JP2015134466A - 熱転写方法、及び熱転写装置 - Google Patents

熱転写方法、及び熱転写装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、転写フィルムの密着性を好適に改善し得る新規な熱転写方法、及び熱転写装置を提供することを目的とする。【解決手段】被転写物100に、転写フィルム300の絵柄層303を熱転写するにあたり、軟化工程の実行によって前記転写フィルム300が隆起変形した場合は、前記転写フィルム300によって仕切られた第二室S2の気圧を第一室S1の気圧に対して正圧にすることによって、前記転写フィルム300を沈降変形させたうえで転写工程を実行し、前記転写フィルム300が過剰に沈降変形した場合、又は皺を生じた状態で軟化した場合は、前記第一室S1の気圧を前記第二室S2の気圧に対して正圧とすることによって前記転写フィルム300を隆起変形させ、その後、前記転写フィルム300を沈降変形させたうえで前記転写工程を実行する。【選択図】図1

Description

本発明は、被転写物に転写フィルムの絵柄層を熱転写する熱転写方法、及び熱転写装置に関する。
従来、家電製品、化粧品容器、装飾品などの種々の立体形状をした被転写物に絵柄や文字などの模様を付与するにあたり、被転写物に転写フィルムの絵柄層を熱転写する熱転写装置が利用されている(例えば、下記特許文献1参照)。
下記特許文献1に開示されている熱転写装置(絵付装置)は、ワークの表面に転写フィルムの絵柄層を熱転写する熱転写装置であって、内部にワークが載置され、上面に転写フィルムが配設されるチャンバ部材と、該チャンバ部材内の転写フィルムにより仕切られた空間を真空状態とすることにより、前記転写フィルムをワークの表面に密着させる真空引き装置と、前記チャンバ部材内の空間、または該チャンバ部材内に配置されてワークの周囲を囲う仕切壁部材内の空間に、ワークの表面に密着された転写フィルムにおける絵柄層の反ベースフィルム側の接着層をベースフィルム側から溶融可能な温度の蒸気を供給する熱源供給装置と、を有することを特徴とするものである。
下記特許文献1に記載の熱転写装置によれば、ワークの表面形状に拘わらず、転写フィルムを密着させた面に対して絵付けすることが可能となる。
特開2011‐126263号公報
ところで、上記特許文献1においては、転写作業の際に、チャンバ部材の中に備えたヒータによって予め転写フィルムを熱して軟化させる旨が開示されている。
しかしながら、チャンバ部材内を減圧状態としたうえでヒータにて転写フィルムを加熱すると、転写フィルムに変形が生じる場合がある。
この転写フィルムの変形は、転写フィルムによって仕切られたチャンバ部材内の上下の空間の気圧差を等しくしても生じることが確認されている。
又、転写フィルムの種類によって個別の変形状態を示すことも確認されており、係る変形は、チャンバ部材の天井方向に向かって隆起する隆起変形と、チャンバ部材の底壁に向かって沈降する沈降変形と、転写フィルムに皺が生じる変形と、の三つのパターンに大別することができる。
特に、転写フィルムにおいて前記隆起変形が生じた場合に、そのままの状態で転写フィルムをワークに密着させると、転写フィルムに皺が生じた状態でワークに密着したり、ワークと転写フィルムとの間に気泡が入り込んだりするため、最終的な製品の品質が低下する。
本発明は、前記技術的課題に鑑みて完成されたものであり、転写フィルムの密着性を好適に改善し得る新規な熱転写方法、及び熱転写装置を提供することを目的とする。
前記技術的課題を解決するために、本発明の熱転写方法は、上側に向かって開口する第一チャンバ部材と、下側に向かって開口する第二チャンバ部材とによって閉じられた作業室を形成すると共に、前記第一チャンバ部材と前記第二チャンバ部材との間に転写フィルムを介在させることによって、前記作業室を前記第一チャンバ部材側となる第一室と、前記第二チャンバ部材側となる第二室との二つに仕切る作業室形成工程と、前記作業室に存する空気を吸引する吸引工程と、前記第二チャンバ部材内に配された加熱装置によって、前記転写フィルムを加熱し、軟化させる軟化工程と、前記第二室に加熱媒体を供給する転写工程と、を実行することによって、前記第一チャンバ部材内に配された被転写物に、前記転写フィルムの絵柄層を熱転写する熱転写方法であって、前記軟化工程の実行によって前記転写フィルムが前記第二室に向かって隆起した状態で軟化した場合、前記第二室の気圧を前記第一室の気圧に対して正圧にすることによって、前記転写フィルムを前記第一室に向かって沈降させた状態としたうえで前記転写工程を実行することを特徴とする(以下、「本発明方法」と称する。)。
本発明方法においては、前記転写フィルムを前記第一室に向かって5〜150mm沈降させた状態としたうえで前記転写工程を実行することが好ましい態様となる。
本発明方法においては、前記軟化工程の実行によって前記転写フィルムが前記第一室に向かって過剰に沈降した状態、又は皺を生じた状態で軟化した場合、前記第一室の気圧を前記第二室の気圧に対して正圧とすることによって前記転写フィルムを前記第二室に向かって隆起させた状態とし、その後、前記転写フィルムを前記第一室に向かって沈降させた状態としたうえで前記転写工程を実行することが好ましい態様となる。
本発明の熱転写装置は、上側に向かって開口する第一チャンバ部材と、下側に向かって開口する第二チャンバ部材と、前記第一チャンバ部材と前記第二チャンバ部材とによって閉じられた作業室内に存する空気を吸引する吸引装置と、前記第二チャンバ部材内に配された加熱装置と、前記作業室に加熱媒体を供給する加熱媒体供給装置と、を具備してなり、転写フィルムによって、前記作業室が前記第一チャンバ部材側となる第一室と前記第二チャンバ部材側となる第二室との二つに仕切られた後、前記吸引装置にて前記作業室内に存する空気を吸引し、前記加熱装置にて前記転写フィルムを軟化させ、前記加熱媒体供給装置から加熱媒体を前記第二室に供給させることによって、前記第一チャンバ部材内に配された被転写物に前記転写フィルムの絵柄層を熱転写する熱転写装置であって、前記第一室と前記第二室の各々に対して空気を供給する空気供給装置と、前記転写フィルムの変形状態を監視する監視装置と、を更に具備してなり、前記加熱装置にて前記転写フィルムを軟化させた際、前記監視装置によって、前記転写フィルムの前記第二室に向かう隆起変形が確認された場合、前記空気供給装置が前記第二室に空気を供給し、前記監視装置によって、前記転写フィルムの前記第一室に向かう所定値以上の沈降変形、又は前記転写フィルムの皺の発生が確認された場合、前記空気供給装置が前記第一室に空気を供給することによって、前記転写フィルムを前記第二室に向かって隆起させた状態とし、前記監視装置によって、前記転写フィルムの前記第一室に向かう所定値内の沈降変形が確認された場合、前記加熱媒体供給装置が、前記第二室内に加熱媒体を供給するように制御されてなることを特徴とする(以下、「本発明装置」と称する。)。
本発明によれば、転写フィルムの密着性を好適に改善することができ、最終的な製品の品質を向上することができる。
図1(a)は、実施形態に係る本発明装置を示す断面図であり、図1(b)は、加熱装置を拡大して示す断面図である。 図2は、転写フィルムの一例を示す断面図である。 図3A(a)〜(c)は、本発明方法における作業室形成工程を示す断面図である。 図3B(d)は、本発明方法における吸引工程を示す断面図であり、図3B(e)は、本発明方法における軟化工程を示す断面図である。 図3C(f)、(g)は、本発明方法における転写工程を示す断面図である。 図4は、前記転写フィルムの絵柄層が被転写体に熱転写された転写体を示す断面図である。 図5A(a)は、前記軟化工程の際に、前記転写フィルムが隆起変形した状態を示す断面図であり、図5A(b)は、前記転写フィルムを積極的に沈降変形させている工程を示す断面図である。 図5B(c)、(d)は、前記転写フィルムを沈降変形させた後の転写工程を示す断面図である。 図6は、本発明方法に基づく前記本発明装置の制御を示すフローチャートである。 図7A(a)は、前記転写フィルムが過剰に沈降変形した状態を示す断面図であり、図7A(b)は、前記転写フィルムに皺が生じた状態を示す断面図である。 図7B(c)は、前記転写フィルムを積極的に隆起変形させている工程を示す断面図であり、図7B(d)は、前記転写フィルムの隆起変形の後、沈降変形した状態を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
<本発明装置1>
図1に、実施形態に係る本発明装置1を示す。この本発明装置1は、第一チャンバ部材10と、第二チャンバ部材20と、吸引装置30と、加熱装置40と、加熱媒体供給装置50と、空気供給装置60と、監視装置70と、を具備する。
前記第一チャンバ部材10は、上側に向かって開口する箱体である。前記第一チャンバ部材10は、その内部にホルダ設置台12が備えられている。前記第一チャンバ部材10は、例えば、鉄などの金属や、炭素繊維強化プラスチックなどを素材として形成される。
前記ホルダ設置台12は、設置台昇降装置80によって、上下方向に昇降可能となされている。前記ホルダ設置台12の外縁形状は、前記第一チャンバ部材10の開口形状とほぼ同じとなされており、前記設置台昇降装置80によって、前記ホルダ設置台12が前記第一チャンバ部材10の開口端に対し面一となる位置まで上げられた際、前記第一チャンバ部材10の開口端が前記ホルダ設置台12によって塞がれ得るようになされている。又、前記ホルダ設置台12の上面には、被転写物ホルダ200が備えられている。
前記被転写物ホルダ200は、本発明装置1による被転写物100への絵付け作業時において、前記被転写物100を位置決めし、又、作業中に前記被転写物100が動かないように保持する役割を担うものである(図3A(a)参照)。
前記第二チャンバ部材20は、下側に向かって開口する箱体である。前記第二チャンバ部材20の側壁には、監視窓21が設けられている。前記第二チャンバ部材20も、例えば、鉄などの金属や、炭素繊維強化プラスチックなどを素材として形成される。
前記吸引装置30は、吸引ポンプ31と、前記吸引ポンプ31の吸引孔に接続された吸引通路32と、前記吸引通路32から分岐して前記第一チャンバ部材10内及び前記第二チャンバ部材20内に通じる分岐通路33、34と、各分岐通路33、34に配された吸引開閉弁35、36と、を具備する。又、前記吸引装置30は、前記分岐通路33、34を連絡するバイパス通路37を更に具備してなり、前記バイパス通路37には、バイパス開閉弁38が備えられている。
前記加熱装置40は、前記第二チャンバ部材20に固定された昇降シリンダ43と、前記昇降シリンダ43のロッド431に連結されることによって、上下方向に昇降可能となされた熱盤42と、を具備する。図1(b)に示すように、前記熱盤42は、アルミニウムを素材とする筐体の内部に、ヒータ420が埋設された構造を有する。前記ヒータ420は、図示しない制御ユニットによって温度制御可能となされている。
前記加熱媒体供給装置50は、加熱媒体としての過熱蒸気を発生させる過熱蒸気発生装置51と、前記過熱蒸気発生装置51の吐出孔に一端が接続され、且つ、他端が前記第二チャンバ部材20内に通じられた蒸気通路52と、前記蒸気通路52に配された蒸気開閉弁53と、を具備する。なお、「過熱蒸気」とは、飽和蒸気を更に加熱することにより、ある圧力下において飽和温度以上の蒸気温度を持つようになされた蒸気のことを意味する。
前記空気供給装置60は、前記第一チャンバ部材10に接続された第一空気供給装置61と、前記第二チャンバ部材20に接続された第二空気供給装置62と、を具備する。
前記第一空気供給装置61は、第一空気供給通路611と、前記第一空気供給通路611に配された第一空気供給弁612と、を具備する。前記第一空気供給通路611は、一端が前記第一チャンバ部材10内に通じており、他端が大気解放されている。
一方、前記第二空気供給装置62は、第二空気供給通路621と、前記第二空気供給通路621に配された第二空気供給弁622と、を具備する。前記第二空気供給通路621は、一端が前記第二チャンバ部材20内に通じており、他端が大気解放されている。
前記監視装置70は、作業室Sの内部を撮影するカメラ71と、前記カメラ71に電気的に接続されたコンピュータ72と、を具備する。前記カメラ71は、前記第二チャンバ部材20の側壁に設けられた前記監視窓21を通じて、前記作業室Sの内部を撮影し、撮影した映像情報を前記コンピュータ72に送信する。映像情報を受信した前記コンピュータ72は、映像情報を解析し、解析した結果を基にして、必要な支持を本発明装置1に与える。
<転写フィルム300>
図2に、本実施形態において用いられる転写フィルム300の一例を示す。前記転写フィルム300は、ベースフィルム301の片側面に、剥離層302、絵柄層303、及び接着層304が順次積層された四層積層フィルムである。
<本発明装置1による本発明方法の実施>
図3A〜図3Cに、前記本発明装置1によって本発明方法を実施する工程を示す。前記本発明装置1を用いて、被転写物100に対して前記転写フィルム300の絵柄層を熱転写するにあたっては、前記第一チャンバ部材10と、前記第二チャンバ部材20とによって閉じられた作業室Sを形成すると共に、前記第一チャンバ部材10と前記第二チャンバ部材20との間に転写フィルム300を介在させることによって、前記作業室Sを前記第一チャンバ部材10側となる第一室S1と、前記第二チャンバ部材20側となる第二室S2との二つに仕切る作業室形成工程と(図3A(a)〜(c)参照)、前記作業室Sに存する空気を吸引する吸引工程と(図3B(d)参照)、前記第二チャンバ部材20内に配された加熱装置40によって、前記転写フィルム300を加熱し、軟化させる軟化工程と(図3B(e)参照)、前記第二室S2に加熱媒体を供給する転写工程と(図3C(f)、(g)参照)、を実行する。
本実施形態において、前記作業室形成工程による前記作業室Sの形成は、被転写物100を前記被転写物ホルダ200に保持させ(図3A(a)参照)、前記第一チャンバ部材10の開口端を塞ぐようにして前記転写フィルム300を配置した後、(図3A(b)参照)、前記第一チャンバ部材10上に、前記第二チャンバ部材20を載置し、前記転写フィルム300を挟んで互いの開口端縁の端面同士を突き合わせることによって実行した(図3A(c)参照)。
なお、前記ホルダ設置台12は、被転写物100を前記被転写物ホルダ200に保持させる際、前記設置台昇降装置80によって、前記第一チャンバ部材10の開口端と面一になる位置まで上げられ、前記被転写物ホルダ200に前記被転写物100を保持させた後、前記第一チャンバ部材10の底部に向かって下げられる。
又、前記転写フィルム300は、接着層304側が前記第一チャンバ部材10内に臨むように配置され、前記第一チャンバ部材10の開口端縁と、前記第二チャンバ部材20の開口端縁の間に挟持された状態にて保持される。これより、前記作業室Sは、前記転写フィルム300によって、前記第一チャンバ部材10側となる第一室S1と前記第二チャンバ部材20側となる第二室S2との二つの部屋に仕切られる。
本実施形態において、図3B(d)に示す前記吸引工程は、前記吸引装置30における前記分岐通路33、34各々に配置された吸引開閉弁35、36、及び前記バイパス通路37に配置されたバイパス開閉弁38を開き、前記吸引ポンプ31を作動させることによって実行した。この際、前記加熱媒体供給装置50における前記蒸気開閉弁53、前記空気供給装置60における前記第一空気供給弁612、及び前記第二空気供給弁622は閉じられている。これにより、前記作業室Sが減圧される。なお、前記バイパス通路37は、前記第一室S1と前記第二室S2との間に圧力差が生じることを抑制する役割を担う。前記作業室Sが十分に減圧された後、前記分岐通路33側に配された前記吸引開閉弁35、及び前記バイパス開閉弁38は閉じられる。一方、前記分岐通路34側に配された吸引開閉弁36は、開かれた状態のままとされる。
本実施形態において、図3B(e)に示す前記軟化工程は、前記昇降シリンダ43によって前記加熱装置40を前記転写フィルム300に向かって降下させ、前記加熱装置40におけるヒータ420を作動させることによって実行した。これにより、前記転写フィルム300は加熱され、軟化する。
本実施形態において、図3C(f)、(g)に示す前記転写工程は、前記転写フィルム300が軟化した後、前記加熱装置40を上げ、更に、前記ホルダ設置台12を前記第一チャンバ部材10の開口端と面一になる位置まで上げることによって、前記被転写物100を前記転写フィルム300と接触させた後、前記過熱蒸気発生装置51を作動させ、前記蒸気通路52に配置された蒸気開閉弁53を開き、前記第二室S2に向かって過熱蒸気を供給することによって実行した。
この際、前記第一室S1が依然減圧状態にあるため、過熱蒸気が供給された前記第二室S2と前記第一室S1との間には圧力差が生じる。この圧力差によって、前記転写フィルム300は、前記被転写物100の露出面に密着する。その後、前記被転写物100の露出面に密着した前記転写フィルム300は、前記第二室S2に供給された過熱蒸気の熱によって更に加熱されて、前記接着層304が溶融する。これにより、前記転写フィルム300が前記被転写物100の露出面に被覆される。
その後、前記蒸気開閉弁53を閉じたうえで、前記作業室Sを開き、前記被転写物100に接着された前記転写フィルム300から前記ベースフィルム301を剥がし取ると、図4に示す前記被転写物100に絵柄層303が熱転写された転写体110が得られる。
なお、上述の工程は、前記軟化工程の際に、前記転写フィルム300が変形しなかった場合、又は前記転写フィルム300が許容範囲内の沈降変形をしていた場合に実行される工程である。以下、前記軟化工程の際に、前記転写フィルム300が変形した場合の工程及びその制御について説明する。
‐転写フィルム300が隆起変形した場合‐
図5A、Bに、前記軟化工程の際に、前記転写フィルム300が隆起変形した場合の工程を示す。本発明方法においては、図5A(a)に示すように、前記軟化工程の実行によって前記転写フィルム300が前記第二室S2に向かって隆起した状態で軟化した場合、前記転写工程を実行する前に、前記第二室S2の気圧を前記第一室S1の気圧に対して正圧にすることによって、図5A(b)に示すように、前記転写フィルム300を前記第一室S1に向かって沈降させた状態とする。
そして、図5B(c)、(d)に示すように、前記転写フィルム300を前記第一室S1に向かって沈降させた状態としたうえで前記転写工程を実行すれば、前記被転写物100に対する前記転写フィルム300の密着性が改善され、その結果、得られる転写体110の品質が向上する。
なお、本実施形態に係る本発明装置1では、前記軟化工程時における前記転写フィルム300の変形を前記監視装置70にて監視し、前記転写フィルム300が隆起変形した場合、自動的に前記転写フィルム300を前記第一室S1に向かって沈降させた状態とするように制御されている。
更に詳しくは、前記監視手段70は、本発明装置1を動作させた時点から、前記第二チャンバ部材20の側壁に設けられた監視窓21を通じて、前記作業室Sを撮影し、撮影した映像情報を前記コンピュータ72に送信する。図6のフローチャートに示すように、映像情報を受信した前記コンピュータ72は、映像情報を解析し、前記転写フィルム100の変形の有無を判断する。
そして、前記コンピュータ72が、前記転写フィルム300に隆起変形が生じたと判断した場合(STEP1)、前記コンピュータ72は、前記空気供給装置60における前記第二空気供給弁622を開く命令を与え(STEP2)、もって前記第二室S2に空気が導入されるようにする。
前記第二室S2に空気が導入されることによって、前記第二室S2の気圧が前記第一室S1の気圧に対して正圧になると、隆起変形していた前記転写フィルム300は、前記第一室Sに向かって沈降する。
前記転写フィルム300が前記第一室Sに向かって所定値分沈降すると、前記コンピュータ72は、その旨を確認し(STEP3)、前記第二空気供給弁622を閉じる命令を与える(STEP4)。
その後、前記コンピュータ72は、前記ホルダ設置台12を前記第一チャンバ部材10の開口端と面一になる位置まで上げる命令を与え(STEP5)、更に、過熱蒸気の供給を命令する(STEP6)。
‐転写フィルム300が過剰に沈降変形した場合及び皺が生じた場合‐
図7A、Bに、前記軟化工程の際に、前記転写フィルム300が過剰に沈降変形した場合及び皺が生じた場合の工程を示す。
前記軟化工程の際に発生する前記転写フィルム300の変形は、前記転写フィルム300の種類によって、個別の変形状態を示すことが確認されており、係る変形は、前述の隆起変形のみならず、前記第一チャンバ部材10の底壁に向かって沈降する沈降変形や、前記転写フィルムに皺が生じる場合がある。
前記沈降変形が生じた場合、沈降の程度が許容される範囲内にあれば、そのままの状態で前記転写工程を実行することも可能である。しかしながら、前記転写フィルム300において過剰な沈降変形(例えば、前記被転写物ホルダ200に保持させた前記被転写物100に接触するような変形)が生じたり、前記転写フィルム300に皺が生じていたりしている場合に、そのままの状態で前記転写工程を実行すれば、やはり得られる転写体110の品質が低下する。
この点につき、本発明方法においては、図7A(a)に示すように、前記軟化工程の実行によって前記転写フィルム300が前記第一室S1に向かって過剰に沈降した状態、又は、図7A(b)に示すように、皺を生じた状態で軟化した場合、前記第一室S1の気圧を前記第二室S2の気圧に対して正圧とすることによって、図7B(c)に示すように、一旦、前記転写フィルム300を前記第二室S2に向かって隆起させた状態とする。
このように、前記転写フィルム300が過剰に沈降変形した場合において、前記転写フィルム300を前記第二室S2に向かって隆起させた状態とすれば、過剰な沈降変形が是正される。又、前記転写フィルム300に生じていた皺は、前記転写フィルム300を前記第二室S2に向かって隆起させた状態となされた際に引き伸ばされる。
その後、前記第一室S1と前記第二室S2との気圧差をなくせば、前記転写フィルムは、前記第一室S1に向かって自然に沈降する(図7B(d)参照)。
この沈降の程度が許容される範囲内になった時点で、前記転写工程を実行すれば、前記被転写物100に対する前記転写フィルム300の密着性が改善され、その結果、得られる転写体110の品質が向上する。
なお、本実施形態に係る本発明装置1では、前記軟化工程時における前記転写フィルム300の変形を前記監視装置70にて監視し、前記転写フィルム300が沈降変形したり、皺が生じたりした場合、自動的に前記転写フィルム300を前記第二室S2に向かって隆起させた状態とするように制御されている。
図6のフローチャートに示すように、映像情報を受信した前記コンピュータ72は、映像情報を解析し、前記転写フィルム100の変形の有無を判断する。
そして、前記コンピュータ72が、前記転写フィルム300に所定値以上の沈降変形、又は皺が生じたと判断した場合(STEP7)、前記コンピュータ72は、前記空気供給装置60における前記第一空気供給弁612を開く命令を与え(STEP8)、もって前記第一室S1に空気が導入されるようにする。
前記第一室S1に空気が導入されることによって、前記第一室S1の気圧が前記第二室S2の気圧に対して正圧になると、前記転写フィルム300は、前記第二室S2に向かって隆起する。
次いで、前記コンピュータ72は、前記転写フィルム300の隆起変形を確認したうえで(STEP9)、前記第一空気供給弁612を閉じる命令を与える(STEP10)。前記分岐通路34側に配された吸引開閉弁36は、開かれた状態のままとされているため、前記第一空気供給弁612が閉じられれば、前記第一室S1の気圧は減じられる。
前記第一室S1の気圧の減少に応じて、前記転写フィルム300が前記第一室Sに向かって所定値分沈降すると、前記コンピュータ72は、その旨を確認し(STEP11)、前記ホルダ設置台12を前記第一チャンバ部材10の開口端と面一になる位置まで上げる命令を与え(STEP5)、更に、過熱蒸気の供給を命令する(STEP6)。
ところで、本実施形態に係る前記本発明装置1においては、前記転写工程において前記転写フィルム300の絵柄層を前記被転写物100に熱転写するために用いられる加熱媒体として過熱蒸気を用いているが、この加熱媒体としては、加熱蒸気の他に加熱空気や飽和蒸気などを用いても良い。
又、本実施形態では、前記転写フィルム300として、ベースフィルム301の片側面に、剥離層302、絵柄層303、及び接着層304が順次積層された四層積層フィルムを用いているが、前記転写フィルム300としては、ベースフィルム301の片側面に、絵柄層303、及び接着層304が順次積層された三層積層フィルムを用いても良い。このような剥離層302を具備しない三層積層フィルムを前記転写フィルム300として用いた場合、ベースフィルム301を剥離することなく絵付けすることになる。又、前記転写フィルム300としては、絵柄層303の片側面に接着層304が積層された二層積層フィルムを用いても良い。
なお、本発明において、「熱転写」とは、熱を加えて、前記被転写物100の表面(露出面)を前記転写フィルム300にて被覆し、最終的に、前記被転写物100に前記絵柄層303の模様に応じた絵付けを施すことを意味する。
又、本発明においては、前記転写フィルム300を前記第一室S1に向かって積極的に沈降させた状態としたうえで前記転写工程を実行しているが、この積極的な沈降変形の実行は、沈降変形された前記転写フィルム300の最下点が、水平位置から5〜150mm(より好ましくは10〜100mm)の位置に下がるまで行うことが好ましい。従って、積極的な沈降変形の制御については、係る範囲内において所定値を定めることが好ましい。
更に、本実施形態においては、前記転写フィルム300が過剰に沈降変形した場合、及び前記転写フィルム300に皺が生じていた場合において、前記転写フィルム300を前記第二室S2に向かって隆起させた状態とした後、前記第一室S1と前記第二室S2との気圧差をなくすことによって、前記転写フィルム300を前記第一室S1に向かって沈降させているが、前記転写フィルム300を前記第二室S2に向かって隆起させた状態とした後、前記第二空気供給弁622を開き、前記第二室S2の気圧を前記第一室S1の気圧に対して正圧にすることによって、前記転写フィルム300を前記第一室S1に向かって沈降させた状態としても良い。
加えて、本実施形態においては、前記監視装置70における監視手段として前記カメラ71を用いているが、係る監視手段としては前記作業室Sの内部に存する前記転写フィルムの変形を監視し得るものであれば特に限定されるものではない。前記カメラ71以外の監視手段としては、赤外線やレーザ等による監視手段を上げることができる。又、前記転写フィルム300の表面にマーカー(例えば、蛍光マーカー)を配したり、レーザーポインタによって十字型などの標線を投影したりして、係るマーカーや標線の特徴量を解析することによって前記転写フィルム300の変形状態を把握するようにしても良い。
なお、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
前記本発明装置は、被転写物に転写フィルムの絵柄層を熱転写する装置として好適に用いられる。
1 本発明装置(熱転写装置)
10 第一チャンバ部材
12 ホルダ設置台
20 第二チャンバ部材
30 吸引装置
40 加熱装置
50 加熱媒体供給装置
60 空気供給装置
70 監視装置
80 設置台昇降装置
100 被転写物
110 転写体
200 被転写物ホルダ
300 転写フィルム
303 絵柄層

Claims (4)

  1. 上側に向かって開口する第一チャンバ部材と、下側に向かって開口する第二チャンバ部材とによって閉じられた作業室を形成すると共に、前記第一チャンバ部材と前記第二チャンバ部材との間に転写フィルムを介在させることによって、前記作業室を前記第一チャンバ部材側となる第一室と、前記第二チャンバ部材側となる第二室との二つに仕切る作業室形成工程と、
    前記作業室に存する空気を吸引する吸引工程と、
    前記第二チャンバ部材内に配された加熱装置によって、前記転写フィルムを加熱し、軟化させる軟化工程と、
    前記第二室に加熱媒体を供給する転写工程と、
    を実行することによって、前記第一チャンバ部材内に配された被転写物に、前記転写フィルムの絵柄層を熱転写する熱転写方法であって、
    前記軟化工程の実行によって前記転写フィルムが前記第二室に向かって隆起した状態で軟化した場合、前記第二室の気圧を前記第一室の気圧に対して正圧にすることによって、前記転写フィルムを前記第一室に向かって沈降させた状態としたうえで前記転写工程を実行することを特徴とする熱転写方法。
  2. 請求項1に記載の熱転写方法において、
    前記転写フィルムを前記第一室に向かって5〜150mm沈降させた状態としたうえで前記転写工程を実行する熱転写方法。
  3. 請求項1又は2に記載の熱転写方法において、
    前記軟化工程の実行によって前記転写フィルムが前記第一室に向かって過剰に沈降した状態、又は皺を生じた状態で軟化した場合、前記第一室の気圧を前記第二室の気圧に対して正圧とすることによって前記転写フィルムを前記第二室に向かって隆起させた状態とし、その後、前記転写フィルムを前記第一室に向かって沈降させた状態としたうえで前記転写工程を実行する熱転写方法。
  4. 上側に向かって開口する第一チャンバ部材と、
    下側に向かって開口する第二チャンバ部材と、
    前記第一チャンバ部材と前記第二チャンバ部材とによって閉じられた作業室に存する空気を吸引する吸引装置と、
    前記第二チャンバ部材内に配された加熱装置と、
    前記作業室に加熱媒体を供給する加熱媒体供給装置と、
    を具備してなり、
    転写フィルムによって、前記作業室が前記第一チャンバ部材側となる第一室と前記第二チャンバ部材側となる第二室との二つに仕切られた後、前記吸引装置にて前記作業室に存する空気を吸引し、前記加熱装置にて前記転写フィルムを軟化させ、前記加熱媒体供給装置から加熱媒体を前記第二室に供給させることによって、前記第一チャンバ部材内に配された被転写物に前記転写フィルムの絵柄層を熱転写する熱転写装置であって、
    前記第一室と前記第二室の各々に対して空気を供給する空気供給装置と、
    前記転写フィルムの変形状態を監視する監視装置と、
    を更に具備してなり、
    前記加熱装置にて前記転写フィルムを軟化させた際、
    前記監視装置によって、前記転写フィルムの前記第二室に向かう隆起変形が確認された場合、前記空気供給装置が前記第二室に空気を供給し、
    前記監視装置によって、前記転写フィルムの前記第一室に向かう所定値以上の沈降変形、又は前記転写フィルムの皺の発生が確認された場合、前記空気供給装置が前記第一室に空気を供給することによって、前記転写フィルムを前記第二室に向かって隆起させた状態とし、
    前記監視装置によって、前記転写フィルムの前記第一室に向かう所定値内の沈降変形が確認された場合、前記加熱媒体供給装置から前記第二室に加熱媒体が供給されるように制御されてなることを特徴とする熱転写装置。

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