御する。
さらに、制御装置17は、距離センサ23の出力信号に基づき、連通管開閉バルブ25、第1バルブ28、第2バルブ29、および下成形型圧力調整バルブ30の開閉状態を制御する。更には、加熱装置22による加熱温度を制御する。
続いて、図2乃至図7を用いて、真空成型装置1を用いた真空成型方法について説明する。
図2および図3は、真空成型方法のフローチャートである。図4乃至図7は、真空成型方法における工程のフローを示す断面図である。尚、図4乃至図7において、矢印Aは、気体の流れを示し、矢印Bは、上成形型4の降下を示している。また、波形Cは、熱が放射されている様子を示している。
図2および図3は、真空成型方法のフローチャートである。図4乃至図7は、真空成型方法における工程のフローを示す断面図である。尚、図4乃至図7において、矢印Aは、気体の流れを示し、矢印Bは、上成形型4の降下を示している。また、波形Cは、熱が放射されている様子を示している。
真空成型装置1においては、先ず、図4(a)に示すように、被成形物2を、保持部材3により所定の張力をかけた状態で保持する(図2のステップS1)。
次いで、保持部材3を下降させ、図4(b)に示すように、被成形物2を下成形型5の上面に配置する。
その後、上成形型4を駆動装置20によって下降させ、上成形型4と下成形型5とを被成形物2を介して接合する(図2のステップS2)。
そして、連通管開閉バルブ25、第1バルブ28、および第2バルブ29を開き、下成形型圧力調整バルブ30を閉じて、上成形型4内および下成形型5内の真空引きを開始する(図2のステップS3)。
また、加熱装置22を用いて、被成形物2を加熱し軟化させる(図2のステップS4)。
次いで、保持部材3を下降させ、図4(b)に示すように、被成形物2を下成形型5の上面に配置する。
その後、上成形型4を駆動装置20によって下降させ、上成形型4と下成形型5とを被成形物2を介して接合する(図2のステップS2)。
そして、連通管開閉バルブ25、第1バルブ28、および第2バルブ29を開き、下成形型圧力調整バルブ30を閉じて、上成形型4内および下成形型5内の真空引きを開始する(図2のステップS3)。
また、加熱装置22を用いて、被成形物2を加熱し軟化させる(図2のステップS4)。
図5(a)に示すように、加熱され軟化した被成形物2には、その自重および上成形型4内および下成形型5内の差圧により、垂れ下がりが生じる(2点鎖線参照)。
続いて、この垂れ下がり量(変位量)が所定の範囲内となるように調整する。具体的には、以下に示すステップS6〜ステップS14を任意の回数、繰り返す。まず、ステップS6〜ステップS14の繰り返し数を示す変数nに初期値(n=0)を設定する(ステップS5)。
次いで、制御装置17は、後述するステップS7〜ステップS14が、所定の回数m(mは任意の正の整数)、繰り返されたか否かを判定する(ステップS6)。そして、この条件を満たすと判定した場合は、図5(b)に示すように、被成形物2を凸形状(ドローアップ)にする工程に移行する。
一方、前記ステップS6の条件を満たさなかった場合、垂れ下がり量(変位量)を、距離センサ23を用いて測定する(破線参照)。具体的には、まず、基準点(0)(前記真空引きを開始する前の被成形物2の位置)からの距離センサ23の距離d1を求める。
そして、第1距離センサ23aを用いて、第1距離センサ23aと、真空引き中の被成形物2の位置(すなわち、垂れ下がりが発生している状態の位置)との距離d2を求める。そして、前記変位量(以下、第1変位量h1)は、距離d1から距離d2を減算することにより求まる。
同様に、第2距離センサ23bおよび第3距離センサ23cを用いて、前記基準点(0)からの被成形物2の変位量(以下、それぞれ、第2変位量h2, 第3変位量h3)を求める。(図2のステップS7)。
同様に、第2距離センサ23bおよび第3距離センサ23cを用いて、前記基準点(0)からの被成形物2の変位量(以下、それぞれ、第2変位量h2, 第3変位量h3)を求める。(図2のステップS7)。
そして、制御装置17は、第1変位量h1および第3変位量h3の絶対値が3mm以内であり、第2変位量h2の絶対値が5mm以内であるか否かを判定する(図2のステップS8)。
そして、この条件を満たすと判定した場合は、連通管開閉バルブ25、第1バルブ28、および第2バルブ29を開き、下成形型圧力調整バルブ30を閉じ、上成形型4内および下成形型5内の圧力を調整し、被成形物2の変位量を調整する(図2のステップS9)。
そして、変数nを累積繰り返し数(n+1)に書き換え(ステップS14)、再び、前記ステップ6の判定を行う。
そして、変数nを累積繰り返し数(n+1)に書き換え(ステップS14)、再び、前記ステップ6の判定を行う。
また、前記図2のステップS8の条件を満たさなかった場合には、制御装置17は、第1変位量h1の絶対値が3mmより大きい、第3変位量h3の絶対値が3mmより大きい、或いは第2変位量h2の絶対値が5mmより大きい、のいずれかの条件が成立するか、且つ被成型物2が上方に変位しているか(第1変位量h1〜第3変位量h3の全てが0より大きい)を判定する(図2のステップS10)。
そして、このステップS10の条件を満たすと判定した場合は、第1バルブ28を開き、連通管開閉バルブ25、第2バルブ29、および下成形型圧力調整バルブ30を閉じる(図2のステップS11)。これにより、下成形型5内の圧力が、上成形型4内の圧力よりも下がり、被成形物2の変位量を減らすことができる(上方に位置している状態を下方に下げる)。
そして、変数nを累積繰り返し数(n+1)に書き換え(ステップS14)、再び、前記ステップ6の判定を行う。
そして、変数nを累積繰り返し数(n+1)に書き換え(ステップS14)、再び、前記ステップ6の判定を行う。
また、前記図2のステップS10の条件を満たさなかった場合には、制御装置17は、第1変位量h1の絶対値が3mmよりも大きいこと、第3変位量h3の絶対値が3mmより大きいこと、或いは第2変位量h2の絶対値が5mmより大きいことのいずれかの条件が成立するか、且つ、被成型物2が下方に変位しているか(第1変位量h1〜第3変位量h3の全てが0より小さい)を判定する(図2のステップS12)。
そして、このステップS12の条件を満たすと判定した場合は、第2バルブ29を開き、連通管開閉バルブ25、第1バルブ28、および下成形型圧力調整バルブ30を閉じる(図2のステップS13)。これにより、上成形型4内の圧力が、下成形型5内の圧力よりも下がり、被成形物2の変位量を減らすことができる(下方に位置している状態を上方に持ち上げる)。
そして、変数nを累積繰り返し数(n+1)に書き換え(ステップS14)、再び、前記ステップS6の判定を行う。
そして、変数nを累積繰り返し数(n+1)に書き換え(ステップS14)、再び、前記ステップS6の判定を行う。
このように、図2のステップS6からステップS14を繰り返すことにより、被成型物2は平坦となるように調整される。このため、被成形物2の変位を軽減した状態で、その成形を行うことが出来る。
続いて、図5(b)に示すように、被成形物2の変位量を調整し、所望の凸形状(ドローアップ)にする。
具体的には、第1距離センサ23aを用いて、前記基準点(0)と被成型物2との距離daを求める。そして、この距離daと第1基準点a(型部材21により決まる任意の位置)との差分Daを求める。
同様に、第2距離センサ23bを用いて、前記基準点(0)と被成型物2との距離dbを求める。そして、この距離dbと第2基準点b(型部材21により決まる任意の位置)との差分Dbを求める。また、同様に、前記基準点(0)と被成型物2との距離dcを求める。そして、この距離dcと第3基準点c(型部材21により決まる任意の位置)との差分Dcを求める(図3のステップS15)。
具体的には、第1距離センサ23aを用いて、前記基準点(0)と被成型物2との距離daを求める。そして、この距離daと第1基準点a(型部材21により決まる任意の位置)との差分Daを求める。
同様に、第2距離センサ23bを用いて、前記基準点(0)と被成型物2との距離dbを求める。そして、この距離dbと第2基準点b(型部材21により決まる任意の位置)との差分Dbを求める。また、同様に、前記基準点(0)と被成型物2との距離dcを求める。そして、この距離dcと第3基準点c(型部材21により決まる任意の位置)との差分Dcを求める(図3のステップS15)。
そして、制御装置17は、前記差分Da〜Dcがそれぞれ0である(すなわち被成形物2が第1基準点a、第2基準点b、第3基準点cの位置にある)か否かを判定する(図3のステップS16)。そして、この条件を満たすと判定した場合は、図6(a)に示すように、型部材21を上昇させる(図3のステップS23)。
一方、前記ステップS16において、その条件を満たさなかった場合、制御装置17は、差分Da〜差分Dc全ての絶対値が5mm以下か否かを判定する(図3のステップS17)。
そして、この条件を満たすと判定した場合は、連通管開閉バルブ25、第1バルブ28、および第2バルブ29を開け、下成形型圧力調整バルブ30を閉じ、上成形型4および下成形型5内の圧力を調整し、被成形物2の変位量を調整する(図3のステップS18)。
そして、再び、差分Da〜差分Dcを算出する(前記ステップS15)。
そして、この条件を満たすと判定した場合は、連通管開閉バルブ25、第1バルブ28、および第2バルブ29を開け、下成形型圧力調整バルブ30を閉じ、上成形型4および下成形型5内の圧力を調整し、被成形物2の変位量を調整する(図3のステップS18)。
そして、再び、差分Da〜差分Dcを算出する(前記ステップS15)。
また、前記ステップS17において、その条件を満たさなかった場合、制御装置17は、差分Da〜差分Dcのいずれかの絶対値が5mmより大きく、かつ、被成型物2が前記第1基準点a〜第3基準点cよりも上方に変位している(差分Da〜差分Dcが0より大きい)か否かを判定する(図3のステップS19)。
そして、この条件を満たすと判定した場合は、第1バルブ28を開き、連通管開閉バルブ25、第2バルブ29、および下成形型圧力調整バルブ30を閉じる(図3のステップS20)。これにより、下成形型5内の圧力が上成形型4内の圧力よりも下がり、被成形物2の前記第1基準点a〜第3基準点cからの変位量を減らす(被成型物2を下方に下げる)ことができる。
そして、再び、差分Da〜差分Dcを算出する(前記ステップS15)。
そして、この条件を満たすと判定した場合は、第1バルブ28を開き、連通管開閉バルブ25、第2バルブ29、および下成形型圧力調整バルブ30を閉じる(図3のステップS20)。これにより、下成形型5内の圧力が上成形型4内の圧力よりも下がり、被成形物2の前記第1基準点a〜第3基準点cからの変位量を減らす(被成型物2を下方に下げる)ことができる。
そして、再び、差分Da〜差分Dcを算出する(前記ステップS15)。
また、前記ステップS19の条件を満たさなかった場合には、制御装置17は、差分D1〜差分D3のいずれかの絶対値が5mmより大きく、かつ、被成型物2が前記第1基準点a〜第3基準点cよりも下方に変位している(差分Da〜差分Dcが0より小さい)か否かを判定する(図3のステップS21)。
そして、この条件を満たすと判定した場合は、下成形型圧力調整バルブ30を開き、連通管開閉バルブ25、第1バルブ28、および第2バルブ29を閉じる(図3のステップS22)。これにより、下成形型5内の圧力が上成形型4内の圧力よりも上がり、被成形物2の前記第1基準点a〜第3基準点cからの変位量を減らす(被成型物2を上方に持ち上げる)ことができる。
そして、再び、差分Da〜差分Dcを算出する(前記ステップS15)。
そして、この条件を満たすと判定した場合は、下成形型圧力調整バルブ30を開き、連通管開閉バルブ25、第1バルブ28、および第2バルブ29を閉じる(図3のステップS22)。これにより、下成形型5内の圧力が上成形型4内の圧力よりも上がり、被成形物2の前記第1基準点a〜第3基準点cからの変位量を減らす(被成型物2を上方に持ち上げる)ことができる。
そして、再び、差分Da〜差分Dcを算出する(前記ステップS15)。
このように、図3のステップS15からステップS22を繰り返すことにより、被成型物2は、前記第1基準点a〜前記第3基準点cに近づくように調整される。このため、被成形物2の変位を軽減した状態で、その成形を行うことが出来る。
続いて、制御装置17は、型部材21が被成形物2に接触したか否かを判定する(図3のステップS24)。そして、この条件を満たすと判定したときは、第1バルブ28を開け、連通管開閉バルブ25、第2バルブ29、および下成形型圧力調整バルブ30を閉じ、圧空装置27により上成形型4内に圧縮空気を導入し、上成形型4内の圧力を上げる。
これにより、図6(b)に示すように、被成形物2を型部材21に密着させる(図3のステップS25)。なお、図中、矢印Dは、被成形物2が圧着されている様子を示している。 そして、図7に示すように、真空成型装置1を開けて、被成形物2を取り出す(図3のステップS26)。
これにより、図6(b)に示すように、被成形物2を型部材21に密着させる(図3のステップS25)。なお、図中、矢印Dは、被成形物2が圧着されている様子を示している。 そして、図7に示すように、真空成型装置1を開けて、被成形物2を取り出す(図3のステップS26)。
以上のように本発明に係る実施形態によれば、上成形型内および下成形型内を連通させる連通管が設けられているため、上成形型内および下成形型内の差圧を抑えて真空引きすることができる。このため、被成型物に発生するドローダウンを軽減させることができる。
その結果、より精度良く、被成型物を型部材に合わせて成形することができ、被成型物の成形精度を向上させることができる。
また、上成形型内および下成形型内の差圧調整を連通管で行えるため、省スペース化が可能であり、また、設備のコストを抑えることができる。
その結果、より精度良く、被成型物を型部材に合わせて成形することができ、被成型物の成形精度を向上させることができる。
また、上成形型内および下成形型内の差圧調整を連通管で行えるため、省スペース化が可能であり、また、設備のコストを抑えることができる。
また、上成形型内および下成形型内の体積差に基づき発生する真空引き時間(所定の圧力に到達するまでの時間)を軽減させることができる。
また、距離センサにより、被成形物の位置を直接確認している。このため、被成形物におけるドローダウンの状態をより正確に把握することができる。このため、より精度良く被成形物の成形を行うことができる。
また、連通管は、伸縮可能な形状であるため、上成形型の上下動作に追従できる。したがって、上成形型の開閉作業が容易となる。
また、距離センサにより、被成形物の位置を直接確認している。このため、被成形物におけるドローダウンの状態をより正確に把握することができる。このため、より精度良く被成形物の成形を行うことができる。
また、連通管は、伸縮可能な形状であるため、上成形型の上下動作に追従できる。したがって、上成形型の開閉作業が容易となる。
本発明に係る真空成型装置および真空成型方法について、実施例に基づきさらに説明する。本実施例では、前記実施形態に示した真空成型装置を用いて真空成型を行った。そして、そのときの真空成型装置内の圧力変化及び被成形物の位置を測定した。
実施例に係る測定結果を図8に示す。図10に示した真空成型装置(比較例)に係る測定結果を図9に示す。そして、図8および図9のまとめを表1に示す。
実施例に係る測定結果を図8に示す。図10に示した真空成型装置(比較例)に係る測定結果を図9に示す。そして、図8および図9のまとめを表1に示す。
図8において、横軸は時間(sec)、縦軸は圧力(KPa)および被成形物の位置(mm)である。図中、実線は被成形物の中心の位置を、破線は上成形型内の圧力を、一点鎖線は下成形型内の圧力を、それぞれ表している。
また、図中、時間t1は、上成形型内および下成形型内の圧力が−94KPaに到達するまでの時間を表している。時間t2は、被成形物の加熱時間を表している。時間t3は、型部材を上昇させるとともに、圧縮空気導入前の被成型物の成形を行っている時間である。そして、時間t4は、上成形型内に圧縮空気の導入を開始し、被成形物を取り出すまでの時間である。
なお、図9における横軸、縦軸、および各符号の意味は、図8と同様である。よって、詳細な説明は省略する。
また、図中、時間t1は、上成形型内および下成形型内の圧力が−94KPaに到達するまでの時間を表している。時間t2は、被成形物の加熱時間を表している。時間t3は、型部材を上昇させるとともに、圧縮空気導入前の被成型物の成形を行っている時間である。そして、時間t4は、上成形型内に圧縮空気の導入を開始し、被成形物を取り出すまでの時間である。
なお、図9における横軸、縦軸、および各符号の意味は、図8と同様である。よって、詳細な説明は省略する。
表1に示されるように、実施例に係る真空成型方法では、上成形型内および下成形型内の両方の圧力が−94KPaに到達するまでに掛かる時間は、80secであった。
一方で、比較例に係る真空成型方法では、下成形型内の圧力が−94KPaに到達するまでに掛かる時間は80secであったが、上成形型における前記時間は100secであった。
すなわち、実施例に係る真空成型装置では、上成形型内および下成形型内の両方の圧力が−94KPaに達するまでの時間を20sec、短縮することができた。
また、本実施例によれば、ドローダウン量を33mm減らすことができた。
一方で、比較例に係る真空成型方法では、下成形型内の圧力が−94KPaに到達するまでに掛かる時間は80secであったが、上成形型における前記時間は100secであった。
すなわち、実施例に係る真空成型装置では、上成形型内および下成形型内の両方の圧力が−94KPaに達するまでの時間を20sec、短縮することができた。
また、本実施例によれば、ドローダウン量を33mm減らすことができた。
1 真空成型装置
2 被成形物
3 保持部材
4 上成形型
5 下成形型
7 テーブル
9 駆動装置
17 制御装置
20 駆動装置
21 型部材
22 加熱装置(ヒータ)
23 距離センサ
24 連通管
25 連通管開閉バルブ
26 減圧装置
27 圧空装置
28 第1バルブ
29 第2バルブ
30 下成形型圧力調整バルブ
2 被成形物
3 保持部材
4 上成形型
5 下成形型
7 テーブル
9 駆動装置
17 制御装置
20 駆動装置
21 型部材
22 加熱装置(ヒータ)
23 距離センサ
24 連通管
25 連通管開閉バルブ
26 減圧装置
27 圧空装置
28 第1バルブ
29 第2バルブ
30 下成形型圧力調整バルブ
Claims (9)
- 減圧下で加熱されたシート状の被成形物に対し型部材を接触させ成形する真空成型装置であって、
前記被成形物の上方に配置される逆凹形状の上成形型と、
前記被成形物の下方に配置され、前記被成形物を挟んで前記上成形型と接合可能な凹形状の下成形型と、
前記上成形型内および前記下成形型内の空間を減圧させる減圧装置と、
前記上成形型内および前記下成形型内の空間を連通させる連通管とを備えることを特徴とする真空成型装置。 - 前記被成型物の高さ位置を測定する距離センサを、さらに備えることを特徴とする請求項1記載の真空成型装置。
- 前記距離センサは、前記上成形型内の上面側に取付けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空成型装置。
- 前記距離センサは、複数かつ等間隔で設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の真空成型装置。
- 前記連通管は、上下に伸縮可能な蛇腹状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の真空成型装置。
- 前記連通管には、この連通管を開閉する連通管開閉バルブが取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の真空成型装置。
- 前記下成形型内を大気と連通可能にする下成形型圧力調整バルブを、さらに備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の真空成型装置。
- 減圧下で加熱されたシート状の被成形物に対し型部材を接触させ成形する真空成型方法であって、
前記被成形物を挟んで上成形型と下成形型とを接合するステップと、
前記上成形型内および下成形型内の空間を真空引きするステップと、
前記上成形型内および下成形型内の空間を連通可能な連通管により、前記上成形型内および下成形型内の空間の差圧を調整するステップと、
前記型部材を上昇させるとともに、前記上成形型内の空間に空気を圧送し前記被成形物を前記型部材に圧着させるステップと、
を含むことを特徴とする真空成型方法。 - 前記型部材を上昇させるとともに、前記上成形型内の空間に空気を圧送し前記被成形物を前記型部材に圧着させる前記ステップの前に、
前記被成形物の位置を測定可能な距離センサにより、前記被成形物と前記距離センサとの距離を測定するステップを、さらに含むことを特徴とする請求項7記載の真空成型方法。
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JP2016155716A JP2018024119A (ja) | 2016-08-08 | 2016-08-08 | 真空成型装置及び真空成型方法 |
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- 2016-08-08 JP JP2016155716A patent/JP2018024119A/ja active Pending
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